A 六条御息所は妄想が激しく、『源氏物語』では恋敵を呪い殺してしまうような女性として描かれていますが、おもしろい人だと思います。明子役は、「天皇の孫で血筋は良いが、父が失脚させられたせいで心に傷がある」という点を軸にしています。ほかの女性に負けられないという思いを持ちながら演じていますが、負け犬感も大事にしています。呪詛して、母親になって、明子はパワーアップしていきますが、軸は変わりません。
Q 呪詛シーンは迫力がありました。苦労した点はありますか。
A 陰陽師指導の先生から、「自由にやっていい」と言われたのですが、今までの人生で呪詛したことがないのでやり方がわからなくて(笑)。陰陽師の映画などを見てイメージを膨らませました。リハーサルのとき、「明子はもっと燃え上がっている」と言われ、そこから今までのイメージを捨て、最終的に明子のキャラクター像に合わせたやり方で呪詛しました。
Q オンエアをご覧になり、いかがでしたか?
Q 恐ろしい役を演じて、私生活に影響はないですか。
A 私は客観視して演じるタイプで、物語のなかに入り込むことがいっさいないので、私生活に入ってくることもありません。役の感情というより、明子の役割はこうなんだろうな、と考えながら演じています。
Q 第22回では、道長に惚れたと告白していました。
A 道長は優しい人で、旦那様としてもステキな人だと思いますが、明子の本当の想いは、いまだに私はよくわからない部分があります。幼少期の経験が明子の思考を複雑化させているのではないかな、とも個人的には思っています。
Q 柄本佑さんの演技で引き込まれたところはありますか。
Q 今後、明子は倫子に嫉妬心を持つのでしょうか。
A 嫉妬というより、子どものことで負けたくないという気持ちが出てくると思います。倫子様は一番無敵な強いキャラクターですよね。出自もいいし財力もあるし、黒木さんのお芝居を見ても、妬むことを知らない女性に思えます。「困りましたね」と言いながら全然困っていなくて逆に怖いです(笑)
Q 「光る君へ」に出演されて、平安時代のイメージは変わりましたか。
A 平安時代はたおやかな世界、公家文化をイメージしていました。「光る君へ」だからこそではあると思うのですが、もっとポップでイマドキな感じもあるんです。そのミックスを大事にしていますし、この先さらに自分がどんなイメージを持つようになるのかも楽しみです。