ミステリの部屋

ミステリの部屋

2006年09月02日
XML


そんなある日、ナンパに勤しむ響子の同級生・菅野虎鉄が見つけてしまったのはナイフの突き立った猫の死体、いや、はく製だった!?
奇妙な「猫とナイフ」事件の三日後、マリンバイクで海の上を暴走中の男に人間が降ってきて衝突した、という不可解な通報が!
降ったきた男は「猫とナイフ」事件にかかわりがあるようだが…。
のどかな「猫の楽園」でいったい何が!?
真夏の猫島を暴風雨と大騒動が直撃する!




共通して出てくるのは過去の作品でも、若手をこきつかう駒持警部だけです。
今回の犠牲者(?)は余りやる気のない七瀬巡査。
気の毒なくらい散々な目にあうのですが、だんだん親しみがわいて応援したくなりました。

これらのシリーズだけは、若竹さん特有のいつもの毒も一休み。
殺人は起こるものの、どこかのんびりした、ほのぼの感のある作品になっています。

高校生の響子や虎鉄が主人公かと思うオープニングですが、その後、個性的な島の住人たちが続々と登場してきます。
特に、働く女性や高齢の女性の描き方がうまいです。
誰が、というわけではなく、誰もが主人公となっています。



目次も凝っていて、全て猫にまつわる言葉やことわざとなっています。(長くなるので省略)



というのが表紙裏の若竹さんの言葉ですが、私は猫バカではありませんでした。
どこかで見たことがある猫(もどかしいけれど思い出せない)はいましたが、それ以外まったくわかりませんでしたから。
もっとわかると思っていたので残念です。

夏も終わりだというのに、読んでいる間は夏休み気分、リゾート気分。
本当に猫島に行けたなら、猫島丼が食べたい、なんてのんきに考えています。
最後のオチも決まって、ああ面白かったと満足しました。

猫好きな人にも、そうでもない人にも楽しめる作品です。
ただし、駒持警部のように猫アレルギーのある人は、鼻がむずむずするかもしれません。


ただ一つ、猫島のおばさん連と同じく「修学旅行の出来事」が、気になりますが。


猫島ハウスの騒動  2009年文庫化














お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2009年05月29日 16時43分57秒
コメント(12) | コメントを書く
[日本ミステリ(や・ら・わ行作家)] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

バックナンバー

2025年11月
2025年10月
2025年09月
2025年08月
2025年07月
2025年06月
2025年05月

コメント新着

月見草@ Re:夜のピクニック:恩田陸(07/06) 「夜のピクニック」のご紹介ありがとうご…
アルビレオ@ Re:白馬への旅、2日目(07/30) 白馬 行って見たくなりました。ワタスゲ…
アルビレオ@ Re:マフラー(01/29) samiadoさんの優しさがしみます。36ufh
アルビレオ@ Re:冷凍ロールケーキ(02/07) 書き出しの「待っていたロールケーキが届…
アルビレオ@ Re:節分もどき(02/03) 恵方巻きって確かに子どもの頃 福岡には…
アルビレオ@ Re:つらいときは(02/02) 「情けは人のためならず」って、何か辛い…
アルビレオ@ Re:マフラー(01/29) samiado さん 編み物も🧶されるんですね…

お気に入りブログ

『新訳 冬物語/シ… shovさん

未定の予定~ラビ的… みっつ君さん
留年候補生W2.0… 留年候補生W2.0さん
魔女の隠れ家 たばさ6992さん
ちょっと休憩 ときあさぎさん

キーワードサーチ

▼キーワード検索

サイド自由欄


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: