ミステリの部屋

ミステリの部屋

2008年06月25日
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海をのぞむ美しい眺望で人々を魅了する“ジプシーが丘”。
が、同時に呪われた地として皆から恐れられてもいた。
この地で男女が出会い、恋に落ちた。
だが、まもなく乗馬に出かけた女は馬から落ちて死亡してしまう。
果たして、“ジプシーが丘”の呪いなのか?
斬新な手法を駆使し、著者が自信を持っておくる異色作。

(「BOOK」データベースより)

shovさん に教えていただいた、ウィリアム・ブレイクの詩のことを話していたら、娘が確かこの作品にもブレイクの詩があったと教えてくれました。

冒頭に書かれていたのはこれ


夜ごと朝ごと
みじめに生れつく人あり
朝ごと夜ごと
幸せとよろこびに生れつく人あり
幸せとよろこびに生れつく人あり
終りなき夜に生れつく人もあり

……ウィリアム・ブレイク
『罪なき者の予言』より



訳は違いますが、まさにshovさんに教えていただいた「無心のまえぶれ」の一部でした。
この詩の意味は最後に噛みしめることになります。

金持ち相手に観光案内をする運転手・マイケル・ロジャースは、世界で六番目の大富豪の娘エリーと、呪いの伝説を持つ「ジプシーが丘」で出会い、恋におちます。
結婚して、運命の場所に邸宅を構えた二人でしたが……。


たぶん読んだことがあったのだと思います。
読み始めて間もなく結末がわかりました。


そして、独特の視点で描かれた作品です。

ミステリであると同時に、とても美しく残酷なラブ・ストーリーでもありました。
何とも言えない切ない余韻が残ります。


文庫解説にありましたが、クリスティー自身もこの作品を気に入っていたようです。




終りなき夜に生れつく: アガサ・クリスティ







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最終更新日  2008年06月27日 23時18分55秒
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