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夏の峠を過ぎたとはいえ、猛暑日近い気温にヘトヘトの北関東です。コロナも増え続けていますので、自宅でおとなしくしております。
さて、前回の記事で取り上げた米国製高級6球ラジオの続編です。 回路構成やら電源回路の検討やらを書いてみたいと思います。
米国製高級?6球ラジオ(ATWATER KENT MODEL No.35)セット
まず、大きさです。
今まで入手したアンティークラジオの中では際立って小型となっています。
その寸法がこちら
「 これで小さいの?
」って声が聞こえてきそうですが、いままで入手してきたアンティークラジオのほとんどが日本製で木製の筐体(ケース)に入っており、横幅は50cm超、高さ・奥行き25cm超っていうものが多かったですからね。非常にコンパクトに感じます。
内部構造を見てもそのコンパクトさがわかります。
ね?真空管が6本使われているとは信じられないくらいコンパクトにまとまっているでしょう?
先回の記事で書いたように、上記の写真は底から見た状態で、部品が天板にある基盤?にぶら下がるように取り付けられています。同調回路が3つあるのですが、
選局ダイヤルは一つで、銅製のベルトで3つのバリコンがつながれていて選局が非常に楽です。
段間トランスですが、通常 1:3 のトランスが多いと思うのですが、ATWATER KENTのデータシートによると 4:1と2.5:1 のトランスが使用されています。(出力:入力かな)
多分写真の大きい方が 4:1 のトランスと思われます。
ATWATER KENT データシートにある回路図を掲載しておきます。
さて、元々、6Vの鉛蓄電池と45Vの乾電池2個を使用して動作させるよう設計されたラジオですが、購入時には自作の電源装置が付属していました。
こちらが自作電源です。
裏側に出力端子があります
左側 上からC-(-5V) B2+(+20V) B1+(+40V) B-(G)右側 上から 空き 空き A+(+5V) A-(G)となっているようです。
前回も問題点として書きましたが、この自作電源が「トランスレス」なんですね。
つまり、家庭用交流電源をそのまま整流しているので、電源プラグのコンセントへの挿し方を間違うと金属部を触ると感電する可能性があり、さらにグラウンドを取れないので、受信感度が下がるという問題点があります。
簡単な改善方法としては、100V:100Vのアイソレーショントランスを入れることです。で、そのためのトランスを入手しました。
こちらです。
非常にコンパクトです。コアの大きさは4X3X2cmくらいでしょうか?
外箱はこんな感じ
入力100V 出力100V 3VA ですので、ACで30mAまで取れるようです。整流回路の効率にもよりますが、今回のラジオや多くのUX-201Aを使ったアンティークラジオのB電源は、10-20mA程度の消費電力ですので多分大丈夫だと思います。
もう一つの問題点は、この
自作電源のB電源が、+40V、+20Vの2種類になっている点でした。
先に上げたATWATER KENT データシートにある回路図を見るとB電源は、B+(POWER)、B+(62.52V)、B+(22.5V)になっています。
B+(POWER)というのは、マグネチックスピーカー経由で、電力増幅段のプレートに供給される電圧です。電圧表記は無いのですが、乾電池駆動の場合は、45VX2の90Vだと思われます。
それで、
電源を改造するにあたり、
B電源を、B1+(90V)、B2+(62.5V)、B3+(22.5)近くに合わせられればなと思います。
というわけで、改造すべく
電源装置を開けてみました!
こちらです
B+電源とC-電源用の回路です。
抵抗が、8個、電解コンデンサーが3個、ダイオードが2個、フューズが1個とぎっしりと組まれています。改造して同じ空間に収めるのは結構大変そうです。
簡単にB+電源の回路図を書いてみました。(C-とA+は省略)
大体の電圧と使用電流がわかったので、3.3K3Wの抵抗と耐圧160V程度の電解コンデンサーが2つあれば希望するB電源に改造できそうです。問題は手元にちょうどいい値の部品があるかということですが....
A+電源はAC-DCコンバーターのようで、これはこのまま使用します。
今回はここまで。
次回は、改造電源回路の検討と改造を終えた電源回路を使った性能アップ?の報告をしたいと思います。
アンティークラジオのレストア番外編⑤ 米国製高級?6球ラジオ その2
」 でした。
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