ミステリの部屋

ミステリの部屋

2008年05月12日
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真っ赤なマフラーで首を絞められて。
住人の誰もが顔見知りの小さな町で、誰が、なぜ彼女を殺したのか?
8年前の少女失踪事件との奇妙な共通項とは?
ペレス警部の前に浮かびあがる、悲しき真実。
現代英国本格派の旗手が、緻密な伏線と大胆なトリックで読者に挑戦する!
(出版社より)


2006年の英国推理作家協会賞を受賞したミステリー。

スコットランドの北に位置するシェトランド島を舞台に、地元の女子高生の絞殺事件が起こり、ペレス警部が地道に捜査を行います。

誰もが、8年前に起こった未解決少女失踪事件の容疑者だった老人を疑いますが……。

真っ白な雪野原に舞い飛ぶ真っ黒な大鴉。
その下には死体があるのですが、それを知らなければとても美しいと思ってしまいそうです。

大鴉というのは、和名ワタリガラスで、日本で見かけるカラスより一回り大きいらしいです。
有栖川さんの『乱鴉の島』にも出てきました。ポーの長詩『大鴉』をモチーフとしていましたね。

複数の視点から語られる文章は、淡々としていますが、まだ見たことのない辺境の島に暮らす人々の姿を丁寧に描いています。

そして、閉鎖的な島の中で悩み苦しむ人々の心までが、次第に明らかになっていきます。



さらに、謎解きもしっかりしていて、驚かされました。

作者は、イギリスでは既に20冊もの作品が発表されていますが、邦訳はこれが初めてらしいです。
シェットランド四重奏と言われる連作の最初の作品となるので、次の作品が訳されたら読みたいと思います。




大鴉の啼く冬:アン・クリーヴス/玉木亨







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最終更新日  2008年05月12日 23時38分32秒
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