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偷偷藏不住 Hidden Love第13話帰省する桑稚(サンジー)を空港まで送ることにした段嘉許(ドワンジアシュー)。桑稚だけに優しくしようと決意したものの江銘(ジャンミン)が桑稚の片思いの相手だと早合点、車内で問い詰めてしまう。「彼なのか?…君の好きな人って」「へ?違うわ」「じゃあどんな人?…可愛い系か?」「そうじゃない、すごく男らしい人よ」「じゃあマッチョ系が好きなのか?」「ゲホンゲホン!違う」「なら細マッチョで男らしくて誰にでも優しい?ただの女たらしじゃないか」「違うわ!そんな人じゃなぃ…ってかしつこいんですけど?」桑稚は自分の恋心が知られないよう誤魔化していたが、さすがに苛立った。「嘉許哥、そろそろ彼女でも作ったら?」「相手がいない、君の友だちでも紹介してくれ」「年下なんて相手にしないでしょう?(ボソッ」「君と同年代でも構わない」( ー̀ωー́ ).oO(はあ?私をからかっているの?南蕪(ナンウー)空港には兄・桑延(サンイエン)が迎えにきてくれた。実家で久しぶりに家族とにぎやかな夕食を楽しんだ桑稚。母の話では折角、セッティングした見合いを桑延がすっぽかしたという。桑延は全く興味なさそうだったが、どうやら他にお目当ての相手がいるらしい。そこでその夜、桑稚は兄の話を引き合いにして段嘉許の本音を探ることにした。💬段嘉哥、私の哥に彼女がいるみたい…どうやら年下よ?💬成人しているのか?💬成人していればいいの?💬成人して大学に行っていれば大人だろ?ダメじゃない段嘉許の返事は桑稚への言葉だった。しかしあくまで他人の話、自分のこととなれば桑稚は到底、受け入れられないだろう。…彼女にとって俺はただの哥哥だからな…一方、桑稚もいつまで待っても段嘉許が自分を同年代と見てくれる日が来ないと分かっていた。…彼にとって私は永遠の14歳、親友の妹妹ってだけよ…〓第十三篇 ~探る~ 好意の証明〓段嘉許は出張で宜荷(イーホー)に来た銭飛(チェンフェイ)と再会、食事にでかけた。すると銭飛は以前、電話で察した″気になる女の子″とどうなったのか探りを入れる。「小姑娘だ、お前は知らない…でも彼女には好きな男がいる」「年下か~それにしてもお前になびかないとは手強いな、で好きな男はどんなタイプ?」「彼女の話だと相手は女たらしで誰にでも優しいとか…」「まるでお前みたいだな?(はっ!)好きな相手はお前だったりして?」銭飛の話では本人の前で″あなたが好き″と言えず、その人に近い特徴を言ってしまった可能性があるという。銭飛の結婚式当日。桑稚の携帯に段嘉許からメッセージが届いた。💬南蕪に到着した、またあとで💬はお(๑・᷄ὢ・᷅๑).oO(いや、なぜ私に連絡する?桑稚は兄と一緒に銭飛の結婚式に招待され、式場で段嘉許と顔を合わせた。何となく気まずくて挨拶するタイミングを逃してしまった桑稚。すると段嘉許がかつて自分が贈ったネクタイを締めていると気づく。それにしても今日の段嘉許はどこか様子がおかしかった。ふざけて桑延を″哥哥″と呼び、桑延は気持ちが悪いと怒って妹と席を変わってしまう。桑稚は思いがけず段嘉許と隣同士になったが、視線を合わせられずにいた。段嘉許は自分を無視する桑稚にメッセージを送った。するとテーブルに置いてある桑稚の携帯に″哥哥2号″からのメッセージが表示される。…なぜ挨拶しない?…桑稚は返信しようと携帯を手にしたが、その時、ちょうど父からのメッセージが来た。…只只(ジージー)、ケーキが冷蔵庫に入っている…「只只って誰だ?」「私のことだって知っているでしょう?」「誰がそう呼ぶの?」「パパ、ママ、親戚のおじさんおばさん…身内の人がそう呼ぶわ」「さっきの″哥哥2号″って?」「哥哥が1号であなたが2号ってこと」「なぜ俺は2号なんだ?」「だってあなたも年上でしょう?」「じゃあ好きな男はいくつだ?相手は大学の同級生だろう?」「違う、校外にも友だちはいるし…バーとかで知り合って…」「この前、酔っ払った時はカラオケだと言った」Σ(꒪꒫꒪ ).oO(え?…私そんな話をしたの?段嘉許は鎌をかけた。そうとは知らず、あの夜の記憶がない桑稚は慌てて言ってもいないことを認めてしまう。「あ、そうだ、カラオケだった、はっきり覚えていないけど…」「ふ~ん…銭飛は賢いな(ボソッ」桑稚はひと足先に帰ることにした。するとエントランスを出たところで段嘉許が追いつき、桑延の車で送って行くという。「只只…」「ねえ、今なんて?」「只只、身内はそう呼ぶんだろう?」桑稚は段嘉許の思惑が分からず戸惑いながら歩き始めた。「宜荷にはいつ帰る?」「明日の朝よ」「何時?」「8時台の飛行機」「俺と同じだ、明日の朝、迎えに行くよ」段嘉許は桑稚を送り届け、別れ際に新年のプレゼントを渡した。「開けてみて」中には桑稚のイニシャル入りのブレスレットが入っている。「気に入ったかい?」「ぅうん」「じゃあ早く休んで」「うん…晩安」段嘉許は桑稚の想い人が自分だと確信し、満足げに式場へ戻った。一方、桑稚は段嘉許がなぜ自分にブレスレットをくれたのか気になり、早速、ネットで調べることにする。「ブレスレットを贈る意味は…私を好き?ふふふ」つづく( ̄▽ ̄;)そう言えば嘉許哥のメガネ、もうちょっとどうにかならんかったのか?w
2025.04.30
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偷偷藏不住 Hidden Love第12話ゲームのアップデート準備に追われ、忙しい毎日を送る段嘉許(ドワンジアシュー)。上司の思雲(スーユン)は姜穎(ジャンイン)と桑稚(サンジー)が鉢合わせしそうになったと知り、ビルの警備を強化してくれた。「彼女はなぜあなたにまだ執着するのかしら?あまり思い詰めないでね」実は思い詰めていたのは段嘉許ではなく桑稚だった。桑稚は学年末の試験が近づく中、未だ段嘉許の辛辣な言葉が頭から離れない。…会社や家に来るな…悶々としていた桑稚の携帯に待ちに待った段嘉許のメッセージが届いた。【哥哥2号】桑稚、試験はいつから?南蕪(ナンウー)の航空券は買ったか?【桑稚】試験は来週だよ、19日に帰省する予定(* ˘ω˘ )ドキドキドキドキ…【哥哥2号】OK【哥哥2号】試験が終わったら食事に行こう、いつ空いている?【桑稚】空いてない(ふふふ♪)【哥哥2号】(友だちと遊ぶのか?…仕方ない)分かった( ˙꒳˙ )<分かった?桑稚は段嘉許の真意がつかめず、勉強もほったらかしてベッドに横になってしまう。学年末試験が始まった。結局、あれから段嘉許から連絡はなく、″来るな″についての釈明もない。桑稚は勉強の合間にふと思い出しては落ち込んだが、汪汪(ワンワン)だけはそんな桑稚の異変に気づいていた。「悩み事あるの?ドアカメラを届けた日から何だか悶々としてるよね」「あの日、何かが起こった…いや、何もなかったのかもしれない…私の考え過ぎかな?」〓第十二篇 ~勇気~ もしできるなら〓期末試験が終わった。仲間たちとミュージックバーへ出かけた桑稚は気晴らしに飲み慣れない強い酒を飲んでしまう。すると江銘(ジャンミン)がステージに上がってラブソングを歌い始めた。実はこれは桑稚への愛の告白だったが、肝心の桑稚はトイレに立ってしまう。段嘉許は既読スルーした桑稚に痺れを切らし、電話をかけた。📱<どうして無視するんだ?📱( *´꒳`* )ヒック📱<?もしもし?…どこにいる?段嘉許は桑稚が酔っ払っていると気づき、店の名前を聞いてすぐ迎えに行くことにした。(๑・᷄ὢ・᷅๑)…私には来るなって言ったくせに(ヒック)自分はいいんだ?(ヒック)段嘉許が店に駆けつけると気分が悪くなってしゃがみ込んだ桑稚に言い寄っている男がいた。「何をしている?!」「嘉許哥…」「ぁ…桑稚のお兄さんですか?僕は友人の江銘です」段嘉許は男が桑稚の友だちと知って安堵し、あとは自分に任せてくれと追い返した。段嘉許は泥酔してくだを巻く桑稚に手を焼いた。ともかくこのままでは風邪を引いてしまうとなだめて帰ることにしたが、桑稚は途中で座り込んでしまう。「もう怒らない?」「怒っていないよ、いつ怒った?…行こう、おぶってやる」桑稚は段嘉許に背負われながら無性に虚しくなった。「私には秘密がある…私には…好きな人がいるの…でも…彼は私を好きじゃない」段嘉許は桑稚に好きな男がいると知って激しく動揺した。「相手は誰?」「言えない」「俺にもか?」「うん…只只(ジージー)は悲しいの、とても辛い…ぐすん」「せめて教えてくれ、どんな奴だ?優しいのか?」「その人は…彼は…うまく説明できない…彼は優しい人、とても良くしてくれる だけど彼は誰にでも優しいの、私だけじゃない…ゥッ…みんなに親切なの…うわーん!」「それで悲しんでいたのか…そんな奴、忘れちまえ、いいな?」段嘉許は車で桑稚を寮まで送った。助手席では泣き疲れた桑稚がよく眠っている。段嘉許は無邪気な桑稚の寝顔を眺めながら、ある決意を固めた。「桑稚、君の好みが分かった、俺がそういう人になる、君だけに優しくする 君がこれ以上、悲しまずに済むようにね、他の人に君の面倒を任せるのは心配なんだ 何も言わないのは異論がないからか?」これまで過去の呪縛に捕らわれていた段嘉許、しかし今の自分ならそう悪くはないはずだ。「借金は返したし、性格も問題ない、ただ俺たちには年の差がある 21歳の時、君にオヤジと言われたっけ、でも君も四捨五入すればもう20歳だ」段嘉許は桑稚の寝顔に触れようとしたが、ふと我に返って手を引っ込めた。「何やってるんだ、オレ…」翌朝、桑稚は昨夜の失態を思い出しながら目を覚ました。(Ŏ艸Ŏ)< 吐いた…嘉許哥に吐いちゃった!!!すると携帯に段嘉許からメッセージが届く。💬9時に起こすようルームメイトに頼んだ、飛行機に乗り遅れると帰省できないぞ桑稚が頭痛に苛まれながら起き上がると、ルームメイト3人がベッドの中をのぞき込んでいた。「昨夜の人が例の哥哥の朋友?…予想以上にカッコよかった!」3人は盛り上がっていたが、桑稚が想い人に吐いたという衝撃の事実を知って引いてしまう。桑稚は急いで荷物をまとめて部屋を出た。昨日の今日で段嘉許と顔を合わせるのは気まずい桑稚、しかし段嘉許は何も言わずにスーツケースを受け取って車に乗せてくれる。その時、江銘が駆けつけた。「桑稚!」「江銘?おはよう、どうしたの?」「本当は大晦日に伝えたかったけれど、君が来なかったから… 昨夜も君のために歌ったんだ、ずっと準備していた 桑稚、君が好きだ、伝えたかったんだ」「…ありがとう、でも私、好きな人がいる、だからごめんなさい」「謝ることないよ、これからも友だちとして仲良くしよう」「もちろん!」段嘉許は運転席から2人の様子を見ていた。すると話を切り上げた桑稚が江銘からもらった紙袋を持って車に乗り込んでくる。「それは何?」「あ…朝食をもらったの」「…ハンバーガー?君は牛肉アレルギーだろ?」段嘉許は紙袋を取り上げ、勝手にハンバーガーを食べてしまう。桑稚は段嘉許が不機嫌なのは昨夜の失態のせいだと誤解した。「昨夜はごめんなさい、汚しちゃった服を持ってきて、洗って返すから」「…それよりこれを食べろ、空港に着いたら何か温かい物を飲もう」「謝…謝…」桑稚は段嘉許からカットフルーツを受け取ったが、なかなか喉を通らなかった。車内に流れる気まずい空気。桑稚は理由が分からなかったが、段嘉許の機嫌を直そうと必死に言い訳した。「バーに行ったのはみんなと試験の打ち上げだったの…お客さんも学生が多いし… 危険な場所じゃないわ、私もめったにお酒なんて飲まないし…(汗」「さっき話していた男は?…彼なのか?君が好きな人っていうのは」( ̄▽ ̄;)<はい? 図星か?>(  ̄꒳ ̄)つづく( ๑≧ꇴ≦)嘉許哥www
2025.04.29
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花间令 In Blossom第26話長楽郡主・劉菁(リウチン)から身を引くよう迫られた楊采薇(ヤンツァイウェイ)。拒むなら毒酒を飲めと脅されたが、采薇は郡主が差し出した酒をあっさり飲み干してしまう。しかし采薇は無事だった。「やはり非凡な女ね…ふふ、なぜ無毒だと分かったの?」「郡主は名誉をなげうち、奸臣を暴こうとしています かくも立派なお方が私情で無辜の者を殺すはずありません」こうして采薇は郡主と意気投合し、友となった。一方、潘樾は婚儀の準備を理由に礼部に拘束されていた。今日は繍雲楼(シュウウンロウ)で婚儀の衣裳合わせ、すると店を出たところで郡主の馬車が現れる。「通り道ゆえ様子を見にきた…駙馬は私が送って行くわ」孫熙明(スンシーミン)も郡主には逆らえず黙って見送ったが、実は馬車の中には楊采薇がいた。郡主の手引きのおかげで潘樾と楊采薇はようやく顔を合わせた。仲睦まじい2人の様子に劉菁は当てられっぱなし。しかし潘樾は遠慮するどころか、最愛の人との別離は一生、慣れないものだという。「ふふ、私の知っている潘大人とは別人のようね」すると潘樾は郡主に百花宮(ヒャッカグウ)の件を報告、これから青帝(チンディー)と合流すると伝えた。潘樾と楊采薇は青帝に指定された路地の入り口に到着した。采薇の手には目印となる赤い傘がある。すると青帝の使いが現れ、2人にそっと声をかけた。「こちらへ…」青帝と歌妓たちは柳通り3番の邸宅にいた。中庭ではちょうど青帝の腹心・藝児(ユンアル)が稽古に励んでいたが、楊采薇はその見事な舞いに目を見張る。実は雲間舞(ウンカンブ)は青帝と雲裳(ユンチャン)が編み出した踊りで、百花宮の秘儀だった。藝児は身の危険も顧みず、拠点まで移動する際に道しるべを残してくれるという。潘樾と楊采薇は仲介人が来る日に改めて出直すことにした。すると潘樾は帰り道、采薇を連れて思い出の場所へ向かう。「ここは…あの桃園ね?!」幼い頃、潘樾は家に帰りたくないと駄々をこねて桃園に居座ったことがあった。采薇はならば一緒に居座ると決め、短剣で木の幹に″潘″と削る。『ここを別宅にしましょう?』そこで潘樾は″潘″の下に″楊″″府″と削り、″潘楊府″と名付けた。『2人の別宅だ』今も幹には″潘楊府″の文字が残っていた。潘樾は10年前に采薇が消えた時、いつか桃園に戻ってくると考え、手入れを続けていたという。「采薇…ずっと一緒だ」その夜、幸せに包まれながら帰路に着いた潘樾と楊采薇。しかし上官府に到着すると2人は現実を突きつけられ、急に意気消沈した。上官蘭(シャングワンラン)を騙すのは嫌だが、かと言ってまだ真実を打ち明けるわけにいかない。その時、運悪く上官蘭が現れた。「駙馬爺?…せっかく来たのだ、中で話そう」上官蘭は潘樾と郡主の婚儀が決まったと知り、可愛い妹が弄ばれたと憤慨した。「哥、誤解なの、禾陽ではあくまで上司と部下だっただけ、恋心は吹っ切れた」「潘樾、聞いたか?お前のために芷児は己の幸せを諦めると…良心は傷まぬのか?! 哥哥がはっきりさせてやる、妹妹に納得のいく説明をしろ!」「…来月の15日までに退婚する 私の知己なら分かるはずだ、やむを得ぬ事情でこの状況に陥っていると 少し時間をくれ、全て片付いたら説明しよう」↓哥哥…( ̄▽ ̄;)一方、卓瀾江(ジュオランジアン)は黒幕を突き止めるため、やむを得ずある高官を襲った。護衛との応戦で怪我を負いながらも馬車から顔を出した男を始末した卓瀾江。しかし実は車の中に幼い子供が乗っていた。「うわーん!よくも父上を殺したな!いつか必ず敵を討ってやる!」その夜、白小笙(バイシャオション)は卓瀾江を心配して探し回っていた。すると酒楼で酒をあおっている卓瀾江を見つける。「身内だと言ってくれたのに何も言わずに禾陽から消えて…もう他人ってわけ?」「友を傷つけ肉親さえ守れなかった、俺のそばにいると危ない、お前も近づくな」「離れるなんて無理、分かってるでしょう?(ボソッ」結局、2人は浴びるほど酒を飲み、一緒に長屋へ帰った。すると白少笙は卓瀾江の腕から血が流れていることに気づき、手当してくれる。実は卓瀾江の血は斬られた背中から流れたものだった。「お前といる時だけ俺は人間らしくいられる…」卓瀾江と少笙は唇を重ね、そのまま枕を共にした。↓( ꒪ͧ⌓꒪ͧ)…誰よ演出?誰よ脚本?!出てこいや!w翌朝、卓瀾江は白少笙を起こさないよう外へ出た。すると例の男の姿がある。「任務はやり遂げた」「中にいる女子は?」「…無関係だ」「ふふ、3日後に劉記質店の前まで馬車を迎えによこす」男はすぐ帰って行ったが、その様子を少笙が見ていた。卓瀾江は何とも気まずくなった。しかし白少笙は卓瀾江を責めず、抱きしめてくれる。「危険を冒しているのね…あんたが悪事の限りを尽くしても私は気にしない だって好きだから、どんなあんたも好きよ」すると卓瀾江もそっと少笙の背中に手を回した。柳通りの邸宅に仲介人の万(ワン)媽媽(マーマー)が現れた。潘樾と楊采薇は部屋の中からこっそり中庭の様子を見ていたが、予想外の事態が起こる。万媽媽が完璧だと思われた藝児に難癖をつけたのだ。「眉毛に異色が交ざっている…不吉ね このほくろが眉の間にあれば救いがあった、目尻にあるほくろは災難を呼ぶ」万媽媽は藝児を除く全ての女子を受け入れると伝え、3日後に迎えに来ると言った。「もし代わりを立てるなら見てやってもいいわ」↓( ̄▽ ̄;)マーマーの迫力w青帝は藝児の他に信用できる者などいないと落胆し、これも天意かと嘆いた。その時、楊采薇が名乗りをあげる。「私がやる!幼い頃に舞踊を習ったわ、皇帝や皇后娘娘の前でも踊ったことがあるし」「日々の鍛錬なしに芸は保てぬ」潘樾たちは付け焼き刃でごまかせるほど芸事は甘くないと諭したが、采薇はあきらめなかった。楊采薇は潘樾だけに事情を話した。かつて義荘で無縁仏を埋葬していたが、夜の墓地は墓荒らしに遭遇することが多かったという。そんな不届き者を懲らしめるため、采薇は幽霊に扮して脅かしていた。実は草を燃やして煙幕を張り、靴の中に鉄板を入れて爪先立ちで歩くことで浮いているように見せたという。「今回の相手は貴人や高官だぞ?!もしバレたらどうなると?!」「アイヤー、これでも遺体運びで体力はある方よ?」「とにかくダメだ!危険すぎる!…またそなたを失ったらと思うと怖いのだ」しかし采薇は潘樾が守ってくれると笑った。青帝は確かに一時なら欺けるかもしれないと考え、上官芷に望みをかけることにした。そこで楊采薇は兄への言い訳を潘樾に頼み、早速、その日から雲間舞の稽古を始める。見せ場は爪先立ちで片足を高く上げる難儀な姿勢。青帝は何度も転んでは立ち上がる上官芷を眺めながら、これも秘儀を継承しようとしなかった自分の落ち度だと反省した。「私は雲裳の死後、この舞いを踊るのが怖くなった 藝児は天賦の才があり、顔立ちも雲裳と似ていたからやっと伝授したの だから藝児を除き、雲間舞はこの世において継承者を失ったも同然よ」「安心して、私と潘大人が黒幕を暴き出し、妹分の無念を晴らすわ」つづく( ๑≧ꇴ≦)頼む!早く次へ行ってくれ!wwwww
2025.04.26
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花间令 In Blossom第25話京城にいる黒幕は郡主が皇宮を訪ねたと聞いた。「…潘樾(パンユエ)が帰京します」「禾陽(カヨウ)の調査を終えた今、ついに私を調べに来るか ふっ、奴に暇な時間を与えぬよう段取りせよ」その頃、帰京が決まった潘樾は青帝(チンディー)を訪ね、都で落ち合う約束を交わしていた。「潘大人、どうか慎重に…百花宮(ヒャッカグウ)の敵討ちはあなたが頼りよ」県署に皇帝の使者が到着、潘樾の離任と帰京の勅命が下った。役所では別れの宴が開かれ、劉(リウ)捕吏たちは潘樾が就任したおかげで今や役所は真の姿になったと感謝する。「今ならこの官服姿で胸を張って歩けます」こうして禾陽を去ることになった潘樾と楊采薇(ヤンツァイウェイ)。潘樾は今さらながら自分が采薇を探し出そうとしたばかりに、師匠や采薇を危険にさらしたと反省した。しかし采薇は過去に後悔はないという。「見つけてくれてありがとう」そこで采薇は木の下に埋めてしまった玉を掘り起こして潘樾に渡した。すると潘樾は自分の玉佩に采薇の玉をはめ込む。「ようやくひとつになれた、もう別々は嫌だ」一方、卓瀾江(ジュオランジアン)は黒幕と接触するため劉記(リュウキ)質店に通い詰めていた。そんなある日、ついに根負けしたのか店主が水紋の令牌に買い手がついたと告げる。「ここへ行け」書き付けには″洪福(コウフク)酒楼″とあった。白小笙(バイシャオション)は質店を出た卓瀾江を尾行した。しかしあっさりばれてしまい、追い払われてしまう。卓瀾江はようやく父と黒幕との連絡役だった男と面会した。男は葬式代が欲しいのかと冷ややかだったが、卓瀾江は父が誰のために死んだのか知りたいと訴える。「そして未完の志を遂げる…あんたも駒なんだろう?俺を評価する立場ではないはずだ」「…あの男を見ろ」そこには昇進したばかりの高官がいた。「奴を殺せば主人に会える」潘樾と楊采薇は洛邑(ラクユウ)へ入った。10年前とは全く違う都の風景に困惑する采薇、しかし感傷に浸っている間もなく、皇宮へ向かった潘樾と別れて上官(シャングワン)府に戻らねばならない。すると可愛い妹との再会を待ちわびていた上官蘭(シャングワンラン)にいきなり抱きしめられ、采薇は遠慮がちに離れた。「どうした?やけによそよそしいな?」「哥哥…私はもう年頃なのよ?人前で子供扱いしないで」上官芷(シャングワンジー)の愛犬・宝財(バオツァイ)がやって来た。宝財は主人の正体に気づいたのか激しく吠えかかり、采薇は怯えてしまう。「どうした?愛犬だろう?なぜ怖がる?」上官蘭は妹の様子を訝しんだが、その時、咄嗟に凌児(リンアル)がかばった。「小姐、禾陽で調査中、野良犬に吠えられたからでは?」「そっ、そうだったそうだった(汗」上官蘭は潘樾が常に妹をそばに置いていたと聞いて2人の関係に気づいていた。「芷児、幼少から慕っていた男がやっと振り向いたのだな、私も嬉しい 哥哥として最善を尽くし、万人が羨むような盛大な婚儀を挙げてやる まずは潘樾が郡主との婚約を破棄しなくてはな」楊采薇は胸が傷んだ。もし上官蘭が溺愛する妹の死を知ればどれだけ傷つくだろうか。…この負い目をどう償えばいいの?…一方、皇宮では皇后が長楽郡主・劉菁(リウチン)と潘瑾(パンジン)廷尉と一緒に潘樾を待っていた。皇后はわずか数ヶ月で禾陽に安寧をもたらした潘樾を称賛し、礼部がその功績をねぎらうため郡主との婚儀を執り行うと申し出たという。驚いた潘樾は何とか時間を稼ごうとしたが、皇后は譲らなかった。「この子は武将の娘、両親が辺境で戦死し、残された2人の娘を不憫に思い養女にしたの 豪快な性分ゆえ多少の無礼は気にしない」潘樾はなかなか拝礼できずにいたが、劉菁がそれとなく合図、仕方なく縁談を受け入れた。息子を連れて下がった潘瑾は回廊を歩きながら、急いで帰京したのは例の奸臣を調べるためかと聞いた。「楊家の敵なら取った、郡主との婚儀が決まった今、出世の道は約束されている ここらでもう手を引け、よいか?…」その時、礼部の孫熙明(スンシーミン)が現れた。皇后の命で婚儀の段取りを任されたという。しかし孫熙明がまとめた日程表を見て潘樾は目を丸くした。「…このひと月、眠らなくてよさそうだな」すると潘樾は詳しい説明を聞くため礼部へ行ってしまう。楊采薇は上官芷の寝殿に入った。房間には潘樾の姿絵がいくつも飾られ、とりわけ大きな屏風には手を取り合う上官芷と潘樾が描かれている。そこへ凌児が涼を取るため氷を運んできた。「凌児、さっきはなぜ誤魔化してくれたの?…もしかして知っている?」実は凌児は主が昏睡から目覚めた時から別人ではないかと疑っていた。当初は気のせいだと思っていたが、ある時、掃除中に偶然、検死道具を見つけたという。「普通なら憎んでいた相手の道具を慣れた手つきで使えません 阿澤(アーゾー)からも小姐が証拠を守るため遺体を抱えたと聞いて確信したのです この方は小姐とは別人だと…でもご安心を、誰にも秘密を漏らしたりしません」凌児は少なくとも今の小姐が善人だと気づいていた。「私を信じてくれたのね…感謝してる、これからは私を姐姐だと思って」潘樾は皇宮へ行ったきりなしのつぶてだった。そんなある日、ようやく上官芷あてに潘樾から風雅苑で逢瀬をと知らせが届く。風雅苑と言えば暇をもて余す名門の令嬢が華やかさを競い合うだけの社交場だった。楊采薇はそこで上官芷と犬猿の仲だという吏部尚書の娘・司馬暄(スーマーシュエン)と出くわし、潘樾と郡主の婚儀が決まったことを知る。すると司馬暄は新作の白粉を差し出し、美しくなって潘樾を後悔させるよう煽った。しかし采薇はその粉が白粉ではないと気づき、遠慮するふりをして司馬暄に粉を浴びせかけてしまう。その時、粉の匂いに引き寄せられ、蜂が司馬暄の周りに集まってきた。ε=ε=ε=ε=ε=┏(* >ω
2025.04.25
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花间令 In Blossom第24話潘樾(パンユエ)へのわだかまりが解け、ようやく″天師復活事案″について話し始めた老姜頭(ラオジアントウ)。当時、県令の結審に納得できなかった老姜頭は独断で調査を続行したものの、役所では誰も相手にしてくれなかったという。しかし天師復活を怪しみ、密かに洛雲門(ラクウンモン)の裏山へ侵入、陸哀歌(ルーアイゴー)の墓を暴いてみた。墓には確かに女子の遺体があり、死亡時刻も聞いた通りだったが、詳しく調べる前に掌教・薛漸離(シュエジエンリー)が現れ、殺されそうになったという。「殴られて怪我をしたが、運良く逃げ出せたよ」実は洛雲門は天師復活の名の下に多く信者を獲得していた。襲われた理由は定かではないが、恐らく陸天師の遺体が常人だったと暴かれ、天師復活伝説が崩れることを恐れたのだろう。潘樾と楊采薇(ヤンツァイウェイ)は掌教が自分の利益のため陸天師を利用したと疑った。そこで2人は洛雲門を探るべく子宝祈願の新婚夫婦を装って潜入。何でも洛雲門の精進部屋にひと晩、泊まれば、帰り道には3人になっていること間違いなしだという。その夜、薛漸離の居所に潜入した潘樾は書棚の箱の中から″帰蔵(キゾウ)回天録″を発見した。すると八掛の図に見慣れぬ言葉がある。「″離詵(リーシェン)″?…どういう意味だ?」その時、誰かの足音が聞こえた。潘樾は咄嗟に物陰に隠れると、驚いたことにからくり扉が開いて薛漸離が現れる。奥の密室からは読経する女子の声が漏れ聞こえていた。その頃、卓瀾江(ジュオランジアン)は都で独り黒幕を探っていた。すると翌朝、追い返したはずの白小笙(バイシャオション)が中庭でのんきに朝食を食べている。「ここが気に入ったから東に家を借りたわ」しかし卓瀾江は呆れたようにため息を漏らし、どこかへ出かけてしまう。翌日の夜、潘樾は楊采薇が薛漸離を引き止めている間に隠し部屋に侵入した。すると足枷でつながれ、倒れている女子を発見する。「目を覚ませ、起きろ」しかし思いのほか早く薛漸離が戻ってしまう。潘樾は物陰に隠れて息を潜めた。すると薛漸離と女子の会話から監禁されているのが死んだはずの陸哀歌だと気づく。薛漸離は興奮する陸哀歌の口に無理やり丹薬を押し込んで落ち着かせ、2人で読経を始めた。その時、にわかに外が騒がしくなる。「火事だ!火が出たぞ!」実は楊采薇は潘樾を脱出させるため炉から激しく煙を出し、火事に見せかけていた。薛漸離は火事だと聞いて密室を飛び出した。しかし現場を見て騙されたと気づき、慌てて引き返す。すると密室はもぬけの殻、足枷だけが残っていた。薛漸離は弟子を率いて夫婦を追いかけたが、ちょうど陸哀歌を連れた潘樾と楊采薇が迎えに来た役人たちと合流、手が出せなくなってしまう。陸哀歌は県署に保護され、すでに薬効も抜けていた。「師父は私が最も愛した人です」陸哀歌は16歳の時に薛漸離に一目惚れ、洛雲門に入門した。薛漸離も陸哀歌を高く評価してくれたが、師弟関係を理由に愛を受け入れてはくれなかったという。「私は諦められず名を変えた、人に知られてもいい、愛を貫きたかった 修行で寿命を縮めた師父を救うため古書を研究し、″帰蔵回天録″にまとめました でも生贄は禁術、絶対に使わないと約束したのに…」ある日、陸哀歌は生贄となる娘を狙う師匠を目撃、止めた。「私が必ず他の方法で師父を救いますから…」しかし薛漸離はいきなり陸哀歌を殴って眠らせ、薬で仮死状態にしてしまう。そして殺人現場にあえて手がかりを残し、全て死んだ陸哀歌に責任を押し付けた。「地下牢では夢華香の丹薬で心を操られた、あの人が大事なのは自分だけ 私を生かしたのは仙人になる方法を一緒に研究させるためです 8人を殺しても不老不死は叶わず、私が必要だった、協力しないと丹薬を飲まされて…」陸哀歌は郊外にある自分の家で隠棲すると決めた。潘樾は阿澤(アーゾー)に見送りを頼んだが、陸哀歌は怯えてしまう。その理由を悟った楊采薇は凌児(リンアル)に送らせることにした。「男に9年も監禁されたのよ、無理もないわ」結局、生贄の8人は女子という理由だけで選ばれたに過ぎず、密告書を書いた商(シャン)姑娘の身元を調べる道は途絶えた。劉(リゥ)捕吏の報告では押収した薛漸離の経文と丹薬にも特に異常はなかったという。しかし楊采薇は薛漸離が書き入れた赤い墨の添削がある経文に注目した。…詵詵、この解釈は道理に背いている、2度と考えるな…「″詵詵(シェンシェン)″?呪符にもこの文字が…誰のことかしら?」「そうか、陸詵詵が俗名だ、″離詵″とは薛漸離と陸哀歌のことだ」「はっ!凌児が危ないわ!」その頃、陸哀歌は山頂の木に凌児を縛りつけていた。「私の″5人目″に選ばれたのは幸運なことよ、雷が落ちれば一瞬だから」その時、激しい雷鳴がとどろいた。陸哀歌は呪符を取り出したが、突如、現れた薛漸離に邪魔されてしまう。…9年前、薛漸離は陸哀歌が自ら死を装い、女子を殺したと知ったしかし陸哀歌は悪びれる様子もなく、生贄を捧げて師匠の内傷が治れば永遠に一緒にいられるという『師父、あと4人捧げれば私たちは不老不死になれます、だからお願い!』驚いた薛漸離はふいをついて陸哀歌を殴り、地下牢へ監禁した…陸哀歌は師父の愛を信じて尽くした自分への仕打ちに憤り、師匠に襲いかかった。2人は激しく剣を交えたが、やがて相打ちの様相となる。しかし薛漸離が直前で急に剣を手放し、自ら陸哀歌の剣に身体を突き刺した。「なぜ避けなかったの?!」「愛しているからそなたを許した…役所にも突き出さず、私のそばに置いたのだ 私のために罪を重ねさせた…そなたを止められるなら…喜んで死ぬ」薛漸離はその場でばったり倒れた。陸哀歌は呪符を書けばまだ師匠を救えると考えたが、すでに山頂に駆けつけた阿澤が凌児を解放してしまったと知る。安堵した凌児は阿澤の胸に顔を埋め泣いていた。すると絶望した陸哀歌は愛する薛漸離の後を追って自害してしまう。「師父…私たちは永遠に一緒です…」潘樾と楊采薇は″天師復活事案″の意外な内幕に驚いた。しかし凌児の話では陸哀歌が殺した女子は4人だったという。つまり残りの4人は誰かが手口を模倣したのだ。劉捕吏は4人の遺体を掘り起こし、県署に運び込んだ。すると検視した楊采薇が口の中から銅銭を発見する。「百花宮(ヒャッカグウ)と関係あるわ」義荘にいた采薇は百花宮が歌妓(カギ)を葬る時、口に銅銭を入れると知っていた。来世は裕福な家に生まれるよう願いを込めるという。百花宮に潘樾と上官芷(シャングワンジー)がやって来た。にこやかに出迎えた宮主・青帝(チンディー)だったが、上官芷が机に置いた4つの銅銭を見て顔色が一変する。潘樾は自分を牢に導き、手がかりを与えたのが青帝だと確信していた。「明かすつもりはなかったのに…」すると青帝は2人を自分の房間に案内した。青帝は奥の間で密かに4つの霊位を祀っていた。実は墓碑の名前は偽名で、これが殺された4人の本当の名だという。「長い間、手下の雲雀(ユンチュエ)を通じ、あの者らの情報を集めてきた、復讐するためにね… 潘大人と手を組みたかったのは本当よ、ただ危険が及ぶゆえ正直に話せなかった」″天師復活事案″を利用して殺された4人は青帝が育てた歌妓だった。特に雲裳(ユンチャン)つまり8人目の死者である商姑娘と青帝は姉妹同然だったという。実は百花宮では毎年、優れた歌妓を都の高官に送っていた。「あの年、この子たちが選ばれたの」…雲裳は期待に胸を膨らませて上京したが、半年も経たず4人で禾陽へ逃げ帰ってきた聞けば雲裳はある役人が敵国と通じている文を拾ってしまったという禾陽にも逆賊の仲間がいたが、危険な場所がむしろ一番、安然だと考えた『阿姐、助けて』『しばらくの間、名前を変えて暮らしなさい、何かあったら知らせて』しかし状況を打開しようと考えた雲裳が清廉潔白と評判の楊大人に告発文を送ってしまう楊大人は望月橋に現れたが、どこから情報が漏れたのか、尾行がついていた結局、雲裳は楊大人との接触を断念、程なくして楊一家が殺害されたと知る雲裳たちはそのまま身分を隠して生活した1年も経てば追っ手も諦めると思っていたが、4人のうち1人が天師復活事案の犠牲になるその時は天師に殺されたのか、水紋の組織に口封じされたのか、分からなかったしかし他の2人もまもなく殺され、雲裳はひどく怯えるようになる『私が告発文を書いたから見つかった…みんなが死んだのは私のせいよ 最近、よく都を思い出すの、豊かな日々だった、愛する人もいたわ 世界一の幸せ者だとあの時は思ったのに…まるで遠い昔のことみたい』雲裳は運を天に任せるしかないと覚悟を決め、青帝に手巾を贈った『神獣を刺繍したの、無病息災のお守りよ』青帝は心配で雲裳の茶坊の近くで見張らせていた特に異常はなかったが、翌日、外出した雲裳が失踪裏山で変わり果てた姿で発見された…雲裳もまた青帝を巻き込まぬよう黒幕の名を明かしていなかった。今も毎年、都へ歌妓を送っているのは怪しまれないためだという。しかし内密に行われ、仲介人が歌妓を連れて行くため、どこへ送られるのかは分からなかった。「今年も数日後、都に向けて発つわ」すると潘樾は楊采薇と一緒に同行すると伝えた。つづく( ー̀ωー́ )長い…長すぎる…
2025.04.24
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花间令 In Blossom第23話その夜、潘樾(パンユエ)は銀雨楼(ギンウロウ)の後始末が終わったのを機に役人たちを労う宴を催した。すると阿澤(アーゾー)が箱を持って宴席に駆けつける。「(ヒソッ)公子、見つけました」「二堂に置いてくれ、後で見る」その様子を主簿や劉(リウ)捕吏、陳三(チェンサン)が興味深そうに見ていた。楊采薇(ヤンツァイウェイ)は頃合いを見計らって酔ったふりをした。すると潘樾が上官芷(シャングワンジー)を部屋まで送ってくると言って席を立つ。役人たちは恐らく2人はこのまま戻らないだろうと揶揄したが、実はこれは潘樾が間者をあぶり出す策だった。黒幕の直属であれば卓山巨(ジュオシャンシュー)が残したものが気になるはず、必ず動くだろう。宴がお開きとなり床に就いた役人たち。すると突然、潘樾たちが宿舎に乗り込んできた。「今夜、重要な証拠が盗まれた、役所にいる間者だ」阿澤たちが一斉に役人たちの寝所を調べると、劉捕吏の布団の中から証拠品が見つかった。「大人(ダーレン)?!私ではありません!」しかし劉捕吏は連行されてしまう。翌朝、主簿は老体を理由に故郷へ帰りたいと申し出た。すると潘樾は長年の功労に感謝し、十分な手当てと路費を用意して快く見送ってくれる。主簿は大袈裟に咳き込みながら県署を後にしたが、曲がり角に入ると背筋を伸ばして歩き出した。主簿は銀雨楼の裏山にあった卓山巨の隠れ家に潜入、証拠を探した。すると棚に固定された置物に気づき、回転させてみる。「あの古狸め、ここに隠しておったか」主簿は隠し棚から密書を取り出して帰ることにしたが、その時、阿澤が現れた。「待っていたぞ」「どうやらばれていたようだ」昨夜、潘樾は書斎の扉の上に白い粉を仕掛けていた。主簿の頭に粉が付着していると気づいたが、あえて劉捕吏を捕らえて泳がせていたという。阿澤は主簿が手に入れた密書を取り上げたが、主簿は奥歯に仕込んでいた毒を噛んで自害した。主簿が手に入れた密書は楊采薇の父が受け取った密告書だった。…楊大人にお伝えします、朝廷内の高官が敵国と通じており、ひそかに勢力を育て、財を集めています、拠点は禾陽(カヨウ)、これが連絡時の符丁です、楊大人は公正で徒党を組まない方だと都で聞き及び、この文を書きました、どうか徹底的な調査を、禾陽の望月橋でお待ちしています…卓山巨は采薇の両親を殺した時に密告書を見つけ、黒幕には渡さず退路を残していた。一方、都に逃げた陳(チェン)掌院は黒幕を頼った。「大哥…塩の帳簿です」「お前たちには失望した、たかが青二才に突き止められ、物も人も消されるとは… だが義兄弟の契りを結んだ時、禍福を共にすると誓った、卓山巨が死んだのは仕方あるまい お前は私の別院に身を隠せ」「はい、大哥、ただ息子がまだ牢に…」「大業はもうじき成る、心配する必要はない」潘樾は自ら収監された劉捕吏を釈放した。「すまなかったな」「いえ、お考えがあるのだろうと…」実は灯会事案で偽の蛟(ミズチ)の噂を広めた者がいると分かった時、劉捕吏も役所内を疑っていた。顧雍(グーヨン)が殺された際は主簿を疑ったが証拠がなく、今回も宴から先に帰った主簿の後をつけようとしたが、陳三に足止めされて見失ったという。「潘大人のこと、布石を打っている、真相を解明されると信じておりました」ようやく上司に恵まれた劉捕吏はすっかり心を入れ替え、潘樾に忠誠を誓った。潘樾と楊采薇は告発者の手がかりを探すため、密告書にあった待ち合わせ場所に出かけた。采薇は告発者がなぜ人目の多い望月橋を選んだのか分からなかったが、橋の上に立ってみるとちょうど宿屋の露台がよく見える。そこで2人は来鳳(ライホウ)客桟を訪ね、店主に話を聞いた。「10年前に家出した私の姐姐が禾陽から文をよこしてね 書いてあった景色がここに似ているの、でもその後、音信不通になってしまって… こちらの宿泊者名簿はある?姐姐が来たのか知りたいの」「10年前?都から来た?…はっ!」店主は確かに10年前、都の言葉を使う商(シャン)という姓の女子が天の間にひと月ほど泊まっていたと明かした。これまで見たこともない美しい女子だったため、今でも忘れられないという。「毎日、2階で茶を飲み、望月橋を眺めていました、誰かを待っていたのかも その後は向かいに住宅を借り、日中は茶房で働いていました 残念ですな~美しい人だったのに…」すると店主は急に声を潜めた。「9年前、禾陽で大きな事案が起こりました、有名な″天師復活事案″です この事案で犠牲になったのです」客桟を出た楊采薇は意気消沈していた。実は″天師復活事案″は采薇が禾陽に来て1年目の事案だという。当時は師匠がまだ役所の検視人で、采薇も現場に同行していた。「多くの人の死にざまを見たせいか、毎夜、悪夢にうなされたわ、独りで外出もできなかった」まだ幼かった采薇はその時、犠牲となった商小姐の遺体を見ていた。その夜、役所に戻った潘樾と楊采薇は早速、保管庫で天師復活事案の記録を調べた。…4月13日を最初に8名の女子が8つの方向で死亡、八掛の8つの要素と一致している…この事案が複雑なのは被害者に関連性がないだけでなく、死に方も凶器も全て異なることだった。しかし殺人現場で洛雲門(ラクウンモン)の門弟が目撃され、事態が動く。洛雲門とは民間の門派で掌教・薛漸離(シュエジエンリー)は人格者だった。心身修養していたが、今は仙人修行を名目に掲げているという。「女弟子の陸哀歌(ルーアイゴー)は天賦の才で多くの古(イニシエ)の修行術を会得したとか 彼女はあっという間に薛漸離と肩を並べる人物になり、民にも崇拝されたの そんなある日、事件の目撃者が現れ、住居に調査が入った すると陸哀歌の居所で仙人になる方法が記された秘本が見つかったわ ″帰蔵(キゾウ)回天録″には八掛の象を利用し、8人の女子を捧げれば仙人になれるとあったの 8人の被害者の死にざまと一致していたわ でもかえって謎が深まった 実は1人目が死ぬ前に陸哀歌は金丹中毒で死んでいたの、信徒たちも葬儀に参列している それで″復活殺人″の伝説が生まれ、役所も″天師復活殺人″として処理したわ」潘樾は役所の粗雑な処理のせいで有用な糸口がないと落胆した。しかし采薇がこの事案で検視人だった師匠に相談しようと提案する。そこで翌朝、潘樾は劉捕吏に天師復活事案の被害者家族を訪ねて遺体を見つけるよう指示し、采薇と出かけた。↓書房あるある〜楊采薇と潘樾は郊外にある白小笙(バイシャオション)の屋敷に師匠を訪ねた。すると老姜頭(ラオジアントウ)は娘同然の采薇を傷つけた潘樾に激怒、襲いかかってしまう。「師父!…なぜ事情も聞かずに殴ったの?」潘樾は額にたんこぶができたが、無事だった。老姜頭は潘樾をまだ信用できなかった。そこで昔の事案を思い出すには時間がかると言い訳し、畑仕事をさせて一日中、こき使う。結局、潘樾と楊采薇はその夜、泊まっていくことになった。潘樾は同室の老姜頭のいびきで全く寝付けなかったが、隣の部屋から壁を叩く音が聞こえる。合図だと分かった潘樾が外に出てみると、采薇が座って待っていた。潘樾は楊采薇が師匠に引き取られた経緯を聞いた。あれは采薇が禾陽に流れ着いた頃のこと。男から盗み食いしたと濡れ衣を着せられたところを助けてくれたのが老姜頭だった。楊采薇は恩人の老姜頭を慕って弟子になりたいと懇願したが、老姜頭は女子には向かないと断ったという。『なぜ女子にはできないと分かるのですか?!』すると老姜頭は遺体の骨の数を正しく数えられたら認めると言った。楊采薇は善人の師父が人生を台無しにされ、家族も持てなかったと嘆いた。しかし潘樾はこれから自分たちで師匠の晩年を支えようという。すると采薇は白小笙と卓瀾江(ジュオランジアン)もいると笑った。その頃、卓瀾江は都にいた。孫震(スンジェン)は本当に黒幕の正体を知らなかったが、都にある劉記(リュウキ)という質店に文を送ったことが分かる。そこで卓瀾江は質店を訪ね、水紋の令牌を差し出した。店主は何の価値もないと失笑、そこで卓瀾江は本当の店主を出せと迫る。すると店主は用心棒を呼んで追い出そうとしたが、卓瀾江はあっさり倒した。「また明日来る」卓瀾江が貸家に戻ると白小笙が現れた。「よくここが分かったな」「人探しは得意なの」すると少笙は卓瀾江が好きだと告白した。卓瀾江は目を丸くしたが、少笙を巻き込まぬよう追い出してしまう。翌朝、潘樾は師匠と2人で話すことにした。「私も弟子入りします、この茶で師父にご挨拶を…しかし学びたいのは采薇のことです 師父が采薇を救い、導いてくださった、実の親子同然です 私を信用できないことは分かります、都に戻ったら郡主との婚約を解消します 信じてください、これからは采薇に寄り添い、守ります」すると老姜頭は潘樾の茶を飲んだ。「立ちなさい」つづく( ๑≧ꇴ≦)役所の間者は主簿でした!正解者の皆さん、おめでとうございます!←何が?wまだ事案があったか…( ̄▽ ̄;)そして少笙の持ち家がデカすぎるw
2025.04.21
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难寻 Hard To Find最終話「永遠の愛」神樹(シンジュ)が蘇り、霖川(リンセン)は再び美しい姿を取り戻した。「叔叔?あれは何?」「南枝苑(ナンシエン)だ」赫連曦(ホーリエンシー)は石榴(シーリウ)と一緒に神樹に腰掛け、眼下に広がる霖川を眺めていた。「姨姨(イーイー)は?どこにいるの?」「姨姨は…疲れたから眠っている」「じゃあ起こさないようにしなきゃ、邪魔しちゃだめ」その時、ふいに風が吹いた。すると娘の横に座って微笑む鳳鳶(フォンユエン)の姿が見える。赫連曦は愛する妻に手を伸ばしたが、束の間の幻想はあっけなく消えた。…阿鳶、小石榴を連れて来たよ、君のお気に入りの場所に…昔旧(シージウ)と石罌(シーイン)が石榴を迎えにやって来た。「小石榴、娘親(ニャンチン)と干爹(ガンディエ)が来た、下りようか」赫連曦は石榴を石罌に返し、優しく頭を撫でた。「姨姨も私もどこにいようと小石榴が大好きだ…元気でな」「じゃあ、私たちは先に…」昔旧は神樹をしみじみ眺めた。「連理の神樹は鳳鳶が描いた通り、青々として魅力的だ」「私たちはこの神樹の下で夫婦の誓いを交わした」「鳳鳶が残した文には″離れるのではなく、霖川と一体になる″と書いてあった どの葉にも鳳鳶が宿っているんだな」「そうだな」すると昔旧は本当に父親だと名乗らないのか聞いた。赫連曦は鳳鳶が生前、表妹こそ石榴の母親だと言っていたと明かし、2人の元で育てば娘も幸せだという。「でももし成長して本当の親を知りたがったら?」「その時はいつでも霖川に来てくれ、ここが故郷であり、霖川族は家族だ」「助けが必要な時はいつでも文をくれ、朔雲(サクウン)族が一丸となって助ける」神樹の葉に封印されていた霖川族は何も知らずに日常に戻った。南枝苑では椿(チュン)婆や鶩青(ウーチン)、銀翹(インチャオ)たちが今日も少主夫人のために生花を集めている。「琴桑(チンサン)、少夫人はいつ戻るんだ?」「具合が悪くて美しい場所で養生しているの…」「何があったの?見舞いに行くわ」「私も…詳しくは知らなくて」その時、座敷から少主が出て来た。銀翹は嬉しそうに大きな花束を少主に見せた。「花束ができました、いつ少夫人をお迎えに?」「今から行くよ、椿婆婆、私が留守の間、霖川を頼んだぞ 鶩青、お前には兵書を準備した、分からない点は朔雲世子に聞くといい」すると赫連曦は琴桑が必死に涙をこらえていると気づいた。「琴桑、霖川は君の家だ、だが縛られることなく自由に羽ばたけ」しかし琴桑は何も言えずにうつむいてしまう。「では阿鳶を迎えに行ってくる」赫連曦は大きな花束を抱えて南枝苑を出た。すると琴桑は居ても立ってもいられず門まで追いかける。「少主!」赫連曦は驚いて振り返ると、笑顔を見せた。「…戻れ」琴桑は何と声をかけて良いのか分からず、その場で叩頭し、別れの挨拶とした。望月山の南枝苑、その夜、標高の高い山は雪になった。赫連曦は永遠の眠りについた鳳鳶に琴を聞かせていたが、弾き終わると柘榴のかんざしと耳飾りを亡骸に飾る。「阿鳶、君と約束したね、次に雪が降る時、また連れてくると…共に雪を見よう」すると覚悟を決めた赫連曦は鳳鳶の隣で横になった。そして右手で鳳鳶の手を握りしめ、左手の短剣で自ら胸を刺してしまう。「ぐっ!…阿鳶、君の人生は波乱に満ち、安らかな時はわずかだった 霖川を思うあまり君に負担を強いた、叶えられたのは君を連れて雪を見に来る約束だけ あの世では二度と独りにしない…阿鳶、私たちは連理の枝だ」…いい父親にはなれなかった霖川一族の長にもふさわしくなかった力が及ばなかったことも数え尽くせないそれでも阿鳶、私は心から君を愛していた君を犠牲にして追いかけた夢人生に悔いはないが愛だけは見つけ難かった(難尋)…終わり( ๑≧ꇴ≦)あああああ~終わってしまったあぁぁぁぁぁ~日本語字幕で見られるとは夢にも思わなかったホームドラマCHさん、ありがとう!では幸せだった2人の映像を見ながらお別れで〜す(꒦ິ⌑꒦ີ)
2025.04.20
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难寻 Hard To Find第27話「連理の枝の在りか」仲良く手を繋ぎながら夜市を散策する赫連曦(ホーリエンシー)と鳳鳶(フォンユエン)。「あなたも天灯を上げるのね」「なぜ人は神に祈るのか、今なら分かる…大半の願いは時を費やしても叶わぬ だから祈って己に言い聞かせる、もう少しの辛抱だと」「ふふ、還暦(年逾花甲)の年寄り(老頭)みたなこと言って、まるで若年寄り(小老頭)ね」「私が小老頭なら君は当然、小老太太だな」するとまだ幼い花売りの少女がやって来た。鳳鳶は少女の花を全て買い取り、銭袋をそのまま渡した。「今後は3日おきに知子(チシ)医館へ花を届けてね」かつて毎朝、大きな花束を南枝苑(ナンシエン)に届けてくれた赫連曦。鳳鳶は自分も赫連曦のように皆を喜ばせたいと言ったが、赫連曦は思わず失笑した。「昔旧(シージウ)も私たちを見習えば石罌(シーイン)を怒らせずに済むのにな」「彼、まだ告白していないの?」「拒まれて殴られるのが怖いのだろう」すると鳳鳶は霖川(リンセン)へ行こうと提案した。「一番あり得ない場所に最後の希望が隠れているのかも 望みのない永照(エイショウ)にいるより、霖川に行ってみない?」赫連曦は鳳鳶の身体が心配だったが、鳳鳶は石罌がついていると安心させた。「そうだな、明日、出発しよう」翌日も知子医館には石罌に求婚する公子たちの長い列ができていた。昔旧は苦々しく様子をうかがっていたが、ついに意を決して石罌に告白する。「私も候補に入れてくれ!」「…熱でもあるの?」「ふざけてなどいない、君に心を寄せている 君は気が短くて、すぐ手が出るけれど、他は全て長所だ」「″気が短い″?!」「ぁ、いや率直ってことだ…いつの間にか気づいたら惹かれていた 私のことなら赫連曦と鳳鳶に聞いてくれ」「聞かなくても分かってる、それに表姐たちは霖川に出かけたわ」「霖川?なぜ急に…はっ!そう言えば鳳鳶はここ数日、変じゃなかったか?」すると石罌は鳳鳶が石榴が16歳になった時のために贈り物をくれたと教えた。霖川で探してもやはり連理の枝は見つからなかった。赫連曦は愛おしそうに神樹に触れる鳳鳶を見守っていたが、瘴気が身体に障ることを心配して帰ろうと声をかける。…待ったでしょう?私が運良く生き延びた意義がやっと分かった…「阿曦、もう少し枝を探したいの、瘴気を防げるよう面紗を持って来てくれる?」「分かった、すぐ戻るよ」鳳鳶は赫連曦が神樹から遠ざかると、隠し持っていた短剣をそっと取り出した。「阿曦…枝を見つけたわ」「どこだ?!」赫連曦が驚いて振り向くと、鳳鳶の背中が見えた。「阿鳶?何をしている?」「ゥッ…連理の枝を胸に刺してから…行方が分からなくなった…ここにあるはず…」鳳鳶は自ら心の臓に短剣を突き刺し、連理の枝を取り出していた。「見つけたわ…」鳳鳶の手は鮮血で真っ赤に染まっていた。すると枝をつかんだまま、その場で崩れ落ちるように倒れてしまう。必死の形相で飛び出した赫連曦は鳳鳶を抱き止め、咄嗟に傷口を押さえた。「約束したはずだ…なぜ自分を傷つけた?!なぜ?どうしてこんな…」「ごめんなさい、あなたとの約束に背いて勝手なことをして… でも枝が心の臓にあると知ってしまった…あなたには取り出せない… だから私があげるしかないでしょう?」「いらない…いらない!いらない!戻すんだ!死んでしまうだろう?!」「阿曦…大丈夫よ…悲しまないで…」「お願いだ、死ぬな…」「私は一生分の幸せをもらった…あなたがいて…娘にも友にも恵まれた… これ以上ないほど幸せだったわ…霖川が蘇ったらあなたは安堵できる… それこそが私の幸せなの…」「はっ!石罌なら治せる!」赫連曦は急いで鳳鳶を抱き上げようとしたが、鳳鳶は止めた。「やめてちょうだい、お願い、阿曦…あなたには絶対に幸せになって欲しい 来世でも必ずあなたを愛するわ」「阿鳶…頼む、生きてくれ…」その時、鳳鳶は蘇った神樹が芽吹く様子に気づいた。「阿曦…神樹が…」赫連曦は驚いて振り返ったが、その一瞬の隙に鳳鳶は息を引き取ってしまう。「阿鳶?阿鳶…阿鳶nnnnnnnnnnnnnnnn!」霖川に響き渡る赫連曦の絶叫。その頃、永照宮では朝臣たちが妖艶な姿で朝堂に現れた永照王に眉をひそめていた。<どうやら噂は本当のようだ、陛下は何かに取り憑かれている<声を抑えろ、聞こえるぞ?「…余に不満があるようだな?」鳳垠(フォンイン)は即刻、処罰しようとしたが、その時、心の臓が激しく痛み、喀血してしまう。やはり樹心のせいでは?>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<罰が当たったな!「なぜ…鳳鳶…あの女のせいだ…鳳鳶め!何をしている?早く侍医を呼べ!」しかし朝臣たちは自業自得だと呆れ、誰も助けようとはしなかった。「余は永照の王…樹心もある…死ぬはずがない…誰にも邪魔はさせぬ…」鳳垠は必死に玉座にしがみついたが、ついに力尽きてしまう。つづく。゚( ゚இωஇ゚)゚。 阿鳶nnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnn
2025.04.20
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难寻 Hard To Find第26話「秘めた思い」赫連曦(ホーリエンシー)は独りで神樹を訪ねた。…不肖者の赫連曦、どうかお許しください、神樹と霖川(リンセン)族の復活は叶えられません…一方、医館では鳳鳶(フォンユエン)が鳳慶(フォンチン)へ栗の菓子を差し入れていた。「幼い頃の陛下は食が細かったですが、これだけはお好きでしたね」「姑姑(グーグー)、″陛下″はやめてください、今や隠れて生きるだけの情けない王です」しかし鳳鳶は誰もが一度は経験する挫折に過ぎないと励ました。「王位に復帰されたら賢者の言葉を聞いて小人(ショウジン)を避け、民を大切にしてください さあ召し上がって」「姑姑、私はもう子供ではありません」鳳慶は笑いながら栗の菓子を頬張ると、やはり美味しいと喜んだ。次に鳳鳶は昔旧(シージウ)を部屋に呼び、唯一、手元に残った宝物・双股刀(ソウコトウ)を譲った。武芸者ならその名を知らぬ者はいない名刀。実は先王が息子が生まれると信じて作らせた物だという。「父親(フーチン)は女子が生まれて落胆したけれど、私に贈ってくれたわ 宝の持ち腐れになるくらいなら親友に贈る、私を友と思うなら受け取って」すると鳳鳶は酒を注いだ。「赫連曦は下戸でね、1杯だけで倒れてしまうの、飲む相手がいなくて…」「そうか、では付き合うよ」「この1杯は朔雲(サクウン)世子である昔旧に捧げます、あなたは命の恩人よ(グビッ 2杯目は情が深い男子(オノコ)である昔旧に…この3年、私を守り、尊重してくれた(グビッ 最後の1杯は親友である昔旧に捧げます、私たちは苦楽を分ち、共に歩んだ 来世があれば友や家族になれますように…」昔旧はまるで今生の別れのような挨拶に戸惑い、思わず杯を止めた。「鳳鳶?何があった?!」「昨夜、神樹が蘇った夢を見たの、目覚めた時、本当に嬉しかった」「そうか~なら良かった」安心した昔旧は鳳鳶と杯を交わした。石罌(シーイン)は最後の患者の診察が終わり、医館を閉めることにした。すると黙って見守っていた鳳鳶の姿に気づく。「表姐!」「診療が忙しくて食事も取れないと聞いたの、汁物を持って来たわ…」石罌は早速、舌鼓を打った。「なんて美味しいの!」「実は小石榴(シーリウ)の誕生日祝いに衣と手巾を作ったの…16歳になったら渡して」鳳鳶は自分が16歳になった時、伯母が衣を作ってくれたことを思い出し、自分も石榴の伯母として作るべきだと考えたという。「表姐、急にどうしたの?まさか私に娘を譲るとでも?」「譲る?いいえ、小石榴はずっとあなたの娘よ?もちろん、私の娘でもあるわ あの子は私たちの娘であり、母親が2人いるようなものよ」すると遊びに飽きた石榴がやって来た。そこで石罌は母のように石榴を可愛がってくれる表姐のことも″娘親″と呼ぶよう勧める。「あなたは他の子より幸せね、2人も母親がいる」「わーい!娘親が2人だ!にゃんちーん!」鳳鳶は我が子から母と呼ばれる幸せを享受した。すると夜空に流星群が現れる。鳳鳶は願い事をする表妹と娘の微笑ましい姿に目を細め、自分も手を合わせた。…この世ははかなく、人の世はむなしい、それでも霖川の全てが蘇り、私の愛する人が一生、幸せでありますように…その夜、赫連曦は永照に戻った。夜市の願掛けの木の前では父子が病の母のために札を下げている。そこで赫連曦も天灯を上げることにした。しかし願い事ではなく、″難尋″と書き入れる。一方、鳳鳶も琴桑(チンサン)と一緒に夜市に出かけた。「少夫人、天灯をあげましょう!」琴桑は真剣な表情で願い事を書き始めたが、ふと気がつくと鳳鳶がのぞき込んでいた。「少夫人、誰かに見られたら叶わなくなります」「ふふ、では私の分を譲るから2つ叶えて」「少夫人には願い事がないのですか?」「私の願いはもうすぐ叶うから…」2人は夜空に昇って行く天灯を眺めていた。「琴桑…あなたにも幸せな家庭を持って、私たちと離れて穏やかに暮らして欲しい」「少夫人、私の家族は少夫人たちだけです!」その時、偶然にも先に天灯をあげた赫連曦と出くわした。「阿曦、一緒に歩かない?」すると琴桑は少主たちを二人きりにするため先に帰った。つづく( ߹꒳ ߹ )挿入歌で泣けてしまう
2025.04.19
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难寻 Hard To Find第25話「簪の秘密」阿笙(アーション)は世子の使いで朔雲(サクウン)へ帰り、鳳鳶(フォンユエン)のかんざしを持って戻った。しかし留守中に想い女の東籬(ドンリー)が侍衛たちに言い寄られていると知り、先に帰りたいという。昔旧(シージウ)は笑って許したが、まさか阿笙から恋の指南を受けるとは思わなかった。「石罌(シーイン)大夫(ダイフ)が頻繁にお見合いを…お好きなら機を逃さずに、では!」昔旧はけじめをつけるため夫婦の部屋を訪ねた。「赫連曦(ホーリエンシー)、父親(フーチン)からお前への文を預かった」「大君から?」…見たものではなく行うことが真実となる…しかし大君が何を伝えたいのか、この時はまだ誰も分からなかった。「そうだ、鳳鳶にはこれを」「私のかんざし?!…あの日の騒動で失くしたと思っていたの」すると赫連曦はかんざしがなぜか″連理の枝″で出来ていると気づいた。鳳鳶はかんざしを壊したことがあったと明かし、実はこっそり椿(チュン)婆やに直してもらったという。…椿婆やが少主夫人から受け取った化粧箱には折れたかんざしが入っていた『少主が毎日、寅の刻に樹脂を集めていたのは少夫人のかんざしを作るためでしたか』『毎日、早く起きていたのは私のためだったのね』『ご安心ください、二度と壊れないよう直しておきます』椿婆やはかんざしを直す際、連理の枝を埋め込んでいた…一方、簒奪に成功した鳳垠(フォンイン)は暗衛に鳳鳶を見張らせていた。もはや2人は一連托生、鳳鳶の身に何かあれば自分もただでは済まない。「いいか、何が起きようと真っ先に余に報告せよ」翌朝、医館を手伝っていた鳳鳶の元に赫連曦と昔旧がやって来た。実は赫連曦は鳳鳶の身体を心配し、神樹の蘇生には昔旧と2人だけで行くという。「神樹が蘇ったら君を連れて行くよ」「いいえ、この目で蘇生するのを見たい…ゴホゴホッ!」鳳鳶は半日働いただけでも疲れが出て咳き込み、昔旧から安心して待つようなだめられてしまう。しかしその話を患者に紛れていた鳳垠の暗衛が聞いていた。鳳垠は赫連曦たちが神樹を蘇らせるため霖川(リンセン)に向かったと聞いた。しかし暗衛は途中で見失ってしまったという。「役立たずめっ!」一方、鳳鳶は赫連曦たちの帰りを待ちながら石榴(シーリウ)の面倒を見ていた。すると石榴が茶壷に入れた水が出てこないと訴える。よく見ると石榴は壸嘴儿に小枝を差し込んで水を止めていた。「止まる?水の流れが?…はっ!」鳳鳶はふと思い立って石罌に心の臓を診てもらった。すると確かに何かは分からないが心脈を守っているものがあるという。「それが私の命を救ったのね(私の連理の枝は心の臓にあったんだわ)阿罌、取り出せる?」「表姐、それがあるから生きていられるの、取り出せば死んでしまうわ」…全てはとうに運命づけられていた、生かされたのは神樹のためだったのね…そこで鳳鳶は忙しい赫連曦を煩わせたくないと口止めし、折りを見て自分から話すと伝えた。赫連曦が戻って来た。神樹を蘇らせるにはやはり鳳鳶の枝でなければだめだと分かったが、鳳鳶にはしばらく待てば神樹が復活すると安心させる。すると鳳鳶は霖川に行って神樹を見たいと懇願した。鳳鳶は瘴気に当たらぬよう面紗をつけて神樹を訪ねた。すると赫連曦は天乩雲盤(テンケイウンバン)で見た未来の通り、琵琶(ビワ)のかんざしを挿した女子が神樹に火を放つ様子を目撃する。しかし女子だと思い込んでいた後ろ姿は、母のかんざしを挿した鳳垠だった。「鳳垠っ!」激高した赫連曦は激しい気を発して鳳垠を突き飛ばし、剣を突きつけた。「ふっ、私だと気づいたところでどうせ殺せまい」「今日まで生きてこられたのは阿鳶のおかげだぞ?」「赫連曦、情にもろい者はせいぜい善人止まり、決して王にはなれぬ 私が生きている限り霖川は廃墟のままだ、神樹のことはあきらめろ」その時、鳳鳶が赫連曦の懐に入り込んだ。「道連れにしてやる!」鳳鳶は赫連曦が剣を握る手をつかんで自分の首を斬ろうとしたが、赫連曦が剣先をつかんで止めた。「失せろ!」「私より異常だぞ?!」鳳垠は興奮する鳳鳶に驚きながら、足早に去って行った。2人は神樹の枝に腰掛けた。神樹は無事だったが、かんざしの連理の枝では蘇らないと鳳鳶が気づいてしまう。「阿鳶、すまない、恐らく神樹を蘇らせることは…」「でも天乩雲盤で神樹が芽吹く様を見たのでしょう?だったら必ず蘇るわ」鳳鳶はかつてここから見えた南枝苑(ナンシエン)を思い出して懐かしんだ。霖川に嫁いだ日、岸に着くと雨が降り出し、赫連曦が傘を差し出してくれたのが昨日のことのように思い出される。「前回は禊に参加できなかった…皆が戻ったら一緒に行きたい」「阿鳶、急にどうした?」「何でもないの、想像したら嬉しくなっただけ… 霖川が蘇ったら必ず昔旧と石罌を招待してね、あ、小石榴もよ? あの子をここに座らせましょう、きっと喜ぶわ」「そうだな、私と君の間に座らせよう」「ええ…」しかしそんな日が来ないことを2人は知っていた。赫連曦は鳳鳶の枝を使うつもりなど毛頭なかった。愛する妻を守るためなら神樹と霖川をあきらめ、霖川の罪人になることも厭わない。一方、鳳鳶は神樹を復活させるため、自分の枝を使うしかないと覚悟を決めた。…使命を果たす時が来たわ、阿曦、ごめんなさい…その夜、鳳鳶は珍しく背を向けて寝ている赫連曦に手を伸ばした。「どうした?眠れないのか?」「さっき神樹が蘇った夢を見たのよ?嬉しくて目が覚めたの」すると鳳鳶は赫連曦の額にそっと口づけした。赫連曦は愛する人を腕に抱いて目を閉じた。まさか鳳鳶が自分と異なる決意を胸に秘めていることなど知る由もない。…阿曦、我愛你、どうか許して、あなたに別れを告げることはできない…つづくカタ:(ˊ・ω・ˋ):カタ 阿鳶…そんな…
2025.04.19
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难寻 Hard To Find第24話「双方向のつながり」鳳垠(フォンイン)は次第に花娥(ホワオー)を遠ざけるようになり、今夜は禁軍の兵士を侍らせていた。「…親しい友が来たようだ、下がれ」すると風のような速さで赫連曦(ホーリエンシー)が現れ、鳳垠の首をつかんで押し倒した。「行く当てがなくて余の寝殿を訪れたか?」赫連曦が自分を殺せないと高を括っていた鳳垠は平然と枕元にあった酒を飲んだが、その時、身体に激しい衝撃が走った。「樹心は誰のものだと?お前には不相応だ」鳳鳶(フォンユエン)は帳越しに赫連曦が鳳垠の左胸から樹心を引っ張り出すのを見ていた。しかし鳳垠が激しく喀血すると同時に鳳鳶も胸に痛みが走り、突如、血を吐いてしまう。「阿鳶!」「阿曦…急いで!樹心を取り戻すのよ!」赫連曦は連理の枝が鳳鳶の心脈を守っていることを思い出した。もし樹心を取り出して鳳垠の心脈が傷つけば、鳳鳶の命も危ない。仕方なく赫連曦は鳳垠に樹心を戻して立ち去ることにした。鳳垠はやはり自分を殺せないのだと気づき、思わず赫連曦の衣をつかんで引き止める。「待て、私を殺せ、早く!」すると激怒した鳳鳶が護身用の短剣を抜き、自分の手のひらを切りつけた。鳳垠は突然の痛みに驚いて赫連曦から手を離した。そこへ鳳鳶が現れ、もう一度、自分の手のひらを切りつける。するとやはり鳳垠の手のひらにも同じ傷ができた。「鳳垠、まさか私が傷ついてもあなたが傷つくなんてね! 邪悪なお前は我が子の命さえ狙う、私は死なんて怖くない!道連れにしてやる!」赫連曦は常軌を逸した鳳鳶の様子に困惑、急いで王宮を後にした。医館に戻った鳳鳶は左胸に違和感を覚え、ふと手を当ててみた。…心の臓に何か入っているみたい…ともかく鳳垠と自分のつながりが双方向だと確信し、これでいつでも殺せると分かった。すると赫連曦が包帯を持って戻ってくる。「阿曦、樹心は絶対に取り戻さないと…私が死ねば取り戻せる」「馬鹿なことを…蘇る可能性があるだけだ、君の命を奪ってまで可能性に懸ける気はない」「神樹を甦らせる唯一の方法なのよ?」しかし赫連曦は耳を貸さず、念のため部屋にある鋭利な物を全て化粧箱にしまってしまう。それでもまだ安心できず、赫連曦は鳳鳶の腕をつかんだ「今後は私の視界から離れるな」一方、王宮では花娥が鳳垠の手当てをしていた。「なぜ2人を見逃したんです?もしや何か弱みでもあるとか?」「…今後は余の許しなくここへ立ち入るな」「皇后なのになぜ許しが必要なのです?」すると花娥は鳳垠の白粉の匂いに気づき、新しい寵姫ができたのかと疑ってみせた。「でも構いません、私は皇后であり、皇子を産めるなら誰を愛しても自由です」「ふっ、出て行けっ!」「…はい、陛下」花娥は鳳垠の怒号に驚いておとなしく引き下がった。しかし鳳垠も我ながら鏡に映る己の姿を見て動揺してしまう。…なぜこんな薄気味悪い姿に?私は永照(エイショウ)唯一の皇子、どうして変わり果てた?…そんな鳳垠の嘆きを花娥は背中で聞いていた。…哀れな男よ…翌日、昔旧(シージウ)と石罌(シーイン)は赫連曦と鳳鳶の様子を見ていささか困惑した。今日は4人での昼餉となったが、赫連曦は鳳鳶の手を握りしめて離さず、そのせいで鳳鳶は食事もままならない。見せつけられたと誤解した昔旧は薬材の買い出しに行こう石罌を誘ったが、断られてしまう。「午後は用事があるの…じゃあこれで」実は石罌には縁談が来ていた。(*˙꒳˙*)<きっとお見合いよ@鳶(๑≧ꇴ≦)<お 見 合 い ?!@昔( ತ _ತ)<なぜお前が興奮する?@曦(⌒-⌒;)<いや興奮なんて…(汗すると鳳鳶が赫連曦の手を離し、鳳慶(フォンチン)の様子を見てくると口実をつけて席を立った。しかしいつの間にか赫連曦と紐でつながれ、結局、その場から離れることができない。「阿慶に会うだけよ?何もしない」「何にせよ私も付き添う」結局、鳳鳶は断念し、再び席についた。花娥は封号を待ちきれず、無断で皇后の礼装をまとった。驚いた侍女は儀礼に反すると苦言を呈したが、激しく叩かれてしまう。「明日からは私が永照の皇后よ?今後の儀礼は私が決める」昔旧は赫連曦が鳳鳶を拘束している理由を知り、朔雲(サクウン)で最も強い縄を差し出した。(* ・᷄-・᷅ *)<昔旧…あなたまで( ゚ロ゚)و<鳳鳶、赫連曦は正しい!その時、鳳慶が息急き切って走って来た。「このかんざしを見たのは確かに王宮でした!」あれは3年前、皇子の後ろ盾を失った花娥は他の侍女たちにいじめられていた。偶然、新帝と通りかかった墨(モウー)太監が止めたが、侍女たちの話では花娥が皇子の寝殿で盗みを働いたという。確かに花娥の手にはかんざしがあった。『大殿下には生前、寵を受けました、私物を取りに来ただけです』鳳慶は花娥が持っていたかんざしこそ、この絵の琵琶のかんざしだったと証言した。赫連曦は花娥が神樹を甦らせる手がかりだと知った。そこで鳳鳶を昔旧に託し、単身で王宮に忍び込む。しかし花娥はすでに事切れていた。…一体、何があった?…その夜、花娥は女子に興味を失った鳳垠に苛立ちを隠せず、世継ぎが産めなくなると嘆いた。「樹心のせいで気味悪い姿になったのでは?!まだ間に合います!壊してください!」「つまり私が気味が悪いと?」「(はっ!)私の失言でした」花娥は慌てて下がることにしたが、その時、鳳垠は花娥のかんざしに目を留めた。「待って…なぜ母后のかんざしを?」「(はっ)陛下が王宮を去られた後、寝殿で見つけたのです、あまりに素敵だったので…」花娥は咄嗟にかんざしを外して返したが、鳳垠はそのかんざしで花娥の首を掻っ切ってしまう。…花娥、かつてお前に言ったはずだ、この生涯、愛されなくていい権勢を欲したわけではない、誰に厭われても構わぬが、私だけは自分を厭わない出自や容姿、性別に関わりなく、私は王座で天下の崇敬を受ける二度と誰にも邪魔されぬ…つづく(  ̄꒳ ̄)みんなちがってみんないい…鳳垠
2025.04.18
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难寻 Hard To Find第23話「2人の出会い」その夜、赫連曦(ホーリエンシー)は背中の傷が痛む鳳鳶(フォンユエン)の気を紛らすため、2人の本当の出会いを話して聞かせた。「実は私が初めて君に会ったのは霖川(リンセン)ではない、ここなんだ」「ここ?」2人の縁談が決まったのは霖川が通婚をやめてちょうど100年の時だった。一族は少主と永照(エイショウ)公主の婚姻に反対していたが、赫連曦は公主がどんな女子か気になり、密かに永照に来たという。しかし永照の水が身体に合わず、偶然にもこの知子(チシ)医館に入った。「まさかそこで君に会えるとは… 君は怪我をした少女を助け、折り紙の小鳥で笑顔にさせていたね」赫連曦は当時を懐かしみながら、3年前に石榴(シーリウ)の存在を知ったものの父親としての責任を何一つ果たせなかったと後悔した。当時は陰ながら娘を見守ることしかできなかったが、そんなある夜、石罌(シーイン)が中庭から赤子を見ている赫連曦に気づき、対面させてくれたという。『まだ名前がないの、あなたがつけて』『…小石榴だ』赫連曦は夫として妻を守る義務も果たせなかったと嘆いた。「あなたは悪くない」「2人で心を合わせれば困難は乗り越えられる、君の傷が治ったら樹心を取り戻す 神樹が蘇れば小石榴と3人で霖川に帰れるだろう」一方、昔旧(シージウ)は石罌が赫連曦に好意があることを見抜いていた。「出会った頃は何の感情もなかったのよ?」石罌は赫連曦が娘に会いに来ているだけと分かっていながら、いつの間にか来訪を心待ちにするようになったという。「お互いに出会うのが遅かったな」「いつ出会うかが問題ではないの、最初から表姐夫は私に目を向けていなかった 好きだったけれど、2人が私の目の前に現れた瞬間に分かったわ、私はただの表妹だと…」「男は赫連曦だけじゃないぞ?」「女もね?ふふ」すると石罌は昔旧の父の目を治しに行きたいと言った。昔旧は困惑、実はてっきり石罌に嫌われていると思っていたという。「私は医者よ?それにあなたを嫌ってなんかいない、あなたと友になれるわ」翌朝、赫連曦は鳳鳶に新しい傷ができていないと分かって安心した。「鳳垠(フォンイン)から樹心を早く取り出し、君たちのつながりを絶とう」「でもなぜかしら?私は神樹と結印できなかったのに…」「かつて君は神樹を救った、その縁で知らぬうちに結印していたのだろう そのおかげで君が連理の力を使った時、樹心が君の命を守ってくれたんだ」その時、石罌が薬の交換にやって来た。赫連曦は鳳鳶を石罌に任せ、煎じ薬の様子を見に行った。石罌は早速、鳳鳶の包帯を外したが、傷を見て困惑する。…表姐の背中の傷跡はどこか妙だわ、一体、何があったの?…すると鳳鳶を心配した石榴が見舞いにやって来た。石罌はこの機会に石榴の生母が表姐だと明かそうとしたが、鳳鳶に話を遮られてしまう。「お腹が空いたの、何か食べ物をお願い」「…はお」赫連曦は薬を煎じながら昔旧に事情を説明した。驚いた昔旧は早く鳳垠から樹心を取り出そうと言ったが、赫連曦は鳳鳶の怪我が治ったら一緒に取り戻しに行くという。「恐らく鳳垠は樹心と完全に融合している、無理に取り出せば阿鳶に影響が及ぶやも…」「分かった、今回も私の出番はないようだ(ショボーン」しかし赫連曦は石榴の世話をしてくれる昔旧に深く感謝していると伝え、実は頼みたいことがあるという。「この琵琶のかんざしに見覚えがないか?」昔旧がかんざしの絵を確認していると、そこへ鳳慶(フォンチン)がやって来た。鳳慶は永照王という立場も顧みず恩人である姑夫と朔雲(サクウン)世子に拝礼して感謝した。「陛下が礼など必要ありません」赫連曦と昔旧は慌てて永照王を止めたが、鳳慶は霖川の滅亡に責任を感じていた。「当時、皇祖父の意に逆らい、浅はかにも父親を解放してしまった…」しかし赫連曦は永照王のおかげで娘の命が助かったと感謝した。その時、鳳慶は昔旧が持っていたかんざしの絵に気づき、どこかで見覚えがあるという。「にわかには思い出せぬが…」「恐らく王宮内でしょう」王宮に居座る鳳垠の様子はいささか奇妙だった。房間は赤いたれぬので飾られ、書卓の上はまるで女子の鏡台のよう。鳳垠は鏡に映る自分の姿にうっとりしながら髪を梳かしていたが、花娥(ホワオー)が現れるとふと我に返った。…私は今いったい何を?…すると鳳垠は自分の顔を怪訝そうに見つめている花娥に気づく。「何を見ている?!」「…大殿下はますます妹妹の鳳鳶に似てきました、さすがご兄妹ですね」その実、花娥にとって鳳垠が化粧しようが何をしようがどうでも良いことだった。「大殿下、私との約束をお忘れなきよう、永照の皇后は私です ご報告が…朝臣たちにこれ以上、永照王の失踪を隠せません このままでは王宮が混乱するでしょうね」「はお、余が引導を渡してやろう」琴桑(チンサン)が慌てて医館に戻って来た。王宮で政変が起こり、鳳垠は鳳慶が病のため譲位の勅命を出したという。その真偽を疑った朝臣はその場で殺され、城外に吊るされていた。鳳鳶は衝撃から立ちくらみを起こし、鳳慶にはまだ秘密にして欲しいという。「阿慶はあの若さで苦難を背負い過ぎている…」つづく( ๑≧ꇴ≦)そうきたかー!
2025.04.17
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花间令 In Blossom第22話銀雨楼(ギンウロウ)の裏山にやって来た楊采薇(ヤンツァイウェイ)と潘樾(パンユエ)。白小笙(バイシャオション)の話では卓瀾江(ジュオランジアン)がここから独りで奥に入ってから消息が分からなくなったという。その時、銀雨楼の弟子が山へ入る姿が見えた。誰かに差し入れするのか″卓″の紋がついた岡持を持っていたが、それを見た采薇はあの布切れの文字が″卓″だと気づく。どうやら銀雨楼は塩の件と関わりがあるらしい。卓瀾江も水紋と銀雨楼に何らかのつながりがあることを突き止め、拘束されたのだ。新鄭(シンテイ)書院の陳(チェン)掌院はすでに帳簿を持って都へ向かっていた。孫震(スンジェン)の報告では塩は船で禾陽(カヨウ)を出たが、潘樾が銀雨楼の商売を精査中で水運が標的になっているという。「銀雨楼はもうだめかもしれんな…」すると卓山巨(ジュオシャンシュー)は死地に赴く覚悟を決めた。策を練るため一旦、県署に戻った潘樾たち。すると潘樾に銀雨楼少主から酒宴の招待状が届いた。しかし楊采薇は卓瀾江にしては丁重すぎると怪しみ、罠ではないかと疑う。潘樾も酒宴を隠れ蓑にして決着をつけるつもりだと気づいたが、あえて誘いを受けることにした。白少笙は楊采薇と一緒に卓瀾江の救出に行くと決めた。その必死な様子で采薇は少笙が卓瀾江を好きだと気づいたが、少笙はどちらにしても少主と鬼市の商人では住む世界が違うと苦笑いする。「私は長い間、無駄に悩んで苦しんだ、少笙、阿江が見つかったら告白して やらぬ後悔よりやった後悔よ」潘樾は護衛もつけず、単身で銀雨楼に現れた。すると大殿の前ですでに孫震が配下を従え、待ち構えている。「いくら罠でも酒一杯すら出さぬとは 招いたのが少主でも楼主でも根本は同じゆえ雑談するのもよいかと思ったが…」その時、大殿から声が聞こえた。「潘大人(ダーレン)、どうぞ」一方、楊采薇と白少笙は銀雨楼が潘樾に気を取られている隙に卓瀾江を救出することにした。( ・_・)<私が鍵を盗むから楊姐は厨房へ はお!>(・_・ )潘樾が大殿に入ると卓山巨は頑丈な扉を閉じた。「潘大人はなぜ私が生きていると分かった?」「玉蟾蜍(ギョクセンジョ)は火傷に効果的な良薬、そこで焼死したはずの楼主が浮かんだ」しかし実のところ顧雍(グーヨン)が残した言葉がなければ確信は持てなかったという。…ぶざまな姿で生き長らえている者もいるが、死んだ方がマシだ…卓山巨は潘悦が評判にたがわず洞察力の鋭い男だと感心したが、死にかけでも潘樾を殺すことはたやすいという。「無謀にも単独で乗り込んでくるとはみくびられたものだな」「いいえ…私は前輩を慕っています 3年間も死を装って生きて来たのはやむを得ぬ事情があったのでしょう?」その頃、阿福(アーフー)は絶食を続ける主に今日も差し入れを届けていた。卓瀾江は腹心にまで裏切られたと憤慨していたが、ふと器の白米に4つの穴が空いていると気づく。…これは″東西南北 四方順調″のおまじない、私の娘(ニャン)から教えてもらったの…卓瀾江はこれが楊采薇からの合図だと気づいて器を探ると、白米の中から鍵が出て来た。潘樾は卓山巨が黒幕の言いなりになるのは弱みを握られているからだと見抜いていた。「その弱みとは卓瀾江だろう?…ならばまだ交渉の余地があるのでは?」「いいや、そなたが死んでこそ銀雨楼は存続できる」その時、部屋の梁から引火性の液体がしたたり落ちて来た。「潘大人と一緒なら黄泉への旅路も幾分、楽しいものになろう」大殿の窓は青銅製で、大門の厚さは3尺あった。卓山巨が仕掛けを解かない限り、誰も出入りできないという。地下牢を脱出した卓瀾江は楊采薇たちと合流した。すると潘樾が父と一緒に大殿にいると知る。「…父親に殺されるぞ!」大殿ではろうそくの火が液体に引火し、炎が広がり始めた。しかし潘樾は動揺せず、冥土への道連れと乾杯したいという。「なぜ心中しようと?…死が唯一の選択肢とは限らぬ」「ふっ、そなたは″あの者″にはかなわぬ」「だが私と心中すれば本当に卓瀾江の一生は安泰なのか?」潘樾は真相を知り得て卓瀾江が平穏な人生を続けられるとは到底、思えなかった。「ごうら(够了)!…しょせん私は飼い犬に過ぎない、他に道はなかったのだ」一方、大殿の外では孫震が卓瀾江たちを制止していた。「楼主が3年、ぶざまに生きてきたのは全てあなたのためだ! 3年前、都で剣をなくしましたね?本当に盗賊の所業だったと?」…卓山巨が大火傷を負いながらも義兄弟に嘆願したあの日追い詰められた卓山巨は黒幕の秘密をばらすと脅したその時、義兄弟が卓瀾江の剣を見せつける『大哥から旧友の息子を頼むと言われたよ』銀雨楼へ戻った卓山巨は息子が自分の死を知って禾陽に向かっていると聞いた『そうか…私は大火の中で焼死したと宣言せよ 都でなされたのは危険かつ報われない所業、罪深き反逆行為だ 1つしくじれば我々、全員が滅びることになる ならばこの老いぼれが凶暴な番犬となろう ただし何があっても私の江児には指一本、汚させてはならん』潘樾は郡主から授かった″免死令牌″を示した。黒幕の正体を明かせば卓父子の安全は生涯、保障されるという。その時、卓瀾江の悲痛な声が聞こえた。「爹!開けてくれ!(ドンドンドン!)爹!爹さえいれば何もいらない!爹っ!」卓山巨は息子の言葉に涙した。「潘大人、約束する、二度と悪事に加担しないと…しかし黒幕の名を明かすことはできぬ それでも江児を守ってくれるか?」「罪なくば誰でも全力で守る、ましてや彼は私の友だ…さあ、出ましょう」潘樾は席を立って車椅子に手をかけようと近づいたが、その時、卓山巨は潘樾を突き飛ばし、同時に門を開けた。潘樾が大門から投げ出された。卓瀾江は咄嗟に殿内に飛び込もうとしたが、大火に阻まれ、父の救出に向かうことができない。「爹!」「江児…都のあやつは恨み深い男だ、私が死んでこそお前は生きながらえられる」すると卓山巨は再び大門を閉じてしまう。( ߹꒳ ߹ )でぃえーっ!巷では潘県令が銀雨楼を潰したと広まった。楼主は死を偽装して裏で危険な商売を続けていたが、県令に暴かれて自害したという。一方、潘樾と楊采薇は黒幕の手がかりがないかと孫震を訪ねた。しかし卓山巨は密書を全て燃やしてしまい、孫震さえ黒幕の名前を聞いていないという。「名を明かすより死を選ぶとは…黒幕の勢力は相当、強いようだ」仕方なく潘樾は役所に潜んでいる間者の正体を尋ねた。「あれは卓家ではなく黒幕側が手配していた、伝書鳩で交信するだけで姿は見ていない」卓瀾江は自室にこもって酒浸りだった。白少笙はそばで見守ることしかできなかったが、そこへ楊采薇と潘樾がやって来る。潘樾は卓瀾江の胸ぐらをつかんで立たせると、卓山巨がなぜ全て背負って死んだのか分かったと言った。「お前のような情けない息子なら私とて何も話さず逝く!」「何だと?!」「敵ながら父君のお前を想う心に感動した、だが守って来た息子がかくも情けないとは… あの世から今のお前を見たら後悔するはずだ」すると卓瀾江は肩を落とした。確かに自分がもっと強くて信頼に足る男なら、こんな結末は避けられただろう。まさか激しく父を非難したのが父子の最後の会話になってしまうとは…。「本当は生きていて嬉しかったのに…」卓山巨の埋葬が終わった。卓瀾江は3年も裏山にこもっていた父のため、今度は四季を楽しめるよう眺めの良い場所を選ぶ。そこへ楊采薇がやって来た。卓瀾江は自分の人生を懸けても償いきれないと分かっていたが、せめて父の代わりに謝罪したいという。「…楼主の行いを許すことはできない、でも死んだ人をいつまでも恨んだりしないわ 阿江、あなたが父君の罪を背負う必要ない、自分を責めないで」「だが俺の身体には卓家の血が流れている、無関係と言えるわけない まさか俺の父親がお前の父親の敵だったとは…采薇、すまない、俺は友だち失格だな」すると卓瀾江はともかく一杯のもうと酒瓶を手にした。「どちらにしても明日は恒例の酒席よ」しかし卓瀾江はいつもの酒屋に来なかった。楊采薇と白少笙は手分けして卓瀾江の行方を探した。やがて雨が降り出し、気がつくと日も暮れてしまう。すると船着場へ駆けつけた少笙がちょうど桟橋を離れた小舟に乗る卓瀾江の姿を見つけた。「阿江!阿江!…どこへ行くの?!」卓瀾江は少笙の声に気づいたが、何も言わずに禾陽を去った。潘樾は雨に濡れたまま市場で呆然と立ちすくんでいる楊采薇を見つけた。「ここにいたのか、探したぞ、どうした?」「阿江がいなくなったの」「考える時間を与えてやろう、また戻ってくる」采薇は白小笙を探して酒屋に戻った。すると給仕が白小笙の書き置きを預かっているという。…阿江の行き先が分かった、私に任せて…潘樾は卓山巨との約束を守るため、わざと銀雨楼を大々的に閉鎖した。黒幕に調査が終結したと信じ込ませてこそ卓瀾江の命は安全になる。一方、百花宮(ヒャッカグウ)では宮主・青帝(チンディー)が潘樾の手腕に感心していた。できればもう一押ししたいところだが、次は自分たちが深みにはまってしまうだろう。その夜、2人しかいない友人と一度に別れることになった楊采薇は沈んでいた。すると潘樾がやって来る。「暗い顔をしては作戦が台なしだ、役所にはまだ間者がいるんだぞ?」潘樾は鬼火事案の調査を仕向けた者がいると話し、それが誰か分かれば糸口になるという。「…そうだ!顧雍が臨終に″楊″と言っていたわ、都で楊という朝官を探したら?」「範囲が広すぎる」その時、潘樾は窓紗に映る人影に気づいた。「誰だ?!」潘樾と采薇は部屋から飛び出したが、すでに間者の姿はなかった。つづく( ˙꒳˙ )物語もいよいよ佳境に近づいて参りました果たして京城にいる黒幕″大哥″は誰のなか?〓県署の間者は誰だ?〓1、采薇の師匠 1000倍2、阿澤 500倍3、上官芷の侍女 200倍4、名もなき捕吏 100倍5、陳三 10倍6、主簿 10倍7、劉捕吏 5倍〓黒幕は誰だ?!〓A:パン弟 1000倍B:采薇の師匠 500倍C:上官蘭 200倍D:実は生きてたヤンパパ 100倍E:皇帝の自作自演 50倍F:パン父 10倍
2025.04.16
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花间令 In Blossom第21話沈慈(シェンツー)が書き残した日記に興味深い事件があった。実は沈慈と繆荘(ミャオジュアン)は同郷で新鄭(シンテイ)書院でも同室だったという。…1年前のある夜、厠に行った繆荘が血相を変えて居所に戻ってきた何でも陳(チェン)掌院が真っ暗な提灯を持って裏山に行くのを見たという『妙だと思って後をつけたら水上の神殿が… 十数隻の幽霊船が静かに浮かんでいた、各船の船首には不気味な影が見えた その時だ、提灯が一斉に光を放ち、水紋の図案が浮かび上がった 掌院の提灯にも明かりがついてな、図案も他とお揃いだ 私は物音を立ててしまい、急いで逃げ戻った』繆荘は酷く怯えた様子だったが、沈慈はそもそも裏山に船などあるはずないとなだめて寝かせたすると翌朝、寝台で横になったまま息絶えている繆荘に気づく沈慈は健康だった繆荘の突然死を不信に思い、検視人を呼びに行ったしかし居所に戻った時にはすでに繆荘の死因が伝染病だったと断定され、骸が荼毘に付されたと知る沈慈は酷い扱いに憤ったが、それ以来、陳賦(チェンフー)に目をつけられ、いじめの標的となった…潘樾(パンユエ)はあの裏山が水紋の組織の拠点の1つだと確信した。鬼林に様々な仕掛けがあったのは人を脅して遠ざけるためだろう。すると楊采薇(ヤンツァイウェイ)は裏山に入った時、確かに水の音が聞こえたと思い出した@18話。潘樾と楊采薇は鬼林で枯葉に覆われた穴を発見した。そこでつたを利用して地中へ降りてみると、どうやら人が掘った穴だと分かる。2人は狭い地下道を先に進むと、やがて河食でできた開けた洞窟へ出た。繆荘が見た″水上の神殿″とはこれだろう。洞窟には荷物を置いた形跡があり、自分たちが来ると察したのか、慌てて引き上げたようだった。その時、采薇が桟橋に引っかかっている布切れに気づき、手に取ってみる。しかし頭上から物音が聞こえ、潘樾は慌てて采薇の手を引き洞窟を脱出した。陳(チェン)掌院は洞窟から出てきた潘樾たちの様子を物陰から見ていた。…潘樾、判決を覆してやろう、鬼火事案にもう1人、死者を追加する…楊采薇は川で濡らした裳裾を気にしながら潘樾に遅れないようついて行った。すると誰かが助けを求める声が聞こえてくる。2人はやがて大きな箱を見つけた。「あの中に人が?」潘樾は念のため剣先を使ってふたを開けた。その瞬間、無数の幻瞑虫(ゲンメイチュウ)が飛び出して来る。潘樾は咄嗟に剣で虫を追い払ったが、首元を咬まれていた。潘樾は楊采薇を連れて急いで下山しようとしたが、草むらに潜んでいた刺客が現れた。毒虫のせいで次第にぼんやりして来る視界…。潘樾は目を閉じて音を頼りに応戦するしかなくなったが、その時、潘樾の異変に気づいた采薇が加勢した。「3歩後ろに敵よ!…右5歩!左3歩!」潘樾は采薇の的確な指示で刺客を捉えたが、怒った刺客の1人が上官芷(シャングワンジー)を標的にした。すると逃げ出した采薇は足を踏み外し、悲鳴を上げながら斜面を転がり落ちてしまう。潘樾は刺客を全て排除すると上官芷の後を追って斜面を転がり落ちた。しかし視力を失い、上官芷の姿を探すことができない。「上官芷!どこだ?!上官芷!」…なぜ返事がない、まさか、そんな…潘樾は激しく動揺し、気がつくと無我夢中で愛する人の名を叫んでいた。「楊采薇!楊采薇!何とか言ってくれ!楊采薇!」その時、気を失っていた采薇が潘樾の悲痛な叫び声で目を覚ました。…今、私のことを何と呼んだの?…潘樾はすでに上官芷の正体に気づいていた。感激した采薇は嬉しさのあまり潘樾の背中に抱きつき、無事を伝える。「馬鹿な人、私ならここにいるわ…」潘樾は采薇の無事を知って安堵の涙を流し、愛する人をしっかり抱きしめた。一方、白小笙(バイシャオション)は毎月、玉蟾蜍(ギョクセンジョ)を買いに鬼市へ来る客を突き止めた。今日はその客が取り引きにやって来る日。卓瀾江(ジュオランジアン)と少笙は物陰で客を待ち伏せしていたが、思いがけず接近し過ぎて照れてしまう。その時、ついに玉蟾蜍を求める男が現れた。玉蟾蜍を買った男は銀雨楼(ギンウロウ)の裏山に入った。この先にあるのは亡き父の廟。卓瀾江は白少笙を先に帰し、独りで男を追跡した。すると驚いたことに父の廟が隠れ家の入り口だと分かる。卓瀾江は男が廟の中に消えると、男の真似をして墓石の隣にある石を押した。墓石の奥には要塞のような寝殿があった。卓瀾江は物珍しそうに見回していると、そこへ誰かが車椅子を押してやって来る。「嘘だろう?…」卓瀾江は車椅子に乗った男を見て言葉を失った。県署に戻った楊采薇は潘樾の毒虫を解くことにした。しかし陳賦(チェンフー)と同じ方法で解毒したにも関わらず、潘樾は目から流血してしまう。困惑した采薇は牢獄の沈厳(シェンイエン)を訪ねた。「おかしい、あれは私が育てた虫で人を襲わないはず…」「誰かが仕組んだの」「流血とは穏やかでないな…あと3日で好転しなければ光を失うだろう」その夜、沐浴していた潘樾は暗闇のせいで久しぶりに発作を起こした。居ても立ってもいられず、手探りで湯船を出た潘樾。(安心してください、履いてますよw)するとちょうど肌着をまとったところで楊采薇が駆けつけた。「大丈夫?何か取りたいものが?」「いいんだ、出てくれ」「やだ照れているの?私の頬にこっそり口づけした人が?」「起きていたのか?!」「あの時の借りを返してもらわなくては」采薇は潘樾の頬に口づけ、すると潘樾は采薇を引き寄せて唇を重ねた。「これで帳消しだ」その時、ちょうど着替えを持って阿澤(アーヅー)が入って来る。「うわ~公子、いくら楊姑姐と再会したとは言え…」「下がれ」「はい!」楊采薇はまだ濡れていた潘樾の身体を拭いた。すると腹部の傷跡を思い出し、何があったのか尋ねる。采薇はようやくこの傷の原因が自分の死だったと知り、かつて潘樾を疑っていた自分を恥じた。楊采薇は潘樾の手を取って屋敷を案内しながら道順を教えた。潘樾は采薇の様子から自分の目が治らないと覚悟したが、それでも采薇を手放せないという。「足枷になると分かっていてもそなたのそばにいたい、身勝手ですまぬ」「どのみち私があなたを離さない!だからあなたも私を離さないで!」卓瀾江は銀雨楼の地下牢に投獄され、2日間も飲まず食わずを通した。するとようやく車椅子に乗った男が現れ、人払いする。「3年ぶりだな…もう一生会うつもりはなかった だがますます実力をつけるお前に、もはや秘密を隠し通すことができなくなった」実は卓瀾江の父で銀雨楼(ギンウロウ)の楼主・卓山巨(ジュオシャンシュー)は生きていた。( ๑≧ꇴ≦)<知ってた〜@全視聴者…あの日、卓山巨は金水幇(キンスイホウ)の襲撃で全身に火傷を負いながらも一命を取り留めた『当時、私の手助けで都の高官になれたというのに、それがどうだ? 奴は金水幇を利用して私を消そうとした』『つまり金水幇の背後には都にいる例の方が?』すると卓山巨は養子である腹心・孫震(スンジェン)に鳥文を送るよう命じた卓山巨は黒幕の側近に面会した『兄弟…大哥はなぜ私を殺そうと?』『命に背く者に用はない、なぜ都に送る銀子が減ったのだ? 年初に命じた劉(リウ)将軍一家の暗殺も拒んだな』卓山巨は辺境の駐屯軍の暗殺など無理だと訴えたが、義兄弟は忠誠心が足らないからだと退けた『不忠の末路はすなわち死!』卓山巨は思わず車椅子を降りて平伏し、最後の機会が欲しいと懇願した『私が金水幇を一掃する!』『いい度胸だ、達成すれば禾陽(カヨウ)は今後もお前のものだ』…卓山巨たちは義兄弟の契りを交わした仲だった。しかし大兄は自分を兄弟ではなく、犬としか見ていないと知る。どちらにせよ卓山巨は黒幕の命を遂行するしかなくなった。そこで敵を油断させるため孫震に葬式を営ませ、都から息子を呼び戻したという。「さすが私の息子だ、金水幇を滅ぼし、父の期待に応えてくれた」卓瀾江は父が黒幕のために働く時、金水幇を隠れ蓑に自分を禾陽から遠ざけていたと気づいた。卓瀾江にとって真実はあまりに残酷だった。父と愛する人の死を嘆き、必死で黒幕を探し回っていたきたが、全て父親が仕組んでいたことだったとは。「…一緒に立ち向かう道もあったはずだ!なのに地位と権勢を守るため俺を騙すなんて! 黒幕を教えてくれ、一体、誰なんだ?!」「この世にはどうにもならぬことがある…踏み出したが最後、戻れぬ道がある」すると深く失望した卓瀾江は父を追い返した。「もう帰ってくれ、私の爹(ディエ)は天下一の英雄だった だが目の前にいるのは主に尾を振るただの番犬だ」何より自分の父が楊采薇の敵だという事実が卓瀾江を絶望させていた。一方、寝る間も惜しんで解毒法を探していた楊采薇は、野生の幻瞑虫では鍼を打つ経穴が違うと突き止めた。しかし沈厳の話では1度の鍼で成功しなければ失明するという。「何をためらう、やってくれ」潘樾は采薇を信じて全て任せた。潘樾が目を覚ますと楊采薇の姿があった。「どう?はっきり見える?」「最初に見えたのがそなたでよかった…」楊采薇は桟橋で見つけた布切れを眺めながら、何の図案の一部なのか首を傾げた。すると潘樾が図案ではなく文字かもしれないという。「阿江なら分かりそうなのに…ここ数日、音信不通なの」「水紋の組織との関与の調査が難航してるのやも」その時、采薇は洞窟で汚した裳裾のことを思い出した。凌児(リンアル)はまだ上官芷の衣装を洗濯していなかった。そこで裳裾を改めて確認してみると、布地が乾いて白い粉が付着している。白い粉は塩だった。「布切れを拾った時、裳裾が川で濡れて汚れたの」「あそこは塩の保管庫だったのか」恐らく塩を輸送する際に袋から塩が漏れ、川の塩分濃度が上がったのだろう。潘樾は洞窟で川魚が全滅していたことを思い出した。「塩の密輸だったのね」「阿澤、新鄭書院を捜索する」しかし一足遅く、すでに陳掌院は帳簿を持って逃げていた。潘樾と楊采薇が県署に戻ると白少笙が慌てて駆けつけた。少笙は潘樾の手前、場所を変えて話そうとしたが、采薇は潘樾に隠し事はできないという。どうやら潘樾も上官芷の正体を知ったらしい。「で話って?」「阿江が危ないわ」つづく( ̄▽ ̄;)上官芷が楊采薇だとあっさり受け入れる阿澤そして無駄にアップするパン君の腕…ってかこのカットいる?w
2025.04.13
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难寻 Hard To Find第22話「殺せない敵」息子に王座を譲る気がないと分かるや否や禁軍統領と墨(モー)太監を始末した鳳垠(フォンイン)。永照(エイショウ)王・鳳慶(フォンチン)はこのまま座して死にたくないと慌てて王宮を出たが、門衛には鳳垠の間者が潜んでいた。その夜、石榴(シーリウ)は母が失敗した灯籠のせいで灯籠祭りへ出かけなかった。昔旧(シージウ)はそんな石榴に同情し、きれいな灯籠を買いに行こうと誘う。するとちょうど仕事が終わった石罌(シーイン)が現れた。「どこへ行くの?」「昔旧叔叔にきれいな灯籠を買ってもらうの!娘親(ニャンチン)も一緒に行こう?」「お断りよ」「チッ!大人げないぞ?…来いっ」昔旧は負けん気の強い石罌の腕をつかみ、強引に引っ張って行った。石榴は気に入った灯籠を手に入れたが、疲れて昔旧の腕の中で眠っていた。「一体、いくつ灯籠を買うつもり?」「姑娘(グーニャン)の望みは全て叶えるものだっ(キリッ!」石罌は失笑したが、その時、ちょうど前から赫連曦(ホーリエンシー)と鳳鳶(フォンユエン)がやって来る。「2人も来ていたのね」「初めての灯籠祭りだからな、あ、赫連曦、お前の娘は物欲がすごいぞ?」昔旧の手には確かにいくつも灯籠が下がっている。そんな楽しそうな4人の様子を鳳垠が矢倉からながめていた。鳳鳶がふと振り返ると人混みの中に鳳慶の姿を見つけた。「陛下?…なぜ平民の格好で街に?」しかし鳳慶は護衛と一緒に横道へ消えてしまう。すると赫連曦が2人の尾行がいると気づいた。「昔旧、石罌と小石榴をすぐ医館へ送ってくれ、今夜は危険だ」…役者が揃ったようだ、ふっ…矢倉にいた鳳垠はほくそ笑み、刺客に1人も逃すなと命じた。裏道に入った鳳慶の前に刺客が現れた。護衛は永照王を守るため戦いを挑んだが、呆気なく殺されてしまう。しかし危ないところで赫連曦が現れ、刺客を始末した。すると遅れて鳳鳶が駆けつける。「陛下!」「姑姑、あなたの言うとおり彼が戻ってきました」「彼が戻った?」鳳鳶はともかく鳳慶を連れて医館に戻ることにしたが、その時、ついに鳳垠が現れた。「阿慶よ、まさか父親の敵とつるむとはな…」赫連曦はむしろ探す手間が省けたと挑発した。すると鳳垠が左肩から樹心を取り出し、剣を構える。「もはやお前に踏みにじられる私ではない!」赫連曦と鳳垠の剣が激しくぶつかり合った。しかし絶大な神力を手に入れたとは言え、鳳垠はまだ赫連曦には及ばない。赫連曦は一瞬の隙をついて鳳垠の腕を斬りつけたが、その時、なぜか鳳鳶が悲鳴をあげた。驚いたことに鳳鳶の腕にも鳳垠と全く同じ場所に傷ができている。「彼女に一体、何をした?!」激高した赫連曦は鳳垠の首に剣を突きつけたが、鳳垠にとっても意外な展開だった。…もしや私が傷つくと鳳鳶も?…「赫連曦、やってみろ、私を殺したいのだろう?なぜためらう?…ふふっ」鳳垠は自ら自分の腕を斬りつけてみた。やはり鳳鳶は鳳垠と全く同じ場所に傷を受け、その衝撃で悲鳴を上げる。「なぜ急に樹心の力を得たのかずっと不思議だった。 まさか血のつながった妹妹(メイメイ)のおかげだったとは~ぶっははははは! 私を殺せ!私が死ねば鳳鳶も死ぬ!クックククク~わははははは~!」「阿曦っ!彼を殺して!」鳳鳶は自分に構わず樹心を奪い返すよう訴えたが、そこへちょうど昔旧が駆けつけた。昔旧は鳳垠の姿に気づき、剣を抜いて飛び出した。しかし赫連曦に止められてしまう。「奴を殺せば阿鳶も死んでしまう!」意味が分からず困惑する昔旧、その時、鳳垠が背後から赫連曦を斬りつけた。「赫連曦、これでようやくお前を殺せる!」すると赫連曦は昔旧に鳳鳶たちを託し、鳳垠を足止めするため応戦した。昔旧は鳳鳶と鳳慶を連れて急ぎその場を離れることにした。しかし鳳鳶は自分で片をつけるべく鳳慶を突き飛ばし、前を歩いていた昔旧の剣を奪って走り出してしまう。「まずい!姑姑が!」鳳鳶は背後から鳳垠の背中に斬りかかった。同時に自分も背中に激痛が走り、赫連曦は慌てて鳳鳶の元へ駆け寄る。「愚か者!死にたいのか!」鳳垠はその場にひざまずき、鳳鳶の仕打ちに呆然とした。「彼には無理でも私は殺せるっ!死など怖くない!」すると鳳鳶は気を失ってしまう。赫連曦たちは鳳垠が動けない間に引き上げた。鳳垠はようやく立ち上がり、深手を負ったものの勝利を確信して独り高笑いする。「もう2度と誰も私を殺すことはできぬ…わっはははははは~!」石罌は鳳鳶を治療するため、背中の肌着をはさみで切った。すると目を覆いたくなるような深い傷があらわになる。「どうしてこんな…」「私が悪い」赫連曦は鳳鳶を抱きしめながら、再び鳳鳶に苦痛を与えてしまった自分を責めた。「表姐、薬がしみるかも…我慢してね」「平気よ」しかし鳳鳶は絶叫、痛みをこらえるため思わず赫連曦の首に噛みついてしまう。治療を終えた石罌は永照王を部屋に案内し、昔旧の居所に向かった。すると昔旧が寝付けず、門前に腰掛けて雪を眺めている。「表姐ならもう心配ないわ」「ありがとう」石罌は帰ろうとしたが、ふと思い立って昔旧の横に座った。「この3年の間、表姐に何があったの?」石罌は鳳鳶と赫連曦の壮絶な体験を知って深く同情した。すると昔旧から痛い所を突かれてしまう。「君は赫連曦のことが…」「出会った頃は何の感情もなかったのよ?」あれはまだ赤子を預かって間もない頃のことだった。…ある夜、急に雷鳴がとどろき、激しい雨になった石罌は嵐(ラン)さんに医館を閉めて娘を寝かせてもらおうと思ったが、そこに血まみれの男が現れる『あいつはどこだ?…鳳鳶だ、どこにいる?』『表姐?表姐に何の用?!』『表姐?…まさかその赤子は?』男は結局、黙って引き上げたが、それ以来、中庭に赤子への差し入れが置かれるようになったそんなある夜、石罌は中庭からこっそり赤子の様子をながめているあの時の男に気づく赫連曦は慌てて帰ろうとしたが、石罌が引き留めた『あなたが父親ね?』つづく∑(⊙∀⊙)ヒャーーー!図らずも樹心に兄妹の血がついたのはこのためだったのね!それにしても肩を噛むなら分かるけど、なぜあえて首なのかw
2025.04.11
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难寻 Hard To Find第21話「親子の距離」知子(チシ)医館では昔旧(シージウ)が鳳鳶(フォンユエン)の帰りを心配そうに待っていた。すると石罌(シーイン)が中庭まで食事を持って来てくれる。石罌は赫連曦(ホーリエンシー)なら必ず従姉を連れて戻るはずだと安心させたが、昔旧はやはり王宮へ行くと決めた。しかし阿笙(アーション)が危険だと引き止め、うっかり余計な話をしてしまう。「世子と鳳姑娘の大婚では雲衛も赫連曦に打ち負かされたんですよ? 世子だって…はっ!」「…表姐と大婚?!」石罌は鳳凰と朔雲(サクウン)世子の関係に困惑したが、その時、赫連曦が鳳鳶を連れて帰ってきた。昔旧たちは血まみれで戻った鳳鳶の姿に呆然となった。しかし赫連曦は鳳鳶なら無事だと安心させ、石罌に身体を拭くお湯を持って来て欲しいと頼む。「話は後で…」赫連曦は鳳鳶の手を引いて居所に向かおうとしたが、運悪く石榴(シーリウ)がやって来る。「姨姨(イーイー)、お帰りなさい!」鳳鳶は自分の姿を見られたと動揺したが、赫連曦がすかさず鳳鳶を引き寄せ抱きしめた。「大丈夫、小石榴には見えていない…昔旧、頼む」赫連曦は昔旧が石榴を引き止めている間に鳳鳶を抱き上げ、居所に戻った。↓「おじさん誰?」「昔旧叔叔って呼んでね」赫連曦は鳳鳶の手を湯で洗った。「阿鳶、君の手は絵を描いたり、衣を縫うためにある、2度と人を殺すために使うな」「ごめんなさい…あなたに相談したかったけれど、あなたがいなくて…」赫連曦は確かにかんざし探しに躍起になっていたと気づき、鳳鳶を独りにしたことを後悔した。「あの絵のかんざしのこと?」「実は天乩雲盤(テンケイウンバン)の中でほんの一場面だが未来を見た 神樹が再び芽吹いていた、だが神樹を焼こうとする女子の後ろ姿が… 鳳垠(フォンイン)が戻る前に、あのかんざしの女子を探し出す その女子が神樹を蘇らせる手がかりになるやも」鳳鳶は自分の計画が失敗に終わったと落胆した。すると赫連曦は鳳鳶の手を握りしめ、半分は成功したという。「雲暮(ユンムー)が現れたのなら鳳垠は永照にいる、いずれ王宮に戻るはずだ」赫連曦の予想通り、その夜、花娥(ホワオー)の前に鳳垠が現れた。鳳垠はついに神力を得たと明かし、息子から王座を奪うつもりだという。「あなたこそ永照で唯一無二の王です」花娥は鳳垠をお立てながら、心の中では冷ややかだった。…父と子どちらが王だろうと皇后になるのは私よ…翌日、昔旧は偶然、中庭で転びそうになった石罌を抱き留めた。「助けただけだ、叩かないでくれ」すると石罌はひじ鉄をくらわせ、行ってしまう。その時、物陰から石榴の笑い声が聞こえた。「小石榴?どうした?」「昔旧叔叔、聞きたいことがあるの…あなたが私の阿爹(アーディエ)?」昔旧は石榴が自分の父親を知らないと聞いて同情した。そこで赫連曦に聞いてみることにする。「あんな可愛い子を捨てて父親は無責任すぎる!父親が誰だか知っているのか?」「知っている…私だ」「あ~って、お前?!まさか石罌と?!」「誤解するな、私と鳳鳶の娘だ、この3年間、石罌が世話を…」「お前たち、子供がいたのか?!」鳳鳶は石罌の治療のおかげで元気になった。脈診を見守っていた昔旧は朔雲にいた頃に完治させられなかったと謝罪したが、石罌は朔雲の医者と違って自分は腕がいいと嫌味を言う。「″口が立つ″の間違いだろう?」「にっ!」出会って間もない2人の痴話喧嘩に鳳鳶は思わず失笑、よほど気が合うのだろう。すると気まずくなった石罌は薬を煎じてくると言って席を立った。しかし去り際に聞こえた昔旧の話に何とも言えない寂しさを覚える。「小石榴が君たちの娘だと聞いたよ…ようやく家族が一緒になれるんだな」鳳慶は今夜も政務に追われながら父の影に怯えていた。すると着飾った花娥が現れ、朗報を届けに来たという。花娥の案内で鳳慶はついに鳳垠と再会、父の使者とは気づかず、刺客だと誤解して雲暮を殺したと謝罪した。しかし鳳垠はたかが犬に過ぎないと鼻で笑い、3年前に死んだ身では王宮に長居できないと嘆く。「数日後の朝議で父君の存命を公表しましょう」「我が王座で3年間、よく頑張ってくれた」「私も成長しました、今後も重積を担う覚悟です」鳳垠はひとまず引き上げた。すると墨(モー)太監が駆けつけ、実は禁軍の統領が急死したと報告する。「動きが早すぎる…」焦った鳳慶は急いで王宮を出るよう命じ、鳳鳶への言づてを頼んだ。かんざしを調べていた琴桑(チンサン)が戻った。「例のかんざしはある芸妓が数十年前に注文したものでした、でも名までは…」「数十年前?だが幻で見た女子は若かった」…縁者が受け継いだのか?…「夢坊を調べてみます」すると琴桑と入れ違いで鳳鳶が戻ってきた。「どうした?そのうさぎの灯籠は小石榴に渡すはずでは?」「もう石罌が準備していたから、灯籠は2つもいらないでしょう?」そこで赫連曦は鳳鳶が精魂込めて作った灯籠を持って灯籠祭りへ行こうと誘った。一方、鳳慶は墨太監の帰りを今か今かと待っていた。すると激しく動揺した太監が駆けつけ、思わず転んでしまう。「陛下、大変です!墨公公(ゴンゴン)が…彼が…彼が死にました!」「何だと?!」…このまま宮中にいても姑姑や皇祖父と同じ目に遭う、死を待つのは嫌だ…つづく( ๑≧ꇴ≦)昔旧の見事な二度見w
2025.04.11
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难寻 Hard To Find第20話「おとり」翌朝、鳳鳶(フォンユエン)は赫連曦(ホーリエンシー)が深夜に独りで王宮に侵入したと聞いた。しかし、くまなく探しても鳳垠(フォンイン)の痕跡はなかったという。恐らく朝廷の者は鳳垠が3年前に本殿で死んだと思っているはず、鳳鳶は王宮に戻るとは限らないと言った。すると話に夢中になっている2人の元へ石榴(シーリウ)がやって来る。「姨姨(イーイー)、姨姨はとてもキレイね~いい匂いがする」「ありがとう、小石榴」鳳鳶は娘が懐いてくれたことが嬉しかったが、石榴は石罌(シーイン)の姿を見つけると走って行ってしまう。「にゃんち~ん(娘親)!」その時、石榴が勢い余って転んだ。石罌はかすり傷だと笑っていたが、うろたえた鳳鳶は薬を取ってくるという。「阿鳶、薬ならここに、それより着替えを」「はお」鳳鳶は赫連曦に言われて新しい衣を取りに行ったが、結局、戻らなかった。赫連曦は居所で刺繍をしている鳳鳶を見つけた。「なぜ部屋に戻ったんだ?小石榴の様子も聞こうとしないな」「大丈夫だと分かったから…本当は自分が場違いな気がしたの」あの時、鳳鳶は遠目から赫連曦と石罌が石榴の世話をする姿を見て疎外感を感じていた。赫連曦は生みの親が遠慮する必要はないと励まし、石榴も時が経てば自然と打ち解けるという。しかし鳳鳶は過去に決着をつけるまで、妻としても母としても自信を持てなかった。そこで赫連曦は鳳鳶にかんざしの絵を描いて欲しいと頼む。「神樹の復活に必要なんだ」「珍しい形のかんざしね、どんな関係が?」「手がかりをつかんだら話すよ…出かけてくる」赫連曦は天乩雲盤(テンケイウンバン)を開いた時、過去と同時に未来の一部を垣間見ていた。それは蘇った神樹の前に立ち、松明をかかげる女子の後ろ姿…。…女子は神樹を焼こうとしていた、このかんざしをたどれば神樹を復活に導けるはずだ…女子の唯一の手がかりは髪に挿していた琵琶(ビワ)のかんざしだった。一方、鳳鳶は鳳垠の消息がつかめず思い詰めていた。…待っていても鳳垠はいつ現れるか分からない、向こうから近づく策を考えなくては…そこで鳳鳶は密かに永照(エイショウ)王・鳳慶(フォンチン)を訪ねた。「陛下、お久しぶりです、大きくなられて…」鳳慶は叔母との再会を喜んだが、実は父が今も生きていると知った。「霖川(リンセン)の物を必ず取り戻さなくては…」「でも姑姑、どうやって?」「私を餌にして誘き寄せるのです」翌日、赫連曦は琴桑(チンサン)と手分けしてかんざしを探していた。実はちょうど同じ頃、昔旧(シージウ)と阿笙(アーション)が永照に到着、うっかり女子とぶつかってしまう。昔旧は女子がまき散らした書き付けを慌てて拾い始めたが、誤って女子の頬に触れた。すると激怒した女子に引っ叩かれてしまう。その時、騒ぎに気づいた赫連曦がやって来た。「昔旧?…石罌?」「表姐夫!」「赫連曦!…え?表姐夫?」「昔旧、彼女は鳳鳶の表妹だ、昔旧は阿鳶の…良き友だよ」赫連曦のおかげで誤解が解けた昔旧と石罌。しかし医館に戻ると鳳鳶の姿はなく、居所に書置きが残されていた。…宮中に急用があります、夜までには帰ります…その頃、永照王は姑姑の計画に従い、帰還した公主・鳳鳶を王宮に迎えた。…まさかまたこの部屋に戻ってくる日が来ようとは…当時のおぞましい記憶が鮮明に蘇る鳳鳶、すると鳳慶がやって来た。「姑姑、父親は現れないが、禁軍の中にすかさず外部に情報を漏らした者がいました」そこへ禁軍が怪しい男を連行した。「雲暮(ユンムー)?!」「公主、お久しぶりです…大殿下からの命です、公主と単独で話せと」「…陛下、この因縁は私ひとりで片をつけます」鳳鳶は条件をのみ、禁軍の佩剣を抜いてから2人きりになった雲暮は鳳垠がすでに樹心の力を得たと明かし、再び赫連曦を殺すと伝えた。「あの時、赫連曦を一太刀ずつ切りつけて何と痛快だったことか! ぶははははははははは~わははははははははは~!」雲暮に挑発された鳳鳶は激情に駆られ、絶叫しながら雲暮を斬りつけた。しかし雲暮は不敵な笑みを浮かべ、さらに鳳鳶をあおる。「痛快だった!あの時の赫連曦はもっと痛かったでしょうね!」「黙れっ!」鳳鳶は無我夢中で雲暮の腹を刺したが、雲暮が捨て身の覚悟で剣をつかんだせいで身動きが取れなくなってしまう。その時、赫連曦が駆けつけ、背後から雲暮の急所を突き刺した。鳳鳶は興奮状態だった。「阿鳶、大丈夫だ、私はこうして生きている、落ち着け、私はここにいる、奴は死んだ」赫連曦は鳳鳶を抱きしめ、剣を取り上げて床に捨てた。「忘れられない、あの時のあなたが受けた仕打ちを…忘れられないの!」「もういいんだ、家に帰ろう」すると赫連曦は鳳鳶を抱きかかえた。つづく( ߹꒳ ߹ )色々と切ないと思ったら2ndカップル誕生ですか?w
2025.04.09
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难寻 Hard To Find第19話「切ない再会」昔旧(シージウ)は鳳鳶(フォンユエン)が赫連曦(ホーリエンシー)と一緒に永照(エイショウ)へ帰ると聞いた。霖川(リンセン)の復活や過去の決着には鳳垠(フォンイン)を見つけ出すことが先決だという。昔旧は視力を失った父の手助けで同行できなかったが、朔雲(サクウン)にとっても鳳垠は仇敵、すぐ追いかけると約束した。一方、鳳垠は鳳鳶のお陰で開いた樹心を手に入れたものの昏迷していた。雲暮(ユンムー)は主を洞窟にかくまって様子を見ていたが、ついに鳳垠が開眼する。「7日7夜を経てついに私は樹心の力と融合した…」あれは3年前、鳳鳶が赫連曦を救うため連理の枝で心の臓を刺した時、危機を悟った樹心が霖川から駆けつけた。しかし鳳鳶は崖から転落、鳳垠がその樹心を受け取ってしまう。「赫連曦、これでお前と同じ力を得た…ファッファッファッファ~!」永照に到着する頃には日も暮れていた。鳳鳶は真っ先に知子(チシ)医館へ向かったが、ちょうど医者の石罌(シーイン)が幼い娘をあやしている姿が見える。「あの子が…大きくなったわね」赫連曦は医館に入ろうと言ったが、鳳鳶は拒んだ。「見ているだけでいいの…」すると赫連曦は自分が先に入るので後ろに隠れているよう提案した。赫連曦はなぜか石罌と顔見知りだった。「どうしたの?こんな時間に」「会いに来た…今日はもう1人いる」すると赤子を残して姿を消した鳳鳶が現れた。「表姐(ビァオジェ)?!帰って来たのね!」再会を喜ぶ鳳鳶と石罌、その時、赫連曦が駆け寄った娘を抱き上げた。実は娘に石榴(シーリウ)と名付けたのは赫連曦だという。赫連曦は自分に娘がいることを知っていた。感激もひとしおの鳳鳶だったが、石罌を母と慕う娘に生母と明かすこともできず、伯母と名乗るしかない。すると石罌は2人にここに住むよう勧めた。「私たちは家族よ?これからもここは表姐の家なんだから…」その夜、鳳鳶は赫連曦と中庭で月を眺めながら昔を思い出した。「霖川に嫁ぐ前、よく医館に泊まってここから月を見ていたわ まさか自分の娘が医館で育てられることになるなんてね…」「小石榴のことを教えてくれないか?霖川を離れた時に懐妊に気づいていたのか?」「…王宮についてから知ったの、身ごもって三月だと」何もかも突然だった。鳳垠は鳳鳶を軟禁し、赫連曦を永照におびき寄せようと企んでいたという。赫連曦を巻き込まぬよう静観していたが、永照王・鳳慶(フォンチン)との再会を機に琴桑(チンサン)への連絡を頼んで逃げるつもりだった。「でも私の計画は頓挫したわ、あなたが来たからよ、その日に私は早産してしまったの」「小石榴を産んですぐに私を助けに来たのか?…それなのに私は君を恨んでしまった」赫連曦は自責の念に駆られたが、鳳鳶は赫連曦の手を握りしめてなだめた。「でも私たち家族3人みんな生きている」「そうだな…」「あなたは?なぜここに小石榴がいると知ったの?」「実は私が初めて君に会ったのは霖川ではない、それは…」しかしそこへ石罌が現れ、話は途中で終わってしまう。「表姐、部屋の準備ができたわ、食事を持ってくるわね」鳳鳶は記憶取り戻したものの、まだ赫連曦と床を共にする気持ちになれなかった。「もう1部屋、用意してもらう?」「君はまだ私に負い目があるのか?阿鳶、今はまだ何も解決していないが、私たちは夫婦だ 昔も今も君を愛している、愛し合っているならもう逃げるのはやめよう、いいね?」「はお」そうは言ったものの、鳳鳶は赫連曦に触れられると思わず身体がすくんだ。赫連曦はそんな鳳鳶の気持ちを察し、長椅子で寝ることにする。「阿曦、ごめんなさい、色々と混乱して…」「分かっている、案ずるな、霖川の南枝苑(ナンシエン)は蘇る」すると赫連曦は床入りの儀の夜と同じように別々で寝てくれた。一方、王宮では今夜も遅くまで鳳慶が政務に励んでいた。そこへ花娥(ホワオー)が永照王の新しい衣を届けにやってくる。「ここはお前が入れる場所ではない…出ていけ! お前を殺さぬのは幼少期に世話になったからで好んではおらぬ 余の衣が汚れた、捨てて来い!」花娥は腸が煮えくり返る思いだったが、笑顔で衣を引き取った。つづく( ๑≧ꇴ≦)いつの間にかペアルック
2025.04.08
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花间令 In Blossom第20話潘樾(パンユエ)と長楽郡主・劉菁(リウチン)の縁談は偽装だった。あれは郡主の婿選びの絵の会で潘樾が勝者に選ばれた時のこと@1話。郡主は潘樾を気に入ったが、潘樾は父を脅して許嫁の居場所をつかむために参加したと明かし、許嫁以外を娶るつもりはないと辞退していた。しかし潘樾が楊采薇(ヤンツァイウェイ)を自害に追い込んだ罪で投獄されると、郡主が釈放してくれたという。『私が想い人だと訴えれば陛下は必ず無実を明かす機会を与えてくださる あなたは逆賊を早急に突き止めて』潘樾は郡主が奸臣を暴くため、己の名誉まで犠牲にしたと教えた。これで楊采薇の機嫌も直ると期待したが、かえって事態を悪化させてしまう。…なぜ急に誤解を解こうとしたの?やはり上官芷(シャングワンジー)に惚れたからなのね…楊采薇の機嫌を損ねたまま馬車は南郡の沈鎮(シンチン)に到着、潘樾と楊采薇は沈慈(シェンツー)の生家を訪ねた。沈宅はすでに廃家だったが、偶然、通りかかった大娘(ダーニャン)から重大な証言を得る。実はその大娘は産婆で、沈家の子供が双子だったと知っていた。「兄が沈慈(シェンツー)で弟が沈厳(シェンイエン)という名だよ」弟の沈厳は生まれつき目が見えなかった。人付き合いを嫌い、珍しい虫を呼ぶ力があったことから不気味がられ、両親にも煙たがられていたという。そのため独りで柴置き小屋に住んでいたが、ある時、弟のせいで沈宅に悲劇が起こった。沈厳が育てていた毒虫があやまって両親を死に至らしめてしまったという。沈慈はこの事故に深く心を痛め、2度と戻らないと言い残し、学業のため禾陽(カヨウ)へ向かった。するといつの間にか弟も姿を消してしまったという。潘樾と楊采薇は鬼火事案で投獄されたのが沈慈の弟・沈厳だと確信した。県署へ戻った2人は早速、沈厳に面会したが、当の本人は正体が発覚することも想定内だったのだろう。沈厳は動揺する様子はなく、まだ真相の入り口に過ぎないと言った。「全てを解き明かせたら条件付きで水紋の秘密を教えよう」その条件とは昏迷している陳賦(チェンフー)を殺すことだった。地下牢をあとにした潘樾は上官芷を夕餉に誘った。しかし楊采薇は逃げるように自分の居所へ戻ってしまう。せっかく準備した采薇の好物を持て余す潘樾。「女心はさっぱり分からぬ(ボソッ」すると阿澤(アーヅー)が最近の様子を見るに上官芷は公子を嫌っていると口を滑らせてしまう。「私が嫌い?まさかっ!私に嫁いだんだぞ?」しかし思えば婚儀に現れたのは上官芷の意思で本当の楊采薇ではない。上官芷になって再会した時も采薇は当初、自分を疑っていた。恐らく白小笙(バイシャオション)と卓瀾江(ジュオランジアン)には正体を明かしているだろう。ピキッ!Σ(꒪꒫꒪ )…まさか本当に嫌われているのか?一方、ひと足先に禾陽に戻った卓瀾江は孫震(スンジェン)の屋敷を捜索していた。すると腹心の阿福(アフウ)が化粧箱に入っていた玉蟾蜍(ギョクセンジョ)という貴重な薬材を発見する。「肉体を再生させる力があるとか…」そこで卓瀾江は鬼市に詳しい白少笙を呼び出した。伝言を聞いた少笙はすっかり舞い上がり、珍しくめかし込んで約束の川辺へ出かけてしまう。「(ぉ、見惚れてるわ…)」「ふふ、飾り提灯みたいな格好だなw」「(ゲッ!期待して損したっ)で、何の用?」卓瀾江は鬼市で玉蟾蜍を買う客が誰かを突き止めたいと頼んだ。目的は明かせないが、少笙にも利はあると安心させる。「私はカネのことしか考えていないと思ってるの?」「分かってるさ、お前の心には銀子の他に俺がいる」卓瀾江はからかったつもりだったが、少笙の表情で図星だったと知り、気まずい空気が流れた。「…ともかく頼んだぞ」「うん、分かった」呪術の書物を片っ端から調べていた楊采薇はついに沈厳が操る毒虫を見つけた。…幻瞑虫(ゲンメイチュウ)の起源は南境にあり、元は死体の寄生虫だったが、呪術師に飼われ、人を噛む虫になる、傷口から人の血液に寄生すると宿主は意識が朦朧として視力を失う、虫は光を好むゆえ宿主も光を追うようになる…するとこの毒虫は雪蓮花の水で融化することが分かった。新鄭(シンテイ)書院に再び潘樾と上官芷がやって来た。すると書生たちは陳賦の治療に来たという上官芷になぜか敵意の目を向ける。楊采薇は陳賦の頭にある6つの経穴に鍼を刺し、温めた雪蓮花の水を目の周りに塗って虫を取り除いた。「半時後、もう一度、鍼を施せば目覚めます 大人、時間があるのでちょっと外を歩いて来ます」「分かった」…やはり私といたくないからか?…潘樾は深く傷ついたが、ここまで嫌われているのなら采薇の意思を尊重し、手放そうと決めた。一方、中庭を散策していた楊采薇は突然、書生に襲われた。ふと目を覚ますと物置小屋に閉じ込められていたが、そこに見覚えのある書生が現れる。その書生は18話で″沈慈″と聞いた途端に逃げ去った楊万名(ヤンワンミン)だった。楊万名は上官芷にある冊子を渡し、鬼火事案の本当の闇を明かした。実は掌院の息子である陳賦と周歌(ジョウゴー)・柳史(リウシー)は学院の暴君だったという。3人は地方出身の苦学生たちをいたぶってはその様子を冊子に書き留め、書生たちに回し読みさせていた。楊采薇はなぜ告発しなかったのかと憤ったが、掌院に逆らえば前途を台無しにするも同然、苦学生たちは口をつぐむしかなかったという。「あなたが陳賦を救えばまた奴の暴挙が始まる、上官小姐、ご内密にお願いします」その時、采薇は沈厳の言葉を思い出した。…なぜ私が虫を好きだと?虫は常に群れで行動し仲間を見捨てない、なのに人は己のことばかり…楊采薇は遅れて陳賦の居所に戻った。しかし暴君を救うべきなのか迷い、鍼を持つ手が震えてしまう。潘樾はそんな上官芷の様子に気づき、そっと手を添えて後押しした。すると采薇は冷静さを取り戻して最後の鍼を打ち、陳賦がついに目を覚ます。陳賦は沈慈が飼っていた虫にかまれて目が見えなくなったと証言、掌院は潘樾に正義の裁きを求めた。潘樾は県署に戻ってから陳賦たちによる壮絶ないじめを知った。そこで鬼火事案を公開判決にすると告示する。当日は多くの民が裁判の行方を見守ったが、そこに書生たちの姿はなかった。結局、沈慈は反論せず、毒虫で書生2人を殺害したと罪を認める。その時、上官芷が公堂に現れ、陳賦を告発した。「陳公子、あなたは仲間2人と共謀して沈慈を死に追いやったでしょう? 証拠ならあります、公子、この冊子に見覚えが?」…9月3日、羊が大胆にも密告を図った、木の枝で叩きながら裏山まで追いやり、羊は幽霊の餌食になった…当初、陳賦は肝試しで裏山に行ったと証言していた。しかし実際は密告した沈慈に制裁を与える目的で裏山まで追いやり、偶然にも幽霊の仕掛けに迷い込んでしまったのだろう。恐らく沈慈も楊采薇がそうだったようにつたに捕まり、そのままひきずられて木に吊り下げられたのだ。焦った陳賦は冊子の内容があくまで創作で事実ではないとしらばくれた。しかし楊采薇は証人がいるという。その時、無関係を決め込んでいたはずの書生たちが現れた。「陳賦は沈慈を虐げ続け、陳掌院は指導を怠った!それこそ悲劇の元凶だ!」書生たちの勇気の告発で書院で常習化していたいじめ問題が暴かれた。そこで潘樾は裏山で発見した遺体を公堂まで運ばせ、検視結果で身元が沈慈であると公表する。「でたらめだ!遺体が沈慈なら、こいつは誰なんだ?!」陳賦が思わず声を荒らげると、沈厳は自ら沈慈の双子の弟だと明かした。「生来、虫を友とし、実の親にも煙たがられた 私に人のぬくもりを与えてくれたのは哥哥だけだった」…僕たちは双子、何でも分け合おう、誰がどう思おうと僕はお前がいて幸せだ…沈厳は禾陽へ向かった兄を追いかけ、裏山に隠れていた。そんなある日、虫も殺せない善良な兄が裏山で陳賦たちに虐げられていると知る。沈厳は陳賦たちが幽霊に怯えて逃げ帰ってから兄を探したが、やがて首を吊った兄の遺体を見つけた。「私は亡骸を埋葬したあと、哥哥になりすまして書院へ戻った 誰も別人だとは気づかなかったよ、そして哥哥の仇討ちを実行した」沈厳は毒虫が光を好む習性を利用、蛍を操って目が見えなくなった3人を崖まで誘導し、転落させていた。鬼火事案は解決、潘樾は元凶となった陳賦に流刑を命じ、直ちに入獄させた。しかし情状酌量の余地があっても法は厳正、沈厳は秋に死刑が決まる。沈厳は死刑囚の牢へ戻ったが、その時、明かり窓から書生たちの音読が聞こえて来た。「良弓は張り難し、然れども以て高きに及び深きに入るべし! 良馬は乗り難し、然れども以て重きを任せ遠きを致すべし! 良才は令し難し、然れども以て君を致し尊きを見すべし!」書生たちの様子を潘樾と楊采薇が見ていた。「よく書生を説得して連れて来ることができたな?」「大したことはしていません、子供たちに書を音読させただけです」…志士仁人は生を求めて以て仁を害することなし…実は証言を拒んでいた書生たちは子供たちの音読で学問が真の正義を学ぶことだと思い出し、立ち上がったのだった。「人は決して偉大ではありません、時に虫よりちっぽけです 己の利益のためにもろくなったり、揺らぐ時も間違う時もある だからこそ正義のために奮い立たせる勇気が大事では?」潘樾は上官芷の言葉に深く感銘を受けた。…そなたを自由にしようと思っていたが、やはり絶対に手放せぬ…そこへ慌てて阿澤が駆けつけた。「沈厳の供述を基に見つけた沈慈の日記です、子供が音読を… 水紋の図案を手に描かせ覚えたとか」すると日記を確認した潘樾は見覚えのある名前を見つけた。「繆荘(ミャオジュアン)?」「死んだもう一人の書生だわ」つづく※孔子「志士仁人は生を求めて以て仁を害することなし」志士や仁者は生きるために仁に背くようなことはしない、たとえ生を捨てても人道を全うするものである※墨子「良弓は張り難し、然れども以て高きに及び深きに入るべし、良馬は乗り難し、然れども以て重きを任せ遠きを致すべし、良才は令し難し、然れども以て君を致し尊きを見すべし」強弓は引き絞るのが難しいが、高い所まで届いて深く突き刺さる駿馬は乗りこなすのが難しいが、重い荷物を載せて遠くまで行ける優れた人は使いこなすのが難しいが、その才能で君主を導き、栄光をもたらす
2025.04.07
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花间令 In Blossom第19話潘樾(パンユエ)と楊采薇(ヤンツァイウェイ)が新鄭(シンテイ)書院の裏山で発見した遺体は沈慈(シェンツー)だった。ならば牢獄にいる″鬼火事案″の犯人・沈慈は一体、誰なのか。楊采薇は囚人に面会、捜査に協力するよう説得した。「あなたは沈慈じゃないわね?…潘大人は信用できる、あなたが無実なら公正な裁きを下すわ」しかし謎の囚人は頑なだった。潘樾は囚人の正体を探るため沈慈の故郷を訪ねることにした。…2人きりになれる絶好の機会だ…しかし潘樾の期待に反し、上官芷(シャングワンジー)は南郡へ聞き取り調査に行くと聞いても興味を示さない。「では潘大人は聞き込み、私は呪術の解読で、嫌なら交換しますか?」「なぜ私が解読を?!人を使えばいい」「まさか2人で聞き込みに行くとでも?…私が目障りなくせに(ボソッ」「っ…南部の民よりはマシだ、じゃあ決まりだ!」潘樾は半ば強制的に上官芷を同行させてしまう。潘樾は腹心の阿澤(アーヅー)に改めて県署の役人たちを調べさせていた。しかし怪しい人物は見つからず、間者は特定できない。「この間者はかなりやり手のようだ」そこで潘樾は調査ではなく上官芷と″小旅行″に出かけると嘘をつく。捕吏たちは2人が遇仙(グウセン)湖に宿を取ったと聞きつけるや、わずか数日で上官芷を連れ戻した県令は卓瀾江(ジュオランジアン)より一枚上手だと笑った。↓だーれん、新調?w潘樾は馬車の中に上官芷の好物の菓子や酒を持ち込んだ。道中、采薇が呪術の書を熱心に読んでいれば、重い竹簡を支えてやる。采薇は自分を県署から追い出した潘樾の変わりように困惑していたが、その時、面白いまじないを見つけた。「″相手の髪を杯の底に巻きつけ、梅酒を注いで一気に飲み干す… 17回その名を唱えれば相手が現れる″?」すると潘樾は本当に使える術なのか試そうと言い出し、自分の髪を切って杯に巻きつけ、梅酒を注いで差し出した。「本気ですか?…まあ確かに呼び出してこき使えるのは悪くないかも(グビッ!」「この先、私が必要な時は私の名を唱えよ」「ホホホホホ…ホホホ…(⌒-⌒; )ウゼー」その頃、黒幕の男は孫震(スンジェン)から潘樾が小旅行に出かけたと聞いていた。しかし密偵によれば遇仙湖へは行っていないという。「鬼火事案を調査中なら沈慈にゆかりのある場所のはず…詳しい行方を突き止めよ …孫震、人手が要る、こたびで後顧の憂いを断つのだ」黒幕は鬼火の秘密を知られたら自分たちが悲惨な最期を迎えることになると警告する。「楊済安(ヤンジーアン)を消した時のように何の痕跡も残さずやれ」すると黒幕が激しく咳き込み、側仕えは急いで薬を飲ませた。今夜の宿に到着した潘樾と楊采薇。町はちょうど返朴(ヘンボク)節の祭りで賑わっていた。すると采薇は″吹き飴″の屋台に気づき、足を止める。潘樾は采薇が子供の頃のことを思い出したのだと分かり、飴を買うことにした。…あの時はうまく吹けず、悔しがっていたな…しかし今回は2人で上手に飴を膨らませることができた。客桟に入った潘樾と楊采薇は夕餉を共にした。潘樾は上官芷のために料理を取ってやったが、采薇はかえって恐縮してしまう。そこへ卓瀾江が現れた。「酷いな~私抜きで南部へ出かけるとは」邪魔者が現れ面白くない潘樾、すると卓瀾江は満室なので潘樾に同室を頼んだ。潘樾は部屋に入るなり卓瀾江に剣を突きつけた。実は宿に入る時、外に潜んでいる銀雨楼(ギンウロウ)に気づいていたという。「何が目的だ?」「では話そう、剣をしまってくれ」孫震を見張らせていた卓瀾江はここに刺客が来ると教えた。すると潘樾は卓瀾江が水紋の件で何か隠していると疑う。「灯会の晩、そなたは刺客の暗器を目にして急いで帰ったな、黒幕に気づいたのでは?」「…潘樾、互いに全て打ち明ける必要はない、私は奴らの仲間ではないからこそ助太刀に来た」その頃、孫震は町外れの林で連絡を待っていた。すると配下が駆けつけ、少主が宿で潘樾と一緒にいると報告する。「どうやら勘づかれたようだ」「それでもやりますか?」激しい雨の中、客桟に商人たちがやって来た。店主は満室だと断ったが、商人は馬小屋でも構わないので雨宿りしたいと銀子を渡す。一方、潘樾と卓瀾江は刺客を警戒しながら共に酒を飲んでいた。「卓少主は学業のため上京しながら志半ばで銀雨楼の長に?」「親父は殺し稼業を継がせたがっていたが俺は背いた だが親父の死後に銀雨楼は衰退、俺が一肌脱いだのさ 潘大人でも同じことをするだろう?」「私からすれば卓少主は幸運だ 父親が私に託した願いはこの世に生まれて来ないことだった そして私の仕返しは父親の願いを阻むこと だが卓少主ほどの豪快で自由な男がなぜ都の上官小姐を追いかける?」「潘大人こそ、上官小姐を毛嫌いしていたのに、なぜ態度を急変させた?」「どうやら我々は気づいたようだ…上官芷の知られざる真実を」しかし2人は互いに牽制、卓瀾江は決定的な一言を避けた。「同じ女を慕う者同士、よき友になれるかも」「そうだな」その時、馬の蹄の音が聞こえて来た。客桟に仮面で顔を隠した盗賊が乗り込んできた。卓瀾江は潘樾に上官芷を連れて逃げるよう伝え、独りで階下へ向かう。しかし盗賊は少主を潘樾から引き離すおとり。実は馬小屋で雨宿りしている商人こそ潘樾たちを狙う刺客だった。潘樾は上官芷を連れて脱出しようとしたが、別の刺客が現れた。そこで上官芷だけ先に逃して敵に応戦、食い止める。一方、楊采薇は馬小屋近くで見つけた大きな箱の中に隠れ、息を潜めた。しかし刺客にばれたのか、ゆっくりながら確実に足音が近づいてくる。采薇はまじないのことを思い出し、藁をもつかむ思いで潘樾の名を17回、唱えた。「潘樾…潘樾…潘樾…」その時、突然、ふたが開き、采薇は覚悟を決めて目を閉じる。「怪我はないか?」ふたを開けたのは刺客を始末してくれた潘樾だった。…本当に現れたわ…卓瀾江は待機していた配下と阿澤(アーヅー)の加勢で盗賊たちを撃退。ついに孫震は仮面を剥がされ、正体を暴かれてしまう。「黒幕は誰だ?!」「少主、知らぬ方がよいこともあるのです」すると孫震は一瞬の隙をついて逃げてしまう。潘樾と楊采薇が宿に戻ると、すでに騒ぎはおさまっていた。阿澤の話では刺客は銀雨楼の弟子で、孫震が率いていたという。翌朝、孫震を見失った卓瀾江は急ぎ禾陽(カヨウ)に戻ると決めた。潘樾たちは南部への旅に戻ったが、昨夜、雨に濡れた上官芷が熱を出してしまう。そこで通りかかった荒れ寺でひとまず上官芷を休ませることにした。翌朝、楊采薇が目を覚ますと、そばでうたた寝している潘樾に気づいた。…まさかこの人、一晩中、看病してくれたの?…その時、ふいに潘樾の頭が揺れ、楊采薇は慌てて寝たふりをした。潘樾はうっかり寝ていたことに気づいて上官芷の様子を見ると、思わず頬に口づけしてしまう。潘樾が阿澤から薬ができたと聞いて外へ出ると、楊采薇は目を開けた。…嘘?!今、頬に口づけした?!でもどうして?!まさか…そこへ潘樾が薬湯を持って戻って来た。「目が覚めたか?」楊采薇が水甕で手を洗って戻ると、御堂の中から潘樾と阿澤の話が聞こえて来た。「公子がこれほど女子に気遣うお姿を初めて見ます まさか上官小姐に惚れたのでは?」「惚れて悪いか?」楊采薇は潘樾が自分を同行させたがった理由を知り、思わず顔をほころばせた。しかし潘樾が惚れたのは上官芷の外見を持った自分。…私が死んでひと月もしないうちに潘樾は郡主と婚約した、なのに今度は上官芷に惚れたってこと?潘樾にとって愛情はたわいない石ころ同然なのね…潘樾は上官芷が急によそよそしくなったことに気づいた。馬車の中で何かと世話を焼こうとするが、その度に″どうかお構いなく″と断られてしまう。「上官芷、私に不満が?」「まさか〜郡主の婿殿に不満なんて…ブツブツ」潘樾は楊采薇が誤解したままだと気づき、思い切って真実を明かすことにした。「…実は郡主との婚約は偽りだ」つづく( ˙꒳˙ )半分はどうでもいい内容だったりするw
2025.04.05
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难寻 Hard To Find第18話「和解」昔旧(シージウ)は涼蟾(リャンチャン)の様子がおかしいことに気づき、部屋の戸を叩いた。「入って」すると涼蟾は悲しそうに空の化粧箱を見つめている。「…この箱に″連理の枝″を入れていたの、赫連曦からもらった枝よ 彼は霖川(リンセン)を蘇らせるため3年も探し続けてきた…だけどもうないの」涼蟾の涙を見た昔旧はついに全てを思い出したのだと分かった。「涼蟾はもういないのだな」一方、赫連曦(ホーリエンシー)は朔雲(サクウン)の大君を訪ねていた。大君はすでに天乩雲盤(テンケイウンバン)を開いていたが、両目を覆った眼帯には生々しい血がついている。「大君、その目は?」「座ってくれ、2人の血を介して過去と未来を見ればそなたの疑問が解けるだろう …会いたい者を一心に思い浮かべよ」すると天乩雲盤が激しく回転、鳳鳶の血と赫連曦の血をたどって過去を蘇らせた。…鳳鳶は国境近くの洞窟に赫連曦をかくまい、悲しみに暮れていた『ごめんなさい、鳳垠(フォンイン)の元から離れるにはこうするしかなかったの でも大丈夫、私が必ず霖川に帰してあげる』鳳鳶は左肩から連理の枝を取り出そうとしたが、その時、物音に気づいた鳳垠の捜索隊が鳳鳶たちを探していた鳳鳶は赫連曦を洞窟に残し、兵士たちをかく乱させるため馬を逃して逆方向へ走るしかしやがて行き止まりとなり、慌てて引き返そうとするも鳳垠に追いつかれてしまう『赫連曦の骸を渡すなら兄妹のよしみで命だけは助けよう』『鍵は渡したわ!親子3人で死なせてよ!』『やれやれ鳳鳶、鍵の柄を変えれば霖川は安全だとでも思ったか? ふん、今頃は永照軍が霖川に入っている』実は鳳垠は烏韭(ウージウ)将軍が霖川に出入りできたと聞いて不思議に思い、墓を暴いて棺を掘り起こしていた『棺の中に小さな枝が入っていた、誰が見ても特別な物だと分かる』…だから霖川に踏み込まれたのか…すると鳳垠は勝ち誇ったように間もなく自分が永照王になると断言した『これ以上あがくのはやめろ、もう逃げ道はない』…このまま死ねない、阿曦が待っている…兵士に包囲された鳳鳶はじりじりと後退りしながら左胸に手を当てた『あれは何だ?!』鳳垠が驚いていると、鳳鳶は連理の枝で心の臓を突き刺し、崖から身を投げた…鳳鳶!やめろっ!…赫連曦は思わず飛び出し鳳鳶を救おうとしたが、幻をつかめるはずもなかった。南枝苑では鳳鳶が昔旧に全てを明かしていた。「そんな過去があったのか…」「連理の枝がなければ霖川は蘇らない、皆も戻って来られないの」「でも赫連曦を救った」「いいえ、この罪は永遠に償えない」その話を無我夢中で南枝苑に戻った赫連曦が聞いていた。話が一段落したところで昔旧は茶を入れて来ると言って席を立った。すると回廊に赫連曦がいると気づき、黙って帰ることにする。…君が死を免れたのは心の臓に枝が残っているからだ命懸けで私を助け、こうして再び会えた、もう2度と君に同じ痛みを味わわせぬ…鳳鳶がふと気配に気づいて振り返ると、いつの間にか赫連曦の姿があった。すると赫連曦は目に涙を浮かべ、鳳鳶の元へやって来る。「どうしたの?」赫連曦は思わず鳳鳶の腕をつかんで抱き寄せた。そして鳳鳶の袖をまくり、左腕にある傷痕をまじまじと見つめる。「鍵に針を刺した時、痛かっただろう?短剣で削った時、酷く傷んだはずだ」鳳鳶は赫連曦も全てを知ったと分かった。「ごめんなさい、ごめんなさい、連理の枝はもうないの…ごめんなさい」「何も言うな」赫連曦はようやく鳳鳶へのわだかまりを解き、号泣する愛しい妻を抱きしめた。一方、屋敷へ戻った昔旧は父の目が傷つき、視力を失ったと知った。実はこれが天乩雲盤を使った代償だという。昔旧は何も知らずに父を責めた自分を恥じ、涙ながらに謝罪した。「朔雲族の将来を占う天乩術は禁術だと教えたな? 代償を伴うのは呪術に頼らず政に励むよう君主に警告するためだ 息子よ、忘れるでない」「心に刻みます!」すると昔旧は父の手を強く握りしめた。翌朝、久しぶりに夫婦水入らずで囲む食卓。しかし鳳鳶の心は晴れなかった。「連理の枝がないのに霖川族はどうなるの?」「樹心も2つあるとは知らず、連理の枝に望みを託していた 2つの樹心を同時に開けば神樹が蘇るやも…試してみよう」すると風鳶は樹心を持っていた仮面の男が鳳垠だったと思い出した。赫連曦は仮面の男の正体を知り、自分の殺した永照王が影武者だったと気づく。実は鳳鳶が昏睡中にすでに落雲(ラクウン)崖付近を探したが、樹心は見つからなかった。鳳鳶は王位を狙う鳳垠が永照に潜伏していると考え、急いで追いかけようと言った。しかし永照は鳳鳶にとって悲しい思い出の地、赫連曦は自分に任せて朔雲に残るよう説得する。すると鳳鳶は少夫人として霖川の過去にも未来にも責任があると訴えた。「阿曦…この3年間、あなたは独りで闘ってきた 妻としてこれからはあなたに寄り添いたいの、いいでしょう?」「分かった」鳳鳶は出発前に南枝苑の景色を目に焼き付けておくことにした。「急に離れることになって何だか寂しい… 霖川を離れた時のように出て行ったが最後、戻れない気がする」「次に雪が降る頃、また一緒に来よう」「そうね」すると2人は昔旧に別れの挨拶へ向かった。 つづく( ๑≧ꇴ≦)果たして2人はまた雪を見られるのか?!いよいよ最終シーズン!←いや違うけどw
2025.04.03
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难寻 Hard To Find第17話「大君の決意」樹心の力に触れたことで全ての記憶を取り戻した鳳鳶(フォンユエン)。思わず愛しい赫連曦(ホーリエンシー)の胸に飛び込んだが、赫連曦は突然のことに戸惑った。「さっき…私を何と呼んだ?」鳳鳶はふと我に返り、今は涼蟾(リャンチャン)だったと気づいた。「赫連曦、今も傷は痛む?何度も刺されて…ゥッ…」まさか3年前の拷問の件だと思わず、赫連曦は9話で刺した傷なら大丈夫だと答えた。その時、涼蟾が目覚めないと知って心配になった昔旧(シージウ)が駆けつける。「涼蟾!目覚めたんだな!」「昔旧…ちょうど尋ねたいことがあったの、赫連曦、先に戻っていて」しかし赫連曦は鳳鳶が素足のままだと気づき、咄嗟に抱き上げてしまう。「話しなら部屋でするといい」鳳鳶は昔旧に自分を発見した時のことを尋ねた。「3年前は私を助けてくれてありがとう、その時、心の臓に何か刺さっていなかった?」「いいや、利器による傷ではなかったが…私も原因が気になっていた」…連理の枝はあの時に消えてしまったの?もし本当に失くなったとしたら神樹は蘇らない…「涼蟾、これまでとはどこか雰囲気が違って見える」「目が覚めたら世界が一変していたわ」赫連曦は高楼の涼亭で胸の傷を手当てしていた。すると昔旧が現れ、赫連曦を誤解していたと謝罪する。「この先、私の力が必要な時は命懸けで助ける」昔旧は鳳鳶だけでなく朔雲族の人質まで救ってくれた赫連曦に深く感謝していた。「両族が通婚をやめた理由は?」「生食を好む霖川(リンセン)族とそれを気味悪く感じる者との間で衝突が絶えなかった 朔雲で殺人が起きるたび霖川族が疑われ、それで祖先は通婚をやめたのだ」「浅はかで偏見に満ちた者が悪意を抱く、私もその1人だったようだ」赫連曦は解放された人質の1人が重体だと聞いて助けることにした。そこで樹心の力を使って傷口を癒してみたが失敗してしまう。…蘇生力はなかったか、ならば私を蘇らせたのは連理の枝だとすればなぜ阿鳶はまだ生きている?…結局、霖川の血を引く男はそのまま息を引き取った。赫連曦は用があると断って帰って行った。感謝して見送る昔旧、すると阿笙(アーション)が思わず口を滑らせてしまう。「霖川少主なのに命懸けで助けてくれるとは、あの時、大君が援軍を出していたら…はっ!」「援軍?何の話だ?!」一方、大君も霖川少主が己の胸を刺してまで朔雲の人質を救ってくれたと聞いた。すると昔旧が血相を変えてやって来る。「永照が霖川に攻め込まれた時、霖川を助けなかったのはなぜですか?! 恩を忘れ、死を恐れたのでは?!」「ふぁんすー(放肆)!」大君は激高、思わず剣を抜いて息子に突きつけた。争いを避けたのは朔雲のため、霖川の滅亡も朔雲族の責任ではないという。しかし昔旧は窮地に陥った霖川を見殺しにした上、赫連曦に天乩雲盤(テンケイウンバン)を貸そうともしない父を非難した。「お前に何が分かる!…赫連曦を呼べ」その時、実はすでに書卓の上に天乩雲盤があった。その夜、鳳鳶は独りで満月を見上げていた。鳳鳶を探していた赫連曦はようやく泉のほとりに座っている鳳鳶を見つけ、隣に腰掛ける。「琴桑(チンサン)に聞いたわ、この3年間、どこにいようとあなたは高い場所を好んだと… 独りでいる時、何を考えていたの?霖川のことでしょう?」鳳鳶はあふれる涙をこっそり拭ったが、赫連曦は鳳鳶の様子がおかしいことに気づいていた。…連理の枝で私を救おうと奔走してくれた君を私は深く傷つけてしまった…「そうだ、霖川のことと君のことだ」「赫連曦、幻の神樹に連れて行ってくれない?」鳳鳶は枯れた神樹に手を伸ばし、自責の念に駆られた。…全て私のせいなのね…かつて鳳鳶は神樹に登ってうたた寝したことがあった。すると侍女たちが大きな帳を持って駆けつけ、危ないので飛び降りろという。『大丈夫よ!自分で登ったの!』『少夫人!早く降りてください!』鳳鳶は当時と同じように神樹の上に立った。しかしもう駆けつけてくれる銀翹(インチャオ)たちはいない。「何を見ている?」「考えていたの、ここから見た霖川は幻想的でとても美しかったはずだと…」その時、鳥の巣が枝から落ちそうになっていることに気づいた。鳳鳶は屈んで巣の位置を直したが、驚いたことに巣の中に石榴の耳飾りが1つ入っている。「持ち帰れないかしら?」「ここは幻だ、触ることはできても持ち帰れない」「試してみる」赫連曦は鳳鳶を連れて南枝苑に戻った。鳳鳶は握りしめていた手を開いてみたが、やはり幻の耳飾りは消えている。…失った記憶も失くした耳飾りと同じ、見つけ出しても虚しいだけね…すると鳳鳶は中庭の石榴の木に目を留めた。「赫連曦、石榴の花はいつ咲くの?」「あとひと月だ」…でも霖川の石榴の花は2度と咲かない…鳳鳶は部屋に戻ることにしたが、赫連曦が引き留めた。「思い出したのでは?」「いいえ、そんな簡単なことじゃない」「枝で私を救ったな?」しかし鳳鳶は神樹を蘇らせる方法を見つけるまで明かさないと決めた。鳳鳶を追及する赫連曦と口ごもる鳳鳶。その時、昔旧がやって来た。昔旧が赫連曦を迎えに来た。そこで鳳鳶は部屋に入ろうとしたが、昔旧はなぜか鳳鳶の右手の包帯を外してしまう。「もう治ったからいいわ」鳳鳶が戸を閉めると昔旧は鳳鳶の血がついた包帯を赫連曦に渡した。「私の父親(フーチン)が呼んでいる、知りたかったことが全て分かるはずだ」つづく
2025.04.03
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难寻 Hard To Find第16話「悲しい決断」4ヶ月経っても霖川(リンセン)に戻らない鳳鳶(フォンユエン)。実はその頃、永照(エイショウ)王宮では鳳鳶が大きくなったお腹を抱えて我が子の行く末を案じていた。…一時的に誤魔化して無事に産んだとしても王宮から出すのは難しい…すると窓を叩いて新王となった甥・鳳慶(フォンチン)がこっそり入って来た。「姑姑、あなたが軟禁されたのも全て阿慶の至らなさゆえ…」「陛下とは関係ないわ」鳳慶は母を亡くした自分を可愛がってくれた鳳鳶を慕い、父の寵愛を笠に着て傍若無人な花娥(ホワオー)を嫌っていた。鳳鳶は花娥が来たと気づき、急いで鳳慶を窓から逃して平静を装った。しかし花娥から思いがけない知らせを聞いて動転する。「赫連曦(ホーリエンシー)が王宮に来ています… 宴席の後、どんな姿になるか存じませんが、心の臓だけは公主にお渡ししましょう」すると鳳鳶は衝撃のあまり破水、お産が始まってしまう。赫連曦は何も知らずに歓待の宴席にいた。しかしなぜか鳳鳶の姿が見えず、烏韭(ウージウ)将軍もいない。すると雲暮(ユンムー)が現れ、烏韭の配下だと嘘をついて赫連曦に一献したいと申し出た。「将軍は戦死しました…将軍に献杯を」急な訃報に接した赫連曦は動揺し、雲暮が差し出した杯を空けてしまう。赫連曦は急に胸を抑えて倒れ込み、激しく血を吐いた。すると見知らぬ男が現れる。「私とは初めてだったな、私は鳳鳶の兄・鳳垠(フォンイン)だ…殺すなよ」衛兵が霖川少主を包囲した。赫連曦は最後まで抵抗したが、力尽きて捕まってしまう。その頃、鳳鳶は早産ながら無事に娘を出産していた。鳳鳶は我が子を救うため、赫連曦が持たせてくれた夜蛍(イエイン)の粉で仮死状態にした。実は鳳慶に子供が生まれたら生死を問わず、医館にいる石罌(シーイン)という女子に預けて欲しいと頼んである。…阿曦、ごめんなさい、まさか私たちの婚姻がこんな事態に至るとは鳳垠は狡猾で残酷だから2人を守るために私はもっと残酷になる今、思えば私が霖川に嫁いだのが間違いだったのねもうこの策しかないの私たちの子には元気で生き延びて欲しいどうか神樹のご加護を…鳳鳶は美しく着飾り、最後に石榴のかんざしを挿した。鳳垠は雲暮に滅多刺しにされる赫連曦を鳳鳶に見せた。「うめき声ひとつ上げないとはお前の夫は我慢強いな」あまりの残酷さに声も出せず、我が子を抱きしめながら震える鳳鳶。「可愛い妹妹よ、霖川に入る方法を教えてくれ」鳳垠は赤子の顔を見ようとしたが、その時、花娥が赤子は死んだと教えた。「分かるだろう?私が止めなければ一太刀ずつ切られ続ける 早くしないとお前の夫の身体は原型をとどめなくなるぞ?」「分かったわ、その代わりあの人の身体を返してちょうだい 私の子は早産ですぐ死んでしまった、私ももう生きられない、だったら3人で死にたいの」はりつけにされた赫連曦は塩水を浴びせられ、あまりの激痛で意識を取り戻した。すると目の前に愛しい鳳鳶が立っている。「阿鳶…早く逃げろ…」しかし鳳鳶は護身用の短剣を抜き、心を鬼にして赫連曦の胸を刺してしまう。「(´ ° ཀ°)グッ!…なぜ…だ…」赫連曦は妻の仕打ちに憤りながら、兄の元へ戻る鳳鳶の背中をぼんやりと見ていた。鳳垠は鳳鳶が自ら夫にとどめを刺すとは意外だった。「夫婦のよしみで楽に逝かせてあげたの…私は永照公主、霖川族が死のうが関係ない!」「いいぞ、よく言った」「霖川に入る鍵はこれよ」すると鳳鳶は袖をまくりあげ、腕に埋め込まれた葉を自ら短剣でえぐり出した。鳳鳶は我が子と赫連曦を抱えて王宮を出た。…全ての間違いはこの王宮から始まった私にできるのは永照の霖川への罪に終止符を打つことだけ唯一、残されたこの身体を捧げて一度の奇跡に懸ける…『別離の夢から覚めても縁(エニシ)はいまだ尽きず』その時、涼蟾(リャンチャン)は全ての記憶を取り戻して目を覚ました。南枝苑(ナンシエン)に戻った赫連曦は鳳鳶がまだ目を覚まさないと聞いた。琴桑の話では今朝も医者から″身体に異常がなく、激しい衝撃のせいで目覚めないだけ″と言われたという。「仕方がない、琴桑、街へ行って医者を探してくれ」一方、記憶が戻った涼蟾は赫連曦の姿を探し回っていた。やがて山荘を飛び出すと、ちょうど水廊で琴桑を見送っている赫連曦の後ろ姿を見つける。「阿曦!」赫連曦は懐かしい呼びかけに驚いて振り向くと、涼蟾が突然、抱きついて来た。つづく( ๑≧ꇴ≦)伝説の回が来ました~!鳳鳶、どんだけ力持ちなのよwwwwww
2025.04.02
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难寻 Hard To Find第15話「突然の文」赫連曦(ホーリエンシー)はあの夜、鳳鳶(フォンユエン)が密かに自分を殺そうとしたことを知っていた。烏韭(ウージウ)将軍の手紙を読んだ鳳鳶は呆然、その時、赫連曦がおぼつかない足取りで帰ってくる。「阿曦?どうしたの?」鳳鳶が慌てて駆け寄ると、赫連曦は袂からかんざしを取り出した。「誕生日が近いだろう?神樹の樹脂で作ったんだ、ほら」「本当は何もかも分かっているはず、私はあなたを殺そうとした、それなのに…」「泣くな、私はこうして無事だろう?」すると赫連曦は石榴のかんざしを鳳鳶の髪に挿した。「きれいだ」鳳鳶は思わず赫連曦に抱きついて号泣したが、赫連曦は急に意識を失ってしまう。椿(チュン)婆やは少主なら一晩、眠れば回復するので心配ないと話した。鳳鳶は赫連曦が独りで連理入骨を行い、一族を守るための結葉(ケツヨウ)式で血髄を取り出した痛みによって失神してしまったと知る。「椿婆婆、私も連理入骨を…」赫連曦は自分が命と引き換えに守られることを拒むと思い、内緒で連理入骨を行ったのだろう。鳳鳶は自分も夫と霖川を守りたいと願い、赫連曦と同じように連理入骨のことを口止めした。そんなある日、永照(エイショウ)から思いがけない文が届いた。…父王の病が重く、夫婦で会いに来て欲しい、母后より…驚いた鳳鳶はうっかり石榴のかんざしを落とし、割ってしまう。鳳鳶は部族間の問題に追われて忙しい赫連曦を気遣い、琴桑(チンサン)を連れて1人で里帰りすると決めた。すると心配した赫連曦が念のため護身用の短剣を渡す。それは鳳鳶が竹林に埋めたはずのあの短剣だった。「これならちょうどいい」「…ごめんなさい」鳳鳶は赫連曦が初めから全て分かっていながら自分に優しかったと思うと涙があふれた。「次の石榴が咲くまでに戻ると約束してくれ」「はお」赫連曦たちは桟橋まで鳳鳶の見送りに出た。すると遅れて鶩青(ウーチン)が駆けつけ、椿婆やから預かった化粧箱を少主夫人に届ける。鳳鳶は元通りになったかんざしを見て安堵し、後ろ髪を引かれる思いで出立した。こうして霖川を離れた鳳鳶。まさかこの別れが穏やかな霖川を見る最後になるとは想像もしていなかった。鳳鳶は永照王宮に到着、琴桑には来なくていいと言った。「あなたも家族に会ってらっしゃい」「いえ、お守りしなくては…」「私は永照公主、何を心配することがあるの?」「霖川に戻るときはお知らせください」鳳鳶は琴桑と別れて王宮に入った。しかしなぜか衛兵の姿はなく、閑散としている。その時、背後から鳳垠(フォンイン)の腹心が現れ、いきなり鳳鳶の従者に襲いかかった。「雲暮(ユンムー)!何するの?!」不意をつかれ拘束された乙青(イーチン)と巳午(スーウー)、すると収監されたはずの鳳垠が現れた。「久しぶりだな〜可愛い妹妹よ」鳳垠は鳳鳶を寝殿に連行、監禁した。「なぜあなたがここに?…父君はどうしたの?!」「父君?あ~戻ったばかりで知らぬのだな、父君なら崩御した、ふっ、既に先王だ 今の王は我が息子・鳳慶(フォンチン)、孝行息子が解放してくれたよ」鳳垠は先王の長子であり唯一の皇子だった。しかし生母が芸妓で身分が卑しかったことから後継者と認められず、父からも蔑まれて育つ。そのため皇后の娘として蝶よ花よと育てられた鳳鳶に対する嫉妬は激しく、わずか十数歳の孫に王位を継がせた父を酷く憎んでいた。…この時、私は鳳垠に反論できなかった思えば私の狭い了見と父君の偏見が赫連曦と霖川に災いをもたらした元凶だったのかもしれない…鳳鳶は恨むなら自分を恨めと訴え、霖川の従者を解放するよう訴えた。しかし鳳垠はすでに2人の手足を斬ってしまったという。「誰か?…こちらへ」するといきなり箱の中身を見せられた鳳鳶はあまりの衝撃で倒れてしまう。鳳鳶が目を覚ますと花娥(ホワオー)がいた。すると花娥から懐妊3ヶ月だと知らされ絶句する。「あらご存知なかったのね、では赫連曦も知らないはず 公主の流産を知れば赫連曦は慌てて駆けつけるかしら?」花娥は何やら怪しい薬湯を準備していた。「赫連曦が死ねば2本の古い木は枯れ、不思議な力を持つ樹心が現れるとか この話は先王が自ら書き残されました」鳳垠の真の狙いは樹心だった。そこで鳳鳶はこれを利用し、我が子を守ることにする。「神聖な樹心を誰でも使えると思っているの?浅はかね 樹心を使えるのは霖川の血を引く少主だけ、嘘だと思うならその薬を飲むわ」焦った花娥は薬湯を下げたが、帰り際に大事な話を伝えておいた。「そうそう、もう烏韭を頼ることはできませんよ?半月前に名誉の戦死をなさいましたから」鳳鳶は悔しさをにじませながら、ふと袖をまくって腕を見た。そこには赫連曦が不思議な力で埋め込んでくれた小さな葉がある。実はこの葉こそ霖川へ入る鍵だった。霖川は外界から隔てられおり、入り口も隠されている。実は赫連曦は烏韭将軍には3度だけ使える鍵を渡していた。…鳳垠が陰謀に成功したら私の骸を引きずってでも霖川へ入るわ絶対に鍵を渡すわけにいかない…鳳鳶は赫連曦と霖川を守るため、痛みをこらえながら腕に針を刺し、葉の形を変えた。鳳鳶が霖川を発ってから4ヶ月が経った。赫連曦は鳳鳶からの何の知らせもないことを訝しんだが、鶩青は雨期のため文が遅れているのだとなだめる。…石榴の花は咲いたのになぜまだ戻らぬのか…つづく∑(⊙∀⊙)ヒャーーー!
2025.04.02
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难寻 Hard To Find第14話「2人だけの夜」手を絡ませ見つめ合う赫連曦(ホーリエンシー)と鳳鳶(フォンユエン)。鳳鳶がそっと目を閉じると、赫連曦も顔を近づけながら目を閉じた。しかしその時、突然、鶩青(ウーチン)の声が聞こえ、はっとした2人は手を離してしまう。「少主!お休みですか?…少主!琴桑(チンサン)姑娘がお別れのご挨拶をしたいと」少主の帰宅を見届けた琴桑は出て行くことにした。しかし琴桑には頼れる実家もないはず、そこで鳳鳶は琴桑を南枝苑(ナンシエン)に置きたいと頼む。琴桑は永照(エイショウ)族だからと遠慮したが、赫連曦は寛大だった。「それが何だ、霖川(リンセン)に馴染んでいるなら留まればいい」赫連曦から5月に咲く石榴の一番花をもらった鳳鳶。銀翹(インチャオ)の話では石榴が咲くのは年に3回だが、実を結ぶのは5月の花だけだという。「6月と7月は徒花(アダバナ)です つまり少主が5月の花を贈ったのは、少夫人との間に…ふふふ」その意味に気づいてはにかむ鳳鳶、するとふいに石榴の花を無駄にしない方法を思いついた。その夜、鳳鳶は外出から戻った赫連曦を嬉しそうに出迎えた。赫連曦は鳳鳶がいつもにも増して美しいことに気づき、思わず見惚れてしまう。すると銀翹が少夫人は少主の贈った石榴の花で作った紅を塗っていると明かした。「それに新しい衣に着替えました」「琴桑ったら…」鳳鳶は恥ずかしそうにうつむくと、赫連曦は少し歩こうと誘った。赫連曦と鳳鳶は仕事を終えた皆の輪に入って騎馬遊びを観戦した。すると勝った娘が次の対戦相手に少夫人を指名する。「私が?…いいわ!」こうして赫連曦の背中に乗った鳳鳶は見事、相手の花輪を奪い取り、皆から称賛された。騎馬を楽しんだ鳳鳶は赫連曦を連れて神樹に向かった。実は赫連曦の帰りを待ちながら、木の根元に酒を埋めておいたという。鳳鳶は酒瓶を掘り出してふたを開けたが、赫連曦は杯がないと困惑した。すると鳳鳶は酒瓶から直接、酒を飲んでみせる。「う~ん、甘味が増しているわ!」赫連曦は鳳鳶に勧められるまま酒を飲んだが、やはり味覚がないため甘味が分からない。「どう説明したらいいのかしら」鳳鳶が考えあぐねていると、赫連曦が贈り物を渡した。「君が石榴を気に入っていたから、市場でつい手が伸びたんだ」「気に入ったわ」赫連曦は自ら鳳鳶の耳に石榴の耳飾りをつけた。さらに近づく2人の距離、その時、鳳鳶は酒の力を借りで勇気を振り絞る。「飲み過ぎだぞ?」「知りたいでしょう?甘い味…」「教えてくれ」鳳鳶は自分から赫連曦に唇を重ねた。驚いて動けずにいた赫連曦だったが、ようやく甘味を理解する。「阿鳶、とても甘いよ…」赫連曦は鳳鳶を抱き寄せて口づけし、そのまま押し倒した。「戻った方がいいかい?」しかし鳳鳶は首を横に振った。甘い夜を過ごした赫連曦と鳳鳶。鳳鳶は耳飾りを片方、落としてしまったと気づいたが、赫連曦はあとで探せばいいと言った。「じきに朝だ、君に会わせたい人がいる」鳳鳶は烏韭将軍と再会した。聞けば将軍が内乱を知ったのは自分の文ではなく、赫連曦が鳳鳶のかんざしを携えて要塞を訪ねたからだという。赫連曦は文で公主に進展を伝えるよう勧め、さらに霖川に入るための鍵を渡し、内乱を鎮め次第、公主を安心させに来るよう頼んでいた。「内乱は収まりましたが王孫はまだ幼く、大殿下は唯一の皇子 君上は処刑するのが忍びなかったのか牢へ入れました」「父君は情にもろいわ、でも鳳垠(フォンイン)は陽の届かぬ地下牢で死を待つしかない、自業自得よ」すると烏韭将軍は大軍を率いて要塞へ帰って行った。赫連曦は神樹に椿(チュン)婆やを呼び、独りで連理入骨(レンリニュウコツ)式を行いたいと頼んだ。「成婚前は鳳鳶を娶れる喜びでいっぱいだった しかし鳳鳶が苦しみ、独りで闘って来たと知ったんだ 夫として妻を守るのは当然のこと、少しでも鳳鳶の力になりたい」椿婆やは赫連曦の″連理の枝″を受け取り、少主の肩に埋め込んだ。これで少夫人の命が危うくなった時、連理の枝を心の臓に刺して生かすことができるという。すると椿婆やは夫であるだけでなく少主であることも忘れないよう釘を刺した。赫連曦は祖父から″結葉(ケツヨウ)式″を使えば一族を守れると聞いたことを思い出したが、椿婆やはあくまで最後の手段だと明かす。「結葉式が発動すると霖川族は葉の中に封印されます その後、葉は落ちて神樹は枯れ果てるのです しかし2本の連理の枝を神樹に接ぎ木すれば神樹は蘇り、霖川族も戻ります」赫連曦は万一のことを考え、結葉式も行いたいと懇願した。しかし少主の身体から血髄を取り出す必要があり、その痛みは耐え難いという。「痛みは我慢できる…妻にも一族にも私が必要なのだ、頼むぞ」↓偽シックスパック?w赫連曦が激痛に耐えている頃、鳳鳶は将軍が残した文を読んでいた。…少主によれば公主は大殿下に脅されていたとか公主に策があったとしても、少主と仲たがいされませんように…赫連曦はあの夜、鳳鳶が密かに短剣で自分を殺そうとしたことを知っていた。つづく(〃ω〃)ここのチームのラブシーンはいつも美しいわ〜
2025.04.01
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难寻 Hard To Find第13話「霖川で生きる決意」神樹の守護者である椿(チュン)婆やは少夫人の呼びかけに反応した。「どうしましたか?…ハッ!大変だわ!神樹に異変が!」一方、花娥(ホワオー)は鳳鳶(フォンユエン)が火を消そうとする様子を冷ややかに見ていた。「公主、あなたは永照(エイショウ)族なのですよ?霖川(リンセン)の木を必死に守る必要が?」「…必ずお前を殺してやる!」神樹を害した花娥への怒りを爆発させた鳳鳶、その時、雷鳴がとどろき、激しい雨になった。「雨だわ…雨が降った!」鳳鳶はそっと神樹に手を伸ばすと、安堵から急に身体の力が抜けてしまう。この時、神樹は鳳鳶を少夫人と認めて契りを結んだが、鳳鳶は結印に気づかぬまま倒れた。椿婆やと銀翹(インチャオ)は意識のない少夫人を発見、南枝苑(ナンシエン)で介抱した。朝になって目を覚ました鳳鳶はお手柄だと褒められ困惑したが、どうやら火がついた原因が落雷だと誤解しているらしい。実は花娥は椿婆やたちが到着する前に姿を消していた。すると神樹を守った少夫人を心配して皆がお見舞いを持って駆けつける。鳳鳶は皆の優しさに感激、涙が頬を伝った。回復した鳳鳶は散策中、倒れている兵士を発見した。急いで様子を見に行ったところ永照の軍衣だと気づき、ひとまず南枝苑に運び込む。すると兵士が実は女子だと分かった。しかし椿婆やは重体で手の施しようがないという。「そうだ…これを使って」「神樹の樹魄?少夫人、どうしてこれを?」実は赫連曦は文と一緒に小さな化粧箱を残していた。…命が危うくなったら箱の中の物を使ってくれ…未だ烏韭(ウージウ)将軍からの続報はなかった。鳳鳶は日がな一日、文が届くのを待っていたが、ようやく昏迷していた兵士の意識が戻る。兵士は琴桑(チンサン)と名乗り、命の恩人に拝礼した。「あなたは永照族よね?私は永照の公主、霖川に嫁いできたの 若い娘なのにどうして軍衣を着て傷だらけだったの?」実は永照では鳳垠(フォンイン)が烏韭将軍に対抗すべく軍を作っていた。永照族全ての男子(オノコ)が徴兵されたが、琴桑の家は父も兄も戦死、残っていたのは幼い弟だけだったという。武芸の心得があった琴桑は弟に成りすまして入隊、同士討ちとなった。結局、鳳垠は惨敗し、琴桑は南に逃げる途中で川に転落したという。琴桑の話を聞いた鳳鳶は兄が惨敗したと聞いて目を輝かせた。…つまり烏韭将軍は全てを解決したの?…その時、銀翹が文を持って駆けつけた。すると文を読んだ鳳鳶は嬉しさのあまり琴桑に抱きついてしまう。「琴桑!霖川に来てくれてありがとう!銀翹もありがとう!全部、解決したわ!」…王君と王后を救出しました…それから数日後、すっかり回復した琴桑は出て行くことにした。「これしか持っていませんが感謝の印に…」琴桑は腕輪を差し出したが、鳳鳶は頑なに断った。「それにあなたを救ったのは少主の樹魄なの…ねえ、ここで一緒に帰りを待たない?」今日も南枝苑は銀翹が少主の代わりに届ける生花であふれていた。鳳鳶は石榴に水やりをしながら、赫連曦の帰宅を首を長くして待った。そんなある日の朝、銀翹が息急き切ってやって来る。「少夫人!少主のお帰りです!」「迎えに行ってくる!」鳳鳶はまるで少女のように林の中を駆け抜けた。するとちょうどいかだに乗る赫連曦と鶩青(ウーチン)の姿を見つける。「…少主、誰かが岸辺で手を振っています」赫連曦が岸へ視線を移すと、鳳鳶が手を振っていた。赫連曦が桟橋に降りると、鳳鳶が頬を紅潮させて走って来た。「赫連曦!」「…今、何と?」「赫連曦…あなたが戻ったと聞いて嬉しくて迎えに来たの 私ね、永照には帰らない、いつまでも霖川で暮らすわ!さあ帰りましょう!」赫連曦は鳳鳶の変わりように戸惑い、しばし呆然となった。しかし鶩青の声で我に返る。「少主、少夫人と一緒に帰りましょう」「そうだな、家に帰ろう!」赫連曦と鳳鳶が南枝苑に戻ると、石榴の花が咲いていた。「咲いてる…出かける時には咲いていなかったのよ?」「約束しただろう?石榴が咲く頃に戻ると」すると赫連曦は花を一輪、折った。「霖川の風習だ、5月に咲いた一番花は人に贈る」赫連曦は鳳鳶の髪に花を挿した。赫連曦と鳳鳶は久しぶりに水入らずの夕餉を楽しんだ。「神樹で火が出たとか?消そうとして怪我をしたのだろう?」「平気よ、かすり傷だから…痕も残らなかったわ」「早く休め」「ええ」しかしこの夜は互いに離れがたく、赫連曦と鳳鳶は自然と見つめ合い手を絡ませた。つづく(  ̄꒳ ̄)樹魄のひとつは琴桑が飲んでたのか~
2025.04.01
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