
前回の日記
でも書いたが、先日の12月15日の「北限の満月」は別格だからでろう・・・あたかも必然的な導きを得たかのように大和国(奈良県)へ歴史探訪の運びとなった。
そこで上の画像は、当日予定していた「三輪山」近辺の行脚を終えた後に、奈良県山添村にある「神野山(標高619m)」の裾野に広がる”月ケ瀬神野山自然公園”の高台より、当地の「月の出」時刻の午後4時20分を経た午後5時頃の「北限の満月」を撮影したものである。
「月ケ瀬」という地名に相応しく、最も北側(真東から北に約33°振れた方位)から昇る”高い月”の麗しき風情を拝観することができ、ありがたき幸せを噛み締めたのであった。
実は今回の行脚の初日(15日)は、「卑弥呼」の後を継いだ女王「トヨ(台与)」が豊国(大分県)から大和国(奈良県)に入り、大和国一之宮「大神神社」の神体山「三輪山(標高467m)」の近辺にて、結果的ではあるが〔月神〕を祭祀したとされる”二ヶ所の聖地”を訪ねることになったのであった。
(※当記事の参考書籍等は「出雲口伝」を含む)
そこで上に掲載した地図は、「三輪山」を中心とする大和地域であり、今回訪れた場所を代表して順に右上の「白石の神域」、次に左側で赤点の「檜原(ひばら)神社」、そして左下の「大神(おおみわ)神社」を示した。
まず上の画像は、「白石の神域」にある《二重の円形を土台に白い小石で敷き詰められた祭祀場》を撮影したもので、古代より特別な祭祀空間として現代まで守られてきたようである。
旅路より帰宅してから確認できたことだが、上の地図の「三輪山」を基点とする東西軸と、「三輪山」と「白石の神域」を結ぶ線が形成する角度を〔約33°〕と示したように、前回の日記に書いた約18.6年周期で「北限の満月」が昇る方位となっていた。
この事実には私も心底驚いたのだが、おそらく〔月神〕を祀る祭主たる女王「トヨ」は、月の運行による18.6年周期を熟知しており、活躍していた三世紀頃の「三輪山」から見て「北限の満月」が昇る方位にある「白石の神域」の位置に、上の画像に映る《白石の祭祀場》を形成したのであろうと、後日になって如実に感じたところである。

そして上の画像は、「檜原神社」とその由緒書を撮影したもので、由緒にあるように「豊鋤入姫」は当社にて「天照大御神」を祭祀していたと書かれているが、”出雲口伝”を参照すると当社で祀られたのは「月神」であったということである。
加えて”出雲口伝”によると、女王「トヨ」は豊国の宇佐(現在の”御許山”を神体山とする「宇佐神宮」の鎮座する地域)より大和国に入って来たことから「豊来入姫(とよきいりひめ)」という名前であったが、日本神話では名前を「豊鋤入姫(とよすきいりひめ)」と意図的に変えられ、当人が誰だか分からないようにされたとのことである。
(※また「宇佐」から来た女王「トヨ」は、「ウサメ(宇佐女)」とも呼ばれ、日本神話では「天鈿女(アメノウズメ)命」と記されたとのこと。)
次に参拝したのは大和国一之宮「大神神社」であった。そこで上の画像は、「三輪山」を御神体として祀る当社の威風堂々とした拝殿を撮影したものである。
先ほどの「檜原神社」からは”山の辺の道”を歩き、その道中にあって「三輪山」山頂への登山口となっている「狭井神社」に参拝すると、登山道の整備のため翌日に予定していた登拝は無理だと判明した。残念ではあったが、それはそれで計画の練り直しができたので、事前調査ができて良かったわけである。
これまた後日になって確認できたことだが、上の画像に示したように「三輪山」を基点とする東西軸と、「大神神社」から「三輪山」を結ぶ直線が形成する角度が〔約30°〕で、この角度は「大神神社」から見て「三輪山」山頂から昇る朝日が「夏至」の方位を示していた。
つまり「三輪山」山頂を要とする二本の方位線は、夏至の”日の出”〔約30°〕よりも約3°北方から昇る約18.6年に一度訪れる「北限の満月」の”月の出”〔約33°〕を明示しており、実に感慨深いものがあった。
そして当日の15日に「三輪山」の麓で泊まったホテルは、最上階に天井の開いた展望露天風呂があり、ありがたいことに真夜中に天頂部を移動する「高い月」を、じっくりと湯浴みをしつつ拝することができた。
加えて末尾の画像は翌16日の朝、ホテルの窓から西方に沈みゆく月(画像の右側中央)を撮影したものだ。ちなみに画像左側の秀麗な二並びの山は、「檜原神社」から西方に展望できる「二上山」である。
この12月15~16日は、「北限の満月」の祭祀場であったであろう「白石の神域」を訪ねた後、「昇り来た満月」から「天頂に近く最も高い満月」、そして「沈み行く満月」を拝することができ、約18.6年に一度の「高い月」を存分に堪能することのできた贅沢な時空であった。
そして本日の12月21日は「冬至」である。そこで今年の「冬至点」の時刻は〔午後6時21分〕ということだ。
明日の朝は、本来の”一年の始まり”となる陽光を浴び、自身の〈心の光〉を「弥栄」に輝かせよう‼
※「冬至」については、12月25日の「クリスマス」までの期間を含め、これまで何度か取り上げてきたので、以下に過去記事のリンクを貼っておく。
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