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風起隴西-SPY of Three Kingdoms-全24話 24
【現代劇】イジワルな君に恋をした~Sweet First Love~全24話 24
燕雲台-The Legend of Empress-全48話 48
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor最終話「天人合一/もう一つの結末」周子舒(ジョウズーシュー)は身体から釘を抜き、余命はわずかだった。「猶予はない、晋(シン)王が武庫を開けるのを阻止せねばならぬ」衝撃を受けた張成嶺(ジャンチョンリン)は極悪人である晋王のために師匠が犠牲になるなど納得できない。「師父、なぜ晋王を殺さぬのですか?!」しかし周子舒はこれも大義のためだと言った。西北を支配する晋王の地位を狙うものは多く、晋王を殺せば皆が一斉に蜂起してしまう。周子舒が晋王をあえて負傷させるにとどめたのは勢力の均衡を保つためだった。「成嶺、戦が起きれば民が苦しむ… そうなれば四季山荘の心残りだけでなく、戦による亡魂まで背負うことになるのだ」「…ごめんなさい、師父」ついに琉璃甲(ルリコウ)を集めた晋王、次は必ずや陰陽冊を狙うだろう。万が一にも陰陽冊で晋王が全快すれば周子舒の努力が水の泡に帰す。「お前との縁は思ったより浅かった、しかし弟子としてこの言葉だけは覚えていてくれ 太師父の口癖でもあった、″仁義に生きる侠客は国と民に尽くせ″と…」周子舒は必死に涙をこらえる成嶺を抱きしめた。「無用の身で有用なことを成せるのはこの上ない幸せだ、だから悲しむな」周子舒は七爺(チーイェ)・景北淵(ジンベイユエン)と大巫(ダーウー)・烏渓(ウーシー)に張成嶺と温客行(ウェンコーシン)の世話を頼んだ。すると景北淵は晋王の本当の狙いは陰陽冊ではないと指摘する。周子舒も知っての通り晋王と七爺は沙陀(サダ)族の末裔、祖先が反乱を平定して国姓を賜り、節度使に任じられて現在の繁栄を得た。しかし過去をたどると沙陀族は拓掲(タクケイ)の王族に隷属している。「代々、受け継がれた伝説によれば、かつて先祖が中原の果てに宝庫を残している 宝庫には天下安泰の秘密が隠され、探し当てれば衣食に困らず、流浪せずに済むという 宝庫には6個の鍵があり、六族の族長が保管していた…琉璃甲の話と似ていないか?」これまでただの絵空事だと思っていたが、周子舒の父親を殺したのが前晋王だと聞いて昔のことを思い出したという。「老晋王は当時、間もなく秘密を探し出せると言っていたが、結局、進展はなかった すると塞ぎ込むようになり、酔う度に嘆いていたのだ ″長年、探していた物が消え失せた″、″裏切りられた″と… ちょうどその頃だ、お前の父君の死を知ったのは」周子舒は龍雀(ロンチュエ)から聞いた武庫の経緯を思い出した。…お前の師父が見つけた前王朝の地下宮殿を私が改良して完成させた…錠も鍵もお前の師匠と友人が遊歴中に入手した「まさか師父の友人とは父上だったのか」韓英(ハンイン)が父は暗殺されたと言った時はにわかに信じられなかったが、周子舒はようやく合点がいった。周子舒はすぐ出立することにした。「成嶺、俺の言づけを復唱してみろ」「師父は重傷ゆえ七爺と大巫が治療のため、海の向こうへ連れて行きました…ゥッ… 帰りを待つ間、私と師叔で四季山荘を再建するよう命じられました」「出来損ないめ!泣き顔では師叔を欺けぬぞ!」しかし周子舒は愛弟子の想いを汲んで諦めた。「あの世で俺が恨みを募らせていいなら…勝手にしろ」「(はっ)精進します!」こうして周子舒は昏睡している温客行を残し、独り武庫を目指した。一方、蝎王と段鵬挙(ドワンポンジュー)たちついには雪原に眠る伝説の武庫に到着していた。趙敬(ジャオジン)は輿の中から段鵬挙が琉璃甲をはめ込む様子を眺めていたが、なぜか肝心の鍵が合わない。驚いた蝎王は必死に鍵を差し込もうとするも失敗、そこに突然、周子舒が現れた。段鵬挙はすぐ振り返ったが時すでに遅し、首を切り裂かればったり倒れてしまう。「周子舒!…解放したのに、なぜ谷主は私を欺いたのだ!」蝎王は偽物の鍵を投げ捨て激怒、すると周子舒は琉璃甲に偽物があれば当然、鍵にも偽物があると涼しい顔で言った。どうやら晋王は来ていない。「…まあよい」しかし武庫の門を覆っていた氷を壊したせいで、日が昇ると同時に気温が上がり、雪崩が起こった。蝎王たちは武庫どころではなく一斉に逃げ始めたが、周子舒はこれが天意だと目をつぶる。その時、温客行が駆けつけ、いきなり周子舒のかんざしを抜いた。周子舒は気配を感じてふと目を開けた。すると温客行がかんざしのからくりを解いて鍵に戻し、武庫を開門する。「走るぞ!」雪崩に巻き込まれる蝎王たち、しかし温客行と周子舒は危機一髪のところで武庫の中へ逃げ込んだ。温客行は周子舒を晋州から救出した時、身支度を手伝いながら自分のかんざしを挿しておいた。死を偽装する計画だったため、安心して鍵を預けられるのは周子舒だけだったという。「両親は鍵の利害を知ってかんざしに作り変えた あの時、鬼谷がどんなに探し回っても見つけられなかったはずさ、私の頭にあったからな …ったく周子舒!何て大馬鹿なんだ!あの老妖怪に感謝しろ!」実は張成嶺は師匠を救うため葉白衣(イエバイイー)を頼っていた。『愚か者どもめ!始末に負えぬ奴らだ!』すると葉白衣は七爺たちが止めるのも聞かず、温客行を夢から目覚めさせようとする。『お節介です!運命を共にする仲ゆえ、荘主が死ぬと知ったら…』『縁起でもない!私より先に誰も死なせぬぞ!』周子舒と温客行は地下宮殿に入った。かつて師匠たちはここで鍛錬していたのだろうか。今ではその面影もないほど殿内は老朽、そこで2人は早速、正殿の奥にある書庫へ向かった。噂通り確かに武林門派の奥義書があったが、つぎの石室にはなぜか農耕に関する書物ばかりが並ぶ。2人はさらに地下へ降りた。すると温客行は仰々しい化粧箱を発見、その中からついに″六合心法″を発見する。「あったぞ!」しかし周子舒はその部屋に備蓄された穀物を見ていた。封印には拓掲文字が記されていたが、どうやらこの穀物で飢えをしのぐことは無理らしい。「いつから放置されていたんだろう?20年やそこらでは朽ちないはずだ」「(はっ)そうか!分かった!これが天下安泰の秘密だ!」伝説によると秘密を探し当てれば沙陀族は衣食に困らないと言っていた。ここにあるのは農具や穀類、拓掲語に訳された農書、これこそ拓掲の祖先が残した秘密だったのだ。遊牧民が農耕を習得し自給自足の暮らしを送れることができれば、確かに天下安泰になる。すると温客行は晋王が穀物と農具のために労力を費やしと思うと笑いが止まらなかった。周子舒はこれで全ての謎が解けた。あの時、龍雀も師匠が苦労して琉璃甲を得たが、中には大した物がなかったと証言している。恐らく父は前晋王の依頼でこの宝庫を探し当てたのだろう。しかし穀物しかなかったと報告しても、前晋王の性格からして信じるとは思えず、師匠まで巻き添えになると悟ったのだ。「父君は師父に宝庫の意義さえ伏せたのやも… だから師父はここを武庫として提供したんだ、空っぽの庫だからな 晋王が知ったらどんな顔するか見たいな~(´゚艸゚)∴ブッ」すると周子舒はその前にまず雪に埋もれた地下宮殿で生き延びなければならないと呆れた。「俺たちは閉じ込められたんだ もし出口を見つけて脱出できるとしても、氷雪を食べてどれほど生き延びられる?」「ふっ、葉白衣が氷雪で何年、生き長らえたと?」葉白衣は六合心法で若さを保って神仙のように生きていたが、当然、弊害があった。実は長明山にこもっていたのは人天の境界を踏み越えたが最後、極寒の地に住み続け、氷雪しか口にできないからだという。ひとたび俗世の料理を食べれば雪が溶けるように老化が始まる。葉白衣が2人と知り合ってから急に白髪が増えたのはこれが理由だった。「老妖怪は生ける屍の状態に嫌気が差し、むさぼり食ってたんだ…」周子舒と温客行は向かい合って座った。六合心法とは破壊と構築、地獄の苦しみを得た後に経脈が再構築されて生まれ変わる。だが体質により苦しみの長さが異なるため、2人で助け合い修行せねばならなかった。相手が限界に近づいたら真気を送り共に乗り切る。すでに触覚も失った周子舒は痛みを感じないと笑ったが、温客行は葉白衣と大巫からすでに助言をもらっていた。「修行を始めてお前が視覚と聴覚を失おうと慌てることはない 体内の気の流れに集中しろ、難関を越えれば五感は回復する、それを何度が繰り返す」「分かった…始めよう」やがて周子舒は完全に何も聞こえなくなった。すると温客行は今なら正直に話せると気づき、全てを明かす。「阿絮(アシュー)、お前は天窗(テンソウ)の首領で疑り深いはずだろう?なぜ私を信じ切れる?」その時、温客行の髪が真っ白になった。…葉白衣は周子舒が眠らせた温客行を目覚めさせ、周子舒を救う方法があると教えたただし温客行の命と引き換えだという『どうする?』『願ってもない!』すると葉白衣は温客行に六合心法を授けると決めた…温客行は自分を欺こうとした仕返しだと笑った。「今回の嘘は大したことじゃないだろう? 残された者こそ辛く苦しい…お前は私の師兄だ、引き受けてくれ」…猛烈に暴れる六合の真気に血肉の身体は耐え切れぬ…自らを犠牲にした者から鍛錬した真気を受け取ってこそ経脈を再構築して生死の境界を越えられる…その者は経脈が壊れて白髪に変わる…ある者の犠牲により天人合一の呪いを受け私はここまで生き長らえたが…すべてはこの日のためだったのだな周子舒は全ての感覚を取り戻し、そっと目を開けた。しかし目の前の温客行は白髪となり、ふいに力なく腕が落ちてしまう。周子舒は咄嗟に温客行の両手を受け止め、ようやく温客行が自分のために犠牲になったと知った。月日は流れ、張成嶺は幼い弟子たちに昔話を聞かせていた。「雪崩によって蝎王と趙敬は雪山に葬られ、頭目を失った毒蝎は江湖から消えた」「では師父、武庫の2人はどうなったのですか?」「六合心法を会得するには自らの身体を喜んで犠牲にしてくれる者が必要だ 六合の真気を相手に渡した者はいくら武芸に秀でていても、 即死を免れたところで最終的に経脈が途絶える…」「2人は会得できたのですか?」しかしそこへ高小怜(ガオシャオリエン)が可愛い少女を連れて現れ、話は終わってしまう。「でぃえでぃえ!」「念湘(ニエンシアン)~良い子だな」成嶺が娘を抱き上げると、小怜は門弟たちに何の話をしていたのか聞いた。「高(ガオ)師姑、六合心法のお話です」「成嶺ったら、またある事ない事ばかり話して…」一方、雪山では独りの少年が修練に励んでした。「前輩!ご指導ください!」「良かったぞ、お前の年頃の我が弟子より数段上だ、ただ剣の出し方に若干、迷いがある」少年が崖を見上げると、周子舒の姿があった。その時、眩い光を背に白髪の温客行が現れる。「阿絮、また子供を惑わせたな」すると2人は少年がいることも忘れ、しばし手合わせに興じた。父親が息子を迎えにやって来た。「でぃえでぃえ、私は未熟ですか?母上は達者だと…」「お前のせいではない、お二人は生涯、やり合ってきた また神々の戯れだ、いつ終わるともしれない、さあ、もう母上のところへ帰ろう」「うん!」その少年の父親は鄧寛(ドンクワン)だった。完( ゚д゚)えーと…正解がお分かりの方はご連絡くださいwちなみに本国配信では成嶺師匠の場面で終わりでしたで、番外編として″神々の遊び編″が配信されていますさらにWOWOWさんとLaLaTVさんではエンディングの場所が入れ替わっているという…謎wせっかく楽しく視聴できたのに…まあ私にとっての最終話は阿湘の死だったのかも( ̄▽ ̄;)あらすじが遅くなりましたが、お付き合い頂いた皆様、ありがとうございました(^ꇴ^)ノ
2022.09.01
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第35話「痴心妄想」鬼谷(キコク)で顧湘(グーシアン)と曹蔚寧(ツァオウェイニン)の婚儀が始まろうとしていた。すると驚いたことに清風(セイフウ)剣派・莫懐陽(モーホワイヤン)が弟子たちを連れて祝福にやって来る。曹蔚寧は感激して顧湘と出迎えに行ったが、なぜか師叔と大師兄の姿はなかった。「師父!来てくれたんですね!」「師ふぉ…」顧湘は師匠に挨拶しようとしたが、莫懐陽が遮った。「こいつがお前をたぶらかした妖女か?!」「妖女ではありません、鬼谷の者ですが純粋で善良です!師叔に聞いてもらえれば…」「大したものだ、師弟まで惑わすとは…」聞けば范懐空(ファンホワイコン)は必死に曹蔚寧と顧湘の肩を持っていたという。顧湘は憤懣やる方ないが、曹蔚寧と師叔のためにも黙って耐えていた。莫懐陽は婚姻をあきらめるよう説得した。しかし曹蔚寧は恩知らずにも師匠に反発し、必ず妻を立ち返らせて正義を貫くと誓う。莫懐陽は根負けしたのか小さくうなずき、婚姻を受け入れたように見えた。安堵の涙を流す曹蔚寧、すると莫懐陽が愛おしそうに曹蔚寧の顔に手を伸ばす。顧湘は笑顔で師弟の絆を見守っていたが、安心したのも束の間、突然、莫懐陽は弟子の首を折ってしまう。「かかれっ!」師匠の号令を聞いた弟子たちは一斉に隠し持っていた短刀を取り出し、鬼衆に切り掛かった。顧湘は虫の息となった曹蔚寧を腕に抱き、手を握りしめる。必死に何かを伝えようとする曹蔚寧、しかしもはや声を出すことも叶わず絶命した。顧湘は曹蔚寧を抱きしめ号泣、その時、清風剣派の弟子が戦鼓を叩いて合図を送り、鬼谷の門を開けてしまう。すると隠れていた他の門派がなだれ込み、華やかな鬼谷が一転、戦場と化した。莫懐陽の本当の目的は婚姻を利用して鬼谷を討伐することだった。愛する曹蔚寧を殺された顧湘はまさに鬼と化し、仇敵の莫懐陽に襲い掛かる。一方、騒ぎに気付いた温客行たちは急いで正房に向かった。すでに鬼谷は血の海、その時、温客行は莫懐陽に斬られ、血まみれで倒れている顧湘を見つける。「阿湘ーーっ!」討伐に参加した于丘烽(ユーチウフォン)は柳千巧(リウチエンチャオ)の姿を見つけた。しかし孟婆湯(モウバトウ)を飲んだ千巧は記憶がなく、于丘烽を敵だと誤解して刺してしまう。「…ゥッ、本当に私を忘れてしまったのか?」すると千巧は何かを感じたのか、とどめをさせずに手を止めた。その時、背後から敵に刺されてしまう。蝎王は義父を連れて青崖山の争乱を眺めていた。「皆が琉璃甲を懸けて一心不乱に殺し合っている…誰も知らぬのだ 全ての琉璃甲を私が集め、鍵さえも手に入れたとな」すると趙敬(ジャオジン)が何か言いたげに自分を見ていることに気づく。「温客行は生きています、死体は偽物でした、当然、死体が持っていた鍵も偽物です 本当の鍵は手を組む証しに温客行が私にくれた」あとは罠にかかった莫懐陽から残りの3個が手元に届く手はずになっていた。温客行は顧湘を救うため、必死に敵を蹴散らした。しかし莫懐陽が顧湘を人質に取り、温客行を脅す。「少しでも動けば女を殺す!…生かしたくば琉璃甲と鍵を出せ!」「解放するなら何でも渡す!」その時、蝎王が操る薬人(ヤクジン)が鬼谷を襲撃した。驚いた莫懐陽は咄嗟に顧湘を掌で吹き飛ばし、逃げてしまう。温客行は顧湘を抱き止めた。激しく血を吐いた顧湘、しかし莫懐陽を殺さねば死んでも死に切れない。「哥(グァ)…あいつを殺して…初めてのお願いよ…絶対に殺してえええ!」「分かった…あいつを殺す、兄さんが殺す!」「ありがとう…哥…どうかお元気で…阿湘はもうお世話ができません…もう行かなくちゃ… 曹大哥の…所へ…」すると顧湘はうっすら笑みを浮かべ、愛する曹蔚寧の元へ旅立った。「阿湘ーっ!」温客行は顧湘と曹蔚寧を並べて座らせた。2人の手首には赤い糸がある。温客行は顧湘と曹蔚寧が来世で必ず結ばれると信じ、2人の亡骸を婚礼の赤い薄絹で隠した。莫懐陽は薬人軍から何とか逃げ延びた。ようやく蝎王に騙されたと気づき憤ったが、そこへ温客行が現れる。使い手同士の戦いは熾烈を極めたが、温客行は刺し違えながらもついに顧湘の無念を晴らした。「阿湘…待っていろ…私もすぐに後を追いかける…」深手を負った温客行は木に寄りかかっていた。そこへ蝎王が現れる。毒菩薩(ドクボサツ)は莫懐陽の亡骸から琉璃甲を回収、これで蝎王は全てを手に入れた。「私が頂くが構わぬな?」「とっとと失せろ…ただのひなたぼっこだ」蝎王は動けなくなった温客行に止めを刺そうとしたが、その時、周子舒(ジョウズーシュー)が駆けつけた。武功を取り戻した周子舒は一瞬で白衣剣を蝎王の首に突きつけた。微動だにできない蝎王、しかしどちらにしても薬人から逃げられないと笑う。「今日この場で死ぬのならお前も道連れだ…」「ふっ、2人は一蓮托生でも私を巻き込まないでくれ」蝎王は仕方なく2人を見逃すと強がり、その場から去って行った。蝎王は段鵬挙(ドワンポンジュー)と一緒に天窗(テンソウ)の報告を聞いた。悪鬼の遺体は全て回収、寒潭(カンタン)水牢にいた三鬼は成敗し、喜喪鬼(キソウキ)・艶鬼(エンキ)・食屍鬼(ショクシキ)は戦死だったという。蝎王は恩情をかけた千巧が死んだと知り、千巧の選択にいささか驚いた。「それから各門派の死体を収集中ですが、莫懐陽・范懐空・莫蔚虚(モーウェイシュー)が見当たりません」「莫懐陽の死体は鬼谷の外だ、范懐空は莫懐陽が殺している、莫蔚虚が行方不明だな」しかし蝎王は莫蔚虚など放っておけと言い放った。段鵬挙は薬人軍の威力に圧倒され、晋王もこれでたやすく大業を成せると喜んだ。しかも今回の正邪の戦で武林は大打撃、しばらく休養が必要になる。「これも毒菩薩が蝎王を紹介してくれたおかげだな」実は晋王は挙兵後、争いの絶えない掌門たちを始末するつもりだったが、一石二鳥になったという。結局、趙敬も利用したに過ぎないのだ。焦った毒菩薩は蝎王の顔色を伺ったが、蝎王は組み立てた琉璃甲を眺めながら次の手を考えていた。温客行はなかなか目を覚さなかった。するとふいに温客行の目から涙がこぼれる。温客行はその時、最後の挨拶に来た顧湘の夢を見ていた。周子舒は命の期限が迫っていた。そこで裏山にいる張成嶺(ジャンチョンリン)の元へ向かう。すると七爺(チーイェ)・景北淵(ジンベイユエン)と大巫(ダーウー)・烏渓(ウーシー)が顧湘と曹蔚寧を美しい場所に埋葬していた。「師父、七爺に尋ねられました、2人の墓碑に何と書けばいいのかと…」確かに顧湘はまだ婚儀を挙げておらず、正式な妻ではない。しかし周子舒は″曹夫人″と書いて欲しいと頼んだ。周子舒は温客行に酔生夢死(スイセイムシ)を飲ませて寝かせていた。「合わせる顔がない…成嶺、私に代わり老温の面倒を見てくれ、いいな?」「師父?どこへ行くつもりですか?」「…穏やかに暮らせると思っていたが、世をさすらうのが宿命らしい」しかし周子舒の様子がおかしいと気づいた烏渓がいきなり腕をつかんで脈を診てしまう。周子舒は慌てて手を振り払ったが手遅れ、烏渓は周子舒が釘を抜いてしまったと分かった。周子舒は英雄大会の前に釘を抜いていた。復讐を果たすためには武芸の腕前を回復しなければならず、大巫がくれた霊薬を飲んだという。「猶予は少ない、晋王が武庫を開けるのを阻止せねばならぬ…もう手遅れなのだ」しかしその時、張成嶺が神医谷の陰陽冊があると思い出した。「私の命を差し出します、陰陽冊を探しましょう!」「バカなヤツめ…ふっ、その気持ちだけで十分だ」つづく( ;∀;)ちょっと、アシャン殺すとかバカなの?www衝撃すぎてもう最終話どうでもいいんですけどwwww
2022.08.31
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第34話「赤い糸」ついに趙敬(ジャオジン)の悪事を暴き、制裁を下した温客行(ウェンコーシン)。しかし清風(セイフウ)剣派の掌門・莫懐陽(モーホワイヤン)が立ちはだかり、鬼谷(キコク)の谷主を成敗すると息巻く。そこへふらりと葉白衣(イエバイイー)が現れた。「温客行、なぜ掟を破った?陰と陽は永遠に交わらぬはずだったのに鬼どもを江湖に放つとは…」「罪を認めます」「よかろう、では罰を申し渡す…」すると葉白衣は青崖(セイガイ)山の封鎖と悪鬼たちの禁足を命じただけで丸く収めてしまう。莫懐陽はまさかの温情に動揺したが、少林寺と峨眉(ガビ)派が剣仙に賛同したため異論を挟む余地はなかった。こうして英雄大会は散会、そんな中、范懐空(ファンホワイコン)は帷帽(イボウ)で顔を隠した男が曹蔚寧(ツァオウェイニン)だと気づく。曹蔚寧は後ろめたさに苛まれながらも、顧湘(グーシアン)に急かされて大会をあとにした。温客行たちは賽君(サイクン)府に戻り、自分の計画に協力してくれた仲間たちと祝杯を上げた。何も知らなかったのは周子舒と顧湘たちだけ、実は周子舒が見た温客行の遺体は事前に準備した死体だったという。柳千巧(リウチエンチャオ)が死体に谷主の扮装をさせて滝の裏に隠してあったのだ。…温客行は鬼谷に戻る前、まず大孤山(ダイコザン)にいる張成嶺(ジャンチョンリン)と沈慎(シェンシェン)を訪ねたすでに温客行の正体を知っていた2人は憤慨していたが、全ての話を聞いた上で協力すると決める…こうして白鹿崖では沈慎の内応のおかげで趙敬は温客行へ近づくことができなかったという。…温客行は葉白衣にも接触していたこれまで恨みに取り憑かれ自暴自棄になっていたが、真の敵が分かり、堂々と一戦を交えて世に償いたいと訴える…するとさすがは葉白衣、見事、諍いを大団円に導いてくれた。温客行が趙敬に止めを刺さなかったのには理由があった。実は蝎王が取引に応じるにあたり提示した条件だったという。そこで温客行はかつて蝎王に操られて師匠を裏切ってしまった鄧寛(ドンクワン)を正気に戻す代わりに趙敬の命は奪わないと約束していた。温客行は周子舒の様子がおかしいことに気づいていた。恐らくまた勝手に行動した師弟に腹を立てているのだろう。周子舒もまさか釘を抜いてしまったとは言えず、人知れず悲しみをこらえていた。…天意は人を弄ぶ…老温は復讐を果たし、ついに平穏を得た…だが私に残された時間はわずかだ一方、屋敷に戻った蝎王は義父の身なりを整えてから膝を突き合わせた。「義父、言ったはずです、私を欺いてはならないと…」趙敬は必死に何か訴えようとしていたが、もはや声を失い、身体も動かない。すると蝎王はこれまでの鬱憤をぶちまけた。自分を愛してくれる者さえ謀で殺してきた義父、いずれ同じ運命が待っていると感じながらも、父子でいるために知らないふりを続けてきたという。そんな息子をまさか殺そうとするとは…。子の情から逆らわずにいたが、すでに天窗(テンソウ)も盟友であり、晋王さえ蝎王に敬意を払っていたという。「それなのにあなたは私を見下し軽んじた…つまらぬ雑魚のために私を殺そうとしたな!」蝎王は義父が得意の絶頂にいる時、自分の手で突き落とすため、温客行と組んだと暴露した。「いつどうやって引きずり下ろすか、全て私の意のままだと思い知らせるためだ!」興奮した蝎王は思わず義父の首に手をかけたが、ふと我に返って手を離した。「それでも私の義父だ、仕方がない、唯一の家族です 本来ならあなたのために天下を取ってあげるはずだった…それなのにあなたは選択を誤った ふっ、機会はあげたのです、何度も…裏切ったのはあなたの方だ」蝎王は義父に酒を飲ませ、息子としてしっかり仕えると安心させた。「見せてあげましょう、私が王に成り上がる手腕を… 気が向いたら晋王など殺し、皇帝になるのもいい、あなたを上皇にしてあげましょう これぞ真の大業というものです」張成嶺は隣で黙々と飲んでいる師匠に罰杯を迫った。「師叔の生い立ちや苦悩を私に黙っているとは…私と師叔の絆を信じられぬのですか?!」驚いた温客行はその罰なら自分も受けると席を立ち、罰杯を飲んだ。「阿絮(アシュー)、成嶺も成長したぞ?」実は温客行の仮死の計略が成功したのは成嶺の功績だった。成嶺は龍淵(リュウエン)閣のからくり術の糸口をつかみ、わずか数日で雨打芭蕉針(ウダバショウシン)の威力を大幅に弱めてくれたという。すると黙り込んでいた周子舒が急に立ち上がった。「俺の弟子が俺の与えた暗器で目の前でお前を殺したんだぞ?なぜ黙っていたんだ?!」しかしこの計画で一番肝心なのは用心深い趙敬の警戒を解くことだった。趙敬を信じさせるためには温客行が信頼する周子舒と顧湘を本当に悲しませる必要があり、何より治療中の周子舒に武芸を使わせたくなかったという。「老温、罰を受けるか?!」「受ける」「…では3壺、飲み干せ」周子舒の与えた罰で静まり返っていた酒宴に笑いが起こり、その日は皆が酔い潰れるまで飲んだ。温客行は泥酔して周子舒の部屋にやって来た。「まっとうに生きるのがかくも気が楽だとは…長かった半生で初めて味わう晴れやかな気分だ …今では目をつぶると父上や母上、師父の顔が見える、私に微笑んでくれるのが見える気がするよ」周子舒は酔い潰れた温客行を寝台に寝かせてやった。「阿湘を嫁がせたら以前、住んでいた家を探しに行きたい 怖くて一度も訪れることができなかった、でも今はお前がいる、一緒に行ってくれ」「はお、付き合うよ」急ぎ顧湘と曹蔚寧の婚礼が行われることになった。温客行は顧湘を鬼谷から嫁がせ、その後、封鎖するという。鬼谷に初めて足を踏み入れた周子舒は早速、独りで見物へ、すると顧湘はやはり主人と鬼谷に残りたいと言い出した。「嫁ぐのに実家に残るのか?」「嫁ぐのやめる!」顧湘はこれが主人との別れになると焦ったが、温客行は鬼衆を鎮めたら出てくると笑った。温客行は鏡湖(キョウコ)派を襲撃した悪鬼たちを寒潭(カンタン)水牢に閉じ込めていた。そこで張成嶺に復讐するか聞いてみたが、成嶺はこのままでいいという。「師父にも前を向けと言われたし、何より今日は湘姐(ジェ)の晴れの日だから…」成嶺は葉白衣から鬼谷が本来は堕ちた鬼を改心させる場所だったと聞いていた。その頃、葉白衣は容炫(ロンシュエン)の遺骨を両親の墓に葬るため、長明山に向かっていた。「天人五衰(テンニンゴスイ)か…」葉白衣は急激に増えてきた白髪に気付き、ついに江湖を去る時が来たと悟る。しかしその表情はどこか晴れ晴れとしていた。「天人なものか、生ける屍に過ぎぬ 長い歳月を生きてきた、死に向かい生きる日々の方がずっと味わい深い」顧湘は薄情司の娘たちと嫁入り道具を見に来た。温客行の希望通り、羅浮夢(ルオフーモン)と柳千巧は3本の通りを埋め尽くす行列ができそうなほど花嫁道具を揃えている。すると羅浮夢は自分がいては縁起が悪く、婚儀に参列はしないと告げた。「千巧姐が代わりに付き添ってくれるから…これは私からの贈り物よ」羅浮夢は師匠の形見であるかんざしを顧湘に譲るという。「私は身につけてないから大丈夫、師父は夫婦仲も良く、子や孫にも恵まれた人よ」「そんなこと気にしない!羅姨(イー)に付き添って欲しい!…私の婚礼を見て欲しいの!」「阿湘、心配しないで、羅姨には私がついてる、生涯お仕えするわ」千巧は聞き分けのない顧湘をなだめ、主人の代わりにかんざしを挿してやった。「千巧姐も谷を出ないの?于丘烽(ユーチウフォン)はもういいの?」「…于丘烽って?」顧湘は千巧が于丘烽を覚えていないことに驚いたが、そこへ温客行が現れ、何も聞けなかった。温客行は顧湘に大巫(ダーウー)から預かった赤い糸を贈った。「世に一対しかない霊力を秘めた赤い糸だ、これを着けた2人は何度、転生しても会える」 小曹はもう着けた、お前にも着けてやろう」一方、周子舒たちは新郎の部屋いた。すると周子舒は高崇(ガオチョン)が生前、娘の小怜(シャオリエン)を張成嶺の許嫁にしていたことを思い出す。「その気があるなら俺が話をつけるぞ?」「師父!やめてください!私にとっては姐も同然!私たちまで追い出すつもりですか?!」成嶺の思わぬ動揺に驚く周子舒、その時、身支度を終えた曹蔚寧が皆の元へやって来た。緊張のあまり喉が渇いた曹蔚寧はお茶をがぶ飲みしながら、やはり晴れの婚礼を師匠や師叔、兄弟たちに見て欲しいと吐露する。その時、成嶺が大事な伝言を思い出した。実は沈慎が師叔に婚儀の話を伝えたところ、師叔が掌門に上手く話しておくと言ってくれたという。「元気な子が生まれたら必ず顔を見せに来いって…」感激した曹蔚寧は思わず清風山の方向に向かって拝礼したが、思いがけず、清風剣派の一行が祝いに来ていると知らせが届いた。曹蔚寧と顧湘は温客行に清風剣派を招待して欲しいと頼んだ。掌門とわだかまりがある主人は難色を示したが、周子舒に泣きつき説得してもらう。「しがらみを忘れて祝いに来てくれたんだ…2人の願いを叶えてやれ」「…勝手にしろ!」「早く行ってこい」周子舒が2人を促すと、曹蔚寧と顧湘は喜んで迎えに出た。清風剣派の兄弟たちが贈り物を運び入れると、最後に莫懐陽が現れた。しかし師叔と大師兄の姿がない。ともかく曹蔚寧と顧湘は掌門の元へ駆けつけたが、莫懐陽は顧湘を無視した。「こいつがお前をたぶらかした妖女か?!」つづく( ๑≧ꇴ≦)そんなあぁぁぁぁぁ!阿湘!
2022.08.30
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第33話「選択の機会」蝎王は最後の望みをかけ、段鵬挙(ドワンポンジュー)に扮装した柳千巧(リウチエンチャオ)を義父の元へ送り込んだ。しかし結局、無慈悲な現実を突きつけられてしまう。「魔物は魔物で制するのが当然、戦が終わったらあなたを殺して毒蝎を再編するそうです 五湖盟のために手抜かりなく片をつけると…」それでも蝎王は趙敬(ジャオジン)にわずかでも息子への愛情があるとすがりたかった。「…何の迷いもなくそう言ったのか?それとも嘆いていたか?」「この期に及んでそれを尋ねて何になると?人の心を探るなどあまりに度を越していますっ!」蝎王は千巧に諫められ、ようやく踏ん切りをつけた。「博打に負けたものは必死に口実を作り、夢でも逆転を狙う…ふっ、私も俗人だったようだ 私はただ義父に機会を与えたかっただけ、自分にも機会が欲しかった…もういい」すると蝎王は奴蠱(ドコ)を消す解毒薬を2粒と抑制薬の処方箋を渡した。「于丘烽(ユーチウフォン)を自由の身にして欲しいのだろう? 解毒するか、抑制薬で永遠に服従させるかはお前に任せる、選択の機会を与えてやろう」蝎王は哀れな境遇の千巧を捨ておけず、最後に情けをかけた。千巧は監禁されている于丘烽の居所を訪ねた。そこで英雄大会の前に2人で駆け落ちしようと言ったが、于丘烽は蝎王の薬がなければ憤死してしまうと拒む。何より今度の鬼谷討伐で九死に一生を得る可能性があるからだ。千巧もようやく踏ん切りがつき、于丘烽に解毒薬を渡して別れを告げる。「それを飲んで白鹿鎮を離れて…」「…千巧?1粒だけか?お前は飲んだのか?」于丘烽が心配そうに解毒薬を差し出すと、千巧は思わず于丘烽に抱きついた。「その言葉ですべて報われたわ…烽郎、人生は長い、元気でね」すると千巧は思い出の扇子を破り捨て、出て行ってしまう。↓( ̄▽ ̄;)詩、詠んでる場合かっていう…w英雄大会当日、武林の大物たちが一堂に会し、盟主の選出が始まった。門弟たちが見守る中、沈慎(シェンシェン)は少林寺・慈穆(ツームー)大師を推挙、しかし大師は仏門に入ったため殺生を主導することはできないと辞退する。すると趙敬があえて清風(セイフウ)剣派の掌門・莫懐陽(モーホワイヤン)を推薦した。指名された莫懐陽は統率力や経験から趙敬こそ盟主にふさわしいと謙遜したが、やはり武芸の実力を考慮すべきだという。そこで腕比べを行い、勝者を盟主に選ぶのが公正だと提案した。趙敬と莫懐陽の手合わせが始まった。切れ者だが武功に劣ると言われている趙敬、しかしその腕前は驚くべき域に達し、手練れの莫懐陽がどんな技を繰り出しても勝負がつかない。そこへ突然、周子舒(ジョウズーシュー)が現れた。「笑わせるな!…古より武林の盟主は人徳と実力を兼ね備える、趙敬よ、お前には分不相応だ もとを正せばお前は下働きの息子 一人息子を失った太湖(タイコ)派の前掌門を義父と仰いだことで五湖盟の一員に成り上がっただけ その後、容炫(ロンシュエン)と交友を持ち、武庫を造ったな お前は武庫の完成後、義兄弟と容炫の腕比べに乗じて高崇(ガオチョン)の剣に毒を塗った 高崇に事実を誤認させ、容炫を害して正気を失わせたのだ 高崇は終生、後悔にさいなまれ、五義兄弟の絆もこれを機に途絶えてしまった 全てお前のせいだ! いくら腕が立つからと言ってこんな不義不忠の輩を武林の盟主に据えるつもりか?!」すると動揺した趙敬は思わず莫懐陽に暗器を放ち、墓穴を掘ってしまう。莫懐陽が趙敬の暗器で負傷、急に潮目が変わった。焦った趙敬は白鹿崖で温客行(ウェンコーシン)をかばった周子舒を鬼谷の一味だと糾弾、自分を罠にはめる気だと訴える。「ふっ…では手合わせ願おうか、俺は四季山荘の荘主・周子舒、ご教授いただきたい」周子舒は白衣剣を構えたが、その時、突然、死んだと思っていた温客行が現れた。「ちょっと待った~!俺も四季山荘の弟子だ!」死んだはずの鬼谷の谷主の登場にその場は騒然、周子舒も呆然としたまま動けなかった。すると温客行は舞台へ舞い降り、谷主とは同姓同名なだけで人違いだと涼しい顔で嘘をつく。むしろ卑怯な趙敬が群鬼冊を造り、自分を罠にはめた可能性もあるというのだ。そこで沈慎が真偽を確かめようと提案する。「ちょうど寝返った悪鬼が3人いる、谷主かどうか聞いてみれば良い…」無常鬼(ムジョウキ)・黒無常(コクムジョウ)・開心鬼(カイシンキ)がやって来た。すると蝎王が悪事から身を引いた3人だと紹介、舞台にいるのはかつての主人かと聞く。趙敬は息子の助け船に安堵したが、悪鬼たちは温客行を見知らぬ男だと否定した。( ꒪ͧ⌓꒪ͧ)え___蝎児___趙敬は息子の裏切りに呆然、そこで温客行は周子舒の元へ歩み寄り、白衣剣を貸して欲しいと頼む。「阿絮(アシュー)、あとで全て説明する」周子舒は黙って白衣剣を渡して舞台を降りた。すると温客行は父・甄如玉(ジェンルーユー)が得意だった剣法・秋明十八式(シュウメイジュウハチシキ)を披露、出自を公表する。にわかに信じられない峨眉(ガビ)派の掌門・智音(ジーイン)尼僧だったが、温客行は自分が夫妻の息子のために手作りの百家衣を贈ったと知っていた。しかし趙敬が公明正大な甄如玉から妖魔が生まれるはずないと言い放ち、これは温客行が仕組んだ離間策だと訴える。「大哥の高崇も鬼谷の策略にはまり、今も冤罪を晴らせずにいる! すでに4個の琉璃甲がこやつの手中に落ちた、残る1個も奪うつもりだろう」「黙れ!大哥の名を持ち出すな!恥知らずめ!」我慢の限界を超えた沈慎が怒号を響かせた。趙敬は愚策を思いつき、今度は沈慎を悪者にして逃げようとした。「沈慎…そうか、鬼谷と手を組んで大哥を殺しのはお前か…五湖盟の内通者はお前だったのか! 琉璃甲の秘密を漏らして泰山派の掌門を殺し、1人娘をさらって大哥を脅して屈辱を与え、 自害に追い込んだのか!お前こそ悪鬼だ!」まだ言ってる…(*´・ω・)(・ω・`*)ネー「デタラメよ!」そこへ顧湘(グーシアン)が高小怜(ガオシャオリエン)たちを連れてやって来た。高小怜は趙敬の過去を知っていた。30年前、太湖派の掌門・趙聞達(ジャオウェンダー)が子を失って伏せった時、趙敬は看病に精を出して取り入り、掌門の養子に収まったという。それからは誰もが知る通り、趙敬はとんとん拍子に成り上がった。「卑しかった頃の姿を知る父が邪魔だったのね? あなたの過去を知る者は全て惨殺されている、偶然とは言わせないわ!」「なぜ偶然ではないと?その目で見たのか?」しかし張成嶺(ジャンチョンリン)が証拠を持っていた。張成嶺は父が葉白衣(イエバイイー)宛に残した文を持って来た。文によれば20年前、容炫が正気を失ったのは趙敬のせいだったという。趙敬は腕比べで容炫が負傷すると踏み、高崇の剣に毒を塗っていたのだ。この期に及んでも趙敬はまだ自分を罠にはめるつもりだと抵抗したが、その時、小怜が思わぬ証人を紹介する。それは自害した高崇の大弟子・鄧寛(ドンクワン)だった。あの時、鄧寛は死んだと思われていたが、混乱の中で失踪していた。「趙敬が私を陥れた…師父…師父に申し訳ないことを…」鄧寛は趙敬に捕らわれ術により傀儡にされ、英雄大会で師匠を告発してしまったという。小怜は必死に大師兄を探し出して懸命に治療したものの、快復には程遠いと嘆いた。ついに趙敬の化けの皮が剥がれた。温客行は自らの手で両親の敵に制裁を加えながら罪を認めるよう迫ったが、趙敬は敗北ではないと強がる。むしろ自分が江湖に大波乱を起こし、思う存分、痛快に生きたと言い放った。「苛烈に死んでやるわ!…殺せ!私がもたらした暗闇の中で生きるがいい!ぶははは~!」趙敬は殺される覚悟で温客行に斬りかかったが、温客行は止めを刺さなかった。…ディエ、にゃん、師父、高盟主、阿絮、私が選んだ道は正しいか?趙敬は全身の筋脈を断たれ、倒れたまま動けなくなった。温客行は不安そうに周子舒を見たが、周子舒は安堵して微笑んでいる。すると蝎王が義父に薬を飲ませた。「義父、あなたは弁が立つ、あなたの言葉にほだされてしまう だから今後はしゃべらないでください」趙敬はてっきり傷薬だと思って飲み込み、声を失った。温客行は周子舒に白衣剣を返した。騙された周子舒は怒り心頭だったが、温客行は罰なら帰ってからにして欲しいという。「人生で今が一番、幸せなんだ」すると張成嶺が駆けつけ、久しぶりに3人揃って帰ることにした。しかし莫懐陽は鬼谷の谷主を見逃さない。「谷主、どこへ行く?…悪事を重ねた趙敬は当然の報いを受けた だが我々が集結したのは趙敬ではなく鬼谷を討伐するためだ」温客行は潔く自分が鬼谷の谷主だと認めた。そもそも鬼谷に入ったのは父がここにいる大勢の友人たちに裏切られた結果だという。しかし莫懐陽は甄如玉が落ちぶれたのは迫害されたからではなく、容炫の片棒を担いで武庫の秘密を隠したからだと言った。「だからお前を成敗する!」すると周子舒が白衣剣で温客行を制し、師弟を成敗するなら自分を倒してからだという。「出しゃばるな」その声は葉白衣だった。つづく(  ̄꒳ ̄)ここまで畳み掛けて来ると…ちょっと疲れるw
2022.08.25
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第32話「片翼の隻影」賽君(サイクン)府で周子舒(ジョウズーシュー)の治療が始まった。久しぶりに旧友と食卓を囲み上機嫌の周子舒、しかし顧湘(グーシアン)が身体のためだと酒を一滴も飲ませてくれない。そこへ張成嶺(ジャンチョンリン)の従者を任せた七爺(チーイェ)の侍衛・阿沁莱(アチンライ)が戻って来た。聞けば沈慎(シェンシェン)から温客行(ウェンコーシン)が鬼谷の谷主だと聞かされた後、成嶺が激怒して号泣し、阿沁莱に暇を出したという。周子舒は温客行と一緒に張成嶺を訪ねることにした。そこでまず鬼谷へ向かった温客行を追いかけることにしたが、大巫(ダーウー)・烏渓(ウーシー)が念のため霊薬を持って行けという。「仲立ちに行くだけだ、老温は荷物を取りに行ったが、戻ったら俺と共に隠居すると約束している」「いいから万一に備えて持っていろ、どんな重傷を負っても5日間は命を延ばせる」周子舒は縁起でもないと呆れて出かけたが、道中に立ち寄った茶屋で思わぬ話を耳にした。「鬼谷の谷主が白鹿(ハクロク)崖に追い詰められた!見物したいなら急げ!」その頃、白鹿崖では温客行が孤軍奮闘していた。谷主を追い詰めるのは趙敬(ジャオジン)率いる武林の門派、毒蝎、裏切り者の悪鬼たち、その中に張成嶺の姿もある。そこで温客行は首から下げていた鍵を引きちぎり、これさえあれば武庫を開けられると挑発した。「私を殺せばこの鍵が手に入るぞ?」すると成嶺が一門の敵を討つと怒号を響かせた。温客行は怒りに震える成嶺の姿に胸を痛めながら、確かに張玉森(ジャンユーセン)は無実だったと認める。「成嶺よ、報復のために私を殺せ!…もう疲れた、お前には抵抗しない」しかし沈慎が成嶺を制止し、魔王の罠だと言った。「嘘ではない!成嶺!お前には手出しせぬ!」「お前は嘘つきだ!温客行…よくも師父を欺いたな?!私は、私は、ワナ::(`・ω・´)::ワナ」ついに温客行と成嶺が離間、期待通りの展開に趙敬は満足していたが、そこへ周子舒が駆けつけた。「私は欺かれてなどいない!」周子舒は温客行の隣に立ち、高みの見物をしている趙敬に白衣剣を向けた。その時、葉白衣(イエバイイー)が現れる。「…温客行、言ったはずだぞ?再び江湖で相見えた時は命をもらうとな」「はぁお、お手並拝見だ」温客行と葉白衣の戦いが始まった。周子舒は助太刀しようとしたが、悪鬼に邪魔されてしまう。その時、張成嶺が制止を振り切って崖下に飛び降りた。するとちょうど温客行と葉白衣の掌と掌がぶつかり合い、激しい水しぶきが舞い上がる。成嶺はその隙に温客行めがけて暗器を放った。温客行の胸に張成嶺の暗器が命中、温客行は谷へ転落した。「老温!」すると周子舒は迷わず温客行を追って飛び降りてしまう。しかし葉白衣が駆けつけ、周子舒を助けた。周子舒が目を覚ますと平安客桟の部屋だった。あれは悪い夢だったのか。しかし階下に降りてみると、武林の客たちが嬉しそうに鬼谷の谷主が成敗されたと話している。(´゚ω゚):;*.’:;..ブハッ!周子舒は衝撃のあまり喀血、慌てて客桟を飛び出した。一方、趙敬は勝利を祝って酒席を設け、葉白衣を歓待した。しかし葉白衣は酒宴が苦手だと断り、早々に退散してしまう。上機嫌の趙敬はついに蝎王を自分の愛息子だと公表、これまで毒蝎を蔑んで来た侠客たちも態度を一変させ、温客行を誘き出してくれた蝎王の功績を称えた。顧湘(グーシアン)は岳陽(ガクヨウ)へ張成嶺を探しにやって来た。しかし中庭で清風剣派の師叔・莫蔚虚(モーウェイシュー)に見つかり、剣を突きつけられてしまう。すると曹蔚寧(ツァオウェイニン)が現れ、将来の妻に手を出すなとかばった。「殺すなら私を先に殺してください!」弟子の裏切りに怒り心頭の莫蔚虚、その時、阿湘が涙ながらに温客行の生死を確かめた。「本当に私の主人・温客行は死んだのですか?」同じ頃、艶鬼(エンキ)・柳千巧(リウチエンチャオ)は裏山の小屋で冥銭を燃やしていた。そこへ周子舒が舞い降りて来る。「温客行は中か?」小屋の中には美しい寝顔の温客行が横たわっていた。同じ頃、岳陽派では鬼谷の間者が現れたと聞いた弟子たちが一斉に捜索を始めた。莫蔚虚は弟子を売り渡すこともできず、仕方なく清風剣派の居所から飛び出す。<師叔!刺客を見ませんでしたか?柔らかい剣を持っていました<向こうだ顧湘は周子舒が来たと気づき、師叔が弟子を足止めしてくれているうちに脱出した。周子舒は温客行の亡骸を目の当たりにし、小屋の前から動けなかった。すると続々と岳陽派の弟子が駆けつけ、囲まれてしまう。その時、曹蔚寧の声が聞こえた。「阿湘!こっちだ!」焦った周子舒は咄嗟に燃えている冥銭をひっくり返し、小屋に火を放って逃げた。周子舒が脱出すると、ちょうど山小屋に向かっていた顧湘と曹蔚寧に出くわした。「ゥッ…主人はどこ?…阿絮(アシュー)?主人はどこにいるの?!」顧湘は泣きながら周子舒に食いかかったが、曹蔚寧が引き離した。「谷主が成敗されたと白鹿鎮で聞きました、本当ですか?!」「…運び出せず、火を放った」「嘘よ!…主人を探すわ!」しかし顧湘は衝撃のあまり卒倒してしまう。すると周子舒は中原にいては危険だと警告した。そこで四季山荘の弟子たちも一緒に連れて七爺(チーイェ)たちと南疆(ナンキョウ)へ逃げるよう頼み、独りで消えてしまう。周子舒は白鹿崖でひとり酒をあおり、温客行との思い出に浸った。「長年かけた陰謀だろう?…結末を見届けぬのか?」すると周子舒は大巫がくれた霊薬を飲み、七竅三秋釘(シチキョウサンシュウテイ)を身体から取り出すと決める。「″知己に逢えば山河も重からず″…知己は逝った、玉砕しよう」岳陽派では明日の英雄大会を前に五湖盟に帰順する門派の掌門が集まっていた。大会では武林の盟主が選ばれ、これを機に鬼谷を撃破して江湖から害悪を除くという。すると掌門たちは趙敬の指揮のもと三千の悪鬼を跡形もなく消し去ろうと奮起、事実上、趙敬が武林の盟主であると認めた。一方、葉白衣はひとり龍背(リュウハイ)剣を相手に酒を飲んでいた。魔匠と呼ばれた容長青(ロンジャンチン)が自分のために作った龍背剣、思えば長年2人で山上にこもり、王朝が代わろうとも老いは感じなかったと懐かしむ。「だが下山して青二才どもに会って気づいたぞ?…私は老人だとな 長青、お前は独りよがりの愚か者だ、鬼谷や孟婆湯(モウバトウ)が何だ! お前は悪人に改心する道を与えようとした、だがお前の活路は?!」容長青は鬼谷の守り神となって妖魔を制圧するため六合心法を修練した。しかし心を砕いてみたところで報われるわけではない。「お前に約束した、内情を明かして鬼谷を滅ぼすと…だが告げることができなかった 容炫(ロンシュエン)が青崖山で死んだと…それにもう1人の若者も巻き添えになったのだ だがその若者の息子は鬼谷の谷主になった…生き残ったのがお前だったらどうしていた?」蝎王は最後の決断を下す前に義父の真意を探ることにした。そこで段鵬挙(ドワンポンジュー)に紛争した柳千巧を送り込む。千巧は天窗が毒蝎と手を組むことはできないと揺さぶりをかけ、趙敬が野心と息子のどちらを選ぶか迫った。蝎王が裏山で待っていると千巧がやって来た。千巧は人の心を探るのは禁忌だと断り、真実を告げる。つづく(  ̄꒳ ̄)ってそこで脱ぐ必要あったのか・・・
2022.08.24
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第31話「不肖の二番弟子」蝎王は義父の仕打ちに憤り、根城に戻って悶々としていた。すると今月分の解毒薬をもらうため無常鬼(ムジョウキ)たちが現れる。蝎王は柳千巧(リウチエンチャオ)に薬を与えるよう命じたが、その時、開心鬼(カイシンキ)が顧湘(グーシアン)と曹蔚寧(ツァオウェイニン)を連行してきた。この顧湘こそ谷主が唯一、信頼している侍女だという。「こいつに聞けば奴の居所が分かりますぜ!」「まあ焦るな、千巧、紫煞(シサツ)の縄を解いてやれ」掌門・莫懐陽(モーホワイヤン)のおかげで清風剣派は無事に解放された。しかし范懐空(ファンホワイコン)は掌門が鬼谷と結託している趙敬(ジャオジン)と手を結んだとことに憤りを隠せない。莫懐陽はあくまで表面上の関係だと釈明し、掌門として流派を継承するための計画だと教えた。実は高崇(ガオチョン)の冤罪を晴らすには琉璃甲を持っているだけでは無力なため、次の英雄大会で武林の盟主の座を得て鬼谷を滅ぼし、もっと力をつけたいという。范懐空は掌門の考えを知って誤解したことを謝罪し、これからも共に歩むと決めた。一方、段鵬挙(ドワンポンジュー)は晋(シン)王の命令で周子舒(ジョウズーシュー)を始末できず、苛立ちを募らせていた。しかし畢長風(ビーチャンフォン)の弟子・畢星明(ビーシンミン)たちが周子舒の脱獄を企てていると知る。実は晋王は周子舒だけでなく、古参の弟子たち全員に見張りをつけていた。そこで段鵬挙はあえて周子舒を逃亡させ、追跡中に誤って殺したことにしようと思いつく。畢星明たちは何も知らず周子舒を奪還、馬車にかくまって逃げ出したが、郊外に出ると突然、段鵬挙率いる天窗(テンソウ)が立ちはだかった。四季山荘の兄弟たちが残した若い弟子たちは命をかけて荘主を守ると決めた。その時、紅い衣装に身を包んだ温客行(ウェンコーシン)が颯爽と現れ、弟子たちを避難させる。段鵬挙はその武功の高さにひるみ、ひとまず剣を納めた。「名を伺おうか」「ウェン…シャンプーじゃない、温客行だ」「(はっ)鬼谷の谷主か…」(  ̄꒳ ̄)<秘密なのに~大声で言われると困るな~wすると馬車から手負いの周子舒が出てきた。周子舒は張成嶺(ジャンチョンリン)が心配だったが、すでに安全な場所へ避難させたと知り、これで気兼ねなく戦えるという。そう思った矢先、林の中から不気味な笑い声が聞こえて来た。(」゚ロ゚)」<死ね死ね団のみなさん!やっちゃってください!段鵬挙は悪鬼たちの来襲に驚き、慌てて撤収した。周子舒は温客行が悪鬼を引き連れ助けに来ても驚いた様子はなかった。そこへ避難していた弟子たちが戻り、周荘主に拝礼する。「弟子・畢星明が拝謁します」「弟子・程子晨(チョンズーチェン)です」「弟子一同よりご挨拶を!」温客行は韓英(ハンイン)から死に際に皆を託され、自分の一存で門徒として迎えたと説明した。皆を四季山荘に入れるのが韓英の最期の願いだったという。すると温客行も周子舒の前でひざまずき、拝礼した。「四季山荘の不肖の二弟子・温客行が荘主にご挨拶します」感激した周子舒はそっと温客行の頭に手を置き、亡き師匠が喜んでいると思うと目頭が熱くなった。顧湘と曹蔚寧は賽君(サイクン)府で七爺(チーイェ)たちと合流、主人の帰りを待っていた。そこへ周子舒を奪還した温客行が帰ってくる。( ๑≧ꇴ≦)ノ″<主人~っ!病鬼も無事ね?周子舒はなぜ顧湘たちがいるのか分からなかったが、顧湘は話せば長いと言った。そこへ幼なじみの景北淵(ジンベイユエン)と大巫(ダーウー)・烏渓(ウーシー)が現れる。「子舒、久しいな…変わりはないか?」温客行たちは回廊で周子舒の診察が終わるのを待っていた。すると七爺が沈慎(シェンシェン)の元へ送り届けた張成嶺を呼び戻すかどうか聞いてみる。しかし温客行が何か言う前に寝殿から烏渓が出て来た。誰もが固唾を飲んで大巫の言葉を待ったが、顧湘は我慢できずに聞いてしまう。( ゚д゚)<大巫?!助かりますか?(  ̄꒳ ̄))コクリ四季山荘はひとまず再建するまで門徒たちと七爺の屋敷で世話になることになった。畢星明の話では温客行が韓英の残した印章で弟子たちに連絡をくれたという。すると温客行が呼び方が違うと指摘した。「師父と師叔だろう?」周子舒に訂正された畢星明は慌ててその場で拝礼しようとしたが、止められてしまう。「慌てるな、大師兄(張成嶺)が戻ったら正式に弟子入りの拝礼をする」孤独だった周子舒は不思議な縁で成嶺と出会い、師弟と再会を果たし、気がつけば19人も弟子が増えていた。温客行は弟子たちを下げると、自ら周子舒の髪を梳いた。「私が助けに来た時、驚かなかったな?」「いつどうやってかは分からずとも信じていた、お前は必ず来てくれると…」すると温客行は自分のかんざしをはずし、周子舒の髪に挿した。一方、涼亭では北淵と烏渓が顧湘と曹蔚寧の駆け落ち話に興味津々だった。顧湘の話では曹蔚寧が江湖の掟より自分を優先してくれたという。あの夜、曹蔚寧はこっそり清風剣派を飛び出し、顧湘がいる小院に駆けつけた。師叔の話では師匠が五湖盟と手を結んだという。趙敬は七大流派と再び英雄大会を開くらしい。しかも鬼衆まで趙敬に寝返ったというのだ。「師父には深い考えがあるから聞くなと言われた…でも絶対に何かおかしい」曹蔚寧は何もかも信じられなくなり、顧湘と駆け落ちして江湖から身を引くと決めた。北淵と烏渓は確かに良い話だと喜んだ。まさか趙敬と莫懐陽が早くから結託していたと知らず、無駄骨を折った蝎王はさぞ腹を立てただろう。すると北淵は駆け落ちしながらなぜ鬼谷に捕らわれ、その後、ここへ来たのかと首を傾げた。(Ŏ艸Ŏ)ウッ…顧湘が慌てて口をふさぐと、曹蔚寧が温客行から口止めされているため答えられないと教えてくれる。「だけど阿湘、やっと周兄と再会できたのに温兄はなぜ鬼谷に戻るんだ?」「谷主を辞めるの、羅(ルォ)姨(イー)も心配だし…」「でももうすぐ群雄が青崖(セイガイ)山に集結するぞ?」「ゲフンゲフン!薄情司さえ無事なら関係ないわ~ゲフンゲフン!」顧湘は慌てて咳払いすると、曹蔚寧は喋り過ぎたと気づいて口を閉じた。顧湘はわざと鬼衆に捕まり、主人と蝎王を引き合わせた。しかし実のところ密約の詳しい内容までは知らない。「主人、やっぱり鬼谷に帰るのはやめてください、薄情司だけ守れればいいでしょう? 悪鬼たちは蠱毒を飲まされて、薬欲しさに蝎王に尻尾を振ってたんですよ? でも主人と蝎王の密談の後、なぜ悪鬼たちはまた味方になったんですか?」すると温客行は終わってからゆっくり話すとなだめ、周子舒には決して蝎王との取引を教えるなと釘を刺した。「主人、必ず無事に戻ってくださいね」「私を信じろ…蝎王には負けないさ」一方、張成嶺は不甲斐ない自分に苛立ち、飲まず食わずで鍛錬に明け暮れていた。見かねた高小怜(ガオシャオリエン)は成嶺を止め、身体を痛めては元も子もないと訴える。そこへ沈慎が現れ、成嶺に文を渡した。…群鬼を除き山河を清める、15日に白鹿(ハクロク)鎮にて…白鹿鎮は青崖山のすぐ外側で、鬼谷の初代谷主である魔匠・容長青(ロンジャンチン)の墓があるという。沈慎は正直なところ関わりたくなかったが、成嶺の考えを聞くことにした。「成嶺、お前はどうしたい?」その夜、鬼谷に戻った温客行は珍しく不安を感じていた。何も恐れることなどなかった残忍な谷主、それが思いがけず人の道に戻ろうとしている。温客行は深いため息をついて目を閉じると、誰かがくしを取って谷主の長い髪を梳かし始めた。「阿行(アシン)…なぜ戻って来たの?去っても良いのに…」喜喪鬼(キソウキ)・羅浮夢(ルオフーモン)は8年ぶりに谷主を名で呼んだ。羅浮夢は蝎王が使った酔生夢死(スイセイムシ)で孟婆湯(モウバトウ)の効き目が消えたと教えた。「あの時、神医(シンイ)谷でご両親は私を手厚く看病し、心を慰めてくれました …それなのに私は2人を助けられなかった あなたをやっとの思いで救ったけれど、十分に世話もできなかった」「羅姨、あなたへの恩義は決して忘れない…」温客行はこれまで孟婆湯でも両親を殺された恨みは消せないと思い込んでいた。しかし孟婆湯が消す記憶は一番の執着、実は温客行が執着していたのは間接的とは言え両親を殺したのが自分だという事実だったという。谷主の座について8年、確かに両親の敵を討っても痛快さはなく、わけもなく焦りが募るだけだった。これも敵を全て殺していないせいだと誤解し、温客行はある計略を巡らせたという。「最初の一手が何だったか知っているか?吊死鬼(チョウシキ)に罪を着せた」温客行は元から琉璃甲など持っていなかった。そうとは知らず琉璃甲を盗んだと勘違いした吊死鬼は鬼谷を脱出、温客行に殺されてしまう。温客行は鬼衆にわざと江湖で琉璃甲の消息を流させた。そうすれば琉璃甲欲しさに人の顔をかぶった正道派の″鬼″たちが必ずやって来る。当時は自分の計略のせいで無辜の命が失われることなどどうでも良かった。しかし後になってある人物と再会し、恨みと貪欲さが自らを牢獄に閉じ込めると知ったという。「羅姨、蝎王との協力は互いの利のためだ… 明日にはあなたと千巧(チェンチャオ)の蠱毒を解かせる、薄情司の娘たちと鬼谷から出ろ」「…あなたが恨みから解き放たれたなら祝福するわ あなたは心を決めた、私も自分の選択をする、私はこの鬼谷で永遠に苦しみに耐えて生きて行くわ」すると羅浮夢は出ていった。つづく( ;∀;) イイハナシダナーでも自分で蒔いた種だしね〜二師兄、どうするつもりだろう?
2022.08.23
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第30話「清算できぬ恩怨」蝎王は薬人(ヤクジン)を操って清風(セイフウ)剣派を襲ったが、琉璃甲(ルリコウ)は見つからなかった。恐らく掌門・莫懐陽(モーホワイヤン)が持っているはず、どちらにしても裏山で籠城する門徒たちがいる限り戻ってくるだろう。一方、曹蔚寧(ツァオウェイニン)は温客行(ウェンコーシン)の正体を知ったものの、顧湘(グーシアン)を追及できずにいた。すると気まずい雰囲気に耐えられなくなった顧湘が重い口を開く。「本当に私が青崖(セイガイ)山の鬼だったらどうする?…あなたを騙していたら私を殺す?」「君が鬼谷の間者で、仲間を引き入れ、同門や聖山を滅ぼしたなら必ず君を殺すだろう でも阿湘、私は君を片時も裏切らないと誓った、君を殺したら私もすぐ後を追う 手を取り合い共に生まれ変わるんだ、私を信じてくれ、来世では必ず私が君を守るよ」顧湘は曹蔚寧の深い愛情に感激し、正直にこれまでの経緯を話し始めた。「主人は鬼谷の谷主だけど、善人になると決めたの…あ!違う!本当は善人なの、復讐のためよ! 琉璃甲は必要ないし、清風剣派は敵じゃな…ぁ、まず私が幼い頃に鬼谷で育ったことから話すわ」顧湘は物心ついた時から鬼谷にいた。当時、主人はまだ少年で老谷主の下僕だったという。…主人は私を川で釣り上げたから湘と名付けたと言ってたでも本当は老谷主が魔の修練のためにさらった子供たちの1人だったの主人が命乞いして私だけが助かった鬼谷の子供は歩く頃には人を殺せようになるわ世の中は弱肉強食が当たり前だと思っていたけれど、主人は違う世界があると教えてくれた私は迷い込んだだけだから、いつか人の世に戻してやるってそれから主人は血で血を洗う反乱を起こし、老谷主に取って代わったの元の十大悪鬼を全員殺し、数年かけて顔ぶれを刷新したわ当時の私は単純に主人が谷主になったと喜んでいたでも主人が言ったの、計画が整ったから人の世に連れて行くって…そんなある日、吊死鬼(チョウシキ)が鬼谷から逃亡、盗まれた琉璃甲を取り返すという名目で温客行の復讐が始まった。しかし曹蔚寧はなぜ老谷主が自分を恨むと分かっていながら温客行を育てたのか腑に落ちない。顧湘は鬼谷に入る者は皆、老婆湯(ロウバトウ)という薬を飲んで今生で最大の執着を忘れると教えた。鬼衆は温客行も両親の死の記憶を失ったと思っていたが、主人はその強靭な意志で恨みを心の奥底に封じ込めていたという。その頃、ようやく温客行が目を覚ました。安堵した張成嶺(ジャンチョンリン)は七爺(チーイェ)・景北淵(ジンベイユエン)と大巫(ダーウー)・烏渓(ウーシー)を紹介、ようやく周子舒(ジョウズーシュー)が天窗(テンソウ)に連行されたと知る。一方、周子舒は厳戒態勢の中、晋(シン)王に謁見していた。段鵬挙(ドワンポンジュー)は念のため周子舒に何日も軟筋散の香を嗅がせ、剣を握る力さえ奪ってある。すると晋王は周子舒から取り上げた白衣剣を眺めながら、配下たちを全て下げた。晋王は思い出深い酒を自ら注いだ。「約束したであろう?10年経ったら同じ顔ぶれで中庭に集い、この酒を開けて飲もうと…」「同じ顔ぶれ?…もうどこにもいません、允行(ユンシン)は辺境へ赴き、青鸞(ジンルワン)は自ら命を絶った 七爺はあなたに毒を盛られ、九霄(ジウシャオ)は戦死した あの時、中庭にいた者で残ったのは私とあなただけ…」「我々のような立場にいると恩讐が複雑に絡み合うものだ」晋王は岳陽(ガクヨウ)に現れた周子舒が武芸も衰えず元気だったと知り、やはり七竅三秋釘(シチキョウサンシュウテイ)に細工していたと気づいたという。しかし周子舒は細工など不可能だと失笑、本来の方法を変えて7本の釘を3ヶ月ごとに1本ずつ打ち込んだと説明した。釘は肉体の中で徐々に血脈と融合して行くため、しばらく話すことや動くことができるが、待っている結果は同じだという。「七竅三秋釘は私が定めた刑です 兄弟たちに苦しみを与えながら自分1人が例外ではあの世で顔向けできません」晋王は周子舒がなぜそこまで己を痛めつけるのか分からなかった。「戦いに犠牲はつきものだ!…犠牲を払ったのは何のためだ? この腐り切った乱世を余はもう少しで焼き尽くす、なぜ余に仕えぬ?」 「…では韓英(ハンイン)は?」「韓英?…韓英など卑しい孤児で皇帝の奴隷に過ぎぬ だがあの愚か者が罠にかかったおかげでそなたを早く探し出せたがな~わははは~」「…王爺、私はもう16歳の少年ではない、あなたの言う太平の世は私には見えません 命ある者たちが私のために死に、その魂が日夜、肩にのしかかるだけ…」すると激怒した晋王が机を叩いた。「(バン!)太平の世には血の洗礼が必要だ!大義のための犠牲だ!」「大義だと?!(ウリャー!)あなたの野心のためだ!」周子舒は激情に駆られ、机をひっくり返した。「四季山荘を燃やしたな…」「そなたは最後に戻ると思った、快く迎えるつもりだったのに… 余はずっとそなたを知己だと思っていた」「私が知己だと?…バカめ!」「何を?!」晋王は思わず手を振り上げたが、動けないはずの周子舒に突き飛ばされ、白衣剣を奪われてしまう。「誰かぁぁぁぁぁぁぁ!」段鵬挙が天窗を率いて殿内になだれ込んだ。すると周子舒が晋王の首に白衣剣を突きつけている。「…軟筋散に細工をしたな?そうか、まだ天窗に間者がいたか」「王爺、それは違う…天窗に私の配下がいれば安心して離れられるはずがない ƪ(˘⌣˘)ʃ ヤレヤレ~言ったでしょう?私は七竅三秋釘を違う方法で打っただけだと… 私はすでに味覚と臭覚を失った、どんな香も効きません」周子舒は初めから生きて帰れるなどと思っていなかった。しかし晋王のこと、自分を殺すにしても必ずその前に2人だけで話すはずだと考えたという。「さすれば必ず殺せると…」「そなたは逆臣の息子なのに全幅の信頼を寄せ、命を託した… 九霄の死で意気消沈し去った時も受け入れ、主君を欺いたと知った時さえ殺さなかったのに… そなたに良心はないのか?!」「…王爺、″我々のような立場にいると恩讐が複雑に絡み合う″でしょう? あなたは兄弟たちを利用するだけ利用し、そのあと追い詰めて殺した!」すると周子舒は最後に晋王に一撃を放ち、おとなしく天窗の手に落ちた。蝎王たちは清風剣派が籠城している洞窟の前に陣取り、諦めて出てくるのを待っていた。すると黒無常が駆けつけ、莫掌門が戻って来たと報告する。「それにもう1人が…」実は莫掌門が助けを求めたのは趙敬(ジャオジン)だった。「義父…」「この馬鹿者!」趙敬は莫掌門の手前、蝎王を思い切り引っ叩いてしまう。清風派は無事に解放、顧湘は咄嗟に物陰に隠れて無事だった。一方、趙敬は蝎王たちを撤収させ、莫掌門と2人だけになってから謝罪する。清風剣派には近づかないよう命じていたが、蝎王には自分たちの同盟をまだ秘密にしていたという。しかし莫懐陽は趙敬が蝎王に罰を与えたところで、奪われた20名以上の命の償いにはならないと落胆した。するとわざわざ3つの琉璃甲を出して見せる。「…すべきことは分かっているはずだ」「分かっている…事が成った後に私の手で息子の首を届けよう…」晋王は激しく血を吐いて倒れながらも、周子舒を決して殺してはならないと命じた。納得がいかない段鵬挙だったが、仕方なく頑丈な鉄鎖がついた鉤針で周子舒の両肩を突き刺し、拘束する。実は周子舒が放った掌は″凌寒暗香勁(リョウカンアンキョウケイ)″という四季山荘の術で、治せるのは四季山荘の武芸を引き継ぐ周子舒しかいなかった。段鵬挙は何とか周子舒を打ち負かしたいが、周子舒は鼻で笑う。「私はどうせ残り少ない命だしな…いずれにせよ損はしない」つづく( ;∀;)阿湘!良かった〜曹大哥が良い人すぎるもう阿湘が幸せならいいわ〜って本題がどうでも良くなっちゃってるw
2022.08.23
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第29話「花は常にあり」周子舒(ジョウズーシュー)は大巫(ダーウー)なら韓英(ハンイン)を救えると考え、急いで平安銀荘に向かった。しかし店の戸は固く閉じられたまま、何度、呼びかけても返事はない。その頃、四季山荘では温客行(ウェンコーシン)が自分の内力を使って韓英の命を繋いでいた。「温公子…いくら内力が強いとは言え、無尽蔵ではありません あなたが内傷を負ったら責任が取れない…」「余計な気を回すな、お前が死ねば阿絮(アシュー)が生涯、悔いを残す」温客行は心の傷になるのは秦九霄(チンジウシャオ)だけで十分だと言った。師叔を心配した張成嶺(ジャンチョンリン)は治療を代わると申し出たが、温客行はその粗末な内力では役に立たないという。「今後は師父に甘えて鍛錬を怠けるんじゃないぞ?…ゼエゼエ」「…君が荘主の弟子に?」韓英は成嶺が弟子入りしたと知って羨ましがり、例え1日でも弟子になれたら本望だと漏らした。「韓大哥、快復したら師父に弟子入りしましょう 私の師兄となり、四季山荘に住んで一緒に鍛錬し、田畑を耕すんです」すると外から何やら物音が聞こえ、成嶺は独りで様子を見に行った。一方、大巫を探し回っていた周子舒は偶然、滑空する機関雀を見かけた。さらに背後から天窗(テンソウ)の天灯が上がるのを目撃、慌てて四季山荘へ戻る。すると正門の前で陣を組み、降り注ぐ矢から身を守っている天窗が見えた。…段鵬挙(ドワンポンジュー)か、老温(ラオウェン)が応戦しているようだ、そうか、奴は私を待っているんだ…周子舒はこっそり山荘へ入った。すると張成嶺が中庭で二十八宿の陣形を使い、独りで山荘を守っていたと知る。「お前が攻撃を?…よくやったな」周子舒は安堵して急いで殿内に駆けつけると、温客行がまだ韓英を必死に救おうとしていた。「老温?俺だ、戻った…もう韓英を放せ」「だめだ!手を離したら死んでしまう!」「…もう死んでいる」温客行は急に我に返り、崩れ落ちるように座り込んだ。「阿絮…韓兄弟は自分に構わず成嶺を連れて逃げろと言ったんだ できないと拒んだら韓兄弟は…自ら心脈を断った…私のせいだ… 私が偽物の琉璃甲で世間を混乱させなければ韓英は…韓英は…犠牲にならずに済んだのに… 私が悪い、私が全て悪いんだ」温客行は急に両親の最期の姿を思い出し、取り乱しながら卒倒してしまう。温客行は韓英のために内力を使い切り、魔道に落ちた。このままでは武芸を失うか、最悪の場合、気が触れて死んでしまう。「成嶺、話がある」「何も言わないでください!最後に見た父と同じ表情です…僕も一緒に死にます!もう逃げない!」そこで周子舒は従兄弟である晋(シン)王が自分を迎えに来ただけだとごまかし、温客行を助けるのが先決だとなだめた。「秘密の部屋に隠れるんだ、師父の代わりに師叔を守ってくれ…いいな?」一方、顧湘(グーシアン)は清風(セイフウ)山で曹蔚寧(ツァオウェイニン)と仲睦まじく過ごしていた。しかし曹蔚寧は顧湘がふとため息を漏らす度、何か悩みがあるのではと不安になる。顧湘はこんな穏やかな日々に慣れていないせいだと笑ったが、いつか優しい皆が消えてしまいそうだと漏らした。「縁起でもない!…ずっと君のそばにいるよ!」2人は見つめ合い、自然と顔を近づける。その時、山頂から鐘が鳴り響いた。曹蔚寧は敵が攻めて来た合図だと慌てたが、顧湘が不気味な足音に気づく。「はっ!毒蝎の薬人(ヤクジン)よ!」周子舒は山荘の正門から堂々と姿を現した。抵抗する気は毛頭なかったが、段鵬挙は念のため周子舒の身体に七竅三秋釘(シチキョウサンシュウテイ)が打ち込まれているか確認し、ようやく安堵する。しかし周子舒を乗せた護送車はなかなか出発しなかった。その時、四季山荘から火の気が上がる。実は晋王は周子舒が旧知に未練があるなら始末し、故郷を離れ難いなら破壊するよう命じていた。周子舒は膝をつかんで怒りを堪え、今はただ温客行たちの無事を祈るしかない。「″四季 花は常にあり 天下の事情を知り尽くす″…」かつて晋王に身を寄せた時、周子舒は自分の部隊に″天窗″という名称を賜りたいと申し出た。自分の能力は限られており偉業は成せないが、我が身を賭してこの悪世に光をもたらすことで先達の教えを全うできるという。晋王はまさに暗黒の乱世に光を入れる″天窓″だと喜び、いつの日か光を遮る者たちを一掃すると奮起した。それから天窗は10年も殺戮を続けることになる。天窓を開けさえすれば光が差すと信じていた周子舒、一体、長年、何を追い求めて来たのだろうか。その頃、薬人の襲撃に遭った清風山では范懐空(ファンホワイコン)が門弟たちを連れて裏山の洞窟に避難していた。そこへ曹蔚寧と顧湘が逃げ遅れた蔚藍(ウェイラン)たちを連れてやって来る。范師叔は顧湘たちが無事だと知って安堵したが、薬人に襲われ毒に当たっていた。そこで顧湘は解毒薬を渡し、三屍毒(サンシドク)に効果があると教える。「主人の友人が作った薬です、血の色が赤黒くなったら解毒できた印です」范師叔は感謝し、門弟たちに配った。「阿湘、君の主人はあの化け物と戦ったことが?」「ええ、何度か遭遇しています、化け物は蠱(コ)術により半生半死になった人間です 怪力で痛みを感じず、爪に毒を持っています」驚いた范師叔は鬼谷(キコク)の凶行に憤った。実は昨夜、悪鬼たちの奇襲があり、掌門・莫懐陽(モーホワイヤン)が撃退したという。掌門たちは対策を練ることにしたが、今度はあの化け物が山へ攻め込んできたのだ。「まさか鬼谷が死ね死ね団を養成していたとは…」曹蔚寧はふと莫掌門の姿がないことに気づいた。聞けば掌門は門弟たちを逃して単独で薬人たちに突入したという。「その後、姿が見えなくなって…ゥッ…」曹蔚寧は激しく動揺したが、范師叔は達人の莫掌門なら負けるはずないと言った。「掌門は悪鬼の谷主を殺すために援軍を呼びに行ったに違いない 悪鬼どもが集結し、恐らく谷主の温客行も現れただろう、掌門が谷主を殺してくれさえすれば…」范師叔の言葉に曹蔚寧は耳を疑った。「師叔…今なんと?…鬼谷の谷主が温…」すると顧湘は幸せな蜜月もここまでだと諦め、自ら暴露した。「…鬼谷の谷主は温客行よ」その頃、密室では温客行が夢の続きを見ていた。…師兄から預かった子犬の一鍋(イーグォ)を近所の子供に奪われた甄衍(ジェンイェン)しかし見知らぬおじさんが現れ、子犬を取り返してくれる『謝謝』『君の姓は″甄″かい?』驚いた甄衍は思わず首を横に振ったが、その男は甄衍を知っていた『私は太湖派の趙敬(ジャオジン)だ、ご両親の親友だよ?』甄衍は五湖盟が両親を助けに来たと誤解、趙敬を屋敷に案内してしまう趙敬は夫妻の前で三屍毒で容炫(ロンシュエン)を殺したと認め、鍵を渡せば陰陽冊で身体を治せると説得したすると先手を打った谷妙妙(グーミャオミャオ)が趙敬が飲んだ茶には毒が入っていたと暴露、解毒薬を渡す『それで3ヶ月は無事よ…私たちが生きている間は定期的に薬を取りに来るのね』しかしそれから間も無く鬼谷が屋敷を襲撃、惨劇が起こる…温客行はそこで飛び起きた。「師叔!目が覚めましたか?!」「私だ…私だった…あいつを殺す!」温客行は両親を死に追いやった原因が自分だったと思い出し、張成嶺が止めるのも聞かず飛び出して行ってしまう。「師叔!」ちょうどその頃、四季山荘の桃林に七爺(チーイェ)・景北淵(ジンベイユエン)と大巫(ダーウー)・烏渓(ウーシー)が到着した。しかし山荘は全焼、男の焼死体が見つかる。景北淵は晋王が周子舒を殺すとは思えず、他の兄弟ではないかと疑った。すると烏渓はこれまで黙っていたが、四季山荘の兄弟たちが晋王により全員、殺されたと伝える。実は周子舒が天窗を脱退したのはこれが理由だった。「平安(ピンアン)をとがめるな、私が口止めした」「烏渓…おまっ!」その時、誰かの叫び声が聞こえて来た。張成嶺は必死に温客行を引き止めた。しかし温客行は成嶺を振り切り、突っ走って行ってしまう。「師叔!」すると平安銀荘の平安が駆けつけた。「平安大哥?!どうしてここに?」平安は七爺と大巫を紹介、成嶺が周荘主の弟子だと教えた。成嶺の話では師匠が天窗に連れ去られ、師叔は魔道に落ちてしまったという。そこで烏渓が温客行を捕まえ、隙をついて眠らせることに成功した。曹蔚寧はついに顧湘の正体を知った。何から聞けばいいのか分からず押し黙る2人、すると大師兄・莫蔚虚(モーウェイシュー)が差し入れを持って来てくれる。すでに食糧もわずか、師叔はあと一昼夜待って掌門が戻らなければ外に出て戦うと決めていた。「その時は湘姑娘を連れてお前は逃げろ」師叔は2人を逃すことで清風剣派を後世に残したいのだという。すると顧湘は逃げないと言った。「私を家族とみなしてくれたはず、私もみんなと一緒に命懸けで戦います 私、こう見えてあなたより大勢を殺してきてるかも…」つづく(* >ω
2022.08.22
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第28話「我が家」年末も近いある夜、音信不通だった天窗(テンソウ)の統領・韓英(ハンイン)が王宮に戻って来た。手負いで動くこともままならない韓英、聞けば毒蝎に待ち伏せされ、かろうじて自分1人だけ難を逃れたという。「天窗に内通者がいるかもしれません…」すると韓英は首領・段鵬挙(ドワンポンジュー)の姿が見えないと探りを入れた。晋(シン)王の話では韓英からの連絡を待ち切れず、段首領自ら江南へ出向いたという。一方、蝎王は回廊で段鵬挙と義父の話を立ち聞きしていた。どうやら晋王と天窗は義父と手を組むらしい。しかし疑り深い趙敬(ジャオジン)は高崇(ガオチョン)と自分の琉璃甲が悪鬼に盗まれ、鬼谷にあると嘘をついていた。蝎王は義父に酔い覚ましの茶を差し入れた。「蝎児、長舌鬼(チョウゼツキ)の琉璃甲は誰の手に渡ったと思う?晋王だ、こんなに早く見つかるとはな なんだ、まだ怒っているのか?」酔った趙敬は上機嫌、昨日は腹立ちまぎれに辛辣なことを言ったと謝った。「私たち父子は一心同体、これからも共に立ち向かい、私が責任を負う」蝎王は義父の言葉にほだされ、晋王の謀反が成功すれば義父が太師になるのも夢ではないと奮起する。しかし慎重な趙敬はまず天窗を懐柔し、晋王の成功が確実になってから擦り寄っても遅くないとなだめた。そこで蝎王は失敗しても義父を巻き込まずに済むよう、自分が晋王の配下になって琉璃甲を集めればいいいう。韓英は晋王に泳がされているとも知らず、晋王の書斎に侵入して琉璃甲を盗んだ。報告を聞いた晋王はこのまま尾行を続けるよう命じ、これで周子舒(ジョウズーシュー)の居場所が分かると企む。それにしてもさすがは周子舒だ。周子舒のために命をかける者が未だにいるとは…。一方、岳陽城では段鵬挙が毒菩薩(ドクボサツ)とお楽しみ中だった。そこへ突然、蝎王が現れる。「琉璃甲が欲しいならなぜ王爺は私に頼まぬ?」確かに晋王は蝎王が操る薬人(ヤクジン)に興味津々だった。↓おじさんが「私の菩薩♪」って言ってたけど、二人はどういうつながり?四季山荘は新年の準備に追われていた。周子舒は口を出すだけ、温客行(ウェンコーシン)と張成嶺(ジャンチョンリン)は掃除から春節の飾り付け、料理をたんたんとこなす。すると温客行が成嶺に鶏をさばく手伝いを頼んだ。しかし成嶺は鶏を絞めるどころか、激怒した鶏の逆襲に遭ってしまう。年越しを迎えた趙敬は五湖盟主として務めを果たし、その夜、泥酔して隠し部屋にある霊廟に入った。「来年の今日、ここに来るのは五湖盟の盟主ではない…来年は武林の盟主・趙敬だ! じっくり見ていろ、私が一歩ずつ高みに上り詰める様をな…ふふふふ でもお前たちは見られないな…死んでしまったからな?(´゚艸゚)∴ブッ」すると趙敬は投げ捨てた容炫(ロンシュエン)の霊牌につまずいて転んでしまう。憤慨した趙敬はあろうことか霊牌に小便をかけ蔑んだが、その様子を蝎王が見ていた。「義父…酔い覚ましを持ってきました」「( ꒪ω꒪)ガーン…出て行けぇぇぇ!勝手に入るなぁぁぁ!」趙敬は激しく動揺し、凄まじい剣幕で蝎王を追い出した。その時、蝎王は祭壇に飾られた玉板指と宝剣に気づく。…陰謀が成功するたびに戦利品を1つ残すわ…思い当たるのは自分の師父の指輪、容炫を死に至らせた剣ね蝎王は喜喪鬼(キソウキ)・羅浮夢(ルオフーモン)の話が真実だったと知り、愕然となった。周子舒たちは和やかに新年を迎えようとしていた。3人それぞれに紆余曲折あったが、こんな幸せな年越しを迎えられるとは感慨深い。すると食事の後片付けを始める頃、ふもとの町で花火が上がった。張成嶺は花火が見たくて落ち着かず、うっかり器を落として割ってしまう。「心ここにあらずだな…見て来い」成嶺は師匠の許可をもらって一目散に出て行ったが、思いがけず見知らぬ男が飛び込んできた。「師父!師父!一大事です!」周子舒と温客行が中庭に駆けつけると、血だらけの男が倒れていた。「韓英?…韓英か?!」驚いた周子舒はすぐ韓英を部屋に運び込み、温客行が応急手当てをする。「成嶺、炭火を持ってきてくれ」「はい」すると温客行の鍼のおかげで韓英の意識が戻った。韓英は懐から琉璃甲を出して周子舒に渡した。逃げる前に晋王の書斎を探り、琉璃甲の秘密を知ったという。神医谷(シンイコク)の陰陽冊で荘主の身体を治せると知った韓英はかろうじて琉璃甲をひとつ盗み出していた。「天窗の者が英雄大会であなたに気づいたのです…その情報が漏れそうになって… 私は毒蝎の仕業に見せかけて仲間を皆殺しに…」韓英は幸いにも第1話で周子舒が手を下した畢長風(ビーチャンフォン)の弟子・星明(シンミン)の援護で晋州を脱出していた。「私は四季山荘の一員ではありませんが、あなたのためなら命も惜しみません 忠臣二君に仕えず…私は荘主の死士です、殉死するより荘主に命を捧げます」韓英は命の恩人である周子舒に忠誠を誓ったと伝え、もう一つ重要な情報があると言った。実は周子舒の父が突然、亡くなったのは病死ではなく、前晋王が謀反の罪で暗殺していたという。「密書にそう書かれていました」「まさか…爹(ディエ)は老晋王の親友で腹心だった…どこで密書を?」「書斎の卓上にありました」「阿絮(アシュー)、話はその辺で…」温客行は韓英の身体を心配して止めた。周子舒は嘘でも韓英を励まそうと、共に琉璃甲を集めようと言った。しかし韓英は自分の命がもうすぐ尽きると分かっている。「せっかく初めて四季山荘へ来たのに…こんな状況だとは… 私が悪いのです…荘主を治せると分かっていたら何としても命懸けで琉璃甲を集めたのに…ぐっ」すると温客行が周子舒の治療のために大巫(ダーウー)が来ることを思い出した。「はっ!そうだ、大巫と七爺(チーイエ)が来る!韓英、持ち堪えるのだ、2人に治してもらおう!」周子舒は待ちきれず、平安(ヘイアン)を訪ねて2人を急かしてもらうことにした。つづくカタ:(ˊ・ω・ˋ):カタ 蠍ちゃんじゃなくてもドン引きでしょう…
2022.08.21
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第27話「絶世の知己」その夜、温客行(ウェンコーシン)はひとり山の中で簫を吹いていた。そろそろ葉白衣(イエバイイー)が四季山荘へ向かう頃だろう。武林の者ならすでに″群鬼冊(グンキサツ)″を見て自分の正体を知ったはず、しかし温客行は少しでも長く周子舒(ジョウズーシュー)と張成嶺(ジャンチョンリン)との平穏な生活を守りたかった。一方、四季山荘へ向かっていた葉白衣は山中で突然、周子舒に引き留められた。周子舒と大巫(ダーウー)が友人だと知らず無駄骨を折ったと思うと愚痴の一つも言いたいが、それより温客行の正体を知っているのかが気になる。すると周子舒は温客行が容炫(ロンシュエン)と師父の共通の友人である甄如玉(ジェンルーユー)の息子で、自分の師弟であり、終生の知己だとはぐらかした。「この出来損ないめ!…温客行は鬼谷の谷主だ、奴がお前につきまとう目的は何だ?!」周子舒が黙っていると、その様子を見た葉白衣はすでに温客行の正体を知っていたと気づく。「前輩、私も故意に隠していたのではありません 龍淵閣でようやく老温が甄衍(ジェンイェン)だと気づきました 甄衍が私の師弟になったのは鬼谷に入る前です あの時、四季山荘に連れ帰っていたら、その後の悲劇は起きなかったでしょう 情理の両面で私も責めを負います」しかし葉白衣は鬼谷のせいで罪なき者が大勢死んだと非難、長明山の剣仙として誓いを果たさねばならないと言った。「私は龍背(リュウハイ)剣に誓った、鬼どもが世間に害をなした時には必ず鬼谷を平定する!」「それならば手合わせを…兄弟は手足のごとく生死を共にします、師弟の罪の半分は私のもの」周子舒は白衣剣を抜き、命に変えても山荘の中には入れないと立ちはだかった。葉白衣にとって手負いの周子舒など相手にならなかった。「お前の師匠に免じて命だけは助けてやる しかし秦懐章(チンホワイジャン)なら弟子を殺して門派を廃すだろう 偏狭な弟子が四季山荘の名を汚す前にな」「ふっ…師父をまるで分かっておられぬ…師父が存命なら我らの傍らに立つでしょう」葉白衣は懲りない周子舒に一撃を与えようと構えたが、そこへ温客行が現れた。温客行は葉白衣に戦いを挑んだ。しかし葉白衣の掌を背中に受け、激しく吹き飛ばされてしまう。葉白衣はせめてもの情けと温客行に自害を迫ったが、温客行は拒否、殺すなら殺せと開き直った。すると周子舒がそもそも温客行が鬼谷に落ちたのは甄如玉が容炫を守ったからだと指摘、葉白衣に裁く資格などないと非難する。「それは別の話だ、温家に負い目はあるが私は鬼谷の討伐を誓った、こいつの命はもらう だが討伐を果たしたら我が命であがなおう、鬼谷は存在すべきではない」周子舒は鬼谷が滅んでも人の貪欲や醜さが消えるわけではないと否定した。もし師匠が師弟の境遇を知れば葉白衣のように居丈高に裁きはしないはず、師弟を導き、悔い改めさせるだろう。「あなたに師父の友である資格はない…旧情など捨てればいい、殺すなら兄弟ともども一緒に殺せ」温客行は思わず阿絮(アシュー)の手を強く握りしめ、2人は黙って目を閉じた。葉白衣は龍背剣を振り下ろした。しかし結局、2人を斬り捨てることができず、見逃してくれる。「温客行、四季山荘で悔い改めるのも良いだろう、だが再び江湖で相見えた時には命をもらうぞ」バイバイキ~ン>٩(¨ )ว=͟͟͞͞. ピューッ!温客行は勝ち目はないと分かっていながら、葉白衣を待ち伏せしていた。「お前と成嶺の前で正体を暴露されるよりいいと思って…」気まずい温客行だったが、周子舒は珍しく殊勝な顔をする老温を見て爆笑する。「情けない顔だな~ぶはははは~!」周子舒はわざとふざけて温客行の肩の荷を軽くした。「…阿絮、成嶺には何て言う?」「お前にやられたと言う…なんてな」清風(セイフウ)山の曹蔚寧(ツァオウェイニン)宛に文が届いた。師兄・莫蔚虚(モーウェイシュー)は文を渡しに小院を訪ねたが、顧湘(グーシアン)は主人からだと気づいて慌てて横取りしてしまう。「ぁ…江湖で出会ったロクでもない人からよ、曹大哥に付き合って欲しくなくて~』すると莫蔚虚は師弟を連れて外に出た。莫蔚虚は顧湘の素性を怪しんでいた。もちろん師弟の幸せを願ってはいるが、江湖は玉石混交、あらゆる人間がいる。「ここ数日、阿湘の立ち振る舞いを見るに若干、邪気を感じるのだ」驚いた曹蔚寧は邪気ではなく無邪気なだけだと反論、疑心暗鬼になるのは師匠が高崇(ガオチョン)から琉璃甲(ルリコウ)を託されたせいかと指摘した。莫蔚虚は師弟が気づいていたことに驚きながら、それでも顧湘の素性を明らかにすべきだという。しかし曹蔚寧は複雑な生い立ちの顧湘から無理に聞き出したくないと訴え、身元は自分が保証すると約束した。周子舒は深手を負った温客行を薬湯に入れた。張成嶺には強盗に遭ったと嘘をついたが、温客行はそんな下手な嘘でも信じてしまう成嶺をこれ以上、欺けない。「成嶺は家族を失ったが…私も無関係ではない 江湖で流れた童謡を覚えているか? …後半の詩の″彩雲は散った、琉璃は砕けた、青崖山の鬼と泣く者は誰ぞ?″ これは私が作った」温客行は疑いの種をまけば噂が自然と広がり、武庫を狙う者たちが五湖盟を狙うと考えたという。武庫には多くの者が関わったが、父だけが命をかけて秘密を守り、なぜ五義兄弟は責任を逃れたのか。神医谷を追われた自分たちを見殺しにした彼らに血で償わせたいと思うことが罪なのか。何年もの間、激しい復讐心だけが温客行を支え、生かして来た。しかし後悔した時にはもう引き返せないところまで来ていたという。阿絮に打ち明けようと考えたこともあったが、阿絮が許しても成嶺にどう向き合えば良いのか分からなかった。周子舒は鏡湖派を滅ぼしたのが誰なのか聞いた。温客行の話では鬼谷の誰かが裏切ったか、もしくは誰かが鬼谷に罪を着せようとしたかだという。「いずれにしても…」「もういい、大巫が俺の傷を治してくれたら一緒に真相を暴いて張家の敵を討とう その時に成嶺にきちんと話すんだ 成嶺がお前を恨んでも受け入れろ、つらいだろうが向き合うしかない」周子舒はともかく風呂から上がったら自分たちに美味い飯を作ってくれと頼んだ。「人生とは日に3度の飯に過ぎぬ、積年の恨みなど知ったことか…凡庸な者ほど騒ぐ」温客行は周子舒が自分のために用意した着替えを置いて出て行く姿をぽかんと見ていた。後ろめたさに苛まれながら悶々として来た日々、しかし師兄の戒めは温客行の迷いなど一瞬で吹き飛ばしてしまう。その頃、蝎王は趙敬(ジャオジン)に清風剣派の偵察へ行きたいと嘆願していた。英雄大会に参加せず引き返した掌門・莫懐陽(モーホワイヤン)は山を封鎖、それ以来、引きこもって姿を見せない。「義父、温客行は行方知れずなのに腹心が清風剣派にいる、妙な動きです」「探る必要はない、高崇の琉璃甲は十中八九、莫懐陽の手中にあるだろう」蝎王は義父も同じ考えだと知り、早速、清風剣派を滅ぼしてくると言った。しかし趙敬は十分な勝算もないまま動くなと止める。すると蝎王は闇討ちでもだめなら薬人(ヤクジン)を大量に使えばいいと自信を見せた。「…蝎児、薬人はすべて処分するよう言ったはずだぞ?私の話を何だと思っておる?!」趙敬は思わず声を荒らげ、叱責した。もし蠱(コ)術に関与していると知られたら名声は地に堕ち、武林の盟主の座は夢のまた夢、長年の苦心があっという間に水の泡となるだろう。蝎王はこれが義父の本音だと確信し呆然となった。結局、利用する時には愛する息子になるが、役に立たなくなればあっさり捨てる。「そう思うなら私は何も言えぬ、だが蝎揭留波(シエジエリウポー)よ、警告しておく 汚い手を使って私の苦労を台無しにしたら…」「殺すのですか?!いいでしょう、私の命はあなたに救われた、もう要らなぬなら殺せばいい」「この親不孝者め!」趙敬は思わず蝎王を引っ叩き、信頼の証しとして琉璃甲を渡したことを後悔した。まさかその理由を蝎王が知っているとも知らずに…。「お前には失望した、出て行け!」周子舒たちは久しぶりに酒楼で食事を楽しんだ。そこへ平安(ピンアン)が現れ、葉白衣から文が届いたという。…群鬼を除き山河を清める…文には山河令の印があった。張成嶺は高伯父と葉前輩が持っていた令牌だと気づき、葉白衣が鬼谷討伐を率いるのだと知る。「私も行けますか?!」しかし周子舒と温客行は気まずそうに黙っていた。四季山荘に戻った周子舒は新しい酔生夢死を作り始めた。そこへ温客行が現れ、手伝うという。「俺はお見通しだぞ?…また俺に隠れて勝手なことをしたら大師兄の鉄拳が飛ぶからな!」「まさか~するもんか、正邪が一戦交えることは予想していた、だから阿湘を他所へ行かせたんだ」正道派が鬼谷を滅ぼそうがもはや無関係、それどころか百利あって一害もない。しかし温客行は張成嶺を騙しているようで気が引けた。周子舒は張家の敵を討つまで今は欺き続けるしかないとなだめ、冷酷無比な谷主が急に弱気になるのかと揶揄する。するとばつが悪くなった温客行はもう眠くなったと言って逃げ出した。温客行が中庭を歩いていると、張成嶺が稽古していた。…引き返す道を見つけた途端、悪鬼の首領が人に戻った…ごく平凡で優柔不断になり、秘密も陰りもない日々に憧れ、誰かと共に過ごしたいと願うなんてつづく( ;∀;) イイハナシダナー人生って本来は単純なはずなのに今は複雑すぎるもんね
2022.08.18
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第26話「最後の浄土」夜も明ける頃、温客行(ウェンコーシン)はまた昔の夢を見ていた。…師兄から預かった子犬の一鍋(イーグォ)甄衍(ジェンイェン)はとても可愛がっていたが、ある日、近所の子供たちに囲まれ、子犬を奪われてしまうすると見知らぬおじさんが現れ、子犬を取り返してくれた『君の姓は″甄″かい?』驚いた甄衍は思わず首を横に振ったが…「はっ!」温客行はそこで目を覚ました。部屋には安眠できるよう香が焚いてある。しかし酔生夢死(スイセイムシ)を嗅ぐと、どういうわけか妙な夢を見るようになった。温客行が外に出ると、まだ卯の刻だというのに張成嶺(ジャンチョンリン)が中庭で稽古に励んでいた。実は悪夢で眠れず、早く武芸の腕をあげて鏡湖(キョウコ)派を襲撃した鬼谷に復讐したいという。温客行は何も知らない成嶺の姿に自分を重ね、拳法のコツを伝授した。すると朝から誰かが屋敷の門を叩く。男は平安銀荘の者だと名乗り、葉白衣(イエバイイー)から文を預かっていると伝えた。一方、江湖では五湖盟が各門派に″群鬼冊(グンキサツ)″を配布、鬼谷の谷主と十大悪鬼の素性を暴いた。身動きが取れなくなった無常鬼(ムジョウキ)たちは蝎王に詰め寄るも足蹴にされ、追い返されてしまう。悪鬼たちを始末しようと構えていた毒菩薩(ドクボサツ)は肩透かしを食った。「大王、また主上に楯突く気で?…そうだ、柳千巧(リウチエンチャオ)から文が届きました」それは蝎王が所望していた孟婆湯(モウバトウ)の処方だった。↓黒無常が地味にイケメンな件w周子舒(ジョウズーシュー)たちは昆州にある平安銀荘へやって来た。すると奥から懐かしい顔が現れる。「周荘主!」「平安(ピンアン)?!お前が開いた銀荘なのか?」「とんでもない!七爺(チーイェ)に代わり、私が中原の56軒を管理し、南疆(ナンキョウ)は別の者が…」周子舒は全土に展開する平安銀荘が実は七爺の店だと知って驚いた。しかし銀荘とは名ばかりで、主要な任務は大巫(ダーウー)のための情報収集だという。今も周子舒直伝の機関雀(キカンジャク)を活用、平安は七爺が来るという情報をいち早く入手していた。「てっきり荘主が葉先生を遣わし、大巫を昆州にお呼びになったとばかり… 荘主の不調を知って七爺も同行するそうです、あ、これが葉先生からの文です」文にはいきなり″バカ野郎″と一言、そして2枚目に″冬至に会おう、白菜と豚肉の餃子を作れ″とあった。銀荘を出た周子舒たちは茶屋で一休みした。すると温客行と張成嶺は葉白衣が誰を呼んだのか教えて欲しいという。実は葉白衣が頼ったのは周子舒の旧知の間柄である七爺と大巫だった。2人とは晋州で知り合ったが、主人だった晋王に深く傷つけられ、2人は南疆へ旅立ってしまったという。確かに大巫は医術に精通し、南疆の巫蠱(フコ)の秘術も会得していた。あの慎重な七爺まで来るというなら勝算があるのだろう。温客行は安堵し、なぜ早く頼らなかったのか聞いた。「早く?…死ねば本望だった」これでは葉白衣が文で悪態をついたのもうなずける。説得できるかも分からない相手を遠路はるばる訪ねたが、その相手は周子舒に恩があったのだ。「長明山の剣仙が使い走りにされたのだからな」温客行は老妖怪が顔を真っ赤にして怒っていると思うとおかしくてたまらない。しかしふと気がつくと周子舒が向かいにある露店を見つめていた。その視線の先には驚いたことに顧湘(グーシアン)の侍女・雲栽(ユンザイ)がいる。「阿絮(アシュー)、せっかく下山したのだから絵を修復できる者を探してみる、先に戻ってくれ」周子舒はあえて引き止めず、なるべく早く戻るよう言った。雲栽は谷主を隠れ家に案内した。洞窟では食屍鬼(ショクシキ)が何とか助け出した鬼衆と薄情司の娘たちと共に身を隠している。温客行は巷に出回っている″群鬼冊″を目にし、すでに自分の正体が暴かれたことを知った。柳千巧は約束通り孟婆湯の処方を蝎王に届け、自由になった。しかし再び蝎王の元へ戻り、仕える代わりに主人と于丘烽(ユーチウフォン)を助けて欲しいと懇願する。蝎王は2人を殺さないと約束したが、釈放するには千巧が有用かどうかにかかっていると言った。「お前が処方箋を献上しなければ孟婆湯と忘憂草が結びつかなかった 酔生夢死という香を知っているか?」実は昆州の忘憂草という薬草は7種の毒虫を配合すると孟婆湯に、7種の花を配合すると酔生夢死になる。両者は相生相克しており、酔生夢死を大量に与えることで孟婆湯を消せるというのだ。蝎王は錯乱した喜喪鬼(キソウキ)・羅浮夢(ルオフーモン)を薬室に閉じ込め、酔生夢死を吸収させているという。「もう7日間もこもっている、そろそろ目覚める頃だ…」その時、突然、羅浮夢の悲鳴が聞こえた。一方、曹蔚寧(ツァオウェイニン)は顧湘(グーシアン)を連れてついに清風(セイフウ)山に到着した。すると下山した師叔・莫蔚虚(モーウェイシュー)と師兄・范懐空(ファンホワイコン)が2人を暖かく迎えてくれる。実は掌門・莫懐陽(モーホワイヤン)が山を封鎖して部外者が入れなくなり、顧湘には山腹に小院を用意していた。莫師叔から身の上を聞かれた顧湘は、孤児のため両親がおらず、師匠も隠居の身で名を明かせないと上手くごまかす。そこで曹蔚寧は山を封鎖した理由を尋ねてみたが、莫師叔はなぜか話をそらした。趙敬(ジャオジン)が来客中だというのに蝎王が現れた。仕方なく趙敬は話を切り上げ、蝎王に本堂へ来るなと何度も言ったはずだと呆れる。すると蝎王はいつまで自分の存在を隠すつもりかと迫った。「戯言で鬼谷のクズどもを欺くならともかく、私をごまかすとは…侮辱ですか?」これまで義父のために汚れ仕事を一手に引き受け、日陰の身に甘んじて来た蝎王、だからこそ義父の裏切りは見逃せない。「″君 我を裏切らざれば 我 君を裏切らず″と…」蝎王は于丘烽から届いたと嘘をつき、羅浮夢の血書を見せた。趙敬は羅浮夢と因縁があることを認めた。当時、羅浮夢は霓光宮(ゲイコウキュウ)の若宮主で趙敬は没落した傍系、当然、羅家は2人の婚姻に反対し、両親は娘を幽閉してしまう。その時、羅浮夢はこの血書を趙敬に送り、自分の決意を伝えたのだ。「愛し合っていたのですね…なぜ裏切ったのです?」「全ては李瑶(リーヤオ)のせいだ…」「義母の?」「そんな呼び方はやめろ!あくどい女だ!」名家の令嬢だった李瑶は趙敬に横恋慕、しかし哀れに思った趙敬は無下にできなかった。しかし趙敬と羅浮夢が困難を乗り越え婚儀を挙げる時になり、李瑶は武庫にまつわる窃盗で趙敬を脅してきたという。武庫の件は義兄弟たちにも関わるため趙敬はやむを得ず婿入りを決意、婚儀当日に捨てられた羅浮夢は気が触れて大虐殺を行った。実は趙敬は羅浮夢が錯乱したと知って何とか探し出し、神医谷に連れて行ったという。その時、取り押さえようとして身体の根幹を傷つけられ、これが原因で武芸が上達しない身体になっていた。「蝎児…これは私の生涯で最大の心痛であり、最大の恥辱でもある 墓場まで持って行く話だったが、お前の頼みゆえ、ためらわず教えた 隠していたのには理由がある…李瑶を殺したのは私だ…」「やはり…」「かつての弱腰で情義を重んじる趙敬は死んだ ここにいるのは妻を手にかけ、義兄弟を殺すことさえいとわなかった男… 江湖を害して許されぬ罪を犯した趙敬だ、世間が欺くなら世間を欺いてやる だがお前だけは別だ、私の蝎児… 私の心は死んだも同然だが、わずかに残った善意となけなしの愛情を全てお前に与える これは私の心に残された最後の浄土だ…約束してくれ、浄土を守ると」蝎王は義父を詰問したことを深く反省し、柳千巧と一緒に薬室にいる羅浮夢を訪ねた。すでに記憶を取り戻した羅浮夢、そこで蝎王に答えを得られたか聞いてみる。「彼が言うには李瑶が武庫の件で脅迫してきたと…」「あはははは~!相変わらず趙敬はでまかせが得意だことっ 脅迫したのは私の父よ?なぜ李瑶に罪を着せるの?」「李瑶を殺したからだ」確かに李瑶は愚かな娘だった。嫉妬することもあったが、今になって思えば殺されていたのは自分だったかもしれない。実際は趙敬が李瑶に鞍替えし、羅浮夢を捨てたという。涙に暮れる娘を見た羅父は武庫の秘密で趙敬を脅迫、宮主の座で娘と婚姻するよう迫った。まさか趙敬が霓光宮に内通者を見つけていたとは知らず、婚儀の当日、門弟たちは皆殺しにされてしまう。霓光宮の大虐殺は羅浮夢ではなく、趙敬の仕業だった。しかし今となっては証拠がなく、蝎王はそもそもそれほど冷酷なら羅浮夢を生かすはずないという。「あなたは趙敬のことを何も分かっていないのね? あの男は陰謀を巡らせて人を陥れたことを何よりも誇りに思うの 陰謀が成功するたびに戦利品を1つ残すわ 思い当たるのは自分の師父の指輪、容炫(ロンシュエン)の剣…信じないなら探してみるといい 李瑶の物も残しているはずよ?恐らくは愛の証しの品ね 私の推測が正しければ…趙敬はあなたに特別な証しの品を預けている 自分の真心を表すものとしてね?どう?」確かに蝎王は義父から託された琉璃甲を肌身離さず持っていた。 明日はついに冬至、葉白衣が四季山荘へやって来る日だ。張成嶺は約束通り白菜と豚肉の餃子を作ろうと言ったが、それより稽古だと師匠に叱られてしまう。すると周子舒は温客行に買い出しを頼んだ。しかしその夜、温客行は独りで山荘を出て行ってしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)趙敬~どこまでクズなのwwwでも悪役はこうでなくちゃ〜
2022.07.28
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第25話「悪夢」山荘の片付けも終わり、ようやく自分たちの寝所に落ち着いた周子舒(ジョウズーシュー)たち。その夜、周子舒が釘の痛みでふと目を覚ますと、外は雨だった。起きたついでに炭を取りに行くことにしたが、ちょうど回廊に出ていた温客行(ウェンコーシン)と出くわす。「悪夢を見て寝付けず、外の空気を吸いに来たんだ」「…眠れないなら飲むか?」最近、周子舒は良く眠れるようになった。これも山荘に残っていた酔生夢死(スイセイムシ)を見つけたおかげだという。「そう言えばお前は酔生夢死の香にあたった後、初めて俺を″周子舒″と呼んだな… あの時、何を見たか今なら話せるだろう?」「幻覚の中で私はまだ7歳の子供だった…一家で四季山荘へ移り住み、麓で小さな医館を開いていたよ 私は昼間、師父に武芸を教わり、夜は家へ食事をしに帰るんだ あの薬人たちは幻覚の中では野犬だった お前が時に周子舒として、時に一鍋(イーグオ)として私を守ってくれた」一鍋とは初対面の時、周子舒が抱いていた子犬の名前だった。「忘れたのか?…子犬を飼いたいと言ったら師父が″鍋で煮てやれ″と言ったと…それが名前の由来だ」実は温客行は越州で流れ者の流雲九宮歩(リュウウンキュウグウホ)を見た時、周子舒を探す手がかりを見つけたと思ったという。そこで後をつけてみると、驚いたことにその流れ者が白衣剣を持っていた。「姓が″周″だったな…″子(ナンジ)の手を執りて雲の舒(ノ)ぶるを眺める″か…」「ならば″温客行″の由来は?」「…父の旧姓が″温″だ、神医谷を追放された以上、他人の姓を名乗る道理もあるまい 私は天涯孤独で根無しの行客(コウカク)だ、ふさわしい名に改めたと言えるだろう?」周子舒は天窗(テンソウ)を抜けた後の自分も放浪者だったことを思い出した。どこかで野たれ死にするものと思っていたが、こうして四季山荘へ帰って来られたのは感慨深い。周子舒はこれで″天涯孤独な根なしの行客″にも帰る家ができたと安堵したが、温客行はどこか複雑そうな面持ちだった。清風(セイフウ)山への旅を続ける顧湘(グーシアン)と曹蔚寧(ツァオウェイニン)。すると水汲みから戻って来た曹蔚寧が緑柳(リューリゥ)と桃紅(タオホン)夫婦を見かけたと報告した。2人は密かに後をつけてみると、確かに良く似た夫婦が娘を荷台に乗せて歩いている。「緑柳と桃紅は昔、吊死鬼(チョウシキ)の纏魂糸(テンコンシ)で腕を失っているんだ 今、見た2人も袖で腕を隠していただろう?」しかし顧湘は自分の正体がばれることを恐れ、あまり関わりたくなかった。曹蔚寧は顧湘が怖がっていると誤解し、独りでも高小怜(ガオシャオリエン)を救出に行くと訴える。「待って…だから無駄死にしないように策を練るのよ」仕方なく顧湘は曹蔚寧に尾行を任せ、ここから近い断剣山荘から助っ人を呼んで来ると言った。(´・ω・`).oO(ホント、バカなんだから…私が去ったらどうするの?緑柳と桃紅たちの前に突然、丐幇(カイホウ)の長老・黄鶴(ホアンホー)が現れた。本来なら大石鎮の古廟で落ち合う約束のはず、しかし黄鶴は道中で毒蝎に襲われたという。「我らは趙敬(ジャオジン)にだまされ、正邪双方に狙われている… 人質との交渉条件を伝えても返事も寄こさぬ してやられた、高崇(ガオチョン)を死に追い込んだのも奴かも知れぬな」予想だにしなかった高崇の自死、しかも小怜には何の価値もないと知り、黄鶴は悔し紛れに妓楼へ売ると脅した。これに桃紅が猛反発、下品な嫌がらせだと呆れ果てたが、黄鶴の鬱憤は晴れない。「姑娘に教えてやろう 20年前、無数の死者を出した″青崖(セイガイ)山の戦い″は五湖盟が天下の群雄を騙したことが発端だ 奴らは容炫(ロンシュエン)の琉璃甲を狙い、魔を除くと言う偽りの大義で多くの命を犠牲にした! 緑柳と桃紅の1人息子もこの戦いで深手を負い死んだのだ!」その話を物陰から曹蔚寧が聞いていた。曹蔚寧は小怜の身が危険だと察し、思わず飛び出した。無謀にも独りで小怜を助けるという若輩者に失笑する桃紅、しかし曹蔚寧から江湖の正道派が小怜を捜索中だと聞いて驚く。「黄鶴、馬脚を現したね?!」黄鶴は緑柳と桃紅を切り捨て、小怜を奪って自分の手柄にしようと企んでいた。黄鶴たちが仲間割れ、いきなり戦いが始まった。曹蔚寧はその隙に小怜を連れて逃げ出したが、黄鶴を倒した緑柳と桃紅に追いつかれてしまう。果敢に戦いを挑むも卒倒する曹蔚寧、しかし危ないところで顧湘が沈慎(シェンシェン)を連れて戻って来た。顧湘は倒れていた曹蔚寧を木陰で休ませた。すると小怜を取り返そうとした緑柳が沈慎に刺されてしまう。桃紅は覚悟を決めて一緒に殺せと迫ったが、小怜が沈慎を止めた。「黄長老の話は本当なの?一人息子を死なせたって…」「ゥッ…その話なら沈慎にお聞き!五湖盟は私たち夫婦に一人息子を見送らせ、心身ともに傷つけた …生きて恨みを晴らせぬなら、死んで亡霊となり高崇とケリをつけるまで!」小怜は深く同情し、夫婦を助けて欲しいと懇願した。そもそも自分をさらったのは黄鶴で夫婦は利用されただけ、桃紅は黄鶴からかばってくれたという。「いつまで恨み合うの?…五湖盟がお2人から息子さんを奪ったなら、今日こそ償うべきでは?」桃紅は息子の償いにはならないと激怒したが、緑柳はけじめをつけることにした。「江湖を去ろう」沈慎は確かに前世代の恨みを子供たちには引き継げないと納得、剣をおさめて2人を見逃した。小怜は沈慎を呼んでくれた顧湘に感謝した。すると沈慎は改めて顧湘に温客行の居場所を教えるよう迫る。「何度、聞かれても知らないわ…さあ、私を殺して、でも曹大哥にはこのことは…」「阿湘、何の話?」小怜は意味が分からず困惑したが、沈慎は顧湘と話をするなと止めた。「この娘は鬼谷の谷主の腹心だ…なぜ曹蔚寧と一緒にいる?」「鬼としてさまよう日々を終わらせ、人の道に戻りたかったの…この人と一生を共にしたかった」しかし顧湘は危険を承知で沈慎に助太刀を頼んだ。愛する人が自分の命より義理を重んじる人である以上、仕方がないという。「私を殺したと言わないで、黄鶴に殺されたと言えば私の嘘も隠せる、いいでしょう?」一方、四季山荘では周子舒が張成嶺(ジャンチョンリン)の稽古を始めようとしていた。まずは基本の八卦掌(ハッケショウ)を教えることにしたが、成嶺が鍛錬の前に太師匠の墓参りに行きたいという。張成嶺は亡き太師匠・秦懐章(チンホワイジャン)と小師叔・秦九霄(チンジウシャオ)の墓前で叩頭した。これまでに至る経緯を切々と訴える成嶺、すると周子舒は温客行を気遣い、そろそろ切り上げるよう告げる。「太師父もくたびれてしまうだろう、これから何度でも来ればいい」すると温客行は独りで静かに考えたいと頼み、周子舒と成嶺を先に帰した。温客行は師匠に合わせる顔がなかった。「師父、いいえ、秦伯伯…秦前輩、天上で両親に会えましたか? 死者の魂を信じたいのですが、見られるのが怖い… 私がどう生きて来たかを知ったら、四季山荘を汚したと思うでしょうね」この20年間、温客行を突き動かして来たのは復讐の念だけだった。激しい恨みが温客行を地獄から這い上がらせ、鬼の主へと押し上げ、蠱(コ)王の座にまで登り詰める。老谷主はさぞや驚いたことだろう。あの言葉通り甄衍(ジェンイェン)は20年後、両親を殺した鬼たちを全て死に追いやったのだ。しかしいくら殺しても心の恨みが消えず、温客行はついに谷を出ることを決意する。「我らを裏切り、見放し、追い詰めた者たち…人の皮を被った悪鬼を私は断じて許さぬ! 世間が欺くなら天下の者、すべてを殺す! 谷を出る時、己に誓いました、江湖の偽善者を焼き尽くし、魑魅魍魎を地獄へ送ると… これが天に背く大罪ならば、独りで罪を引き受けよう!それなのに… すでに地獄に落ちてから、なぜ人の道を示すのです?」温客行は初めて自分の心をさらけ出し、献杯してから墓前で叩頭した。「破滅を選んだ私はあなたを師父とは呼べません、来世があれば必ず恩義に報います もし来世がなく永遠に地獄にいようとも、あなたがくれたひと時の光に感謝します」沈慎は顧湘を見逃し、高小怜を連れて帰った。実は群鬼冊に″無心紫煞(ムシンシサツ)″顧湘の名はなかったという。その夜、顧湘が焚き火で饅頭(マントウ)を焼いていると、ようやく曹蔚寧が目を覚ました。顧湘は沈慎のことには触れず、断剣山荘が駆けつけ小怜を助け、五湖盟に帰ったと嘘をつく。「助かったんだ…阿湘は本当に賢いな」しかし顧湘は曹蔚寧の笑顔を見ると切なくなった。「ねえ、私たちは相性が悪いと思わない?私と出会ってからあなたは怪我ばかりしてる」「それは私が弱過ぎるからだ…しっかり鍛練して君を守るよ」「でもどちらかが死ぬかもしれないわ」「その時は私の命を君に…阿湘…ただその前に何か少し食べさせてくれないか?」すると顧湘は笑顔になり、2人で仲良く饅頭を分け合った。つづく( ;∀;)阿湘〜このまま幸せが続くでしょうか
2022.07.26
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第24話「天窗の光」周子舒(ジョウズーシュー)は温客行(ウェンコーシン)と張成嶺(ジャンチョンリン)を連れて四季山荘に戻った。風光明媚な山荘は四季を通じてそれぞれの味わいがあり、春はつつじ、夏は鳳凰木(ホウオウボク)が咲き乱れ、秋は木犀が香り、冬は寒梅が雪に映えるという。山荘へ続く広大な桃林には師娘が飼っていたウサギの末裔が走り回っていた。しばらく進むとそびえる山から滝が流れ落ち、その山肌には師匠・秦懐章(チンホワイジャン)が彫った字が見える。…不思帰(帰るを思わざる)…四季山荘は長年、空き家だったせいですっかり寂れていた。周子舒は何ともわびしくなったが、中庭のからくりの陣を見て懐かしくなる。そこに配置された庭石や植木は飾りではなく、二十八宿の陣形を敷いて敵の攻撃から防御できるようになっていた。実はこれも龍雀(ロンチュエ)の設計だという。周子舒は2人を議事堂に案内した。かつてここで師匠から勉学の試問を受け、年越しの時は門徒全員で炉を囲んで新年を迎えたという。その時、周子舒は埃まみれになった掛け軸に目を留めた。温客行と張成嶺は周子舒の思い出の品だと気づき、2人で広げてみる。書画には″四季 花は常にあり 天下の事情を知り尽くす″と書いてあった。この絵は師匠が描いたもので、81輪の梅は門徒たちを表しているという。「だがもう独りになってしまった…全員、俺の手で葬った」周子舒の思わぬ言葉に温客行と成嶺は驚き、思わず顔を見合わせた。一方、顧湘(グーシアン)は曹蔚寧(ツァオウェイニン)と清風(セイフウ)山へ出発したものの、不安が拭えずにいた。宿場町に入り食事でもしようと言う曹蔚寧、しかし悶々としていた顧湘は急にヘソを曲げてどこかへ行ってしまう。( ゚д゚)<阿湘〜!私とウマーはどうすれば?!ぁ…行っちゃった曹蔚寧はなぜ顧湘の機嫌が悪いのか分からず困惑した。(´・ω・`)<女子は男の告白を喜ぶと聞いてたけど、なぜ冷たくされるのかな、ウマー?顧湘は何も知らず能天気な曹蔚寧を見ると苛立ちを隠せなかった。すると街中で偶然、断剣山荘の荘主・穆思遠(ムースーユエン)に襲われる岳陽派・祝邀之(ジューヤオジー)を目撃する。穆思遠は未だ師匠をかばう祝邀之を厳しく追及し、高崇(ガオチョン)と鬼谷が結託していた動かぬ証拠があると迫った。「鬼谷の谷主・温客行は英雄大会で高崇を助け、張成嶺をさらった! 鏡湖(キョウコ)派は温客行が滅ぼしたのだ! なのに恩人づらして五湖盟に潜り込めたのは高崇と示し合わせたからだ!」顧湘は主人の素性がばれたと知って愕然となった。聞けば趙敬(ジャオジン)が絵図を作らせ、温客行の配下である十大悪鬼の姿を江湖に示したという。顧湘は祝邀之を助けたいが、なかなか決心がつかなかった。その時、運良く沈慎(シェンシェン)が現れ、祝邀之を救ってくれる。「手を出せば私が許さぬ!」|ω・`).oO(あのバカも一度は役に立ったわ〜顧湘は早く町を出ようと慌てて戻った。すると曹蔚寧が同じ場所に座っておとなしくウマーと一緒に待っている。( ´ ▽ ` )ノ<阿湘~!曹蔚寧は阿湘が自分を見失わないよう動かずに待っていたと笑った。しかしその優しさがかえって顧湘を追い詰める。「ねえ、本気で私を娶るつもり?師父が反対したら?だって私は何処の馬の骨かも分からないし…」「誰が反対しても関係ないさ…阿湘、君と添い遂げられないなら、今生で何をしても無意味だ 大丈夫、師父たちも必ず君を気にいるよ!」「…じゃあ、行きましょう」顧湘はいずれ曹蔚寧も自分の正体を知る時が来ると分かっていた。…目の前に想い人がいる時ほど尊い時はない…少しでも長く過ごせれば、もう他のことなどどうでもよくなるのあの時はまだ柳千巧(リウチエンチャオ)の言葉の意味が分からなかった顧湘、それが今となっては痛いほど胸に沁みていた。温客行は周子舒をしばらく独りにするため、張成嶺を連れて里まで買い出しに行った。しかし師匠が四季山荘の弟子たちを葬ったと言ったことが気になり、成嶺は思わず温客行に聞いてしまう。温客行は何にせよ師匠にとって深い心の傷だと話し、無理に聞いてはならないと釘を刺した。「無理はするな」すると成嶺は以前、師匠からも同じことを言われたという。「人の傷口に触れるのは義に反するから、温大侠夫婦のことは聞くなって… それに温叔が認めるまで″師叔″と呼ぶなとも言われました、無理はするなと 互いに気遣うなら話してしまえばいいのに~」成嶺はやはり温客行を″師叔″と呼ぶと決め、腹の探り合いは嫌だと訴えた。その夜、周子舒たち3人はひとまず片付いた部屋で床に就いた。すると温客行はまた幼い頃の夢を見てうなされてしまう…扮装術で別人となり、秦懐章の迎えを待っていた甄如玉(ジェンルーユー)夫妻しかし鬼谷が夫婦の居場所を突き止め、襲撃した谷妙妙(グーミャオミャオ)は夫をかばって背中に三叉鉾を突き刺されて絶命かろうじて息があった甄如玉は舌を噛んで自死してしまうその時、甄衍(ジェンイェン)が中庭にふらふらと入って来た『正直に言え、両親が持っていた鍵はどこだ?!』『知るか!殺すなら殺せ!幽鬼になってお前ら全員を呪い殺してやる!』喜喪鬼(キソウキ)・羅浮夢(ルオフーモン)は谷主に反抗する少年を変わった性格だと指摘、いっそ鬼谷へ連れて帰ろうと提案した喜喪鬼はかろうじて少年だけは救出できた『あなたの父君は名医だったわ、残念だけど私には助けられなかったの これを飲んで、何もかも忘れられるから…』しかし甄衍は決してこの恨みを忘れるものかと誓った…温客行はそこで目を覚ました。「はっ!」その時、発作の時間になったのか、隣で眠っていた周子舒がうなされながら突然、苦しそうに飛び起きる。温客行はすかさず自分の内力を使って手当てすると、周子舒は落ち着きを取り戻した。「阿絮(アシュー)、さっき寝言でずっと″師弟″と呼んでいたが…言いたくなければ別にいい」「…老温(ラオウェン)、俺たちの間に話せないことなど何もない」すると周子舒は重い口を開いた…若くして荘主になった周子舒は晋(シン)王から蔣(ジアン)大人の暗殺を命じられたしかし弟子たちは猛反発、たとえ荘主と決別しても恩義ある蔣大人を無事に脱出させるという『段鵬挙(ドワンポンジュー)が追ってくるなら命懸けで防ぎます!』亡き師匠の息子・秦九霄(チンジウシャオ)も考え直すよう懇願し、周子舒は結局、蔣大人を救うと決めたそこで弟子たちと壮行の酒を飲み交わしたが、弟子たちは急に倒れてしまう周子舒は弟子たちを守るため、酔生夢死(スイセイムシ)を混ぜた酒を飲ませた弟子たちは5日も眠り続け、目が覚めた時には全てが終わったと知る深く失望した九霄は黙って姿を消し、周子舒と次に会えた時は棺の中だった周子舒が捕われたという流言を聞いて助けに向かい、城下で戦死したという九霄の亡骸を苦難の末に周子舒の元まで送り届けてくれたのは九霄の想い人だった周子舒はその娘が誰なのか知らぬまま、やがて毒薬を突きつけた相手がその娘だと知ることになる…「九霄は幼い頃から俺を尊敬してくれた、師父も俺を実の息子のように大切にしてくれた 四季山荘の兄弟たちも、皆が俺を本当の家族や兄のように敬い、愛してくれた だがそれも本当の俺がどんな人間なのか知らなかったからだ…本当は逃げてばかりの臆病者だ」秦懐章は病で世を去った。臨終の間際に四季山荘を周子舒に託したが、年若い荘主につけ込む輩も多かったという。2年間は何とか耐えたが、四季山荘を守ろうと師叔や師兄が亡くなり、周子舒もついに心が折れた。「逃げたんだ…」「自分を責めるな…それでどうした?」周子舒の父は先代の晋王の右腕で、今の晋王は周子舒の従兄に当たる。当時、晋王がまだ世子だった頃、信頼できる腹心が欲しいと四季山荘に文が届いた。驚いた周子舒が駆けつけると、世子の信頼する老師が讒言により獄中で自害、壁や床には世を憂う血書が残されていたという。世子は父王に深く失望し、老師の末路を嘆いた。そこで周子舒は野に捨てられた老師の遺体を盗んで埋葬すると約束し、憔悴する従兄を支えようと決断する。こうして周子舒は弟子を連れて四季山荘を離れ、世子の元に身を寄せた。しかし権力欲の泥沼は一度、入ったら抜け出せず、兄弟たちは1人、また1人と目の前で死んでいったという。「そして最後に九霄までも…ゥッ…俺は生きる意味を失い、またしても逃げたんだ…」周子舒に残ったのは身体の中に打ち込んだ7本の釘だけだった。守りたかった人も成し遂げたかったことも、手の中の砂のようにこぼれ落ちて行ってしまったという。しかし幸いなことに天が転機を与えてくれた。「だがあの子の成長を見届けられるかどうか…」周子舒は張成嶺の寝顔を眺めながら残り短い命に思いを馳せた。どんな結末が待っているか想像もできないが、こうして温客行が一緒に帰ってくれたことが心から嬉しいという。「師弟…」「…もうすぐ夜が明ける、少し休んだ方がいい」温客行は居たたまれなくなって外へ出ようとした。「老温、お前は名目上の師弟に過ぎない、自分を門徒と認めないなら仕方がない 温夫妻の子が四季山荘に戻っただけでいいんだ、あの世で師父も大いに喜んでいるはずだ」周子舒は温客行を引き止めなかった。すると中庭から温客行の心地よい簫の音が聞こえて来る。そのおかげで周子舒は深い眠りにつき、翌朝、目が覚めるとすでに午(ウマ)の刻だった。温客行は周子舒が寝ている間に師匠の書画を表装し直していた。すると張成嶺がようやく起きて来た師匠を連れてやって来る。「これで巻いて持って行ける、腕のいい絵師を探し、師父の画風に沿って補おう、元通りになる」感激した周子舒は思わず温客行を抱き締めると、張成嶺も2人に抱きついた。一方、周子舒を治すと約束した葉白衣(イエバイイー)は昆(コン)州にいた。すると露店で茶を飲んでいる男たちが鬼谷の谷主の噂をしている。「温とかいう悪鬼はこの若さで谷主なのか?」「知らないのか?鬼谷には若返りの妖術があるんだ 温客行も絵では若いが、本当は70歳の爺さんかもな?」驚いた葉白衣は流言を控えろと叱ったが、男たちは五湖盟が鬼谷の頭目たちの絵図を配ったと教える。「疑うなら見て来いよ」つづく:;(∩´﹏`∩);: あ~ついにバレちゃう…
2022.07.24
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第23話「黄泉の路」張成嶺(ジャンチョンリン)は沈慎(シェンシェン)を見送りに出た。これから沈慎は高小怜(ガオシャオリエン)を探し出し、大孤山(ダイコザン)派へ連れて帰るという。「成嶺、五義兄弟は温(ウェン)家に借りを作った、お前が温公子に孝行すればいくらか埋め合わせになる それから…いつか私も死ぬ、その時は小怜を世話して欲しい、四季山荘に迎えてくれるか?」「言われなくとも世話をします」喀血して昏睡した温客行(ウェンコーシン)はなかなか目を覚さなかった。心配した周子舒(ジョウズーシュー)は顧湘(グーシアン)に昔からこんなことがあったか聞いてみる。顧湘は自分が幼い頃は寝込むことがあったが、今は健康体だと言った。「いつから一緒に?」「物心がついた頃からよ」「では…いつその場所へ?」「どの場所のこと?」「まあいい…」その頃、温客行は鬼谷の夢を見ていた。…谷主は殺した夫妻の息子を青崖(セイガイ)山に連れて帰った『阿行、鬼谷はただの山間の谷(グウ)ではない、蠱虫の蠱(グウ)だと思え ここでは勇猛で残忍な蠱王だけが生き残る資格がある 食うか食われるか、生き残るためには他を殺さねばならぬ』谷主はどんなに罰を受けても享受する少年の強い精神力に期待していた…↓まさかその少年に皮を剥がされることになろうとは…:(;゙゚’ω゚’):温客行が目を覚ますと周子舒がいた。周子舒は脈が正常なため薬は飲ませなかったと話し、沈慎を追い払ったという。「老温、憎むべきは趙敬(ジャオジン)だ、他の者たちは苦しんでいた」「私の両親は苦しまなかったとでも?!」温客行は沈慎をみすみす逃したと激怒し、復讐できるなら地獄に堕ちても構わないと声を荒げた。「老温…すまない…お前の私怨なのに勝手なことを言って…悪かった ただ手を汚して欲しくないんだ…お前が快復したら趙敬を成敗しに行こう」周子舒の謝罪を聞いた温客行はふと我にかえり、照れ隠しに喉が乾いたと甘えた。すると顧湘がやって来る。「主人~っ!心配しましたよ!」そこで周子舒は顧湘に世話を頼み、厨房にいる張成嶺の様子を見に行った。「…主人、もしかして?」「孟婆湯(モウバトウ)のせいだ」蝎王は分舵の地下牢に閉じ込めた喜喪鬼(キソウキ)・羅浮夢(ルオフーモン)の様子を見に来た。喜喪鬼がうわ言のようにつぶやいている″敬郎″とは義父のことなのか、それとも…。蝎王は喜喪鬼の脈を見ながら、錯乱したのは孟婆湯のせいか聞いた。艶鬼(エンキ)・柳千巧(リウチエンチャオ)の話では孟婆湯は執着を断ち切るだけ、恐らくかつて患った離魂病が何者かに刺激されて再発したのだという。そこで蝎王は解毒法を聞いたが、実は千巧は解毒したのではなく、孟婆湯を飲んでいなかった。千巧は自害寸前で主人に拾われて青崖山に入ったため、谷主が例外を認めてくれたという。主人は″古より男は薄情で女は薄命″だと教え、薄情者に傷つけられた女子に代わって浮気者を殺し尽くすのが薄情司だった。「わははは~人は生まれつき薄情だ、男も女もない、滑稽だな…誰もが裏切り、裏切られる」すると蝎王は孟婆湯の処方箋を探し出せば解放すると約束して帰った。温客行の症状は孟婆湯が原因だった。当時はまだ7歳か8歳、しかし家族を殺された恨みは孟婆湯を飲んでも決して消すことができなかったという。顧湘は主人が幼い頃に頭痛や吐血で苦しんだのは、孟婆湯に抗った代償だと知った。「近頃、過去を思い出させることが多く、再発したのだろう…いつか正気を失うやもしれぬ その日が来る前に仇敵たちを皆殺しにしてやる」すると温客行は顧湘を守るため、曹蔚寧(ツァオウェイニン)と一緒に明日、清風(セイフウ)山へ発てと命じた。掌門・莫懐陽(モーホワイヤン)は切れ者ゆえ一門を騒乱から遠ざけるはずだという。「私が歩むのは黄泉への路だ、お前は図らずも鬼谷に入った、生き直す機会をふいにするな 奴と一緒になり人の世に戻れ、平穏に暮らせるだろう」「主人…曹蔚寧が言ってたんです、高崇(ガオチョン)は琉璃甲を清風剣派に渡しただろうって… だから主人のために琉璃甲を見つけたくて彼に同行したんです…だけど… なぜか…私、恋仲になってしまって…」顧湘は曹蔚寧への気持ちを認めたが、叶わぬ夢だと分かっていた。「主人、清風剣派は見逃してもらえませんか? 彼に恨まれたくない…結ばれなくても無事でいて欲しいんです 正体を知られるのが怖い…優しくされればされるほど、すべてが嘘に思える… あの時の雪だるまと一緒です、陽が昇った途端に跡形もなく消え失せてしまった…ゥッ…」「新しい雪だるまを作ってやっただろう?泣くな」「最初の雪だるまがいい!(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ ならもし主人が周絮(ジョウシュー)に正体を知られたら、殺して新しい友を探しますか?!」温客行は言葉を失った。そこで曹蔚寧を欺き通すよう助言し、清風剣派には手を出さないと約束する。「琉璃甲はもういらぬ、そもそも口実に過ぎなかったのだ」温客行は曹蔚寧を呼び、昔話を始めた。「私は年端もいかない頃に阿湘を拾った…私たちが育ったのは悪夢のような場所だ 私は生きるのに精一杯で煩わしい阿湘を何度も捨てようとした だがあの子は言葉も発せぬうちからしぶとい獣のようにどこへでもついて来た… ふっ、私と過ごしたのにまっすぐな子に育ってくれた 阿湘は私に恩義を感じて仕えてくれたが、今になって思えば救われたのは私の方だ 失いかけていた心をあの子が温めてくれなければ私は…」すると温客行は自分にとって顧湘は妹であり、大袈裟に言えば娘も同然だと言った。数少ない恩人の1人であり、顧湘には平穏に暮らして欲しいと願って止まないという。「曹蔚寧、お前に頼めるか?」「…もちろんです!」「ならば明日、阿湘を連れて出立しろ、だがこれだけは約束してくれ、阿湘を決して裏切らないと…」「ご安心を、天地神明に誓います、死ぬまでいつ何時も阿湘を裏切りません!」「いいのか?知り合ってから日も浅く、阿湘は想像とは異なるやもしれぬ 阿湘を裏切れば私が必ずこの手でお前を殺す」「日が浅くとも見極めました、阿湘と初めて会った時、生涯を共にすると決めたのです もし私が裏切るようなことがあれば、喉をかき切りお詫びする覚悟です」一方、鬼谷に襲撃された仙霞(センカ)派の生き残りは少林寺に泣きついた。こうして趙敬の目論見通り、慈穆(ツームー)和尚は各門派へ鬼谷討伐の号令を出し、五湖盟にも参加を嘆願する文が届く。蝎王は義父にどうするつもりか尋ねた。すると趙敬は誠意を示さねば自分たちを動かすことはできないという。「名門や正道派にも討伐させたいなら名分だけでは釣れないし、利益だけでも釣れない 台本を練り、名分も利益も盛り込んでこそ誘い出せるのだ」翌朝、顧湘は曹蔚寧との別れを決め、見送ることにした。しかし温客行が乱暴な侍女なので曹蔚寧に譲ると押しつけてしまう。「温兄…私は阿湘を侍女だと見なしことはありません 託されたからには嫁入り道具を揃えて阿湘を娶ります」「…嫁入り道具は妻側が準備するものだよ?」張成嶺が思わず茶々を入れると、顧湘は急に恥ずかしくなって屋敷の中に戻ってしまう。↓老温と阿湘って顔が似てるw一方、趙敬は蝎王に″群鬼冊(グンキサツ)″を作って武林に配布するよう命じた。蝎王は今さら悪鬼たちを切り捨てることに驚いたが、趙敬はもはや用済みだという。「鬼谷を滅ぼす時、鬼衆が外にいては困るだろう? 私の庇護を失った鬼衆は必ずや鬼谷に戻るはずだ…」「ですが鬼衆が流言を広めるのでは?」「誰が信じると?…機を見て悪鬼に証言させる ″鬼谷が五湖盟を陥れた、江湖を分裂させるため五湖盟に罪を着せた″とな 潔白を証明されたところで高崇はもういない、各門派は後ろめたさを感じるだろう その時、各門派を率いて鬼谷を滅ぼせば、私の威光と仁徳はさらに増す 各門派も罪悪感を抱いている、武林の盟主に選ばれるのは?…ふっ、私しかいない」( ̄∀ ̄)<義父も悪よのぉ~ ぶははは~>( ̄∇ ̄)しかし趙敬には気掛かりなことがあった。未だに急色鬼(キュウショクキ)から音沙汰がない。…まあどのみち全門派が鬼衆を探し始める、どこへ隠れるか見ものだ…つづく( ๑≧ꇴ≦)趙敬のシナリオ恐るべしいよいよ鬼谷の正体がバレるのね~阿湘の無事を祈るばかり
2022.07.20
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第22話「連環計」張成嶺(ジャンチョンリン)を連れて四季山荘に帰ることにした周子舒(ジョウズーシュー)と温客行(ウェンコーシン)。すると偶然にも道中で清風(セイフウ)山に向かっていた顧湘(グーシアン)と曹蔚寧(ツァオウェイニン)と合流、一緒に次の町へ向かった。一行は客桟で食事することにしたが、温客行は相変わらず曹蔚寧が気に入らない。しかし曹蔚寧が緑柳(リューリゥ)と桃紅(タオホン)夫婦に襲われたと聞いて脈を診てやることにした。実は高小怜(ガオシャオリエン)を岳陽(ガクヨウ)派から連れ去ったのは緑柳と桃紅だという。「あ!成嶺、小怜は許嫁でしょう?助けてあげなきゃ!恋敵もいなくなったことだしね~?ふふ」顧湘は鄧寛(ドンクワン)が小怜と恋仲だったが、英雄大会の日に消えたと話した。温客行は周子舒を外へ連れ出した。高崇(ガオチョン)を弾劾した鄧寛が一介の弟子ではなく小怜と親密だったとは…。そうなると黒幕は一体どんな手を使って鄧寛を操ったのだろうか。2人が考えあぐねていると、驚いたことに前から大孤山(ダイコザン)派の掌門・沈慎(シェンシェン)が現れた。図らずも因縁の相手と再会した温客行、すると3人は民に紛れて潜入していた刺客たちから挟み撃ちにされてしまう。刺客は毒蝎だった。周子舒たちは敵を撃退、しかし助太刀した沈慎が腕に暗器を受けてしまう。「沈掌門、それは蝎尾刺(カツビシ)だ、毒が塗ってある」周子舒は自分を信用できるなら飲んで欲しいと解毒薬を渡した。すると沈慎は迷わず薬を服用し、英雄大会で長兄を助け、張成嶺を救ってくれたと感謝する。「ところで成嶺は?」同じ頃、客桟に残った顧湘たちも刺客に襲われていた。剣術ができない張成嶺だが、流雲九宮歩(リュウウンキュウグウホ)の習得が功を奏し、何とか攻撃を回避する。そんな中、顧湘と曹蔚寧が刺客に応戦、成嶺を連れて客桟を飛び出した。通りでは思わぬ騒ぎに民たちが逃げ惑っている。すると客桟の前にいた物乞いがなぜか成嶺に助けを求めようと飛び出して来た。顧湘は咄嗟に物乞いを殺したが、周子舒はただの流れ者をなぜ殺したのかと驚いてしまう。しかし実はその物乞いも袖口に暗器を隠し持っていた。周子舒たちが客桟へ急いでいると、ちょうど逃げて来た顧湘たちと鉢合わせになった。一行は人里離れた李家の廃家を見つけ、しばし休むことにする。物乞いの返り血を浴びた顧湘は庭で汚れを落としながら、しみじみ曹蔚寧とは生きる世界が違うと実感していた。「私は食うか食われるかで、わずかな危険も見逃さないよう生きて来た…そうじゃなきゃ死んでたわ」「阿湘…君の生い立ちを初めて聞いた、なんて酷いところで育ったんだ」すると顧湘は居たたまれなくなって飛び出して行ってしまう。沈慎は張成嶺が周子舒に弟子入りしたと知って安堵した。すると成嶺が聞きたいことがあるという。「沈叔叔、答えずとも嘘は付かないでください、高伯伯が鬼谷と手を組んで父を殺したのですか?」「天に誓って言う、高伯伯はお前の父を決して害したりしない 過去に何があろうと高伯伯はお前の父をずっと案じていた だからお前に小怜を嫁がせ、両派の武芸を習得させて大成するよう願っていたのだ 盟主の地位も継がせるつもりだった」「では英雄大会で鄧寛が暴露したことは真実ですか?」「まさか!…20年前、大哥は琉璃甲(ルリコウ)を壊すか、武林に全て公表すると主張した 反対したのは我々だ、義兄弟たちの琉璃甲も望めばもっと早く奪えたはず…」高崇は確かに口下手だったが、何より情義を重んじていた。しかし沈慎にもなぜ鄧寛が敬愛する師匠を陥れるような発言をしたのか分からないという。その時、周子舒はふと何かを思いつき、温客行を探しに行くことにした。すると沈慎がその前に聞きたいことがあると引き止める。「温公子は五義兄弟の旧友によく似ている、温公子は…甄(ジェン)姓では?」周子舒は黙っていたが、動揺した成嶺がうっかり茶碗を落としてバレてしまう。周子舒は独り桟橋で考えを巡らせていた。そこへ温客行がやって来る。ノシ^ω^)ノシ☆ドン!ヾノ。・ㅅ・)ノシ<うわっ!「考え事か?」「…龍孝(ロンシアオ)が薬人(ヤクジン)を操っていたが、操縦法は伝説の攝魂蠱(セツコンコ)と関係が?」「確かに…義荘の一件は長舌鬼(チョウゼツキ)の仕業だ、背後に毒蝎がいる 阿絮(アシュー)、天窗(テンソウ)にいた頃、毒蝎の首領を見たか?」「毒蝎の首領は姿を現さぬ」「ならば芝居上手の″玄徳″趙敬(ジャオジン)が首領だな…」「ただいくつか釈然としない部分もある もし趙敬が首領なら高崇の剣に毒を塗って容炫(ロンシュエン)夫妻を陥れたのも趙敬だろうか?」「うむ…(´-ω-`)」「で…長舌鬼とは何者だ?」「(´゚艸゚)oops!…確か吊死鬼(チョウシキ)から纏魂糸(テンコンシ)を継承したヤツだ 鏡湖派を襲ったのも長舌鬼らしい」すると周子舒はさすが見識が広いと感心した。温客行はうっかり口を滑らせ、動揺していた。周子舒は聞き流してくれたようだったが、もし自分の正体を知ったらどうなるか。…人と鬼の道は決して交わらぬ…蝎王は張成嶺の行方を突き止めた。しかし腕利きの周子舒と温客行が側にいるため密偵は接近できず、尾行を続けさせている。それより龍雀(ロンチュエ)と龍孝が死んでしまい、蝎王は武庫の鍵が手に入らなくなったと心配した。「あれは龍孝を欺くための嘘だ、実はこの20年、武庫の鍵は最も危険で最も安全な場所にある」「鬼谷ですね?」鏡湖派の滅亡、三白山荘での窃盗、傲崍子(アオライズー)の横死、全ては趙敬の連環の計だった。これも江湖を欺き、鬼谷が琉璃甲を奪ったと見せかけるためだったという。偽物の琉璃甲は予想外だったが、その混乱でかえって高崇を早々に破滅させることに成功した。蝎王は義父の見事な策略に敬服したが、なぜそこまで高崇を憎んでいるのか聞いてしまう。すると趙敬の顔はみるみるこわばり、末弟として我慢を強いられて来た苦い過去を思い出した。「私を身勝手だと?!私欲から高崇を排除したと思うのか?!ギギギギ… いいか?…五湖盟は私の手中にあってこそ輝きを放てるのだっ!」( ̄▽ ̄;)<ぁ…義父…余計なことを申しました結局、趙敬は成嶺のことは自分が策を練ると決め、蝎王も喜喪鬼(キソウキ)と艶鬼(エンキ)を捕らえたことは報告しなかった。その夜、周子舒はひとり星を眺めながら考え事をしていた。すると顧湘がこっそり酒を持って露台に出て来る。ω-`)ヌ~ ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ<周絮ったら!驚かせないでよ!おかげで周絮は酒にあり付けたが、顧湘は不味くて吐き出した。🍶(´゚ω゚):;*.’:;.. ブハーッ! (・・;)<無駄にするな顧湘の話では主人が気落ちするたびにお酒を飲むのだという。「どのみち機嫌は直らないのに… ねえ?主人が言ってたけど、あなたは自分で寿命を縮めたって本当? あなたが死んだら主人が悲しむわ、長い間、一緒にいたけどあんなに悲しむ姿、初めて見た 唯一の友人なんだから死んじゃダメ、主人を独り残して死んだら黄泉まで追っかけて絞め殺す!」「まったく、女じゃなければ殴っているぞ?!…口の悪さはそっくりだな(ブツブツ」そこへ立ち聞きしていた温客行が現れた。周子舒のせいで酒瓶が空になり、顧湘は主人のために酒蔵を探しに出かけた。すると沈慎と張成嶺がやって来る。沈慎は張成嶺の様子から温客行が甄衍だと確信していた。「衍児?…父上たちは息災なのか?」激しく動揺した温客行は顔から血の気が引き、頭が痛くなって来る。「ゥゥ…私の父は手足の筋を断たれ破門されたのだぞ? 正道派の圧迫を受け、邪道派の襲撃を逃れながら、板挟みになっても情義を全うし耐え忍んだ! いわゆる″義兄弟″のためにな!息災だと思うのかぁぁぁ!」沈慎は涙ながらに詫びたが、取り返しがつかないことも分かっていた。「もう遅い…2人は死んだ…あの時、甄衍も一緒に死んだんだぁぁぁぁ〜!」あの時、村は鬼谷に襲われ、甄如玉(ジェンルーユー)と谷妙妙(グーミャオミャオ)は惨殺された。温客行は当時の光景が蘇り、激しく血を噴き出して倒れてしまう。驚いた周子舒は温客行を腕に抱いて縁側に腰掛け、口についた血を拭き取った。「すまない…」すると温客行はそのまま意識を失ってしまう。温客行は翌朝になっても目覚めなかった。沈慎は甄衍も秦懐章(チンホワイジャン)の弟子だと聞いて喜んだが、周子舒は″温客行″として生きることを尊重してやって欲しいという。それにしても大弟子の自分がなぜ五義兄弟と師匠の交友を知らなかったのだろうか。実は青崖(セイガイ)山の戦いの後、秦懐章は義兄弟の不義理に腹を立て、関係を断っていた。すると張成嶺が龍(ロン)師匠から聞いた容炫(ロンシュエン)の一件だと気づく。「まさかあなたが?!あなたが容伯伯に毒を?!」「何だと?!」周子舒と張成嶺は容炫の一件を知っていた。驚いた沈慎は自分ではないと否定、確かに容炫の死や甄夫妻の苦難を座視したが、決して義兄弟に手を下すことはないという。どうやら沈慎は未だ誰の仕業か見当がついていないようだった。「現在の五湖盟の盟主は?」「まさか…趙大侠ですか?!」周子舒の問いに真っ先に答えのは曹蔚寧だった。到底、信じられない沈慎は温客行を起こして問いただすと言い出したが、周子舒が阻む。「容炫前輩を見捨てたのは仕方がないとしても、五義兄弟に良心があれば師弟を助けられたはずだ!」「皆、青崖山で重傷を負い構えなかったのだあ〜」「釈明など要らぬ!」周子舒は結局、五義兄弟も報いを受けたと突き放した。今さら過去は変えられないが、温客行が恨みで苦しむ姿を見たくないという。「もう2度と再会しないことを願う…成嶺、客人を見送ってくれ」「はい」つづく( ;∀;)やだ〜何この悲しい話…
2022.07.19
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第21話「夢幻泡影(ムゲンホウヨウ)」蝎王は義父の命で仙霞(センカ)派の掌門・白啓峰(バイチーフォン)の始末を悪鬼に頼んだ。しかし仙霞派と鬼谷は無関係、無常鬼(ムジョウキ)は難色を示したが、蝎王から遠回しに脅されてしまう。「拒むならいっそ決別すれば平和を保てる…しかし次に会う時、敵か味方かは別問題だがな」すると無常鬼はしぶしぶ了承して引き上げた。蝎王は念のため俏羅漢(ショウラカン)を同行させると決め、何人か生かすよう指示しておく。そうすれば仙霞派が鬼谷に滅ぼされたと武林界に広まり、誰もが他人事ではないと恐れるだろう。開心鬼(カイシンキ)は十大悪鬼の首領ともあろうものが蝎王の言いなりかと揶揄した。急色鬼(キュウショクキ)も趙敬(ジャオジン)の手先になったところで先は知れていると冷ややか、しかし無常鬼は温客行(ウェンコーシン)に背いた今、趙敬の庇護を受けるしか生きる道はないという。「温客行に許しを請うて受け入れてもらえるとでも? お前は谷に入ってまだ何年も経っていない、温客行がいかにして谷主となったか知らぬだろう? …あの男はな、皆の目の前で老谷主の皮を生きたまま剥いだのだ」↓ヤンチャな頃の温さん龍淵閣から飛び出した温客行はその夜、行く当てもなくふらふらと歩いていた。すると偶然にも林の中で暖を取っている周子舒(ジョウズーシュー)たちの姿を見つける。その時、ちょうど周子舒が張成嶺(ジャンチョンリン)と葉白衣(イエバイイー)に話の続きを聞かせていた。あの時、秦懐章(チンホワイジャン)は急用で重症の甄如玉(ジェンルーユー)を連れて行けず、3ヶ月後に迎えに来ると約束したという。しかし約束通り戻ってみると、村が一面の焦土と化していた。この一件は秦懐章の心の傷となり、息子の秦九霄(チンジウシャオ)が成人した時も″三番目の弟子″と言ったという。趙成嶺は温客行が初めから師匠に気づいて付きまとったのだと分かった。ならばなぜ甄衍(ジェンイェン)だと認めようとしないのだろう。すると葉白衣が温姓の理由を教えた。「甄如玉は神医谷の谷主の養子なのだ、元の姓は″温″、だからあいつは甄姓を拒むのだ」恐らく甄夫妻は亡くなったのだろう。周子舒は成嶺に師叔が何も言わないなら何も聞いてはならないと言った。「悲しいです…師父、善人ほど報われないのはなぜですか? 父も龍(ロン)師匠も甄家の人たちも、容(ロン)伯伯だって…」「天意は測れず、運命は人をもてあそぶ…善人に限らず、生きるものには苦しみがある」その時、いつもの飄々とした様子で温客行が現れた。「お、老妖怪もいたか」温客行が甄夫妻の忘れ形見だと知った葉白衣は、師匠として弟子の過ちを償いたいと申し出た。死者を生き返らせること以外、できないことはほとんどないという。「情けではない、これはお前が持つべき権利だ、願い事を言ってくれ」「…私の願いは1つだけ、阿絮(アシュー)の傷を治せるなら過去は帳消しにする ただし元の寿命と武芸は残すのだぞ?」すると葉白衣は自分に治せなくても治せる者がいると思い出した。ピューッ!٩(¨ )ว=͟͟͞͞ <四季山荘で私が戻るのを待て!(」゚ロ゚)」<前輩ーっ?!やれやれ、あれで100歳とは英雄大会に顔も見せず、消息も分からなかった華山(カザン)派の掌門・于丘烽(ユーチウフォン)がひょっこり岳陽に現れた。どういう風の吹き回しかと訝しむ趙敬、すると于丘烽はある噂を聞いたという。「喜喪鬼(キソウキ)は元の名を羅浮夢(ルオフーモン)といい、哥哥の許嫁だったとか? しかし婚姻当日、哥哥は富豪の浙西(セッサイ)観察使の娘と出奔した 恥をかかされた新婦の怒りは激しく、浮気男を殺す鬼女に生まれ変わったとか…」于丘烽はもちろん噂をしていた輩を懲らしめたと笑い、名誉を守るため警戒するよう助言した。于丘烽は自分の過去をどうやって知ったのか。あの日、喜喪鬼を移送させるため遣わした腕利きは皆、岳陽派内で死んでいた。もしや于丘烽が喜喪鬼を奪ったのだろうか。趙敬は于丘烽に怒り心頭だったが、自分と面会してすぐ殺されれば体裁が悪い。そこで謝無恙(シエウーヤン)を呼び、悪鬼たちに連絡を取るよう命じた。しかし悪鬼たちは仙霞派を討ちに行ったため、急色鬼しかいないという。「十分だ」温客行は周子舒と張成嶺に客桟探しを任せ、独りで酒を買いに出かけた。すると酒売りの露店で暗号を見つけ、薄情司の娘たちがこの町にいると知る。聞けば五湖盟の襲撃から逃れ、娘たちは食屍鬼(ショクシキ)がかくまっていた。しかし食屍鬼に昔の病気が出て食べられそうになり、酒に酔わせて逃げ出したという。その後、艶鬼(エンキ)・柳千巧(リウチエンチャオ)から文が届き、主人が療養につき軽挙は慎めと命じられていた。寄る辺のない娘たちは青崖山に戻って谷主の帰りを待つと言ったが、温客行は食うか食われるかの鬼谷で娘たちが生き残れるとは思えない。「どこへ行こうと構わぬが青崖山には入るな…背けば死を」「はい」…人生とは夢のごとく儚い…人々が追い求めるのはわずかばかりの蜂蜜の甘さに過ぎないのだ華山派の山荘に急色鬼が現れた。于丘烽は早々に逃げ出し、柳千巧は独り応戦するが歯が立たない。やがて動きを封じられた千巧は主人に逃げるよう訴えたが、気が触れた喜喪鬼には通じなかった。「″君 我を裏切らざれば 我 君を裏切らず″…敬郎?どこなの?ブツブツ…」すると突然、蝎王が毒菩薩(ドクボサツ)を連れてやって来る。「蠍王…なぜこちらへ?」「私に尋ねる気か?…于丘烽は?」「ああ~この女を捨てて逃げました」この女とは絶世の美女と評判の十大悪鬼・艶鬼だった。蝎王は顔に傷があると首を傾げたが、毒菩薩は扮装術を使う艶鬼に多少の傷など関係ないと教える。その時、奥の部屋にいた喜喪鬼が叫び出した。「敬郎?…敬郎?!どこなの?!」蝎王は驚いて駆け寄ると、急白鬼が勘違いして口を滑らせた。「なんと!蝎王は熟女系ですか?!」っ'-')╮ =͟͟͞͞🔪シュッ! バタッ!(:3_ヽ)_ 蝎王が放った暗器は急色鬼の喉を貫通した。羅浮夢は愛しい人の姿を探して外へ出ていった。すると柳千巧は蝎王の足にすがりつき、主人を見逃してほしいと懇願する。蝎王は艶鬼の首に手をかけたが、その時、逃げたはずの于丘烽が戻ってきた。「やめろ!…放せ!」于丘烽は琉璃甲(ルリコウ)の隠し場所へ案内することを条件に千巧を解放させ、今度は逃げないと千巧に誓う。三文芝居に呆れる蠍王と毒菩薩、そこで毒菩薩は主上に昔話を教えた。「この女が″淫乱″と呼ばれて江湖に名が知れ渡ったのは于丘烽にだまされ、その手に落ちたから 于丘烽の妻は嫉妬深くて有名だった 小娘だったこの女は衣を剥ぎ取られ、裸のまま華山から長安まで引き回されたのよね? この一件は世間を驚かせた、でも何が笑えるってこの男、最初から最後まで黙ったままだったとか 女は江湖に身の置き場を失い鬼谷へ去った、でもまたこの女を愛人にしたのね 姐妹?顔だけでなく、頭にも傷があるんじゃない?」しかし千巧は于丘烽を利用しただけだと言った。「琉璃甲は偽物よ、主人を救うためこの男を利用したの、意外にもこの男との関わりが役に立った …烽郎、だましたのはお互い様、私は許されないとでも?」そこで千巧は主人を見逃す代わりに蝎王に仕えると誓った。「世を震撼させた鬼女が今やうつけとなったのか…」「主人は離魂病を患い、孟婆湯(モウバトウ)も飲んでいます、意識も記憶も曖昧ですでに廃人なのです」鬼谷に入る前には必ず孟婆湯を飲み、飲めば執着を忘れることができるという。蝎王は毒菩薩に誰にも知られぬよう毒蝎の分舵に女2人を連れて行くよう命じた。「″君 我を裏切らざれば 我 君を裏切らず″…」翌朝、周子舒たちは客桟を出発した。すると郊外で立ち寄った茶屋に偶然、仙霞派の門弟たちがやって来る。門弟たちは怪我をしている様子、給仕の話では数日前に鬼谷に放火され、掌門が亡くなっていた。付近には無惨にも殺された仙霞派の亡骸が転がっていた。すると見慣れない死体と死臭のせいで張成嶺はすっかり気分が悪くなってしまう。そこで周子舒は成嶺を休ませ、温客行を連れてその場を離れた。「仙霞派の屍は喉をかき切られたか、もしくは即死ばかり、殺し専門の者の仕業だ 鬼谷の名で邪魔者を排除し、さらにその罪を鬼谷に着せようとする者とは?」温客行は英雄大会まで高崇(ガオチョン)が黒幕だと思っていたが、どうやら陰謀を巡らす者は他にいたらしい。五義兄弟で残ったのは趙敬と沈慎(シェンシェン)、どちらも真の力を隠し、十分に怪しかった。「あーっ!主人?!」その声は曹蔚寧(ツァオウェイニン)と一緒に清風(セイフウ)剣派へ向かっていた顧湘(グーシアン)だった。つづく(ヾノ・∀・`)いやいや〜婚儀当日に令嬢を捨てて令嬢と逃げたら大事になってるはずだよね?
2022.07.17
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第20話「天意」龍雀(ロンチュエ)は葉白衣(イエバイイー)の話で全てを悟った。「単純な話だった…人の親たるもの、一番良いものを我が子に与えようとする 与えないならそれ相応の理由があるのだ…」しかしそんな父の言葉も龍孝(ロンシアオ)の心には響かない。すると龍雀は周子舒(ジョウズーシュー)についに書庫の場所を明かした。「地図にある竹楼の右端、独立した棟が書庫だ その中に地図が2枚ある、1枚は龍淵谷、もう1枚は武庫のからくり図だ 武庫の図は私に代わって葉前輩に渡してくれ それから龍淵閣の技が絶えるのも惜しいと思い、2巻の書にまとめておいた、それも中にある 後継者を見つけてはくれぬか?」「龍伯伯(ボボ)、申し遅れましたが、張成嶺(ジャンチョンリン)は四季山荘6代目の弟子です」そこで周子舒はこれも天意だと感じ、成嶺を弟子にするよう提案した。龍雀は快諾、成嶺はその場で弟子入りの叩頭を済ませ、鏡湖(キョウコ)派・四季山荘・龍淵閣3つを継ぐことになる。その時、龍雀が激しく咳き込んだ。「子舒よ、白衣剣を持っているか?」龍雀は白衣剣で鎖を切るよう頼んだ。しかしすでに経脈が枯渇しており、鎖を外せば真気の奔流が身体を破壊してしまう。龍雀は百も承知していたが、盟友が死に、妻も弟子たちも死に絶え、これ以上、生きている意味はなかった。「ようやく解脱できる…生きることの方が無限の苦しみだ」周子舒は誰よりその気持ちが分かった。そこで白衣剣を出したが、温客行(ウェンコーシン)に差し出す。「お前がやれ」呪縛から解かれた龍雀はもはや虫の息となった。すると周子舒は呆然としている温客行に耳打ちする。「…甄衍(ジェンイェン)、本当に龍伯伯に黙ったままでいいのか?」ついに温客行の正体に気づいた周子舒、しかし温客行は認めようとしなかった。そこで周子舒は温客行の素性を隠したまま龍雀を安心させる。「実は甄如玉(ジェンルーユー)夫妻は素性を隠して生き延び、平穏に暮らしました 師父が容姿を変えたのです そして2人の息子を弟子に迎え、私の師弟となりました… もう大人です、憎らしい時もありますが、そう悪くない奴です、武芸の腕も達者ですよ」「それは良かった…」龍雀は秦懐章(チンホワイジャン)が甄一家を救ってくれたと知り、ようやくこの世からも解放された。一方、華山(カザン)派の別邸で療養していた曹蔚寧(ツァオウェイニン)は清風(セイフウ)剣派に帰ることにした。顧湘(グーシアン)はまだ安静にするよう叱ったが、実は華山派の弟子から英雄大会の悲劇を聞いたという。師匠が大会をあきらめて引き返し、師叔が弟子たちを連れて早々に撤収したのは、恐らく高崇(ガオチョン)の琉璃甲(ルリコウ)を持っているからだろう。「私でも察しがつくなら、皆も同じ考えのはずだ」曹蔚寧は清風派が危険だと心配し、顧湘を連れて帰りたいと懇願した。艶鬼(エンキ)・柳千巧(リウチエンチャオ)は岳陽(ガクヨウ)派から救出した主人をかくまっていた。しかし喜喪鬼(キソウキ)・羅浮夢(ルオフーモン)は収監されている間、薬が途絶えたせいで正気を失っている。于丘烽(ユーチウフォン)は羅浮夢が趙敬(ジャオジン)に裏切られて鬼女となったと知り、思わぬ切り札を手に入れたと喜んだ。これで趙敬を脅して琉璃甲を手に入れ、陰陽冊(インヨウサツ)で千巧の傷跡を治してやりたいという。「お前のためだ」すると急に顧湘が訪ねてきた。蝎王の脅しのおかげで武林の門派は次々と五湖盟へ加入した。求心力を強めた趙敬は良き叔父を演じるため、高小怜(ガオシャオリエン)と張成嶺を取り戻せるよう武林に協力を呼びかける。一方、柳千巧を訪ねた顧湘は曹蔚寧と一緒に清風剣派へ行くと伝えた。しかしどうしても于丘烽を信用できず、千巧を残していくのが心配だという。千巧はむしろ弱肉強食の悪鬼たちを警戒していた。今までは主人の武芸に守られ、谷主の庇護もあって無事だったが、これからどうなることか。顧湘は主人なら必ず守ってくれると言ったが、その時ふと千巧が于丘烽から離れられないのだと気づいた。「孟婆湯(モウバトウ)を飲んでないからバカな男を忘れられないんでしょう?!」「やめなさい、小娘に何が分かるの?」「もういいわ、でも羅姨をどうやって助けるの?」「打つ手がないの…」孟婆湯の効果は強く、忘れた記憶を呼び覚ますことが最も良くないという。しかも羅浮夢は離魂病も患って心が安定せず、混乱していた。今はともかくここに身を隠し、何とか治療法を探すしかないという。「大丈夫よ、安心して行って…年を重ねれば分かるわ、目の前に想い人がいる時ほど尊い時はない …少しでも長く過ごせたら、もう他のことなどどうでもよくなるの」趙敬が崇武(スウブ)殿から戻ると蝎王が待っていた。新しい盟主を迎えた岳陽派の無骨な屋敷は一転、三白(サンパク)山荘のように華やかで洗練されている。これもすべて蝎王が義父のためにあつらえたものだ。「そうだ、仙霞(センカ)派の掌門・白啓峰(バイチーフォン)は余計なことを知り過ぎた 再び英雄大会を開く前に永遠に口を封じたい、鬼谷に始末させてくれ」実はもう一人、このまま捨て置くわけにいかない人物がいた。蝎王は消息不明の龍孝だと気づき、すでに配下に探させていると安心させる。「そろそろ返事が来る頃かと…」その頃、龍孝は周子舒と温客行から誰の指示で嘘をついたのか追求されていた。しかし龍孝は自ら薬人(ヤクジン)の住処へ身を投げ、薬人たちの餌食になってしまう。周子舒たちは龍雀の亡骸を夫人・林羽追(リンユージュイ)の隣に埋葬した。これから書庫で地図を見つけてから出口を探すことにしたが、そこへ葉白衣が現れる。墓標には″恩師龍雀之墓 不肖弟子張成嶺″とあった。黙って龍雀の墓前にたたずむ葉白衣、そこで周子舒は先に行くことにする。その様子を物陰から毒蝎が見ていた。「あれは長名山の剣仙か…分舵(ブンダ)で張成嶺を奪った2人も… 雁首そろえて龍淵谷にいやがったのか!」周子舒は四季山荘へ帰ると決めた。温客行はアホの子を自分の師匠に紹介するのかと揶揄したが、周子舒は温客行の師匠でもあるという。(  ̄꒳ ̄)b<成嶺、もう″温叔″と呼んではならぬ、″師叔″と呼びなさい師叔!>(´・ω・)ノシバンバンヾノ。ÒㅅÓ)ノシ”<誰が師叔じゃ!すると周子舒は四季山荘で独り生き残った自分に天が弟子を与え、師弟と再会までさせてくれたと喜んだ。「あの世で師父も胸を撫でおろしているだろう…」…両親と共に神医谷を追われた甄衍母は手負いの父を背負って自分の手を引きながら必死に歩いていたしかしある夜、追っ手に見つかり、母はひとりで応戦するも追い詰められてしまうするとちょうど山に来ていた秦懐章が現れ、一家を救った秦懐章は甄一家を山荘にかくまったしかし甄衍は神医谷主が父の手足の筋を切るところを目撃したせいで秦懐章も敵ではないかと誤解してしまう残酷な仕打ちに憤る秦懐章だったが、甄如玉は師匠も自分を突き放すことで神医谷を守ったのだと理解を示したそこへちょうど薬草を採りに出掛けていた周子舒が戻って来る秦懐章は周子舒に歳の頃も近い甄衍の面倒を見るよう頼み、甄衍は周子舒と過ごすうちに子供らしい笑顔を取り戻して行った秦懐章は得意の扮装術で甄如玉夫妻の外見を変えた息子の甄衍さえも気づかない見事な術、すると甄如玉は息子を守るため秦懐章に託すと決める周子舒は弟弟子ができたと喜んだが、甄衍は両親が四季山荘へ来ないと知った…周子舒は張成嶺に昔話を聞かせた。あれから20年の月日が過ぎたが、師弟と再会できるとは何と幸運なのか。「私も長くない…今、お前が戻ってくれたのは天の配剤だ 四季山荘を再興し、成嶺を育て、師父の意志も継げる…俺も安心だ」「師父?長くないって…なぜ急にそんなことを?」その時、温客行が突然、怒り出し、再興したいなら一人でやれと声を荒げた。すると周子舒は師弟をなだめるように強く抱きしめる。「″衍″の字を分解すると客行、俺の師弟だったんだな…なぜ姓を″温″と変えた?」しかし温客行は周子舒を突き飛ばし、どこかへ行ってしまう。(」゚ロ゚)」<師叔~っ?!…師父、師叔はどうしたのですか?( ̄꒳ ̄)<戻るまで待とう〜ホトトギス♪温客行は居たたまれなくなり、独り川辺に出た。(´・_・`)<もう遅い…遅すぎる…つづく|ω・`)ちょっと蠍ちゃんを推し過ぎでしょうか?w今日の豆知識:弟子から見て師匠の弟弟子→師叔(シシュク)、弟子から見て師匠の兄弟子→師伯(シハク)ちなみに「″衍″の字を分解すると客行」という謎のセリフ本国の知恵袋みたいなところに答えがありました→衍=氵と行=水を行く人=旅人=行客=客行( ˙꒳˙ )何のこっちゃ?まあ本国の人が質問するくらいですから私に分かるはずありませんw
2022.07.14
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第19話「陰陽の逆転」武庫に眠る神医谷(シンイコク)の秘宝・陰陽冊(インヨウサツ)。この陰陽冊をめぐり、龍雀(ロンチュエ)と龍孝(ロンシアオ)父子には大きな確執が生まれていた。龍孝はこの奥義で骨肉を蘇生することができると妄信、しかし龍雀は何度も打つ手はないと言い聞かせてきたという。実は龍孝の母は難産の末、息子を産み落として死んでいた。龍孝は父がその恨みで自分を不自由な身体のまま放置したと逆恨みし、父を監禁して弟子まで皆殺しにするという凶行に出てしまう。激しく父を罵倒する龍孝、すると妄言に耐えかねた温客行(ウェンコーシン)が思わず術を放ち、龍孝の声帯を止めた。龍雀が静かに20年前の話を始めた。「どこから話せばいいか…最後に高崇(ガオチョン)に会ったのは20年前のことだ」武林大会で龍孝は容炫(ロンシュエン)が父を欺いて武庫を作らせたと証言したが、全くのデタラメだった。龍雀は自ら望んで武庫を改造したという。容炫と最初に出会ったのは周子舒(ジョウズーシュー)の師匠・秦懐章(チンホワイジャン)だった。その後、縁あって交友を深めた者たちは共に弱きを助け、強きをくじいたという。龍雀は書厨の自分でさえ江湖を存分に楽しみ、輝かしいひと時だったと懐かしんだ。当時、確かに容炫は自分たちの支柱だったが武庫の主ではなく、武庫は仲間たち皆で建造したという。すると張成嶺(ジャンチョンリン)がその仲間の中に父もいたのか聞いた。その少年が張玉森(ジャンユーセン)の三男だと知った龍雀は喜び、そばに呼んで顔をよく見せてもらう。周子舒は実は張玉森も陸太冲(ルータイチョン)も高崇も琉璃甲がらみで亡くなり、今や江湖が恐怖に包まれていると伝えた。「争奪したところで何になる…琉璃甲は単なる錠に過ぎず、容兄弟の鍵がなければ武庫は開かぬ」えーっ?!>ʕ*̫͡*ʕ*̫͡*ʔ-̫͡-ʔ*̫͡*ʔ話が進むに連れ、周子舒は温客行の様子がおかしいと気づいていた。すると葉白衣(イエバイイー)は誰が容炫の鍵を持っているのか尋ねる。しかし龍雀は誰にも言わないと誓った以上、教えられないと拒んだ。引っ込みがつかない葉白衣は何としてでも白状させると脅したが、その時、急に温客行が無理強いするなと激怒し、葉白衣に襲い掛かってしまう。周子舒が温客行を制してその場は収まったが、葉白衣はどうしても容炫の死因を突き止めなければならなかった。「私の弟子だからな!」えーっ?!>ʕ*̫͡*ʕ*̫͡*ʔ-̫͡-ʔ*̫͡*ʔその頃、五湖盟を掌握した趙敬(ジャオジン)は秘密の霊廟に高崇の霊位を安置していた。「封山(ホウサン)剣に神医谷の二傑、で五湖盟の掌門と…高大哥、これでようやく皆を集合させられた かつてお前たちは私を見下して疎外し、使い走りにしていたな? 想像できたか?私がお前たちを弔おうとは…」この半生、必死に奮闘して貧乏人から太湖(タイコ)派の掌門に上り詰めた趙敬、しかし容炫の突飛な発想に心血を注ぎ、危うく転落しかけるところだった。「あの頃、お前は雲で私は泥だった…お前は常に正しく、私は常に間違っていたな? だがどうだ?お前は霊位になったが、私は生きている」趙敬はもはや自分だけが五湖盟を隆盛させ、輝きをもたらせると自信を見せた。その頃、洞窟では葉白衣が見事な封山剣法を披露していた。「まさか生きておられたとは…」龍雀は葉白衣が間違いなく容炫の師匠だと分かった。まさか天残地欠(テンザンチケツ)の六合(リクゴウ)心法で本当に不老長寿を実現できるとは…。「前輩、あなたの六合心法は今に至るまで武庫に保管されています! 容兄弟は道理をわきまえず、過ちを犯したと心から悔やんでいました」容炫は夫人・岳鳳児(ユエフォンアル)に琉璃甲の鍵を長明山に届けさせるつもりだった。そして師匠に経緯を全て話し、自分の代わりに土下座して詫びて欲しいと頼んでいたという。「それがまさかあんなことになるとは…子舒よ、酒はあるか?」すると温客行が駆け寄り、龍雀に酒を渡した。(´゚ω゚):;*.’:;.. ブハッ!←あまりに逸品すぎて吐き出してしまうおじいちゃんw…あれは容炫夫妻を囲んで楽しく酒を飲んでいた時だった酒席にいたのは秦懐章、陸太冲、張玉森、沈慎(シェンシェン)、龍雀、そして神医谷の甄如玉(ジェンルーユー)と谷妙妙(グーミャオミャオ)趙敬もその場にいたが和に入らず、独り離れて皆の話を聞いていたそこへ怒り心頭の高崇が現れる『泰山(タイザン)派に尻尾を捕まれた!』高崇は趙敬の不手際だと叱責、すると趙敬は自分で責任を負うというしかし容炫は武庫の発案者である自分が皆を守ると安心させた…容炫は常々、門派間の偏見や江湖の規則は無用の長物だと言っていた。真の武芸者は胸襟を開くべきだという。そこで仲間たちは数年かけて天下の奥義書を収集、しかし武庫の場所選びには苦労した。最終的には秦懐章が見つけた前王朝の地下宮殿を龍雀が改良して完成させたという。しかし容炫がなぜ死んだのか、それは龍雀でもまだ結論が出せずにいた。「一体、誰を恨むべきなのだろうか?」…五義兄弟は六合心法の修練を熱望したが、容炫は自分でも習得していないと禁止したそこで5人は奥義を賭けて手合わせを申し出る高崇はかろうじて容炫の腕にかすり傷を負わせたが、5人同時に挑んでも容炫が圧勝した『やはり私には勝てまい』降参です>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ<さすがですね~しかし容炫が急に腕を押さえて倒れた容炫は三屍毒(サンシドク)に冒されていた高崇の剣に血がついているのを見た岳鳳児は驚愕、すると趙敬がすかさず高崇に疑いを向ける『高大哥!なぜだ?!』『(はっ!)私ではない!濡れ衣だ!』しかし岳鳳児は五義兄弟を恨んで追い払った武庫は6人が集まらねば開けられず、この仲違いを機に武庫は2度と開かなくなったという…葉白衣は腑に落ちなかった。三屍毒は生気を奪うだけで正気を失うことはない。葉白衣は弟子の敵を討つと息巻いたが、龍雀は誰が敵かと言えば夫人だと言った。実は岳鳳児は深すぎる愛ゆえ、夫を救おうと禁術に手を出したという。骨肉を蘇生させる禁術、つまり陰陽冊とは誰かの命を犠牲にしなければならなかった。…岳鳳児は禁術である陰陽冊に手を出し、生者から取り出した心臓を夫に移植したこれで容炫は命を取り留めたが、禁忌を犯した岳鳳児は2度と神医谷へ戻れないと気づくそこで同門の甄如玉と谷妙妙夫妻に治療の調査と武庫の鍵を託し、神医谷へ帰したしかし目を覚ました容炫は気が触れるようになり、誤って夫人を殺してしまう容炫は痛悔のあまり、なけなしの正気まで失うと、最後は完全に軌道を逸して魔道に落ちた甄如玉は容炫の悲劇を知り、不眠不休で馬を駆け、青崖山に到着したすると英雄たちに追い詰められた容炫を発見するその時、容炫が急に頭を抱えながら倒れ、もがき苦しみ出した甄如玉は容炫のもとへ駆けつけ、これまで多くの病人を救ってきた功績に免じて容炫を見逃して欲しいと嘆願するしかし突然、背後から容炫に殴られ、気を失った…青崖山の戦いでは魔王の討伐を旗印に皆が容炫を追っていた。しかし本当の狙いは武庫の鍵…。結局、容炫を殺しても入手できず、その矛先が甄如玉に向かうのも想像に難くない。いわゆる正派たちは神医谷に乗り込み、邪道の排除を口実に谷主・甄落胤(ジェンラクイン)に弟子の処刑を迫ったという。この知らせが龍淵閣に届いた時には、すでに谷妙妙が手負いの甄如玉と幼子を連れて姿を消していた。そして間もなく谷主が亡くなり、名を馳せた神医谷は没落してしまう。江湖では神医谷の甄夫妻は自ら道を踏み外し、谷主に武芸を廃され、破門されたと言われていた。「道を失っただと?!広い江湖でも甄如玉ほど高潔な者はいなかった! あまりにも高潔で純真だったがゆえに、汚れた世から排除されたのだ」すると周子舒は龍淵閣が武庫を開けられると噂を流したのが龍雀本人だったと気づく。龍雀は諦めの悪い江湖の者が執念深く甄家を狙わぬよう、一切の面倒ごとを引き受けたのだ。周子舒は龍雀が大成する機会を捨てて龍淵閣を秘境に移し、災いを被ったと知って深く感銘を受けた。「苦肉の策に過ぎぬ…何とかしたかったのだ、だが未だに行方は知れぬ どこかで幸せに暮らしていて欲しいものじゃ~」その言葉を聞いた温客行は安堵したような悲しいよな、何とも複雑な表情を浮かべた。龍雀は実のところ自分にも鍵の所在が分からないと正直に話した。「武庫の鍵を葉前輩に渡すと約束しましたが、力不足で果たせませんでした どうか私をお許しください」「…謝罪はいらぬ」葉白衣はむしろ自分の弟子が龍雀に迷惑をかけたと詫び、望みがあるなら叶えるという。そこで龍雀はただ一つだけ分からないことがあると言った。容炫は天賦の才に恵まれていたが、なぜ葉白衣は弟子に六合心法を教えなかったのだろうか。すると葉白衣は感慨深げに長名山は孤独で物寂しいと言った。「容炫にはあらゆる武芸を教えた、六合心法を除いては… あいつは何度も抗議したあげく、奥義書を盗んで山を下りたよ 六合心法は天残地欠と呼ばれる、そう名付けられたのは後世の者に警告を与えるためだ 良い物なら教えないはずはない… 私と父君が甘やかし過ぎたのだろう、あいつは図に乗って一門に背いた 私たちの怒りが解けた頃に戻ってくればいい…最初の数年はそう思っていた だがまさか…いやもういい、六合心法を破棄しなかったことを後悔している」葉白衣は弟子の最期を知り、居たたまれなくなって出て行った。つづく
2022.07.13
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第18話「無限の暗闇」龍淵(リュウエン)閣を探して蜀へ到着した周子舒(ジョウズーシュー)たち。これから山を登るため馬車と馬をあきらめ、葉白衣(イエバイイー)はカゴに龍孝(ロンシアオ)を入れて張成嶺(ジャンチョンリン)に背負わせた。途中の林には罠が仕掛けられていたが、葉白衣の機転で破壊することに成功する。それにしても閣主は本当にこんな辺鄙な場所にいるのだろうか。険しい岩山を登ると、やがて吊り橋の向こうに高楼が現れた。念のため先に独りで渡った葉白衣は無事に渡り切り、続いて3人が並んで渡り始める。しかしちょうど中間で温客行(ウェンコーシン)がカラクリを踏み、その瞬間、橋が壊れ、3人は落下した。張成嶺は周子舒と温客行が咄嗟に上に放り投げて助かったが、2人はそのまま谷底へ消えてしまう。「師父っ!」泣き崩れる成嶺、しかし葉白衣は龍孝が一緒に落ちたことから、きっと何か裏があると怪しんだ。「あの2人がそう簡単に死ぬわけないだろう?」周子舒と温客行は真っ暗な洞窟へ落ちた。温客行は気を失っていたが、周子舒の呼びかけで目を覚ます。しかし一緒に落ちたはずの龍孝の姿はなかった。まさか自分たちに打撃を与えるため、己の身を粉々にしたのだろうか。周子舒は龍孝が落ちたとは思えなかったが、その時、突如、明るくなり、洞窟に薬人(ヤクジン)がいると分かった。「くっくっくっく…どうだ?可愛いだろう?私の自信作、初めて精製した薬人たちだ」見上げると崖の上に車椅子に乗った龍孝の姿がある。龍孝は最初の薬人たちに思い入れがあって処分できず、この洞窟で養っていた。たまに人が通れば吊り橋のからくりで落とし、薬人たちに血を吸わせているという。周子舒はあの実直な閣主の息子とは思えないと呆れたが、父と比較された龍孝は急に取り乱した。「実直だと?!私は唯一の息子だ、病を治す方法を知りながら放置した! 神医谷(シンイコク)の至宝・陰陽冊(インヨウサツ)なら天下の奇病を治せる! ふっ、残念ながらお前たちは私が立ち上がる勇姿を見られぬがな~」すると温客行は道理に逆らえば容炫(ロンシュエン)のように正気を失って魔道に落ちてしまうと警告した。「陰陽冊の秘密を知ってる、だが教える気はないな~自分で何とかしろ」温客行はうっかり神医谷の末裔だと口をすべらせたが、龍孝は鼻で笑った。江湖では神医谷の継承者が死に絶えたと言われている。そこで更に薬人を投入、2人を始末することにした。一方、張成嶺は葉白衣と一緒に高楼へ入った。しかし葉白衣がカラクリに手こずっている間に成嶺が落とし穴へ落下、龍孝に捕まってしまう。葉白衣は入口を見つけられなかったが、実はこの高楼が目くらましで、本当の龍淵閣は深淵の底にあると分かった。薬人は倒しても倒しても尽きることがなかった。何とか洞窟を抜け出した周子舒と温客行、しかしそこは山腹で行き止まりになってしまう。そこで2人は一か八か隣の山腹にある洞窟めがけて飛び降りた。勢い余って2人は洞窟の中を転がり落ちて行ったが、やがて美しい草原へ放り出される。まさかこんなところに桃源郷があったとは…。すると偶然にも葉白衣が現れた。「前輩!成嶺は?!」「…はぐれた」葉白衣はなかなか龍淵閣のカラクリを解けなかった。ここにあるカラクリは全て紫流金(シリュウキン)で動いているが、紫流金は火ですぐ爆発、その威力で何もかも破壊するという。その時、車椅子に乗ったカラクリ人形が現れた。どこか龍孝に似ている人形は手に巻物を持っている。温客行が早速、その巻物を見てみると、驚いたことに龍淵閣の地図だった。龍孝は傀儡人形に命じ、張成嶺を台の上に縛りつけた。実は成嶺の父・張玉森(ジャンユーセン)と龍雀(ロンチュエ)も親友、龍孝は父と少なからず縁がある成嶺をいたぶろうとする。「人の目は精製時の良い薬剤となる…まずは目をくり抜くか なぜ私が地下を好むと思う?…私は生まれた時から無限の暗闇で生きてきた 暗闇に属する運命なら、暗闇を我が家とする」しかしその時、突然、天井に穴が空いて周子舒と温客行が現れた。周子舒は傀儡たちをぶちのめし、温客行は龍孝の首をつかんで車椅子から放り出した。「紫流金を解いたのか?!」「その通り、だが複雑に入り組んでいて地図を見ても分からぬ だから爆破して道を作ったのさ」温客行の手には傀儡の心臓があった。実は傀儡術で作ったカラクリ人形たちの心臓部には爆薬が使われている。龍孝は自分の子供たちを壊されたと激怒、しかし今やまな板の鯉だった。からくり人形を見た張成嶺は龍孝に似ていると驚いた。実はこの人形が周子舒たちに地下の入り口を教えてくれたという。すると人形が勝手に動き出し、周子舒たちをある洞窟へ案内した。洞窟の奥深くには驚いたことに龍雀が監禁されている。葉白衣は思わず抱えていた龍孝を投げ捨て、その姿に呆然となった。白髪の龍雀は両手首と穴を開けた両肩を鎖で繋がれ、動くことができない。「龍伯伯…?」「…子舒、本当にお前なのか?お前の師父は息災か?」周子舒は龍雀に駆け寄って再会を喜んだが、師匠はすでに世を去ったと伝えた。龍雀は膝から下を切断され、立つこともできなかった。罪深き息子に監禁され、何年経ったのだろうか。龍孝は陰陽冊なら生まれつきの障害も治せると信じて疑わなかった。しかし父はここまで追い込んでもまだ武庫を開けず、自分に不自由を強いていると逆恨みする。つづく( ̄▽ ̄;)これ…色々と大丈夫なのか?さて不思議なダンジョンが終わっていよいよ後半です
2022.07.12
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第17話「最も憎い敵」深手を負った曹蔚寧(ツァオウェイニン)は華山(カザン)派の別邸で目を覚ました。付き添っていた顧湘(グーシアン)の話では何日も寝ていたという。「ずっと夢を見ていた…どの夢の中でも君を助けられなくて焦ったよ 最後の夢で僕は死んで三途の川で君を待っていた 70年は待つだろうと覚悟していたら君がすぐ来て…って、はっ!)違う違う! 阿湘は100年まで長生きするよ!」しかし高小怜(ガオシャオリエン)は結局、連れ去られてしまったと知った。顧湘は喜喪鬼(キソウキ)・羅浮夢(ルオフーモン)の救出に華山派の掌門・于丘烽(ユーチウフォン)が手を貸したことに驚いていた。恐らく艶鬼(エンキ)・柳千巧(リウチエンチャオ)が上手く丸め込んだのだろう。「何と言って騙したの?私も口裏を合わせるわ」「…五湖盟に殺された息子の敵討ちを手伝うと言ったのよ」「それだけ?…とにかく姐姐(ジェジェ)、あの男はズルそう、気をつけてね」緑柳(リューリゥ)と桃紅(タオホン)は丐幇(カイホウ)の長老・黄鶴(ホアンホー)に頼まれ、小怜を監禁していた。しかし小怜は無言の抵抗を続け、2人を手こずらせる。緑柳は小怜に知っていることを全て話すよう諭すが、小怜は頑なに口をつぐんだ。一方、周子舒(ジョウズーシュー)と温客行(ウェンコーシン)は過去の謎を解くため、葉白衣(イエバイイー)と連れ立って龍淵(リュウエン)閣を目指した。張成嶺(ジャンチョンリン)は道中を利用し流雲九宮歩(リュウウンキュウグウホ)の猛特訓、馬車はおろか馬にも乗せてもらえない。その頃、鬼谷十大悪鬼の無常鬼(ムジョウキ)は急色鬼(キュウショクキ)と開心鬼(カイシンキ)を連れて趙敬(ジャオジン)を訪ねていた。趙敬は悪鬼たちも今や身内同然だと再会を喜んだが、同席していた蝎王は面白くない。すると無常鬼がどうも腑に落ちない点を確認した。「温客行の琉璃甲(ルリコウ)を吊死鬼(チョウシキ)が奪ったそうですが… 五湖盟は確か5個の琉璃甲を1個ずつ持っていたはずでは?で、今は何個、持っているのです?」「無常兄、あなたが知るべきことは教えるが、知るべきでないことは気にしなくて良い」趙敬の顔は穏やかだったが、明らかに脅していた。開心鬼は無常鬼が趙敬と結託して何の得があるのか分からなかった。どう見ても趙敬と蝎王の性根は尋常ではない。無常鬼も重々承知していたが、希望を叶えるには仕方がなかった。「再び俗世に戻るのだ」しかし開心鬼は無常鬼や急白鬼と違って正体を隠すことができない。大きく裂けた口に息が漏れてしまう病、話もろくにできず、すぐ周りに見つかってしまうだろう。すると無常鬼は武庫に世の中のあらゆる重病を治療できる神医谷(シンイコク)の聖なる秘術が隠されていると教えた。その夜、周子舒たちは野宿になった。すると温客行が不思議そうになぜ周子舒は龍孝(ロンシアオ)を若閣主と呼ぶのか尋ねる。実は龍孝の父で龍淵閣の閣主・龍雀(ロンチュエ)は周子舒の師匠・秦懐章(チンホワイジャン)の親友だった。四季山荘のカラクリも龍淵閣から伝わったもの、龍雀に容炫(ロンシュエン)を紹介したのも秦懐章だという。今や五義兄弟以外に当時を知っているのは龍雀だけ、そのため葉白衣は遠く蜀まで赴くことにしたと説明した。しかし龍淵閣の場所は誰も知らないという。周子舒が入門した頃は龍雀が度々四季山荘を訪ねて来たが、ある時から急に消息を絶っていた。そんなある日、機関雀(キカンジャク)が助けを求める文を持ち帰り、異変を知った秦懐章が蜀に入ったが、結局、龍淵閣を見つけられなかったという。山の中に動く要塞があるとの噂だが、周子舒が天窗(テンソウ)に何度か探させても無駄だった。趙敬を新たな盟主とし、武林の各門派が集結した。中には脱退を検討して参加しない門派もあったが、趙敬はこんな事態では二心が生じても無理はないと心が広い。実はこの数日、英雄大会で高崇(ガオチョン)の死体を狙った者たちが襲撃され、大勢が亡くなっていた。江湖の人心は浮き足立ち、誰もが鬼谷による報復だと確信している。まさに趙敬の思惑通り、そこで何食わぬ顔で義兄弟の結束を呼びかけ、五湖盟のため全力を尽くして名声を取り戻してみせると訴えた。巨鯨(キョゲイ)幇は五湖盟の脱退を決めた。「趙敬など臆病な凡人、大業を成す器ではない!」しかしそこへ趙敬が毒蝎を引き連れてやって来る。幇主・汪默軒(ワンモーシュエン)は毒蝎との結託を非難したが、趙敬は毒蝎も五湖盟に帰順したと釈明した。今後は毒蝎も義兄弟となり、仲良くやって行くべきだという。「巨鯨幇が五湖盟の分裂を企むはずがない…きっとただの噂ですよね?」「ギギギ…我が巨鯨幇は五湖盟と完全に袂を分かつ!殺せるものなら殺してみろ!」✒︎″グサ!≡≡≡ ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ぁ…「蝎児(シェアール)!ぁぁぁ~殺しちゃダメだ!」「義父、度胸があるなら殺せと言ったのはこの男です」客桟へ到着しても張成嶺の鍛錬は続いた。周子舒の厳しい指導には理由があったが、温客行は可愛い成嶺に同情し、思わず口を出してしまう。「今はまだ内息を散じた方がいい…真気で身体を動かすんだ」すると温客行の言う通りにした成嶺の様子がおかしくなり、急に倒れそうになった。咄嗟に飛び出して助ける周子舒と温客行、そこでようやく温客行は成嶺が生まれつき経脈が人より広い特別な体質だと気づく。実は成嶺の習得の遅れは努力不足ではなく、経脈が広い分、時間がかかるだけだった。岳陽派で成嶺を目の敵にしていた弟子・謝無恙(シエウーヤン)は趙敬の密偵だった。あの日、毒蝎が喜喪鬼を連れ去るはずだったが、于丘烽と見知らぬ女が現れ、奪われたという。「女の姿を見るに20いくつほどですが、若い女とは思えぬ容赦ない武芸でした 私は戦いもせず、義父の期待に背きました」「お前では華山派の掌門にはかなわぬ、咎めはせぬ お前も宋懐仁(ソンホワイレン)も自慢の息子だ、哀れな懐仁は今日まで長らえなかったが…」そこへ蝎王がやって来た。義父のため寝殿の内装を一新した蝎王だったが、義父のそばにいる無恙に気づいて困惑する。「…義父、彼は?」しかし趙敬は黙って無恙を下げた。口喧嘩しながらも仲良く酒を飲んでいた温客行と葉白衣。そんな2人をよそに周子舒は発作の時間に備えて静かに瞑想している。すると温客行がすっかり泥酔し、周子舒は部屋に帰らせた。「最近は発作が少ないだろう?」葉白衣の指摘に驚く周子舒、実はすでに五臓六腑が衰弱し、内傷に抵抗する力もなかった。「私の道は2つだけ…まっとうな生か、悔いのない死か、他の道はないのです」周子舒が様子を見に行くと、温客行は部屋でまだ酒を飲んでいた。すると温客行はようやく心を許せる友と会えたのに死なないで欲しいと泣きつく。周子舒は頑なに本心を見せない温客行に苛立ちを隠せず、いつ死ぬやもしれない自分のために調子を合わせているのかと呆れた。「老温(ラオウェン)、それは俺への哀れみか?それとも辱めたいのか? …俺の余命を知りながら嘘で適当にあしらうな」「嘘じゃない、本気だ」ともかく周子舒は泥酔した温客行を寝台に寝かせた。「余生が短いからこそ大切にすべきだ、バカだな、言っただろう?お前に賭けたと… お前はいつか心を開き本心を見せてくれる、勝負がつくまでは天命が下っても離れないさ」しかし温客行は自分の本心を見たら、周子舒は友でなくなると不安だった。つづく( ๑≧ꇴ≦)老妖怪の「お前は口がデカい」笑ったwでもジュゴンw口がデカいと言うより、アヒル口なんだよね~( ˘ω˘ )
2022.07.11
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第16話「魑魅魍魎」五湖盟の盟主である岳陽(ガクヨウ)派の掌門・高崇(ガオチョン)。不器用だが生涯、真心を尽くし、天地にも江湖の兄弟にも恥じることはなかった。しかし英雄大会で陰謀を巡らされ釈明する余地もなく、もはや何を言っても無駄だと分かる。「この高崇、逃げも隠れもせぬ!首を取るがいい!」すると鬼谷(キコク)に息子を殺された断剣(ダンケン)山荘の荘主・穆思遠(ムースーユエン)がついに口火を切った。英雄大会は五湖盟と他門派の激しい争いになった。しかし高崇と懇意のはずの清風(セイフウ)剣派が真っ先に逃げ出してしまう。温客行(ウェンコーシン)は隣の峰から呆れて見ていたが、ふと高崇が反撃していないことに気づき、激しく動揺した。…まさか私の勘違いだと?そんなばかな、高崇にはきっと何か企みがあるはずだ…張成嶺(ジャンチョンリン)と太湖(タイコ)派の掌門・趙敬(ジャオジン)はなす術なく、呆然と立ちすくんでいた。そこへ帷帽(イボウ)で顔を隠した周子舒(ジョウズーシュー)が駆けつけ、成嶺を連れて逃げることにする。驚いた趙敬は成嶺を奪われまいと戦いを挑んだが、あっけなく敗れた。しかし黄鶴(ホアンホー)が駆けつけ、周子舒と丐幇を戦わせている隙に成嶺を連れ去ろうとする。その時、温客行が現れ、成嶺を守った。高崇は周子舒と温客行に気づき、成嶺を託すことにする。「成嶺を連れて逃げろ!」「高伯伯(ボボ)っ!」激しい戦いが繰り広げられる中、急にドーンと大きな音が鳴り響いた。驚いた高崇が振り返ると、封暁峰(フォンシャオフォン)を肩に乗せた巨人・高山奴(ガオシャンヌー)が棘球で五湖碑を叩いている。「やめろぉぉぉぉっ!」しかし時すでに遅く、五湖碑は倒壊した。封暁峰は高崇が唖然としているうちに鉄球を放ったが、咄嗟に高山(ガオシャン)が飛び出し、師匠をかばって暗器を受け死んでしまう。「高山ーっ!」高崇は悲鳴にも似た叫び声をあげると、迷わず弟子の敵を討った。周子舒と温客行は張成嶺を連れて隣の峰に避難した。するとこれまで静観していた趙敬が剣を収めるよう訴え、戦いを止める。「大哥、手を引いてください…琉璃甲(ルリコウ)を渡しましょう」趙敬は急先鋒となった黄鶴にひざまずき、琉璃甲と引き換えに高崇の命を助けるよう哀願した。二弟の裏切りに憤怒する高崇、しかし趙敬から自分の娘にこの罪業を背負わせるのかと言われ、決心がつく。「…琉璃甲を渡そう」「大哥!いけません!」沈慎(シェンシェン)は最後まで高崇の味方だったが、高崇は腹をくくった。「五弟…娘を頼む」「大哥!何とぞご再考を!」その時、高崇がいきなり沈慎の首を手刀で打ち、眠らせてしまう。やがて山は激しい雨になった。高崇はついに3つの琉璃甲を取り出したが、琉璃甲はこの通り江湖に危害を与えると訴える。「後患の根を絶つためだ、この場で破壊する!」「やめろぉぉぉ~!」英雄たちの叫喚の中、高崇は琉璃甲を粉々に砕いて投げ捨てた。そして倒れた五湖碑めがけて走り出し、刻まれた自分の名に頭をぶつけ、絶命してしまう。その頃、英雄大会を諦めて引き返した清風(セイフウ)剣派の掌門・莫懐陽(モーホワイヤン)の馬車は帰路を急いでいた。「師父、高盟主はとは懇意ゆえ参加した方が…」「黙れ、山に戻るのだ」掌門の手には高崇が破壊したはずの琉璃甲があった。周子舒たちはしばし洞窟で雨が止むのを待つことにした。ひとり外を眺めながら物思いにふける温客行、そこへ周子舒がやって来る。「阿絮(アシュー)…私は悪人だな」「心が正しければ悪人ではないさ」温客行は珍しく神妙な顔をしていた。「人を陥れるくせに、自分が策略にかかるとうろたえるのだな?不甲斐ないぞ?」「ふっ、今回は確かに失態をさらした…まさか自分も踊らされていたとはな」果たして裏で糸を引いているのは誰なのか、目的は一体、何なのか。温客行はいずれにせよ五湖盟は再起不能だと言ったが、周子舒は否定した。肝心な時に譲歩し、愚者を装ってまんまと責を逃れた者がいる。「天窗(テンソウ)の資料によれば趙敬には″孟嘗君(モウショウクン)″だけでなく″玄徳″という雅号もある 当時は気にも留めなかったが…ふっ、哀願しつつ人徳で皆を服させる芸当は見事だった」周子舒は老温を諭すように、緻密な陰謀もいずれ暴かれるものだと言った。しかし温客行は完璧な陰謀とは情勢に応じ刻々と変わるもの、首謀は方向を見定め、適切な時に実行すればいいという。「…人心は測り難いが、人性は分かりやすい 際限のない貪欲こそ人間の本性、これは紛れもない事実だ」「老温、人性を悟った気になるな、四賢と高崇の件で懲りたはずだろう? 思い込みは自分を誤導するだけ、確かに人は貪欲だが高潔でもあるはず 一体が何が望みなんだ?」「ふっ、言ったら手伝ってくれるのか? 私の望みは…この世に属さぬ魑魅魍魎(チミモウリョウ)を地獄に追い返すこと!」蝎王は義父の計画成功を喜んだ。実は蝎王の義父で今回の首謀者は何を隠そうあの愚鈍な二弟を演じていた趙敬。ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ@視聴者趙敬は20年かけて策略をめぐらせ、ついに高崇を失脚させた。しかし黄長老に出し抜かれるとは予想外、緑柳(リューリゥ)と桃紅(タオホン)に小怜を連れ去られてしまったという。蝎王は配下に追跡させているため、小怜を始末するか聞いた。「絶対にダメだ、小怜には息災でいてもらわねば…小怜が幸せに暮らすほど私の評判が高まる」すると趙敬は蝎王の手を取り、今回は大手柄だと褒めた。やはり蠱術(コジュツ)で操った鄧寛(ドンクワン)の偽証がきいたのだろう。それに比べ二重間者として暗躍していた宋懐仁(ソンホワイレン)には落胆したという。「だから信用ならないと私が忠告したのに、義父が宋懐仁を養子に迎えるから… やっぱり私が正しかったでしょう?」あの夜、義父の命で琉璃甲を盗み出した宋懐仁は于天傑(ユーティエンジエ)を殺した後、蝎王に消されてしまう。…私が仕組んだ陰謀に他人は干渉させぬ、大業を成すには私さえいれば十分だ…今やその琉璃甲は蝎王が肌身離さず持っていた。「一つ頼みがある、穆思遠をしっかり懐柔しておけ、使い道がある」「でも武芸は人並み、愚かで容貌も醜い男ですよ?」蝎王は乗り気でなかったが、趙敬は五湖盟を羊の群れと例え、その先導役が穆思遠だと説明した。周子舒と温客行が酒を分け合っているところへ、突然、大きな袋が飛び込んできた。投げ込んだのは長明(チョウメイ)山の剣仙・葉白衣(イエバイイー)、実は周子舒を追いかけて来たという。すると大きな音に驚いた張成嶺が奥から出てきた。周さん「前輩、私の弟子の成嶺です」剣仙「ふっ、アホの子か、代を追うごとにアホ度も上がるな~」温さん「ピキッ!うちの子はアホだが、口汚い妖怪ジジイよりマシだ!」剣仙「うちの子?お前も四季山荘か?!」(# ತ _ತ)ギギギギ…@ぐうの音も出ない温さんその時、大きな袋から声が聞こえた。温さん「中身は?」剣仙「誰がいい?」温さん「おまえ」剣仙「そりゃ残念だったね~だ」周さん「まあまあ~」温さん「ふん、色白の妖怪老いぼれガエルめ!」剣仙「やんのか?!表に出ろ!」周さん「そこまでそこまで~今は雨ですから、決闘は晴れてからにしましょ」成嶺はもしや小怜かと思い、師匠たちがもめている間に袋を開けた。すると中から龍淵閣の若閣主・龍孝(ロンシアオ)の顔がのぞく。成嶺は落胆したが、周子舒は後で小怜を探しに行こうとなだめた。計画通り小怜を連れ去った緑柳(リューリゥ)と桃紅(タオホン)、そこへようやく黄長老が現れた。高崇は死ぬ間際、琉璃甲を壊してしまったが、調べてみると偽物だったという。黄鶴の話では高崇は英雄たちに八つ裂きにされ亡骸も残っていないとか。その話をちょうど目を覚ました小怜が聞いていた。沈慎が目を覚ました時には全てが終わっていた。激しい雨の中、傘も差さずに崇武(スウブ)殿をあとにする沈慎、すると趙敬が追いかけてくる。「五弟(ウディ)!どこへ行くつもりだ?!」五義兄弟で残ったのは2人だけ、趙敬は沈慎が去れば五湖盟が終わってしまうと嘆いた。しかし沈慎は全て自分が招いた災いのせいだと責任を感じ、小怜を見つけたら大孤(ダイコ)山へ連れ帰り、2度と戻らないという。「二兄、五湖盟を頼んだ…役立たずな私を許してくれ」蝎王はずぶ濡れの義父に傘を差し出した。「私が追いかけて始末しましょうか」「絶対にダメだ!…分かってくれ、耐え忍び続けた私がついに日の目を見るのだ 過去の歩みを証言する旧友がいないと、これまでの努力が闇に埋もれてしまう」「私がいます!」「お前は家族であろう?(ヨシヨシ…」すると趙敬は名簿を渡し、一人残らず苛烈なやり方で葬り去れと命じた。「人心を操る手段は貪欲だけではない…恐怖もあると知っておけ」剣仙と顔を合わせれば喧嘩になる温客行、しかし葉白衣から痛いところを突かれた。葉白衣は温客行が容炫(ロンシュエン)と琉璃甲について事実を知りたがっていると見抜き、龍淵閣こそ過去を解く鍵だという。つづく( ๑≧ꇴ≦)あははは~温さんと剣仙、このままずっと仲悪いままでいて欲しいwww
2022.07.08
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第15話「無恥の徒」顧湘(グーシアン)は岳陽(ガクヨウ)派に捕われた喜喪鬼(キソウキ)を助けるため、高崇(ガオチョン)の一人娘・高小怜(ガオシャオリエン)を人質にしようと思いついた。小怜は医館で今も意識が戻らない大師兄・鄧寛(ドンクワン)に付き添っている。そこで顧湘は具合が悪いふりをして小怜を頼った。しかし顧湘が熱を出したと聞いた曹蔚寧(ツァオウェイニン)が駆けつけ、計画は台無しになってしまう。英雄大会は思いがけない形で始まった。泰山(タイザン)派は沈慎(シェンシェン)こそ師匠・傲崍子(アオライズー)を殺した敵だと訴えたが、高崇は鬼谷(キコク)が殺したことは周知の事実だと一蹴する。「離間策にはまって足並みを乱しては悪党どもの思う壺だぞ?!」すると出端をくじかれた丐幇(カイホウ)の長老・黄鶴(ホアンホー)が約束通り琉璃甲の来歴を明かすよう迫った。一方、大会に紛れ込んだ周子舒(ジョウズーシュー)は怪しい男を発見、追跡した。しかし俏羅漢(ショウラカン)が咄嗟に暗器を放ち、周子舒が避けている隙に姿を消してしまう。「毒蝎か…」周子舒は高楼でひとり優雅に英雄大会を眺めている温客行(ウェンコーシン)を見つけた。そこで毒蝎も関わっていると警告したが、温客行はいずれにせよ大会は順調に進まないと意味ありげに笑う。しかし周子舒は琉璃甲の争奪に見え隠れする毒蝎の影が気がかりだった。毒蝎の役割は一体、何なのか。推測通りなら鬼谷と毒蝎は結託しているのだろう。生首がさらされた錦筵(キンエン)坊では魅曲秦松(ミキョクシンショウ)が西域の楽師に成り済まし、悪鬼が義荘で操っていた薬人(ヤクジン)は毒蝎の分舵(ブンダ)にもいた。「老温(ラオウェン)…この芝居の筋書きを立てた者は良からぬことを企んでいるようだ」「それが何か?ふふ、うぬぼれの強い複雑な筋書きだからこそ、お祭り騒ぎを楽しめる」「無実の者の血が流れるのだぞ?それも見たいと?」「ふん、無辜の者などひとりもいない」温客行は飢えた犬が獲物を奪い合い、盛大に血を流す騒ぎを見たいと平然と言いのけた。その頃、毒蝎の首領・蝎王は義父と一緒にいた。「義父、指示通り手配しました、そろそろお出ましに…」「勝負を決める頃合いだな」高崇は確かに五湖盟が琉璃甲を保存してきたと認めた。すると各門派は琉璃甲を分配し直せと激怒、黄鶴も鬼谷討伐なら武庫を開いて各門派が奥義書を取り戻してからでも遅くないと煽る。しかし高崇は琉璃甲だけでは武庫を開けられないと教えた。英雄たちはただの言い逃れだと追求したが、高崇は証人がいるという。岳陽派では何者かが喜喪鬼・羅浮夢(ルオフーモン)を連れ去ろうとしていた。しかし艶鬼(エンキ)・柳千巧(リウチエンチャオ)と于丘烽(ユーチウフォン)が駆けつけ奪還に成功する。同じ頃、屋敷の異変に気づいた小怜たちは医館を出て中庭にいた。「妙ね、弟子が1人もいない、なぜ誰もいないのかしら?」すると緑柳(リューリゥ)と桃紅(タオホン)が現れた。曹蔚寧は小怜と顧湘を守るため抵抗したが、激しく殴打されてしまう。( *`ω´)ノ″<こっの老賊婆!許さないから!」顧湘は激高し応戦、その時、緑柳と桃紅が卑怯にも暗器を放った。「危ない!」曹蔚寧は咄嗟に顧湘の前に飛び出し、身代わりになって倒れてしまう。「曹大哥!しっかりして!」顧湘が慌てて曹蔚寧に駆け寄ると、その隙に緑柳と桃紅が小怜をさらって行った。顧湘はもしもの時に持っていた秘薬を曹蔚寧に飲ませた。「こんなことなら他の人を利用するんだった…グスン」「馬鹿な子ね、私があげた保命丹(ホメイタン)を粗末して…」その声は千巧だった。顧湘が驚いて振り返ると、なぜか華山派の掌門が喜喪鬼を背負っている。「ぁ…羅姨…」英雄大会にからくり人形が御す馬車が到着、後ろの戸が開くと自動の車椅子で若者が降りてきた。すると趙敬(ジャオジン)と張成嶺(ジャンチョンリン)が車椅子を先導して高崇の元まで案内する。高崇の証人とは龍淵(リュウエン)閣の若閣主・龍孝(ロンシアオ)、龍淵閣と言えば皇帝も一目置くと言われる″からくり″の名門だ。江湖では龍淵閣が武庫を開けられるという噂もあった。龍孝は数々の奥義書を盗んだ容炫(ロンシュエン)が策を弄して閣主を欺き、武庫を作らせたと説明した。確かに武庫の仕掛けが複雑で琉璃甲だけで安全に開けることはできず、開け方を知っているのは父の龍雀(ロンチュエ)だけだという。ならば何のために龍孝は遠路はるばるやって来たのか。その時、突然、龍孝が高崇を弾劾した。「高盟主… 私たちはどんなに脅され、利で誘われようとも、あなたの私心を満たすために武庫を開けたりせぬ 武庫は天下のもの、横領は許されぬぞ!」↓ペッパー君2号w閣主を迎えに行ったのは趙敬だった。しかし閣主に断られ、若閣主が証言すると聞いて連れて来てしまったという。趙敬は自分の失態だと涙したが、その様子を見ていた周子舒は呆れた。「玄徳(ゲントク/趙敬)か…あの軟弱で愚か者がなぜ五義兄弟の一員に?」「沈慎もクズだろう?あいつらは皆、同類だ、ふん!忌々しい奴らめ」周子舒は温客行の過激な発言に面食らった。何者かが高崇を陥れようとしているのは火を見るよりも明らか、温客行は恨みで目を曇らせ、判断を誤ったのか。すると温客行は百も承知だと笑った。「黙って見ていろ、高崇がこの難局をどう挽回するか見ものだぞ?」会場は騒然となった。しかし高崇は二心などないと釈明し、鬼谷を滅ぼした暁には必ず武庫を開け、奥義書を各門派に分配すると誓う。どうやら龍淵閣とは行き違いがあった模様、高崇は早々に若閣主を下げ、今度は張成嶺を英雄たちに紹介した。実は娘を成嶺に嫁がせて岳陽派と鏡湖(キョウコ)派を託し、高崇は仏門に入って2度と江湖に関わらないという。温客行は高崇が保身のため張成嶺まで巻き込んだと呆れた。しかし周子舒は高崇が出家しても利益はなく、公に宣言しては撤回もできないという。何より琉璃甲を手放した成嶺に何の価値もないはずだ。高崇は英雄たちに″山河令″を示した。もし鬼谷が江湖を害した時は、この令牌を持つ者が剣仙の名義で天下に号令を掛けられるという。「武庫は天下の者たちに返そう!権力などくれてやるわ!」高崇の願いはただひとつ、鬼谷を平定して義兄弟の敵討ちをすることだった。そこで鬼谷討伐に加わる者とはこれまでの怨讐に関係なく、血の盟約を結んで義兄弟になるという。「盟約を結びたい者は残れ、立ち去りたい者は引き留めぬ!」黄鶴の企みもここまでか、武林の門派は次々と盟約を結ぶと決心した。しかしその時、四賢の敵である封暁峰(フォンシャオフォン)が声を上げる。「所有者が存在しない″六合(リクゴウ)心法″と″陰陽冊″はどう処理するつもりだ?」これは渡りに船、黄鶴は高崇が持ち主のいない奥義書をくすねるつもりだと非難した。高崇は″六合心法″と″陰陽冊″にも所有者がいると言い返した。武庫を開けた後は″六合心法″を容炫の師匠へ、″陰陽冊″は神医谷(シンイコク)に返すつもりだという。しかしある門派が20年前の青崖山での戦いを持ち出し、論功行賞で決めるべきだと言い出した。すると各門派は自分たちの功績が一番大きいと言い争いに発展、結束すると思われた武林が再びバラバラになってしまう。周子舒は老温の様子がおかしいことに気づいた。一体、老温は何者なのか。すると温客行は一触即発の様相となった会場をながめながら、なかなか殺し合いにならないと苛立ち始めた。「あれが正道か?やっていることは鬼谷と同じだ 仁義の皮を被っているが、血や肉を嗅ぎつけると犬のように暴れ出す… 騒々しい、反吐が出るわ!」温客行は常軌を逸していた。周子舒にその理由は分からなかったが、自分の信念を曲げることはできない。「はお…道が異なれば助け合えぬ、説得は無理なようだ、本心に従い、各自の道を行こう」一方、岳陽派には生首事件で捕まった男2人が収監されていた。男は壁に印をつけていたが、いよいよその時が来たと判断、笛を吹き始める。すると意識不明だった鄧寛がむっくり起き上がり、医館を出て行った。地下牢に突然、鄧寛が現れた。門番は大師兄が目覚めたと大喜びで駆け寄ったが、いきなり刺し殺されてしまう。その頃、俏羅漢は桟橋で無常鬼(ムジョウキ)と接触していた。「そろそろ私の出番かな?」「主上の計画に従うのよ」英雄大会に突如、冥銭が舞い始めた。そしてどこからともなく悪鬼の声が響き渡る。{{{高盟主は誠に極悪非道だ~}}}悪鬼の話では長舌鬼(チョウゼツキ)に鏡湖派を滅ぼさせて口封じしたのも、喜喪鬼が丹陽(タンヨウ)派の弟子を殺したのも、開心鬼(カイシンキ)が傲崍子を殺したのも全て高崇の指示だったという。当初の約束では鬼谷と武庫の宝物を分配するはずが、琉璃甲を3個入手した途端に立場を翻したというのだ。高崇は見えない敵に自分に汚名を着せるなと怒号を響かせた。その時、会場にふらふらと鄧寛が現れる。「皆さん、私は岳陽派の大弟子・鄧寛…私は高崇に軟禁されていた! あいつが私を鏡湖派に潜入させ、内外で呼応させたのだ! 長舌鬼を手引きして張家を皆殺しにするために!」すると鄧寛は加担した責任を取って自害してしまう。最も信頼し寵愛する鄧寛の裏切り、高崇はあまりの衝撃で身震いした。温客行は酒を飲みながら静観、見事な筋書きに感心する。「無常鬼よ無常鬼…恐れ入ったよ、これがお前の企みとはな」つづく( ๑≧ꇴ≦)まさか鷹の爪団が!それにしても丐幇の長老で卑怯なのって珍しい、変わり者はいても基本的に良い人なのにw
2022.07.06
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第14話「死生契闊」温客行(ウェンコーシン)は周子舒(ジョウズーシュー)が葉白衣(イエバイイー)に襲われていると誤解、加勢した。葉白衣がまさか剣仙とは知らず、何かと無礼な温客行。すると葉白衣は自分が手を貸さねば周子舒の余命はわずかだとばらしてしまう。周子舒の経脈はもうすぐ老木の根が腐るように枯れるはず、神医谷の谷主でも朽ちた木は救えないだろう。寝耳に水だった温客行は激高、葉白衣と手合せになり、2人のぶつかり合う掌の威力で水路の水が舞い上がった。周子舒は事態を収拾するため、やむを得ず七竅三秋釘(シチキョウサンシュウテイ)を見せた。「…なるほど、脈が死にそうなのに動き回れるのはそういうわけか」葉白衣は周子舒の身体に打ち込まれた釘が枯渇した経脈を安定させ、内力が断たないことを見抜く。「で、この残酷な方法を考えたのは誰だ?」「私です」葉白衣は周子舒の脈を診た。どうやら自分なら10年ほど延命させることができそうだ。周子舒は10年もあれば十分すぎると喜んだが、そのためには外力も内力も全て取り除かねばならないという。「すでに3割程度しか残っておらぬのだろう?毎夜、内力が周天を巡る時に苦しいはずだ 釘を外せば内力が激しく打ち合い、枯れた奇経八脈を断とうとする 武芸の力を廃さねば身体がもたぬだろう」すると周子舒はこれも天命だと受け入れ、席を立ってしまう。驚いた温客行は後を追うことにしたが、葉白衣が周子舒とどんな関係か聞いた。関係ないだろう?!>ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘(」゚ロ゚)」<秦懐章(チンホワイジャン)の徒弟!このろくでなしとは距離を置け~!やがて激しい雨になった。周子舒に残された時間はわずかに2年、それでも天下の名酒を味わえる時間はたっぷりある。温客行はまず延命してから武芸を復活させる方法を探そうと説得したが、無駄だった。「幼ない頃、鍛錬を嫌う私に両親はよく言った、″大人になってからでは遅いんだ″と… だから私は″大人になってから野山で遊んでも遅い″と言い返したよ 思えば私の一生はこの繰り返しだ…まさに″時宜にかなわない″ 遊びたい時に遊べず、鍛錬したくとも師はなく、欲しいものは得られない 居て欲しい人も去って行くんだ…ふっ、それもいい」「温客行、いい加減にしろ!おれは自由を取り戻した まさかお前まで虫の息でも数年、長生きしろと?…ならこの出会いは無駄だった」一方、顧湘(グーシアン)は悪鬼の暗号を見つけ、慌てて本院に駆けつけた。そこには負傷した食屍鬼(ショクシキ)とかろうじて助け出した侍女たちがいる。顧湘は侍女の中に雲栽(ユンザイ)を見つけたが、紅露(ホンルー)の姿はなかった。食屍鬼の話では高崇(ガオチョン)が五湖盟を率いて喜喪鬼(キソウキ)の別院を襲い、喜喪鬼と2人で応戦するも手が足りず、娘たちが犠牲になってしまったという。「紅露が死んだ?…必ず守ると主人に約束したのに…ゥッ…」顧湘は薄情簿主が表に出ないことから、誰かが引き入れたと疑った。すると食屍鬼は無常鬼(ムジョウキ)や開心鬼(カイシンキ)、急色鬼(キュウショクキ)も近くにいたのに、駆けつけたのは自分だけだったという。「薄情簿主を売ったのは奴らかも?」顧湘は雷雨の中、谷主を探して駆け回った。すると温客行が橋の上でずぶ濡れになりながら簫を吹いている。「主人!羅姨の別院が五湖盟に襲われたんです!たくさん姐妹が殺されて…羅姨も捕まりました!」しかし温客行の様子がどこかおかしかった。「阿湘、あの者は間もなく死ぬそうだ…計略を巡らし、敵を討って晴れ晴れするはずだった だがあいつは死ぬ…ふっ、初めから分かっていたら、つきまとわなかったものを…」「誰が死ぬんです?…周絮(ジョウシュー)?!」温客行はまた時宜にかなわなかった怒りから思わず簫を叩き割り、そのままどこかへ飛んでいってしまう。(´・Д・)」ファ~!丐幇(カイホウ)の根城にまた珍しい客が訪ねて来た。泰山(タイザン)派の新掌門・青松(チンソン)は五岳剣派のよしみで華山派を頼ったが無下にされ、信じられるのは長老・黄鶴(ホアンホー)しかいないという。「師父の名誉のためなら命もささげる覚悟です!黄長老に従います!」黄鶴は思いがけず勢力を広げ、行動を共にする緑柳(リューリゥ)と桃紅(タオホン)夫婦にも協力を頼んだ。一方、太湖派の掌門・趙敬(ジャオジン)は喜喪鬼が捕われたと知り、独房へやって来た。はりつけにされた哀れな羅浮夢(ルオフーモン)、しかしどうやらもう自分を覚えていないらしい。鬼谷(キコク)に入る者はまず孟婆湯(モウバトウ)を飲み、俗世を断ち切って過去の執着を忘れると聞いた。ただの伝説だと思っていたが、まさか本当だったとは…。「私こそがお前の執着する者だ…だが浮夢よ、私にそんな価値があるか?」「…お前はなぜ私の名を知っている?!」「浮夢、私はお前を裏切った、名門の令嬢を鬼女に変貌させ、今では天下の浮気男を殺すまでに…ゥッ」趙敬は自分の罪の重さを実感しながら、どうか自分を忘れて欲しいと頼んだ。「今生、私はお前に多くの借りを作った、来世があるなら…決して関わらぬ」任務から戻った艶鬼(エンキ)は主人の別院が五湖盟に襲撃されたと知った。激しく動揺し、すぐにでも主人を助け出したいと懇願する艶鬼。すると温客行はもう一度、于丘烽(ユーチウフォン)に扮装して探ってくるよう命じた。「では私が主人を脱獄させても?」「お前の力で岳陽派から連れ出せるか?…喜喪鬼の命を守るだけでいい、敵を警戒させるな」温客行は自分に考えがあると言った。清風(セイフウ)剣派の莫蔚虚(モーウェイシュー)が岳陽派に到着した。曹蔚寧(ツァオウェイニン)は喜んで大師兄を出迎え、実は心から慕う人と出会ったと報告する。しかし莫蔚虚は話を遮り、父である掌門が急いで清風山に戻ったと教えた。「え?どうしてですか?」その時、岳陽派・祝邀之(ジューヤオジー)が現れ、顧湘が病で医館に入ったらしいと教えてくれる。居ても立っても居られず上の空の曹蔚寧、情けない師弟の姿に莫蔚虚は呆れたが、結局、見舞いへ行かせた。岳陽派は午後からの英雄大会に向けて五湖碑の準備に余念がなかった。その時、急に暗雲が立ち込め、突風と共に冥銭が舞う。「鬼谷か?!」一足先に下見に来ていた沈慎(シェンシェン)は付近を警戒したが、現れたのは泰山派と丐幇だった。艶鬼は于丘烽に成り済まし岳陽派へ潜入した。すると偶然、于丘烽本人と出くわしてしまう。「千巧?…千巧なのか?!なぜ私に成り済まして…」「烽郎、あなたこそ岳陽派が出払った隙に何をしているの? まさか、ご子息と同じように琉璃甲(ルリコウ)の行方を追っているとか?」すると艶鬼は帯の間から琉璃甲を取り出し、もし喜喪鬼の救出に手を貸すなら譲ってもいいという。于丘烽は喉から手が出るほど欲しかったが、、琉璃甲を取らず千巧の手を握りしめた。「早くしまえ、お前にはすまぬことをした、償うためには何でもすると言ったであろう? まずその扮装を外し、私と共に来い、牢に案内する」↓これは・・・w英雄大会に続々と各門派や武林の使い手たちが集結した。するとちょうど泰山派と丐幇が沈慎を告発、傲崍子(アオライズー)を殺したと追求している。沈慎は否定し、傲崍子を殺したのは鬼谷だと訴えた。しかし唯一の生き残りである青華(チンホワ)が証言する。…あの夜、弟子たちは暗闇に消えていった師匠を追いかけ、無惨な姿になった傲崍子を発見した師匠の死に泣き崩れる門弟たち、その時、無常鬼(ムジョウキ)が現れ、大孤山(ダイコザン)派の掌門に命じられて殺しに来たと宣告する青華も一撃を受けて倒れたが、運良く逃れて泰山へ戻ったあの晩、師兄たちが殺されたと聞いたのは後になってからだという…沈慎は濡れ衣だと否定したが、泰山派を追いかけ回し、太湖まで追い詰めたのも事実だった。激怒した青松は沈慎が師匠の琉璃甲を狙って殺したと非難、焦った沈慎はそれを言うなら琉璃甲は傲崍子ではなく陸太冲(ルータイチョン)のものだと反論してしまう。するとここぞとばかりに黄鶴が言葉尻を捕らえた。「罪を認めたな?!やはり琉璃甲のために傲崍子を惨殺したのだ!」その時、清風剣派・范懐空(ファンホワイコン)が冷静になるよう訴えた。そもそも依頼主を明かす暗殺者がいるだろうか。そこへようやく高崇が姿を現した。五湖碑に役者が揃った。周子舒は帷帽(イボウ)で顔を隠して大会に参加、様子をうかがう。その頃、温客行は遠目から会場を見ていた。「彩雲は散った、琉璃は砕けた…青崖山の鬼と泣く者は誰ぞ? ふっ…どんな大芝居を見せてくれるかな?」つづく( ๑≧ꇴ≦)明智小五郎シリーズだけかと思ったら、まさか火曜サスまで!
2022.07.05
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第13話「剣と鞘」温客行(ウェンコーシン)は岳陽(ガクヨウ)派に潜入させた顧湘(グーシアン)を解放することにした。しかし周絮(ジョウシュー)こと周子舒(ジョウズーシュー)は顧湘と清風(セイフウ)剣派・曹蔚寧(ツァオウェイニン)が離れ難いことを察し、勝手に2人の仲を取り持ってしまう。女子はいつか家を出るもの、温客行は百も承知していたが、妹同然の顧湘を手放すのはやはり寂しかった。顧湘を託された曹蔚寧はしみじみ周兄と温公子のように生死を共にできる知己を得られたらどんなに幸運だろうかと羨んだ。「我が派の師叔(シシュク)は立派な方だが終生ひとり身だ 幼い頃、なぜ妻を迎えないのか聞いたことがある 師叔いわく人生には多くの縁があるが、真に響き合うのは1人だけだと… 運命の相手と巡り合えば、剣と揃いの鞘(サヤ)のようにぴたりと収まるような感覚を味わうらしい だから相手を失ったら2度と見つからないんだ」「ファ~( ᷇࿀ ᷆ )ᐝ たかが鞘でしょう?また作ればいいじゃない?」「剣はそうだが人だったら?」「(* ゚ェ゚)ぉぅ…まあ~確かに2人は仲がいいわ 主人(ヂゥレン)とは幼い頃から一緒だけど、あんなに生き生きとしている主人、初めて見るかも」曹蔚寧は自分と顧湘が剣と鞘のような関係だと伝えたかったが、顧湘にはぐらかされて話は終わってしまう。(´゚艸゚)<剣と鞘とか…何言ってんだかwその夜、艶鬼(エンキ)は谷主の任務で出かけることになった。「主人、薬は毎日、必ず飲んでください」「…雑事はよい、大事を誤るな、あの奇人がまた何を言い出すことか」「ご安心を、うまくやります」喜喪鬼(キソウキ)は艶鬼を見送ったが、ふと呼び止めた。「傘を持って行きなさい…明日は大雨になるわ」翌朝、丐幇(カイホウ)の根城に突然、華山(カザン)派の掌門・于丘烽(ユーチウフォン)が訪ねてきた。しかし丐幇は華山派と交情がなく、ましてや岳陽派と決裂したばかりだ。長老・黄鶴(ホアンホー)は思いがけない珍客に困惑したが、于丘烽から驚くべき話を聞いた。実は息子の于天傑(ユーティエンジエ)が五湖盟に殺されたという。しかも20年前、五湖盟は英雄たちと容炫(ロンシュエン)を討ちながら、自分たちだけで琉璃甲を分けていた。確かにこの件が武林に知れ渡れば五湖盟の威厳は失墜するだろう。黄鶴は臆病な于丘烽までも五湖盟に反旗を翻したことで、江湖(コウコ)の潮目が確実に変わってきたことを感じた。如意客桟の朝、周子舒は再び扮装すべく準備を始めた。高崇(ガオチョン)はなぜか張成嶺(ジャンチョンリン)から琉璃甲を得たと公表せず、まだ成嶺を狙う輩は多い。そこで武林大会まで目立たぬよう正体を隠すことにしたのだが、ちょうど部屋に温客行が現れ、止められてしまう。「安心しろ、私は″面倒の親玉″なんだ、あらゆる面倒は私を避ける、心配ないさ」「大善人のフリの次は面倒の親玉か?」「フリではない、私は本当に善人だ」温客行は扮装を嫌ったが、机に並ぶ化粧道具には興味津々だった。すると周子舒は叩頭して弟子になるなら扮装術を教えてやってもいいという。「ふっ、ただの小手先の技だろう?門外不出の秘術でもなし…(ボソッ で、お前の扮装術は誰にでもなれるのか?」「誰しも話し方や動きの癖があり特徴がある、だから成り済ます相手を熟知していないとバレてしまう ただし相手と面識のない者なら騙せるだろう」「では…私がお前に化けたら傻徒弟を騙せるな、ふっ」「お前にこの風格を醸し出せるかな?」ぶははは~♪(*≧∀≦)人(≧∀≦*)わははは~♪ ( ゚ェ゚)←視聴者 艶鬼こと柳千巧(リウチエンチャオ)は扮装術でかつての情人・于丘烽に成り済まし、丐幇を焚き付けた。谷主はまだ于丘烽を忘れられない自分にこの役回りを命じたが、いざ扮装してみると今でも于丘烽の全てを鮮明に覚えていると実感する。「やっと逃れたのに…どうしてこの思いは消せないの…」↓ベリベリベリ~って何て明智小五郎スタイル長明(チョウメイ)山から剣仙がお出ましになった。高崇は岳陽派総出で出迎えたが、門前にいたのは白衣の若い男で、誰もが剣仙の使いだと誤解する。「お前が高崇か?…すると隣が沈慎(シェンシェン)?ってパンダか?!(´゚艸゚)∴ブッ」すると白衣の男は高崇に″山河令″を投げ渡し、葉白衣(イエバイイー)と名乗った。山河令とは鬼谷討伐の令牌、かつて初代″山河令″の持ち主は鬼谷が江湖に危害を加えた時、山河令を持つ者が長明山の剣仙を招くことができると約束したという。「山河令の誓いが果たされる時、青崖(セイガイ)山は滅ぶ 剣仙は大会後に約束通り、令牌を持つ者と共に青崖山の鬼谷を討つであろう」高崇は若者に漂う威厳に面食らい、さすが伝説の達人である剣仙の継承者だと敬服した。その夜、張成嶺の部屋に突然、弟子に成り済ました周子舒が現れた。成嶺は感激のあまり思わず師匠に抱きつき、英雄大会のことを考えると眠れないと訴える。実は高崇は琉璃甲を手に入れてもなお、娘を成嶺に嫁がせるつもりだった。しかも英雄大会で2人が鏡湖(キョウコ)派を再建すると公表し、婚儀は数年後でいいという。成嶺は自分が消えたら高崇と高小怜(ガオシャオリエン)に恥をかかせてしまうと心配した。高崇の思惑が読めない周子舒はひとまず静観しようと言ったが、その時、門弟が食事の片付けにやって来る。<コンコン!張公子!食事の片付けを…( ゚ロ゚)<自分で片付けるよ!しかし師匠はそのわずかな隙にすでに消えていた。周子舒は高崇の行動に戸惑った。琉璃甲を渡した成嶺にもう価値はないはず、しかも高崇に息子はなく一人娘しかいない。成嶺を丸め込むにしても一人娘を嫁がせる必要はなかった。…まさか高崇、老いて悔い改めたとでも?それとも容炫を陥れた罪滅ぼしか?容炫と言えば周子舒は温客行の奇行が報復ではないかと考えた。…俺の読みが正しければ老温(ラオウェン)は容炫の子だ、機を見て過去の怨恨を解きほぐさねば山河令を手にした高崇たちはついに悪鬼たちが出入りする羅(ラ)府へ乗り込んだ。「白髪に朱の衣と言えば薄情簿主…お前が喜喪鬼だな!」高崇は主人の羅浮夢(ルオフーモン)を生捕り、英雄大会でその首を捧げると息巻いた。葉白衣が酒楼で食事をしていると、いつの間にか人だかりができていた。食事を初めてすでに3刻近く、葉白衣は黙々と食べ続けている。そこへちょうど周子舒と温客行が上階から降りてきた。すると葉白衣は銭を出してくれる者を募り、出してくれたら願いをひとつだけ叶えるという。驚いて蜘蛛の子を散らすように帰ってしまう野次馬、その時、温客行が名乗りを上げた。「私が出そう!…温客行だ」「私は葉白衣」温客行はまたも周子舒に銭を出せと強要したが、葉白衣はもし周子舒が出すなら断るという。「お前の頼みは聞けぬからな…なぜ瀕死なのにピンピンしている?」周子舒は一目で自分の状態を見抜いた男に困惑したが、それ以上に何も知らなかった温客行は呆然となった。「ふっ、次々と珍事が起こる、武林も盛り上がってきたな…いいだろう、帰って考えてみる 次は酒をおごってくれ、良い案が出るやも知れぬ」その日は激しい雨になった。于丘烽はまだ息子を見つけられず居所に戻ったが、その時、死んだと思っていた柳千巧が現れる。かつて千巧と于丘烽は恋仲だった。しかし2人の関係が武芸の達人である于夫人の知るところとなり、千巧は夫人から殴打と剣を浴びせられ、さらに衣も、顔の傷を隠していた扮装も剥ぎ取られて街を3日間も引き回されてしまう。江湖を追われ鬼谷へ逃げ込んだ千巧、すると于丘烽は雨の中で千巧を強く抱きしめた。「千巧、こうしてお前と再会できた、今ここで息絶えても悔いはない…」于丘烽はそのまま千巧の首に手をかけたが、結局、決断できなかった。「もうやめて、あなたには手を下せないわ…」千巧は于天傑が纏魂糸(テンコンシ)で死んだと教えた。纏魂糸と言えば吊死鬼(チョウシキ)の暗器、于丘烽は鬼谷に殺されたと分かったが、実は吊死鬼は反逆して悪鬼たちに追われる身になったという。「息子を殺されたあなたと共通の敵を追っている、だから私が訃報を伝えに来たの」于丘烽は鬼谷を敵に回すことを恐れ、慌てて千巧の手を握りしめ、情にすがった。「私には負い目がある、お前を疑うべきじゃない 誰が私を裏切ろうと、お前だけは私を傷つけない、そうだろう? お前に償うためなら何でもすると誓う!」しかし千巧は黙って帰ってしまう。…谷主の言う通り、早く断ち切るべきだった…こんなに傷つけられたのに、なぜ忘れられないの?…こんなことなら孟婆湯(モウバトウ)を飲めばよかったその夜、温客行は阿絮の部屋で酒を飲みながら、白衣の男の話を確認した。「時々、発作が出る例の古傷のせいか?…なぜ傷を負った?」「…長く生き過ぎて多くの罪を犯した、せめて生きている間に少しでも償いたい、自分でやった」「はあ?!」そこで今度は周子舒が核心に迫った。「老温、本当の姓は″容″では?…お前は容炫の子ではないのか?」周子舒は五湖盟と江湖に父を殺された老温が複製した琉璃甲を使って報復したと思っていた。しかし温客行の顔色が一変、自分の姓は″容″ではないと否定し、出て行ってしまう。「もういい、酒がまずくなった」周子舒は自分の見当違いだったと分かった。とは言え、老温の行動や五湖盟への敵視は他にどう解釈できるだろうか。すると突然、葉白衣が訪ねてきた。「ついて来い」葉白衣は周子舒を外へ連れ出した。「借りを返しに来た、傷を治す方法を考えたぞ、死んでも知らんがな」「私がいつ借りを返せといいましたか?」すると葉白衣がいきなり周子舒の胸ぐらをつかみ、2人は数手ほど交える。「四季山荘の秦懐章(チンホワイジャン)の弟子か?」「いかにも、師父は江湖の老大家(ロウタイカ)、普通は荘主と呼ばれる(ムッ」「老大家だと?ふん、ひよっこが私の前で粋がるか?」周子舒は困惑した。この葉白衣という男、若くても世紀の達人のような風格があり、確かに相当の腕前だ。しかし師匠を侮辱されて黙っているわけにいかない。「相手になろう」周子舒はついに宝剣・白衣を取り出した。葉白衣は周子舒の剣が見たいと言った。「もう忘れたか?私が葉白衣だ」…白衣?まさか、この剣の銘(メイ)はこの人の名なのか?…だが白衣剣は100年前の魔匠の作のはず、一体、今いくつだ?周子舒が困惑していると、その隙に葉白衣が剣を奪ってしまう。「うむ…この剣は確かに私がお前の師父に贈ったものだ」↓剣仙www目が寄り過ぎてwww葉白衣はしみじみ剣を眺めた後、周子舒に返した。↓返す時は普通wすると周子舒は剣を納め、拱手して謝罪した。「晩輩が失礼を、前輩への先の無礼をお許しください」「お前が傻小子の徒弟なら適当な治療で死なせるわけにいかぬな…傷の具合を見せてみろ」しかし周子舒は拒否、2人はふたたび手合わせとなった。そこへ温客行が現れ、阿絮を助け出す。「何をする?!」つづく( ๑≧ꇴ≦)あははは~!武侠もの楽しい!そしていきなり江戸川乱歩の2時間ドラマとかw
2022.07.04
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第12話「孤勇」張成嶺(ジャンチョンリン)の厚い信頼に応えるべく、ついに弟子入りを認めた周絮(ジョウシュー)こと周子舒(ジョウズーシュー)。そんな2人の様子を見ていた温客行(ウェンコーシン)は思うところあり、独り川辺で月を眺めていた。すると周子舒が酒を持ってやって来る。「成嶺を弟子にした理由を知りたいか?」周子舒は幼い頃、師匠から人が貴ぶべき品性とは″仁″と″勇″だと教えられた。先賢は″勇″を気勇、血勇、骨勇、神勇に分けたが、一方、師匠が評価したのは″孤勇″だったという。″孤勇″とは不可能と知りつつも挑み、人心が測り難くともあえて信用する勇気のことだった。「老温(ラオウェン)、この年になれば誰かに心を開くのは難しい 自分ができぬことを求めはせぬ、だから先手を打とう…お前に賭けてみる!俺はお前を信じるよ」翌朝、周子舒は旅立つ前にまず張成嶺の身体から不吉な異物を取り出すことにした。琉璃甲(ルリコウ)に興味はないが、このまま放置しているのは成嶺の身体のために良くない。しかし成嶺にとって琉璃甲は父に関わる大事、英雄大会で語られる琉璃甲の来歴が気になっていた。すると温客行が来歴を知りたいなら教えてやるという。「私ほど詳しく知る者は天下におらぬ…」老温?(*´・д・)(・д・`*)温叔?…20年前、突如、江湖に現れた無名の達人、封山(ホウサン)剣・容炫(ロンシュエン)容炫は天下の武芸は源を同じくし、私心を捨てて武芸を教え合えば前人未到の絶技を編み出せるという奇説を唱えたこれに感銘を受けたのが若き日の高崇(ガオチョン)・趙敬(ジャオジン)・陸太冲(ルータイチョン)・張玉森(ジャンユーセン)・沈慎(シェンシェン)だ5人は容炫を中心に集まり、千年に及ぶ武林の伝統を改変して新体制を作ろうと躍起になったやがて幻想に取りつかれた容炫は奥義書の収集を開始、搾取や強奪など悪行を重ねてしまうそして傑出した若者はいつしか憎悪と非難の的に成り果てた容炫は度々、襲われ負傷、しかし幸いなことに妻である神医谷(シンイコク)・岳鳳児(ユエフォンアル)の医術で救われるこうして数年かけて集めた無数の奥義書は秘密の場所に作った武庫に収められた容炫は武庫を封鎖してその鍵を5個に分け、5人の親友に分けるしかし当時の五湖盟の盟主が容炫の殺害を号令逃げ場を失った容炫は青崖(セイガイ)山との境界線で虐殺を繰り広げ、最後は自害した…張成嶺は自分が聞いた話とは違うと困惑した。すると温客行はまだ続きがあるという。…容炫の自害後、悪鬼が青崖山を飛び出し、武林と戦いを繰り広げたこの戦いは凄惨を極め、双方の被害は大きく、武林は没落し、鬼谷も衰退してしまうそのおかげで20年間、平安が続いたのだ生き残った者は誰もが友人や家族を失っていたしかし戦いの発端はくだらぬこと、結末も輝かしくはないため、人々は真相を隠したという…張成嶺は武庫に眠る奥義書をめぐって大勢の者が死んだと知った。ここで自分だけが保身に走ることはできない。成嶺は琉璃甲を守ることが父の遺志だったと思い出し、英雄大会にも鏡湖(キョウコ)派の生き残りとして参加したいと訴えた。すると周子舒は戻るなら琉璃甲を五湖盟に渡すよう命じる。「人は生涯、尽力しても一門の武芸に精通できない 武庫を開けたところで何になる?欲念にたたられるだけだ」周子舒は張掌門がこだわったのは琉璃甲ではなく、義兄弟の絆だと指摘した。そもそも武庫に執着していたなら、20年前に開けていただろう。「容炫前輩も張掌門も亡くなり、2人はあの世でお前が自分の人生を歩むよう願っているはずだ 欲念にとらわれた人々は俺の手に追えぬ、しかしお前の世話ならできる 面倒ごとを引き起こす物は捨ててしまえ」一方、張成嶺が連れ去られた岳陽派では内通者の存在が疑われた。そこで高崇は昨夜、事件の起きた際に部屋にいなかった者を崇武(スウブ)殿に集める。顧湘(グーシアン)もその1人だった。「所在を明らかにして自ら嫌疑を晴らし、皆のわだかまりを解いてもらおう」すると高崇は真っ先に見慣れない娘に目をつける。「初めて見る顔だ、どの門派だ?」驚いた高小怜(ガオシャオリエン)は顧湘が曹蔚寧(ツァオウェイニン)の友人で、自分が面倒を見ていると説明した。( ≧ꇴ≦)b.oO(ナイスアシスト!しかし安心したのも束の間、小怜は顧湘が成嶺の旧友でもあると教えてしまう。( ꒪ͧ⌓꒪ͧ).oO(天然娘め、コイツッ!余計なことを…成嶺と顔見知りだと知った高崇は顧湘を怪しみ、昨夜どこにいたのか追及した。追い詰められる顧湘、その時、曹蔚寧が現れる。曹蔚寧は顧湘をかばい、実は顧湘は昨夜、自分と一緒だったと証言した。ワオ!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<ザワザワ…周子舒と温客行は張成嶺を岳陽派の近くまで送って行った。「成嶺、琉璃甲を渡したことをできるだけ大勢に広めろ、英雄大会の後、師父が迎えに行くからな」(*゚▽゚)*。_。)コク「傻小子、余計なことは言わずに曖昧な態度を貫け、五湖盟の奴らは悪賢い 奴らの企みは見て見ぬふりをしろ、英雄大会で立場を明かせ」温客行の助言を聞いた成嶺はまるで子供のように抱きついた。「温叔、ありがとう…これからも私たちと同行しませんか?阿湘姐姐も一緒に…」すると周子舒が成嶺を温客行から引き離した。「温叔のしつこさまで学ばなくていい、さあ行け」温客行は張成嶺が岳陽派に入る姿をじっと見つめていた。「五湖盟は悪人ばかり…お前の傻徒弟が心配でたまらぬ」それにしても毒蝎はどうやって周子舒の偽名や成嶺との関係を知ったのだろうか。すると周子舒は温客行が漏らしたのかと悪戯っぽく聞いた。温客行は気まずそうな顔をしたが、確か五湖盟に成嶺を届けた時、自分から周絮と名乗ったはずだと指摘する。「ふっ、まあいい、琉璃甲を手放した成嶺にもう用はないはず… 英雄大会が終わったら成嶺と高跳びする」しかし温客行はまだ不安そうに正門を見つめている。「ほら、行くぞ?…何だ、まるで子を心配する母親だな」「…で、これからどうする?」「酒を飲みながらひなたぼっこだ」周子舒と温客行は露店で酒を飲みながら、無意な時間を過ごした。「阿絮、思ったんだ…生き長らえ、ひなたぼっこをし、こうして誰かの名を呼べる…幸せだ」「幸せだな…」←加山雄三かっ?!wその頃、張成嶺は師匠の言いつけ通り高崇に琉璃甲の所在を明かし、自ら腹を切って取り出した。温客行は英雄大会までの間、何か暇つぶしがないか考えた。すると周子舒は同じ相手に割を食わされたのは初めてだと悔しがり、温客行に毒蝎への報復を持ちかける。一方、事情を知った小怜は慌てて成嶺の見舞いに駆けつけた。「苦労したのね…ゥッ…父は意固地で感情を表すのが苦手なの、でも私は知ってる この数年、父が日夜、心を砕いてきたのは五義兄弟の絆を修復して五湖盟の栄光を保つためだと… 父を信じて琉璃甲を渡してくれてありがとう」小怜は父を救うためにも成嶺との縁談を受け入れるつもりだと話し、慌てて出ていった。小怜と入れ違いに顧湘が成嶺の部屋にやって来た。「全部、聞こえたわよ~ふふ、でもどうして戻ったの?」「それが師父と温叔に勧められたんだ」「師父?…周絮に弟子入りしたの?!おめーっ!」すると成嶺はあの夜、自分をかばって怪我をした顧湘に薬を分けた。高崇はついに鏡湖派の琉璃甲を手に入れた。恐らく太湖(タイコ)派と丹陽(タンヨウ)派の琉璃甲は鬼谷の手に渡ったはず、そこで念のため大孤山(ダイコザン)派の琉璃甲も預ることにする。沈慎は渋々高崇に渡したが、そこへ龍淵(リュウエン)閣に出向いていた趙敬が戻って来た。「英雄大会で琉璃甲の来歴を話すため、人を遣わしてくださるそうです」安堵した高崇は二弟を労い、これも剣仙を呼び損ねた五弟のせいだという。すると沈慎は長名(チョウメイ)山で何日も呼びかけたが応答がなく、人の気配もなかったと釈明した。「そうだ、二弟よ、朗報だ…張家の琉璃甲を得たぞ」「おめでとうございます!大哥!」しかし高崇たちはまさか琉璃甲のひとつが晋(シン)王に渡ったとは知る由もなかった。周子舒と温客行は毒蝎が張成嶺を監禁した分舵に向かった。しかしすでに分舵の影も形もない。どうやら内情を発覚することを恐れた者が自ら痕跡を消したのだろう。周子舒には見当がつかなかったが、温客行は無常鬼(ムジョウキ)が自分の目を盗んで毒蝎と手を組んでいると気づいていた。…愚か者たちは気づくまい、奴らが暗躍するほど私は目標に近づくのだ…顧湘が清雲館に駆けつけると、上階で周絮と温客行が仲良く酒を飲んでいた。どうやら主人はまた病鬼とつるんでいるらしい。すると温客行は適当な理由をつけて岳陽派を出るよう命じた。「阿湘、暇を出す、避暑地にでも遊びに行っていいぞ」「…主人?私はこのまま岳陽派に残って、英雄大会まで成嶺を守ります、ほら?あの子マヌケだし…」その時、顧湘を付けていた曹蔚寧が現れた。実は誰かが阿湘を文で呼び出したと知り、きっと相手は温公子だと分かったという。「だから焦ったんだ、阿湘を連れて行ってしまうのではないかと…」周子舒は顧湘が岳陽派を離れたくない本当の理由に気づいた。そこで曹蔚寧に自分がすでに病が重く命も長くないと話し、動けるうちに知己と遊歴したいという。「だから阿湘を信頼できる者に託せるといいんだが…」「周兄、温公子…私ではどうですか?」つづく(  ̄꒳ ̄)武庫うんぬんの話…全然、意味が分からん…www
2022.07.03
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第11話「生死を共に」岳陽(ガクヨウ)派は英雄大会に向け、五湖碑の修繕に余念がなかった。しかし高崇(ガオチョン)にとって大会は個人の得失ではなく、あくまで先祖伝来の基盤を固めるためだという。一方、知己と喧嘩別れした温客行(ウェンコーシン)は憂さ晴らしのように白無常(ハクムジョウ)を殺し、喜喪鬼(キソウキ)・羅浮夢(ルオフーモン)から叱責されていた。「奇矯な真似をしましたね?なぜ理由もなく白無常を殺したのです?! 薄情司の娘たちに青崖(セイガイ)山の鬼の半端な童謡まで広めさせて…」艶鬼(エンキ)・柳千巧(リウチエンチャオ)は主人の無礼を取り繕ったが、喜喪鬼は谷主など恐れないと開き直った。しかし谷主と言えども、温客行が一目置いている喜喪鬼に罰を与えることはない。「艶鬼に話がある…喜喪鬼は下がれ」艶鬼は谷主が野心ある無常鬼(ムジョウキ)を牽制するため、右腕の白無常を見せしめに葬ったと気づいていた。すると温客行は艶鬼に別件で任務があるという。実は艶鬼が駆使する見事な変装術は四季山荘のものだった。かつて艶鬼は幼い頃、偶然にも江湖の奇才と一期一会の縁を得る。当時、秦懐章(チンホワイジャン)は少女の顔の傷を哀れみ、変装術を授けていた。そんなある日、稽古を終えた張成嶺(ジャンチョンリン)が部屋に戻って手を洗おうとすると、桶の下に書き置きを発見した。…今夜、子の刻、北苑の裏庭で、絮…成嶺は師匠が迎えに来てくれると喜び、時間になると部屋を出たが、運悪く謝無恙(シエウーヤン)に見つかってしまう。その時、顧湘(グーシアン)が背後からいきなり謝無恙の首を突いて眠らせた。「こんな夜中にどうしたの?」張成嶺は顧湘と一緒に北苑へやって来た。すると屋根の上に隠れていた四大刺客・俏羅漢(ショウラカン)が飛び降りて来る。顧湘は成嶺を逃して応戦したが武器の鞭(ベン)を斬られ、バランスを崩した拍子に蹴り飛ばされた。その隙に俏羅漢は成嶺を捕らえることに成功、魅曲秦松(ミキョクシンショウ)の魔音で追っ手を阻み、姿を消してしまう。その頃、やさぐれた周絮(ジョウシュー)は酒瓶を片手に外で飲んだくれていた。すると四大刺客に捕まった成嶺の姿を目撃、慌てて後を追う。٩(¨ )ว=͟͟͞͞ ピューッ! ←なぜか急にシラフに戻る一方、大街を歩いていた温客行も偶然、岳陽派の弟子たちと出くわしていた。成嶺が琵琶を持った男と仲間にさらわれ、助力を願いたいという。その時、温客行は屋根の上を逃げて行く怪しい影を見つけ、咄嗟に追跡した。俏羅漢と毒菩薩(ドクボサツ)は分舵で張成嶺を拘束、琉璃甲を渡せと迫った。しかし成嶺は拒否、2人の拷問が始まる。「うぁぁぁぁ〜ゲホゲホッ!…私を試せばいい 鏡湖(キョウコ)派の張玉森(ジャンユーセン)に腰抜けの息子はいない!」もはや成嶺にかつての弱々しい公子の面影はなかった。その時、扉を破って周絮が飛び込んで来る。「四大刺客を敵に回すとは…何者だ?!」「蝎(サソリ)なんぞ、教える値打ちもない!」周絮は見事な剣術で2人を圧倒し、成嶺を解放した。そこへ金毛蔣怪(キンモウショウカイ)が参戦、魅曲秦松と落ち合う予定だったが会えなかったという。周絮はまた内傷が痛み、あまり時間がなかった。しかし使い手の3人を相手に体力の限界が近づく。(´ ° ཀ°)グッ! (≧ꇴ≦๑ )<師父!追い詰められた周絮は暗器を放って何とか金毛蔣怪だけは倒すことに成功した。反撃もここまでか…。その時、突然、殿内にボッコボコにされた魅曲秦松が投げ込まれた。温客行は魅曲秦松を捕まえ、分舵の場所を聞き出していた。そこには深手を負った周絮の姿がある。驚いた温客行は毒蝎を蹴散らして真っ先に駆けつけると、俏羅漢と毒菩薩はその隙に逃げ出した。するとどこからともなく不気味な声が聞こえて来る。周絮たちは薬人(ヤクジン)だと気づいて慌てて飛び出したが、分舵の外はすでに薬人に囲まれていた。ボロロ~ン♪その時、蝎王が琵琶で薬人の動きを止めながら3人の前に舞い降りる。「これは周首領、私に友人を紹介してはくれぬのか?」周絮は成嶺を守ることが先決だと判断、咄嗟に煙玉を爆発させ脱出した。(  ̄꒳ ̄)おう?…天窗(テンソウ)の首領と悪鬼の親玉が一緒ってどういうこと?周絮と温客行は張成嶺を助け、河原まで逃げ延びた。成嶺は心から感謝し、再会して改めて2人の存在の大きさを実感する。岳陽派では身内のように見てくれると期待したが、実際は父ですら他人でしかなかった。高崇の関心は敵討ちより英雄大会を開くことだけ、成嶺は岳陽派にいても自分の本当の望みは叶わないという。「私の望みは武芸を学び、この手で敵を討つことです!」成嶺は鏡湖(キョウコ)派を継いで後世に伝えたいと願い、ついにあの夜のことを話し始めた。…鏡湖山荘が滅ぼされた日、張玉森(ジャンユーセン)は迫り来る時間の中で一言だけ成嶺に言い残した『誰も信じてはならない』船頭の李(リー)伯伯は掌門と五湖盟の確執を知らず、咄嗟に使い手の周絮に成嶺を預けたのだろう実は追い詰められた張玉森は咄嗟に成嶺の脇腹を切って琉璃甲を体内に隠し、逃していた…張成嶺は最初から周絮を信じるべきだったと後悔した。そこで信頼の証しとして琉璃甲をすぐ取り出すと言ったが、驚いた周絮が止める。「やめろ、俺がいつ欲しいと言った?」どうやら張玉森は義兄弟への信頼をとうに失っていたらしい。すると成嶺は表向きはともかく父は長年、義兄弟と反目していたと教えた。実は父から文も預かっていたが、宛名の者以外に誰にも渡すなと言われ、厠へ行くのを口実に祠堂で仏像の足の下に隠したという。しかし取りに戻れない時は口頭で伝えようと中身を覚えていた。宛名には長明(チョウメイ)山・剣仙とあったという。…五湖盟の五義兄弟は当初、容炫(ロンシュエン)と親友だったが、容炫は五義兄弟が原因で邪道に落ちた…6人で六合(リクゴウ)心法を研究していた時、容炫は剣で勝ったものの毒に侵され、正気を失った…原因は剣に塗られていた毒だ…容炫は悪の道を極めて討伐されたが、五義兄弟は責任を放棄した張玉森は容炫と生死を共にするつもりだったが、それを知った父親に監禁されてしまう。「父は終生、悔やんでいました…」当時、誰が毒を仕込んだのかは不明だが、剣は高崇のものだったという。その頃、高崇は隠し部屋に作った霊廟にいた。祭壇に並ぶ義兄弟たちの霊位、その中には温客行の父の名前もある。…故先兄 温如玉(ウェンルーユー)…結局、張玉森は高崇とのわだかまりを残したまま逝った。「玉森、すまぬ、お前の息子を奪われてしまった… 五湖の盟主も武林の至尊もしょせんは虚名だ、誰も私の本心を分かってくれぬ あの者たちはともかく、なぜお前まで信じてくれぬ?! だが我が生涯で最大の悔いは…あなたに会ったことだ!」高崇が思わず声を荒げて指差した霊位には″故先兄 容炫″と彫られていた。張成嶺は周絮と温客行の様子がおかしいことに気づき、仲違いしていると分かった。「師父、私が温叔の代わりに謝りますから機嫌を直してください!」「もうよい…で、四大刺客はお前をどうやってさらった?」「子の刻に裏庭に来いと文がありました、見張りは湘姐姐が倒してくれて…」「俺ではない」周絮は世が乱れた今、成嶺は岳陽派にいるのが一番安全だと考えた。するとまた急に激しく咳き込んでしまう。温客行は咄嗟に駆けつけ、周絮の背後から自分の内力を使って内傷を癒した。「成嶺、私は初めてお前の師父に会った時、この唯一無二の骨格を見て扮装を見破った 病鬼の仮面の下に絶世の美形が隠れているとな、骨相で人を見極めるのは私の特技だ …今まで見誤ったことはない、数年前に1体の屍を見た時もそうだ 屍は髪が乱れ、血まみれで、長槍(ナガヤリ)が背中から胸を貫いていた だが肩甲骨の下をよく見たところ、生前は絶世の美女だと判別できた」温客行は当時の心の傷が蘇り胸が締めつけられた。「続きを聞きたいか?」「…過去のことはもういい、あまり悲しむな、で老温、お前は一体、何者なんだ?」「何者か?私こそ温大善人~善を行い徳を積み、弱き者を哀れむ〜」温客行は手当を終えると、いつものお調子者に戻った。周絮は張成嶺の弟子入りを頑なに拒絶していた。しかしここまでの信頼を得たからには真摯に応えたいと考え、まず自分の正体を知ってから決断するよう提案する。「俺の本名は周子舒(ジョウズーシュー)、四季山荘の現荘主であり、最後の荘主でもある 先代の秦懐章(チンホワンジャン)は俺に武芸を授けた師父だ ″四季 花は常にあり 天下の事情を知り尽くす″… そう名を馳せた門派だったが、もう知る者はほぼいない すべては俺の思い違いと力不足のせいだ、俺が16歳の時、師父は病で急逝した 俺に四季山荘の名声は守れず、代々の主・晋(シン)州節度使に門派の精鋭たちと身を寄せた それが天窗の始まりとなった…だが山荘から俺に従った古参の部下たちは全て権力の犬に堕した 81人いた部下たちは1人また1人と姿を消し、最後に俺1人が残った」天窗の首領だった周絮は当然ながら毒蝎と顔見知りだった。毒蝎は江南一帯に根を張る暗殺組織、かつて江南に手を広げようとしていた天窗とは何度も衝突したことがあるという。「過去には心に背くことも意に染まぬ殺しもした 野垂れ死ぬつもりだったが、天爺は思いがけず俺に新たな道を用意していた…」周子舒は成嶺に自分の正体を知ってもまだ弟子になりたいか聞いた。「もちろんです!心の中ではとうに師と仰いでいました」「いいだろう、お前は本門派で6代目の直系の弟子だ」成嶺はその場で弟子入りの叩頭を済ませ、ついに正式な弟子となった。つづく(  ̄꒳ ̄)ん?喜喪鬼は特別なの?みんなが遠慮してるけど…十大悪鬼の首領は無常鬼だよね?年の功ってやつかしら?
2022.06.30
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第10話「狂気の果てまで」知音である安吉(アンキツ)四賢の死に激しい衝撃を受けた温客行(ウェンコーシン)。せめて一緒に埋葬してやろうと、誰もいなくなった仁義(ジンギ)坊で独り黙々と穴を掘っていた。そこへ周絮(ジョウシュー)が現れる。「四賢は悪人ではなかった、巻き込まれ命を落としたのだ …温客行、楽しいか?これがお前の望んだ結果か?!」「″悪人″か…なら周首領が殺したのは悪人だけか?!」温客行は感情的になり、思わず口を滑らせた。「…はお、分かったよ」すると周絮は肩を落とし、悲しそうにどこかへ行ってしまう。周絮は悦樊(エツハン)楼で湖を眺めていた。「知己だと思ったが… ←( ゚д゚)え?そうなの? 罪を犯してきた私たちのような者の人生は問いようがない…もう良い、私が間違っていたのだ」その姿を物陰からかつての属下・韓英(ハンイン)が見ていた。その夜、周絮は酒楼で独り、酒をあおって憂さを晴らした。一方、温客行は寂しさを紛らすように妓女をはべらせ酒盛りする。「こんな経験はあるか?…願って手に入れたが無くしてしまった 見つからないと思ったが、何年も後になって再び現れた …だが時が移ろい、それをもはや得られない」しかし妓女にはその意味が分からなかった。崇武(スウブ)殿に大孤山(ダイコザン)派の掌門・沈慎(シェンシェン)が戻ってきた。沈慎は安吉四賢の死に関わった封暁峰(フォンシャオフォン)を追っていたが、逃げられてしまったという。一方、仁義坊の後始末を任された太湖(タイコ)派の掌門・趙敬(ジャオジン)は、安吉四賢の亡骸を縁者や弟子に託したと報告した。「そう言えば堀りかけの穴がありました…もしや丐幇(カイホウ)でしょうか?」しかし高崇(ガオチョン)は考えすぎだと一蹴、それより傲崍子(アオライズー)を殺したのは本当に鬼谷(キコク)かと確認する。あの晩、沈慎は傲崍子を追ったが見つからず、裏道で血のりのついた傲崍子の剣と冥銭が残されていたと証言した。趙敬はようやくあの晩、沈慎が傲崍子を追いかけるため、泥酔したふりをしたと知る。「まさか…琉璃甲を強奪するためか?!」「強奪とは人聞きの悪い、琉璃甲は五湖盟のものだ!」高崇は二弟と五弟の言い争いを止めたが、確かに沈慎が泰山派を襲ったとなれば江湖の義士からの五湖盟を見る目も厳しくなるとぼやいた。華山(カザン)派の掌門・于丘烽(ユーチウフォン)は門弟たちが仁義坊にいたと知って驚愕した。「五湖盟と丐幇の対局に加わるつもりか?!死にたいのか?!」それにしても息子の于天傑(ユーティエンジエ)は一体、どこへ消えてしまったのか。未だ消息が分からない。 ←まだそこ( ̄▽ ̄;)すると泰山派の弟子たちが五岳剣派のよしみで于丘烽を頼って来た。師匠の死には裏があり、五湖盟が関わっているという。しかし于丘烽は高崇を敵に回すわけにいかず、会わずに追い返した。周絮が目を覚ますと韓英の居所だった。韓英は一緒に七竅三秋釘(シチキョウサンシュウテイ)の治療法を探そうと提案したが、周絮は自分に関わらないよう警告する。「天窗(テンソウ)に留まり、うまく立ち回って身を守れ」すると周絮が狂風刀の李衡(リーホン)から手に入れた琉璃甲を出した。韓英はまた同じ形の琉璃甲を見て驚き、すでに晋州へ2個、送ったという。「晋(シン)王が持つ絵では5個とも形状が違ったゆえ、不思議に思っていたのです あれは模造品だったのですね?」周絮は温客行の計略に驚愕したが、その目的が何なのか皆目見当がつかなかった。「韓英、琉璃甲の争奪は激化している、お前は任務に専念して深入りするな」一方、緑柳(リューリゥ)と桃紅(タオホン)夫婦は丐幇の根城にいた。「今回はしてやられたわ!偽物の琉璃甲ですっかりコケにされた!」すると長老・黄鶴(ホアンホー)のもとに思わぬ報告が届く。実は高崇が娘を鏡湖(キョウコ)派の遺児・張成嶺(ジャンチョンリン)に嫁がせるというのだ。しかし成嶺は自分を傀儡にしようとする高崇に反発、姉のように慕っていた高小怜(ガオシャオリエン)とも距離を置くようになった。妬みからいっそう強くなる成嶺への風当たり、行き詰まった成嶺は顧湘(グーシアン)に師匠と温客行に会いたいと訴える。「…ここに住むのが嫌?」「住んでいるんじゃない、監禁されてるんだ」その夜、顧湘は温客行の元へ駆けつけた。実は高崇が張成嶺と高小怜の縁談を決定し、批判が噴出しているという。小怜はもともと大弟子・鄧寛(ドンクワン)と恋仲、まだ婚約はしていなかったが、門派では周知の事実だった。「あ!そうだ!鄧寛は先日、喜喪鬼(キソウキ)が行った遊戯の生き残りですよ 誰に怪我させられたのやら、今も昏睡しています 私も遊戯を見ていましたが、鄧寛はかすり傷で昏睡するはずありません」←え?( ̄▽ ̄;)「生首の一件は無常鬼(ムジョウキ)の仕業だな?お前と鬼喪鬼は何を知っている?」「特に何も…何か問題が?」すると温客行は成嶺の様子を聞いた。小怜は父の命令のため仕方なく成嶺に好意を示しているが、成嶺は一向になびかないという。「主人?成嶺が外に出たいと言っています…ちょっと可哀想で…」しかし周絮とのわだかまりのせいか、いつになく温客行は冷淡だった。「私の計画に口出しするつもりか?」(´・_・`)…滅相もない「自分が何者か忘れたのか?…お前は無心紫煞(ムシンシサツ)だろう?人と鬼の道は違う」(´・_・`)ぉぅ…「ともかく高崇を見張れ、何か動きがあれば報告しろ…阿湘?私を異常だと思うか?」(*゚▽゚)*。_。)*゚▽゚)*。_。)ウンウン「ふっ、いつか正気を失ってお前を殺すやも…」「殺されて幽鬼になろうとも付き従います(^ꇴ^)」「はお、ならばとことん突き進もうか」顧湘は清風(セイフウ)剣派・曹蔚寧(ツァオウェイニン)と食事に出かけた。この機を利用し、流しとして酒楼に出入りしている紅露(ホンルー)に曲を頼む。「″出会えた喜び″をお願い」その題名を聞いた曹蔚寧は自分への告白かもしれないと期待を募らせるが、まさかこの曲が谷主の招集の合図だとは夢にも思うまい。こうして羅(ルオ)府に鬼谷十大悪鬼たちが集まった。鬼谷の谷主は温客行だった。↓(」゚ロ゚)」<知ってた〜「青崖(セイガイ)山から出ることを許したのは吊死鬼(チョウシキ)を捕らえて琉璃甲を取り戻すためだ 吊死鬼の髪1本さえ見つけ出せないのに、派手に騒動を起こしてくれたな?」たった3ヶ月で鬼谷と五湖盟20年に及ぶ平穏を破ってしまった悪鬼たち、しかし温客行は笑って見事な働きぶりだと賞賛する。それがかえって悪鬼たちの背筋を凍らせた。温客行は五湖盟の災禍が悪鬼たちの仕業だと気づいていた。丹陽(タンヨウ)派の弟子を殺して陸太冲(ルータイチョン)を憤死させたのは喜喪鬼、鏡湖派を一夜で滅ぼしたのは自ら始末した長舌鬼(チョウゼツキ)だろう。「長舌鬼はお前の配下だな、どこへ?」すると無常鬼は鬼谷を出てから長舌鬼が従わなくなり、恐らく二心を抱いていると罪をなすりつけた。しかし温客行は鬼谷の掟は兼ねてから弱肉強食だという。もし長舌鬼が無常鬼を殺せば新たな十大悪鬼の首領となり、それこそ自分を殺せば新しい谷主になれる決まりだ。「滅相もない!」無常鬼の配下である白無常(ハクムジョウ)は恐ろしさのあまり口を滑らせた。「滅相もないだと?青崖山では年中、食うか食われるかの死闘が繰り広げられている 私が負傷して現れたら谷主に取って代わるつもりだろう?」「滅相もございません!」白無常は思わずその場で平伏したが、それがかえって谷主を苛立たせ、殺されてしまう。「さて、無常鬼、岳陽城に生首を捨てたのはお前の策だな?他の協力者は?誰に手配させた?」「…白無常です」死人に口なし、無常鬼は白無常の失策だったと謝罪し、自分の代わりに始末してくれたと感謝した。「では泰山派の掌門を殺したのは誰だ?…掌門の顔には開心鬼(カイシンキ)の印があったな?」「私ではありません!わはははっ!濡れ衣を着せられました!わっははは~」「何がおかしい?」「これは私の持病でして…わっははは…内息のせいで笑わずには話せません!」すでに英雄大会は数日後に迫っていた。温客行はひとまず残り3人の掌門の面子を叩き潰す方法を先に相談しようという。つづく(  ̄꒳ ̄)あれ?もしや十大悪鬼って主と配下まで含まれるシステム?ってことは白無常と黒無常兄弟も十大悪鬼ってこと?そうすると確かにちょうど10人になるけど…謎①吊死鬼❌ 崖下で何者かに殺され、琉璃甲を奪われる②食屍鬼 丸いほっぺが好物の小太りの人③急色鬼 妓楼で阿湘に怒られた白塗りの人④開心鬼 笑いが止まらない人⑤喜喪鬼 薄情簿主⑥艶鬼 変装の名人(喜喪鬼の配下)⑦無常鬼 蝎王と通じている⑧長舌鬼❌ 薬人を操り谷主に殺される(無常鬼の配下)⑨黒無常(無常鬼の配下)⑩白無常❌ 谷主に殺される(無常鬼の配下)
2022.06.29
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第9話「高山流水」岳陽(ガクヨウ)派を訪ねた周絮(ジョウシュー)と温客行(ウェンコーシン)。そこへちょうど方不知(ファンブージー)の遺体が運び込まれて来た。高崇(ガオチョン)は遺体に残っていた毒針を発見したが、この暗器の使い手が誰か分からない。しかし周絮は知っていた。これは天窗(テンソウ)独自の暗器・雨打芭蕉針(ウダバショウシン)、さすが韓英(ハンイン)、仕事が速い。…つまり方不知が盗んだ老温(ラオウェン)の琉璃甲(ルリコウ)は天窗に渡ったのか…周絮と温客行はここでひとまずおいとまし、英雄大会での再会を約束して帰って行った。顧湘(グーシアン)が酒楼で清風(セイフウ)剣派・曹蔚寧(ツァオウェイニン)と食事していると、流しに成り済ました侍女・紅露(ホンルー)が現れた。「あ!この前、私が助けた流しの娘かも?!話して来る!」顧湘は嘘をついて席を離れ、紅露の元へ向かった。「連れがいて間が悪いわ、まず情報収集を…私が任務を果たしたら曲を頼むから主人の居所を教えて」「了解」その夜、温客行は周絮の部屋に押しかけ、給仕に豪勢な料理を運ばせた。「どれも美味そうだろう?」しかし周絮は匂いが分からず、ついに五感が衰え始めたことに気づく。何やら思い詰めた様子の周絮、温客行はまた張成嶺(ジャンチョンリン)のことだろうと思った。「成嶺を一度、救ったからと言って一生、守るつもりか?…一生の絆など存在せぬ」温客行はふと幼い頃を思い出した。「大切な人から犬をもらった その時、母から″犬が仕える主はただ1人、飼うなら一生を請け負え″と言われたよ 8歳の子供に一生なんて分かるはずないだろう?二つ返事で承諾したさ それから…結局、私は犬を裏切った」その時、周絮が老温の腕に手を置いた。「ままならぬ世だ…だが悔いは残すな」周絮が初めて見せた親密な行動、すると突然、その手で思い切り温客行の腕を叩いた。「何するんだ?」「犬のたとえは低俗すぎると思わぬのか!」温客行は思わず吹き出し、その夜は楽しい酒になった。子の刻、周絮は激しい耳鳴りに襲われた。いつものように気を集中して発作が治まるのを待つ周絮、すると温客行の部屋から簫の音が聞こえて来る。周絮はそのお陰で内力が高まり、気がつくと熟睡していた。「まだ寝ているのか?!外は明るいぞ!起きろ!」翌朝、温客行は周絮を叩き起こし、強引に悦樊(エツハン)楼へ連れ出した。悦樊楼は風光明媚な湖畔にあり、岳陽城で最も美しい場所と称賛されていた。高楼から絶景を楽しむ周絮と温客行、すると周絮が船にいる″安吉(アンキツ)四賢″を見つける。「何者だ?」「江湖には珍しく清廉潔白で4人とも音楽に秀でるが、その背景は大いに異なる しかし意気投合して知音となり、江湖を退いて安吉の美しい竹林に隠居したんだ 俗世を離れて十数年になるかな…」四賢のうち2人は同門で夫婦、もう1人は書生で琴の演奏に長けていた。剣舞を披露するのは大盗賊として名を馳せた賀一凡(ホーイーファン)、悪に染まったが心は清らかで3人に感化を受けて立ち直り、山林に隠居したという。「高山流水(※)の故事さながらだな」「高山流水か…知音は得難い」温客行はしみじみそう言った。「″知己に遭えば山河も重からず″」周絮はその一節に残り短い自分の人生を重ねた。安吉四賢のように知己と江湖をさすらい、無為に余生を送れたらどんなに幸せだろうか。…執念は捨てよう、このままでも一生を無駄にするよりマシだ…武芸の基礎がない張成嶺はまだ幼い岳陽派の弟子たちの稽古に参加した。しかし指導する祝邀之(ジューヤオジー)から目の敵にされてしまう。孤独に苛まれながら居所へ戻る成嶺、すると思いがけず中庭で顧湘と出くわした。「湘姐姐!ゥッ…師父にもみんなにももう会えないと思ってた…」「ふふ、2人はあなたを守るため私を送り込んだのよ?」その夜、温客行が酒を持って周絮の部屋に現れた。「何だ、また飲むのか?」「どうせ子の刻は眠れないのだろう?」周絮は子の刻のことを揶揄され気まずかったが、温客行はそれ以上、何も言わなかった。「知っているか?今夜の月は美しいぞ?月を肴に酌み交わそうではないか」そこで2人は屋根の上で飲み始めたが、やがて静寂を破って剣戟(ケンゲキ)の音が聞こえて来る。「興ざめだな…」周絮は通りで戦う2人を見下ろして顔をしかめたが、温客行は嬉しそうに笑った。「やっと面白い芝居が始まった…さあ、見物に行こう!」人けのない大街に毒蝎(ドクサソリ)の四大刺客・魅曲秦松(ミキョクシンショウ)の魔音が響いた。また裏道では鬼谷十大悪鬼・無常鬼(ムジョウキ)が配下の黒無常・白無常と一緒に暗躍している。周絮と温客行は廃家で相討ちとなった2人を発見、中庭に降り立った。死んでいたのは独眼侠の蒋徹(ジアンチョー)と狂風刀の李衡(リーホン)、すると李衡の手に琉璃甲がある。周絮は驚いた。温客行の琉璃甲は韓英が手に入れたはず、なぜ李衡の手に渡ったのか。同じ頃、韓英も困惑していた。方不知から2つの琉璃甲を手に入れたが、なぜ2つとも同じ形なのか。周絮は琉璃甲を見せびらかしてわざと災いをもたらした温客行を非難した。しかし当の本人は悪びれる様子もなく、凡人たちの自業自得だと笑う。「お前は奇人を装っているとばかり…まさか本当に正気を失っていたとは…」周絮は何とも哀れな目で温客行を目で見ると、独りで宿へ戻ってしまう。翌朝、温客行は気を取り直して阿絮に朝食を差し入れることにした。しかし部屋はもぬけの殻、どうやら本気で怒らせてしまったのだろうか。一方、五湖盟の掌門たちも昨夜、琉璃甲の奪い合いで岳陽城内に多くの血が流れたと知った。回収されたのは偽物の琉璃甲3個、高崇(ガオチョン)は英雄大会を目前に五湖盟の面目が丸潰れだと嘆く。そんな騒ぎの中、行方知れずになっていた大弟子・鄧寛(ドンクワン)が満身創痍で岳陽派に戻って来た。高小怜(ガオシャオリエン)は昏睡状態に陥った大師兄のそばを離れず、悲しみに暮れる。「早く目を覚まして…あなたが姿を消した後、父は白髪が増えたのよ…ゥッ…」地下牢では生首事件で捕まえた男2人が拷問にかけられていた。それでも2人は白状せず、どこか感情がないように見える。すると今度は仁義(ジンギ)坊で事件が勃発した。琉璃甲が偽物だと知らず殺気立つ武林、清廉潔白と言われる安吉四賢も例外なく渦中に巻き込まれた。琉璃甲を持っていた四賢は各門派に追われ、仁義坊へ逃げ込むも袋の鼠になってしまう。すると深手を負った裴(ペイ)長兄が夫人に琉璃甲を託し、高崇に渡すよう頼んで息絶えた。その頃、前庭では琉璃甲を巡って丐幇(カイホウ)や華山(カザン)派が言い争いになっていた。すると急に封暁峰(フォンシャオフォン)というならず者が口を挟む。「琉璃甲を持っていたのは傲崍子(アオライズー)だ 周知の通り傲崍子は鬼谷に殺され、琉璃甲は安吉四″愚″に渡った!鬼谷の犬め!」封暁峰は鉄玉を放ったが、賀一凡は見事に刀で弾き飛ばした。しかし刀に当たった1つが砕け、仕込まれていた毒で両目を潰されてしまう。桃紅(タオホン)は卑怯にも毒弾を使ったならず者に激怒、恥知らずと罵った。「丐幇、華山、崆峒(コウドウ)には大義名分がある、武庫に独自の奥義書が入っているからね! お前はどこの馬の骨とも知れず、名前も聞いたことがない、失せな!消えるんだ!」「何を?!高山奴(ガオシャンヌー)、始末しちまえ!」その時、高崇率いる岳陽派が駆けつけた。岳陽派がなだれ込んだ隙に封暁峰たちは逃げ出した。すると毒のせいで錯乱した賀一凡が誤って裴夫人に一撃を与え、外へ吹き飛ばしてしまう。裴夫人はそのまま絶命、そこへ賀一凡が飛び出し、暴れ始めた。咄嗟に桃紅と緑柳(リューリゥ)夫婦が賀一凡を止めることに成功したが、そのままとどめを刺してしまう。独り残された杜(ドゥー)二兄が剣を片手に琴を抱えて出てきた。「15年、隠居して悩みなど忘れていた 15年に及ぶ友情がこんな物のために跡形もなく消えてしまうとは… 高盟主、我ら4人は山林で人生を終えるつもりだった 昔のよしみで下山し、英雄大会に赴いたが、まさか想像だにしなかった お前と友情を結んだばかりに岳陽城で絶命する羽目になろうとは…」その様子を外から温客行が見ていた。「裴大哥はお前のために琉璃甲を奪った…そんな価値があったと?!」高崇は必ずや正義を回復してみせると訴えたが、杜二兄は琴を投げ捨て、自害してしまう。…我が知音は世を去った、琴など無用!…長老・黄鶴(ホアンホー)は焦って四賢の死に丐幇は関わっていないと釈明した。怒りのやり場がない高崇は偽物の琉璃甲を取り出し、そんなに欲しいなら持っていけと投げ捨てる。「1個では足りぬか?…もう1個やろう!ふんっ!」すると高崇は7月15日の英雄大会で琉璃甲について全てを説明すると宣言、丐幇との諍いは大会後に決着をつけると言って引き上げた。黄鶴は琉璃甲を拾って確かめたが、ようやく偽物に振り回されていたと知る。一方、一部始終を見ていた温客行は四賢の壮絶な結末を目の当たりにし、呆然と立ちすくんでいた。つづく※高山流水(コウザンリュウスイ)琴の名手であった伯牙が琴を奏でると親友の鍾子期がそれを感じとったという故事から、絶妙の演奏、または知己(知音)のこと
2022.06.28
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第8話「光あるところに闇」岳陽(ガクヨウ)派に迎えられた張成嶺(ジャンチョンリン)。すると掌門であり五湖盟の盟主・高崇(ガオチョン)は早々に成嶺を呼びつけ、鏡湖(キョウコ)派の琉璃甲(ルリコウ)を渡せと迫った。趙敬(ジャオジン)は哀れな成嶺に同情して気長に見守るよう訴えたが、大兄が沈慎(シェンシェン)のように黙って引き下がるはずもない。「何を言うか?!琉璃甲はいわば張玉森(ジャンユーセン)の命より大切な物、お前や私の命よりもだ!」高崇の言葉を聞いた成嶺はふつふつと怒りが込み上げ、思わず声を荒げた。「琉璃甲など本当に知らない!」実は成嶺の父・張玉森は長年、五湖盟と疎遠だった。成嶺が五湖盟に頑なのも仕方がない。高崇にとって四弟の件は心の傷だったが、今や悠長に待っている時間はなかった。「お前が琉璃甲を出し渋るほど江湖に害が広がる!分からんのか!」「分かりません!」成嶺の反抗的な態度に思わず手を振り上げる高崇、しかし咄嗟に趙敬が止めた。「大哥!落ち着いて…琉璃甲の件は改めて話しましょう」一方、鳳陽(ホウヨウ)酒楼では温客行(ウェンコーシン)が周絮(ジョウシュー)から借りた銭で豪勢に酒盛りを始めた。危うく無銭飲食で捕まるところだった清風(セイフウ)剣派・曹蔚寧(ツァオウェイニン)は助けてもらった2人に感謝、岳陽派へ戻って銭を持って来るという。しかし周絮は″銭は天下の回り物″だと許し、やけに愛想良く振る舞った。「清風剣派と言えば門徒を厳選するとか?全員が見目麗しく文武に秀でていると聞くが、噂通りだ」「いえいえいえ…私が一番の出来損ないでして…」面白くない温客行は顧湘(グーシアン)に銭袋を盗んだ方不知(ファンブージー)を探しに行くよう命じた。すると顧湘に一目惚れした曹蔚寧が城内を案内がてら、お供したいと申し出る。そこで周絮はついでに自分たちの来訪を岳陽派に伝えて欲しいと頼んだ。周絮の初対面での態度は温客行と曹蔚寧で雲泥の差があった。しかし周絮がいつになく饒舌だったのは、曹蔚寧を利用して趙成嶺の様子が知りたいのだと温客行は承知している。「心配するな、阿湘に申し付けてある、岳陽派に紛れ込み、お前の弟子の様子を探れとな」温客行は周絮と趙成嶺のためだと恩着せがましかったが、周絮は何か別の意図があると感じていた。趙成嶺が崇武(スウブ)殿を出ると、岳陽派の弟子・謝無恙(シエウーヤン)が追いかけて来た。「張師弟!部屋まで送ろう、賓客として扱えとの師父の命だ」すると謝無恙はまるで成嶺を連行するように腕をつかんでくる。憤慨した成嶺は客ではなく犯人のようだと腕を振り払い、2人は一触即発となった。しかし掌門の一人娘・高小怜(ガオシャオリエン)が通りかかり、事なきを得る。「私が付き添うからいいわ」小怜は成嶺を松柏(ショウハク)居に案内し、また戻って行った。中庭では成嶺と同輩の弟子たちが訓練していたが、弟子たちはひ弱そうな新入りを見て失笑する。どうやらここにも成嶺が心休まる場所はないようだ。曹蔚寧は小怜に顧湘を紹介し、周絮と温客行が到着するまで面倒を見て欲しいと頼んだ。すると小怜は快く引き受け、自分の寝殿の西側の部屋を用意すると言ってくれる。「あなたの″朋友″なら私の朋友だもの(クスッ」小怜は曹蔚寧が顧湘を好きだと分かった。そこへ侍女が駆けつける。師匠が祭礼の準備をするよう命じたと言うのだ。「じきに日が暮れるのに祭礼?どこへ行くの?」「師父が張家の師弟と五湖碑へ行くそうです」酒楼を出た周絮は温客行に別れを告げた。温客行はしつこく一緒に行くと食い下がったが、その時、まだ明るいというのに空に天灯が上がる。…天窗(テンソウ)がここでも動いたか…周絮は城外にいた役人ふうの者が天窗だったと気づき、張成嶺の身の危険を感じて岳陽派へ行くことにした。そこへちょうど顧湘が戻って来る。「良かった~間に合った!主人、潜入に成功しました!」顧湘の話では高崇がこれから張成嶺を連れて五湖碑の拝礼に行くという。すると話の途中で周絮が走り出し、温客行も慌てて後を追った。「阿湘、戻っていろ!」五湖碑は巨大な六面体の石碑だった。正面には″五湖天下盟″と彫られ、各面に門派の名前と代々の掌門の名が刻まれている。100年前、先祖たちは竹林で″桃園の三傑″に倣い五義兄弟の契りを結び、協力し合って門派を開いた。「義兄弟の絆があってこそ五湖盟の天下は守られるのだ」すると成嶺は鏡湖派の一面を見つけ、その場で叩頭した。高崇は張家の血脈を継ぐのは成嶺だけだと鼓舞、成嶺もどうやら継承者という自覚が生まれたらしい。「高伯伯(ボボ)、貴方様が盟主、盟主に従います」しかし拝礼を終えた2人が下山すると、待機していたはずの弟子たちの姿がなかった。その時、岳陽派の弟子を盾にして天窗が現れる。待ち伏せしていたのは統領・韓英(ハンイン)だった。「張家の遺児を渡せば弟子は返そう」韓英の合図で伏兵が現れた。驚いたことに伏兵は国の重要な武器とされる弩(ド)を構えている。弩の私蔵は禁止のはず、晋(シン)王は謀反でも起こす気なのか。すると高崇は命に変えても成嶺を守ろうと剣に手をかけた。韓英はついに合図の手を上げたが、その時、覆面の男が目にも止まらぬ速さで現れる。男の見事な″流雲九宮歩(リュウウンキュウグウホ)″を見た韓英は弩を制止、と同時に別の男が現れ、捕らわれの身となってしまう。統領を人質に取った周絮と温客行は岳陽派の門弟たちを解放させ、先に高崇たちを逃した。「どなたかは知らぬが感謝する、この恩はまた…」すると男の正体に気づいた韓英は配下たちにそのまま待機するよう命じ、覆面の男たちと森へ消えてしまう。周絮が覆面を外すと韓英がその場で拝跪した。「荘主…やはりあなた様でしたか!なぜ扮装もせずこんな所に?!傷の方は?」「何年も身を隠して来たのだ、もう十分だろう…」周絮は天窗が追っていたのが自分ではなく琉璃甲だったと気づいた。何でも首領・段鵬挙(ドワンポンジュー)が琉璃甲を手に入れようと躍起になっているという。しかし韓英にも詳しい理由は分からなかった。そこで荘主に忠誠を誓う韓英はどんな命にでも従うと申し出たが、周絮が退ける。今や天窗に残る自分の直属はわずか、周絮は生き延びることこそ自分への忠義だと言い聞かせた。すると温客行がなぜ張家の遺児を奪おうとしたのか訝しむ。実は鏡湖派には天窗の密偵もいた。報告では張家の父子3人が鬼谷(キコク)の拷問を受けるも琉璃甲を渡さず、恐らく遺児に託したという。どうやら鬼谷はまだ鏡湖派の琉璃甲を手に入れていないらしい。そこで周絮は自分と会ったことを忘れて普段通りに振る舞うよう命じた。「ただし手出しは控えろ…五湖盟は英雄大会の前に必ず成嶺に琉璃甲を渡せと迫るはずだ」一方、大街から戻った方不知は今日の稼ぎを確認していた。すると銭袋と一緒に琉璃甲があることに気づく。思わぬお宝に喜ぶ方不知、しかしなぜか別の銭袋から同じ形の琉璃甲が出て来た。「これはどういうことだ?」その時、戸を開く音がして…。日が暮れると周絮と温客行は暖を取った。「天窗のお偉いさんがなぜ越州でひなたぼっこしていたんだ?」「…俺は天窗を抜けた、老温(ラオウェン)、お前には借りができたな」温客行はそんな人物が張成嶺のためにここまでする理由を聞いた。すると周絮は船頭との約束を果たしても成嶺の身辺には危険が渦巻き、このまま見過ごせないという。「善行だと思ってくれ」「それもいい、だってお前は五湖盟と全く関係ないのだろう?」「…つまりお前は五湖盟に何か恨みがあるのか? そう言えば鏡湖山荘が襲われた時、お前が島にいたのは偶然か?」「偶然ではないさ…だってお前を追いかけて来たんだから♪」温客行はいつものようにはぐらかした。「お前を友人と思って聞いたんだが…」「生死を共にしたのにただの友人か?…私がお前をどう思っていると?」「知るか、下山するぞ」周絮は答えを聞かずに歩き出してしまう。その背中を見ながら、温客行は自分にとって周絮は知己だとつぶやいた。翌朝、曹蔚寧の告発で岳陽派・高山(ガオシャン)が方不知の居場所を突き止めた。しかしすでに方不知は毒殺され、机には盗品がそのまま残っている。一方、周絮と温客行は岳陽城へ戻った。すると錦筵(キンエン)坊の前で西域(サイイキ)の雑技が見られると呼び込みをしている。「切り刻まれても生き返る方術?阿絮、見てみたくないか?」温客行は自分の銭もないのに周絮を強引に引っ張って会場へ入った。異国情緒あふれる会場で西域の奇術が始まった。まず空の箱に美女が入って戸を閉め、2人の男がそれぞれ箱に剣を突き刺して行く。男たちは確かに剣が貫通していることを観客に見せると、今度は刺した剣を全て抜き出した。美女が無事に出てくるのか固唾をのんで見守る観客、その時、天井から垂れ幕が落ちてくる。…青崖(セイガイ)の鬼と泣く者は誰ぞ?……武林の至尊に誰がなるべし?…箱から飛び出して来たのは美女ではなく、何と10個の生首だった。{{{間もなく五湖盟の英雄大会、これは鬼谷からの祝いの品だ、ぶはは~!}}}悪鬼の声に観客は恐れをなして逃げ惑い、大騒ぎなった。そこへ高山が弟子たちを連れて駆けつける。岳陽派は箱の横に呆然と立っている奇術の男2人を捕縛、岳陽派が必ず真相を突き止めると民を安心させた。周絮は鬼谷が厳戒態勢の岳陽城でこれほど大胆に動いたことに驚いた。すると温客行は高崇の面目丸潰れだと揶揄し、岳陽派をたたくためなら労苦も辞さないという。「だがまだこれからだ…どうだ、この機に趙敬(ジャオジン)掌門に挨拶に行かないか?」岳陽派では生首事件で動揺が走っていた。まさかその中に岳陽派の魏(ウェイ)師弟、断剣(ダンケン)山荘の若荘主・穆雲歌(ムーユンゴー)の首があるとは…。五湖盟の怒りは頂点に達し、鬼谷に血で償わせると怒号を響かせた。すると張成嶺を送り届けた周絮と温客行が到着したと知らせが来る。2人の行方を探していた趙敬と沈慎は慌てて駆けつけ、後からやって来た高崇に紹介した。しかし高崇を前にした途端、温客行の様子がおかしい。( ತ _ತ).oO(高崇と因縁でもあるのか?周絮は感情を表に出した温客行の姿を初めて見た。高崇は自分に突っかかって来る公子に困惑し、名を聞いた。「私の名は ウ ェ ン コ ー シ ン です」しかし高崇は温客行という名に聞き覚えがない。そこで趙敬が門派を尋ねてみたが、温客行は父に教わった自己流の武芸で門派はないと答えた。「ぁ…これほど優れた英雄を育てた父君はどこの達人ですか?」「父は一介の平民で達人とは言えません、ましてや聡明だったとも言い難い 世を去り数年を経た今、高貴な方たちの記憶になど残りましょうか?」温客行の言葉にはいちいち棘があったが、その時、また弟子が息急き切って駆けつけた。「師父!大変です!また死人が出ました!」つづく(  ̄꒳ ̄)温客行の″阿絮″呼びは″絮ちゃん″とかなり馴れ馴れしいのに対し、阿絮の″老温″呼びはようやく″温さん″って感じ?どうやら老温は父絡みで高崇にかなり恨みがありそう〜
2022.06.26
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第7話「江湖の雑魚」喜喪鬼(キソウキ)・羅浮夢(ルオフーモン)の屋敷に次々と悪鬼が集まってきた。儀式に付き合わされるのは開心鬼(カイシンキ)、無常鬼(ムジョウキ)、食屍鬼(ショクシキ)、急色鬼(キュウショクキ)。すると喜喪鬼が現れ、婚礼の儀の開始を告げる。新郎は断剣(ダンケン)山荘の若荘主・穆雲歌(ムーユンゴー)、新婦は艶鬼(エンキ)・柳千巧(リウチエンチャオ)が運んできた霊位だった。その霊位には″峨眉(ガビ)派 莫燕婉(モーイエンワン)″と刻まれている。喜喪鬼は天下の浮気男を殺し尽くすことから薄情簿主と呼ばれ、穆雲歌は自分の子を身ごもった莫燕婉を殺していた。薄情簿主が開く婚儀には決まって浮気男の親しい友人10人が招待された。婚儀が終わると捕らわれていた友人たちは囲いの中に放たれ、勝ち残った者1人だけがここから出られるという。友人の中には岳陽(ガクヨウ)派の大弟子・鄧寛(ドンクワン)の姿があった。鄧寛は武林の兄弟たちに悪鬼たちと戦おうと訴えたが、命が惜しい兄弟たちはあっけなく殺し合いを始めてしまう。果たして勝ち残るのは誰なのか。旅の途中、偶然にも周絮(ジョウシュー)が入った酒楼に趙敬(ジャンジン)たちがやって来た。張成嶺(ジャンチョンリン)は師匠に似ている男に目を留めたが、素顔の周絮が師匠だと気づくはずもない。上階の個室に入った3人、すると沈慎(チンシン)は成嶺が席を外した途端、役立たずな子供だと悪態をついた。趙敬は子供の成嶺が自分たちを欺くはずがないとなだめたが、あの凄惨な現場を見た沈慎は気が早る。張家の息子たちの亡骸には拷問された形跡があり、四兄にいたっては自ら頭頂を砕いていた。鬼谷(キコク)は琉璃甲(ルリコウ)を探し出せず、自白を迫ったのだろう。「何に憑かれたのか、あいつは心を開かぬ!」その話を偶然、成嶺が聞いていた。優雅に旅を続ける趙敬を尻目に天窗(テンソウ)の統領・韓英(ハンイン)は岳陽派に到着していた。韓英は琉璃甲の情報を渡すよう迫ったが、五湖盟主・高崇(ガオチョン)はあくまで江湖の伝説に過ぎないとはぐらかす。憤慨した韓英は報復を匂わせるも、高崇は脅しに屈しなかった。「天窗がどんなに北西で幅を利かせようと、ここ南の岳陽城に君臨するのは皇帝だ!」韓英は仕方なく帰って行った。それにしても晋(シン)王はどうやって琉璃甲の件を知り得たのだろうか。高崇は万全を期するため、自ら張成嶺を迎えに行った。無事に岳陽派に到着した趙敬たち、すると掌門の一人娘・高小怜(ガオシャオリエン)が挨拶にやって来る。高崇は娘に成嶺を任せて弟子たちを下げると、趙敬と沈慎に琉璃甲の秘密が漏れていると教えた。その頃、周絮は趙敬一行が無事に岳陽派へ入ったのを見届け、安堵していた。正門を見る限り厳重に守りを固めている様子、周絮は成嶺が何とかこの災難を乗り越えて幸せになって欲しいと祈る。しかしその時、正門に出てきた弟子が何やら指で合図を送るのを見た。周絮は驚いて付近を見回すと、正門前で包子を売る露店主が同じように指を動かしている。( ತ _ತ).oO(いつから岳陽派に天窗の密偵が…何をする気だ?周絮は店じまいした店主を裏道で待ち伏せした。「晴れに傘を差し、雨に扇を開く…」「…だんな、あっしは傘も扇も売ってませんぜ」( ತ _ತ) .oO(ん?天窗ではないのか?すると店主がいきなり周絮に襲いかかってきた。あざやかな身のこなしで店主を倒した周絮、そこへ温客行(ウェンコーシン)が現れる。(゚∀゚ノノ゙パチパチパチパチ<お見事だね~しかしその隙に店主は奥歯に仕込んであった毒を噛んで死んでしまう。温客行は死んだ店主の曲刀を見て毒蝎(ドクサソリ)だと分かった。北の天窗と南の毒蝎、どうやら二大暗殺組織が琉璃甲をめぐる争いに参入したらしい。すると周絮は温客行の腰飾りが琉璃甲だと気づいた。「面倒ごとを自ら引き寄せるつもりか?」「まさか、品行方正で温和な私が誰の恨みを買うと?…だがお前は違うようだ、ふふ」大街に戻った周絮は咄嗟に玉を売る露店で足を止めた。…あれは九爪霊狐(キュウソウレイコ)・方不知(ファンブージー)…その時、わざと人目を引くように温客行は大きな声で腰飾りを選んでくれという。呆れた周絮は黙って先を急ぐと、温客行は店主の女に声をかけた。「首尾は?」「誰にも見つかっていません」「よし、舞台は整った、天窗と毒蝎と五湖盟、″江湖の雑魚″どもの競演だ…ふっ」すると書生が客を装って現れ、温客行と肩がぶつかった拍子に琉璃甲を奪って消えてしまう。同じ頃、顧湘(グーシアン)は酒楼で独り頭を悩ませていた。…岳陽派に潜入しろだなんて、主人はあんまりだわ…皇宮より守りが堅い岳陽派、主人が到着したら何と弁解すればいいのだろう。その時、ちょうど音楽が終わり、流しの楽師が聴きたい曲がないかと募った。すると酔った男たちが楽師の娘に目をつけ、酌をさせようとする。そこで顧湘は自分が代わりに相手をすると持ちかけ、娘を逃して男たちを引っ叩いた。憤慨した男たちは顧湘に襲い掛かったが、手練れの顧湘にこてんぱんにやられてしまう。「もう帰るの?!いつでも歌うわよ~!」「ここは五湖盟の縄張りだぞ!覚えてやがれ~!」そんな豪快な顧湘に見とれる公子がいた。「何見てんのよ!」「いや、君に是非、ご馳走したくて!」清風(セイフウ)剣派・曹蔚寧(ツァオウェイニン)は料理を勧め、何も取り柄がないが、食通だと言った。しかし早速、報告を受けた岳陽派・祝邀之(ジューヤオジー)が駆けつける。「なぜ狼藉を働いたのか説明を…」「ちょっと!それより流しの娘を辱めた理由を説明するのが先でしょう?」曹蔚寧は確かに顧湘が娘を助けたと証言、驚いた祝邀之は六子(リウズー)を叱責し、門弟ではないが必ず報いを与えると約束して引き上げた。周絮と温客行は鳳陽(ホウヨウ)酒楼に入った。ここは江湖の者が集まる酒楼、どんな情報も手に入る。席についた周絮は早速、杯に箸を渡し、その上に突き出しの木の実をひとつ置いた。すると給仕が注文を受けにくる。「新茶はあるか?…生米と炒めた茶をくれ」「城内にはありません、城外に届いたそうですが、役人専用だとか…」給仕は周絮から大きな銀子をもらい、嬉しそうに戻った。「感謝します!少々お待ちを!」すると温客行が不思議そうに尋ねる。「阿絮、今のやりとりは何かの暗号か?」「江湖の合言葉を知らぬのか?」「まっまさか~お前を試したんだ」その時、2階から聞き覚えのある声が聞こえて来た。顧湘はなぜ祝邀之が曹蔚寧に丁重に応対したのか分からなかった。実は曹蔚寧の師匠と盟主は気心の知れた仲で、岳陽派の弟子とは顔見知りだという。そこに温客行が不機嫌そうにやって来た。顧湘は自分の主人だと紹介したが、曹蔚寧は予想外だったのか目を丸くする。「何よ?侍女を軽蔑するの?」「まさか!てっきり君は武林の達人の弟子か、名家の令嬢かと思ったが…それは良かった」すると温客行は阿湘に馴れ馴れしい男を早々に追い払ってしまう。顧湘は主人が独りでいることに驚いた。「あれ?…あの病鬼はどこです?」「気になるのか?まさか婿にしたいと?」「イヤイヤイヤ~知ってます?あの男、人知れず鬼より怖い目つきをするんですから~」「ではなぜ気にかける?」「…あの男がいると、主人が人間らしくなります」思いがけない阿湘の言葉に息をのむ温客行、その時、階下から給仕の怒号が聞こえた。「高貴な身なりなのに食い逃げか?!」曹蔚寧はいつの間にか銭袋を失くしていた。顧湘は自分が払うと申し出たが、温客行は女子に払わせるわけにいかないという。(  ̄꒳ ̄)_<阿絮、銭袋を貸してくれ( ・`ω・´)<自分のがあるだろう?しかし温客行は露店である書生にぶつかられ、その際に盗まれたと話した。曹蔚寧はふと自分も書生とぶつかったことを思い出し、あの時に盗まれたと気づく。( ゚д゚)<青い衣を着たつり目の肌の白い書生じゃありませんでしたか?周絮は方不知だと教えたが、銭を貸すのは嫌だと拒否した。「主人?その男は誰ですか?私が払いますから~」顧湘は男を確認しようと周絮の席までやって来た。「にっ!にっ…まさか…信じられないわ!本当にあの病鬼なの!」驚いた顧湘は思わず周絮の美しい顔を触ったが、周絮は怒らなかった。「阿絮、私が触れると殺気立つくせに、なぜ抵抗しない?」「…それはな?お前が魅力的な娘ではないからだ」周絮は騒ぎを収めるため仕方なく銭袋を温客行に渡した。「利息もつくからな、1日1厘(リン)だ」温客行は小金持ちの周絮から銭を借り、給仕に大きな銀子を渡した。「釣りはいらぬから、特上の宴席を用意してくれ」つづく( ̄▽ ̄;)名前が…全く覚えられないのでカナ読みしてます
2022.06.25
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第6話「酔生夢死」幻覚に惑わされた温客行(ウェンコーシン)を追って前庭へ戻った周絮(ジョウシュー)。すると棺に隠れていた長舌鬼(チョウゼツキ)が飛び出した。2人を見た長舌鬼はいささか驚いたが、ともかく邪魔者は始末しなくてはならない。「お前たち!さっさと殺ってしまえ!」長舌鬼が鈴を鳴らすと続々と化け物が現れ、周絮と温客行はあっという間に囲まれた。するとついに周絮が剣を抜いて応戦、なかなか正気に戻らない温客行の背中を少し刺してしまう。( ๑≧ꇴ≦)<痛っ!倒しても倒しても増え続ける化け物たち、しかし温客行は相変わらず何もせず静観していた。やがて周絮は化け物の毒に当たり、地面に倒されてしまう。…まさかこんな無様な最期の迎えることになるとは…その時、温客行が扇子をひと振りして化け物を吹き飛ばし、長舌鬼にとどめの一撃を放った。温客行は阿絮を抱えて趙(ジャオ)氏義荘から脱出した。川辺まで辿り着いた2人、すると周絮は目が覚めたことを隠していた温客行に怒りをあらわにする。「そう怒るなって…惑わされたのは本当だ」「このクソッタレめ!」周絮は悪態をつく自分に思わず失笑し、解毒薬を飲んだ。「薬人(ヤクジン)の身体は毒まみれだ、念のためお前も飲んでおけ」「あの化け物、薬人って言うのか?」「俺も書物で読んだだけだ、鍼を打って人の意識や五感を操り、毒薬で皮膚や骨を硬くする 生身の人間を怪力の化け物に作り変え、意のままに操るとか…匕首はあるか?」周絮は自ら腕の傷を切り裂き、毒を吸い出した。すると温客行がいきなり周絮を点穴して動きを封じ、背中の傷を処置してやる。「よし、これでいいぞ…ふふ 阿絮、お前の扮装の腕も今ひとつだな、顔と首までは変えたが身体にまで気が回らなかったか」周絮は動揺を隠せず、慌てて衣服を整えた。「阿絮、一体、何から逃げているんだ?…だが私からは逃げられんぞ まぁ私と共にいればもう扮装の必要はない、無敵だからな~」温客行は素顔を見せて欲しいと頼んだが、周絮はそれがどんなに危険なことが分かっていた。「俺の素顔を知る者はほぼ死に絶えた…」「問題ない、私は怖がりだが死だけは怖くない」温客行は何としてでも周絮の素顔が見たくなり、しつこく追いかけ回した。2人の攻防は続いたが、やがて周絮は温客行の術中にはまり川へ落下してしまう。これで扮装も剥がれる、そう思った温客行は楽しみに待っていたが、周絮は一向に上がって来る気配がなかった。流石に不安がよぎり川に飛び込む温客行、すると水中でふいに誰かが肩を叩く。温客行は驚いて振り返ると、素顔に戻った周絮がいた。周絮と温客行は岸に上がり、衣を乾かしながら暖を取った。すると温客行が趙氏義荘で手にれた纏魂糸匣(テンコンシコウ)を見せる。纏魂糸匣は言わずと知れた吊死鬼(チョウシキ)の暗器、しかし周絮はあの悪鬼が別人だと気づいていた。「奴は若すぎる、吊死鬼とは親子ほども年が違う…本物はどこにいるんだ? …だいたいなぜニセの吊死鬼を殺した?奴に聞けば謎が解けたのに…」「好奇心が先走ると判断を誤るぞ?」とは言え初めて見る纏魂糸匣に興味津々の周絮、そこで温客行は独りで食料を捕りに行くことにした。…周子舒(ジョウズーシュー)、あいつはやはり周子絮だったか…その頃、趙氏義荘では見事な琵琶の音が流れていた。前庭ではその魔音に操られ、薬人たちが大人しく整列している。すると鬼谷十大悪鬼・無常鬼(ムジョウキ)が祠堂へやって来た。魔音を奏でていたのは毒蝎(ドクサソリ)の首領・蝎王。無常鬼は蝎王から薬人を操る技を伝授してもらった長舌鬼を羨んだが、実は長舌鬼が何者かに殺され、纏魂糸匣まで不明だと知る。焦った無常鬼は確かに琉璃甲を奪って長舌鬼に託し、今まで傲崍子(アオライズー)たちの死体の始末で三白(サンパク)山荘にいたと釈明した。「蝎王、あなたが朝一番で受け取っていたらこんなことには…」「…私が遅かったせいなのか?」「まさか、恐れ多い…」「ばーら(罢了)」実は蝎王もまさかこれほどの障害が突破されるとは予想外だった。(  ̄꒳ ̄)<盛り上がってまいりました~🦂ボロロン~♪一方、周絮は纏魂糸匣を開けることに成功、驚いたことに中から琉璃甲が出てきた。そこへウサギを捕った温客行が帰って来る。周絮はためらいもなくウサギと琉璃甲を交換、ウサギの方が腹が膨れると笑った。「そんな不吉な物は要らぬ」「不吉なものを俺に押し付けるのか?ふふ」「いらないなら捨てればいいさ」しかし温客行は阿絮からもらった初めての贈り物を大切にすると言った。果たしてこの琉璃甲は趙敬(ジャオジン)のものなのか、張成嶺(ジャンチョンリン)のものなのか、はたまた丹陽派のものなのか。翌朝、張成嶺はまた朝食が喉を通らず、目も真っ赤で泣き腫らしたようだった。すると趙敬と沈慎(シェンシェン)が現れ、岳陽派に出かける前に鏡湖山荘で何があったのか、成嶺を送ってきた2人は何者か教えるよう迫る。成嶺は趙敬と沈慎を警戒、あの日は極度の緊張で熱にうなされ、目が覚めるとすでにあの二人がいたと嘘をついた。「成嶺や、この敵は必ず討つ、私と沈慎は父君の義兄弟だ 過去に誤解もあったが、絆は断っていない…お前は我が子同然だ」「二兄?急がねば!琉璃甲は5個のうち3個が奪われた、二兄と陸太冲(ルータイチョン)のは鬼谷が奪った 早く確かめなければならぬのに…チッ!コイツときたら…」しかし趙敬はまだ幼い成嶺をかばい、あとは岳陽(ガクヨウ)の盟主に任せると言った。周絮と温客行は再び趙氏義荘を調べることにした。しかしまだ数刻しか経っていないというのに、昨夜の痕跡が嘘のように消えている。周絮は急いで森へ戻ったが、すでに宋懐仁(ソンホワイレン)や于天傑(ユーティエンジエ)の亡骸も消えていた。すると温客行はあの香が何かと尋ね、自分も解毒薬が欲しいという。「酔生夢死(スイセイムシ)だ」…なぜ酔生夢死が湖州にある?まさか天窗(テンソウ)と鬼谷が通じていると?…周絮は傷がついた竹を見ながら首を傾げた。「阿絮、無視するなよ~好きなものと交換してもいいぞ?」「あの香の幻覚の中では心から渇望するものを見る…ある人の名を呼んでいたな?何を見た?」…この男は謎だらけだが、四季山荘も熟知している、我が一門と何の因縁が?…温客行はいつもの調子ではぐらかしたが、急に真面目な顔になった。「お前に嘘はつきたくない…」そこで周絮はあえて酔生夢死のことを教えた。「酔生夢死は忘憂(ホウユウ)草を主原料とする秘薬だ ほんのわずかでも人は7日ほど昏睡に陥る、しかも良い夢をみながら… 義荘で使われた香もほぼ同じ成分だろう だが俺が作った物より効果が激しく、幻覚を起こしたんだ 製法は昔から伝わるが、香に改良したのは俺だ、薬性を抑え、眠りを助けるためにな だが中原(チュウゲン)に忘憂草はなく、入手経路が分からない」「良い名だな~長い夢から覚めぬのも良いかもな~」(¬_¬)))<じゃあ一生、見てろ(੭*ˊ꒳ˋ)ノ<阿絮~!三白山荘に天窗の統領・韓英(ハンイン)が訪ねてきた。しかし趙敬は沈慎たちとすでに岳陽へ出発、五湖盟は7月の英雄大会で鬼谷の討伐を協議するという。「張家の遺児も一緒か?」その様子を遠目から周絮と温客行が見ていた。どうやら天窗も琉璃甲を狙い始めたらしい。「英雄大会か…にぎやかで楽しそうだな、見物に行こう!」温客行は阿絮が岳陽へ行くつもりだと分かっていた。五湖盟は何としてでも成嶺をつなぎ留めたいはず、か弱いヒナには止まり木もなく、周りは狐より狡猾な犬だらけ、阿絮はさぞや気が気でないだろう。周絮は趙敬たち一行の後をつけながら、張成嶺を見守っていた。それにしても趙敬は旅も贅沢、旅の道連れとなった華山(カザン)派の掌門・于丘烽(ユーチウフォン)と断剣(ダンケン)山荘の荘主・穆思遠(ムースーユエン)は息子の一大事も知らず楽しんでいる。一方、温客行は街の装飾店で琉璃甲の偽物を30個作るよう頼み、顧湘(グーシアン)が待つ屋敷へ戻った。すると顧湘は急色鬼(キュウショクキ)から救った妓女の姉妹・紅露(ホンルー)、雲栽(ユンザイ)と遊んでいる。「お前は谷を出た途端、羽目を外して遊んでばかりだ」「主人、2人は孤児で帰る家がないんです、ここに置いてあげてもいいでしょう?!」そこで温客行は2人を自分ではなく顧湘の侍女ならと認めたが、ただしその結果も自分で引き受けるよう釘を刺した。温客行は姉妹を下げてから偽物の琉璃甲を見せた。実は顧湘に2つ仕事を頼みたいという。「1つ目はなるべく早くやれ、2つ目は腰を据えてやらねばならん」つづく‹‹\(´ω` )/››‹‹\( ´)/››‹‹\( ´ω`)/›› 蝎王来たわ~!
2022.06.24
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第5話「梟の笑い」丹陽(タンヨウ)派の琉璃甲(ルリコウ)を狙って緑柳(リューリゥ)、桃紅(タオホン)夫婦と大孤山(ダイコザン)派の掌門・沈慎(シェンシェン)の手合わせが始まった。泰山(タイザン)派の掌門・傲崍子(アオライズー)はその隙にじりじりと後退したが、緑柳たちが早々に退散し、逃げるきっかけを失ってしまう。彡ピューッ!<彩雲は散り、琉璃は砕けた~わははは~沈慎!今に見ておれ~!沈慎は桃紅が去り際に放った暗器で手を切ったが、かすり傷だった。すると今度は丹陽派の弟子2人を巡って沈慎と傲崍子が一触即発となってしまう。しかしちょうどに太湖(タイコ)派に助けを求めに行った清華(チンホア)が掌門たちを連れて戻って来た。趙敬(ジャオジン)はこの機会に泰山派を三白(サンパク)山荘に招いた。しかし傲崍子から丁重に断られてしまう。江湖での人望が厚い傲掌門、趙敬は客人たちの前でもめるのは不都合と考え、沈慎をなだめて穏便に見送った。その夜、趙敬は鏡湖(キョウコ)派の遺児・張成嶺(ジャンチョンリン)のため璟瑞殿で盛大な歓迎の宴を開いた。成嶺を無事に送り届けた周絮(ジョウシュー)と温客行(ウェンコーシン)は上座で歓待されたが、周絮はあまりの豪華さに目を見張る。…天窗(テンソウ)の資料によれば趙敬は前任の浙西(セッセイ)観察使に婿入りし、富を得たとか…ここまで太っ腹だとはな、孟嘗君(モウショウクン)と称されるだけある一方、難局を乗り切った泰山派はふもとの町にいた。しかしすでに内息が枯渇している傲崍子が激しく咳き込み、ひとまず軒先で休むことにする。そこへ断剣(ダンケン)山荘の若荘主・穆雲歌(ムーユンゴー)が助けを求めて走って来た。「誰か~!鬼女に追われているんだ!殺される!」すると女の笑い声と共に空から冥銭が降って来る。「…離恨(リコン)天にある薄情簿には移り気なお前の名が記されているわ 穆雲歌、お前の命は今日までよ?こちらへ!」女は正体も現さず、穆雲歌の首に布を巻きつけ、あっさり連れ去った。薄情簿と言えば薄情簿主の喜喪鬼(キソウシ)・羅浮夢(ルオフーモン)。驚いた傲崍子は弟子たちに逃げるよう命じ、独りで助けに向かった。(」゚ロ゚)」<師父ーっ?! ピューッ!ε=ε=ε=ε=┌( °◊° )┘張成嶺はまだ幼く、酒が飲めないこともあって早々に部屋で休むことにした。一方、沈慎はすっかり泥酔し、見兼ねた趙敬は岳陽(ガクヨウ)派・宋懐仁(ソンホワイレン)に寝所へ送って欲しいと頼む。沈慎は寝床に入るとそのまま眠り込んだが、宋懐仁が部屋を出ると途端に目を開けた。その頃、周絮は回廊に出て独り酒を飲んでいた。すると偶然、華山(カザン)派の掌門・于丘烽(ユーチウフォン)の息子・于天傑(ユーティエンジエ)が趙敬の寝殿に潜入するのを目撃する。…五湖盟は腹を探り合い暗闘している、何をするつもりだ?…酒の肴に成り行きを見守る周絮、しかし外に出て来たのは覆面をした黒装束の男だった。于天傑は慌てて曲者を追いかけ、2人はそのまま山荘を出て行ってしまう。宴もたけなわ、客たちもすっかり酔いが回った頃、突然、鬼の声が響き渡った。{{{やましいことがなければ鬼は訪れぬ、五湖盟は多くの悪事を働いた、鬼の訪れだぞ!}}}すると山荘正門に吊るされた傲崍子と弟子2人の無惨な遺体が発見された。騒ぎに気づいた周絮はすぐ正門へ駆けつけた。師兄の死に慟哭する于丘烽、3人の遺体には鬼谷十大悪鬼・開心鬼(カイシンキ)の印が残され、やはり冥銭が舞っている。すると周絮は何かを思い出し、急いで走って行った。趙敬も山荘の中に張成嶺を残して来たことを思い出し、罠だと気づく。「しまった!」しかし怡月(イゲツ)軒で襲われた成嶺を助けたのは温客行だった。温客行の話では鬼面をつけた男が成嶺をさらおうとしたが、攻撃したところ逃げてしまったという。一方、喜喪鬼に連れ去られた穆雲歌は度秋聲(タクシュウセイ)の寝台で目を覚ました。すると自分の子を身ごもり始末したはずの莫燕婉(モーイエンワン)が現れ、恐怖のあまり失神してしまう。燕婉に化けていたのは鬼谷十大悪鬼の艶鬼(エンキ)こと柳千巧(リウチエンチャオ)、柳千巧の扮装は神業だった。「これに懲りて2度と浮気心など起こさないはずです」侍女たちは泡を吹いて倒れた穆雲歌を見て大笑いした。周絮は張成嶺が眠ったのを確認し、黙って出て行くことにした。しかしふいに成嶺が目を覚ます。「師父…」「2度と師父と呼ぶな、約束通りお前を三白山荘へ送り届けた、俺たちの縁はここまでだ」成嶺は急に心細くなり、鼻をすすった。「男だろ?今後はもう泣くな」「泣きません!血を流しても涙は流さない…」必死に涙をこらえる成嶺、すると周絮はいたたまれなくなって出て行ってしまう。中庭へ出た周絮はふと師弟のことを思い出した。『いいか?男なら泣いちゃダメだ…』『分かった…師兄が泣かないなら僕も頑張る』成嶺の姿に亡き秦九霄(チンジウシャオ)の姿が重なり、周絮はこのまま成嶺を放っておけなくなった。そこで琉璃甲について調べようと趙敬の寝殿へ向かう。音もなく屋根に上り瓦を1枚だけ外す周絮、すると殿内では趙敬と沈慎が何やら揉めていた。山荘での騒ぎに乗じ、琉璃甲があっけなく盗まれていた。趙敬の話では密室の扉は天機鎖(テンキサ)で封じおり、外部の者が開けることは不可能だという。「恐らく内通者がいる、だから時機を見計らえたのだ」(´◔_◔)ん?.oO(于天傑が追ったのが盗人か?一体、誰だ?すると沈慎は苛立ちを隠せず、脇が甘過ぎると叱責した。「丹陽派が途絶え、鏡湖派が滅び、泰山派の掌門が死んだ… これで鬼谷が5つの琉璃甲のうち3つを得たのだぞ?!」(´⊙_⊙)ぉ.oO(琉璃甲は5個か?義兄弟たちが分けて持っていたとは趙敬は自分の情けなさを嘆きながらも、本当は何もいらなかったと訴えた。「ただ張家の皆が息災で、義兄弟と容(ロン)大哥が無事なら満足だった こんなことになるなら武庫など建てなかったのに… 五弟、お前の琉璃甲を出してくれ、壊してしまおう!1個でも壊せば武庫は2度と開けられぬ 太平の世が来るのだ」「何を血迷っているんだ、二兄!武庫のために大勢の仲間が死んでいった 琉璃甲を壊せば皆は無駄死にとなるぞ?!」( ー̀ωー́ )_■ソーッ!@瓦<何者だっ!その時、一足先に逃げて行く温客行の姿を見つけた。( ゚ロ゚)!!.oO(え?!俺でもいたの気付かなかったわ~趙敬と沈慎は慌てて外へ飛び出したが、周絮が投げた煙玉で曲者を見失ってしまう。温客行は周絮が追って来ることに気づき、深い森へ舞い降りた。「2人を阻んでくれて感謝するよ、阿絮…普段は冷たいのに守ってくれるとはな~ふふ」温客行は成嶺が五湖盟の餌食にされないよう周絮が琉璃甲の来歴について調べていたと分かっていた。思いがけず本音を見抜かれ気まずそうな周絮、するとふいに血が滴り落ちて来る。血が嫌いな周絮は不機嫌そうな顔で見上げると、大木の枝に仕掛けられた纏魂糸(テンコンシ)に絡まって死んでいる于天傑がいた。↓こんなに泥棒ヒゲだった?w周絮の予想通り、その先には覆面の曲者が倒れていた。早速、覆面を外してみると、沈慎を寝所へ送って行った宋懐仁だと分かる。「回し者というのは高崇(ガオチョン)が送り込んだ弟子だったか…」大方、于天傑の剣法・太岳三青峰(タイガクサンセイホウ)で殺されたと考えるのが妥当だろう。すると温客行は否定した。「違うな、致命傷はこの傷だ…でもどんな武器で攻撃されたのだろう?」温客行が扇子で指し示した傷は鉄鉤(テツカギ)に見えたが、周絮にも何の武器かは分からない。その時、どこからともなく梟(フクロウ)の鳴き声が聞こえた。「阿絮、知っているか?俗説では梟が笑うと死人がでるとか… ある子供が聞いた時には十数人の村人が亡くなったらしいぞ?」しかし阿絮は一笑に伏した。周絮と温客行はその先にある趙氏義荘にたどり着いた。早速、門に纏魂糸が仕掛けられていたが、2人は危ないところで身をかわす。前庭には所狭しと並ぶ棺、2人はその間を通り抜けて祠堂に入った。しかし誰もいないはずの祠堂はこうこうとろうそくが灯り、火をつけたばかりの線香が手向けられている。2人は手分けして付近を探ることにしたが、すでに罠に掛かっていた。温客行は廟で棺に手を合わせる参拝者を見つけた。そこで扇子で肩を叩いてみると、若き頃の父・温如玉(オンルーユー)が振り返る。「爹(ディエ)?!」温客行が驚愕している頃、周絮は中庭で雪だるまを作っている師匠・秦懐章(チンホワンジャン)と師弟・秦九霄の姿を見つけた。当時を思い出し恍惚とする周絮、しかしふとおかしいことに気づき、剣に手をかける。周絮は咄嗟に自分の手を切り、血をつけた剣で師匠を刺した。すると急に現実に引き戻され、師匠だと思っていたのが薬人(ヤクジン)だと分かる。そこへ様子がおかしい温客行がやって来た。「老温(ラオウェン)よ、目を覚ませ!幻覚だ!」周絮は酔生夢死(スイセイムシ)の香のせいで幻覚を見たと気づいた。周絮は温客行の目を覚まさせようと薬を飲ませた。「これ甘いのか?…グビッ…ゥッ…周子舒(ジョウズーシュー)!だましたな?!娘(ニャン)に言う!」怒った温客行は中庭へ向かったが、周絮は呆然となった。…今、私を何と?なぜ私の名を知っている?…つづく(  ̄꒳ ̄)″老温″呼びってこれが初めてだよね?合ってるのか?w
2022.06.23
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第4話「紅塵の因果」翌朝、周絮(ジョウシュー)と張成嶺(ジャンチョンリン)が天涯客桟を出ると、すでに外で温客行(ウェンコーシン)が待っていた。「阿絮よ、私たちは生死を共にした上、同じ屋根の下で夜を明かした仲だろう?」温客行は2人のために馬を用意したと教えたが、そこへ急に物乞いたちが集まって来る。丐幇(カイホウ)だ。「張成嶺公子では?…私は大智(ダイチ)分舵の副舵主です 黄鶴(ホアンホー)長老と五湖盟の依頼を受け、鏡湖(キョウコ)派の遺児・張成嶺公子を探していました」気がつけば周絮たちは丐幇の弟子たちに包囲されていた。副舵主・跛脚乞丐(ハキャクキツカイ)は大孤山(ダイコザン)派の掌門・沈慎(シェンシェン)から頼まれたと説明し、安心させた。しかし沈掌門と聞いた張成嶺は怯えたように周絮の後ろに隠れて腕にしがみついてしまう。「知らぬ!周叔と行く!」すると副舵主の笑顔が急に消え、仲間たちに陣を組むよう命じた。周絮は仕方なく成嶺を温客行に任せ、独りで丐幇に対峙する。成嶺は温客行に助太刀を頼むが、温客行は失笑した。「バカな、手出ししては阿絮に失礼だ…ほら、クルミをお食べ」周絮は見事な武功で丐幇たちを翻弄した。しかし身体が言うことを聞かなくなり、やがて膝を突き、激しく喀血してしまう。「周叔!」驚いた成嶺が駆け寄ると、温客行が咄嗟に加勢、その隙に周絮は成嶺を抱えて逃げ出した。すると温客行は副舵主を睨みつけ、首をつかんで息の根を止めてしまう。弟子たちはその殺気と功力に驚き、思わず足が止まった。「死にたいか?…嫌なら失せろ!」顧湘(グーシアン)が戻ると、客桟の前は遺体の山だった。すると温客行が井戸で手を洗っている。「主人!白昼堂々と何てことを…」「選択肢は与えたさ、死にたがるから気を利かせてあの世へ送ってやった」ある夜、鬼谷十大悪鬼の1人で軽功の達人・急色鬼(キュウショクキ)は姉妹の妓女を身請けした。しかし突然、顧湘が部屋に乗り込んで来る。「主人の命令よ、皆を連れて三白山荘へ行きなさい、急いで!」顧湘は急色鬼の尻を叩くと、売り飛ばされた哀れな姉妹を引き取ることにした。旅を続ける周絮と成嶺、その夜は河原で暖を取った。すると船を止めて温客行と顧湘が駆けつけ、また勝手に仲間に加わる。「伝説によれば魔匠・容長青(ロンジャンチン)は3つの剣を作った ″大荒(ダイコウ)″に″龍背(リュウハイ)″そして″白衣(ハクイ)″だ… 四季山荘の末代荘主・秦懐章(チンホワンジャン)は白衣を携え、江湖を渡り歩いたが 四季山荘が消失したのち、白衣は行方知れずになった 阿絮、お前の剣は白衣によく似ているな」温客行は周絮と丐幇を戦わせて確認するつもりだったが、残念ながら周絮は剣を抜かなかった。恐らく誰にも行方を知られたくないからだろう。温客行はまさに煮ても焼いても食えない男だった。周絮は無駄口を叩くなと一蹴したが、温客行はますます興味を募らせて行く。その時、焚き火の炎が一瞬、揺れた。どこからともなく琵琶の音が聞こえて来た。魔音に操られた成嶺は急に走り出したが、温客行がすぐ捕まえる。すると周絮が咄嗟に温客行が持っていた簫を吹き始めて反撃、魔音を反発させて敵を撃退した。「今のは四大刺客の1人・魅曲秦松(ミキョクシンショウ)だ…あんな妖魔を遣わすとは敵も手強いな」「すまぬ、簫を汚した、新品を買って返す」「気にするな…ただ阿絮は音感がなさすぎる、ふふ」張成嶺は魔音で内傷を負い、なかなか吐き気が治まらなかった。しかしもう14歳、普通なら少なくとも7年は武芸を習い、功力が備わっている。周絮はさすがに鍛錬が足りないと呆れたが、成嶺は急にひざまずき、弟子にして欲しいと懇願した。「お前は鏡湖派の後継者だ、俺が教えることはできない」「入門はしていません、大哥は武芸、二哥は勉学に秀で、私の役目は親孝行だけかと…」「ならば五湖盟の中から師匠を選べ」「嫌です!私はあなたの門下に入ります!」すると周絮はひとまず成嶺を立たせた。「基礎を固める時を逸したゆえ、最高の武芸は生涯、習得できぬだろう …まず心法を教える、呼吸を整え、内傷を自分で治せ」周絮の反撃を受けた魅曲秦松は命からがら仲間の元へ戻った。毒蝎(ドクサソリ)の四大刺客・俏羅漢(ショウラカン♀)、毒菩薩(ドクボサツ♀)、金毛蔣怪(キンモウショウカイ♂)は秦松が失敗したと知り困惑する。3人は相手がどんな手練れか興味津々だったが、主の命令通りひとまず岳陽へ戻ることにした。周絮は早速、成嶺に基本を教えた。すると温客行の船から″菩提清心(ボテイセイシン)曲″が聞こえてくる。この曲は内功の鍛錬を促進させる曲、周絮は温客行の簫の音色を聞いて感心した。…力強く清らかで何の悔いもない音色だ、邪心があれば出せぬ…まさかあの男にこんな演奏ができるとはなそこで周絮もしばし気息を養った。周絮は久しぶりにゆっくり眠り、朝を迎えた。するといつの間にかそばに温客行がいる。「一晩中、吹いていたから内息の巡りが滞ってしまったな~」実は温客行は夜通し周絮のそばで簫を吹き、周絮が丐幇との手合わせで負った内傷を直してくれた。「頼んだか?」周絮は憎まれ口を叩くと、成嶺も起きてくる。「師父!今日から武芸を教えてください!」「誰が師父だ?…昨夜、教えたのは内傷を治す心法、我が門派の武芸ではない 俺たちは三白山荘に着くまでの縁だ、武芸は他の者に習え」しかし温客行はこっそり成嶺を励ました。「お前の師父は毒舌だが心は優しい…志があれば成功するさ」成嶺は改めて弟子にして欲しいと頼み、周絮が手に入れた馬車に乗り込んだ。すると温客行がしれっと一緒に乗り込もうとする。「おい、何してる?」「徹夜で簫を吹いて下船させられた、ゥッ…丹田が痛い…気を損なったやも… 阿絮~相乗りさせてくれ~」そこで周絮は道連れにする代わりに温客行を御者にした。大孤山(ダイコザン)派の掌門・沈慎(シェンシェン)の追跡を逃れた泰山派だったが、運悪く緑柳(リューリゥ)と桃紅(タオホン)夫婦に襲われた。掌門・傲崍子(アオライズー)は弟子に太湖派へ応援を頼むよう指示、すると丹陽(タンヨウ)派の師弟2人が恩人を守るため剣を抜く。その時、運悪く沈慎まで現れた。もはや逃げ場のない泰山派、しかし思いがけず緑柳たちと沈慎で手合わせが始まる。傲崍子はその隙に弟子たちと逃げ出そうと考えたが…。その頃、丐幇を避けて馬車を飛ばした周絮たちはついに三白山荘へ到着した。掌門・趙敬(ジャオジン)と言えば名だたる大富豪、豪華な屋敷はもちろんのこと、掌門も立派な風格を備えている。無事に成嶺を送り届け役目を果たした周絮、しかし突然、泰山派・清華(チンホア)がやって来た。「掌門が襲われています!助けてください!」つづく(  ̄꒳ ̄)くるみ…くるみ…くるみ…?
2022.06.20
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第3話「貪欲」成り行きから張成嶺(ジャンチョンリン)を三白(サンパク)山荘まで送り届けることになった周絮(ジョウシュー)こと周子舒(ジョウズーシュー)。謎の富豪・温客行(ウェンコーシン)につきまとわれるが、危ないところを助けられ、荒れ寺で一緒に夜を明かすことになった。しかし温客行が四季山荘の流雲九宮歩(リュウウンキュウグウホ)を見抜き、周絮の扮装まで見破ったことから、周絮は警戒心を強める。それにしてもなぜ長年、鳴りを潜めていた鬼谷(キコク)が鏡湖(キョウコ)派を標的にしたのだろうか。張成嶺にはさっぱり見当もつかなかったが、周絮は大方、貪欲か怨恨か暗愚が原因だと言った。「長年、影を潜めて来た鬼谷に怨恨があるとは思えぬ、かと言って鏡湖派掌門は暗愚でない …残るは貪欲のみ、何かを奪うために滅ぼしたのだろう」実はここ数月、江南ではある童謡が流行っていた。♪五湖の水は天下に集う~武林の至尊に誰がなるべし~五湖盟の盟主を巡る争いは周知の事実、珍しい歌でもないが、温客行は数日前から越州で奇妙な後半の歌詞が広まっていると言った。♪彩雲は散った~琉璃(ルリ)は砕けた~青崖(セイガイ)山の鬼と泣く者は誰ぞ~鬼谷とは窮地に陥った極悪人が逃げ込む先だった。しかし″青崖山の鬼″とは鬼衆のことではなく、20年前に討伐された大魔王・容炫(ロンシュエン)を指しているという。言い伝えによると容炫は一夜にして天下無敵になれる各門派の奥義書を武庫に収めていた。この武庫を開ける鍵は″琉璃甲(ルリコウ)″と呼ばれている。すると周絮はそんな怪談に騙されるのは愚か者くらいだと鼻で笑った。「ふん、馬鹿馬鹿しい、苦労せず手練れになろうとは…それこそただの貪欲だ」「ははは~驚いたな、私も全く同じ考えだ」鏡湖派が襲撃されたと知った大孤山(ダイコサン)派の掌門・沈慎(シェンシェン)が鏡湖山荘に駆けつけた。「到着した時はすでに全滅していました…」岳陽(ガクヨウ)派の大弟子・鄧寛(ドンクワン)から報告を聞いた沈慎は呆然、必ずや義兄弟の復讐を果たすと誓う。そこへ五湖盟といわくのある緑柳(リューリゥ)と桃紅(タオホン)夫婦が現れた。「″義兄弟″とは便利な言葉だねえ~同じ日に死ぬと誓ったのに号泣するだけかい? …張玉森(ジャンユーセン)はあんたを認めていなかった 高崇(ガオチョン)盟主との関係だって義兄弟と言うより、お前はただの犬だろう?」「何だと?!」激怒した沈慎は思わず剣を抜いたが、そこへ丐幇(カイホウ)の長老・黄鶴(ホアンホー)が現れた。黄鶴はかつての恨みはひとまず脇に置き、一致団結して敵に立ち向かおうという。夜が明けると、周絮は張成嶺を連れ荒れ寺から出発した。温客行は長い道のり、自分の船で水路で行こうと誘ったが、無視されてしまう。…面白い、お前が何者か必ず突き止めてやるぞ…侍女・顧湘(グーシアン)は主人がなぜ痩せこけて今にも死にそうな周絮に執着するのか分からなかった。「お前は世間知らずだな~聞き心地の良い声に整った容姿、あれほど美しい肩甲骨は世に2つとない」何よりあの扮装はよほどの実力がないとできない芸当だ。それにあの柔らかい剣は…。すると顧湘はそもそも昨夜の刺客はなぜ鬼谷を語ったのかと首を傾げた。死んだ吊死鬼(チョウシキ)を名乗るとはバカにし過ぎている。しかし温客行は意味ありげに笑い、2人を追いかけることにした。「縁があるから会いに行くとするか…」全滅したと思われた鏡湖派だったが、三男・成嶺の亡骸だけ見つからなかった。すると中庭に仕掛けられた切れ味の鋭い糸を見た桃紅と緑柳が確かに鬼谷十大悪鬼の吊死鬼が使う纏魂糸(テンコンシ)だと証言する。沈慎は鬼谷の仕業だと確信し、全滅させると意気込んだ。しかしまた桃紅が失笑する。「まだ状況を分かっていないようだね?滅ぼされるのはあんたら五湖盟だよ ♪五湖の水は天下に集う~武林の至尊に誰がなるべし~」「♪彩雲は散った、琉璃は砕けた、青崖山の鬼と泣く者は誰ぞ~ これは戯言ではないぞ?″やましいことがなければ鬼は訪れぬ″と言うだろう? 鬼谷はすでに鏡湖派を襲った、次はお前かもしれんぞ?」」緑柳の言葉に動揺した沈慎は鄧寛に令牌を託した。「盟主に歌詞を知らせよ」そこで黄鶴も丐幇が責任を持って成嶺を探すと約束し、引き上げることにした。一方、旅に戻った周絮と張成嶺は湖を見つけ、一休みすることにした。すると待っていたかのように温客行と顧湘が木陰で優雅に茶を飲んでいる。( ー̀ωー́ ).oO(しつこいやつだな、目当ては琉璃甲だろう…周絮は温客行を無視して河原へ出ると、成嶺と喉を潤した。「周絮~また会うとはよほど縁があるんだな~」( ー̀ωー́ ).oO(コイツ、俺たちに目印でも付けてんのか?いや、追跡の秘術があるのやも…結局、周絮はまともに休憩もできず、再び歩き出した。黄鶴は鏡湖山荘を離れる前、緑柳と桃紅を桃林へ誘った。すると桃紅は長年、我が物顔でのさばってきた五湖盟の動揺ぶりに溜飲が下がる思いだという。「どうせ私は死に損ない、五湖盟の崩壊が見られたら安らかに眠れるわ…」確かにかつて琉璃甲のせいで大勢が非業の死を遂げ、最後にうまい汁を吸ったのは五湖盟だった。今や丹陽(タンヨウ)派は途絶え、立て続けに鏡湖派も滅びたが、これも報いだろう。丹陽派と言えば陸太冲(ルータイチョン)は泰山(タイザン)派の傲崍子(アオライズー)を頼り、最後に残った2人の弟子を託して亡くなっている。黄鶴はその2人が傲崍子に陸太冲の琉璃甲を渡したと考え、傲崍子を探し出して鬼谷に渡るのを防ごうと持ちかけた。温客行は先回りし、街に一軒だけしかない客桟を貸し切って周絮たちの到着を待った。すると案の定、周絮と張成嶺が現れ、薪小屋でいいから泊めてくれと交渉している。温客行は颯爽と現れ、自分の豪華な部屋を譲り、新しい衣まで贈って恩を着せたが、部屋にも入れてもらえなかった。周絮は張成嶺に着替えて休むよう勧めた。しかし成嶺は決して衣を脱ごうとしない。無理強いしたくない周絮は部屋を出て成嶺を一人にしたが、階下の酒楼で温客行が酒を飲んでいた。「俺を付け回す理由は何だ?」「素顔を見せてくれたら教えよう」「お前が先に明かしたらどうだ?」「ふっ、私の″素顔″はさほど見栄えが良くないんでね」周絮は関係のないことに首を突っ込むなと呆れたが、温客行は周絮こそ成嶺の事情も知らずに深入りしたと指摘した。すると周絮は成嶺を無事に趙敬(ジャオジン)の元へ送り届けると誓った以上は全力で果たすが、それ以外は関係ないという。張成嶺は独りになると腹の傷を確認し、下着姿でゆっくり眠った。やがて目を覚まし部屋を出ると、酒楼で周絮が温客行たちと一緒に待っている。「手を洗って来い、食事だ」成嶺は客桟の外にある井戸で手を洗ったが、その姿を物乞いたちが見ていた。あの者か?>(*´・ω・)(・ω・`*)<ヒソヒソ張成嶺は過酷な体験のせいなのか全く食欲がなかった。食べたくないというより、身体が食べ物を受け付けないという。しかし顧湘はそんな御坊ちゃま育ちの成嶺に容赦なかった。「何の取り柄もないし、打たれ弱いし…ったく 餓死しても神様が同情して敵を殺してくれる~ってか?」「阿湘、あまりいじめるな」温客行はさすがに顧湘を叱った。「だって主人…この子ったら本当にバカで間抜けなんだもん! ねえ、しっかり食べて実力をつけなさいよ?私たちに敵討ちを代行させるつもり?甘すぎるわ~」すると成嶺は急にご飯を口に掻き込み始めた。「え?何も泣かなくても…私がいじめたみたいじゃない」ここは岳陽派の崇武(スウブ)殿。掌門であり五湖盟の盟主・高崇は鏡湖派の悲劇を嘆き、鬼谷に命で償わせると激怒した。鬼谷の始祖との誓約から20年、江湖と鬼谷は平和に共存して来たが、鬼谷が約束を破って江湖に災いをもたらした以上、仕方がない。「7月15日、英雄大会を開催する!皆で青崖山へ攻め込み、害悪を除き去るのだ!」そうだそうだ!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<やんややんや一方、五湖盟と丐幇に追われる泰山派は武当(ブトウ)山を目指していた。付近を警戒する掌門・傲崍子、運良く沈慎が見逃してくれたのは鏡湖山荘の一件だろう。すると責任を感じた丹陽派の弟子2人が自分たちを引き渡すよう訴えた。しかし傲崍子は陸太冲の遺命に従い、琉璃甲を五湖盟には絶対に渡せないという。その夜、いつもの通り三秋釘の発作が始まった周絮は激痛が治まるまで耐え抜いた。すると客桟に曲者の気配を感じ、張成嶺の様子を確認する。成嶺は無事だったが、中庭に倒れている鬼面の曲者がいた。「私が片付けておいたぞ」その声は温客行だった。「…しつこい奴らだ、また鬼谷か」「鬼面だからと言って鬼とは限らんぞ?」温客行が木から降りてくると、周絮は温客行が持っている酒瓶に目が止まった。「お目が高いな、30年もの名酒・黄封(コウホウ)だ…一口飲むか?その代わり阿絮と呼んでも?」どうやら周絮の仮面の下には期待以上のものが隠れていそうだと笑う温客行、しかしその隙に酒瓶を取られてしまう。「引き剥がせるかお手並み拝見だな」「何の何の、いずれ見られる」温客行は周絮の背中を見送りながら微笑んだ。つづく(  ̄꒳ ̄)♪やけに~たくさん人が出て来て~ワケ~ワカ~メ~(←歌える人だけでw●( ˙꒳˙ )今日のまとめ五湖盟①岳陽派(掌門が現在の盟主)②太湖派(周絮が成嶺を送り届ける三白山荘)③丹陽派✖️④鏡湖派✖️⑤大孤山派
2022.06.20
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第2話「君子の義挙」仮面で容貌を変え、放浪の身となった周子舒(ジョウズーシュー) 。越州でひょんなことから顧湘(グーシアン)を怒らせ、襲われてしまう。しかし風鼎(フウテイ)軒で見守っていた主人の温客行(ウェンコーシン)が駆けつけ、顧湘を止めた。「恥をさらすな、武芸の腕前も人を見る目もないようだ…侍女が無礼を働いた」温客行は謝罪して引き上げると、主人から叱られた顧湘は仕方なくあきらめた。2人の手合わせを見ていた張成嶺(ジャンチョンリン)は流れ者だと思っていた男の功夫に驚いた。しかしやはり″七竅三秋釘(シチキョウサンシュウテイ)″を抱えた身、周子舒は思わず咳き込んでしまう。すると張成嶺は自分の名帖(メイチョウ)を渡し、これがあれば鏡湖山荘で療養できると勧めて去った。実は成嶺は五湖盟の鏡湖(キョウコ)派の三男、周子舒はお人好しな少年の姿にふと師弟・秦九霄(チンジウシャオ)を思い出してしまう。「まあいい…九霄も幼い頃はマヌケだった」一方、顧湘は病鬼を懲らしめられずに悔しがっていた。しかし温客行は顧湘ごときが敵う相手ではないという。あの男の見事な足さばきは″流雲九宮歩(リュウウンキュウグウホ)″、四季山荘の技だ。顧湘は四季山荘という門派など聞いたことがなかったが、温客行はいつになく真剣な面持ちだった。…運命を変える者やも、様子を見よう周子舒は子供たちの童謡を耳にした。♪江湖に伝わる不思議な伝説~五湖の水は天下に集う~武林の至尊に誰がなるべし?…またこの歌か、太平の世になり数年で五湖盟は至尊の虚名を欲し始めた…徳が足りねば災難に見舞われよう周子舒は昼寝中の渡し船の船頭を起こし、鏡湖山荘まで乗せてくれと頼んだ。船頭は起こされた腹いせに片道3銭だとふっかけたが、周子舒はあっさり了承する。驚いた船頭が飛び起きると、そこには見るからに病人のような男が立っていた。船頭はてっきり冷やかしだと思ったが、その時、気取った白衣の男が現れる。「差し支えなければ私と共に渡らぬか?」それは風鼎軒で出会ったあの白衣の男と侍女だった。すると船頭は客を横取りされまいと態度を一変、慌てて周子舒を乗せて船を出してしまう。「主人?あの病鬼は何者ですか?」顧湘はなぜ温客行があの痩せこけた男に興味があるのか分からなかった。「…運命を変える男だ」鏡湖山荘は水と緑に囲まれた風光明媚な場所だった。桟橋に降り立った周子舒は自分の死に場所にふさわしいと満足したが、その時、しびれを切らした船頭が騙されたと誤解して罵詈雑言を浴びせる。「ただ乗りは許さんぞ!横暴が許される身分だとでも?!」「ただ乗りだと?…ではお言葉に甘えて!」憤慨した周子舒はこれみよがしに銭袋を見せびらかし、見事な軽功で牌坊を飛び越えて行った。「逃げるなーっ!待ちやがれーっ!」周子舒は美しい桃林に舞い降りた。するとあの白衣の男の扇子が飛んでくる。2人はしばし手合わせすると、気が済んだのか温客行は突然の無礼を詫びた。「仙人のように軽やかだ、ひと目見たら忘れられず、また会いに来た」「仙人だと?目が悪いのか?」「イヤ~その足さばきは″流″風に雪が舞うかのようで、薄″雲″に覆われたおぼろ月のように美しい」この男、四季山荘の″流雲九宮歩″を見抜くとは一体、何者なのか。周子舒は困惑し、一緒に飲もうという優男の誘いを断って早々に退散した。(^ꇴ^)ノ″<またな~! ピューッ!ε=(((((; ゚ェ゚).oO(何だあのアヒル口は…その頃、静逸(セイイツ)堂では鏡湖派掌門・張玉森(ジャンユーセン)が長子・成峰(チョンフォン)から例の童謡の話を聞いていた。しかし世事には関わらない鏡湖派、掌門は誰が武林の至尊になろうと構わなかったが、実はあの童謡にはまだ続きがあったという。「″彩雲は散った〜琉璃は砕けた〜青崖山の鬼と泣く者は誰ぞ?″ つまりこの歌が暗示するのは琉璃…」驚いた張玉森はそこで話を止めた。すると中庭を行く見すぼらしい客人が見える。「あの者は?」「あ、成嶺の名帖を携えて来た流れ者です」一方、晋(シン)州では今も天窗(テンソウ)が晋王の密命で暗殺を繰り返していた。そんなある日、首領・段鵬挙(ドワンポンジュー)は何者かが江南で妙な童謡を広めていると報告する。「琉璃甲の行方を示しているようです、加えて追跡中の間者が周子舒を見失いました」「…読まれていたか、ふっ、捜索を続けろ」周子舒が案内されたのは山荘の片隅にある薪部屋だった。やがて子の刻になると、時間通り三秋釘の発作が始まってしまう。周子舒は急いで点穴し、気を集中して激痛が治まるのを待った。しかし急な物音で目を開けると、夜にも関わらず窓紗が明るい。驚いた周子舒は慌てて外へ飛び出したが、すでに山荘は火の海だった。周子舒は屋根に飛び乗り、山荘の様子を調べた。どうやら鏡湖派を闇討ちしたのはあの鬼面たち、確か書物で読んだ覚えがある。青崖(セイガイ)山の鬼谷(キコク)だ。…勝負は決まったな、鏡湖派は鬼谷に潰されたその時、思いがけず張成嶺を連れて逃げる渡し船の船頭に気づく。すると周子舒は機関雀(キカンジャク)が滑空するのを見た。…なぜ天窗の間者が?それより今は人助けだな鏡湖山荘を脱出しようとした船頭と張成嶺だったが、桟橋で鬼谷に阻まれた。すると周子舒が現れ、2人を逃がしてくれる。周子舒も鬼谷を退治して2人に続いたが、ふと白衣の男が優雅に惨劇を見下ろす姿に気づいた。しかし今は構っている時間がなく、3人で船に乗り脱出する。その頃、静逸堂では張玉森と2人の息子が鬼谷に捕まっていた。「八つ裂きにされる前に琉璃甲を出せ!息子たちを惨殺されてもいいのか!」周子舒は2人を連れて船を降り、荒れ廟に隠れた。実はまだ発作の痛みがあり、これ以上は動けない。「俺は病鬼だ、逃げられぬ、その子を連れて逃げろ!」周子舒はその場であぐらをかいて気を集中したが、すでに船頭も深傷を負っていた。実は船頭の李(リー)はかつて掌門に命を救われ、山荘へ船を渡しつつ恩返しの機会を探していたという。そこで張成嶺に1人で逃げろと言った。「太湖へ行き、三白(サンパク)山荘を訪ねるといい、五湖盟の者に出自を伝えろ」「嫌だ!」張成嶺は2人を見捨てたら仁義に背くと拒否、するとついに鬼谷の追っ手が現れる。「病鬼…まだ戦えそうか?」「少し時間をくれ」追っ手は青崖山の十大悪鬼・吊死鬼(チョウシキ)だと名乗った。「素直に琉璃甲を出せば楽に死なせてやる」李伯伯(ボボ)は時間稼ぎのため廟を飛び出したが、あっけなく退けられてしまう。激怒した張成嶺は剣を握って李伯伯の復讐に立ち上がるも、子どもの遊びにもならない。周子舒は仕方なくそこで回復をあきらめるしかなかったが、その時、顧湘の鞭(ベン)が吊死鬼の首を捕らえた。顧湘が助太刀に現れた。美しい武芸で鬼谷を仕留めて行く顧湘、しかし応戦しているうちに別の鬼谷たちが周子舒たちを狙う。しかしついに周子舒の体力が戻り、剣を抜いて飛び出した。周子舒はあざやかに鬼谷を片付けた。すると急に立ちくらみを起こし、後ろに倒れそうになる。その時、あの白衣の男が現れ、抱き止めた。驚いた周子舒は咄嗟に身体を起こして剣を振ったが、温客行はそのしなやかな剣先をつかんで止める。「…良い剣だ、ふっ、また会ったな」しかしその時、李伯伯が激しく血を吐いてしまう。李伯伯は病鬼の腕前を見込んで張成嶺を五湖盟の趙敬(ジャオジン)の元へ無事に送り届けてほしいと頼んだ。「病鬼、お前さんの名は?」「俺は…周絮(ジョウシュー)だ」すると李伯伯は張成嶺に叩頭させ、安堵してあの世へ旅立って行く。周子舒は李伯伯の目をそっと閉じると、誓いは果たすと言った。その頃、越州の船着場には岳陽(ガクヨウ)派の鄧寛(ドンクワン)一行がいた。ちょうど鏡湖山荘に五湖盟の中秋節の招待状を届けた帰りだったが、鏡湖山から火が上がっているのが分かる。しかし急いで駆けつけようにも桟橋の船が壊され、船頭一家も殺されていた。そこで鄧寛はすぐ照明弾を上げる。一方、周子舒と張成嶺は李伯伯を埋葬していた。2人の様子を見ていた白衣の男は温客行と名乗り、ジョウシューの″シュー″はどの漢字かと尋ねる。周子舒は柳絮の″絮″だと嘘をつくと、温客行は良い名前だと感心した。「交友は広く 身は柳の絮(ワタ)のごとし…」すると疲れ切った張成嶺がよろけて倒れそうになる。そこで温客行は顧湘に食べ物を用意するよう声をかけた。(^ꇴ^)<もうできてますよ~周子舒たちはひとまず荒れ廟で一休みすることになった。しかし周子舒は顧湘が焼いてくれた餅(ビン)をもらったものの、食べようとしない。憤慨した顧湘は用心深いくせに子供の世話を押し付けられたと嫌味を言った。温客行は思わず古書を引用し、周絮の行いには君子の風格があふれているという。意味が分からない顧湘は頭が痛くなると顔をしかめたが、張成嶺が司馬遷(シバセン)の史記の言葉だと教えた。「″平凡な者だろうと誓いを果たすため、千里を駆け、生死を顧みず、仁義を重んじる″… 父に暗記させられた、周叔、感謝します」「礼などいらぬ」周子舒は照れ隠しに餅を渡した。温客行は周絮の顔が扮装だと見抜いた。しかし周子舒は無視する。それにしても縁というにはあまりに不自然だった。「俺たちは縁が深いな、会うべき時も会うべきでない時も遭遇する…」「縁は天からの賜り物、周絮と張公子にも数奇な縁がある」その時、温客行は張成嶺の異変に気づいた。「怪我をしているのか?」張成嶺は腹から血が出ていたが、大丈夫だとごまかす。それでも温客行は医術の心得があるからと言って治療しようとした。「必要ないと言っている」周子舒が止めると、2人はそのまま手技で争いとなる。「温公子、何か企んでいるならはっきり言ってくれ、敵でないなら無理強いするな」「ふっ、そうだな」つづく(  ̄꒳ ̄)あのクルミは谷主ですよ~の合図?
2021.08.15
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です山河令 Word of Honor第1話「帰れざる路」20年前、青崖(セイガイ)山で五湖盟と英雄に討伐された大魔王・容炫(ロンシュエン)は一夜にして無敵になれる武庫を残した武庫を開けるために必要なのが″琉璃甲(ルリコウ)″するとこれにまつわる童謡が広まり、各勢力が武庫を狙って密かに琉璃甲の捜索を開始するそしてここ北方の晋州でも晋(シン)王が謀(ハカリゴト)をめぐらせていた晋王は極秘の特務機関である″天窗(テンソウ)″に重臣を暗殺させていたこれに気づいた李(リー)節度使は皇帝に晋王が謀反を起こすつもりだと上奏しようとしたが、その夜、護衛が天窗の襲撃を知らせにやって来る護衛は節度使を連れて屋根に避難、しかし2人の前に天窗の首領が立ちはだかった『密書を出せ』護衛は果敢にも首領に応戦、見事に被り笠と覆面を切り裂くことに成功するすると節度使は首領の素顔を見て唖然とした『周(ジョウ)大人(ダーレン)?…お前は天窗に属していたのか!』しかし反撃もそこまで、青衣の剣客は周子舒(ジョウズーシュー)の剣で喉を掻っ切られ、屋根から転げ落ちてしまう『…周子舒よ、この世は因果応報だ、悪人の手先となれば将来、苦難を身に招き苦しむぞ?』節度使が殺され、一族で残ったのは娘の静安(ジンアン)郡主ひとりとなったしかし周子舒は静安郡主に恩があり、自ら手を下すのははばかられる『郡主が混乱の中で私の師弟・秦九霄(チンジウシャオ)の亡骸を届けてくれたことは心に刻んでいる 郡主は尊い身だ、自ら命を絶てば辱めは受けぬ…』すると静安は周子舒が置いた毒薬を一気に飲み干した『…九霄をどこに葬ったの?』『四季山荘だ、師父の隣で眠っている』『″四季 花は常にあり 天下の事情を知り尽くす″…』郡主の手には九霄の手作りのかんざしがあった周子舒は今さらながら九霄の想い人が郡主だったと知り、呆然と立ちすくむ『九霄が言ったの…江湖を離れたら私と一緒に暮らすつもりだと…』こうして静安郡主は愛する九霄の元へ旅立った周子舒は任務を終えて戻ったすると晋王からの命で脱退を望む畢長風(ビーチャンフォン)に自ら手を下せという晋州へやって来た四季山荘は81人、しかし若宗主の九霄まで失い、今や周子舒と畢長風だけだった『四季山荘は終わった…』その時、周子舒が急に咳き込んでしまう『ゴホッ…』『なぜ内傷が治らぬ?』しかし周子舒は何も答えなかった晋王が天窗を創設した時の要求は4つ、″痕跡は残さず、入ったら2度と出ない、あらゆる事情に通じ、どんな場所にも赴く″、天窗は入ったが最後、2度と出てはならないもしこれを破れば死より恐ろしい制裁が待っていた『私に従うより不自由な身体を選ぶというのか?!』『これまで荘主と生死を共にし、命令には従って来た だが兄弟が次々と迫害され、晋王に疑念が湧いたのだ、これ以上は晋王の手先として働けぬ 八つ裂きにされても脱退したい』畢長風は長年の友情を鑑みて釘を打ってくれと懇願した『…安心しろ、残された家族は私が面倒を見る』『安心であれ心配であれ分からなくなる…荘主、やってくれ』普通の者なら″七竅三秋釘(シチキョウサンシュウテイ)″には耐えられないだろう″七竅三秋釘を打てば3年で冥土へ赴く″と言われる残酷な刑だ7本の釘を受けると武芸の腕前を失い、五感も徐々に衰えて消えて行く全ては天窗の秘密を守るため、生きる屍になるのだ身体は使い物にならずとも意識はあり、3年間の生き地獄を味わってようやく死ねるという周子舒は畢長風に7本の釘を打った『最後の1人が消えた…二度と″荘主″の2文字を口にするな』帰雲(キウン)閣の外はすでに一面の雪景色だった…グフッ!10年間、ただ突き進んできた…兄弟たちの死顔を覚えている…皆、死に絶え、私だけが生き残った…なぜだ?死ぬにも値しないからだろう…天窗の首領は絶大な力を持ち、万人の上に立つ…だが武力を誇りながら大切な者を誰も守れなかった周子舒が立ち去った雪の上には真っ赤な喀血の痕が残っていた周子舒は畢長風の死を嘆いて吐血、その後、昏睡したあれから1年以上経ったが療養と称して参内せず、晋王は訝しんで周子舒を呼び寄せろと命じるその頃、周子舒は重明(チョウメイ)苑にいた壁に掲げた大きな書画には赤く染まった梅の花が81、いよいよ白い花は1つだけとなるすると周子舒は鏡の前で上着を脱いだその身体には1年半をかけて自ら打ち込んだ″七竅三秋釘″がある実のところ釘には打ち方が2通りあった7本を一度に打ち込むと五感を失い、不自由な身体で3年生き長らえるしかし3か月ごとに1本打ってゆっくり肉体に馴染ませれば、3年の命でも武芸の腕前は半分残り、五感も死ぬまでの間、徐々に衰え消えていくただ釘を打つ18か月とその後の3年は激痛に耐えねばならなかったその時、鏡に師弟・九霄の幻影が映る『ふっ、なぜ涙を?…これは自業自得だ 四季山荘に属していた81人は結局のところ皆、私の手により葬られた 伝承は途絶え、1人も守れなかったのだ…お前の想い人まで死に追いやってしまった あの世でお前に合わせる顔がない…』周子舒は師弟に手を伸ばしたが、そこで九霄の姿は消えてしまう『お前は静安郡主に会えたのだろうか 私は何とひどい師兄なのか、初対面の手土産が毒薬だとは…あははは~』そんなやるせない思いを紛らすように、周子舒は6本目の釘を打ち込んだ周子舒は晋王に謁見し、上着を脱いでその身体をさらした傷だらけの身体にはすでに6本の釘が打ち込まれている『精魂尽き果て、内傷も癒えず、役立たずの身です…ただ故郷に帰りたい 私は天窗を抜けます、自ら″七竅三秋釘″の刑を科して罰を受けました …最後の1本で別れも告げられぬ身体になります これまでの尽力に免じ、私の願いを叶えてください』周子舒は最後の釘を晋王の手で打って欲しいと懇願したまさか股肱(ココウ)の臣になるより不自由な身体を選ぶというのか晋王はひと思いに殺そうとしたが、結局、見逃し、しっかり生き抜けと言った冥土へ行くまでの3年の間に必ずや中原(チュウゲン)に入り、皇帝の地位に上り詰めてみせるという『鵬挙(ポンジュー)、子舒の願いに応えろ、今日からそなたが首領だ!』晋王が出て行くと、周子舒は鵬挙に釘を差し出した『おめでとう、互いに宿願が叶ったな』しかし晋王はひとまず周子舒を解放しただけだった周子舒は頬に傷をつけた浅黒い仮面をつけ、新たな人生を歩み始めたちょうどその頃、鬼衆の根城である鬼谷(キコク)で大事件が起こる十大悪鬼の1人・吊死鬼(チョウシキ)が谷主(コクシュ)の琉璃甲を盗み出し逃亡したのだしかし吊死鬼は崖から飛び降りたところで何者かに殺されてしまう谷主は直ちに吊死鬼の捜索を命じたしかし属下は逃げられたと報告、激怒した谷主に一撃で始末されてしまうすると谷主は鬼衆に裏切り者を八つ裂きにするよう命じた『琉璃甲を取り戻すことができた魑魅魍魎(チミモウリョウ)を十大悪鬼の首領に取り立てよう!』それから3か月後、ここは越州。周子舒は自由を満喫し、橋のたもとに寝転んでいた。その前には美しい街並みを眺めながら酒が飲める風鼎(フウテイ)軒が建っている。「主人!のんきな流れ者がいますよ!」店には優雅に扇を仰ぐ白衣の男・温客行(ウェンコーシン)と侍女・顧湘(グーシアン)がいた。「ひなたぼっこをしているのだ」「ひなたぼっこ?あんなに痩せこけているのに?そのうち干物になりますよ?」顧湘は温客行が世間知らずな自分をからかったのだと思った。その時、従者を連れた張成嶺(ジャンチョンリン)がちょうど橋を渡って来る。張成嶺は寝転んでいる男に気づいて銭を恵んでやったが、周子舒は面倒くさそうにその銭を払い落とした。「なぜ受け取らないのかしら?」顧湘はその流れ者に興味津々、思わず店から食事をご馳走すると声を掛けた。すると流れ者は飯より酒をおごってくれという。顧湘はやはり″ひなたぼっこ″ではなく流れ者だと得意げになり、酒瓶を持って颯爽と店から飛び降りた。顧湘は流れ者になぜ酒をねだりながら銭は受け取らなかったのか聞いた。「誰が流れ者だって?私はひなたぼっこしているだけさ」周子舒はその時、店からこちらを見ている白衣の男と視線を交わす。すると当てが外れた顧湘は怒って酒を取り返そうとした。しかし流れ者はその弱々しい見た目に反し、顧湘を鮮やかにかわしてしまう。「容赦しないわよ!」顧湘はついに鞭(ベン)を取り出し、周子舒に襲いかかった。周子舒は弱いと見せかけて上手く立ち回った。その様子を黙って見ていた温客行だったが、男が咄嗟に見せた足さばきを見て驚く。つづく( ๑≧ꇴ≦)名前が覚えられない!そしてこれが正解なのかも分からない!(笑
2021.08.14
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