ミステリの部屋

ミステリの部屋

2007年09月12日
XML
夏合宿のために矢吹山のキャンプ場へやってきた英都大学推理小説研究会の面々―江神部長や有栖川有栖らの一行を、予想だにしない事態が待ち構えていた。

その極限状況の中、まるで月の魔力に誘われでもしたように出没する殺人鬼。
その魔の手にかかり、ひとり、またひとりとキャンプ仲間が殺されていく…。
いったい犯人は誰なのか。
そして、現場に遺されたyの意味するものは何。

内容(「BOOK」データベースより)

今月末、『月光ゲーム』『孤島パズル』『双頭の悪魔』に続く江神シリーズの第4長編『女王国の城』が、やっとやっと刊行されます。そこで、ちょっと読み返しておこうかと思いました。

久々の再読、楽しかったです。


これは私が初めて読んだ有栖川有栖さんの作品。
以前エラリー・クイーンを好んで読みあさっていた私は、やっと日本にも謎と論理にこだわる作家さんが現れたと喜んだものでした。
どろどろした推理小説ではない、謎解き重視のミステリ、これを待っていたのだと……。

クローズドサークル、ダイイングメッセージ、読者への挑戦、一同を前にしての謎解き。わくわくします。

姿の見えない殺人者に学生たちが互いに疑心暗鬼になる様子や、噴火で道が閉ざされたため協力して脱出をはかるしかない状況など、目が離せない展開です。

私はすっかり犯人を忘れていました。気付かなかった手がかりは、探して遡ったらちゃんと書いてありました。


登場人物が多いので、やや誰が誰かわかりにくいところもありましたし、動機にすんなり納得できないところもありました。
でも、有栖川さんのデビュー作は、とにかく初々しかったです。

そして青春小説としてもよめます。だから好きでもあるのですが。
甘酸っぱい雰囲気もある中で、頼りになる江神先輩と、ごく普通の後輩アリスの会話はほのぼのしていてなかなか良かったです。

作中に出ていた『虚無への供物』と『ハムレット復讐せよ』は近年ついに読みました。江神先輩、そこは褒めてくださいね。


月光ゲーム : 有栖川有栖




 コミック版もあります。










お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年11月19日 09時58分18秒
コメント(12) | コメントを書く
[日本ミステリ(あ行作家)] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

バックナンバー

2025年11月
2025年10月
2025年09月
2025年08月
2025年07月
2025年06月
2025年05月

コメント新着

月見草@ Re:夜のピクニック:恩田陸(07/06) 「夜のピクニック」のご紹介ありがとうご…
アルビレオ@ Re:白馬への旅、2日目(07/30) 白馬 行って見たくなりました。ワタスゲ…
アルビレオ@ Re:マフラー(01/29) samiadoさんの優しさがしみます。36ufh
アルビレオ@ Re:冷凍ロールケーキ(02/07) 書き出しの「待っていたロールケーキが届…
アルビレオ@ Re:節分もどき(02/03) 恵方巻きって確かに子どもの頃 福岡には…
アルビレオ@ Re:つらいときは(02/02) 「情けは人のためならず」って、何か辛い…
アルビレオ@ Re:マフラー(01/29) samiado さん 編み物も🧶されるんですね…

お気に入りブログ

『新訳 冬物語/シ… shovさん

未定の予定~ラビ的… みっつ君さん
留年候補生W2.0… 留年候補生W2.0さん
魔女の隠れ家 たばさ6992さん
ちょっと休憩 ときあさぎさん

キーワードサーチ

▼キーワード検索

サイド自由欄


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: