ミステリの部屋

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2008年01月09日
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笑いとサスペンスが同居する怪事件の真相やいかに?
巨匠カーの作品中、もっともファルスの味が濃いとされる本書はまた、フェル博士が安楽椅子探偵を務める本格編でもある。
(「BOOK」データベースより)


カーは多種多様なミステリを書いていますが、この作品はその中で最もファルスの味が濃いとされています。

ファルスとは何か? 辞書で調べてみると、

フランス中世後期に栄えた民衆演劇の形式の一。当時の庶民生活を題材とした単純素朴な喜劇。一般には、こっけいさをねらった喜劇。笑劇。ファース。

とあります。
確かにあきれるほどドタバタでした。

事件はニューヨークからロンドンへ向かう豪華客船、クィーン・ヴィクトリア号の上で起こります。
ギデオン・フェル博士ものですが、博士は船を下りてやってきた推理作家・モーガンから話を聞くだけで 真相を推理します。
安楽椅子探偵というわけです。

発端は、外交官のウォーレンが持つ、国際スキャンダルを招きそうな映画フィルムが盗まれてしまったことです。

それを知ったヴァルヴィック元船長やペギーやモーガンたちは、ひそかに犯人を捜そうとするのですが、殺人事件に遭遇し、混乱の中で船長を殴って 船客の宝石を奪い取ってしまう羽目になるのです。



この作品はミステリとしてはフェア・プレイです。
フェル博士は 謎を解く16の鍵を教えてくれますし、事件を解説する時には 手がかりが何ページにあったかがそのつど明記されています。
とはいうものの、私はすっかりファルスに翻弄されて、真相は見抜けませんでした。

先に読んだ娘が、「ウォーレンはあれでよく外交官が務まるね~。」とあきれていましたが、同感ですw



盲目の理髪師新版 : ディクスン・カー







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最終更新日  2008年01月09日 19時10分14秒
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