ミステリの部屋

ミステリの部屋

2005年10月31日
XML
カテゴリ: 日本ミステリ
聞いたことがないけれど、気になる題名だったので、どんな話だろう?と思って読んでみました。

とむらい機関車/デパートの絞刑吏/カンカン虫殺人事件/白鮫号の殺人事件/気狂い機関車/石塀幽霊/あやつり裁判/雪解/坑鬼  「随想抄録」

これはかなり昔の作品でした。
作者の大阪圭吉さんは明治45年生まれ、戦前の作家で、戦争中に南方で戦病死なさったそうです。

この作品が書かれた頃は確か、推理小説といえばおどろおどろしいもの、幻想的なものが主流ではなかったかと思うのですが、この方の作品は論理的推理によって事件の解決をみます。本格派と言っていいでしょう。
こんな方がおられたとは、知りませんでした。

表題作「とむらい機関車」には陰惨でぞっとする描写もありますが、何度も豚が機関車にひかれるという謎の意外な真相に驚かされ、なんともいえない物悲しさが、深く心に残りました。

もちろん今とは情景も世相も違います。そして炭鉱で働く人など、労働者が多く登場するところも珍しいです。

挿絵が幾つかあるのですが、その頃のことは知らないはずなのに、懐かしい気持ちになります。



とむらい機関車  とむらい機関車 :大阪圭吉










お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005年10月31日 23時44分40秒
コメント(2) | コメントを書く
[日本ミステリ] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:とむらい機関車:大坂圭吉(10/31)  
みっつ君  さん
こんばんは!

私は有栖川さんの「密室大図鑑」で読んだ「灯台鬼」が読んでみたいです。 (2005年11月01日 00時18分45秒)

Re[1]:とむらい機関車:大坂圭吉(10/31)  
samiado  さん
みっつ君さん、こんばんは!

>どこかで聞いたことがある作品だと思ったら、大坂さんの作品だったのですね♪
>私は有栖川さんの「密室大図鑑」で読んだ「灯台鬼」が読んでみたいです。

おお、気がつきませんでした。「密室大図鑑」のあの灯台で起きる密室殺人の話ですね。
「灯台鬼」は創元推理文庫の「銀座幽霊」の方に入っていますね。
どうやら青空文庫でも読めるみたいですよ。

(2005年11月01日 18時43分22秒)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

バックナンバー

2025年11月
2025年10月
2025年09月
2025年08月
2025年07月
2025年06月
2025年05月

コメント新着

月見草@ Re:夜のピクニック:恩田陸(07/06) 「夜のピクニック」のご紹介ありがとうご…
アルビレオ@ Re:白馬への旅、2日目(07/30) 白馬 行って見たくなりました。ワタスゲ…
アルビレオ@ Re:マフラー(01/29) samiadoさんの優しさがしみます。36ufh
アルビレオ@ Re:冷凍ロールケーキ(02/07) 書き出しの「待っていたロールケーキが届…
アルビレオ@ Re:節分もどき(02/03) 恵方巻きって確かに子どもの頃 福岡には…
アルビレオ@ Re:つらいときは(02/02) 「情けは人のためならず」って、何か辛い…
アルビレオ@ Re:マフラー(01/29) samiado さん 編み物も🧶されるんですね…

お気に入りブログ

『新訳 冬物語/シ… shovさん

未定の予定~ラビ的… みっつ君さん
留年候補生W2.0… 留年候補生W2.0さん
魔女の隠れ家 たばさ6992さん
ちょっと休憩 ときあさぎさん

キーワードサーチ

▼キーワード検索

サイド自由欄


© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: