ミステリの部屋

ミステリの部屋

2007年10月15日
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注目の俊英が放つ驚愕の新作。
細長く薄気味悪い座敷に棲む狐面の男。
闇と夜の狭間のような仄暗い空間で囁かれた奇妙な取引。
私が差し出したものは、そして失ったものは、あれは何だったのか。
さらに次々起こる怪異の結末は―。
端整な筆致で紡がれ、妖しくも美しい幻燈に彩られた奇譚集。
(「BOOK」データベースより)


きつねのはなし・果実の中の龍・魔・水神

思いがけず怖い思いをしました。
これまで読んだ作品と同じように京都を舞台としながら、その趣はまったく違っています。

ダメ男の妄想は影をひそめ、少しずつ味わいの違う不思議な話が語られます。
それはまるで闇の世界を覗き込むかのよう。

京都の町をふらふら能天気に歩いていたら、裏路地に迷い込んでしまい、ただならぬ物を見てしまった気分です。

四つの話は、それぞれがきっちりとではないのですが、どこかでつながっています。
たとえば狐の面で。たとえば胴の長いケモノで。

でも、それらを突き合わせてきっちりさせたいとも思わないのです。ななめ後ろに異様な気配を感じながらも、振り返らずに歩き続ける。
それは京都ならば何があってもおかしくないとわかっているから。






 きつねのはなし : 森見登美彦







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最終更新日  2007年10月17日 02時25分54秒
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