ミステリの部屋

ミステリの部屋

2006年12月04日
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これは1939年に発表された作品です。
黄金期の探偵小説の香りが漂います。

先日読んだ「帽子から飛び出した死」(  感想  )の続編。
やはりマジシャンのグレイト・マーリニが探偵役です。
登場人物が重なりますし、これは順番どおりに「帽子から飛び出した死」から先に読んだ方がいいのです。

前作の感想に書きましたが、作者のクレートン・ローソン自身もマジシャンです。
作品数はそう多くありませんが、EQMMの編集長を勤めたり、 MWA(Mystery Writers of America)を創設した人でもあります。



どうやら背後には友人グレイト・マーリニがいるらしい。 
マーリニの誘いで、交霊会調査のためニューヨーク沖に浮かぶスケルトン島へと向かった二人は、無人のはずの屋敷で女の死体を発見する。
 現場の天井には謎の足跡が残されていた……。
孤立した状況下で次々に起こる怪事件、おりしも島には、霊媒、心霊学者、元ブローカー、発明家など、いずれも一癖ありそうな人物が揃っていた。
 幽霊屋敷、交霊会、毒殺、謎の放火、密室の死体、沈没船の宝探しと、めまぐるしい展開の難事件に挑む、奇術師探偵グレイト・マーリニの活躍。



私は島という舞台が好きなようで、最初に載っていた地図を見ただけでわくわくしました。

ロスとマリーニがその島に上陸したのは夜のこと。
人気のない荒れた屋敷に怪しい灯りがまたたき、探索の後に硬直した死体を発見した部屋では、天井に足跡を発見し、火事が発生するという目まぐるしい展開。

その後も海に沈んだ財宝が関わってきたりと怒涛の展開が続きます。
まさにマジックのようにミスリードの連続。
誰が真犯人でもおかしくないという怪しさにあふれた人々。
さらに登場人物のさまざまなたくらみや思惑が重なり合って、かなりややこしいことになっています。

とんでもないことですが、のほほ~んと読んでいた私は、結局真犯人は誰だったっけ?と考える始末。
さらに、天井についた足跡はどうしてついたんだっけ?と、すっかり混乱してしまいました。
もちろん今はどちらもわかりますとも。

前作に続いて、ロスとマーリニと警視のやりとりが楽しめたので、それでいいことにします。

3作目『首のない女』、4作目『棺のない死体』と続きますが、現在どちらも絶版です


天井の足跡 : クレートン・ローソン







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最終更新日  2006年12月04日 23時50分03秒
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