ミステリの部屋

ミステリの部屋

2007年09月19日
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深夜、人を轢いてしまったと、警察署に女性が飛び込んできた。
死んだ男は泥酔して、道の真ん中で寝込んでしまったらしい。
ただ奇妙なことにこの男、どの酒場にも寄った形跡がなく、酒壜も持ってはいなかった。
本当にただの事故なのか?
首を傾げる警察の前にしゃしゃり出たのは、ご存じトビーとジョージの名コンビ。
本書は二人の最初の事件であり、著者のデビュー作でもある。

(「BOOK」データベースより)

イギリスの女流作家エリザベス・フェラーズの作品。同シリーズの『猿来たりなば』を読んだのはかなり前でしたが、本作品がデビュー作なのですね(1940年)。
海外の作品は書かれた順番と、日本で出る順番が違うことがよくあるので困ります。シリーズものは、その中で一番一目を引く作品から訳されるのでしょうか?

舞台はデヴォン地方に広がるダートムアの一画に位置する村。
ある夜なか、道路に寝ていた人を車で轢いてしまったのはアンナ・ミルン夫人。
その男に見覚えが無いと言うにもかかわらず、男のポケットからはミルン夫人の住所が書かれた紙切れが見つかります。

酒を飲んでいたらしいのに、男は酒場に行った様子もなく、空の酒壜も見つかりません。警官は酒壜を探して川をさらい、それをじっと見ていたのが、トビーとその相棒のジョージでした。

やせ形で背が高く、黒髪のトビーと、背は低め、ぽっちゃりして丸顔で金髪のジョージ。

口八丁手八丁のトビーの方が名探偵に見えますが、いつも控えめなジョージ(これも本当の名前かどうか怪しい)もただものではないのです。


頼まれもしないのに好奇心一杯で事件に首を突っ込んでいく様子や、関係者との軽妙なやりとりが楽しいところです。

二人は別々に推理していくうちに、事件の真相だけでなく隠された人間ドラマもあきらかにしてしまいます。名コンビですね。
二人はいつも一緒です。


その死者の名は : エリザベス・フェラーズ









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最終更新日  2007年09月19日 23時37分05秒
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