ミステリの部屋

ミステリの部屋

2007年05月19日
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カテゴリ: ミステリ関連
ミステリに登場する執事の特集、国内編をアップしました。

やはり執事の本場はイギリスでしょうから、日本のミステリには執事が登場するものが少ないのは当然と思われます。
現代の日本で執事のいる家があるとすれば、それはかなりお金持ちであるとか、代々続く由緒ある家系で、しかも大邸宅に住んでいることが必要ですから、一般庶民にはとっては今はやりの執事喫茶でもなければ出会う事はありません。

もともと執事(butler)とは、邸宅に仕える男性使用人の最高責任者のことらしいです。
主人の身の回りの世話をするのは従僕(valet)ですが、執事が従僕の仕事を兼ねることもあるとか。
この従僕(valet)も翻訳では執事と訳されることが多いそうですが、どちらにしても日本人にとっては余り縁がないので、細かい区別をしても仕方ないというところでしょうか。

ミステリ以外で執事が登場する作品としては、次のようなものがあります。
英国の名門家に一生を捧げてきた老執事が半生を回想する、カズオ・イシグロの『 日の名残り 』、
王女マメーリア 』に収録されている「執事」では、俗物の主人を執事が痛烈に皮肉ります。
ウィリアム・シェイクスピアの『 十二夜 』は喜劇。真面目で厳格な執事が、からかいの対象になります。
未来の話もあります。ロバート・アスプリンの『 銀河おさわがせ中隊 』には、宇宙時代の執事が登場します。

さて、大盛況の(予約が必要とか)執事喫茶ではテールコートを着た執事が「お帰りなさいませ、お嬢様」と迎えてくれるそうです。
英国の雰囲気をかもし出すインテリアの中で執事にかしずかれながら紅茶を楽しむ……乙女たちの夢です。
大人が大真面目にごっこ遊びができるとは、いい時代だと思います。
お店を出る時には「行ってらっしゃいませ、お嬢様」と送り出されるらしいのですが、「御用がおすみになられたら真っ直ぐにおかえりください。そうでないと私ども一同、心配してしまいます。」なんて言われるかも知れないとか。吹き出さずにお嬢様らしく悠然と微笑む自信はありません。






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最終更新日  2007年05月22日 08時27分57秒
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