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2006.09.30
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カテゴリ: カテゴリ未分類
嬬恋ライブ。つい先週のことなのに、はるか昔のよう。でも、なんだかまだ、ちゃんとは社会復帰していない。

日を追って鮮やかになるのは、拓郎のこと。
確かに、かぐや姫は懐かしくて、メロディも美しい。ほとんどぜんぶ一緒に歌える。こうせつのMCは最高に楽しいし、演出も、曲構成もみごとで、ちゃんと盛り上がる。「あー、こんなにいっぱい、いい曲があったんだ」と今さらながら感心することしきり。何より楽しませ方を心得てるから、すべてがソツなくまとまって、ピタッとハマって、こっちはそれに乗っかっていけばいい、ただただ満足。

それにひきかえ、拓郎はねー。天邪鬼、へそ曲がり、本人が言うとおり、ことごとく人を裏切ってくれる。なにしろ曲想が似ているから、イントロだけじゃわからない。こっちも全曲覚え切れないから、聴きながら「あれかなー、これかなー」と想いをめぐらし、けっきょく「あー、違った。知らない曲だ」。そんなのの連続。

また本人もそれを楽しんでるふうでもある。終盤で「あー、ではみんなが一番好きな曲を」って、じゃあ、知っててそうでもない曲やってたんか?『春だったね』『落陽』とつづけて、花火がバンバン上がって、もうこっちがうるうる涙しているのに「ほんっとに、みんなこれが好きなんだねぇ」なんて、それ見てうれしそうに感心している。でもって、次はもう新しい曲だ。うれしくて飛び上がって歌ったすぐあとに、首かしげて座り込む。もうクタクタで、拓郎そうでもない組(つまりかぐや姫ファンのほう)はブーイングだ。あれやってくれない、これもやんないのかって、休憩のたんびにブツブツ言ってる。実際、「夏休み」も「祭りのあと」もない。もちろん「旅の宿」もない。「結婚しようよ」って、誰の曲?

けどね、それを繰り返すうちに、こっちはだんだんと思い出してくる。じーっと固まって、リズムもとりそびれて、耳だけを澄ませているうちに、じわじわと拓郎の世界が押し寄せてくる。ああ、これだったんだ。ずっと想い、焦がれていたのは。自分の中の、何年も見ていないコアな部分。奥の奥にしまい込んで、忘れたふりをしていた、青くてざらざらして、がさがさして痛ましい、そして、とてつもなく愛おしい、ちっぽけで愚かな自分をギュッと抱きしめる。まだまだだよね、いけるよね。全身で聴きながら、必死にそう問いかけている。

だいたいね、「ハゲに白髪に、中年太り」って、よく考えればいたぶってるだけの、まとまりのないMCに、へらへら笑いながらウケている。知ってる曲に歓喜して、知らない曲にしょんぼりして、それでも、出てくるだけで顔がゆるむ。冷静にみればかなりおかしい。拓郎ファンはみんなMだな。

後で聞いたら、小田和正も、イルカも、松山千春も来てたって。ゲストはかまやつさんと中島みゆきだけだったけど。拓郎は、曲を勝手に変えたがるし、本当は「ファイト」をデュエットするはずだったのに、自分一人で歌うと言い張って、瀬尾さんと大ゲンカしたんだそうで、裏方はてんやわんや、かぐや姫のスタッフ(もちろんこうせつファン)は頭にきていたそうな。

エンディングに、本当は、アンコールの「神田川」を歌ったかぐや姫が呼びかけて、ついでに客席のアーティストも引き上げられて、かまやつさんはもちろんそのつもりで裏で待機していたし、そこへ拓郎が出てきて「人間なんて」を大合唱の大団円、という目論見があったらしい。道理で、せっかく残してた「神田川」は確かに浮きまくってMCも一切なかったところをみると、こうせつはカンカンだった模様。とってつけた拓郎のアンコールは、ほとんど知る人もない「聖なる場所に祝福を」で、締めるはずもなく雰囲気的には、残念な感じ?



きっと、いちばん、あの場所にいたくなかったのは、拓郎なんだろうな。3万5千人の前で歌う自分を、どうにも受け入れがたくて、ここはオレの居場所じゃないって言い聞かせて、逃げ出したいのを我慢して、やり遂げたことにも、ちっとも満足できなくて、いたたまれない気持ちになっている。さんざんわがまま言って、悪態ついて、でも誰よりもそれを後悔してしょんぼりしているのも彼なんだ。きっと、おカンムリのこうせつも、ほかの人たちも、そのことはよくわかってくれると思う。

あまりにも幸福な時間だったから、むしろ少し後ろめたさが残っていたりする。拓郎は、あの場所にはもういないんだよね。とっくに先へすすんじゃったか、後ずさっているのか、ともかくもうここにはいない。だから好きなんだってことを、改めて思い知らされた。今までもそうだったのに、うっかり忘れるところだった。早く自分も手放さなきゃ。でも、まだ、もうちょっとだけ味わわせて。





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Last updated  2006.09.30 17:31:06
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