【現代劇】マリアージュ・ブラン~嘘つき弁護士の愛の法則~全40話 40
風起隴西-SPY of Three Kingdoms-全24話 24
【現代劇】イジワルな君に恋をした~Sweet First Love~全24話 24
燕雲台-The Legend of Empress-全48話 48
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皎若云间月 Bright as the moon第40話「時を超えて」…時をさかのぼるには3つの宝を集めるべし…醒世異聞録(セイセイイブンロク)を読んだ雲浅月(ウンセンゲツ)は″白玉の神龍″と″千年の寒鉄″を手に入れたが、最後の宝が何か分からず断念していた。しかしついに3つ目の宝が鳳凰のかんざしだと判明する。それは容景(ヨウケイ)が折ってしまった母の形見のかんざしだった。その夜、浅月と容景は思い出の裏山に席を設け、別れを惜しんだ。容景はやはり浅月と離れたくないと本音を漏らしたが、息子を放り出して後を追うこともできないという。「君に生きていて欲しい…」「でも私が去ったら、残されたあなたはどうするの?」「辛い…胸が張り裂けそうだ、しかし君が生きていると思えば支えになる 浅月、どこへ行っても忘れないでくれ、君を愛している どんなに遠く隔てられ、未来永劫めぐり会えずとも、私は君と孤独を分かち合う」「全ての出会いは深い縁があるからこそ…だからきっとまた会えるわ」「思いが通じていれば千年の時を隔ててもこの愛は変わらない…心はひとつだ」その時、浅月の全身が急に消えかかった。容景は一刻の猶予もないと知り、慌ててかんざしの片割れを取り出す。「約束してくれ、必ずしっかり生きると…」すると浅月もかんざしの片割れを手にした。「容景、あなたを愛している、千年後の世界で待っているわ」2人は折れたかんざしをつなげて鳳凰のかんざしを復活させると、浅月の身体は光となって消散した。容景は浅月を失い、その場で泣き崩れた。すると走馬灯が回り始め、2人の思い出が帳(トバリ)に映し出される。…容景、あなたとの思い出をすべてこの走馬灯に刻んでおくわ…私からの最後の贈り物よ、元気で、悲しまないでそれは浅月が密かに作っておいた走馬灯だった。浅月が消えて10年が経った。皇太后は景世子に後添いを迎えるよう勧めたが、容景は辞退して隠居を申し出る。「栄王府の妃は生涯、雲浅月ひとりです」「容景っ?!…はっ!」李蕓(リウン)はマンションの寝室で目を覚ました。…何てこと?夢だったなんて…すると消し忘れたPCに穆小七(ボクショウシチ)の失踪を伝えるニュースが映っている。…もう二度と会えないのね、とても長くて悲しい夢だった…李蕓は孤独を紛らすように執筆に没頭した。こうして書き上げた″紈絝(ガンコ)世子妃″は新人賞を獲得、李蕓は時の人となる。容景と浅月を題材にしたラブストーリーは映画化も決定したが、その版権を買ったのは穆グループの映画会社だった。「この作家に投資だと?…金をドブに捨てるようなものだ!」失踪と報道された穆小七は無事だった。何も聞いていなかった秘書が勝手に誘拐と誤解して大騒ぎになったが、実は施工停止の大損で父から3ヶ月の外出禁止を言い渡されただけだった。缶詰生活に飽きた穆小七は秘書に頼んで気晴らしに外へ出た。すると驚いたことに李蕓が現れる。「あの日のダサい格好とは大違いだな」李蕓はこの機会を利用してライブ配信を始めると、小説の容景のモデルは穆小七だと明かした。このライブ動画がSNSで大バズり、映画の効果的な宣伝となったが、秘書はこの件で奇華(キカ)グループの社長が怒っていると報告する。「縁談と提携に影響が出てはまずいと…」「分かった、ではスキャンダルを事実に変えよう」穆小七は李蕓のマンションを訪ねた。「あなたの失踪で大変な目に遭ったのよ?」「あの件か、思いがけず迷惑をかけて悪かったね」「もういいわ」すると小七は動画のせいで自分の名声が傷ついたと難癖をつけ、恋人契約を結びたいという。しかし条件は李蕓が自分の家に同居することだった。「心配ない、君を女として見ていないから…ただ両親が身を固めろとうるさくてな」2人は会社公認のカップルとして1ヶ月の契約を結び、李蕓は小七の豪邸に引っ越すことになった。穆小七は李蕓との交際を公にし、奇華グループの令嬢との縁談を破談することに成功した。こうして始まった李蕓と小七の同居生活、2人は容景と浅月がそうだったように反発し合いながらも惹かれていく。「以前のことはすまなかった、よく考えると君も悪くはないな」「あなたこそ噂ほどひどくないわ」すると小七は家族さえ自分を見る目は世間と大差なく、もう慣れっこだという。しかし李蕓は小七の本当の姿を知っていた。「あなたは陰で正しいことをしている、知っているの…タネを明かすわ」実は小七の友人・林(リン)社長は李蕓の親戚だった。李蕓は林社長から穆小七の情報を集めていた。小説が現実になったのは小七の行動を事前に知っていたからだという。「段取りは全部、従兄が組んでくれたの、もちろんあの偶然の出会いも…」「最初から計画していたと?」「そうよ、わざと近づいた、あなたが好きだから」李蕓は小七が恋人を取っ替え引っ替えしているのはスキャンダルで縁談を流すためだと分かっていた。しかし一方で忙しい中、毎月、複数の施設へ慰問しているのも知っている。「遊び人に見せているけれどあなたは善良な人よ、父親の決めた道を歩くのが嫌なだけ …私はあなたを理解している、だって知り合ったのはずっと昔だから」かつて李蕓はアルバイト先のバーで客にからまれているところを小七に助けられていた。「…私は人にはめられるのが大嫌いだ、李蕓小姐、私たちの契約は今日で終わりだ」「ごめんなさい、騙して…でもこれだけは言わせて、小説のモデルは本当に私とあなたなの …帰るわね、この本は置いていくわ、最後のプレゼントよ」李蕓と穆小七はそれぞれの生活に戻った。小七は仕事に復帰、漢代の墓が出土して頓挫した計画を変更し、文化遺産を保護して再開発を進める。そんな忙しい毎日の中、暇を見つけては李蕓が置いていった″紈絝世子妃″を読みふけった。一方、李蕓は執筆活動を続け、新刊も売り切れとなった。するとある日、麗麗(レイレイ)から連絡があり、良い男を紹介するという。「今度は間違いないわ、私の顔を潰さないでよね」「いいわ、どこへ行けばいいの?」李蕓が指定された場所で待っていると、ランボルギ〇ニが停まった。「穆小七?…私をブロックしたくせに、なぜあなたがここに?」「いいから乗れ」「なぜ今頃になって誘いに来たの?」「…あんなゲームを仕組まれてやられっぱなしじゃ男として失格だ」「もう許してくれないかと…」すると小七はこれから民政局に行くという。「えっ?!…結婚登記?!」喜んだ李蕓は思わず運転中の小七にしがみついて怒られてしまう。「″私から3尺離れるのだ、よいな?″」その時、李蕓は流れる景色の中で、巨大スクリーンに映し出された容景と息子の姿に気づいた。…ディエディエ、きれいな蛍がいっぱいだね、にゃんちんもどこかで見ているかな?…そうだな、どこかで見ている「…どうした?何かあったのか?」小七はイタズラっぽく笑うと、李蕓はそっと小七の肩に頭を乗せた。おわり( ๑≧ꇴ≦)ちょwwwwwかんざし版″トモダチ″で現代に戻ったぁぁぁ〜久しぶりにミルクティ吹き出したわ(´゚艸゚)∴ブッちょっと最終回は肩透かしを食ったような…まあ〜折り返しからエグい展開だったので、これくらいライトな終わり方でもいいのかも?
2023.02.19
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皎若云间月 Bright as the moon第39話「鏡の中の兆し」雲浅月(ウンセンゲツ)と容景(ヨウケイ)、2人を取り巻く全ての因縁は10年前の慕容(ボヨウ)家の事件とつながっていた…雲王は慕容将軍の詮議を命じられ、息子夫婦に報告した世子は確かに慕容将軍の長男が本当に淇(キ)国の太子なら助けようがないと言ったが、雲王府は慕容家に多大な恩がある実は世子夫人が不吉とされる双子を産んだ時、梁睿(リョウエイ)を夫人の故郷である南梁に送ってくれたのは他でもない慕容将軍だった一方、冷王は宰相が月岐(ゲツキ)の密偵とも知らず、謀反の証拠となる文を受け取ったそこで皇帝に文を献上し、密かに総管・呉虞(ゴグ)と接触する雲王が親しい慕容将軍をかばうのは必至、その前に淇国太子ともども根絶やしにしなければならない『それができるのは公公(ゴンゴン)しかいない』実は冷王は呉虞が第四皇子の生母・蘭(ラン)妃の暗殺に関わったことを知っていた身分の卑しい蘭妃が皇帝の寵愛を独占し世継ぎまで産んだことは由々しき問題、呉虞は皇室の行く末を思えばこそだったという『心配ない、この事実を知っているのは蕭(ショウ)妃だけだ』冷王はそれとなく呉虞を脅したが、呉虞も冷王が慕容将軍の仕返しを恐れているのだと察したこのまま皇帝の信頼を得た慕容将軍が朝廷での地位を強固にすれば、淇国の仇を取るかもしれないすると呉虞は今回限りという約束で手を結ぶことに同意した世子夫人は慕容家を心配し、南梁王妃である母を見舞いに行くという口実で外出すると決めたしかし思いがけず慕容府襲撃の一報が舞い込む雲王は息子夫婦を救助に向かわせたが時すでに遅く、慕容府は死者であふれていたそんな中、世子夫人が長男を発見、危ないところで容景を逃したが、呉虞の手にかかって殺されてしまう…あの時、容景を救ってくれたのは浅月の母だった。浅月の父はこの事件の後に仏門へ、祖父は復讐の連鎖を終結させるべく早々に事件を封印したという。「王爺が全てを独りで背負った…しかし結局それが仇となり、命を落としてしまった」大師はすでに上官茗月(ジョウカンメイゲツ)から全ての経緯を聞いていた。「王爺の死には景世子も墨閣(ボッカク)も関与していない、世子は王爺と同じ道を選んだ 全ての誤解を背負い、怨恨を止めようとな…誤解が解けたのだからこの縁を大切にしなさい 拙僧は我が子の成長を見守れなかった…父としての責任を果たせず、後悔している」すると容景は我が子を初めて抱きしめた。数年後、容景の霽月(セイゲツ)堂は今や城内で1番と言われる医館になった。浅月は息子を育てながら夫の医館を手伝い、今も栄王府で家族3人、幸せな毎日を過ごしている。そんなある日、兄の南梁睿から旅立ちを知らせる文が届いた。…天賜(テンシ)は聡明な少年君主に成長した…容楓(ヨウフウ)は旧淇国の地に封ぜられ、軽暖(ケイダン)公主と新婚生活を満喫している…玉洛瑤(ギョクラクヨウ)は江湖に落ち着き、上官茗月が熱を上げているが、どうなることやら…彩蓮(サイレン)と弦歌(ゲンカ)は仲睦まじい夫婦だな、そろそろ出産か?凌(リョウ)児の遊び友だちができるな…香荷(コウカ)は雲府の主となり、なかなかの辣腕(ラツワン)ぶりだ…浅月、それぞれ落ち着いたのに兄の私は独りぼっち…そこで私も自分の幸せを見つけに行くことにした…どうかうまくいくよう祈ってくれすると天聖を出た南梁睿はやがて河岸で物思いにふけっている拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)を見つけた。その夜、浅月は改めて家族と過ごす幸せをかみしめていた。「さっきあなたが凌児に物語を聞かせていたでしょう? 私のいた世界には話ができるぬいぐるみとか、音楽に合わせて回る走馬灯があるの 凌児が見たらさぞ喜ぶでしょうね…」「走馬灯なら作ってあげよう」「はお、明日一緒に作りましょう」しかし完成した走馬灯を楽しんでいたその時、浅月は鏡に映る自分の顔が一瞬、消えるのを見た。浅月はいつものように医館を手伝っていたが、急に具合が悪くなった。驚いた容景は脈を診たが異常はない。浅月は暑さのせいだとごまかしたが、その時が迫っているのだと分かった。すると翌朝、身支度を整えていた浅月は再び鏡から消えそうな自分の姿に気づいて動揺する。そこへ容景がやって来た。浅月は慌てて鏡を確認、自分の姿が写ってると分かって安堵する。しかし容景が浅月の髪にかんざしを挿して鏡をのぞくと、浅月の姿が消えた。浅月はいよいよ隠しきれなくなり、ここを去ることになると告げた。「言ったでしょう?私はよその人間だって…ここへ来たばかりの頃にも同じことがあったの ある書物にあったわ ″身体を借りて蘇る者は生者にあらず死者でもない、寿命の長さは定まらず塵と消える″って…」「バカな、信じない…混じりっ気のないペットフードしか信じない!」「もちろんそばにいたい、でももし…」「″もし″はない!…もし本当に私を捨てたら妾を迎える!」「容景、私が辛いのは分かっているでしょう?でもどうしようもないの…」「いいかい?他に女を作られるのが嫌なら何としてでも生きろ!」容景は激しく取り乱し、自分が必ず何とかすると言い聞かせた。しかしどんなに探しても浅月を救う方法は見つからず、途方に暮れてしまう。浅月が目を覚ますと容景の姿がなかった。そこで書斎に行ってみると、呆然と座っている容景を見つける。床には一晩中、描き続けていた浅月の絵が散乱していた。「君との日々を書き留めておきたくて、いつまでも忘れないように…」浅月は愛おしそうに容景の頬に触れたが、その時、ついに手が透けて消えそうになってしまう。「もう限界かも…」「嫌だ、浅月、消えないでくれ…」すると容景は以前、浅月が3つの宝を集めて元の世界へ帰ろうとしていたことを思い出した。「君が死ぬくらいなら例え別の世界でも生きていて欲しい… たとえ二度と会えなくても愛し続けることができる」容景は早速、店の前に″醒世異聞録(セイセイイブンロク)求む、謝礼千金″と告示した。すると思いがけず容景の治療で助かったと言う人物がお礼だと言って本を届けてくれる。浅月はついに3つ目の宝が何か分かったが、それは容景の母の形見であるかんざしだった。しかし容景は自分の手で折ってしまったと困惑する。「…でも″鳳凰の復活″と書いてある、分かったわ!」つづく( ๑≧ꇴ≦)パパ!パパがもっと早く来てくれれば皆、死なずに済んだのよ!からの怨恨とか?w
2023.02.18
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皎若云间月 Bright as the moon第38話「ほどける糸」三皇子・夜天逸(ヤテンイツ)は金鑾(キンラン)殿に到着、玉座はもう目の前だった。一方、藍漪(ランイ)は皇帝・天賜(テンシ)が偏殿にいると知り、配下を引き連れ駆けつける。すると偏殿の前に雲浅月(ウンセンゲツ)が立っていた。「これは皇后…太后と皇帝の居場所を言えば見逃してやろう」「藍大人(ダーレン)…遅かったのね」その時、御林軍が駆けつけ反乱軍を包囲、驚いた蒼亭(ソウテイ)は藍漪を逃して犠牲になった。三皇子はついに玉座に腰を下ろした。御前で拝跪する容景、その時、突然、門が閉まり、梁に潜んでいた弦歌(ゲンカ)たちが鉄鎖を持って飛び降りて来る。三皇子が気がついた時には鉄鎖でがんじがらめ、すると殿前に控えていた容楓(ヨウフウ)が呼応し、墨閣(ボッカク)の兵たちが一斉に反乱軍に襲いかかった。三皇子はようやく容景に謀られたと気づいた。(꒪ꇴ꒪〣)<なぜなのだ?どこをどう取っても私と対立する理由などない!「情、理屈、利害を考えればそうです…だが″義″をお忘れでは?」四皇子には仁義があり、天下の民を愛していた。しかし三皇子は権力に目が眩み、殺戮を重ねて民を蔑ろにしてきたという。「そんな皇帝では淇(キ)国の惨劇が繰り返されてしまう…あなたは心の魔に負けたのです」すると激高した三皇子はわずかに動く手で暗器を放ち、鉄鎖から抜け出した。三皇子は剣を抜いて容景に戦いを挑んだ。しかし容景に蹴り飛ばされ、剣を突きつけられてしまう。そこへ冷邵卓(レイショウタク)が現れた。「やめろ!」三皇子は助けが来たと喜んだが、冷邵卓は容景の側に立った。(꒪ꇴ꒪〣)<ブルータス、お前もか…実は浅月が持ち帰った進軍経路図は本物だった。密かに容景と通じていた冷邵卓は自分の馬車で浅月を脱出させ、浅月が落とした偽の進軍図を拾って本物とすり替えたという。浅月が崖から飛び降りるとは想定外だったが、2人の計画は成功した。三皇子は冷邵卓の裏切りに唖然となった。しかし冷邵卓は容景とは無関係で個人的な恨みがあるという。( ゚ロ゚) なぜだ?( ゚д゚) 全部、私のせいか?!(ノ>∀
2023.02.12
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皎若云间月 Bright as the moon第37話「逆賊の入城」雲浅月(ウンセンゲツ)は進軍経路図を手に入れるため、三皇子・夜天逸(ヤテンイツ)の幕舎に洗濯した衣を届けにやって来た。「三殿下、他にご用があればお申し付けください」しかし酒を運んできた藍漪(ランイ)が容景(ヨウケイ)が来たことを伝える。浅月は仕方なく下がることにしたが、三皇子は3人で旧友を温めようと厭味を言った。浅月は殊勝なふりをして三皇子に酒を注ぎ、わざとこぼした。怒った三皇子は浅月の腕をつかんだが、容景が助け舟を出す。「三殿下、亡くなった四殿下も妻の命を救われ墓の下で感謝していることでしょう …昔の女など1杯の美酒にも劣ります」すると三皇子は機嫌を直し、楽しそうに笑った。浅月はこの機に新しい衣と着替えるよう勧め、三皇子は汚れた衣を脱いで無造作に机の上へ置く。そこで浅月は衣を片付けながら、その下にあった進軍図を一緒に持ち出すことに成功した。その夜、浅月は帝都に戻ると決め、天幕を出た。すると突然、容楓(ヨウフウ)が現れ、脱出を手伝うという。「口止めされていたが兄は潔白だ…2人に和解して欲しいんだ」浅月は頑なだったが、容楓が見張り番の気を逸らしてくれたおかげで冷邵卓(レイショウタク)の馬車に隠れることができた。雲浅月が軍営から消えた。しかし三皇子は藍漪から報告を聞いても驚く様子がない。実は浅月が進軍経路の話を盗み聞きしていると気づき、必ずや進軍図を欲しがると分かっていた。そこであえて偽の進軍図を置いたという。「むしろ好都合だ…望み通り行かせてやれ」ただし何もしないのも不自然、三皇子は追っ手を出すと決めた。「この戦…うまく進められそうだ♪」軍営を出発した冷邵卓、するとしばらくして突然、何かが落ちる音がした。驚いた冷邵卓は馬車を停めて降りてみると、驚いたことに皇后がいる。「これは皇后娘娘…まさか王府に戻るおつもりですか? いけませんな~一緒に戻りましょう、私が逃したと疑われる」その時、冷邵卓が浅月の落とした進軍図を拾った。さらに浅月の捜索を任された容景と藍漪が兵士を連れてやって来るのが見える。逃げ場を失った浅月は咄嗟に冷邵卓の手から進軍図を奪い取ると、一か八か崖から身を投げた。崖から転がり落ちて意識を失った浅月、やがて目を覚ますと洞窟の中にいた。しかし自分を助けてくれたのが容景だと気づき、重い身体を引きずって出て行ってしまう。容景は付かず離れずついて行ったが、浅月がうっかり足を挫くのを見て駆け寄った。「どこが痛む?」「触らないで!」そこで容景は自分に復讐したいならまず怪我を治せと鼓舞した。浅月は言われなくても容景が地獄に落ちるのを見届けるまで生き抜いて見せるという。愛する人から向けられる激しい敵意、それでも容景は自分もその日を待っていると強がった。浅月は何も知らずに悠然としている容景に憎しみが込み上げ、ついに真実を明かしてしまう。「…あなたはもう業火に焼かれている、気づかないのね?でももう私には関係ない 知っている?あなたの息子は死んでしまったの」「私の息子?…はっ!もしや…」「そう、凌(リョウ)児のことよ…あなたに捨てられた後、身ごもっていると知ったわ 逆賊の子供としてではなく堂々と生きてもらいたかった 夜軽染(ヤケイセン)は私たちに立派な身分と温かい家をくれた 軽染は凌児を我が子のように慈しみ思いやってくれたのに、あなたはどう?」「…知らなかった」容景はあまりの衝撃に胸が苦しくなり、その場で泣き崩れた。浅月は容景を置き去りにして歩き始めた。すると容景が引き留め、母子の苦しみを償うため浅月の剣で裁きを受けたいという。浅月は容景の剣をつかむと、躊躇なくその胸を突き刺した。「(グサッ!)これは私を捨てたこと(グサッ!)これは凌と爺爺(イェイェ)のため… そして最後は軽染のため…」浅月は容景に止めを刺そうとしたが、その時、容楓が現れ、危ないところで浅月の剣を弾く。「殺せば後悔するぞ!」「…容景、これで償いが済んだとは思わないで かつての愛はもう枯れた、最後の剣は帝都に戻り、あなたと相まみえた時よ」一方、玉洛瑤(ギョクラクヨウ)は反乱軍が通過したあとの悲惨な町の様子を目の当たりにしていた。そこへ上官茗月(ジョウカンメイゲツ)が現れ、これが望みなのかと聞く。玉閣主の苦しみや恨みも理解できるが、経験者だからこそ民の心に寄り添うことができるはずだ。理由が何であれ戦が始まれば民が味わうのは地獄の苦しみ、再興という志があっても人殺しの罪人と何も変わらないという。玉洛瑤は黙ってその場を離れたが、ようやく目が覚めたようだった。浅月がぼろぼろになって雲王府に戻って来た。南梁睿(ナンリョウエイ)と香荷(コウカ)が急いで駆けつけると、浅月は夜天逸と容景が帝都に侵攻して来ると伝える。「これは進軍経路図よ…早く皆に知らせて」一方、月岐(ゲツキ)にも三皇子から密報が届いていた。…明日の辰の刻、城を攻める…すると拓跋業成(タクバツギョウセイ)は漁夫の利を狙うため追従せず、天聖の内乱を待つことにする。「夜天逸が城を陥したあと兵を入城させよ、それなら奴が裏切っても何の影響も受けずに済む」浅月は進軍経路図をもとに南梁睿と綿密な計画を立てた。三皇子の帝都侵攻は避けられないが、東西に展開する20万の兵を撃破することはできるだろう。そこで各州の将軍に連絡し、反乱軍を食い止めてもらうことにした。三皇子は容景たちと共に5万の兵を従え、帝都に到着した。感慨深げに城門を見上げる三皇子、すると皇后の命を受けた陳柳(チンリュウ)が御林軍を率いて夜天逸を迎え撃つ。しかし反乱軍は城門を爆破、激しい矢の雨が降り注ぐ中、帝都になだれ込んだ。雲太后は国に殉じると覚悟し、新帝に即位した息子・天賜(テンシ)を軽暖(ケイダン)公主に預けて逃すことにした。すると浅月が現れ、逃げるのではなく一時的に避難するだけだと説得、急いで脱出させることにする。しかし時すでに遅く、反乱軍が帝都に入ったと報告が来た。そこで浅月は夜軽染の秘密の隠れ部屋に叔母たちをかくまい、何があってもここから出ないよう念を押す。「軽暖、軽染が天から守ってくれるわ…姑姑(グォグォ)、私は戻ります」進軍図通り分散して進んだ反乱軍、しかし途中で容景の配下に裏切られ、気がつけば20万の大群が5千に減っていた。城内で合流した将軍たちはようやく罠だと気づいたが手遅れ、南梁睿たちに撃破されてしまう。そうとは知らず、三皇子は容景たちと金鑾(キンラン)殿に到着していた。「ふっ…私がここに立つとは誰が予想したであろうか、だが必然だ」金鑾殿の屋根の端には螭吻(チフン)の装飾があった。螭吻は龍の8番目の子供、しかし兄弟で独りだけ生まれつき龍角がなかったという。それはまるで五兄弟の中で唯一、父皇の愛を得られなかった自分の姿を見ているようだった。三皇子は幼い頃、初めて螭吻を見た時、いつか自分が当主になったら螭吻に龍角を作らせようと考えたという。「不思議なものだ、権力に対する男の渇望と情熱はこれほど取るに足らぬ事柄から始まっていたのだ」すると容景は三皇子が皇位につけば、ようやく夜一族の玉座を巡る争いが終わると言った。つづく
2023.02.12
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皎若云间月 Bright as the moon第36話「捕虜となった皇后」容景(ヨウケイ)が三皇子・夜天逸(ヤテンイツ)の陣営に現れた。何でも飛ぶ鳥を落とす勢いの三皇子に参謀として協力したいという。しかし三皇子は急に態度を軟化させた容景を信じられなかった。「非常時には首を垂れねば…私とて例外ではない すでにご存知のはずだ、夜軽染(ヤケイセン)を殺したのが一体、誰なのか」容景は夜軽染に協力を求めたが断られ、墨閣(ボッカク)共々皆殺しだと脅されて見限ったという。「皇帝の命という貢物では満足できませんか?」すると三皇子は容景に上座を用意した。一方、愛する夜軽染を失った拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)は帝都に戻らず、月岐(ゲツキ)に帰ると決めた。雲浅月(ウンセンゲツ)と南梁睿(ナンリョウエイ)は門まで見送りに出たが、葉倩は最後に太子の居場所を書いた紙を渡す。「安心して、無事よ…ごめんなさい、嫉妬からこんな真似をして… 私は軽染に愛されなかったけれど、その辛さは分かる」葉倩は皇帝という重責のため自由に生きられなかった夜軽染の代わりに諸国を回ることにした。「元気でね…」しかしひと足先に藍(ラン)家の蒼亭(ソウテイ)たちが太子の居場所を見つけてしまう。蒼亭は陣営に戻り、すでに太子の姿はなかったと報告した。太子が生きている限り皇位を脅かす種となるのは必至、三皇子は何としても探し出せと命じる。藍漪(ランイ)は雲浅月の手の者ではないかと怪しみ、どちらにしても始末をつけてはどうかと進言した。「当然だ、浅月はとっくに私の敵だ…一切の手加減は無用」そこで夜軽染の棺が軍営を出たら直ちに出陣し、兵士の士気が落ちているうちに一挙に平城を落とすと決めた。「藍漪、子供はその手で捕えよ、躊躇は無用、確実に始末しろ」天聖軍は撤退、皇帝の棺と一緒に帝都へ帰ることになった。しかし伝令兵が駆けつけ、敵が東西から近づいているという。浅月は隠衛の将軍・陳柳(チンリュウ)に棺を任せ、自分がおとりとなって時間を稼ぐことにした。反乱軍に潜入していた墨閣の配下が慌てて容景の元にやって来た。「奴らが皇后の待ち伏せを…」驚いた容景が駆けつけると、蒼亭たちが皇后一行を襲撃、浅月に剣を向けている。「やめろ!」浅月は容景が三皇子と結託したと知り、呆れ果てた。すると容景は皇后には使い道があるため、生け取りにするという。南梁睿は太子を迎えに行ったが、民家はもぬけの殻だった。衛兵が村人に聞いた話では確かに赤子と乳母が住んでいたという。仕方なく付近を探すことにしたが、その時、待ち伏せしていた藍漪たちが現れた。藍漪は南梁睿を脅して居場所を吐かせるつもりだったが、南梁睿は何も知らないという。結局、双方は乱闘になり、南梁睿が暗器で藍漪の胸を刺したところで決着がついた。すると南梁睿は藍漪に太子が死んだと嘘をつくよう助言する。「天逸は不安の芽を摘み取りたいだけ、今でさえ太子は生死不明だ 小さな嘘で天逸を安心させ、あとで太子を探し出せばいいだろう? …事実を報告して信頼を失ってもいいのか?」三皇子の幕舎に捕虜となった浅月が現れた。浅月は死を覚悟して凛としていたが、三皇子は軍に配属して苦役をさせるという。すると着替えを済ませた浅月の元に三皇子が現れた。「この夜天逸が心から愛し、命をかけて守ると誓い、全てを捧げて追い求めた なのに容景を選び、次は軽染を選んだ、まるで私との月日などなかったかのようにな だがその結果は?このざまだ」「…時間が巻き戻せたとしても同じ選択をする、今世も来世もその次も、あなたは軽染に及ばないわ 私をいたぶって憂さ晴らし?ふっ、あなたはね、この世で最も哀れな人間よ 内心は劣等感でいっぱいだから、他人の者を奪って肯定するのね!」三皇子は憤慨したが、浅月が自分を挑発していると気づいて相手にするのをやめた。三皇子が浅月の天幕を出るとちょうど藍漪が戻って来た。すると藍漪は太子を片付けたと嘘をついてしまう。「でかした!これで皇帝の座まであと一歩だ…」藍漪は三皇子の喜ぶ顔を見て安堵したが、後ろめたさに苛まれた。浅月が洗濯していると藍漪が汚れ物を持ってやって来た。藍漪は哀れな浅月を嘲笑い、容景の寝所を温める侍女になった方が楽だろうと嫌味を言う。すると浅月はどうせなら夜天逸に取り入るとやり返した。藍漪は激怒、腹いせに太子を殺したと挑発してしまう。「嘘よ!」「嘘だと思うなら容景に確認するのね?」泣き崩れる浅月の姿を玉洛瑶(ギョクラクヨウ)が見ていた。すると上官茗玥(ジョウカンメイゲツ)が現れ、皇后の浅月さえこの有様なら、普通の女子の境遇は言うまでもないという。「再興は犠牲を伴う、死ぬのは皆、無力な民だけ…それこそが世子が再興をためらう理由だ」確かに玉洛瑤は浅月の姿に胸が痛んだが、淇(キ)国の再興をあきらめ切れなかった。しかし自分のやり方が夜天逸と何ら変わりないと上官茗月に指摘されてしまう。その夜、浅月は息子の長命鎖を握り締め涙に暮れた。思い詰めた浅月は短剣を手に容景の幕舎へ潜入、寝首をかこうとする。しかし目を覚ました容景に押し倒され、逆に取り押さえられた。「そんなに私が憎いのか?」「ええ、あなたのおかげで天真爛漫な雲浅月は死んだ…あなたが葬ったの 私が生きる目的は1つ、あなたの死を見届けることよ!」すると衛兵の呼びかけが聞こえた。「三皇子がお呼びです」容景はすぐに行くと答え、浅月を解放した。浅月は偶然、三皇子に会いに来た冷邵卓(レイショウタク)を見かけた。そこで天幕の影から様子をうかがうと、冷邵卓が三皇子を指示する大臣の名簿を渡している。「帝都へ進軍される際は我々が内部から援護を… 宮中で死んだはずの父は骨すらない、天聖が憎いのです! 殿下が挙兵されたと聞いて密かに根回ししておきました、殿下に忠誠を誓います」三皇子は冷王の死後から疎遠になっていた息子の訪問を訝しんでいたが、親の仇討ちと聞いて腑に落ちた。「冷王爺の仇は倍にして取ってやろう」「ところで20万の月岐軍はいつ到着で?」「近いうちに合流する」すると容景が反対した。大軍との合流はひと月もかかる上、これから難攻不落の城が続くことを考えるとさらに日数がかかるという。しかし今なら天聖の臣下も寝返りやすく、絶好の機会だ。「月岐の大軍を東西に分けて進軍させれば天聖の兵力を分散できます 殿下は5万の兵を率いて城を迂回して進めばいいでしょう、月岐軍は追って合流させては?」容景は準備していた進軍経路図を差し出すと、三皇子は容景の案で行くと決めた。思わぬ場所で再会した容景と冷邵卓。2人は相手の腹を探る時間もなく、それぞれの思惑のため動き始めた。一方、幕舎に戻った三皇子は藍漪と進軍図を確認し、勝利を確信する。「事が済めば用済みの犬は殺さねば…ふっ」三皇子は上機嫌で酒が飲みたくなったと言った。その時、浅月の声が聞こえてくる。「三殿下?衣服をお届けに来ました」藍漪は″三殿下″と呼ぶなど馴れ馴れしいと憤慨したが、三皇子はたかが奴隷に腹を立てるなとなだめた。藍漪が酒の準備で出て行くと、入れ違いで浅月が入って来た。浅月の目的は机の上にある進軍図、そこで他に用事がないか尋ね、時間を稼ぐ。つづく( ๑≧ꇴ≦)三皇子wwwどう見ても踊らされているのにw
2023.02.06
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皎若云间月 Bright as the moon第35話「仇同士の対決」容景(ヨウケイ)に密書を送り牽制した三皇子・夜天逸(ヤテンイツ)。すると目論見通り容景から接触してきた。「私の名を騙って兵馬を集め、国境を荒らしたな?」「ふっ、下手に動けば平城(ヘイジョウ)の民が巻き添えを食うぞ?」もはや淇(キ)国太子・容景が挙兵したのは周知の事実、今さらどんな言い訳も通らないだろう。そこで三皇子は容景が皇位簒奪に協力するなら、成功した暁には領地を与えると約束した。しかし容景は汚い行為に手を染めたくないと拒否、思い留まるよう警告して帰ってしまう。皇帝・夜軽染(ヤケイセン)は呪術による反噬(ハンゼイ)が悪化、ついに陣営で倒れた。一方、三皇子は破竹の勢いで越州から鳳凰関を越え平城へ到達、星野坡(セイヤハ)大営は反乱軍に包囲されてしまう。急報を受けた朝廷は対応に追われたが、今の朝廷に援軍を送る余裕などなかった。すると朝堂に皇后・雲浅月(ウンセンゲツ)が現れ、及び腰になった臣下たちを叱責、自ら夫を助けに行くと啖呵を切ってしまう。拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)は皇帝が劣勢と知り、想定外の事態に呆然となった。そこで慌てて侍女・阿烏(アウ)に月岐(ゲツキ)から薬材を取り寄せるよう命じる。一方、秦玉凝(シンギョクギョウ)も密かに平城へ出かけようとしていた。しかし屋敷に冷邵卓(レイショウタク)が駆けつけ、やみくもに動いても仇討ちどころか返り討ちに遭うと止める。「私を信じてくれ」実は冷邵卓にはある策があった。浅月は祖父の人脈で兵を集め、兄・南梁睿(ナンリョウエイ)と共に星野坡を目指した。しかし天聖陣営は敵に包囲されて半月、朝廷からの援軍も期待できず、夜軽染はついに覚悟を決める。「筆の用意を…容景に文を書く」一方、容景は三皇子の勢力が増していることを危惧し、対抗するには夜軽染と手を組むしかないと考えていた。すると皇帝から密書が届く。…明日、辰の刻に星野坡で…容景は玉洛瑤(ギョクラクヨウ)の反対をよそに独りで出かけると決めたが、なぜか胸騒ぎがしていた。翌日、星野坡で夜軽染と容景が対峙した。すると容景は丁重に拝礼し、説明の機会が欲しいと嘆願する。「今一度だけ私を信じてください…再興の意志など毛頭ありません、あれは夜天逸の軍です 野心に取りつかれ、民のことなど眼中にない、だが皇上と私が協力すれば食い止められます もう二度と荒野をさすらう淇国の悲劇を見たくありません 全ての民に安住の地を与えて頂きたい、血みどろの皇位争いなど無意味です」「もはや私にその時間はない、国と共に栄えるのではなく、国土と共に眠る…夜氏皇帝たる私の定めだ かくなる上は共に誓いを立て、今ここで決闘に臨む」夜軽染は生死をもって勝者を決めると言い放ち、宝剣を抜いた。皇后が援軍を連れて陣営に到着した。しかし皇帝は不在、何でも独りで容景に会いに行ってしまったという。驚いた浅月は南梁睿と一緒に探しに出かけたが、やがて激しい雨に見舞われた。すると裏山で戦う皇帝と容景の姿が見える。浅月はびしょ濡れの容景の背中を見ると、ふいに記憶がよみがえって頭が痛くなった。その背中はかつて自分を手ひどく捨て去った容景の後ろ姿、これが浅月の封じられた記憶の綻びとなってしまう。浅月は全てを思い出した。その時、容景が夜軽染から剣を奪い取り、突き付ける。「軽染っ!」浅月は慌てて駆け出したが、その姿に気づいた夜軽染は剣先をつかみ、自分の胸を突き刺してしまう。「皇上?!」「弱美人…そなたの勝ちだ…」容景は一体、何が起こったのか分からず呆然となった。すると背後から浅月の悲痛な叫び声が聞こえ、驚いて逃げ出してしまう。浅月は夜軽染を抱き起こした。「容景!待って!軽染を助けて!」しかし夜軽染は息も絶え絶えに浅月を止める。「いいんだ…最後に会えて良かった…少し休ませてくれ… 記憶が戻ったんだな?騙してすまなかった…私は卑怯な手を使い君をつなぎとめた… ほんのひと時の夢だったが、君といられた時間は生涯で最高の日々だった…恨まないでくれ… 命が尽きる前に最高に贅沢な夢を見られたんだ…後悔していない…」「あなたは私たち母子に居場所をくれた…死なないで…あなたが死んだらどうしたらいいの?!」「分かっていた…君の心の中にいるのは自分ではないと…全て思い出したのなら私に勝ち目はない… 君たちは来世で一緒になれるだろう、来世ではもう張り合わないよ…」すると夜軽染は葉倩に詫びを伝えて欲しいと頼み、愛する浅月の腕の中で事切れた。玉洛瑤は浅月に真実を伝えずに戻った容景を心配した。皇帝を殺したとなればただでは済むまい。しかし容景は浅月が弁明の機会をくれるとは到底、思えなかった。悲嘆の中にある人間は真実より現実の光景を信じるもの、例え命を差し出しても浅月の恨みは消えないだろう。浅月にとって今や容景は祖父と皇帝を殺した仇であり、今さら許しを乞える道理などなかった。「私にはやることがある…夜天逸に会う」翌朝、解毒薬を完成させた葉倩が陣営に駆けつけたが一足遅かった。葉倩は夜軽染の死に目にも会えず、棺にすがりつき悲しみに暮れる。「お願いよ、目を覚まして…私のものにならなくていい…自由にしてあげるから…」するとうたた寝していた浅月が目を覚まし、葉倩に寄り添った。「浅月、私が軽染を殺したの?天が私の呪いを聞きつけてその通りにしたのね…本心じゃなかった 死んで欲しいなんて本気で思うわけないのに…」葉倩は自分の横恋慕が原因だと嘆いた。しかし浅月は夜軽染の妻は葉倩だけだと慰める。「軽染は私を守ってくれただけ…実は…あの子の父親は容景なの 皇室の正統性に関わるからと極秘にせざるを得なかった…私たち母子のためだったの」「何てこと!…殺したのは私なの、全て私のせいよ!」葉倩は自分を許せないと取り乱し、副葬品の剣をつかんだ。そこへ慌てて南梁睿が駆けつけ、葉倩から剣を奪い取る。「時が解決する、残された者は生きて行くしかないんだ 自死などしたら、愛する者が苦しむぞ?!…バカな真似はするな」その頃、月岐王・拓跋業成(タクバツギョウセイ)は新帝の夜軽染が容景に討ち取られたと報告を受けていた。喜んだ業成は直ちに部隊を夜天逸に合流させ、一気に都を攻略するよう命じる。これで妹も月岐に戻るしかなくなるはず、業成は男なら他にいくらでもいると笑った。一方、三皇子の陣営でも皇帝の崩御を喜び、祝杯を挙げていた。すると突然、三皇子と袂を分かつはずの容景が現れる。容景は皇位に近づきつつある三皇子のため、美酒を差し入れに来たと言った。しかし三皇子はにわかに信じられない。「どういう風の吹き回しか…公明正大な景世子は人が変わったか?」つづく
2023.02.06
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皎若云间月 Bright as the moon第34話「虎符の威力」東坪(トウヘイ)村からの帰り道、雲浅月(ウンセンゲツ)は運悪く草むらで蛇に咬まれた。すると容景(ヨウケイ)がその場で浅月の足から毒を吸い出してくれる。「前にも同じようなことがあった?」「…娘娘、先を急ぎましょう」容景は浅月を背負い、月明かりの中を歩き始めた。浅月は自分のせいで容景の妻に心配をかけたのではないかと聞いた。しかし容景はまだ結婚していないという。「あなたのような立派な才人にはとっくに妻がいるものだけれど、好きな人はいるの?」「います、しかし私たちの縁は幻と消え去り、もう戻らないのです」「安心して、宮中に戻ったら皇上に頼んで結婚を取り持ってあげる」「…感謝します、娘娘」「感謝するのは私のほうよ、ここは宮中じゃないから浅月と呼んで」「浅月…」容景は久しぶりに愛しい人の名を呼び、一時だけの幸せを噛みしめた。皇帝は浅月と太子を見つけられず、悶々とした夜を過ごしていた。すると急に激しく咳き込み、胸が苦しくなる。驚いた太監は急いで太医を呼んだが、太監は原因が分からず、心配事のせいだと言った。しかし皇帝は呪術の代償だと知っている。「朕は大丈夫だ…今のところはな」容景は浅月に早く休むよう告げ、寝所を出た。…このまま2人で穏やかに暮らし、離れずにいられたら… ←( ̄▽ ̄;)何言ってんだかwするとその夜、浅月の部屋から叫び声が聞こえ、容景は慌てて駆けつけた。「浅月!…どうしたんだ?」←( ̄◇ ̄;)いやどうしたもこうしたも…「夢を見たの…私は見知らぬ林の中にいて、誰かに向かって叫んでいたわ ″行かないで!戻って来て!″と…けれど置いて行かれてしまった」←( ๑≧ꇴ≦)目の前目の前!浅月は夢とは思えないほど骨身に滲みる痛みだと訴え、実は雷が鳴る夜にはいつも同じ夢を見てうなされているという。良心が咎める容景、しかしそんな辛い夢など忘れた方がいいとなだめるしかなかった。拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)は浅月を心配して苦しむ皇帝の姿を見ていた。すると侍女・阿烏(アウ)がどうやら呪術に身体をむしばまれ始めたようだという。「だから何?…あの人が望んだことよ」その夜、密かに皇后を探させていた貴妃の密偵が戻った。実は皇后が容景と同じ部屋にいるのを見たという。「本当?!呪術さえあの2人を引き裂けなかったのね…知らせるのが楽しみだわ」三皇子は月岐(ゲツキ)の新王・拓跋業成(タクバツギョウセイ)を訪ねた。しかし名声をとどろかせた三皇子も今やただの落人、業成は歯牙にも掛けない。すると三皇子は虎符を掲げた。「私の手中にあるのが西南の5鎮3州にいる10万の驃騎(ヒョウキ)軍だったら?」三皇子は宰相から虎符を奪ったと教え、藍漪(ランイ)は自分が宰相を殺したと罪を被る。衝撃のあまり腰が抜けたように王座に戻った業成、実は天聖(テンセイ)の宰相は20年も朝廷に潜入してきた月岐の忠臣だった。何も知らなかった三皇子は謝罪し、今ここで自分たちを殺しても気晴らしにしかならないという。「それより手を組んだほうが得策では?…この虎符を使い天聖に大波を起こすのです」業成は確かに座して漁夫の利を得られると気づき、三皇子を支えると約束した。陳柳が皇后の消息をつかみ、皇帝を連れて山荘へ向かった。しかし道中で陳柳はあらかじめ村人から聞いた耳の痛い話を伝えておく。実は皇后が容景と同じ家に住み、周りには夫婦と称していた。一方、容景は浅月のために自慢の芙蓉(フヨウ)焼魚を振る舞っていた。「美味しそう!」「お待ちを…小骨が多いので私が取り分けましょう」浅月はふと以前にも誰かが同じように骨を取ってくれたことを思い出したが、急にめまいに襲われてしまう。すると記憶が蘇る浅月に呼応するかのように皇帝の身体にも異変が現れた。再び胸を押さえて咳き込む皇帝、するとついに喀血してしまう。突然、山荘に弦歌が現れた。実は三皇子が容景の名を記した旗で反乱を起こし、閣主が探しているという。しかも皇帝が皇后を探しに近くまで来ていた。「ここにいたら危ない!」やがて皇帝は山荘へ到着した。庭には容景の書き置きがあり、急用のため帰るとある。すると目を覚ました浅月が現れた。「やっと見つけた!探し回ったぞ?!なぜこんな所に?!」皇帝は浅月が自分に何も言わず出かけたことに深く傷ついていたが、こうして元気な姿を見た途端、全て吹っ飛んでしまう。「ところでここは?独りかい?」「危ないところを容景に助けられ、捜索にも協力してくれました…どこへ行ったのかしら?」浅月は容景の記憶がなかったが、なぜか懐かしい気がすると言った。驚いた皇帝は再び咳き込みながら、浅月を失いそうで怖くなってしまう。「私のそばにいてくれ!…君がいない間、心がかきむしられるようで地獄だった、皇宮に帰ろう」浅月は息子が気がかりだったが、皇帝は国を挙げて捜索していると安心させた。「でも、何も言わずに帰ったら容景が心配しないかしら?」「…連絡しておくよ」浅月は皇帝と馬に乗って出発、その姿を密かに見届けた容景も山荘をあとにした。葉倩は皇帝が浅月と容景の密通現場を見ていないと知って落胆した。しかし皇帝は体調が悪そうだという。「阿烏、一緒に来て、嫉妬に苦しむ皇上を見たいわ」葉倩はちょうど回廊で物思いにふけっている皇帝を見つけ、挑発した。「皇上、怖いのですか?過去の愛情が再燃し、大切な人をまた失ってしまうことが… 可哀想な人、今の皇上は嫉妬に駆られ、怒りと悲しみにあふれていらっしゃる 皇上が私に味わせた苦しみを今こそお返しするわ!…公平でしょう?」苦々しい顔で葉倩を睨みつける皇帝、しかしそこへ急報が飛び込んだ。国境に5万の軍が攻め込み、城と関所を陥落、平城(ヘイジョウ)に向かっているという。「太子と称する者が淇国再興を掲げています!」「容景…またあいつか」平城は帝都最大の防衛戦、陥落すれば天聖の危機だった。皇帝は自ら出征すると決めた。三皇子は苦労して落とした城をあえて容景に渡すと決め、いずれ容景と夜軽染が対峙し、共倒れするのを待つ。一方、寝宮に戻った葉倩は地図で平城の場所を確認していた。「きっとしばらく帰れないわね…」しかし阿烏は順調に行けば来年の秋頃には戻れそうだと聞いたという。「出発は明日です、陛下にご挨拶に行きますか?」「私には関係ないわ、戦死したとしても涙も出ないわよ…」皇帝は出征を明日に控え、その夜、栄華宮を訪ねた。すべて計画通り順調だったが、皇帝は自分の心には常に不安があると漏らす。「朕が皇帝の器にあらず、民の期待に背いたゆえ、この状況を招いたのかも… 世は乱れ民も苦しんでいる」浅月は皇帝が即位以来、民のため善政を敷いていると称賛し、この反乱は野心を抱く一部の問題だと否定した。「勝利を信じ、ご帰還を待ちます」すると皇帝は戦場へ持っていくため、浅月の絵を描きたいと頼んだ。容景のもとに三皇子から密書が届いた。…申の刻、白虹嶺(ハクコウレイ)にて天下を分けん…その夜、容景は雨の中、独り亭に立った。平城に行けば生きて戻れるかどうか分からない。…浅月、今生の縁は切れたが、出会えたことを天に感謝している…お別れだ、君のために最後の簫を吹かせて欲しい ←( ̄◇ ̄;)いや聞いてないから浅月は自分の肖像画を見たいと頼んだが、皇帝は見せてくれなかった。すると浅月が絵を奪おうとして2人は揉み合いになる。皇帝は転びそうになった浅月を引き寄せると、そのまま口づけしようとした。しかし浅月はなぜか簫の音を思い出し、ふいにめまいに襲われてしまう。←( °◊° )聞こえたw「…皇上、明日は早朝のご出発です、早くお休みください」「戦場では何が起こるか分からぬ、帰ってこられるかどうかも…」「やめて…必ず大勝してご帰還ください」浅月は一緒に太子を見つける約束だと訴え、夫も息子も失うことがあってはならないと言った。「そうだ、少しの間、離れるだけだ、朕と君は一生を誓ったのだから」「一生を誓った?」「そうだ、一生を誓ったんだ」皇帝は大軍を率いて出発した。一方、秦玉凝(シンギョクギョウ)は冷邵卓(レイショウタク)から三皇子が虎符を奪って月岐に向かったと聞く。「…天の果てに逃げようと必ず見つけ出す!」つづく( ๑≧ꇴ≦)佳境に入ってまいりました!果たして平城で全滅なのか?どうなる?!
2023.01.29
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皎若云间月 Bright as the moon第33話「情念を断ち切る呪術」秦玉凝(シンギョクギョウ)は殺された父を埋葬し、悲しみに暮れた。「父上、申し訳ありません…」玉凝は父の忠告に耳を貸さなかったことを悔やみ、涙ながらに必ず敵を討つと誓う。一方、広明(コウメイ)宮では毒虫を使った呪薬が完成していた。すると貴妃・拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)は残った薬剤を全部、処分するよう命じる。侍女・阿烏(アウ)は薬剤を残しておかなければ術が解けなくなると驚いたが、葉倩は皇帝に退路など残さないと言い放った。その夜、皇帝・夜軽染(ヤケイセン)は眠っている雲浅月(ウンセンゲツ)に呪術を使い、お揃いの指輪をはめておいた。すると翌朝、目を覚ました浅月は本当に辛い記憶だけ失くしている。「軽染?どうして…」「私は夫君だろう?君は皇后になったんだ」一方、三皇子・夜天逸(ヤテンイツ)は宰相の虎符を使い、軍営を掌握していた。兵士たちは三皇子に丸め込まれ、宰相は暗君の手で無惨な最期を遂げたと信じてしまう。浅月はなぜ自分が皇后となり、皇子まで出産することになったのか分からなかった。「私たちはだたの幼なじみだったはずです、なぜ夫婦に?」「幼なじみが結婚する話はよくあるだろう?」「でも私たちの間に情はありませんでした」浅月は何か重要なことを忘れていると感じたが、皇帝は病を患ったせいだと嘘をつき、いずれ記憶が戻ると安心させる。しかし念のため側仕えの彩蓮(サイレン)を呼び出し、浅月から辛い記憶を忘れさせたと教え、失言しないよう釘を刺した。三皇子は辺境で3つの城を落とした。ちょうど墨閣(ボッカク)が密かに兵を集めていたため、皇帝は容景(ヨウケイ)の仕業だと誤解するだろう。しかし月岐(ゲツキ)からはまだ何の音沙汰もなかった。一方、上官茗月(ジョウカンメイゲツ)も玉洛瑤(ギョクラクヨウ)が世子の意に反して未だ兵を集めていると知り、問い詰めていた。玉洛瑤は太子のためだと正当化したが、上官茗月は閣主が婚約の履行を期待して躍起になっているとしか思えない。「あなたの太子に対する感情は臣下の分を超えている」このままでは敵の思うつぼ、上官茗月は夜天逸が自らの反乱を容景のせいにしようとしていると警告しておいた。雲王府では祖父を失った寂しさから香荷(コウカ)が酔って南梁睿(ナンリョウエイ)にからんでいた。「一緒に苦難を乗り越えてきた仲じゃない~ほんの少しでも私を好きだと思ったりしない?」南梁睿は仕方なく実は浅月の双子の兄だと明かした。双子は不吉だという言い伝えのせいで密かに南梁で育てられたという。香荷は呆然、なぜ自分だけ縁に恵まれないのかと嘆いた。浅月は穏やかな日常を取り戻した。皇帝は浅月と太子と親子3人で仲睦まじく暮らせるようになったが、未だ夫婦の情は結べずにいる。そんなある日、淇(キ)国太子を称した容景が兵を集め、各地で挑発行為を行っているという情報が届いた。皇帝が国事で忙しくなる中、葉倩はその隙に何食わぬ顔で栄華宮を訪ね、浅月を散策に連れ出してしまう。そこで葉倩はそれとなく夜天逸や容景の話を持ち出したが、浅月は容景のことを覚えていなかった。浅月が寝宮に戻ると、乳母が血相を変えてやって来た。「殿下がいなくなりました!」運悪く皇帝は軍営に出かけ、戻るのは明日だという。すると宮殿の裏手で太子のおくるみが発見され、中から太子の長命鎖と書き置きが出て来た。…城郭の南側へ…翌日、宮中へ戻った皇帝は浅月が独りで太子を探しに行ったと知り激高した。彩蓮は賊が皇后を指名したため仕方なかったと証言、今はとにかく2人の救出に注力すべきだと進言する。「ギギギ…今はまだ首をつなげておいてやる! あらゆる場所をしらみつぶしに探せ!決して手抜かりがあってはならぬぞ!」そこで彩蓮は密かに弦歌(ゲンカ)と接触、容景を頼った。事情を聞いた容景は相手の要求が分からないうちは公表しないよう指示し、浅月を迎えに行くと言ってくれる。「世子、その前にお伝えしなければならないことが…実は娘娘は世子のことを覚えていません」一方、皇帝も自ら捜索に向かうと決めた。陳柳(チンリュウ)は御林軍と禁軍で探せばすぐ見つかるとなだめたが、皇帝は独りで待っていられないという。その頃、浅月は息子を抱いて逃げる賊の姿を見つけ、必死に追いかけていた。罠とも知らず崖に誘き出された浅月、その時、太子を連れた賊が背後から忍び寄り、突然、皇后を突き落としてしまう。阿烏が待っていると太子を抱いた賊が戻って来た。「うまく行ったわね、絶対に死んだはずよ」「もし一命を取り留めていたとしても、3日ももたないだろう」阿烏は無垢な太子の寝顔を見ながら、これも皇后が自分で蒔いた種だとつぶやいた。浅月を探していた容景は崖で赤子が身につける長命鎖を拾った。そこで急いで谷へ降りてみると、まだ雪が残る極寒の池で倒れている浅月を発見する。「はっ!浅月!」容景はかつて浅月と2人で暮らした山荘に避難した。やがて浅月は目を覚ましたが、彩蓮の話していた通り容景を覚えていない。「池に倒れていたからここに運んだ」「ありがとうございます…であなたは…」「浅月?…私は容景だ、分からないのか?」「容景…ああ~思い出した、あなたが景世子ね、宮中で噂は聞いていたけれど、会うのは初めてね」容景は衝撃のあまり顔を背け、涙をこらえた。すると浅月は枕元にあった長明鎖に気付き、息子を探しに来たことを思い出す。「そうよ、悪人があの子をさらい、私を死地に追いやろうとしたんだわ… お願いです、息子を探すのを手伝ってもらえませんか?」「ご安心を、全力を尽くして探します」浅月と容景は早速、太子を探しに出かけた。手がかりは何もなかったが、容景は太子がまだ赤子のため、どこかの村に預けられた可能性が高いという。すると翌日の雨のせいで山道に馬の足跡が残っていた。2人が足跡をたどって行くと、やがて東坪(トウヘイ)村に到着する。そこで浅月は村人に怪しまれないよう夫婦を装って欲しいと頼んだ。容景は浅月から夫婦という言葉を聞き、今にも胸が張り裂けんばかりになる。…浅月、できることなら君を傷つけたくなかった…このまま普通の夫婦として遠くに行き、平々凡々に暮らせたらどんなに幸せなことか浅月は村人に子供の腹掛けを譲って欲しいと頼んだ。実は子供が病弱で100枚の布を集めて服を作れば健康になれると聞いたという。すると同情した村人は快諾し、子供がいる家を回ってくれた。しかし太子らしい赤子は見つからず、2人は山荘に戻って策を考えることにする。一方、玉洛瑤は姿が見えない容景を怪しみ、弦歌に詰め寄っていた。弦歌は外出した理由も行き先も知らないとごまかしたが、実は夜天逸が墨閣の名を騙って反乱を起こすつもりだと知る。「一刻の猶予もないの!」驚いた弦歌は仕方なく容景が雲郡主の太子を探していると白状した。つづく( ̄▽ ̄;)阿烏、悪人顔sugi容景はまた未練がましいこと言ってるし…いや~ますます目が離せませんな ←え?w
2023.01.29
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皎若云间月 Bright as the moon第32話「皇子の誘拐」皇帝・夜軽染(ヤケイセン)はついに容景(ヨウケイ)を捕え、投獄した。しかし雲浅月(ウンセンゲツ)から尾行したことを咎められてしまう。皇帝は浅月を守るためだったと釈明したが、まだ容景への情が残っているのかと心配になった。すると浅月は容景を許すことなどできないという。「ただこれは私と容景2人の間の怨恨です、私にも考えが…」翌朝、玉洛瑤(ギョクラクヨウ)は容景がまだ戻って来ないと聞いた。恐らく浅月に呼び出され捕まったのだろう。玉洛瑤は墨閣(ボッカク)を率いて乗り込むことにしたが、ちょうど出かけていた上官茗月(ジョウカンメイゲツ)が戻って来た。「私に策がある」すると上官茗月は単身で雲王府に潜入、ちょうど独りで皇子をあやしていた香荷(コウカ)の気を失わせ、皇子をさらってしまう。一方、冷邵卓(レイショウタク)は宰相に呼び出され、急いで屋敷を訪ねた。何でも秦玉凝(シンギョクギョウ)が数日前から消えたまま連絡もないという。冷邵卓は自分と別れた後に事件に巻き込まれたのだと気づき、必ず連れ戻すと約束した。浅月は皇子が誘拐されたと知り、悲しみと絶望のあまり絶叫した。皇帝は必ず見つけると約束したが、その時、屋敷の屋根に皇子を抱いた上官茗月が現れる。「皇后娘娘、太子殿下を傷つけるつもりない、景世子を無事に返してくれるなら…」浅月は息子を取引材料にした上官茗月を激しく非難したが、上官茗月は浅月が先に世子を誘惑して呼び出したと言い返した。皇帝は仕方なく容景の釈放を決め、約束通り城門を出た。解放された容景は城門の前で待っていた玉洛瑤から皇子を受け取ると、自ら浅月に返しに戻る。しかし容景はすぐ手放さず、赤子を見て目を細めた。「…皇上と娘娘のお子は実に美しい」「卑怯者」息子を取り戻した浅月は激しい憎悪を湛えた目で容景を睨みつけ、皇帝と帰って行った。隠れ家に戻った容景は子供を人質にした玉洛瑤を非難した。「私は自分の意思で行ったのだ」「あの女に情はなく、殿下の死さえ望んでいます、でなければなぜ他の男の子供を?!」すると玉洛瑤は呆れて出て行ってしまう。一方、冷邵卓は闇社会に詳しい男に大金を渡し、秦玉凝を探させていた。やがて居場所が判明、男たちに弄ばれ、ボロボロになった玉凝を発見する。冷邵卓は傷ついた玉凝を屋敷へ送り届けたが、何と言葉をかけて良いのか分からなかった。「…思い詰めるなよ」「ありがとう」皇帝は安全な皇宮へ戻ろうと浅月を説得していた。しかし浅月はこのまま雲王府にいたいと拒否、皇帝を無下に追い返してしまう。彩蓮(サイレン)はさすがに皇帝に冷たいと諫言した。「…皇上は私たちを受け入れてくれた だから私は生涯をかけ雲家の力で国を守るつもり、でも他には何もあげられない… ずっと失望させるくらいなら、最初から希望を持たせない方がいい この機会にこのまま皇宮の外で凌(リョウ)児を育てたいの」その話を偶然、香荷が聞いていた。香荷は皇帝と浅月の関係が容易でないと知った。しかし夫として最適なのは皇帝だと考え、何とか浅月を連れて帰るよう皇帝に進言する。「このままでは毎日、屋敷に閉じこもって涙を流すだけ… 環境を変えて陛下のお心に触れれば少しは楽になるでしょう」秦玉凝は気持ちが落ち着いてから父を探した。すると娘を心配してすっかりやつれた父の姿を見つける。玉凝は嗚咽が漏れないよう口をふさぎ、涙をこらえてから父に声をかけた。「爹(ディェ)…帰りました」「(はっ)帰ったか!何も言わずに出て行くなんて…一体どこへ行っていたのだ?」「それは聞かないで、とにかく二度としないと約束します」そんなある日、浅月は皇帝が胸痛で水も飲めないらしいと聞き及び、慌てて皇宮に戻った。皇帝は浅月が駆けつけてくれたことを喜び、ここに残るよう頼む。皇后が里帰りしたまま帰らないと分かれば不仲だと噂が立ち、政(マツリゴト)にも影響が出るだろう。浅月は宮中の生活になじめないと困惑したが、皇帝はせめて数日だけも留まって欲しいと頼んだ。「分かりました、では皇上の病が良くなるまで残ります」秦玉凝は身体に残った傷を見るたび胸が痛んだ。そこへ突然、三皇子・夜天逸(ヤテンイツ)が現れる。「虎符を取りに来た、容景と軽染の関係が破綻した今が好機だ」「虎符?」玉凝は唖然となった。てっきり自分の身を案じて会いに来たのかと思えば、この数日どこにいたのかも聞かず虎符を寄越せという。「一番必要な時にあなたはいなかった…」「くだらないことは後回しだ」「…くだらない?私がどんな辱めを受けたか知っているの?!」玉凝は思わず胸元をはだけて痣を出したが、三皇子は見向きもしなかった。ようやく自分がただの捨て駒だったと気づいた玉凝は激怒、きっぱり縁を切ると宣言する。「出て行って!」「大人しく協力しろ、でないと力ずくで奪うことになる」「そう、やってみたら?」すると三皇子は玉凝の気を失わせ連れ去った。↓目をつぶって嵐が去るのをひたすら待つ三皇子www秦玉凝が目を覚ますと、荒れ廟で椅子に縛られていた。すると窓際で外を見ていた三皇子が心配せずとも迎えが来るという。「ろくな死に方しないわよ!」「得るものを得ぬまま生きていて何になる?」その時、三皇子の脅迫状を読んだ宰相が慌ててやって来た。秦玉凝は父にすぐ逃げるよう訴え、決して虎符を渡してはならないと叫んだ。しかし藍漪(ランイ)が玉凝の肩に剣を突き刺してしまう。驚いた宰相は一人娘を救うため袂から虎符を出したが、再び挙兵して血の雨を降らせるつもりならやめろと諌めた。すると三皇子は宰相を刺し殺し、虎符を奪ってしまう。「天下は私のものだ…」玉凝は衝撃のあまり三皇子を殺すとわめいた。憤慨した藍漪は玉凝も殺そうとしたが、三皇子が止める。「生かしてやれ」浅月は栄華宮に戻ったが、鬱々とした日々を送っていた。隠衛の将軍・陳柳(チンリュウ)は今日も皇后の様子に変わりはないと皇帝に報告、太医の見立てでも鬱証だという。皇帝はふと浅月が火事で全ての記憶を失ったことを思い出し、苦痛の記憶も消せないものかと嘆いた。すると陳柳が月岐(ゲツキ)に毒虫を使って情念を断ち切る呪術があると進言する。「貴妃娘娘ならご存知なのでは?」その夜、どういう風の吹き回しか皇帝が広明宮に現れた。すると皇帝は拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)の手を握りしめ、毒虫を操れるなら情念を断ち切る呪術も使えるのかと聞く。葉倩はすぐ浅月のためだと気づき憤慨したが、それほど浅月を深く想っているのだと身に沁みた。「…嫌なら別にいい」皇帝は諦めて帰ることにしたが、葉倩は最後に皇帝の覚悟を確かめることにする。「やってもいいわ、でも術を依頼した者には悲惨な代償がついて回ります 相手が過去を思い出したら、五臓六腑が腐って死ぬのですよ?」「…どんな代償も私は受けて立つ」「分かりました」つづく( ̄◇ ̄;)これ…いわゆる死にゲー?
2023.01.23
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皎若云间月 Bright as the moon第31話「さらなる濡れ衣」息子を連れて里帰りした雲浅月(ウンセンゲツ)。しかし祖父は孫への贈り物を買いに行ったきり戻って来なかった。香荷(コウカ)は確かに遅すぎると気づいたが、そこへ使用人が慌てて駆け込んでくる。「王爺(ワンイェ)が大変です!」雲王府に傷だらけの御者が戻ってきた。御者の話では馬車を何者かに奪われ、雲王が連れ去られたという。しかし御者はすぐ気絶してしまい、詳しい話は分からなかった。雲王への復讐のため王府を探っていた容景(ヨウケイ)は思いがけず雲王がさらわれたと知った。仕方なく出直すことにしたが、隠れ家の後巷玉(コウコウギョク)府の前に馬車が乗り捨てられている。弦歌(ゲンカ)が中を確認すると、驚いたことに気を失った雲王がいた。秦玉凝(シンギョクギョウ)は三皇子の指示で雲王を連れ去り、容景の隠れ家に放置した。手を貸した冷邵卓(レイショウタク)は三皇子に利用されているだけだと警告したが、復讐にとらわれた玉凝の耳には届かない。「楽しい里帰りの最中に祖父が最愛の人の手にかかって死ぬなんてね…ふっ 今度こそあの男にたっぷりお返しができそうだ」その頃、冷邵卓の手配で雲王府に矢文が放たれた。文には″後巷玉府″とだけ書いてある。浅月は後巷玉府が玉家の廃屋で、昔はごろつきがねぐらにしていた場所だと知っていた。雲王が目を覚ますと、目の前に容景が立っていた。「王爺、慕容一族を虐殺したのは何ゆえだ?…真実が知りたい」「慕容家は投降を装って実際は淇(キ)国再興を目論んでいた… 成敗するのは当然のこと、恥じることはない」雲王は自分が全て引き受けると覚悟し、容景と淇国の民たちの気が済むならば自分を殺してくれと言った。しかし容景はふと違和感を感じる。雲王は豪放磊落(ゴウホウライラク)だが簡単に命を捨てるはずがない。「何か裏があるな?」すると雲王は急に高笑いした。「長く生きていると多様な人物に出会うが、その中で龍の風格を持つ者は2人だけだ 1人は新帝、もう1人はそなただ…淇国太子よ」雲王は容景が淇国太子だと知っていた。確かに淇国の滅亡も慕容家の惨殺も正義とは言えないが、聡明な太子なら気づいているだろう。どんなに恨んでも不満を抱えても、時を戻すことはできない。たとえ一時の是非を正したとしても報復の応酬は終わらないだろう。「天聖の過ちを私が償うことができるなら、それこそ本望だ」雲王は自分を犠牲にして怨恨を終わらせる覚悟だったが、その時、激しく血を吐いて倒れた。「王爺!どうしました?!王爺!」「わしはもうだめじゃ…唯一の気がかりは浅月のこと…2人に縁があったらまた一緒になるが良い その時は墓に酒を…そうすればあの世にも知らせが届き、安心できる…」すると雲王は容景の目の前で息絶えてしまう。実は秦玉凝は雲王が馬車で気を失っている時、先手を打って毒針を使っていた。浅月と南梁睿(ナンリョウエイ)は後巷玉府に到着、手分けして屋敷を捜索した。やがて浅月は祖父と容景を発見したが、祖父はすでに絶命したと知る。突然の別れに祖父に抱きついて絶叫する浅月、容景は自分ではないと否定しようとしたが、その時、玉洛瑤(ギョクラクヨウ)たちが現れた。容景はこれで復讐を止めるためにも自分が殺したと嘘をつき、官兵が来る前に去ってしまう。すると遅れて南梁睿がやって来た。「爺爺…」その夜、雲王府は悲しみに包まれた。浅月は食事も取らず、ただ黙って祖父の棺に付き添っている。香荷は浅月の身を案じたが、南梁睿は妹の心痛を思うと声をかけられなかった。すると昏睡していた御者がついに目を覚まし、南梁睿は祖父をさらったのが秦玉凝だと知る。一方、官兵は容景たちを取り逃していた。秦玉凝は落胆したが、三皇子へ報告に行くため冷邵卓とは大街で別れる。しかし玉凝は突然、背後から襲われ、気を失った。秦玉凝は顔に水を浴びせられ、驚いて目を覚ました。見知らぬ部屋で拘束された玉凝、すると南梁睿がいる。「誰かと思えば…ふっ、雲浅月の取り巻きか」「誰の差し金だ?」「容景以外に誰がいると?」「お前が容景をはめたのか?」「最愛の男が最愛の肉親を殺した…この結末はお気に召したか?ふっ、面白くなりそうだ 容景は雲王が慕容家を潰したと知った、このあと狙うのは雲浅月だろうな~ 全て話したぞ、縄をとけ」玉凝は宰相の娘に手出しなどできないと高を括っていた。しかし玉凝がいる場所は望春楼(ボウシュンロウ)より遥かに悲惨な場所だという。「今日からここで死ぬほど踏みにじられるがいい…」南梁睿が出ていくと、そこへ荒くれ者の男たちが入って来た。翌朝、皇帝・夜軽染(ヤケイセン)は雲王府を訪ねた。憔悴した浅月を心配した皇帝は皇宮に帰ろうと言ったが、浅月はどうしてもこのまま残って祖父を見送りたいという。皇帝は仕方なく隠衛に雲王府の警固を任せ、帰ることにした。南梁睿が王府に戻ると、浅月はまだ独りで棺に付き添っていた。すると兄に気づいた浅月は自分のせいで祖父が死んでしまったと漏らす。南梁睿は浅月とは無関係だと訴え、実は祖父が慕容家の虐殺に関わっていたせいだと説明した。「復讐だった、奴はお前にも危害を加えるやも…」「…哥、独りにして」南梁睿は仕方なく出て行くことにしたが、秦玉凝のことは明かさなかった。彩蓮(サイレン)は林の中で鳴り矢を放った。するとしばらくして弦歌がやって来る。実は弦歌は彩蓮と別れる時、何かあったら自分の弓を放ち、この場所で待つよう伝えていた。再会を喜ぶ弦歌だったが、彩蓮は主が敵同士となった今、自分たちの関係もこれで終わりだという。「小姐(シャオジェ)からの預かり物を届けにきたの」彩蓮は小さな荷物を絃歌に託すと、後ろ髪を引かれる思いで帰って行った。弦歌は急いで主に荷物を届けた。容景はちょうど玉洛瑤と一緒にいたが、怪しまれないようその場で箱を開けてみる。すると中には浅月の髪の毛と手紙が入っていた。「殿下、もう後戻りはできませんよ?」玉洛瑤は警告したが、容景は結局、その夜、密かに隠れ家を出て行ってしまう。…薪を結び束ねれば 三星 天に在り…今宵 君と初めて会ったかの地にて見(マミ)えん容景が竹林で簫を吹いていると剣を携えた浅月がやって来た。「教えて、私に近づいたのは慕容家の事件を調べるため?」「そうだ」「私に殺されると分かっているのに来たのね?」「分かっていた、だがまだ説明していないことがある… 昔、ある少女が私を救ってくれた、その少女をずっと探し続けてきた 目に浮かぶのは下弦の月のような眉目、泉のごとく清らかな笑顔…何年もの間、心に刻みつけてきた 運命はかくも人生を翻弄する、許されない愛と分かっていても、もがくほど深みにはまって行く 感情には抗えなかった、結局、自らのせいで罰を受けることに…」「罰ですって?…笑わせないで、利用して捨てた者が自らの罰を語る資格などない 容景、まさかあなたのよう男を愛するなんて思いもよらなかった、バカだったわ 裏切られ、利用され、捨てられてようやく自分の愚かさに気づくなんて… 私への仕打ちはいい、でもなぜ家族の命まで?!」「浅月…」「浅月なんて呼ばないで!汚らわしい!」浅月は代償を払ってもらうと迫り、容景の首に剣を突きつけた。剣先は容景の首の皮をわずかに切り裂いたが、その時、隠衛たちが駆けつけ2人を包囲する。すると皇帝が現れ、容景を捕えろと命じた。容景の牢に皇帝が現れた。皇帝は容景をすぐ殺さず、まずは地獄の苦しみを味わわせると脅す。しかし浅月と一緒になれたもの容景のおかげ、皇帝は感謝していると言った。「そなたの不実のおかげで浅月は目を覚まし、朕は恋焦がれた女子を皇后とすることができた」つづく( ̄▽ ̄;)何という展開…これは脱落者、続出でしょうか?弦歌だけは裏切らないで欲しいわ
2023.01.22
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皎若云间月 Bright as the moon第30話「慕容家断絶の証人」皇帝の愛を得られず苦しむ貴妃・拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)。主の苦悩に心を痛めた侍女・阿烏(アウ)は皇后さえ消えてくれればと思いつめた。そこで宮女に栄華宮へ菓子を届けるよう頼む。「上手くいけば貴妃娘娘が家族の面倒を見てくれる、決して人に知られぬように…」栄華宮に皇帝からの差し入れが届いた。しかし雲浅月(ウンセンゲツ)はつわりで食欲がなく、偶然、遊びに来ていた軽暖(ケイダン)公主が菓子を食べてしまう。軽暖は急に腹痛に襲われ、驚いた浅月はすぐ太医を呼んだ。太医の見立てでは夾竹桃(キョウチクトウ)の毒の症状で、幸い少量だったので公主は数日で回復するという。「実は菓子には桂枝(ケイシ)も混ざっていました 同時に摂取すると妊婦なら流産の可能性が…また場合によっては死に至ります」皇帝・夜軽染(ヤケイセン)は菓子を運んだ宮女を捕えた。拷問を恐れた宮女は阿烏に頼まれたと白状、皇帝は当然、葉倩も関わっていると疑う。そんな騒ぎの中、ついに浅月が産気づき、皇子を出産した。一方、越(エツ)州を離れた三皇子・夜天逸(ヤテンイツ)は秦玉凝(シンギョクギョウ)の父である丞相を引き込もうと藍漪(ランイ)を使いに出した。秦家は確かに夜一族に忠誠を誓った家臣だが、今や新帝から冷遇され、娘は些細な罪で投獄、恐らく丞相の心も揺らいでいるだろう。しかし丞相は夜一族の賢明な主君に付き従うことに迷いはないと断言、藍漪を追い返した。「今は女に惑わされているだけ、いずれ目を覚まし、再び秦家を必要としてくださる!」夜天逸は丞相が断ったと聞いても驚かなかった。長年、朝廷に仕える古狸なら勝算のない戦いに手を貸さぬのも頷ける。そこで丞相の弱点を突くことにした。阿烏は収監され、葉倩は広明宮に禁足となった。すると怒り心頭の皇帝が現れる。葉倩は阿烏の命乞いをしたが、皇帝は葉倩の指示だと疑っていた。「ここまでするとは…お前の兄は以前から関外の要路を狙っている だがお前のためにことを荒立てずにいた…その結果がこれか?恩知らずめ! お前は兄への冷遇を疑って抗議して来た、それで浅月への嫉妬心に火がついたのだな?!」「皇上!…確かに浅月に嫉妬しました、何度も殺したいと思った でもあなたに憎まれるようなこと、できるはずがありません! どうかお願いです、阿烏をお許しください!」葉倩は皇帝の足にしがみつき、宮中で唯一の家族である阿烏を見逃して欲しいと泣きついた。しかし皇帝はあと1刻足らずで死刑が執行されると教える。その時、皇后の使いが駆けつけた。礼部から皇子の名前の候補が届き、相談したいという。「それから過ちを赦(ユル)すよう陛下にお伝えせよと…」「さすが浅月だ…お前を気にかけるとはな」皇帝は浅月の気持ちを汲んで栄華宮へ戻った。すると浅月は″上り詰める″という意味を持つ″凌(リョウ)″という字を選ぶ。皇太后も良い名前だと喜び、皇子は夜凌と名づけられた。しかし早産を装ったせいで不義の子ゆえかと憶測が流れ、夜軽染の即位の正当性にまで疑問を抱く声があがる。冷邵卓(レイショウタク)から話を聞いた丞相思わず笑顔になり、皇后の子供が吉と出るか凶と出るか分からないとほのめかした。大臣たちが栄華宮で嘆願を始めた。皇室の血統は国の根幹に関わること、間違いがあってはならない。「皇上、赤子が皇室の血統ではない証拠がございます 出産から逆算すれば懐妊の時期は分かります、皇后が身ごもったのは失踪していたひと月の間のはず 当時は先帝が重病で皇上が宮中にいたのは周知の事実です」憤慨した皇帝は貴妃の侍女が皇后に毒を盛ったせいで早産になったと説明し、異議があるなら厳罰に処すと脅した。しかし趙瑞明(チョウズイメイ)は早産を引き起こす毒などないと鼻であしらい、皇帝の逆鱗に触れてしまう。「誰か!趙瑞明は皇子を貶め、皇后を侮辱した!死刑に処す!」趙瑞明は皇帝に深く失望し、夜軽染を暗君と罵りながら連行されて行った。すると皇帝は腹いせのように皇后の産んだ子供を太子に封じると命じ、刃向かう者は極刑になるとねじ伏せてしまう。寝所で話を聞いていた浅月は忠臣を苦しめてはならないと皇帝を諌めた。「私が原因で皇上が反感を買うのは嫌です」すると皇帝は確かに感情的だったと認め、死罪は撤回すると言った。阿烏は死罪を免れ、広明宮で貴妃と再会を果たした。抱き合って互いの無事を喜ぶ葉倩と阿烏、すると葉倩はいつか必ず復讐すると誓う。しかし宮中での味方は阿烏だけだと訴え、これからも支えて欲しいと頼んだ。大臣たちを焚き付けたのは将軍の任を解かれてくすぶっていた秦玉凝(シンギョクギョウ)だった。冷邵卓は暗躍する玉凝を心配して屋敷へ戻れと諭したが、玉凝はもうひとつ片付けたら帰るという。「慕容一族を断罪したのは雲王だった、それを容景(ヨウケイ)に伝えなくては…」一方、玉洛瑤(ギョクラクヨウ)は煮え切らない容景に痺れを切らし、ある屋敷へ案内した。孟(モウ)家にいたのは14歳の頃から慕容将軍の配下で何十年も共に戦って来たという生き証人、すると玉洛瑤は容楓(ヨウフウ)が慕容将軍の息子で、容景こそ淇国の太子だと紹介する。老人は生きている間に太子に拝謁できたたと感激し、当時の話を聞かせた。「将軍は良心のかけらもない卑怯者に殺された…他でもない雲王爺です! 雲家は慕容家と親しいふりをしながら長子の身分を密かに調べ上げました その後、将軍が不忠だと噂を流し、皇帝に調査を嘆願したのです …当時、慕容将軍は皇帝から強い信頼を得ていました 宮中にはそんな慕容将軍に反感を抱く者が少なからずいた、雲王爺もその1人だったのです 重臣として地位を脅かされ、慕容将軍を陥れたのでしょう」皇太后は貴妃の悪辣さを知って失望していた。軽暖は貴妃も苦しんでいるとかばい、兄皇も結果的に大臣たちを黙らせることができたという。すると皇太后は浅月の心に別の人がいることを察し、軽暖に諌めて欲しいと頼んだ。「過去を忘れ、目の前にいる人を愛するようにと…」浅月は祖父にひ孫を見せるため雲王府に帰りたいと頼んだ。皇帝と葉倩を2人だけにする口実でもあったが、何より宮中での暮らしが気づまりだという。「実家なら気兼ねなくのんびりできます」「君と暮らせて朕は幸せだ…だが今は邪魔せぬ方がいいのだな?はお、里帰りを許す」秦玉凝の前に三皇子が現れた。てっきり越州にいると思っていた玉凝は喜び、何があってもそばにいたいという。「あなたと離れてから消息を聞くたび心配だった…」すると三皇子は玉凝の情の深さを利用し、玉凝のためにも天下を取ると約束した。「だが今は助けが必要だ、丞相の虎符が欲しい」玉凝はさすがに父を巻き込むことはできないと拒否したが、三皇子は強制はしないと優くした。「そうだ、贈り物がある」三皇子は後巷玉(コウコウギョク)府が容景たちの隠れ家だと教える。「新帝が必死で探している、我々も手伝ってやろう…( ̄ー ̄)ニヤリ」つづく( ๑≧ꇴ≦)三皇子、なぜか憎めないわ〜どこか的外れだから?w
2023.01.21
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皎若云间月 Bright as the moon第29話「貴妃の苦悩」三皇子・夜天逸(ヤテンイツ)は愛する人も皇位も手に入れられず、越(エツ)州でくすぶっていた。今でも肌身離さず持っている雲浅月(ウンセンゲツ)からもらった手巾、夜天逸は独り山河を眺めながら涙に暮れる。…胸が痛い、君は私が生涯でただ1人、愛した人だった…すると藍漪(ランイ)が現れ、郡主のことはもう忘れるよう諫言した。しかし夜天逸はむしろこの痛みを心に刻むという。「全てを取り戻す、こんなところで終わらない…準備しろ、越州を出る」一方、密かに帝都へ出かけた容景(ヨウケイ)は隠れ家に戻っていた。しかし検問を突破する際に負傷し、玉洛瑤(ギョクラクヨウ)から咎められてしまう。「あんまりです!陳柳(チンリュウ)を逃した上、危険を冒したとは…斬られても目が覚めませんか?!」玉洛瑤は自分たちの居場所は淇(キ)国であり、再興できるのは容景だけだと訴えた。「分かった…私に従うと言うなら皆に答えを出さねばなるまい 私は決して戦乱によって民を犠牲にすることはない、蜂起の件は口にするな」「殿下?!」「下がれ」皇帝・夜軽染(ヤケイセン)は愛する浅月と婚儀を挙げ、幸せの絶頂にいた。そこで翌朝、栄華宮を訪ね、浅月が好きな牡丹を一緒に植えようという。しかし春分に植えた牡丹は咲かないと言われ、浅月は植えるには時期が悪いと困惑した。皇帝は花が咲くのは宿命であり、遅かれ早かれいつかは咲くという。すると驚いたことに牡丹は本当にすぐ芽を出した。「浅月、いつか君も朕に心を開いてくれると信じている」そんな中、月岐(ゲツキ)王が崩御し、第五王子・拓跋業成(タクバツギョウセイ)が新国王となった。訃報を聞いた貴妃・拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)は取り乱し、父に会いたいと騒ぎ出す。この時ばかりは皇帝も葉倩を抱きしめ、気を強く持つよう励ました。「軽染、しばらく一緒にいてくれる?」「いるよ…」栄華宮の牡丹が満開になった。浅月は大きなお腹を抱えて彩蓮(サイレン)と中庭に出てみたが、偶然、水やりをしていた宮女たちの噂話を耳にする。「広明(コウメイ)宮は哀れね~皇后娘娘(ニャンニャン)へのご寵愛を少しは貴妃娘娘に…」「イヤイヤ~皇后娘娘は関係ないわ、だって陛下は貴妃娘娘と床入りすらしていなもの」真的?(*´・ω・)(・ω・`*)じぇんだじぇんだ驚いた浅月はすぐ宮女を叱りつけたが、皇帝に真偽を確かめることにした。皇帝は広明宮で過ごしたことがないと認めた。愛する妻は浅月だけであり、こればかりはどうにもならないという。「朕の気持ちを知っていながら追い詰めるのか?」皇帝は今は葉倩を気遣う余裕がないと吐露し、浅月に悩みを打ち明けた。実は今、西北が不安定だという。西北には天聖で唯一の塩湖があるが、盗賊による被害で塩不足となっていた。すると塩の豊富な月岐から天聖への忠誠心として塩を献上すると申し出があったという。「交換条件は万庚(バンコウ)島だ」万庚島は人も住めない小さな島だった。しかし万が一、西から強国が攻めて来た時は天然の要塞となり真価を発揮するという。弓状に突き出た地形が諸州の喉元を押さえ、攻めるにも守るにも有利な場所だった。皇帝は東海国が最近になって軍隊を組織したこと懸念、もしや月岐が裏で手を組み、島を狙っているのではと疑う。「有事の際は葉倩をどう扱ったら良いのか…距離を置いて接するしかない」すると皇帝は皇太后と天賜(テンシ)が宮中に戻ったと教えた。雲皇太后は遺訓に従って浅月が皇后に冊封されたことを喜んでいた。しかし浅月は本当なら皇后の座は葉倩のものだったと話し、お腹の子が穏やかに一生を送れるだけでいいという。一方、葉倩は兄の申し出を受け入れない皇帝に痺れを切らし、ちょうど回廊を移動していた皇帝に直談判した。皇帝は応じられない理由があるが、国政に関わる問題なので教えられないという。「そうなの…浅月には相談しているくせに!」「皇后と比べるな、言っただろう?浅月は特別だと…」皇帝は一方的に話を終わらせたが、葉倩は思わず皇帝の腕をつかんで引き留めた。その時、皇帝がはめている指輪に気づく。「これは何?…浅月との結婚の証とか?」「その通り、浅月にも贈った…辛いなら月岐に帰れ、そなたを引き止める気はない」そんな2人の様子を皇太后が見ていた。葉倩は心労により倒れた。知らせを聞いた軽暖(ケイダン)公主は兄嫁に同情し、母后を頼る。しかし皇太后はいくら賢い軽暖でも口を出すことではないとなだめた。「貴妃はまだ悟れていない、悟れば気持ちが楽になるわ」一方、玉洛瑤へ不信感を募らせた上官茗月(ジョウカンメイゲツ)は墨閣(ボッカク)の阿洛(アラク)からある名簿を入手した。名簿を見た容景は玉閣主が秘密裏に私兵を募っていたと知り、なぜ黙っていたのかと追及する。玉洛瑤は奪われたものを取り返すだけだと正当化したが、容景は国の盛衰は当然のことだと諭した。「淇国は滅びたのだ、鳳凰関の惨状を見て思った 重要なのは慕容(ボヨウ)家の再興ではなく、家を失った者たちに新たな家を与えることだ!」軽暖は赤子への贈り物を持って栄華宮を訪ねた。そこで帰り際、これから広明宮に行くが、一緒にどうかと皇后を誘ってみる。「以前は仲が良かったのに、疎遠になって残念だわ」浅月は誰より葉倩を心配していたが、葉倩が自分に会いたがらないだろうと断った。辺境の情勢不安に頭を悩ませる皇帝、しかも北方は干ばつで不作が続き、食料を朝廷に頼るようになっていた。今年は鳳凰関の洪水もあり財政難は深刻だという。皇帝はひとまず大臣たちから義援金を募ることにしたが、思いがけず浅月が打開策を授けてくれた。「皇上、段々畑をご存知ですか?」すると浅月が段々畑の絵を描き、水害に巻き込まれないよう山の斜面で作物を作る方法を説明してくれる。一方、軽暖は貴妃の見舞いのため広明宮にいた。そこで皇后からの見舞いの品があると伝え、どれも身体に良いものばかりだと教える。「ほら見て、皆が嫂嫂のご懐妊を願っています」しかし葉倩は自分への当てつけだと逆上し、捨てろと叫んだ。翌日、軽暖は政務中の兄皇を訪ね、今日が貴妃の誕生日だと教えた。皇帝はすっかり忘れていたが、仕事が済んだら広明宮を訪ねると約束する。しかし皇帝が現れたのは料理がすっかり冷えた頃だった。「忘れていたんでしょう?」「贈り物は何が良い?届けさせよう」すると葉倩は1つだけ願いを叶えて欲しいと頼み、そうすればあきらめるという。「子供が欲しいの」葉倩はいきなり衣を脱ぎ始めると、驚いた皇帝が止めた。「愛されていないなら、せめて子供だけでも欲しい!」「…体調がすぐれぬ時に考えるべきことではない、治ってから話そう」皇帝は早く回復するようなだめ、望みは叶えると言って帰って行った。阿烏(アウ)は憔悴する主に付き添いながら、皇后への恨みを募らせた。「娘娘、もしあの女と子供が消えたら陛下の愛を取り戻せるのでは?」「何を言うの?!」「娘娘の幸せを奪ったあの女は死ぬべきです!」葉倩は絶対に駄目だと叱ったが、阿烏は自分に任せて欲しいと安心させた。つづく( ̄▽ ̄;)態度がコロコロ変わる容景、結婚しても冷たい軽染、愛する人を崖から投げちゃう天逸まともな男は…まさかの弦歌だけ?w
2023.01.20
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皎若云间月 Bright as the moon第28話「遺訓の輿入れ」玉洛瑤(ギョクラクヨウ)は甲斐甲斐しく容景(ヨウケイ)の世話を焼きながら、ささやかな幸せを感じていた。しかし容景はいつまでも他人行儀、2人の距離は近づかない。その日も洛瑤は汁物を振る舞ったが、容景は弦歌(ゲンカ)を呼び、早朝に戻った上官茗月(ジョウカンメイゲツ)に飲ませるよう頼んだ。「なぜあの方に?!」「茗月と玉閣主、どちらも大切な友人だ、仲良くして欲しい」玉洛瑤は中庭にいる上官茗月に自ら汁物を運んだ。しかし上官茗月はいらないという。淇(キ)国の再興に躍起になるあまり、容景の想いをないがしろしている玉洛瑤が許せないのだ。玉洛瑤は天聖人の上官茗月が再興を阻止したいだけだと反発したが、上官茗月は何も分かっていないと呆れ果てる。「世子が功名や財産を求めると思うか?」一方、宮中では宰相が皇帝に謁見、娘の命乞いをしていた。皇帝・夜軽染(ヤケイセン)は愛しい雲浅月(ウンセンゲツ)を傷つけた秦玉凝(シンギョクギョウ)を許せなかったが、思いがけず秦父娘が真相に気づいていると知る。「雲浅月は容景と関わりがございました、つまり不義の子を身ごもった可能性があると… 皇上が欺かれたのではないかと娘は案じたのです 天聖の将来を憂いているからこそ、あえて耳の痛いことを申し上げております!」皇帝は事を荒立てないよう折れることにした。「秦都官を許しても良い、だがもうしばらく牢にいて反省してもらおう それからもう1つ、このような話を2度と聞きたくない」そんなある日、容景は生け捕りにした陳柳(チンリュウ)が騒いでいると聞いて様子を見に行った。陳柳はここぞとばかりに罵詈雑言を浴びせて挑発したが、容景は悪事とは無関係だと否定し、慕容家の名誉回復だけが望みだという。「どう思おうと勝手だが、私は先帝に申し訳の立たぬことはやっていない」しかし陳柳は容景が先帝を手にかけたと信じて疑わなかった。容景は話しても無駄だと呆れたが、その時、陳柳の口から驚くべき事実を知る。「国は再興できず、愛する女子まで離れて行ったくせに… 知っているか?その女子は陛下に嫁ぐぞ?雲氏の嫡女が皇后になるのは遺訓だからな! お前は国と女子、どちらも失うのだ!」その夜、容景は酒を浴びるように飲んだ。しかしかえって浅月との幸せな思い出ばかりがよみがえり、恋しくてたまらなくなってしまう。「私は浅月を苦しめただけだった…ァゥァゥ…」見かねた玉洛瑤は容景を寝所まで送って行った。すると泥酔した容景は玉洛瑤を浅月だと勘違いしてしがみついてしまう。「浅月…これは夢?夢に違いない」( ゚д゚)容景まさか!玉洛瑤は容景をなだめて帰ることにしたが、容景が腕をつかんで引き止めた。「夢であろうと君を離したくない!せめて今だけでも君を見ていたい」(Ŏ艸Ŏ)ァァァァ~いかん!容景は思わず浅月に口づけしようとしたが、玉洛瑤に止められてしまう。「分かっている、君を傷つけた私の顔など見たくないのだな…ゥッ… だが私は君のいない日々に耐えられない…君が愛おしい」すると容景は玉洛瑤に抱きついたまま酔い潰れた。( ̄▽ ̄;)セフセフ!玉洛瑤は容景の寝顔を見つめながら、やはりその心にいるのは浅月だけなのだと思い知らされた。…雲浅月は確かにあなたに捨てられた、それでも私はあの人が誰より羨ましい…↓( ๑≧ꇴ≦)こらえたぁぁぁぁ~!危なっwww将軍・陳柳の行方は未だ不明だった。しかし皇帝は順調に容景捕縛の計画を進め、いよいよ浅月との婚儀を天下に告知するよう命じる。実は婚礼当日、新婦の行列はしきたりに従って女媧(ジョカ)廟に立ち寄ることになっていた。皇后は国母として独りで本堂に入り、天聖の民のために祈祷する。恐らく容景はこの機会を狙って浅月に会いに来るはずだ。容楓(ヨウフウ)が張り紙を持って隠れ家に帰ってきた。何でも皇帝が雲郡主と婚礼を執り行うと告示が張り出されていたという。「雲浅月が皇后?!」玉洛瑤が驚いていると、そこへ弦歌が駆けつけた。「主子(ヂゥーヅゥ)と陳柳がいません!」その夜、皇帝は浅月を引っ張って涼亭に連れ出した。実は浅月を娶るのは同情でも親切心でもなく、愛しているからだという。「君を愛している」( ゚ロ゚)<何だって?!夜軽染は皇位を継ぐ者として自分を偽る必要があり、浅月を好きだと明かすことができなかった。何より浅月の心には三兄しかおらず、気持ちを封じ込めるしかなかったという。「火事で記憶を失くした時は近づけるかと期待したよ、でも今度は容景が現れた 身を引いた事を後悔している、幸せな君を見ていたかったのに… 殺すのも厭わず君を利用するなんて…いずれ奴らは大きな代償を払うだろう(๑•̀ㅂ•́)و✧」皇帝は自分が浅月を守ると誓った。しかし浅月は拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)の気持ちを踏みにじるのかと激怒する。「ふざけないで!葉倩という妻がいるのに悪いと思わないの?!」「葉倩を娶ったのは父の意向だ、君が望むならすぐ離縁して国へ帰す!」バシッ!⊂彡☆))Д´)ァゥッ!浅月は思わず皇帝を引っ叩き、妻を幸せにする責任があると諫めた。「私はもう生娘じゃな…」「構わない!君の過去も他人の目も気にしない、私が欲しいのは君の言葉だけだ ただ″分かった″と言ってくれ…ここにいてくれるだけでいいんだ!」「軽染…あなたの愛には一生かけても応えられない」すると皇帝が自分で作った対の三日月の指輪を差し出した。「そばにいてくれるなら愛さなくてもいい、私の人生に君がいるだけで十分だ」…幼い頃、四皇子は何かを熱心に作っている浅月を見かけた『何しているんだい?』『どう?』浅月の左手の薬指には草で編んだ指輪がある『素敵だね、私にも作ってくれ』『ダメよ、対になっちゃうもの』浅月は対の指輪は婚礼の時にしか使えないと教えた対の指輪を持てるのは将来を約束した人だけだという…翌朝になっても浅月は悶々としていた。てっきり夜軽染も心の中では葉倩を愛していると思っていたが、まさか自分を本気で皇后にするつもりだったとは…。「葉倩に合わせる顔がない…」しかし彩蓮(サイレン)は今はお腹の子のことを第一に考えるべきだと諌めた。「もし父親のことが暴かれたら雲家も無事ではいられません、九族に及ぶ大罪です」浅月はもはや後戻りできないと覚悟を決めた。雲王府から花嫁の長い行列が出発した。皇后の馬車を一目見ようと集まった民衆、その中に私服姿の隠衛たちが紛れて警戒している。やがて浅月は女媧廟に到着した。皇帝は浅月に悟られないよう隠衛を配置、容景が現れるのを待つ。すると巡回していた隠衛が怪しい人影を見つけた。浅月は神聖な本堂へ独りで入り、皇后として天聖と民のため祈願した。その姿を物陰から容景が見つめている。一方、不審者を追いかけていた隠衛は容景と同じ衣を着て倒れている将軍を見つけた。陳柳は皇帝に拝謁、容景に捕らわれていたと報告した。どうやら容景は陳柳に同じ衣を着せて隠衛の目をそらし、逃走したらしい。「愚か者め!」皇帝は陳柳の失態に激怒したが、このまま見逃すしかなかった。容景は高台から下山する浅月の馬車を見下ろしていた。…浅月、君が幸せならそれでいい…しかし葉倩は浅月の裏切りを許せず、恨みを募らせる。「婚礼の日、陛下は浅月のため私を置き去りにした、なのに今日は自ら花嫁を迎えに行ったのね 浅月の優しさは全部、嘘だった…」つづく( ̄▽ ̄;)あぁぁぁぁ___折り返してから急に展開がドロドロにwでも浅月の花嫁姿、きれいだわ〜今まででの花嫁さんの中で一番、好きかも
2023.01.16
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皎若云间月 Bright as the moon第27話「真の後継者」皇帝・夜軽染(ヤケイセン)と雲浅月(ウンセンゲツ)の密通を知り悲しみに暮れる貴妃・拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)。浅月は皇帝に改めて葉倩に事情を説明するよう頼んだが、結局、皇帝が真実を明かすことはなかった。皇帝は青(セイ)州の深刻な干ばつと飢饉への対応を協議した。しかし王実(オウジツ)は三省の督官でありながら詳細を把握しておらず、皇帝の質問に答えられない。皇帝は自ら援助にいくら必要か算出して見せると、王実の怠慢を叱責、官位の降格と鞭打ち100回を言い渡し、鐘明(ショウメイ)を欽差(キンサ)大臣に任じて救援の指揮を命じた。「そうだ、内帑(ナイド)にはまだ銀があったな…国庫が尽きた時はこれを使うとしよう」「皇上!それはなりません、内帑の銀は皇帝陵修繕のためのもの、簡単には使えませぬ」「…天下の民の推戴を受け皇帝となった以上は期待に応えねばならぬ 人は死ねば土に帰るだけ、民が安寧でさえあれば100年後、この土地が我が墳墓となろう」その頃、弟の救出で深手を負った容景(ヨウケイ)は快方に向かっていた。全快まであと少し、上官茗月(ジョウカンメイゲツ)は薬が必要なため城内へ買いに行くという。容景は危険だと反対したが、上官茗月は顔が知られていない者を使いに行かせると安心させた。しかしその使いが薬舗に張り込んでいた隠衛に目をつけられてしまう。一方、夜天逸(ヤテンイツ)は藍漪(ランイ)と一緒に越(エツ)州へ向かう馬車に揺られていた。藍漪は夜天逸が必ず再起すると信じ、天は決して自分たちを見捨てないと鼓舞する。「…そうだ、これは敗北ではない、新たな始まりだ、全てが終わったわけではない 天下が誰のものとなるかはまだ分からん」隠衛の将軍・陳柳(チンリュウ)は容景たちの隠れ家を発見、襲撃した。しかし使いが戻って来ないことを訝しんだ容景たちが先回り、敵を引き入れて門を封じ、隠れていた墨閣(ボッカク)が一斉に矢を放つ。何とか脱出しようとした陳柳は門を突き破って飛び出したが、待ち構えていた容楓(ヨウフウ)たちに捕まった。浅月は容景の身を案じながら庭園で物思いにふけっていた。すると南梁睿(ナンリョウエイ)が現れる。「決めたのか?一生、とらわれの身だぞ?…今は優しくても恩寵を失えばおしまいだ」「心変わりなんて良くある話だわ、皇后になるのは雲家の嫡女の定め、天意に従うだけよ」南梁睿は苦渋の選択だと分かっていたが、妹の決めたことなら認めると笑った。「それでも辛い目に遭った時は私に言うんだぞ?爺爺(イェイェ)と迎えに来る」「嫁ぐ日は一緒にいてくれる?やっと会えた兄だもの、せめて嫁入りの時はそばにいて欲しい」南梁睿は妹の幸せを祈っていたが、想い人だった葉倩にもやはり幸せになって欲しいと願うばかりだった。容景は新たな隠れ家に落ち着いた。そこで玉洛瑤(ギョクラクヨウ)は皇子たちが栄(エイ)王府に汚名を着せて罪を逃れたという噂を流そうと提案する。新帝の統治が安定していない今、民心が揺らげば国境地域は自分たちにつくはずだ。すると上官茗月が難色を示した。「かつて栄王府が襲撃され、世子が入獄した件では多くの民が陰謀と考え、同情的だった だが今回、世子が先頭に立ち、民と対峙すれば反逆者となる… 民の恨みは苛烈になり、矛先は世子に向くだろう」「先制すれば殿下の立場を危うくするから待てというの?」「本当に世子のことを考えているのか?あなたの″忠″はあまりにも愚かしい」上官茗月は憤慨し、席を立ってしまう。宮中は皇帝と雲郡主の婚儀の準備でにわかに騒がしくなった。そんなある日、皇帝は急に浅月を連れて湖心島訓練場へ向かう。実はこの島は幼い皇帝が密かに修練を積んでいた場所だった。当時は父皇に嫌われて追いやられたと思っていたが、ある日、自分が後継者だと告げられたという。…皇帝の生母・蘭(ラン)妃は17歳で輿入れしたしかし産後の肥立が悪く、わずか24歳で他界してしまう先帝は出征中で死に目に会えず、凱旋したのは蘭妃が亡くなって半年後のことだった蘭妃の忘れ形見は皇子だったその皇子は″夜氏の暗龍″としていずれ全土を統率し、民を平安へと導き、強く大きな国を作ると予言される先帝は四皇子を厳しく訓練し、ある日、四皇子こそ将来、国を継ぐ者だと知らせた…浅月は夜軽染の″混成魔王(コンセイマオウ)″と呼ばれた振る舞いがまやかしだったと知った。まさか幼い頃からこんな重積を背負い続けてきたとは恐れ入る。すると皇帝はずっと仮面をつけているような気分だったと漏らした。夜氏一族の繁栄という使命を引き継ぐため、本当の自分の気持ちに向き合うこともできず、ふたをしてきたという。しかし浅月は運命に選ばれた皇帝なら必ずできるはずだと励ました。一方、宰相は娘がどこへ送られたのか分からず、必死に探していた。すると屋敷に冷邵卓(レイショウタク)が現れ、実は秦玉凝(シンギョクギョウ)が死刑囚用の独房にいると聞かされる。宰相は驚愕し、衝撃のあまり立ちくらみを起こした。(; ꒪ꇴ꒪)<雲浅月の件が原因なのか? (゚ェ゚(。_。(゚ェ゚(。_。*)コクコク冷邵卓は玉凝なら無事だと安心させ、自分が何とかすると申し出た。政敵だった冷王の息子の思わぬ温情、宰相は涙ながらに感謝すると、冷邵卓ももっと早く父を諌めるべきだったと後悔した。「新しい時代になったのです、これからは協力しましょう」宰相は冷邵卓の手引きで娘と面会した。自分に落ち度はないと頑な秦玉凝、しかし宰相はもはや状況は変わったと言い聞かせる。実は先帝はかねてより四皇子を後継者と決めていた。容景や三皇子を排除したのも新帝即位の準備だったのだろう。新帝は鷹揚衛(ヨウヨウエイ)を遠ざけ隠衛を徴用し、臣下も刷新していた。「我ら旧臣は執政の脅威でしかないのだ …凝児(ニンアール)、聞いたか?皇上はすでに勅を発し、雲浅月を皇后に定めたぞ」「何ですって?!ありえないわ!」「ありえないも何も、浅月は皇上の子を身ごもっておる」しかし玉凝は信じられなかった。三皇子の話では鳳凰関を去った後、浅月と容景は一緒に暮らしていたはず、皇帝と一緒にいた時間などあるはずがない。「きっと容景の子よ!」玉洛瑤は甲斐甲斐しく容景の世話を焼いた。幼い頃から父が大好きだった玉洛瑤、しかしそんな父から自分より優れた男が許婚だと聞かされる。『嫁に行く時は墨閣をお前に与えよう…許嫁は淇国の太子殿下だ』つづく( ๑≧ꇴ≦)ちょっと三皇子wwwもうやめたげて〜wwwそう言えば茗月の話、意味が分からなかった( ̄◇ ̄;)
2023.01.15
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皎若云间月 Bright as the moon第26話「皇后の座」南梁睿(ナンリョウエイ)は傷ついた妹を連れて南陵へ帰ろうと思いついた。しかしちょうど雲王と香荷(コウカ)が現れ、話は断ち切れになってしまう。孫の元気な顔を見た雲王は安堵し、新帝の初めての朝議に出かけると伝えた。そこで南梁睿に浅月を任せ、何かあれば責任を取らせると脅しておく。すると浅月は少し独りになりたいと頼んだ。浅月は握りしめていた手を開いた。すると容景(ヨウケイ)が真っ二つに割って捨てたかんざしがある。浅月は再び容景の残酷な言葉を思い出し、悲しみで心が張り裂けんばかりだった。…男ゆえ欲望に負けることもあるが、心が動いたことはない…よく聞け、今日をもって容景と雲浅月は無関係だ、縁もゆかりもない、永久にな秦玉凝(シンギョクギョウ)は運良く三皇子に巻き込まれずに済んだ。安堵した宰相だったが、三皇子の許嫁だったことを懸念して自重するよう釘を刺しておく。しかし玉凝は朝議の後、冷邵卓(レイショウタク)から思いがけず未だ皇帝殺害犯の捜索中だと聞いた。何でも容景は巻き込まれただけという噂まであるという。「でも容景と雲浅月が主犯だと確定したのでは?」「雲浅月?」秦玉凝は浅月が見逃されないよう独断で鷹揚衛(ヨウヨウエイ)を率いて雲王府に乗り込んだ。「雲浅月、容景と共謀し皇帝を殺害した容疑で連行する!」南梁睿は浅月たちを部屋に避難させ配下たちと応戦、しかし浅月は同行しなければ雲家にまで手を出すはずだと気づく。「もうこれ以上、迷惑はかけられない、私が守らなくては…」浅月は香荷と彩蓮(サイレン)に留守を守るよう頼み、外へ出た。宮中から戻った雲王は浅月が捕まったと聞いた。そこで浅月と親密な貴妃を頼ろうと思いつき、すぐ彩蓮を使いに出す。一方、秦玉凝は冷邵卓が止めるのも聞かず、浅月をいきなり独房に入れて拷問することにした。はりつけにされた浅月は容景の居場所など知らないと言ったが、玉凝はならば吐かせるまでだという。拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)は彩蓮から浅月が先帝殺害の容疑で連行されたと聞いた。驚いた葉倩は急いで皇帝に報告、何も知らなかった皇帝は血相を変えて書斎を飛び出して行く。その頃、秦玉凝はなかなか口を割らない浅月に痺れを切らし、短刀をちらつかせた。「想像してみて?男を惑わすその美貌に傷がついたら…どうなるかしら?」「本気なの?」「やめろ!」その声は皇帝だった。皇帝は打たれて傷だらけの浅月を解放したが、浅月は安堵したのか気を失ってしまう。すると皇帝は浅月を抱き上げ、秦玉凝を独房へ入れろと命じた。浅月は身ごもっていた。太医から報告を聞いた皇帝は愛する浅月を容景に奪われたと知り悶々となる。その時、秦宰相が娘を救うため、大臣たちをけしかけて嘆願を始めた。しかしちょうど寝所にいる浅月が目を覚ましたと知らせが届き、皇帝は浅月を優先してしまう。皇帝は浅月に母親になると教えた。容景の子を身ごもっていると知った浅月は呆然、思わずかんざしを抜いて腹を刺そうとする。驚いた皇帝はかんざしを取り上げ、投げ捨てた。「やめろ!自分を傷つけるな!」「バカだったわ…ゥッ…愛に溺れて身を捧げ、利用されて捨てられた…この子が哀れよ!」容景は泣き崩れる浅月を抱きしめ慰めたが、その時、外から大臣たちの声が聞こえた。<皇上!逆賊と共謀した雲浅月に速やかな処刑を!絶望した浅月はこのまま死のうと決めた。しかし皇帝は謀反の罪を認めれば雲王府まで巻き込まれると警告する。ただし罪を免れて逃げたとしても、淇(キ)国の血筋である子供はどこまでも追われ、殺されるのは目に見えていた。「だから…朕がその子の父親になる」「そんな…だめよ!」「任せてくれ、朕が実の子として育て、君と子を守る!」すると皇帝は浅月が止めるのも聞かず、出て行ってしまう。皇帝は嘆願を続ける大臣たちの前に立ち、雲家が先帝殺害に関わったという証拠がなく、でっち上げだと否定した。そこで大臣たちが揃っているこの機会に浅月が無実だと断言し、皇后にすると宣言する。「すでに身ごもっておる、朕の長子だ、罪人呼ばわりは不敬であろう?!」皇帝は秦宰相の妄言を今回だけは許すと言ったが、2度目はないと釘を刺した。「異議を唱えるものは謀反とみなす!」その話をちょうど浅月に会いに来た葉倩が聞いてしまう。皇帝は浅月のため栄華(エイガ)宮の設計図を書いていた。そこへ軽暖(ケイダン)公主がやって来る。軽暖は浅月の心にいるのが容景だと知りながら執着する四兄を諫めたが、皇帝は聞く耳を持たず、容景が天聖の地を踏むことなど2度とないと声を荒らげた。すると呆れた軽暖は、せめて貴妃にも会いに行くべきだと言って帰ってしまう。葉倩は夜軽染がなぜ自分を拒絶して来たのか、ようやく理由が分かった。寝宮に戻り呆然としている葉倩、すると皇帝が現れる。「なるほどね…だから新婚の妻を無視したのね?」葉倩は思わず皇帝につかみかかり、貴妃になるために全てを捨てて来たのではないと嘆いた。しかし皇帝は葉倩の本当の願いを叶えることはできないという。「なぜ言ってくれなかったの?」「すまぬ、言えなかったのだ、愛する女子は浅月ただ1人… そなたは父皇に押し付けられたまで、拒否もできず仕方なく承諾した 現実を受け入れてくれ、その方が楽だ」軽暖は葉倩に対する仕打ちに憤り、浅月を訪ねた。「月姐姐、どういうことです?!哥哥があなたを娶ると宣言しました、すでに身重だとか… 哥哥のことなど眼中になかったはずでしょう?! 臣下への宣言を葉倩嫂嫂(サォサォ)も一緒に聞いてしまって、すごく傷ついたのよ!」「何ですって!」浅月は葉倩を訪ね、事情は明かせないが信じて欲しいと訴えた。しかし葉倩は親友の裏切りを許せず、自分の気持ちを知りながら騙していたと責め立てる。「容景を好きだと言いながら、私の夫と通じていたなんて!」「葉倩…実は私のお腹の子は…」その時、皇帝が現れ、浅月の言葉を遮った。「朕が説明しよう、ある日、酔った勢いで共寝してしまった 卑怯者と呼ばれても構わぬ、だが浅月を責めるな、朕が浅月とお腹の子に責任を負う ″皇后は雲家の嫡女″、これは夜氏の遺訓だ、異議を唱える余地はない」浅月は何とか誤解を解きたかったが、葉倩はもう友だちでも何でもないと絶交を言い渡した。その夜、浅月は皇帝にせめて葉倩を皇后にするよう頼んだ。しかし皇帝は皇后にするのは浅月を守るためだけでなく、遺訓があるからだと説明する。まだ即位したばかりで朝廷内は落ち着かず、もし先祖の遺訓を破れば付け入る隙を与えることになるだろう。「でも葉倩のことは理不尽だわ」「甘いな、人生とは思い通りにならないものだ」つづく( ̄▽ ̄;)うわっ!何このエグい展開wってちょっと待て待て冷王の息子がしれっと無事なんだけど、パパの密通は知らないまま?
2023.01.14
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皎若云间月 Bright as the moon第25話「断腸の別れ」夜の街を馬で駆ける雲浅月(ウンセンゲツ)。一方、宮中に駆けつけた四皇子・夜軽染(ヤケイセン)は寝所で息絶えた父皇を発見していた。「父皇(フーファン)!」四皇子は父皇を抱きしめ号泣、その深い悲しみが激しい怒りに変わる。「直ちに精鋭たちを集めよ…逆賊を捕えるのだ、逆らう者は斬れ!」するとそこへ三皇子が藍家を率いて現れた。皇帝を死に追いやった三皇子はもはや後戻りできなくなった。そこで四皇子が寝殿に入るのを待って乗り込み、謀反の罪を着せることにする。「夜軽染、お前が殺ったのか?!…皆の者、逆賊を捕らえよ!」こうして官軍と藍家の戦いが始まった。すると四皇子の照明灯を見た軍隊が駆けつけ、あっという間に三皇子たちを包囲してしまう。三皇子は呆然、いつの間にか私軍を抱えていた四皇子を非難した。すると将軍・陳柳(チンリュウ)が四皇子の盾となり、自分たちは皇帝から皇位継承者を守るよう命じられた隠衛だと教える。「四殿下は生まれながらに使命を持つお方、夜一族の繁栄は殿下にかかっている! 陛下の意にかなう後継者は殿下ただ1人、その殿下が陛下を殺める必要が?!」四皇子は秘密裏に何年も帝王学を学んでいた。傍若無人に振る舞っていたのは、後継になどなりえない皇子だと欺くためだったという。何も知らなかった三皇子は驚愕、そこで咄嗟に計画を変えた。「そうか…分かったぞ?!四弟(スーディ)、私ははめられたのだ! お前の謀反を知らせて来たのは容景(ヨウケイ)だ 容景がお前を捕らえて私が即位できるよう偽の詔勅まで渡してきた 父皇を殺したのは容景だ!我々を戦わせて天聖を混乱に陥れようとしたのだ!」三皇子は証拠として容景に書かせた詔勅を差し出した。すると伝令兵が駆けつけ、容景たちが南門から逃げたと報告する。四皇子は直ちに城門を封鎖、自ら容景を捕えに行った。容景たちは容楓(ヨウフウ)を救出して皇宮を脱出した。しかし大街で待ち伏せしていた秦玉凝(シンギョクギョウ)率いる鷹揚衛(ヨウヨウエイ)が現れ、包囲されてしまう。容景は呆れた。三皇子は自分を殺して全て迷宮入りにするつもりだろう。容景は仕方なく自分が残るので仲間たちだけは見逃して欲しいと頼んだ。すると玉凝は長年、自分をないがしろにしてきた容景への恨みを晴らす時が来たと言い放つ。「分かっているわ、あなたは死を恐れない…でも雲浅月ならどうかしら?」玉凝は容景を脱獄させた雲浅月なら当然、政変への関与も疑われると言った。驚いた容景は自分が郡主を利用しただけだと嘘をつき、色恋沙汰も芝居に過ぎないとごまかす。その時、運悪く浅月が現れた。「容景?何を言うの?」昨日まで夫だった容景はまるで赤の他人のように冷淡だった。実は追っ手から逃れるため浅月を利用しただけのこと、この数日の出来事は夢だという。「全ては幻だったのだ…もう目を覚ませ!」浅月は一体、何が起こっているのか分からず呆然となった。( ゚д゚)ポカーンその時、弦歌(ゲンカ)が主人の合図で煙玉を投げ、その隙に逃げ出すことに成功する。するとちょうど四皇子が駆けつけた。しかし煙が晴れた時には容景たちの姿はなく、玉凝は咄嗟に浅月が容景を連れ去ったと嘘をつく。「2人は共犯です!」「…よく聞け、皇帝は容景に殺された!生死は問わぬ、必ず捕らえよ! ただし雲郡主は決して傷つけてはならぬ!」一方、拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)は夜中というのに侍女・阿烏(アウ)に起こされた。どうやらまだ浅月は戻っていない。すると阿烏が宮中から使いが来ていると報告した。聞けば先帝が崩御して四皇子が即位、葉倩は貴妃に冊封されたという。「陛下は貴妃娘娘の身を案じ、直ちに宮中へ移るようにと…」容景たちは散り散りになって逃げ出し、林の中で合流した。すると浅月が容景を追って馬を駆けてくる。憤慨した容楓は剣に手をかけたが、容景は自分で始末をつけると止めた。「先に行ってくれ」浅月は容景に追いつき、馬を降りて駆け寄った。「秦玉凝の前だからわざとあんな事を言ったのよね?…妻だもの分かるわ」しかし容景は愛していないと突き放してしまう。「私は淇(キ)国の太子、近づいた理由はただ1つ、復讐だ! …国を滅ぼした家の娘など娶れるものか?! 再興の暁には私は妻と共に玉座につく、君にその資格が?」「あなたのため、この世界に残る決心をした、求めたのは愛だけよ?なのに資格を問うと?」容景は何を言っても引こうとしない浅月に手を焼き、実は玉洛瑤(ギョクラクヨウ)が淇国丞相の娘で許嫁だったと明かした。大業を成し遂げるため自分を助けてきた玉洛瑤、その想いに応えるためにも浅月を捨てるという。すると浅月は容景に抱きつき、涙ながらに信じられないと訴えた。容景は抱きしめたい気持ちを振り払って浅月を突き飛ばし、今日をもって一切の関係を断つという。そこで浅月は本心を確かめようと、婚礼の日にもらったかんざしを容景に返した。「ならこれはもらえない…」容景はしばしかんざしを愛おしそうに見つめていたが、ついに自ら割って捨ててしまう。その時、雷鳴がとどろき、激しい雨になった。容景は断腸の思いで浅月を置き去りにしたが、あまりの辛さに激しく喀血してしまう。しかし泣き崩れていた浅月には何も見えなかった。後宮に入った葉倩は喪服に着替えていた。阿烏は身支度を手伝っていたが、正妃として嫁いだ主がなぜ貴妃なのか納得できない。すると葉倩は天聖で皇后になれるのは雲家の嫡女だけだと教えた。「私はただ愛する人と年を重ねたいだけ、願わくば平凡な夫婦になって普通の生活がしたかった でも皇族である以上、そんな暮らしは望めない、一生、願いは叶わないのかも…」一方、即位した夜軽染はその重圧と責任に押しつぶされそうになっていた。君主は規範に沿った言動を求められ、愛することもままならず、苦痛すら制御しなくてはならない。軽暖(ケイダン)はそんな四兄の苦悩に理解を示しながら、玉座にふさわしいのは四兄だけだと訴えた。「父皇の大権を受け継いで、天聖が讃える皇帝になるのです」その話を偶然、葉倩が立ち聞きしていた。皇帝が今後の生活を不自由で重荷と感じている中には自分の存在も入っているのだろう。孤独な道でもせめて愛する人がそばにいれば楽になるはず、しかしそれが自分でないと分かっていた。夜天逸(ヤテンイツ)は容景と結託した罪で収監された。すると即位した夜軽染が現れる。天逸は父のこれまでの仕打ちを恨み、自分が得られなかった物を簡単に手に入れた四弟へ嫉妬した。「私はお前の手に落ちた、好きにするがいい」「明日、勅令を出す、越(エツ)州の侯に封じよう、2度と天聖の土を踏むな」驚いた天逸は同情などいらないと反発したが、皇帝は兄弟の情が消えることはないと言った。「どうか達者で…」容景はやり切れず酒に溺れた。自分と関わった者は必ず悪運に見舞われるらしい。生まれた日には淇国が滅び、自分を助けた慕容家は一家皆殺しになった。これまで他人と距離を保ってきたのも、失った時に苦しまずに済むと思ったからだという。上官茗月(ジョウカンメイゲツ)は思い詰めるなとなだめたが、盟友として容景の痛みがひしひしと伝わった。「重すぎる…この責任は私にとって重い足かせだ、手かせであり檻なのだ だが私の原罪でもある、早く知るべきだった、ならば一線を踏み越えなかったものを… 知りたくなかった、愛も欲も…」すると上官茗月はいつかまた一緒になれるかもしれないと希望を持たせた。しかし容景はその可能性がないと分かっている。「この手で葬り去ってしまった、もう何のつながりもない…」その話を玉洛瑤が立ち聞きしていた。浅月が目を覚ますと南梁睿(ナンリョウエイ)が付き添っていた。「連れて帰って来てくれたの?」「嫌なことは忘れたほうがいい…浅月、南梁へ行こう」つづくヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ 容景またかぁぁぁwあの甘々23話ってこれの伏線だったのね___
2023.01.14
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皎若云间月 Bright as the moon第24話「不義の告白」念願かなって愛する人に嫁いだ拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)。しかし四皇子・夜軽染(ヤケイセン)は床入りの儀に現れず、その後も父皇の病を理由に朝帰りが続いた。葉倩はなぜ自分と結婚したのか問い詰めたが、四皇子はまだ本当の夫婦ではないと冷たい。「疲れている…また話そう」葉倩はここまで四皇子に拒絶される理由が分からず、途方に暮れた。四皇子は秘密裏に雲浅月(ウンセンゲツ)の行方を探していた。未だ何の手掛かりもつかめず苛立ちを隠せない四皇子、すると突如、容景から密書が届く。…今夜、戌の刻、郡主を連れて行きます…四皇子は目立たぬよう門の隙間からあたりをうかがい、今か今かと馬車を待った。やがて約束通り王府に馬車が停まり、浅月が降りて来る。容景は明日の同じ時間に迎えに来ると嘘をつき、何も知らない浅月を笑顔で見送った。四皇子は無事に浅月を取り戻した。しかし浅月は四皇子がどれだけ心配していたかも知らず、婚儀に出られなかったことを残念がる。「大人なんて窮屈なことばかりだ、悩みのない子供の頃に戻りたい、責任も負わずに済むのに…」「妻に対する責任なら嬉しいでしょう?ふふ、で王妃は?」一方、容景は藍家の花の印を使って三皇子を呼び出した。淇(キ)国の残党掃討のため宮中の警備が手薄の今、三皇子が決起するのは間違いない。容景は三皇子が鳳凰(ホウオウ)関で隠匿していた兵器の記録を渡し、弟の救出に手を貸すよう迫った。すると三皇子もある条件を出す。「そう言えば父皇は景世子に決裁の代行をさせていたな 天聖広しと言えど父皇の筆跡を模倣できるのは景世子しかおらぬ」地下牢では蕭(ショウ)妃が息子だけでも救おうと焦っていた。しかし正面の牢にいる冷(レイ)王が皇帝の心に三皇子はいないと教える。「心に留めるのは真の太子・夜軽染だけだ」その時、皇帝が現れた。蕭妃は天賜(テンシ)の毒殺未遂と三皇子は無関係だと訴えたが、皇帝は子供のいない冷貴妃が天賜を殺す理由がないという。「言っておくが、冷貴妃が朕の子を産むことはない」皇帝は冷家を牽制するため、冷貴妃に子を産ませることを許さなかった。冷王も承知していたが、その事実を妹に隠し続けていたという。皇帝はそれが夜天逸(ヤテンイツ)のためだと分かっていた。そうとは知らず、一途に皇帝の寵愛を求めていた冷貴妃の何と哀れなことか…。皇帝は蕭妃と冷王の密通を知っていた。あの時、夫婦の情を鑑みて命だけは助けたが、それが仇になったらしい。蕭妃は言い逃れできないと分かると、移り気な夫への不満を爆発させた。「私はずっと待っていました、陛下が振り向いてくださる日を… わずかでも情けがあればそれでよかった、なのに陛下はあの卑しい女しか心に留めなかった!」蕭妃は皇帝が愛した四皇子の生母へ恨みを募らせ、後宮で孤独に耐えながら生きる屍になりたくなかったという。「陛下の寵を得て皇子を産み、太后になりたかった! そうすれば誰はばかることなく陛下と一緒に葬られ、本当の妻になれたでしょう」すると皇帝はその欲深さゆえ自分の心を得られなかったと見限り、帰ってしまう。冷王は蕭妃の心が自分ではなく皇帝にあったと知り唖然となった。すると総管・呉虞(ゴグ)が帰り際に目配した衛兵が現れ、いきなり腹を刺されてしまう。冷王は愛する蕭妃に見守られて死ねると告げ、その場に崩れ落ちた。もはや頼れる者がいなくなった蕭妃は絶望し、唯一身につけていたかんざしで己の胸を突き刺してしまう。孤独だった葉倩は浅月との再会を喜んだ。すると浅月から新婚なのに楽しくなさそうだと見抜かれてしまう。しかし四皇子と溝があるとは言えず、葉倩は欲深くなったのかもしれないと漏らした。「以前は殿下を見ているだけで幸せだったのに…今はなかなか幸せを感じられないの」「好きな人とはいつも一緒にいたいと思うけれど、独りの時間が欲しい時もあるわ」浅月は夫婦なら言いたいことを言えばいいと助言したが、まさか2人が初夜さえ迎えていないとは知る由もなかった。その夜、皇帝は皇后と涼亭で月見酒を楽しんだ。すると皇帝が激しく咳き込み、喀血してしまう。「皇上?!…誰か太医を!」しかし皇帝は自分の好きにさせてくれと皇后を止めた。「残された時間は長くない…皇后には朕のそばにいて支えて欲しい、それが望みだ たとえ恨まれようとも、皇后がおれば後悔はない…」三皇子と話をつけた容景は鷹揚衛(ヨウヨウエイ)に成り済まし、秦玉凝の手引きで三皇子たちと一緒に皇宮へ入った。そして容景たちは牢へ、一方、三皇子は藍家と共に宮中を掌握し、玉凝に後を任せる。「門外で守備につき、容景が逃げたら直ちに殺せ」その頃、四皇子のもとに宮中から使いがやって来た。「陛下が急ぎ参内せよと仰せです」すると四皇子は急を知らせる照明灯を上げ、宮中へ向かった。容景たちは牢ではりつけにされていた容楓を助けた。しかし待ち伏せしていた呉虞たちが現れ、襲いかかる。容景は手練れの呉虞に応戦し、危ないところで腰に隠していた短刀をつかみ、腹を突き刺した。すると呉虞は掌(ショウ)を放ち、容景を突き飛ばす。その掌法は慕容家を脱出した容景を襲った刺客と全く同じだった。「はっ!…慕容一族を殺したのはお前か!」「グググ…あの時、禍根を断っておくべきだった!」兄の言葉を聞いた容楓は逆上、自ら呉虞に止めを刺し、両親の敵を討った。皇帝は激しく咳き込み、目を覚ました。そこで薬を飲もうとしたが、喀血がひどく飲み込めない。すると予想通り三皇子が現れた。「もう誰もいません、玉座を譲って母妃を解放してくれれば父皇も天寿を全うできましょう」しかし皇帝はどんなに策略をめぐらせても三皇子には皇帝の座につく資格がないと教えた。三皇子は父皇のため必死に辺境を守って来たと訴えたが、皇帝の口から思わぬ言葉を聞く。「お前が朕の息子だと?…ありえぬ!もっと早くお前たち母子の息の根を止めるべきだった!」「今、何と?!」「お前の母妃は死んだ、信じないならあの女の首を見れば良い!」激情に駆られた三皇子は皇帝を突き飛ばし、思わず首をつかんだ。すると皇帝が激しく血を吹き出し、息絶えてしまう。「父皇…父皇?!」そこへ藍漪(ランイ)たちが駆けつけた。藍漪は三皇子が皇帝を殺したと思ったが、三皇子は激しく取り乱し、自分ではないと訴える。「殿下、とにかく逃げましょう!」にわかに騒がしくなった天聖の都。その夜、葉倩の寝殿に泊まっていた浅月はなぜか胸騒ぎがして目を覚ました。「葉倩、葉倩、起きて、四殿下は?」「陛下に呼ばれて参内したはずよ?」「何ですって?!…待っていて、ちょっと様子を見に行ってくる!」つづく( ๑≧ꇴ≦)うわっ!そうか〜三皇子は不義の子だったのね
2023.01.13
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皎若云间月 Bright as the moon第23話「淇国の太子」容景(ヨウケイ)と雲浅月(ウンセンゲツ)2人だけの幸せな新婚生活が始まった。しかし容景が食料を調達した帰り道、突如、上官茗月(ジョウカンメイゲツ)が現れる。上官茗月は後悔していないのか聞いた。すると容景は栄王府を守るという家訓から解き放たれる時が来たという。「しがらみだらけの場所を離れて愛しい人と暮らせば人生は満たされる」「よく分かった…」上官茗月は容景の意思を尊重し、黙って帰って行った。上官茗月はこれまで慕容家の名誉回復を願う容景のため尽力して来た。栄王に恩がある上官茗月は幼い頃から容景を守り、共に育って来た盟友でもある。栄王が亡くなった時、容景は上官茗月を自由にするつもりだったが、上官茗月は世子を守ることが栄王の遺命だと断った。その時、容景は自分の本当の姓が″容″ではなく″慕容″だと明かす。『慕容の祖父と親しかった王爺(ワンイェ)に助けられ、容景という名をもらって生きて来たのだ』『何者でも構わない…私にとっては幼い頃から共に過ごして来た容景だ』浅月が庭に出ると驚いたことに容景が洗濯していた。「あらまあ~優れた文人の景世子が洗濯までなさるなんて~」浅月は容景をからかうと、急に神妙な顔になる。「話しておきたいことがあるの…実は私は雲浅月じゃない」「(´゚ω゚):;*.’:;ブッ」「ってか身体は雲浅月なんだけど、私自身は別人なの、別の世界の人間よ? ある日、あなたとそっくりな人と喧嘩して、いつの間にかここに来て… 10年前、池に落ちた時よ?覚えている?」浅月は3つの宝を集めていたのは元の世界へ戻るためだと説明した。″醒世異聞録(セイセイイブンロク)″によると3つの宝で時空を超えられると分かったという。「でも今は帰りたくない…元の世界へ戻ったらあなたを忘れてしまうかも」すると容景は浅月が何者でも構わないと安心させ、最後の宝も探す必要はないと言った。「私たちは永遠に一緒だ」浅月は愛する夫のため、慣れない家事にも挑戦した。しかし努力もむなしく、料理も裁縫も容景の方が格段に上手い。すっかりやる気が失せてしまう浅月だったが、容景は自分のそばで心置きなく廃人になればいいと笑った。「私なしでは生きていけぬと分かっていれば、離れても帰ってくる」「ほお~腹黒なだけじゃなく、策士なナイスガイね」「ナイス…何だって?」「とにかく好きってことよw」一方、玉洛瑤(ギョクラクヨウ)と容楓(ヨウフウ)はなかなか容景の居場所を突き止められずにいた。痺れを切らした容楓は兄抜きで決起するしかないと覚悟し、玉洛瑤が止めるのも聞かず都へ戻ってしまう。そんなある夜、浅月はふいに眠れなくなった。「今までのことが全部、夢じゃないかと思うと怖い、あなたは急に冷たくなったりするから…」容景は確かに以前の自分は酷かったと認め、生涯をかけて浅月を大切にすると誓った。…このまま2人で穏やかに暮らし、離れることなく添い遂げたい…↓2人で足湯♪からの蛍あるある~容楓は無謀にも単独で皇宮に潜入、皇帝を暗殺しようとしたが捕まった。知らせを聞いた玉洛瑤は上官茗月に報告し、本当に容景の居場所を知らないのかと迫る。上官茗月はやむを得ず玉閣主を容景の元へ案内し、事情を説明した。「何と愚かな!」「恋情に溺れるあなたに代わり行動したまで、これは深い恨みを抱く私たちが背負った宿命なのです 我ら墨閣(ボッカク)はもとより、景世子も逃れられぬこと…」そこで玉洛瑤は秦宰相から聞いた真実を伝えた。…玉洛瑤は謀反を起こしたのが実は三皇子で秦玉凝(シンギョクギョウ)も関わっていると知らせた驚いた秦宰相はたとえ娘でも見過ごせないと嘆いたが、軽率に動けなくなったと困惑するならば皇帝が容景を捕えた理由はひとつ、容景が慕容家の長子だという話を聞いたからだろう『しかし慕容将軍に子は1人しかいなかった では慕容家が命を賭して守った容景とは一体、誰の遺児だ?』あれは淇国が天聖軍の奇襲を受けた時だった淇国皇帝と皇后は民と運命を共にすると決めたが、まだ赤子の太子だけはどうしても道連れにできないそこで太子を乳母に託して宮中から逃した乳母は何とか追っ手を振り払い、慕容家に駆け込んで助けを求めるすると慕容将軍は太子を守るため天聖に帰順したいと上奏、淇国の残党を掃討すると約束した…玉洛瑤は容景こそ淇国の太子だと明かした。天聖に下った慕容一族が殺されたのは慕容家の長子が淇国の太子だと疑われたからだという。慕容家の悲劇の原因は容景であり、容景を守るため将軍は幼い我が子を天雪山へ送っていた。すると玉洛瑤は慕容家の殺戮を主張したのが雲王であり、敵の孫と一生を共にするつもりかと迫る。「あなたは淇国の最後の希望なのです、父は死を賭して殿下を守れと言った それはあなたが無力であり、私の許嫁だったからです…」淇国滅亡後、太子が生きていると噂が立った。丞相は真偽を確かめるべく、身分を隠して娘と天聖に来たという。結局、丞相は亡くなったが、このまま天聖に残って太子を探し出し、必ずや補佐しろと娘に遺命を残していた。情愛と恩義のはざまで葛藤する容景、しかし自分の犠牲となった容楓を何としても守らねばならない。「…楓児(フォンアール)を救出したら決心する」一方、宮中では皇帝が余命いくばくもないと悟り、ついに三皇子を召喚した。翌朝、父から三皇子が召喚されると聞いた秦玉凝は急いで知らせることにしたが、父に止められてしまう。「冷(レイ)王の投獄後、陛下は機を見ておられた、情報によれはすでに蕭(ショウ)妃も捕らわれたそうだ これ以上、過ちを犯すな!」しかし玉凝はまだ勝負はついていないと反発し、三皇子の屋敷に駆けつける。すると三皇子は母まで収監されと知り呆然、剣を片手に飛び出そうとした。玉凝は思わず抱きついて三皇子を引き留め、自分のためにも生きて欲しいと訴える。やがて王府に迎えが来たが、その時はすでに三皇子の姿はなかった。浅月が目を覚ますと容景の姿がなかった。中庭に出て容景を探し回る浅月、すると容景が果物を持って戻ってくる。「寝ている間にいなくなるなんて…怖かったんだから!」「はお、分かった分かった、すまない」その夜、容景は愛する浅月を腕に抱きながら、一緒に旅に出るかと聞いた。「いいわ!」「じゃあその前に雲王や葉倩(ヨウセイ)公主に会っておいた方がいい 次はいつ会えるか分からないからな…」つづく( ̄▽ ̄;)まさかのギャップ萌え…なのか?
2023.01.13
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皎若云间月 Bright as the moon第22話「夫婦の契り」王妃となった拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)だったが、初夜を独りぼっちで明かすことになった。すると翌朝、皇帝から罰を受けた四皇子・夜軽染(ヤケイセン)がようやく屋敷に戻って来る。「葉倩、疲れているんだ…お前も早く休め」四皇子は出迎えた葉倩を冷たく突き放し、自分の書斎に行ってしまう。その頃、雲(ウン)王は侍女から浅月(センゲツ)がいなくなったと聞き、今にも卒倒しそうになった。南梁睿(ナンリョウエイ)はすぐ戻るだろうとごまかしたが、雲王は容景(ヨウケイ)と一緒だと気づく。「すぐ連れ戻して来い!」一方、天雪(テンセツ)山で修行していた容楓(ヨウフウ)は脱獄した兄と合流、浅月とも再会した。「慕容家の次男だったのね」「兄上から身分を明かすなと言われていたんだ、まさか兄上と君が恋仲になっていたとはね 淡い初恋だったのに、先を越されたよ」しかし容楓は偶然、玉洛瑤(ギョクラクヨウ)と上官茗玥(ジョウカンメイゲツ)の話を立ち聞き、実は雲王が慕容家の敵だと知った。激怒した容楓は兄を問い詰めたが、容景は生きている身内が少なくなった今、慎重になっているだけだとなだめる。「やっぱりだ、怖じ気づいている…」父の頭には兄のことしかなかった。それでも″兄がいる限り希望がある″という父の言葉を信じ、辛い修行のため山へ送られても恨んだことはないという。「なのに敵の孫と好い仲だと?親の死を忘れて恥ずかしくないのか?! 大哥…これからも敵の孫と関係を続けるなら、今後は袂を分つ、私が敵を討つ!」容楓は捨て台詞を吐いて飛び出して行った。すると入れ違いで浅月が現れる。( ̄▽ ̄;)<ぁ…果物を採ってきたけど…食べる?一方、三皇子は浅月に矢を放たれた事実に深く傷ついていた。すると秦玉凝(シンギョクギョウ)が現れ、いつかこうなると思っていたと呆れる。「大事を成さんとするには優柔不断すぎるのよ」三皇子は玉凝に見透かされ、怒りに任せて激しく口づけした。「名目上も事実上も夫婦だしな」「やめて!」しかし動揺しながらも玉凝は三皇子を心配していた。「次の一手はあるの?」「″先んずれば人を制す″…容景の件に片がついたら父皇の矛先は私に向かう 父皇は全部知っている」玉凝はとんだ泥舟に乗ってしまったと知ったが、今さら逃げるつもりもなかった。玉洛瑤はこのまま容楓を行かせるつもりかと心配した。すると容景は見張をつけてあると教え、無念は晴らすが国の再興に関わるつもりはないという。玉洛瑤は国を取り戻すことが最大の報復だと訴え、その日を信じて墨閣(ボッカク)は生き延びて来たと言った。「だから結末は2つしかありません、死ぬか淇(キ)国を再興するか… 世子は愛に溺れていますが容楓の言葉は正しい、郡主とは歩む道が違うのです」「その件についてはお構いなく…」しかし玉洛瑤はこのまま浅月がいれば面倒だと考えた。そこで配下に命じ、浅月を排除することにする。「殺せば容景が許さない、どこかへ消えてくれればそれで良い」玉洛瑤は浅月に郡主を誤解していたと謝罪、景世子と将来を誓い合ったのか聞いた。実は淇国の風習で長子が嫁を取る時、許嫁は川で家族の安全を祈るという。「だから郡主にも墨閣のために祈ってもらいたいのです、何があっても無事に戻れるように」すると浅月は早速、独りで川へ出かけた。容景は浅月の姿が見えないことを訝しみ、弦歌(ゲンカ)に行き先を聞いた。すると弦歌は郡主が玉閣主から淇国の風習を聞いて願掛けに川へ行ったと報告する。「願掛け?何の話だ?…はっ、しまった!」容景が川に駆けつけると、ちょうど墨閣が気を失った浅月を連れ去ろうとしていた。「やめろ!」墨閣は世子の手前、浅月に手を出せなくなったが、その時、容景めがけて矢が飛んでくる。咄嗟に避けた容景はかすり傷で済んだが、そこへ鷹揚衛(ヨウヨウエイ)が現れた。「秦都官の命だ、禍根を断つ!」しかし墨閣の精鋭が応戦、その間に容景は浅月を連れて逃げ出した。容景は浅月に手を出そうとした玉洛瑤に激怒、いきなり剣を突きつけた。驚いた上官茗月は仲間に剣を向けてはならないと諌めたが、容景の怒りは収まらない。「また同じことをしたらお前が私の敵になる…覚えておけ!」容景は剣を地面に突き刺し、出て行った。容景が浅月の部屋に戻ると、彩蓮(サイレン)が郡主のため、涙ながらに歌を聴かせていた。「彩蓮?その歌は…」「小姐が何度か歌っていました、お母様から教わったそうです 危ない時にこれを歌えば恐怖が消えて必ず助かるからと… ゥッ…私は歌が下手なので目を覚まさないのでしょうか」容景は泣き崩れる彩蓮を休ませるよう弦歌に頼み、浅月に寄り添った。実は容景は彩蓮の歌に聞き覚えがあった。「君だったのか…」容景は浅月の手を握りしめ、涙に暮れる。幼い頃から波乱続きの運命だった容景、死なないまでもこれまで長く寒毒(カンドク)に苦しみ、そのせいで冷淡な性格になっていた。浅月と出会って初めて素直に人を愛することができたが、そのせいで浅月は家も国も捨てることになり、危険と隣り合わせの生活になってしまう。「君を守れず自分だけ安穏とするなら、この容景は人で無しだ」そこで容景は2人だけで寺を出発、人里離れた山荘へ隠遁した。浅月が目を覚ますといつの間にか知らない部屋にいた。「ここはどこ?」「何も聞くな、もう決して傷つけないと約束する」そして翌朝、浅月は腕を負傷した容景のため、髪をすいて身支度を整えた。すると容景が″あの歌″を聴かせて欲しいと頼む。「どの歌?」「幼い頃、慕容府から逃げて追っ手に追われたことがあった あわやという時、1人の少女が洞穴にかくまってくれたんだ その時、心にしみる美しい歌を私に歌ってくれた」「私が救った男の子はあなただったのね?」「そうだ、時を経てあの少女が再び私の前に現れた 魔物のような放蕩娘に変貌し、私の心を占拠してしまった」容景はあれから栄(エイ)王に引き取られ、″容景″と名を変えて出自を隠し、病のため10年間、療養していたという。「君に会って運命を信じる気になった…君に贈り物がある」そこで容景は母の形見であるかんざしを浅月に贈り、命の限り添い遂げたいと告白した。容景と浅月は2人だけで婚礼を挙げた。これからは生きるも死ぬも一緒、2人は夫婦の杯を交わし、夜は更けて行く…。つづく( ̄▽ ̄;)何だか…その~見てはいけないものを見てしまったみたいなw温泉でキャッキャ~とかキスマークとか、いろいろあれだな…(←何だ?w
2023.01.09
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皎若云间月 Bright as the moon第21話「婚儀の日の計画」雲浅月(ウンセンゲツ)が目を覚ますと雲王府の自分の部屋にいた。見守っていた雲王は安堵し、怪我をした浅月をここまで運んでくれた南梁睿(ナンリョウエイ)と香荷(コウカ)、鳳凰関(ホウオウカン)で離ればなれとなった彩蓮(サイレン)の姿もある。「一体、何があったんだ?」病み上がりの浅月はぼんやりしていたが、南梁睿の言葉でふと容景(ヨウケイ)のことを思い出し、飛び起きた。「爺爺(イェイェ)、謀反人は容景ではなく夜天逸(ヤテンイツ)なの、それを知ったから私は崖から落とされた 早く陛下に報告しないと…」しかし雲王は止めた。浅月が生きていると知れば三皇子が放っておくはずもなく、都に戻ったことは極秘にしなければならない。何より三皇子が謀反人であっても、慕容(ボヨウ)家の遺児である容景の放免はありえなかった。「お前は一歩も屋敷を出てはならぬ」雲王は書斎に戻ると壁の後ろにある隠し扉を開けた。すると厳重に保管しておいたはずの慕容家に関する報告書が消えている。実はかつて皇帝に慕容将軍の謀反を告発したのは冷(レイ)王だった…冷王は謀反の証拠として慕容家で見つけた軍服を献上し、慕容将軍が淇(キ)国の残党と通じており、玉璽(ギョクジ)まで隠していたと報告するしかし慕容将軍が帰順したのは初代皇帝の時代、雲王は裏切るような人物ではないと擁護したすると冷王がすかさず慕容将軍が前の主君のために帰順を装って潜入したなら危険だと警告する『陛下、当時、赤子だった淇国の太子が行方不明です 噂では将軍が投降した理由はその子を守って淇国を再興するためだとか』雲王は咄嗟にまだ調査が必要だと進言すると、皇帝はこの件を雲王に任せた…浅月は居ても立ってもいられず、南梁睿に協力を頼んだ。南梁睿は妹のたっての頼みを断れず、仕方なく手を貸すことにする。一方、宮中では四皇子が衛兵の報告を待っていた。しかし駆けつけた衛兵は雲郡主の行方はまだ分からないという。四皇子は落胆して寝殿に入ったが、その時、物陰からふいに浅月が現れた。「浅月!どこにいたんだ?!」「お願い、陛下に会わせて」 本当の謀反人は夜天逸よ!天逸が洞窟に隠していた兵糧を私と容景が見つけたの あなたが鳳凰関に来た時、天逸は私を人質にして容景に濡れ衣を着せた…陛下に伝えなくては!」四皇子は自分が報告することにしたが、浅月はもう1つ頼みがあると言った。「容景に会わせて」四皇子は太監に変装した浅月を連れて牢獄へやって来た。そこで牢番たちを下げ、自ら見張りを買って出る。「会ってこい」浅月は四皇子から鍵を受け取ると、容景の牢へ一目散に走って行った。容景は壁にもたれてうとうとしていた。その時、急に鍵を開けて誰かが入って来る音がする。容景はふと目を覚まして顔を上げると、そこには愛しい浅月が立っていた。思わず容景に抱きつき泣き崩れる浅月、しかし容景は惨めな姿を見せたくないと突き放す。すると浅月は容景を誰より高潔だと訴え、必ず助けると誓った。「どんなに落ちぶれようと私がずっと寄り添うから…」固く抱き合い涙する浅月と容景、そんな2人の姿をちょうど浅月を迎えに来た四皇子が見てしまう。その夜、容景は吐血した父皇を見舞った。そこで容景の謀反の件に疑問が残ると上奏し、再調査が必要だと訴える。しかし皇帝は落とし所が必要だとなだめ、実は三皇子の処罰を考えてあると教えた。驚いた四皇子は何か言いかけたが、総管・呉虞(ゴグ)から病み上がりの皇帝に配慮してほしいと程よく追い返されてしまう。翌朝、朝廷ではすでに四皇子が再調査を嘆願したと噂になっていた。秦玉凝(シンギョクギョウ)は早速、療養を口実に閉じこもっている三皇子を訪ねたが、三皇子はどこかよそよそしい。「何はともあれ私たちは陛下が決めた許嫁同士でしょう?」「…わざわざ会いに来たのは私が恋しかったから?」「ふざけないで」すると玉凝は謀反の件が再調査されると伝えた。三皇子は慌てる様子もなく、先手を打って刺客に容景を始末させると即断する。「夜軽染(ヤケイセン)の婚儀の日が好機だ」「はお、何か助けが必要なら言って」玉凝は帰り際に傷薬を渡し、照れ隠しに死なれては困ると言い訳した。しかし浅月を失い失意の三皇子は、玉凝が出て行くと途端に薬瓶を投げて割ってしまう。浅月は屋敷へ戻る途中、誰かにつけられていると分かった。そこで物陰に隠れて待ち伏せしていると、淇国墨閣(ボッカク)の閣主・柳茵茵(リュウインイン)が現れる。「景世子のために来たの、もう隠し事はしないわ」玉洛瑶(ギョクラクヨウ)は″柳茵茵″の名で妓楼に潜んでいたことまでは明かしたが、それ以上は知る必要がないという。「景世子は雲王府と距離を置けとの忠告を聞かなかった、あなたのせいで拘束されたの… とにかく策を講じるのが先よ」すると玉洛瑤は四皇子の婚儀の時が容景を救出できる好機だと言った。四皇子と月岐(ゲツキ)公主・拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)の婚礼の儀が始まった。墨閣はちょうど祝宴が始まる頃、手薄になった牢獄を襲って容景を救い出す。しかし門を出たところで異変に気づいた衛兵たちが現れた。すると浅月と呼応していた南梁睿が駆けつけ容景たちを逃がし、衛兵たちを引き受ける。藍家も容景の暗殺に牢獄へ向かったが、一足遅かった。一方、四皇子も浅月のため三兄を祝宴に引き留めていたが、やがて酔い潰れて眠ってしまう。その頃、浅月は容景たちが都を脱出できるよう、巡回の衛兵に矢を放っておとりになっていた。容景たちは南梁睿が準備していた馬で皇宮を脱出、衛兵に見つかることもなく城門へ到達した。しかし城門で待ち構えていた三皇子と藍家が立ちはだかる。「こんな夜更けに景世子はどこへお急ぎかな?…まさか軽染を使うとは」「謀反の真相は互いに承知しているはずだ だがもっと明らかなのは陛下の意中の太子が殿下ではないということだ」「バカな?!」その時、突然、三皇子の胸に矢が命中した。すると暗闇から馬に乗った浅月が現れる。…月児(ユエアール)!…「夜天逸、その矢には毒が塗ってある、一刻以内に解毒しないと死ぬわ」「容景のために私を殺すのか?!」「あなたも平気で私を手にかけた…」浅月の手には解毒薬があった。三皇子は仕方なく容景たちを見逃した。そこで浅月は容景たちを先に逃し、三皇子に解毒薬を投げ渡して後に続く。その頃、葉倩は何も知らず床入りの儀を待っていた。しかし愛しい四皇子はなかなか現れない。侍女・阿烏(アウ)の話では客人は帰ったが、四皇子は三皇子と飲み続けていたという。容景たちは浅月の勧めで荒れ寺に身を隠した。玉洛瑤はまだ都から近く、追っ手が来たら逃げられないと心配したが、浅月は皇帝が仏教を信仰して保護しているため、たとえ寂れたお堂でもむやみに捜査はしないと安心させる。すると容景はここに留まると決め、洛瑤たちとは数日後に落ち合うと決めた。「浅月、私はもうあとがない、私と一緒では生涯、逃げ続けることになる」「あなたと一緒ならどんな暮らしでもいいの」「苦労させたくないんだ」「自分の道は自分で選ぶわ」その時、上官茗玥(ジョウカンメイゲツ)が容楓(ヨウフウ)を連れてやって来た。「哥!なぜ何も言ってくれなかったんだ?!」「あとで説明する」翌朝、四皇子は皇帝に自分が容景を逃したと白状した。激高した皇帝は四皇子を引っ叩き、自分が熟考した策を私情で台無しにしたと声を荒らげる。「朕はお前に代わり反動勢力を排除しようとした お前は奴の正体も知らず、くだらぬ慈悲心で我ら夜一族を葬り去るかもしれぬ …お前は虎を放ったのだ!」すると皇帝は四皇子に板打50回の罰を与え、全ての職を解いて禁足とした。そうとは知らず、ひたすら四皇子を待っていた葉倩だったが…。つづく(  ̄꒳ ̄)いや~四皇子と葉倩のサブカップルはノーマークだったわw
2023.01.08
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皎若云间月 Bright as the moon第20話「反乱勃発」墨閣(ボクカク)の閣主・柳茵茵(リュウインイン)の目論見通り、容景(ヨウケイ)が自分を探しに来た。「古い友人をお探しですか?もうここには住んでいないようです」「鳳凰関(ホウオウカン)に詳しいのならどうか手伝いを…」「公子の頼みなら喜んで、ですが…」柳茵茵は容景が慕容家の冤罪事件を裁定した雲王の孫・雲浅月(ウンセンゲツ)と親しくしていることを指摘したが、容景は急に咳き込んで不快感を表す。仕方なく柳茵茵はそれ以上、追求はせず、夜天逸(ヤテンイツ)が謀反を企てていると教えた。「この機に天聖(テンセイ)は転覆しましょう」しかし容景は無辜の民まで巻き込むことを良しとせず、どうやら道が違うと断って帰ってしまう。三皇子は父皇から急に呼び戻された理由が冷(レイ)王にあると知り、挙兵を決意した。そこで図らずも夫婦となった秦玉凝(シンギョクギョウ)に密かに町を出るよう勧める。「父皇の軍隊が到着したら藍家がそなたを捕える、そうすれば疑われることはない」三皇子は玉凝まで巻き込むつもりはなく、男として身の安全だけは保証すると約束した。ちょうどその話を回廊を歩いていた浅月が立ち聞きしてしまう。…挙兵?早く容景に知らせなくては…すると突然、扉が開き、玉凝が浅月を中に引き込んだ。三皇子と同じ船に乗ると決めた玉凝は情けは禁物と言ったが、三皇子に浅月を殺せるはずがない。「浅月は有用だ」鳳凰関で反乱が起こった。各所の烽火(ホウカ)台で狼煙(ノロシ)が上がり、反乱軍は都に向かっているという。この反乱は内通者なしには不可能、秦宰相は三皇子か景世子のいずれかが首謀者だと報告した。皇帝は思わぬ事態に動揺し、直ちに四皇子・夜軽染(ヤケイセン)を大将軍に任命して討伐を命じる。「今すぐ10万の兵を率いて鳳凰関へ迎え!」柳茵茵たちは内乱が絶好の機会なると考え、容景に指示を仰いだ。しかし容景は拒否、独り城内に戻ってしまう。「″道同じからざれば相為に謀らず″だ」その頃、四皇子が鳳凰関に到着、反乱軍に応戦する秦都官を発見した。「首謀者は誰だ?!」「…景世子です!」一方、三皇子は藍漪(イラン)たちと城楼で高みの見物を決め込んでいた。すると思いがけず墨閣に襲われ、藍家が応戦しながら階下へ押し戻す。城楼で独りきりとなった三皇子、その時、容景が現れた。三皇子は容景が慕容家の長子だと知っていた。「同じ敵を前にして手を組むべきではないか? 父皇は慕容家の家財を没収して斬首した、遺恨を胸に苦しんだであろう? その痛みはよく分かる、助け合おうではないか?」しかし容景は自分の野心のために天聖の民を犠牲にしている三皇子とは一線を画すという。「深い恨みを背負った私が求めるのは正義のみ、あなたと私は相反する場所にいる 正道と非道だ…″道同じからざれば相為に謀らず″」すると三皇子は容景が求めているのが浅月だと気づき、逆上した。三皇子と容景の激しい攻防が続いた。藍家は急いで助太刀に戻ったが、容景が三皇子を人質に取ることに成功する。「武器を捨てろ、主を殺してもいいのか?」しかし藍漪が浅月を連れてやって来た。「死ぬのはどちらかしら?」その時、三皇子は反乱軍を片付けながら階段を登ってくる四皇子と秦玉凝に気づく。すると駆けつけた柳茵茵が煙玉を投げつけ、その間に容景と浅月を救出した。三皇子は急いで藍家を撤収させ、自分の腕を斬って負傷を装った。そこへちょうど四皇子と秦玉凝が到着する。「三哥?!何があったのです?!」「全て容景のせいだ…」四皇子は城楼に転がっている骸を確認すると、首には淇国にしか咲かない五色楹(ゴショクエイ)という花の印がある。「淇国の残党が生き残っていたとは…」すると玉凝が景世子と慕容家に深い関わりがあるらしいと匂わせた。容景は浅月を連れて山間の小さな村に避難した。浅月は容景に感謝し、この機になぜ自分に冷たくするのか知りたいという。そこへ柳茵茵が弦歌(ゲンカ)と彩蓮(サイレン)を連れてやって来た。「なぜこの人がいるの?…私を遠ざけたのはこの人が理由なのね?」浅月は何も言ってくれない容景に深く傷つき、泣きながら行ってしまう。浅月は民家の軒先で泣いていた。その姿を遠目から見守る容景、すると馬のいななきが聞こえて来る。容景は追っ手が来たと気づき、浅月を逃がそうとした。しかし浅月が拒んだため、咄嗟に手刀で打って眠らせ、納屋に隠しておく。一方、四皇子たちは村に残っていた弦歌と彩蓮を捕縛していた。…浅月が容景を捕まえたと知ったら、さぞや恨まれるだろうな…するとその時、容景が自ら姿を現した。宮中では皇帝が冷王を尋問していた。冷王は陥れられたと訴え、実は容景が慕容家の長子だと暴露して話をそらす。しかし皇帝は容景の正体と冷王の嫌疑は別の問題と判断、冷王を投獄した。すると総管・呉虞(ゴグ)が駆けつけ、四皇子は容景を護送中、三皇子は重症を負って療養中だと報告する。「8万の大軍を7年も隠していたとは…天逸をみくびっていた」「つまり陛下は三殿下が首謀者だと?」「他言するな」皇帝は人払いしたが、急に激しく咳き込み、喀血した。翌朝、目を覚ました浅月は納屋を出て容景を探した。しかし村人たちの話では容景たちが昨夜、官軍に連行されたという。驚いたことに容景が反乱を起こした首謀者だというのだ。何でも容景は皆殺しにされた慕容家の長子で、栄王が密かに養子にして育てていたという。一方、雲王府にも容景が謀反を起こしたという知らせが舞い込んだ。浅月が行方不明だと知った南梁睿(ナンリョウエイ)は探しに行くと決めたが、香荷(コウカ)も同行するという。「浅月は恩人だもの、私も行く!」白頭峰(ハクトウホウ)の神鳥洞に浅月が現れた。三皇子は浅月との再会を喜んだが、浅月にいきなり引っ叩かれてしまう。「なぜ容景が捕まったの?!」「…危険を顧みず、奴のために戻って来たのか?」浅月は都に戻って皇帝に全て暴露すると決めたが、三皇子が止めた。「容景を選ぶと決めたのか?…私を選ばずに?」「容景かあなたかじゃない、黒か白か、善か悪かよ!」「この夜天逸、裏切りは決して許さない…何より君の裏切りをな!」三皇子は激情に駆られ浅月を突き飛ばすと、藍漪が背後から浅月を殴って眠らせた。「三殿下、この者は我々にとって危険な存在です、殿下ができないなら私が…」「いいや、私がやる!」三皇子は意識のない浅月を背負って山を登り、やがて崖に出た。思い出すのは浅月と過ごした宮中での幸せな日々、まさか2人にこんな結末が待っているとは誰が予想できただろうか。「すまない…すまない…」三皇子は浅月を抱きしめ何度も謝っていたが、やがて意を決して崖から浅月を投げた。四皇子は容景を護送し天聖に到着、城門で罪人の処遇を待った。四皇子が本当は世間の評判とは違って天賦の才があると見抜いていた容景は最後に師弟関係のよしみで浅月の世話を頼む。「言われなくても浅月は私が守る…無茶はさせないさ」すると皇帝の勅命が届き、容景は淇国の残党であると認定され、謀反の罪で投獄された。一方、南梁睿と香荷は怪しまれないよう夫婦を装い、鳳凰関付近で浅月を探していた。すると村人から都の女が城西で身投げし、助けられたという噂を聞いたと教えてもらう。2人は早速、城西に向かうと、偶然にもとある民家の庭先にいる浅月を見つけた。崖から転落した浅月は驚いたことに一命を取り留め、偶然、通りかかった老夫婦に助けられたという。浅月!>٩(*´ᗜ`)ㅅ(ˊᗜˋ *)و<浅月!つづく( ̄▽ ̄;)三殿下…悩み悩んで月児を逃すのかと思ったら、あっさり投げたw
2023.01.06
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皎若云间月 Bright as the moon第19話「誤算の夜」白頭峰(ハクトウホウ)の神鳥洞に潜入した雲浅月(ウンセンゲツ)と容景(ヨウケイ)は偶然、三皇子・夜天逸(ヤテンイツ)と藍漪(ランイ)の話を立ち聞きした。激怒した浅月は思わず飛び出そうとしたが、容景が止める。「この状況で三殿下に何を言っても無駄だ…今、出ていけば雲家全体に危険が及ぶ」浅月は容景がまだ自分の身を案じていると知り、腕の傷も自分が原因だと分かった。「私のせいで″虎の目″なんて馬鹿げた嘘を信じたのね?私を思っているのに遠ざけて…」「思い上がりだ…早く鳳凰関から離れたほうがいい」「いつも冷静ね、でも時には後先考えず無茶をしてもいいでしょう?」浅月は被災民を守るため洞窟の兵糧を奪い返すと決めた。その夜、上官茗玥(ジョウカンメイゲツ)は配下に指示して町のあちこちに火を放った。一方、浅月と容景は洞窟から兵糧を盗み出し、被災民たちにばら撒いてしまう。兵士たちが火消しに追われる中、三皇子のもとに一報が届いた。しかし三皇子はこれが陽動作戦だと気づき、慌てて藍漪と一緒に神鳥洞へ向かう。すると見張り番が倒れ、洞窟の中はすでに火の海だった。秦玉凝(シンギョクギョウ)は救援物資と兵糧の盗難の件で鳳凰関に派遣された。容景との再会に胸が躍る玉凝だったが、容景の目には相変わらず雲浅月しか映っていないと痛感する。このまま皇帝から見放された三皇子に嫁ぐなど真っ平ごめん、玉凝は酔った勢いで既成事実を作ろうと思いついた。「衛漾(エイヨウ)、手を貸りたいの…」その夜、容景は誰かにつけられていると気づいた。咄嗟に三皇子の寝所に隠れる容景、すると衛漾が窓からこっそり媚薬を吹き込んで走り去る。容景は口をふさいで外へ出ると、何事もなかったように部屋へ戻った。しかし何も知らずに宴から戻った三皇子がそのまま寝台に入ってしまう。翌朝、目を覚ました三皇子は隣で寝ている秦玉凝に気づき、飛び起きた。「景世子…」目的を果たした玉凝は猫撫で声で呼びかけたが、ようやく共寝の相手が三皇子だったと知る。( ≧∀≦)<!なぜここに!>(≧∀≦ )↓三皇子の二度見wwwwwwwww三皇子はかすかに残る媚薬の香に気づき、こんな卑しい手を使ったのかと蔑んだ。しかし玉凝は容景の部屋のはずだったと動揺、三皇子は容景目当てだったと知る。実はその頃、朝から騒がしい三皇子の部屋の前に侍女たちが集まっていた。「どうしたの?!」通りかかった浅月と彩蓮(サイレン)が駆け寄ると、その時、三皇子の部屋からあられもない姿の秦玉凝が飛び出して来る。あーっ!( ゚Д゚)゚Д゚)・・・・・ピキッ!Σ(°∀° ノ)ノ玉凝は逃げるように走り去ると、後から三皇子が現れた。(; ꒪ω꒪)꒪ω꒪)・・・・・(꒪ꇴ꒪〣)<月R!まさか浅月がいるとは知らず、三皇子は慌てて釈明したが、浅月は婚約者を大切にするよう諫めて行ってしまう。その時、容景は事の顛末を遠目から見ていた。三皇子は浅月から突き放され、呆然とたたずんでいた。その背中を見つめながら、藍漪は三皇子と初めて出会った時のことを思い出す。かつて藍漪は江湖の争いで絶体絶命のところを三皇子に助けられた。藍漪は恩返しを約束、本来なら藍家は朝政に関与しないが三皇子を追って辺境へ向かい、その志を遂げるため協力すると申し出る。しかし今や三皇子は男女の情にかまけていた。秦玉凝は部屋にこもり、涙に暮れた。責任を感じた衛漾は自分に怒りをぶつけて欲しいと訴えたが、玉凝は出ていけと怒鳴りつける。「いいえ…14歳で秦府に入り、小姐(シャオジエ)に出会った時、生涯尽くすと心に誓いました」「なぜあの部屋に三殿下が?!」「…私の過ちです」すると衛漾は三皇子へ復讐すると決意、部屋を飛び出した。衛漾は無謀にも三皇子に斬りかかった。危うく返り討ちに遭うところだったが、容景が現れ助けてくれる。三皇子は騒ぎを起こさぬよう引き下がり、そこへ秦玉凝が駆けつけた。「部下を救ってくださりありがとうございます」「あなたのためではない、鷹揚衛(ヨウヨウエイ)は陛下のものです」相変わらず冷たい容景、すると玉凝はせめて慰めの言葉くらいかけて欲しいと涙ながらに訴える。しかし容景は自分の慰めなど不要だと突き放し、下策に走った玉凝に最後まで辛辣だった。一方、宮中では皇太子暗殺未遂の罪で冷貴妃が白綾を賜った。「娘娘(ニャンニャン)のご出立だ」するといよいよ怖くなった冷貴妃は、兄の冷王に頼まれて香粉を渡したと証言してしまう。急に参内するよう命じられた冷王は身の危険を感じた。そこで息子・冷邵卓(レイショウタク)に三皇子への密書を託しておく。「計画を実行するよう伝えてくれ」秦玉凝は一刻も早く鳳凰関を去りたかった。そこで三皇子に断りを入れることにしたが、三皇子と藍漪の話を立ち聞きしてしまう。「父皇は私を警戒し玉凝を寄越したのだろう、今回の件を利用できるかもしれない」「つまり玉凝をお許しに?」「小事にこだわるより今、重要なのは失った兵器庫だ」「兵器庫なら他にもあります、地方の製造ゆえ質は劣りますが、十分、使えるかと…」玉凝は三皇子が謀反を企てていると知り驚愕した。しかしうっかり物音を立て、捕まってしまう。三皇子は自分と手を組んで生き延びるか、死ぬしかしかないと秦玉凝を脅した。「…そなたは賢い、私が皇位につけばそなたは皇后だ、そうなれば誰でも踏みつけにできるぞ? 夫婦になったのだ、苦労を共にし栄華を享受しよう、どうだ?」すると三皇子はいくら愚かな部下でも部屋を間違えるはずがないと匂わせた。「(はっ)誰かが仕組んだと言うの?」「仕組んだというより利用したのだ、誰の仕業かはもう分かるだろう?」玉凝はようやく容景が自分を追い払うため画策したと気づき、深い愛情が憎しみへと変わってしまう。そこへ藍漪がやって来た。「冷王が皇宮に呼び出されたと連絡が…密書です」三皇子は冷王が捕まるかもしれないと気づき、密書を開けた。…容景は慕容家の長子…「ふっ…決行だ」その頃、容景は柳茵茵がいた廃墟の前にいた。通りすがりの老父の話では慕容家の事件のあとに引っ越し、それから誰も住んでいないという。つづく( ๑≧ꇴ≦)何この展開?浅月も大概だけど、容景も酷すぎないか、これ?w
2022.12.26
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皎若云间月 Bright as the moon第18話「洞窟の基地」倒れた雲浅月(ウンセンゲツ)が客桟へ運び込まれた。三皇子は医者から浅月が毒に当たったと聞き、これを利用して浅月を取り戻し、容景(ヨウケイ)を排除しようと企む。一方、容景は官吏・杜斉(トセイ)の案内で郊外にいた。「水を流し込むのはこの窪地しかないな」「窪地の周囲は山林です、土地勘のない者が入れば必ず道に迷い、脱出できなくなります」実は鳳凰関(ホウオウカン)は敵を封じ、攻撃する絶好の場所だった。何やら訝しむ容景、その時、弦歌(ゲンカ)が息急きって駆けつける。「大変です!郡主が毒に…」「郡主は?今どこだ?!」弦歌は道すがら彩蓮(サイレン)から解毒に″重瞳(チョウドウ)の虎の目″が効くと聞いたと教えた。そこで容景はその足で虎山へ行くことにしたが、竹林では弓矢を構えた刺客が待ち伏せしている。謀られたと気づいた時には手遅れ、突然、物陰から矢が飛んで来た。容景は腕に矢傷を負ったが、腹心の上官茗玥(ジョウカンメイゲツ)が駆けつけ難を逃れる。「虎の目を使う解毒法などない!郡主は無事だ!」その頃、治療が終わった浅月は目を覚まし、すっかり元気になっていた。しかしその夜、偶然、中庭にいる刺史・馮時道(フウジドウ)と医者の話を耳にする。ω- )<三殿下の具合は?ω- )<しばらく休養が必要です、ただ郡主には心配かけたくないと内密に…驚いた浅月は何があったのか2人を問い詰めた。医者の話では三皇子が郡主の解毒に必要な虎の目を手に入れるため虎山に入り、深手を負ったという。浅月が三皇子の寝所に駆けつけると、三皇子は青白い顔で横になっていた。「どうして隠していたの?!」「愛する人に命を捧げることは当然だ…」すると三皇子は鳳凰関での残りの数日間、そばにいて欲しいという。浅月はすっかり三皇子の芝居に騙され、恩に報いるためにしばらく三皇子に付き添うと約束した。上官茗玥は容景の腕の傷を手当てし、浅月の事となると途端に冷静さを失うと諫めた。「やはり郡主とは距離を置くべきだ」すると上官茗玥は″友″の居場所が分かったと伝えて引き上げてしまう。そこで容景は独り夜の町に出た。廃墟から琴の音が聞こえて来た。容景が中に入ってみると、墨閣(ボクカク)の閣主・柳茵茵(リュウインイン)が琴を弾いている。「宰相の命であなたと三殿下を追って来ました」実は朝廷の救済事業を調べたところ、毎年支給される救援物資が鳳凰関に入るといつの間にか行方知れずになっていた。どうやら夜天逸(ヤテンイツ)が関わっているらしい。「なぜ宰相に報告せず、私に?」「それは景世子が慕容(ボヨウ)家の冤罪を調べているからです…父は慕容将軍の盟友でした」柳茵茵の正体は淇(キ)国の丞相の娘・玉洛瑶(ギョクラクヨウ)だった。淇国が滅ぼされた時に家族は皆殺しとなり、生き残った父と玉洛瑶は亡国の恨みを晴らすため身を隠したという。父亡き後は遺志に従って墨閣を継承、名を柳茵茵と変えて都で情報を集めていた。これも天聖の後継者争いを激化させ、政変を起こすためだという。「淇国滅亡後、父親同士の往来は?!」「2人は兄弟同然の間柄でした… 慕容将軍が天聖に降服した時も父は恨むことなく救出を図りましたが、骨すら持ち帰れなかった それを悔いた父は2年後に亡くなりました」すると柳茵茵が墨客の主に与えられる令牌を差し出した。「父は墨客の主となるのは慕容将軍の長子しかいないと…どうかお力添えを…」しかし容景は真相を知りたいだけだと断り、政争に巻き込まれたくないと言った。「天聖の景世子としてひとつだけ言っておこう、一時の執念で災いを招かぬように…」その頃、ちょうど浅月も気分転換に彩蓮と街を散策していた。すると急に雨が降り始め、慌てて軒下に避難する。その時、偶然、向かいの廃墟から容景と柳茵茵が現れた。「あれは柳茵茵?…なぜここにいるの?」 容景は柳茵茵から扇と傘を受け取って帰ろうとしたが、その時、ふと視線の先にいる浅月に気づいた。2人は目が合ったが、怒った浅月は逃げるように帰ってしまう。翌朝、浅月は被災民の間で疫病が流行っていると知り、急いで駆けつけた。そこで布団や衣服を日に干し、食器は煮沸するよう勧め、竹炭を使って濁った水を濾過(ロカ)する方法を指導する。被災民は頼りになる郡主に心から感謝し、都から聞こえて来る悪評は嘘だと分かった。するとそこへ容景がやって来る。浅月は柳茵茵と密会していた容景への怒りが収まらず、思わず再建費用を栄(エイ)王府が出してくれると勝手に発表して憂さ晴らしした。柳茵茵は容景の説得に失敗、かえって疑われる羽目になった。しかも雲郡主を手放すことができないと見える。配下は郡主に手を下すか聞いたが、柳茵茵は容景が郡主を巻き込むことは望まないと止めた。「我々が道を指し示せば良い」一方、南梁睿(ナンリョウエイ)は相変わらず雲香荷(ウンコウカ)と顔を合わせれば喧嘩になっていた。すると香荷から居候の穀潰しと罵られ、激怒して宮中へ行ってしまう。皇帝は遊歴中に天聖に立ち寄ったという南梁睿を歓迎、宮中で過ごすことを許した。そこで南梁睿は早速、想い人の月岐(ゲツキ)公主・拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)に接触したが、全く相手にされない。葉倩の目には四皇子しか映っておらず、南梁睿が入る隙などなかった。そんな葉倩とは裏腹に肝心の四皇子はまだ浅月を吹っ切ることができない。兄の未練に気づいた妹の軽暖(ケイダン)は浅月にとって兄は友人でしかないと苦言を呈し、心を捧げてくれる人に目を向けるべきだと諫めた。「公主は結婚が決まって嬉しそう、そんな公主の幸せを壊す気なの?」「…私はきっと葉倩を愛せない」しかし軽暖は喧嘩ばかりしている兄と公主の仲もまんざらではないと感じていた。浅月は今日も被災民に食事を配っていた。すると美しい羽を持っている少女を見かける。少女の話では父からもらった神鳥の羽で、白頭峰(ハクトウホウ)の神鳥洞に住んでいるという。浅月は鳳凰かもしれないと喜び、少女から行き方を聞いて早速、出かけることにしたが、実は柳茵茵の差し金だった。一方、容景は柳茵茵からもらった扇を調べていた。扇には何も書いていなかったが、塩水につけてみると山水画が現れる。それは白頭峰への地図だった。浅月は道なき道を進み、ようやく神鳥洞を見つけた。あとは坂を下るだけだったが、急に容景に腕をつかまれ引き止められてしまう。「なぜここに?」「声を出すな…」すると兵士たちが神鳥洞に兵糧を運び込む姿が見えた。浅月はこれが食糧不足の原因だと憤慨、容景が止めるのも聞かず洞窟へ降りて行ってしまう。洞窟の前には見張りの兵が2人いた。浅月は2人の目を盗んでこっそり中へ入ろうとしたが、その時、物陰からひょっこりもう1人の見張りが現れる。(((ʘ ʘ;)))うわぁぁぁーっ!驚いた浅月が叫び声を上げたせいで2人の見張りも振り返ったが、容景が3人とも片付けてくれた。洞窟の中は兵糧だけでなく、金銀や武器が備蓄されていた。すると浅月は箱についている青い花の印に気づく。「これは藍家の印よ、摩天崖(マテンガイ)で見たの、望春楼(ボウシュンロウ)の火事の時もこの印があった(はっ)ちょっと待って、望春楼の火事の日、あなたもいたの?」「考え過ぎだ、いるわけない」しかし浅月は意識を失う直前に白い衣の男に助けられたことを思い出した。「あれはあなたよ!」浅月は思わず容景の腕をつかむと、容景は痛みで顔を歪める。「怪我したの?見せて」驚いた容景は浅月の手を払い除け、雲家が巻き込まれないよう鳳凰関から離れるべきだと説得した。「どうして?…まさか謀反でも起こるとか(はっ!)夜天逸ね?」その時、奥の部屋から怒号が聞こえた。藍漪(ランイ)は自分の配下より女が大事なのかと三皇子に激怒していた。「容景を始末すると言うから仲間を出したのに、浅月を手に入れることが目的だったなんて!」すると三皇子は自分が頂点に立った暁には最大の功臣として藍家を近衛軍の待遇を与えるとなだめる。「将来、100倍にして報いよう、藍家の青い花は我が心に…決して見捨てたりはしない」つづく(  ̄꒳ ̄)え?浅月はなぜ柳茵茵を知ってるんだっけ?あれ?四皇子と南梁睿って月岐で会ったっけ?って、私はちゃんと見てるのか?!(((ノ*>∀
2022.12.26
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皎若云间月 Bright as the moon第17話「水害被害」鳳凰関(ホウオウカン)に到着した容景(ヨウケイ)は一足先に客桟へ到着した。都からやって来た美男の使節に大興奮の侍女たち、すると1人の侍女が穿心蓮(センシンレン)を持ってやって来る。聞けば新婚夫婦の部屋の入り口に挿しておくと添い遂げられると伝わる植物で、三皇子と妃の部屋に届けると話した。三皇子は藍(ラン)家の警固のもと、役所でここ数年の軍費を記した帳面を見ていた。刺史(シシ)・馮時道(フウジドウ)の報告では朝廷からの物資は倉庫に保管し、闇鉱山で作った武器や銭荘の銀も準備できているという。「あとは殿下の号令のみです」しかし三皇子は容景が同行していることから慎重を期し、決して情報が漏れることがあってはならないと釘を刺した。雲浅月(ウンセンゲツ)も客桟に到着した。すると案内された部屋の扉に見慣れない植物が挿してある。浅月は何の意味か尋ねたが、侍女は当地の習慣で郡主を祝福するものだとしか教えなかった。早速、部屋を見て回る彩蓮(サイレン)、すると扉で仕切られた寝室を見つける。「郡主、こちらにも寝所があります!私はこちらを使います」その夜、三皇子は中庭に出て独り物思いにふけっていた。すると藍漪(ランイ)が現れ、郡主へ肩入れし過ぎると諫言する。三皇子は浅月への愛を捨てられず、そもそも思惑が異なる宰相との娘・秦玉凝(シンギョクギョウ)との縁談は無理だと言った。どちらにしても三皇子を慕う藍漪にとって雲浅月という存在は目の上のこぶでしかない。「私は従順な者が好きだ…時がくれば分かる、我らが心で通じ合う仲間だとな」「そのお言葉があれば死をも厭いませぬ」一方、容景は窓から浅月の部屋の明かりを眺めていた。自分から突き放しておきながら浅月を諦めきれない容景、すると三皇子が浅月の部屋にやって来る。三皇子は何度か声をかけていたが、返事がないため勝手に入って行った。その時、沐浴していた浅月は誰かが来たと気づき、慌てて湯殿を出て衣を羽織る。「来ないで!」「(はっ)返事がないので誰もいないのかと…」「私の部屋よ?勝手に入らないで」しかし三皇子はこの部屋が自分たち2人の部屋だと教えた。浅月は寝所が2つある本当の理由を知って動揺したが、三皇子は君子として振る舞うと安心させる。「月児…私の将来には君が必要なんだ、それだけは譲れない」三皇子はゆっくり顔を近づけたが、浅月はうまくかわして離れた。「本当に思い出せないの、覚えていないことにこだわりたくない…」「記憶は本当に戻っていないのか?」実は三皇子は墓参りでの浅月の言葉を聞いていた。「君は嘘をついたな?」浅月は驚いてうっかり花瓶を落とし、割ってしまう。ガッシャーン!物音を聞いた彩蓮は部屋に入ろうとしたが弦歌(ゲンカ)が引き留めた。すると弦歌の予想通り屋根伝いに浅月の部屋へ駆けつける容景の姿がある。物音を聞いて居ても立ってもいられなくなった容景、そっと瓦を外して部屋をのぞいてみたが、思いがけず親密そうな浅月と三皇子の姿を見てしまう。↓容景wwwww浅月は記憶が戻ったことを認めた。確かに三皇子はただの友人ではなく、あえて奇行を繰り返すことで皇太子との縁談を破棄させようとしたのも事実だという。「あなたを待つと言ったわ…でも今は…」すると三皇子は浅月を抱きしめ、また最初から始めようと言った。容景は全て終わったと肩を落とし、そこで瓦を戻して浅月の本心を聞かずに部屋へ戻ってしまう。「ごめんなさい…」実は浅月は三皇子の腕の中から逃れ、記憶が戻っても愛しているのは容景だと告白していた。運命とは皮肉なもの、浅月は三皇子と再会する2ヶ月前に7年の記憶を全て失い、他の人を愛した。実は容景と出会い、三皇子への思いは尊敬や同情によるもので、男女の愛ではなかったと気づいたという。「信じない!信じないぞ!…私との7年の愛はそんなに軽いものだったのか? 君への想いをどうすればいい?黙ってあいつと一緒にいる君を眺めていろと?」しかし浅月はただ謝ることしかできなかった。翌朝、浅月は侍女にすぐ別の部屋を用意するよう頼んだ。実は官吏が気を回して三皇子と郡主を同じ部屋にしたが、三皇子は何も知らなかったという。ともかくこれで一安心、浅月は被災地の手伝いをしながら、鳳凰の宝探しを始めることにした。鳳凰関は海江(バイコウ)と汀江(テイコウ)の合流地点にあった。今年は雨が多く2カ所が決壊、しかし幸い雨が収まって大災害は免れたという。三皇子はまず被災地の状況を確認するため、容景と手分けして水の出所を調査することにした。すると容景を案内した官吏・杜斉(トセイ)は腐敗が蔓延する役所では救済に目を向ける者などいないと吐露する。「役所がこのまま何もしなければ民は路頭に迷ってしまいます」容景たちが町へ戻ると浅月が被災民への配給を手伝っていた。その様子を見た杜斉は、どうやら郡主の悪名がただの噂だったらしいと笑顔を見せる。すると浅月が小さな孫を連れて歩いて来た老婆に粥を届けようとした。しかし急いでいた男がぶつかり、浅月はよろけてしまう。その時、咄嗟に容景が浅月を助けた。「ぁ…安心して、3尺の距離は守るわ」浅月が慌てて離れると、容景はよそ見をすると転ぶと嫌味で返す。「あなたには関係ない」「関係ないが粥がこぼれたらもったいない」すれ違いのまま溝が深まる2人、それでも結局、一緒に並んで配給に参加した。弦歌は中庭で簫を吹いている主に声をかけた。「待ち人ならしばらく戻りませんよ」「…郡主はどこへ?」「やっぱり~ごまかしても丸わかりです」実は弦歌は彩蓮から郡主と家の立て直しへ行くと聞いていた。被災民は浅月の監督の下、今後のため高台に家を建て、周りに排水溝を作ることになった。彩蓮は休憩も食事も取らない郡主を心配したが、被災民たちが郡主を頼って次々と相談にやって来る。すると浅月は現代の知識を活用し難題をあっさり解決、すっかり被災民たちから信頼を得ていた。一方、皇帝は月岐(ゲツキ)公主・拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)が四皇子のせいで倒れたと知り、激怒していた。「意中の娘がいるのは知っておる、しかし雲王府の者は避けねばならぬ 現在の外戚の勢力を弱めなければ、お前が天下に君臨する日は来ぬぞ!」皇帝は四皇子に″雲家から皇后を″という遺訓を廃するつもりだと明かした。四皇子は葉倩を介抱しながら、本当に自分に嫁ぐつもりか聞いた。四皇子を追いかけて天聖までやって来た葉倩はもちろんだと答えたが、四皇子は自分を粗末にするなという。「私はあなたのそばにいられればいいの」「急かさないから良く考えてみてくれないか」浅月と彩蓮は手分けして被災民に食糧を配った。すると浅月は病気の子供を見かけ、還魂草(カンコンソウ)さえあれば助かると知る。そこで現地の少年を道案内に浅月は険しい山へ入った。少年はしみじみ役人が皆、郡主のような人なら良いという。「そんなに大変なの?」「悪徳役人の下じゃ暮らしは楽になりません、まあ食べられるだけマシです」浅月は少年の話を聞きながら薬草を鎌で切っていたが、うっかり指を傷つけてしまう。「郡主、それは毒草です!大丈夫ですか?郡主?!」つづく( ๑≧ꇴ≦)また毒かwww
2022.12.26
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皎若云间月 Bright as the moon第16話「鳳凰関へ」雲香荷(ウンコウカ)が目を覚ますと浅月(センゲツ)が付き添っていた。侍女の話では浅月が池に落ちた香荷を助けてくれたという。浅月は容景(ヨウケイ)のために身投げなど馬鹿馬鹿しいと呆れ、そもそも香荷は手が届かないものを欲しがっているに過ぎないと指摘した。「無条件の愛をくれるのは親だけよ?赤の他人のために肉親を悲しませないで あなたは私のたった1人の姐姐(ジェジェ)なんだから…」「でも昔からあなただけが可愛がられる、爺爺(イェイェ)も姑姑(グォグォ)もそうよ」「2人は私を愛してくれる、でも小さい頃に孤児になって″躾が悪い小娘″だと陰口を言われたわ 親を亡くしても私と代わりたい?」香荷はようやく浅月への嫉妬から解放され、わだかまりも消えた。しかしそこへ慌てて南梁睿(ナンリョウエイ)が飛び込んで来る。「浅月!無事か?!…この性悪女に近づいてはダメだ!」「ちょっと!性悪女って誰よ?!」浅月は誤解だと伝えたが、今度は香荷と南梁睿が犬猿の仲になってしまう。雲王府に月岐(ゲツキ)の公主・拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)がやって来た。実は皇帝から四皇子との縁談を賜ったという。「それから情報が…景世子が鳳凰関(ホウオウカン)へ行くわ、何でも遠い辺境の地で水害が酷いらしいの」浅月は″鳳凰″と聞いて第3のお宝を思い出し、何か関係がありそうだと気づいた。四皇子は幼い頃から浅月が好きだった。しかし浅月は三兄と親しくなり、自分の気持ちを伝える機会を失ったまま今に至る。…もう黙ってはいられない…月岐公主との縁談が進む中、四皇子は後悔しないよう浅月に告白しようと決めた。そこで酒の力を借りて雲王府へ乗り込むと、ちょうど母の命日で墓参りに出かけるところだった浅月と出くわす。「実は…その~話があるんだ…つまり~私は~私は~」すると運悪く三皇子が現れ、結局、告白できずに終わってしまう。三皇子は容景を牽制するため、鳳凰関に浅月を誘った。驚いた浅月だったがまさに渡りに船、自分も何か手伝いたいと申し出る。すると三皇子は庭卓の上にある作りかけの同心結びに気づいた。「…この結び方は私が教えた」「違うわ、彩蓮(サイレン)から習ったのよ?」「まさか、これは母妃のやり方だ、他の者は知らない」「( ̄▽ ̄;)ぁ…これから母の墓参りなの、もう行くわね」浅月は雲青晴(ウンセイセイ)の墓参りにやって来た。「本物の雲浅月はどこにいるのかしら?とにかく帰る方法が見つからない…」すると後をつけて来た三皇子が物陰から浅月の様子をうかがう。「望春楼(ボウシュンロウ)の火事で記憶を失ったの、三殿下との約束も忘れてしまって…別の人を愛したわ」三皇子は思いがけず浅月の口から真実を聞き、逃げるように引き返した。「娘(ニャン)、どうすればいい?まあ~いずれは帰るから別にいいんだけど…」←いいのかーい!w公主の婚礼のため月岐から使節が到着した。葉倩は腹心の侍女・阿烏(アウ)と再会、必ず四皇子と幸せになると誓う。一方、宰相は皇帝が四皇子に後ろ盾のある妻を娶らせ、三皇子との縁談を拒否した娘に何も言わないことから、三皇子には見込みがないと判断した。さすがの秦玉凝(シンギョクギョウ)も三皇子に同情したが、巻き込まれるのはごめんだという。「父上は私を支えてくださいね」浅月が墓参りから戻ると屋敷のそばで三皇子が待っていた。「浅月、鳳凰関行きは私のためか?…本心が聞きたい」「その~屋敷にいるより外へ出たくて…退屈だから…」三皇子は悲しみをぐっとこらえ、明朝に迎えに来ると笑顔を見せて帰って行った。四皇子は浅月が三皇子と鳳凰関に行くと知り、悶々としていた。…やはり月岐公主との縁談は断る、何が皇子だ、天下だ!欲しいのは君だけだ…一方、浅月も三皇子の言葉を思い出して眠れぬ夜を過ごしていた。…どういたらいいの?でもとにかく行かなくちゃ、第3のお宝があるかもしれない…←そっち?w翌朝、雲王は浅月のため自ら旅支度を揃え、迎えに来た三皇子に孫娘の世話を頼んだ。見送りに来た香荷だったが、南梁睿と顔を合わせれば喧嘩になってしまう。その頃、四皇子は浅月を追いかけるため、葉倩が止めるのも聞かず宮中を出ようとしていた。容景は城門で初めて浅月が一緒に鳳凰関へ行くと知った。弦歌(ゲンカ)は彩蓮と一緒で嬉しいが、あっさり三皇子に乗り換えた雲郡主に困惑する。そんな一行を墨閣(ボクカク)の閣主が見ていた。道中で浅月の乗った馬の蹄鉄(テイテツ)が割れた。驚いた容景は急いで浅月のもとまで駆けつけたが、三皇子がこれみよがしに自分の馬に浅月を乗せてしまう。一方、四皇子は必死で浅月を追いかけたが、途中で馬を潰した。その間に浅月たちの一行が見えなくなってしまう。「まただ、いつも一歩遅い…だから君には私が見えない 分かっている、公主との縁談を断って全てを捨てても、君の心に私がいなければ全て無駄だと…」すると四皇子は父皇から言われた通り、浅月を陰ながら見守ろうと心に決めた。四皇子は激しい雨の中、歩いて徳王府に戻った。すると門前で葉倩がびしょ濡れになりながら四皇子の帰りを待っている。四皇子は驚いて葉倩を抱き上げ、慌てて寝所へ運んだ。鳳凰関に三皇子一行が到着した。官吏たちは揃って城門で出迎え、三皇子に宴席の用意があると伝えたが、容景には挨拶もない。弦歌は思わず主人も皇帝直々の使節だと不満を漏らした。気まずそうな馮時道(フウジドウ)たち、しかし気を取り直して作り笑いで容景に拝礼する。すると容景はすぐ公署へ案内して欲しいと頼んだ。三皇子は一緒に宴席に出ようと浅月を誘ったが、長旅で疲れたと断られてしまう。つづく( ̄▽ ̄;)浅月…他人事すぎるのよね〜
2022.12.23
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皎若云间月 Bright as the moon第15話「狙われた赤子」雲浅月(ウンセンゲツ)の叔母・雲皇后に皇子が生まれ、皇帝は上機嫌だった。すでに問題児を装う必要がなくなった浅月も今や皇帝のお気に入りの郡主、可愛がられている。一方、銭荘の爆破事件を追っていた容景(ヨウケイ)は腹心・上官茗玥(ジョウカンメイゲツ)に民間の爆薬製造所を調べさせていた。すると工房が墨閣(ボッカク)という組織と関係していることが分かる。しかも墨閣の実態は淇(キ)国人の集団で、若く美しい女頭目は慕容(ボヨウ)将軍と深い関わりがあった。「慕容の冤罪に淇国の惨劇…目的は復讐に違いない」冷(レイ)王は妹の冷貴妃を訪ねた。兄から見ても冷貴妃は慎みがなく皇帝の足も遠のくはず、そのため子宝にも恵まれない。そこで冷王は皇帝の寵愛を得るよう努力し、皇后には従順であるよう諭した。「そうだ、お前にやった月岐(ゲツキ)の香粉を少しくれないか」冷貴妃は兄が帰ると早速、聖陽宮へ向かった。すると雲郡主が慣れた様子で皇后の寝宮を取り仕切っている。冷貴妃は皇帝が雲郡主のために寝殿まで用意したと聞いたことを思い出し、もしや姪も入宮させるつもりかと揶揄した。「そのうち容色が衰えたら皇后を追い出してそなたを後釜に置くかも…」バシッ!⊂彡☆))`Д´)アゥッ!浅月は叔母を辱めた冷貴妃を引っ叩き、侍女に命じて追い返してしまう。皇帝は嫡子の九皇子・天賜(テンシ)を太子に冊立した。焦った冷王は三皇子の生母・蕭(ショウ)妃を訪ね、皇太子を狙うと教える。実は冷王と蕭妃は過去に少なからず関係があった。「灯火は何本もあるゆえ、1本のみに気を取られないよう…」皇帝は皇后と夕食を共にした。その間、浅月は皇太子をあやしていたが、冷貴妃に手を上げたことを皇帝から追及されてしまう。しかし浅月の弁明を聞くと皇帝は憤慨、むしろ浅月が宮中に留まることは問題ないと許した。すると乳母が急に悲鳴を上げる。「太子殿下ががが!」侍医は皇太子が中毒だと診断した。命に別状はないが、知能に障害が残る可能性が高いという。少なくとも毒は口から入ったわけではないと分かったが、原因を特定するには調べが必要だった。皇帝は容景に調査を任せた。知らせを受けた容景は早急に参内、すると浅月が独り途方に暮れている。「(はっ)景世子…」「…その時、太子はどこに?」「ここよ」皇太子は赤子用の寝台で寝ていた。口に入れる物は常に検査しているので毒の混入はありえないという。容景は早速、浅月と一緒に寝台を調べたが、ふと浅月がいつもと違う香りだと気づいた。「ある種の香は嗅ぎすぎると昏迷したり気が触れたりする、こういった毒物は険しい山に多い 薬草を採りに山へ入る者はその毒物を採取してろうそくの芯を作り、燃やして快楽にふける…」すると容景はろうそくの火を吹き消した。容景はろうそくの芯に薬物が染み込んでいたと報告した。火がつくと無味無臭の煙が出て皮膚から吸収され、大人に影響はないが皇太子が窒息してしまったという。「幼い子だけに効く毒です」皇帝は悪辣な方法に激怒、すると浅月が月岐の公主・拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)を連れて駆けつけた。実は公主の蛇なら毒のありかを見つけられるという。葉倩はろうそくの香が月岐特産の曼陀羅草(マンダラソウ)だと気づき、蛇の餌にも入っていると説明した。葉倩の蛇は冷貴妃の寝宮へ入った。蛇を見た冷貴妃と侍女は悲鳴をあげて動けなくなったが、そこへ皇帝たちがやって来る。すると葉倩は蛇を回収し、冷貴妃の化粧台にあった箱を容景に渡した。中には確かに曼陀羅草の粉末が入っている。浅月は赤子を狙った冷貴妃を非難したが、覚えのない冷貴妃は困惑した。「濡れ衣です!この粉は長いこと使ってきました!決して毒などでは…」その時、冷貴妃は兄の冷王に曼陀羅草を渡したことを思い出し、ようやく何が起きたのか悟った。しかし兄の仕業とは言えず、令宮送りになってしまう。皇太子は治療のため南梁(ナンリョウ)に預けることになった。浅月は必ず良くなると叔母を励ましたが、雲皇后は辛くてたまらないと涙に暮れる。「あまり思い詰めず、ゆっくりお休みください…」一方、皇帝も心を痛め、政務にも身が入らなかった。すると三皇子が薬湯を差し入れにやって来る。「もし外地への任務でもあれば私にお任せください」三皇子は殊勝に振舞って父皇の反応を見たが、皇帝から早々に追い返されてしまう。三皇子は冷王を厳しく非難した。「父皇は私を疑っている…今回はやり過ぎだ!仮にも私の弟だぞ?! 私は自分の力で権力を勝ち取りたい! 昔から感じていた、父皇に見放され、期待とは無縁の息子だと… 秦玉凝(シンギョクギョウ)との縁談も、秦家に私を監視させることが目的だろう それも受け入れたというのに、この有り様だ…納得いかぬ!」すると冷王が三皇子が長年、駐屯していた鳳凰関(ホウオウカン)に治水工事の上奏があったと教えた。「治水の監督を名目に、現地で兵力を固めては?」冷王はいっそ挙兵してはどうかと提案した。確かに父皇が受け入れてくれないなら、別の道を行くしかない。三皇子はついに覚悟を決め、冷王も三皇子に命を捧げると誓った。上官茗玥は慕容家の古い友人が鳳凰関にいると突き止めた。その者を探せば当時の状況が分かるという。容景は先日、水害地域の鳳凰関に食糧配給の上奏文が出されたことを思い出したが、辺境に疎い自分を陛下が派遣するとは思えなかった。そこでひとまず茗玥が先に探りに行くと決めたが、容景が急に参内を命じられる。実は三皇子が一足早く水害が深刻な鳳凰関を任せて欲しいと嘆願していた。確かに鳳凰関は淇国との国境に近く機微を要する地域、すると皇帝は天逸(テンイツ)に災害救済を任せると決める。しかし軍人の三皇子は政務に不慣れだと、容景を補佐につけた。三皇子はおとなしく拝命して下がったが、屋敷に戻ると冷王に不満を爆発させた。「明らかに警戒している!まさか容景も一緒だとは…」三皇子は容景が望春楼(ボウシュンロウ)を焼いたことを知っていると明かし、すでに父皇の耳に入ったのではと疑心暗鬼になる。しかも容景は月岐で慕容家の事件を嗅ぎ回っていた。すると慕容と聞いた冷王は急に高笑いする。「三殿下、景世子の出現は天の助けですぞ!ご安心を、この冷王が全て手はずを整えます」一方、雲王府では香荷(コウカ)が宮中に入り浸りの浅月に嫉妬していた。そこで生母に泣きつき、景世子との縁談を祖父に頼んで欲しいと訴える。生母は身分が違いすぎると相手にしなかったが、香荷は断るなら池に飛び込むと脅した。しかしうっかり足を滑らせ、本当に落下してしまう。その時、ちょうど帰ってきた浅月が池に飛び込み、香荷を助けた。皇太子の病を重く見た皇帝は四皇子に葉倩との婚姻を賜った。葉倩は夢が叶ったと感激もひとしお、しかし浅月が好きな四皇子は喜べない。皇帝は四皇子が婚姻に乗り気でないことを知っていた。そこで四皇子を散策に誘い、早く身を固めて自分の地位を継いで欲しいと説得する。月岐と婚姻を結べば両国の後ろ盾を得て大切な人も守れるようになるからだ。実は皇帝は軽染の生母を入宮させたことを後悔しているという。「宮中になど入らず、普通の家に嫁いでいれば苦しませることもなかった 同じ思いを浅月にさせたいか?」つづく(  ̄꒳ ̄)今度は鳳凰関か〜って″鳳凰″の何かがここにあるのか?!
2022.12.19
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皎若云间月 Bright as the moon第14話「南梁の玉環鏡」三皇子は父皇が決めた許嫁が宰相の娘で軍人の秦玉凝(シンギョクギョウ)だと聞き愕然となった。冷(レイ)王も予想外だったが、これは四皇子と宰相の連盟を崩す好機だという。「ようやく帰還できたのです、詔に公然と背けば陛下の不興を買うことに…」すると使用人が駆けつけ、秦都官が訪ねて来たと伝えた。秦玉凝は三皇子も当然、自分との婚姻を拒否するはずだと高をくくっていた。そこで三皇子から婚姻の破棄を申し出て欲しいと懇願する。しかし驚いたことに三皇子は互いに想い人がいても情が湧くこともあると言った。「我々の間にあるのは愛ではない、いわば一種の連携だ」三皇子は思わず玉凝を引き寄せると、憤慨した玉凝は帰ってしまう。冷たい雨の夜、雲浅月(ウンセンゲツ)は酒楼の欄干に腰掛けて酒をあおっていた。その様子を遠目から容景(ヨウケイ)が見守っている。すると浅月はうっかり酒瓶を落とし、2階から落下しそうになった。その時、突然、容景が現れ、浅月を引き上げてくれる。「三殿下の結婚の知らせでやけ酒か?」「あの人は無関係よ…」浅月は全て思い出したと教えた。これで何もかも終わったと落胆する容景、しかし浅月はそれでもなお愛しているのは容景だという。浅月の気持ちを聞いた容景は突き放すことができず、泥酔した浅月を雲王府まで送って行った。その様子を浅月の帰りを待っていた三皇子が見てしまう。容景を諦められない秦玉凝は朝議で三皇子との婚姻を辞退した。「以前から慕うお方がいます…景世子です」玉凝は鷹揚衛(ヨウヨウエイ)を率いて尽くした功績をもって容景との婚姻を賜りたいと嘆願する。しかし容景は即座に秦都官の厚意に応えられないと断り、従来より患う病により療養したいと皇帝に申し出た。朝堂は騒然、玉凝に袖にされた三皇子も容景に断られた玉凝も面目を失ってしまう。三皇子は自ら栄王府に容景を訪ね、同盟を持ちかけた。しかし容景は政争に興味などなく、懐柔も警戒も必要ないという。「それにしても都に敵なしの三皇子が、なぜわざわざ前太子の前途を火中に?」屋敷に戻った三皇子は憤慨した。全ての証拠を消したはずだったが、まさか容景に尻尾をつかまれていたとは…。藍漪(ランイ)はすぐ動くか聞いたが、三皇子は自分より気持ちが収まらない者が動いてくれるという。すると三皇子は南梁(ナンリョウ)との国境で異変を起こすよう命じた。南梁では吉日に異変が起こると玉環鏡を祭壇に掲げ、天に鎮国の祈りを捧げるという伝統がある。「その時こそ行動を起こす好機だ」「しかし国宝である玉環鏡は…」「噂の真偽はどうであれ可能性があるならやるしかない、皇帝の座も、女人に対しても同じことだ」「…では殿下は天下と女人を得るため藍家を渦中に?」「お前はいつも鋭い、賢い女だ」南梁の城門に顒(ギョウ)が現れた。これは干ばつの兆し、報告を受けた南梁王は玉環鏡を出して祈祷を行ったが、その最中、祈祷師の中に紛れていた賊に鏡を奪われてしまう。南梁王は民の動揺を恐れて鏡の件を内密にし、世継ぎの南梁睿(ナンリョウエイ)に必ず探し出すよう命じた。浅月が中庭で物思いにふけっていると、突然、南梁睿が現れた。「よ!久しぶり~!」「ヒィッ!Σ(°∀°ノ)ノ 何でここにいるの?!」「公式訪問だ」すると南梁睿は玉環鏡を探すために来たと説明し、浅月に手を貸して欲しいという。浅月は玉環鏡が千年の寒鉄と玉で作られてた南梁の秘宝だと知り、例の3つの宝器だと気づいた。実は鏡が賊に奪われ、不審者を追ったところ藍家という江湖の組織が関係しているという。当主は腕の立つ女で、根城は天聖の摩天崖(マテンガイ)だと分かった。「私、知ってる!一緒に行きましょ!血を流さず取り返す方法があるの、磁石って知ってる?」南梁にとって玉環鏡を失うことは国の半分を失うも同然だった。古くから国宝として尊重されてきた玉環鏡は″天命を受けた者″の象徴、失えば天運が尽きるという。そこで浅月は摩天崖へ向かう道すがら、天然の磁石を探すことにした。浅月と南梁睿は摩天崖に潜入、そこで浅月は火をおこして洞窟に煙を充満させた。驚いた藍漪は配下たちに調べて来るよう命じ、玉環鏡を袋に入れて避難することにする。すると南梁睿が現れ、藍漪の行く手を阻んだ。「そなたのような美人を放ってはおけぬからな~ようやく理想の恋人が見つかったよ」憤慨した藍漪は謎の公子に襲い掛かり、南梁睿も応戦した。浅月は物陰から2人の手合わせを見ていた。洞窟に並んだ箱には藍家の印がついていたが、浅月はその印に見覚えがあると気づく。あれは確か火事に巻き込まれた酒楼で前太子の部屋の扉にあった印と同じだ。その時、南梁睿は藍漪が腰から下げていた巾着を上手いこと外すことに成功する。そこで浅月が落下した巾着の近くに磁石を投げて鏡を引き寄せ、見事に取り返した。すると南梁睿は藍漪を突き飛ばし、その隙に姿を消してしまう。雲王府に戻った浅月は南梁睿にしばらく玉環鏡を貸して欲しいと頼んだ。「必ず返すから~」「だめだ、国の宝なんだぞ?」2人は子供の喧嘩のように玉環鏡を奪い合ったが、その時、浅月は南梁睿の扇子を見て驚いた。その扇子は確かに浅月が幼い頃、兄に贈ったものだ。現代の手法で作ったため、浅月以外に作れるはずがない。「これをどこで手に入れたの?!」その時、騒ぎに気づいた雲王がやって来た。南梁睿は浅月の実の兄だった。初対面の時も南梁睿は浅月が妹だと知っていたが、当時はまだ明かせなかったという。「双子の噂は本当だったのね?」「昔から天聖では双子は不吉と言われておる だから生後間もない梁睿を母の実家である南梁に送り、養育させたのだ」雲王は命に関わる秘密のためくれぐれも公害するなと浅月に口止めした。南梁睿は雲王府に滞在することになった。そこで浅月が部屋へ案内することにしたが、中庭で偶然、従姉・香荷(コウカ)と出くわす。「妹妹~嫁入り前なのに陛下が知ったらお怒りになるわ~」しかし南梁睿が南梁の世継ぎだと知ると香荷は急に目の色を変えた。浅月は″白玉の神龍″と″千年の寒鉄″を手に入れた。残るは鳳凰の何かだが、どこで探せばいいのか見当もつかない。そんな中、叔母の皇后が皇子を出産、浅月は従弟の顔を見に行った。皇后は幸せだったが、宮中の平穏など長くは続かないものだという。叔母として浅月にも守ってくれる相手がいれば安心できると言ったが、浅月は自分で何とかすると答えた。「誰かが決めた相手とは結婚できないわ…」つづく( ๑≧ꇴ≦)蝎王(いや違うけどw)そうだったのか~!
2022.12.18
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皎若云间月 Bright as the moon第13話「記憶を取り戻す旅」月岐(ゲツキ)の公主・拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)が軍機大営で四皇子・夜軽染(ヤケイセン)と一緒にいることが皇帝の知るところとなった。しかし四弟を失脚させるつもりだった三皇子の目論みは失敗する。皇帝は怒るどころか月岐公主の来訪を歓迎、宮中に滞在することを許し、これを機に四皇子を宮中に戻すと決めた。「本日よりそなたの任務はひとつ、公主を楽しませよ」「はあ?!」三皇子は雲浅月(ウンセンゲツ)との関係が一向に進展せず焦っていた。そこで思い出の場所を訪ねる旅を計画するが、浅月は過去より今を大切にしたいと乗り気ではない。「少し考えさせて…」「はお」しかし李蕓(リウン)は確かに記憶を取り戻せば本物の雲浅月が戻ってくるかもしれないと気づいた。自分が身体を借りているせいで浅月が想い人である三皇子と再会できないとしたら不憫でならない。すると軍営を出た葉倩が浅月を訪ねてきた。浅月は月岐から戻ってすぐの頃、容景と想いが通じ合ったと葉倩に報告した。しかしある日突然、容景の態度が一変したと嘆く。葉倩は三皇子への嫉妬ではないかと推察し、改めて容景に気持ちを伝えるよう助言した。「でも避けられているのよ?」「待っているだけじゃ機会を逃しちゃうわ!」すると葉倩は浅月を強引に引っ張って栄(エイ)王府に連れて行ってしまう。弦歌(ゲンカ)は雲郡主への愛に苦しむ主の姿に心を痛めていた。すると偶然にも郡主が訪ねてくる。まさに渡りに船、弦歌は郡主を招き入れ、葉倩は門で待っていると笑顔で見送った。容景は用がないなら帰ってくれと浅月を突き放した。そこで浅月は三皇子から記憶を取り戻す旅に誘われたと教える。「行きたくないの…だって過去の記憶と引き換えにあなたを忘れてしまうかも… 記憶を取り戻したいと思わないわ、過去がどうであれ私は今の雲浅月でいたい」しかし容景は郡主にふさわしいのは三皇子だと心にもないことを言って浅月を追い返そうとする。傷ついた浅月はたとえ記憶が戻ってどうなろうと容景とは無関係だと言い残し、飛び出して行った。「葉倩、決めたわ、三殿下と旅に出る!」三皇子はかつて浅月と訪れた寺院を参拝、大師に預けた書き付けを返してもらった。すると封書に入っていた金の葉には″10年後も変わらぬ愛を誓う″と書いてある。「10年前、結婚の約束をした時に預けた文だ」そこで三皇子は月岐に届いた浅月の文を渡した。…はっ!この手紙は一体、何?雲浅月と私の筆跡が全く同じだなんて、こんなことがあるの?…浅月は確かに自分の筆跡だと認めたが、どうしても自分が書いたとは思えなかった。「君の心は変わってしまったのかもしれない…だが私の心はあの頃のままだ、君を忘れられない まだ諦めたわけじゃない、月児、因果や輪廻といった営みにもそれが生じる理由があるはずだ 記憶を失った君は遠くにいる私の代わりに奴を好きだと思い込んだ その気持ちは本当の愛なのか?それも不変の愛だと言えるのか?」…そうよ、李蕓、あなたはどうしたいの?元の世界に帰らずここで一生を終えるの?…三皇子は浅月も迷っているのだと察した。「やはり君の記憶を取り戻したい」旅を終えた浅月はかえって混乱した。寺院で文を目にした瞬間、覚えていないにも関わらず懐かしさを感じたのはなぜなのか。…筆跡も同じだった、ここに来たばかりだし、体験しているはずないのに…その時、浅月は容景の弟・容楓(ヨウフウ)の言葉を思い出した。『持ち主は見つからないよ?だってその万年筆は君のだから…』容景は愛する浅月を傷つけた自責の念から体調が悪化した。三皇子よりずっと前から浅月を愛していた容景、しかし当の本人は何も知らないだろう。この2ヶ月、浅月から三皇子を遠ざけようとしてきたが、いずれ記憶が戻れば浅月はこれまでの日々を忘れてしまうに違いない。…そうなれば私もこれ以上、思い悩む必要はなくなる…翌朝、浅月は不思議な夢を見た。城門で月岐へ旅立つ三皇子を見送る浅月、そこへ容景が現れる…容景は浅月が望んだから来たと言って手を伸ばした『私とおいで』『どうして?』浅月はどこへ行くとも知らず容景の手を取ったが、急に容景が消えてしまう『容景!…容景?!』容景を探し回る浅月、するとそこで目が覚めた。浅月は屋上で急に倒れた時の記憶をたぐり寄せた。よくよく思い出してみると、見知らぬ世界で目を覚ました時、確かまだ幼い浅月の姿だったはずだ。あの時、李蕓は宮中の池のほとりでびしょ濡れ、隣には見知らぬ少年が倒れていた。…私は10年前、ここに来ていたのね…それからずっと雲浅月の中身は李蕓だった…何が起きてそうなったの?まさかもう戻れないの?なぜ私がこの時代に?…しかも10年も経ってるなんて、あなたは何者なの? 一方、容景は浅月を忘れようとすればするほど、かえって想いが募っていった。李蕓は改めて三皇子から届いた金の葉を読み返してみた。すると次第に10年前の記憶が蘇ってくる…李蕓は元の世界に戻れず浅月として鬱々と過ごしていたが、偶然、三皇子と出会った意気投合した2人は共に過ごし、やがて三皇子が月岐へ派遣されることになるあの時、李蕓は慣れない針仕事ながら手巾に刺繍し、月岐へ発つ三皇子に贈った『君への便りを金の葉に書くよ、それを読んで私の気持ちを感じて欲しい 文箱を渡しておく、寂しい時はこれを見て私のことを思い出してくれ』『忘れないで、絶対に太子より目立ってはだめよ?』『うん、2人の未来のために気をつける』それ以来、李蕓は現代の知識を使って陰ながら三皇子を助けて来た…三皇子から届いた金の葉には辺境も安定し、これなら浅月を妻にできる日も近いと書いてあった。冷王は四皇子が月岐公主と結婚し、月岐の後ろ盾を得ることを懸念した。そこで皇帝に年頃の三皇子と四皇子の縁談を上奏、長幼の序からすれば四皇子の婚儀が後になると進言する。三皇子が後継者なら雲郡主を嫁がせるはず、しかし皇帝は美しく才女と評判の宰相の娘・秦玉凝(シンギョクギョウ)がふさわしいと言った。報告を聞いた三皇子は到底、受け入れがたく、すぐ冷王を呼ぶよう命じる。一方、玉凝も三皇子との縁談話を知り激高していた。…あの人以外、誰の元にも嫁ぐものですか?!…つづく( ๑≧ꇴ≦)記憶を取り戻す旅、短っ!w小三皇子が可愛くて憎めない、いや浅月が塩対応過ぎて三皇子を応援してしまうわw
2022.12.12
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皎若云间月 Bright as the moon第12話「夜灯会」容景(ヨウケイ)は雲浅月(ウンセンゲツ)と距離を置くことにした。しかし連絡をくれない容景にしびれを切らした浅月が栄(エイ)王府に乗り込んで来る。急に冷たくなった容景に困惑する浅月、すると容景は浅月と一緒にいても時間の無駄だと追い返してしまう。弦歌(ゲンカ)はさすがに郡主が可哀想だと主を諌めたが、容景は誰より胸を痛めていた。その夜、三皇子は雲王府に浅月を訪ね、明日の乞巧(キツコウ)節に出かけようと誘った。気が重い浅月だったが、三皇子に封鎖された雲王府を救ってもらった恩があり断れない。一方、軍機大営に潜入する月岐(ゲツキ)の公主・拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)も明日の乞巧節は男女が互いの思いを確かめ合う日だと小耳に挟み、四皇子を誘うことにした。四皇子は軍紀を乱すと断ったが、葉倩はならば鎧を脱いで女だとバラすという。しかし四皇子は軍営を抜け出したのが父皇に知られれば、どちらにせよ幽閉されると言った。「ふふ、私に任せて!」乞巧節を迎え、秦玉凝(シンギョクギョウ)は久しぶりに鎧を脱いで美しい衣をまとった。しかし肝心のお目当てである容景は屋敷にこもって鬱々としている。弦歌は少しでも主の気を晴らそうと屋敷の中に灯籠を飾り、残念ながら郡主は三皇子と出かけてしまったと教えた。「今年の謎かけの勝者は三皇子でしょうね、初めて王座を奪われてしまいます」すると容景は居ても立ってもいられなくなり、密かに出かけてしまう。三皇子は浅月を乞巧節の伝説の木へ案内した。男女がこの木に一緒に紅い布を結べば心が通じると言われている。三皇子は早速、枝に紅い布を結び始めると、その間、浅月は容景の姿を探した。結局、容景は見つからなかったが、人混みの中に葉倩の姿を見つける。「来てたのね?!」「(はっ!)浅月!」誰かと思えば、葉倩と一緒にいる大きな娘は軍営を抜け出すために女装した四皇子だった。しかし四皇子は浅月が三皇子と一緒だと知るや否や、葉倩を連れて慌てて逃げ出してしまう。その様子を向かいの通りから容景が寂しそうに見ていた。夜灯会では謎かけの催しが開かれた。今年は謎を解いた者が次の謎かけを出し、最後の3問目を解いた者が勝者となって縁起が良い大輪灯をもらえるという。最初の出題者に名乗りを挙げたのは冷邵卓(レイショウタク)だった。解いたのは秦玉凝、そこで2問目は玉凝が出題する。三皇子はこっそり浅月に答えを教え、浅月が正解して最後の出題者となった。その時、浅月は会場の方へ歩いてくる容景の姿に気づく。「答えが分かった人は私のそばへ来て答えてください」容景は思わず立ち止まり、浅月の出題を聞いた。「いいですか?…″木目は心にまたがり″ ″小坊主に毛なし″ ″古人は反文を作り″ ″凄惨に涙なし″ それぞれが1文字を表します」雲郡主の思わぬ難問に人々は頭を悩ませた。するとどこからともなく″才人の景世子でなければ分からない″という声が上がる。その時、誰かが容景に気づいた。景世子だ!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<景世子が来た!浅月の難問を解いたのは容景だった。「″木目は心にまたがる″は″想″、″小坊主に毛なし″は″你″、″古人は反文を作り″は″做″… ″凄惨に涙なし″は″妻″」3問目の正解は″想你做妻(君を妻にしたい)″だった。しかし容景は答えを直接、浅月に告げることができず、大輪灯を受け取らずに帰ってしまう。容景はその帰り道、お忍びで街に出た皇帝と出くわした。すると皇帝は一緒に見物しようと誘い、露店の茶屋で一休みする。そこへ偶然、三皇子と浅月が通りかかり、皇帝は2人を同席させた。しかし突然、近くの銭荘・湘雅居(ショウガキョ)が爆発、浅月は無意識に隣にいた容景をかばって意識を失ってしまう。四皇子と葉倩は一足先に軍営へ戻っていた。それにしても夜灯会で爆破とは誰の仕業なのか。女装から解放された四皇子は考えあぐねていたが、葉倩は自分たちには関係ないと茶々を入れた。しかし四皇子の幕舎で寛いでいる葉倩の姿を冷邵卓に見られてしまう。浅月が自分の部屋で目を覚ますと、容景がいた。「付き添ってくれたのね…」「私を守ってくれたことに恩を感じている、ゆえに誠意を尽くさねば…義務は果たした」「私は貸し借りを作らない主義なの、以前の借りを返せたのなら、これでお互い貸し借りなしね」「そういうことだ」すると容景は帰ってしまう。墨閣(ボクカク)に爆破を指示したのは奏宰相だった。皇帝の不安を煽ることが目的だったが、まさか多くの負傷者を出すとは予想外、しかも皇帝の身まで危なかったとあって怒りが収まらない。しかし閣主は三皇子が裏で私腹を肥やしており、その場所が銭荘だと報告した。皇帝が爆破事件を捜査すればおのずと三皇子の野心が明るみに出るはずだという。「頂いた情報を頼りに証拠を集めました…あとは宰相大人が上奏するだけです」湘雅居が裏で偽札を大量に流していたと判明した。そこで秦宰相は三皇子がこの銭荘に出入りするのを見た者がいると上奏する。皇帝は表向き普通の銭荘のためおかしくないと言ったが、すぐ三皇子を呼んだ。しかし三皇子はまだ調査中で、偽札の件も知らないという。「朕の命を狙ったのは側近の者ではないのか?」「ご心配なく、必ずや賊を引きずり出します」「お前は戻ったばかり、行動は慎重にな、平穏に見えても朝廷には暗雲が渦巻いている」翌朝、冷王は三皇子を訪ねた。三皇子は密偵の藍漪(ランイ)が火薬の痕跡を見つけたと教え、誰かが故意に起こした爆発だと憤慨する。しかも誰の入れ知恵なのか、父皇は明らかに自分を疑っていた。「まだ何か起こるかもな…」すると冷王は今回の爆発で一番の利益を得る人物こそ黒幕だという。「二兄は銭荘のことを知っている…私をはめるとしたらあのうつけ者、軽染(ケイセン)か?」「本当にうつけ者かは分かりませぬ」そこへ藍漪が駆けつけた。実は昨夜、湘雅居の軍給輸送隊が襲われ、全員、殺されたという。「恐らく四殿下かと…」藍漪は証拠として現場に落ちていた令牌を渡したが、実は部隊を襲って令牌を置いたのは墨閣だった。罠だと気づかず怒り心頭の三皇子、しかし思いがけず冷邵卓が四皇子の弱みをつかんだという。三皇子は直ちに軍機大営へ駆けつけた。すると四皇子の幕舎で月岐の公主を見つける。葉倩は軍装だったが、面識のある三皇子を騙すことはできなかった。つづく
2022.12.12
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皎若云间月 Bright as the moon第11話「発見した記録」軍機大営で新兵の選考試験が始まった。試験の中でも難しいのは騎射、しかも冷(レイ)王の息子・冷邵卓(レイショウタク)が副試験官とあって見る目も厳しい。四皇子は拓跋(タクバツ)葉倩(ヨウセイ)がここで脱落すると期待したが、葉倩は密かに弓に細工をして競争相手を蹴落とした。次の格闘技では得意の武術であっさり勝利、すると憤慨した四皇子は自ら葉倩と手合わせするという。しかしこれが災いし、冷邵卓は張拖把(チョウタバ)という新兵が実は女子だと気づいた。その夜、冷邵卓は父と一緒に三皇子を訪ね、四皇子が軍営で女を囲っていると報告した。しかし三皇子はどこか上の空、そこで冷王は話を切り上げさせ、息子を外へ出す。「三殿下、心ここに在らずでは邪魔者を蹴落とす機会を失います」冷王は雲浅月(ウンセンゲツ)が原因だと気づいたが、三皇子は誤解だと否定した。翌朝、朝議で四皇子が軍営で女を囲っていると告発があった。そこで皇帝は退朝後、三皇子と容景(ヨウケイ)に閲兵を口実にして調査に向かうよう命じる。一方、雲王はてっきり孫娘が男装して四皇子に会いに行ったと誤解、屋敷に戻るなり浅月を叱った。すると事情を聞いた浅月が驚いて茶を吹いてしまう。「\(^o^)/オワター!爺爺!軍令牌を貸して!」三皇子と容景は直ちに軍機大営に出かけた。すると四皇子の天幕に確かに女子がいる。しかしそれは祖父の令牌を持って正式に訪ねて来た浅月だった。見れば四皇子は顔中に赤い発疹が現れ、浅月は心配して看病に来ていたという。布団の中に隠れていた葉倩は苦しくなって危うく飛び出しそうになったが、何とか切り抜けた。浅月は容景と一緒に軍営をあとにした。しかし容景は四皇子の天幕にいた浅月に憤慨、帰りの馬車で冷たく突き放す。「ハイハイ〜今日から男友だちはあなただけと誓うわ…ふふっ あなたがこんなにやきもち焼きだなんてね~今回だけは許して?ね?」容景は甘える浅月にほだされ、すぐ機嫌を直した。三皇子は四皇子をかばった浅月に憤り、屋敷に戻るなり酒をあおった。すると藍漪(ランイ)が駆けつけ、ある情報を伝える。「…確かか?」「藍家の情報に間違いはありません 不吉とされる双子が生まれ、当時は噂が広まって陛下も怯えていたとか…」一方、宮中では皇帝が災難続きの天聖(テンセイ)に心が休む暇もなかった。その日は風邪を引いた総管・呉虞(ゴグ)の代わりに弟子が仕えていたが、実は皇帝に上奏したいことがあるという。「先日、訪ねて来た同郷の者が言うには郷里にえらく羽振りの良い老婆がいるそうで… 何でも昔、雲王府で働いていたというのです 重大な秘密を知ってしまったため、大金をもらって暇を出されたのだとか 昔、雲王妃が男女の双子を出産、不吉ゆえ1人は殺されたはずでした しかし雲王爺が密かに1人をどこかへ…」その夜、雲王府は突然、封鎖された。何も知らずに屋敷へ向かっていた浅月だったが、途中で待っていた彩蓮が急を知らせる。「秦玉凝(シンギョクギョウ)が鷹揚衛(ヨウヨウエイ)に少姐を探させています」「一体、何があったの?!」すると三皇子が現れ、自分に策があると言って浅月を屋敷へ連れて行った。浅月は事の発端は皇帝が双子の噂を聞いたせいだと知った。すると三皇子は雲王府との結託を疑われる危険も顧みず、浅月を助けたいという。「私を信じて待っていればいい」浅月は三皇子のおかげで無事に屋敷へ戻った。そこで書斎に閉じこもっている祖父に差し入れを持って行く。「無遠慮に入ってくるのはお前だけだな」「ふふ~爺爺、とろこで双子の噂は本当なの?」「いいか、2度とその話を口にするな、口は災いの元だぞ?」雲王は双子の話があくまで糸口に過ぎず、恐らく最終的には雲王府から雲皇后にまで飛び火すると懸念した。皇帝に雲王府を告発した太監が殺された。三皇子は封鎖された雲王府が動けるはずもなく、誰かが雲王府を嵌めた可能性もあるという。「鼎(カナエ)の3本の足の1本でも折れれば崩れます、大局を見失ってはなりません」皇帝は三皇子の冷静な分析に感心し、その場で三皇子を監国に命じた。三皇子は事件を解決し雲王府を救った。知らせを聞いた浅月は感謝してくれたが、やはりまだ心を開いてはくれない。一方、慕容(ボヨウ)家事件を調べている上官茗玥(ジョウカンメイゲツ)は、生存者から雲王府が虐殺に関わっているとの証言を得た。そこで容景に自分たちで記録を探し、真相を調べようと提案する。容景は悩んだが、結局、浅月を利用することにした。浅月は容景から文で急かされ、昔の記録を探すことになった。そこで祖父に屋敷の管理を任せてほしいと懇願、泣き落としが効いたのか、雲王が15日の試用期間を設けてくれる。「15日?それで十分よ!」こうして屋敷のあらゆる鍵を手に入れた浅月は早速、記録を探し始めた。しかし一日中、くまなく探してもそれらしき記録は見つからず、すっかり疲れて浅月閣に戻る。するといつの間にか部屋に潜んでいた容景が現れた。「私が探そう」容景は使用人の話から雲王がちょうど留守だと知り、書斎へ忍び込んだ。そこでついに隠し扉を発見、昔の記録を手に入れて脱出する。すると浅月はすで居眠りしていた。容景は後ろめたさに苛まれながら、鍵だけ返して黙って帰ってしまう。栄王府に戻った容景は茗玥と記録を確認した。…泰熙(タイキ)9年、慕容氏が淇地(キチ)を掌握との一報があり、その意図は淇国の再興であると…本官は慕容家を捜索し書簡を発見、差出人は淇国再興を企む一派…天聖に帰順して久しく功もあるが、物証が明らかなため一族全員の誅殺は妥当茗玥は慕容家が淇国の残党と通じたなどあり得ないと憤怒、噂通り雲王が慕容家暗殺の首謀者ではないかと疑った。ならば生存者抹殺のため跡継ぎを南梁(ナンリョウ)まで行かせたのも納得できる。しかし容景はまだ信じられず、当時を知る人物を探そうとなだめた。茗玥は容景が郡主への情で惑わされていると指摘、今のうちに縁を切れと迫る。一方、浅月は偶然、侍女たちの噂話を耳にした。双子の件は景世子の密告ですって!>(*´・ω・)(・ω・`*)えー!王府を封鎖していた衛兵が話してたわ>(*´・д)(д・`*)マジか!実は噂を流させたのは藍家だった。明日は乞巧(キツコウ)節、彩蓮(サイレン)は果物と赤い布を用意していた。全く興味がない浅月だが、彩蓮は1年に1度だけ牽牛(ケンギュウ)と織女(シュクジョ)が会える日には都の男女がこぞって出かけると教える。「ああ~七夕デートってヤツね」そこで浅月は全く連絡をくれない容景に自分から会いに行くことにした。つづく(^ꇴ^)謎の公子の名前が上官茗玥と判明しました!お騒がせしました~でも名前、出て来たかな?なぜ栄王府に住んでるの???(←ちゃんと見ているのかw)
2022.11.28
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皎若云间月 Bright as the moon第10話「謎の万年筆」気晴らしに侍女の彩蓮(サイレン)と街へ出た雲浅月(ウンセンゲツ)。すると彩蓮がうっかり栄(エイ)王府へ見舞いに行くのかと口を滑らせた。「なぜそう思うの?…え?あいつ、また病気に?」「(はっ)大丈夫だと思いますが、弦歌(ゲンカ)が言うには体調を崩されたとか…」「ふ~ん(ニヤリ)私に隠れて弦歌と会ってるんだ~」浅月が彩蓮をからかっていると、やけに賑わっている露店を見つけた。浅月は人だかりができている露店に立ち寄った。すると驚いたこと箱の中から万年筆を見つける。「これ、私の万年筆よ!どこでこれを?!」しかし店主は各地で行商しているため覚えていないという。「買うわ!」万年筆は李蕓(リウン)が高校時代に父からもらったものだった。誰かが盗んでこの世界に持って来たのだろうか。浅月はその現代人を見つければ戻る手がかりを得られると期待し、かつて容景(ヨウケイ)から借りた10万両を使って人探しを始めた。…下の句を当てた者には報酬あり…すると1人の公子が立ち止まり、この対聯(ツイレン)を知っているという。「″奇は変え偶のまま″…″符号は象限次第″」「正解よ!」浅月はついに現代人を発見した。しかし公子はこの対聯を教えてくれたのは浅月だという。「んなワケないじゃない、私はね、別の世界から来たんだけど…」「知ってるよ、10年前もそう言ってた」浅月は意味がわからず、万年筆を出して持ち主を探していると言った。すると公子は持ち主なら見つからないという。「だってその万年筆は君のだから…対聯は三角関数の公式の覚え方だろう? 確か量子力学にエネルギー保存の法則も教えてくれたよ …信じられないなら作り話だと思って忘れてくれ」「ちょっと待って、名前は?」「楓(フウ)だ、会いたければ栄王府に来てくれ」栄王府に天雪(テンセツ)山で武者修行していた弟・楓が戻って来た。弟との10年ぶり再会、容景はふと健在だった両親と弟との幸せだった日々を思い出す。すると楓は街を見物して来たと話し、偶然にも雲郡主に会ったと教えた。「街は祭りで何かと騒がしい、正体を知られぬよう慎んでくれ」「はお、そうだ、記憶喪失という噂は本当なんだね」浅月は祖父に言われて容景から簿記を習うことにした。すると栄王府で楓と再会、容景の弟だと知る。楓は兄の寒毒が悪化して調子が良くないと嘘をつき、外出に付き添って欲しいと頼んだ。そこで浅月は容景と馬車で出かけたが、容景は三皇子への嫉妬から浅月に冷たく当たってしまう。「つっかかるならいいわ、馬車を降りる!簿記は三殿下から習うわ!」憤慨した浅月はまだ動いている馬車から飛び降り、足を捻った。容景は驚いたが、意地を張って様子も見ずに通り過ぎてしまう。一方、皇帝から罰として軍機大営に送られた四皇子は自制するどころか兵士たちをこき使って気ままに過ごしていた。そんな四皇子の天幕に兵士に扮装した月岐(ゲツキ)の公主・拓跋(タクバツ)葉倩(ヨウセイ)が現れる。四皇子は浅月の差し金だと聞いて自分と会えずに寂しいのだと喜んだが、葉倩は浅月なら何とも思っていないと教えた。その夜、四皇子は葉倩を心配して兵士の天幕を訪ねた。するとちょうど先輩兵士たちにいじめられている葉倩を発見、自分の天幕に連れて行く。そこで早く荷物をまとめて出て行くよう説得したが葉倩は拒否し、図々しくも寝台を独り占めした。四皇子は葉倩を追い出すため襲い掛かろうとしたが、四皇子が好きな葉倩は黙って目を閉じ、覚悟を決める。驚いた四皇子はもはや手の打ちようがなく、仕方なく葉倩の顔に足を向けて横になり、寝台を分け合った。容景は浅月が心配で眠れずにいた。実は浅月からもらった薬を飲んで以来、発作は起きていない。容景は居てもたってもいられず、夜更けというのに雲王府に忍び込み、勝手に浅月の部屋に入った。「ちょっと?何の用?どういうつもり?」「…馬車から飛び降りたから様子を見に来た、足を痛めたか?」その時、偶然、浅月が箱から出しっぱなしにしていた三皇子からの鳥文に気づく。「月岐には楊樹(ヨウジュ)の葉で思いを伝える風習がある…金の葉の文とは粋なことをするもんだ」容景は激しい嫉妬に駆られ、思わず浅月の腕をつかんで壁に押し付けた。「郡主は噂のような愚者ではない、私さえ手のひらで踊らされるほど聡明だ 奇行で悪評を立てたのも太子との婚約破棄を狙ったからだろう ふっ…自分の評価を下げてまで恋人の帰りを待つとはな」「そうよ!あの人に会うため月岐に行った!愚かな行いもあの人のため!そう言えば満足なの?!」するとカッとなった容景は浅月に口づけしてしまう。浅月は力一杯、容景を突き放した。「(痛っ!)噛みつくなんて…正気なの?!」「正気ならあなたへの想いに苦しんだりしない… 雲浅月、私が疎ましいのだな、もう会わない、これが最後だ」「私をどうでもいいと思うなら出ていって!」すると容景は浅月を抱きしめ、確かに今まで本心を隠して来たと認めた。「あなたを愛している…」翌朝、四皇子と葉倩はいつの間にか抱き合って眠っていた。四皇子は驚いて飛び起きたが、葉倩は既成事実が出来たとばかりに四皇子と月岐で婚礼を挙げたいという。「決心がつくまで待つわ」そこで四皇子は軍営に残るなら正体を隠して命令に従うよう強要、公主をこき使って追い出そうと企んだ。しかし料理に唐辛子を入れられたり、沐浴中に衣を奪われたり、逆に公主に仕返しされてしまう。浅月と容景は紆余曲折を経てようやく想いが通じ合い、幸せな時間を過ごした。「そう言えば口づけしたのに発作が出なかったわね」すると容景が思い出したように胸を押さえて苦しみ出し、浅月は驚いて距離を取る。容景は焦った浅月の様子に失笑、実は浅月の薬を飲み始めてから調子が良いと教えた。「あなたへの深い愛が解毒剤になる…」その夜は裏山で2人で寄り添い、月を眺めた。「私ばかり見ていないで月を見たら?」「私の月は浅月だ…あなたと結ばれるのは私しかいない」一方、葉倩にやられっぱなしの四皇子は新兵の選考試験を利用して追い出そうと考えた。しかし天幕の外で四皇子の企みを盗み聞きした葉倩は先回りして手を打つことにする。つづく(* ゚ェ゚)四と公主はどうでもいいとして…なぜか噛まれる浅月w
2022.11.27
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皎若云间月 Bright as the moon第9話「公主の入隊」帰京が決まった三皇子は雲浅月(ウンセンゲツ)と一緒に帰るつもりだった。しかし容景(ヨウケイ)が雲王と郡主を守る約束をしたと横槍を入れる。「郡主、参りましょう」すると浅月はさっさと容景の馬車に乗り込んでしまう。皇帝は勝手に月岐(ゲツキ)へ行った四皇子を叱責した。これまでの教えは無駄だったと嘆く皇帝だったが、四皇子は壮大なる天下の多様な民を知るため、経験に勝るものはないという。「天下は皇宮の中にあるんじゃない!外にあるんだ! ←とは言ってないw 井の中の蛙になりたくないのです」「よく言った」しかし軽率で無謀な行動だったことから、皇帝は罰として軍機大営で反省するよう命じた。一方、半月も姿を消していた浅月は祖父に叱られていた。すると彩蓮(サイレン)が小姐は蛇に咬まれた傷が治っていないと援護、お陰で罰を免れる。しかしうっかり彩蓮は浅月が実は景世子を追いかけて行ったと暴露した。雲王はようやく孫娘も片付きそうだと喜んだが、皇帝の勅命でもない限り浅月を娶る者などいないだろう。「失礼な!月岐では南梁の世子から嫁にしたいと言われたわ」「南梁の世子だと?…装飾品を付けていたか?」「緊箍児(キンコジ)を…扇子も見せびらかしていたわ」そこへ宮中から皇后の使いが現れた。辺境で7年、三皇子はついに皇宮へ戻った。皇帝は立派な青年になった三皇子を暖かく迎え、離宮にいる生母・蕭(ショウ)妃に顔を見せに行くよう勧める。すると三皇子と入れ違いに容景が報告にやって来た。結局、月岐に出兵を求めた黒幕までは突き止められなかったが、一連の騒動で利益を得る者がいるはずだという。しかし皇帝は小国の騒動に過ぎないと告げ、なぜか追及しなくていいと笑った。↓なぜママが冷遇されたのかも依然、不明( ̄▽ ̄;)秦玉凝(シンギョクギョウ)は回廊で容景を待ち伏せしていた。「お聞きしたいことが…お役目は無事に?」「順調だったか否かは秦都官の方が良くご存じなのでは?」すると容景は捕縛した密偵が持っていた鷹揚衛(ヨウヨウエイ)の軍牌を返した。「次はありませんよ…目的は知りませんが、自分を貶めるような真似はおやめください」「そんなに浅月が良いと?だから私を咎めるのですか?」通関証の紛失や賊の襲撃は秦玉凝の預かり知らぬことだったが、嫉妬からかえって容景を怒らせてしまう。皇帝は三皇子の帰還を機に蕭妃を離宮から出した。安堵した三皇子は王府へ戻り、自分が留守の間に都に潜伏していた藍家の当主・藍漪(ランイ)を労う。しかし急に表情が一変し、雲浅月を巻き込んで記憶喪失にしたと追及した。皇太子の失脚を目論み望春楼を襲撃した藍家、確かに藍漪は現場に雲郡主がいると知っていたが、報告するまでもないと思ったという。「私情を挟んでは大業を果たせませぬ…それよりご報告が」藍漪は話題を変え、容景が慕容(ボヨウ)家の事件を調べていると伝えた。冷(レイ)王はすでに三皇子が皇太子になれるよう手を回していた。蕭妃も離宮から解かれ、重臣20名余りとも話がついているという。しかし三皇子は父皇が自分を警戒しているように感じると言った。冷王はどちらにせよ皇太子にふさわしいのは三皇子しかいないと安心させ、宰相たちが動き出す前に立太子を奏上するつもりだという。「殿下は雲郡守と離れずに、雲王の支持はかかせません」皇后は浅月が月岐から戻ったと聞いて参内させた。思えば三皇子が月岐に発った後、浅月は何日も泣いていたが、やっと再会できたと思えば記憶喪失とはつくづく運がない。その時、三皇子が皇后へ帰還の挨拶にやって来た。浅月は叔母の赤子をあやしてやり過ごそうとしたが、気を利かせた皇后に2人で散策へ行くよう勧められてしまう。三皇子は浅月を連れて街に出た。今日は五穀祭、民は面をつけて歌い踊り、女媧(ジョカ)に五穀豊穣を願う。すると三皇子が急に浅月の手を握りしめた。「月児…以前はよくこうして散歩したものだ」驚いた浅月は人の目があると慌てたが、その様子を運悪く容景に見られてしまう。浅月は露店で面を買おうと誘い、三皇子が面をつけている間に逃げ出した。すると偶然、月岐の使者として天啓にやって来た拓跋(タクバツ)葉倩(ヨウセイ)と再会する。実は葉倩は四皇子に会いたくて一足先に到着したが、四皇子の居場所が分からなかった。浅月は葉倩を連れて四皇子がいる軍機大営にやって来た。ちょうど今、新兵を募集しているため、男装して潜り込めば四皇子に会えるという。早速、受付の長い列に並んだ葉倩、うっかり拓跋と名乗りそうになったが慌てて″拖把(タバ)″と言い換えた。すると華奢な身体つきを見た長官から不合格を言い渡されてしまう。葉倩は乗馬が得意なので騎兵で役に立てると売り込み、何とか受付を通過することに成功した。しかし次が身体検査だと知り、慌てて引き返す。その時、ちょうど厠から肥料を運んでいく荷車を見かけた。葉倩は身体を糞尿まみれにして身体検査へ乗り込むと、長官はあまりの臭さに絶え切れず、検査を免除して着替えに行けと命じた。弦歌(ゲンカ)は主と雲郡主の仲を取りもつため、占い師に協力を頼んだ。すると街に戻った浅月が占い師の露店の前を歩いてくる。「そこの姑娘、婚姻の相が現れていますよ」浅月はどうせいかさまだと呆れたが、占い師は浅月の悩みをぴたりと言い当てた。「望む人とは添えず、望まぬ人から求められているのでは?」「お金は払うわ!運命の人はどこにいるの?」「草木の橋のたもとに良縁ありだ」「草に木…″栄″のこと?」しかしその時、三皇子に見つかってしまう。三皇子は何としても自分の気持ちを分からせると迫り、これから皇宮へ行って婚姻を認めてもらうと決めた。強引に連れて行かれてしまう浅月、すると机の下に隠れていた弦歌が顔を出す。「まずいまずい、どうしよう~!」三皇子はちょうど庭園にいた皇帝と皇后に雲月との婚姻を嘆願した。「これは月岐に発つ前、浅月にもらった手製の手巾です」浅月は自分の刺繍ではないとごまかしたが、そこへ急報が届いた。「西山の兵糧大営から出火し、半焼しました!」すると皇帝は今日は縁起が悪いと縁談話を後回しにして三皇子に調査を任せた。( ๑≧ꇴ≦).oO(危なっ!火事のおかげで結婚しなくて済んだ~容景の策は成功した。西山大営の訓練は過酷で兵士たちも疲労しているため、失火もあり得る。弦歌は証拠を残すようなヘマはしないと自慢したが、容景はそもそも弦歌が原因だと咎めた。「はあ?お手柄の間違いでは? 苦労して情報を探ったんですよ?雲郡主と三殿下が結婚しても良いと?」しかし容景は黙って出て行ってしまう。つづく( ತ _ತ)出た…面倒なお騒がせ公主w
2022.11.22
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皎若云间月 Bright as the moon第8話「反乱の黒幕」容景(ヨウケイ)は月岐(ゲツキ)国王の病を治し、両国の関係を見事に仲裁した。そこで王子・拓跋(タクバツ)業成(ギョウセイ)は父王に変わって宴を開き、三皇子たちを歓待する。容景はこの機会を利用して国師に接触、庭へ連れ出した。国師はかつて天聖(テンセイ)の大理寺卿(ケイ)だった。しかし慕容(ボヨウ)家の事件後にこつ然と姿を消し、名を変えて月岐の国師になっている。国師は自分の正体を知る景世子を警戒したが、容景はただ当時、何があったのか聞きたいだけだと訴えた。「なぜ慕容家は滅びたのですか」「慕容家がはめられたのは確かだ、だがそれは陛下の命ではなかった 何者かの画策により皆殺しに…」国師は心ならずも慕容家に謀反の汚名を着せてしまい、良心の呵責に耐えかねて職を辞していた。ただこれ以上、詮索しない方が良いという。「私も詳しいことは何も知らぬ、巻き込まれぬ方が良い、今回の挙兵にしても藩属国が発端ではない」「事件と関係が?!」その時、屋根から盗み聞きしていた密偵が暗器を放ち、国師の口を封じた。一方、公主・葉倩(ヨウセイ)は四皇子に謝罪し、和解しようとしていた。しかし許してもらえず、四皇子は公主を無視して逃げ出してしまう。そこで雲浅月(ウンセンゲツ)は公主を呼び止め、玉板指を譲ってもらえないか聞いた。実はこの玉板指は代々、王室に伝わる秘宝、公主から売るのも貸すのも無理だと断られてしまう。国師が暗殺された。三皇子は国師と一緒にいた容景をそれとなく疑うが、容景は国師が今回の反乱を誰かが画策したものだと話していたという。ともかく国師を失ったことは月岐にとって大きな不幸となった。容景は国王も療養中ゆえ長居は無用だと遠慮し、三皇子も賛同する。すると葉倩は月岐の恩人である容景に玉板指を贈った。容景は遠慮したが、浅月が勝手に受け取ってしまう。三皇子は葉成と結託し、反乱を起こさせていた。昨夜も三皇子の密偵が国師を暗殺、すでに国師の手の者を全て始末してあるという。葉成は手回しの早さに感心し、三皇子が即位した暁には月岐も呼応して周辺国を併呑すると約束した。三皇子は皆を連れて軍営に戻った。すると四皇子は浅月が蛇に咬まれていたと知り驚愕する。容景はわざと自分が全て毒を吸い出したので心配ないと話し、三皇子と四皇子を牽制した。面白くない三皇子は毒が抜けても記憶が戻っていないと指摘、治そうという。しかし浅月は拒んだ。「…このままでいい」浅月が逃げるように幕舎を出ると、四皇子は確かに毎日が楽しければ記憶喪失でも構わないと喜んだ。その夜、容景は再び喀血した。弦歌(ゲンカ)は薬を飲ませたが、寒毒を持ちながら蛇の毒を吸ったからだと諌める。「それにしても郡主は本当に三殿下がお好きなのでしょうか?むしろ惹かれるのは…」「静かにしてくれ!」すると容景は外の空気を吸って来ると言った。三皇子はちょうど幕舎の前を歩いている浅月に気づいた。「月児!…久しぶりに会ったのにつれないな」「三殿下、その話はやめませんか?」しかし三皇子は離れていても文で思いを伝え合っていたはずだと食い下がる。「とても信じられない、何か悩みがあるなら私が解決しよう… 君のことを思わなかった日はない、面と向かって気持ちが失せたと言われても信じられぬ」その様子を偶然、容景が見ていた。容景は2人の親密そうな様子に傷つき、急いで引き返してしまう。三皇子は浅月が幼い頃から自分を兄と呼び、どこへでも付いて来たと話した。男児の遊びが好きで、乗馬に弓、氷遊びも三皇子が教えたという。針仕事は嫌いだったが、それでも花朝節には手作りの品を贈ってくれた。ある時、街で婚礼の籠を見た浅月は、いつか三皇子のお嫁さんになると言ったという。「なのに私を忘れるなんて…」「私も辛いのです…何と言ったらいいのか、私は三殿下の知っている雲浅月じゃない それは私の身に起こったことじゃないんです、つまりその~」しかし三皇子は必ず浅月の記憶を戻すと言った。そこで浅月は自分も″三皇子の浅月″を連れ戻すと伝え、帰ってしまう。浅月は独り暖をとりながら酒をあおっている容景を見つけた。すると泥酔した容景はいきなり浅月の腕を引っ張って隣に座らせる。「いつの間に酒豪になったの?…ねえ見て!月岐の星はきれいね~何だか手が届きそう!」「美しいものほど幻なのだ…つかもうとしても触れることすらできぬ」「知ってる?星って本当は大きいのよ?」浅月はしみじみ別の次元の人間同士がこうして並んで座っていることに不思議な縁を感じた。しかし急に容景が浅月の肩にもたれかかって酔い潰れてしまう。…もしこれが夢だとしても、いつか目覚めるとしても、ここに来られたことに感謝します…夢でも美しいものは美しい…でもやはり早く現実に帰して、どんなに美しくてもいつか目覚めるのだから浅月は容景を幕舎へ送り届け、寝台に寝かせた。「ゆっくり休んでね」すると容景が急に先月を寝台に押し倒し、口づけしようとする。浅月は自然と目をつぶったが、ふと我にかえり、容景を拒んで慌てて帰った。しかし容景の幕舎から出てきたところを三皇子に見られてしまう。浅月は動揺していた。まさか容景を好きになったのか、遅かれ早かれ帰る日が来るというのに…。そこへ彩蓮(サイレン)が茶を運んで来た。彩蓮の話では確かに浅月と三皇子は幼なじみで両思いだったらしい。「さっき切々と気持ちを訴えられて鳥肌が立ったわ___ 浅月の身体を借りてその恋人を拒んでるなんてね」するとさすがに彩蓮も三皇子に同情した。南梁(ナンリョウ)の世継ぎ・南梁睿(ナンリョウエイ)は月岐王の病を直したのが天聖の容景だと知った。容景と浅月の一行は軍営にいるという。「手練れというのはそいつか?!」葉倩は四皇子を花市場に誘いにやって来た。しかしあっさり断られ、憤慨してまた毒虫を操って脅す。虫が苦手な四皇子は雲月の幕舎へ逃げ込むと、雲月は自分が付き合うと申し出た。月岐にはたくさんの薬草があった。そこで浅月は公主に寒毒に聞く薬草がないか聞いてみる。葉倩は以前、医学書で″氷炎花(ヒョウエンカ)″が寒毒に効果があると見たことを思い出したが、希少な花で極寒の岩壁でしか育たないと説明した。「そう言えば医者が言ってたわ、伊林(イリン)山の岩壁で見かけたって…」浅月は葉倩に頼んで伊林山へやって来た。すると断崖絶壁に咲いている氷炎花を発見する。そこで縄を下ろし、浅月は自ら花を摘みに降りていった。しかしあと少しというところで足を滑らせ、落下してしまう。その時、浅月を付けていた南梁睿が現れ、浅月を抱えて崖を駆け上がった。南梁睿はこれで浅月を助けのは2回目だと恩を着せた。しかし葉倩が駆けつけ、女癖が悪いと評判の南梁世子を揶揄する。「世子、父親に妾を譲れと泣きついたそうね?だけどいざ譲られると初夜も過ごさず追い出したとか」「昔の話だ!酔っ払っていただけだよ!私はそんな男じゃない!」南梁睿は浅月を連れて帰るつもりが面目丸潰れ、浅月に逃げられてしまう。朝議では冷(レイ)王と息子の冷邵卓(レイショウタク)が三皇子の活躍で月岐との関係悪化を避けられたと称賛していた。そこで長年にわたる国への貢献を鑑み、三皇子を帰朝させるよう進言する。秦(シン)宰相は反対したが、皇帝は三皇子の帰京を認めた。三皇子は浅月たちと一緒に天聖へ帰ることになった。四皇子と離れたくない葉倩は四皇子の馬の手綱をつかみ、もう数日だけ残ってほしいと懇願する。しかし四皇子はもうこりごりだと言わんばかりに一行より先に出発した。一方、浅月は現代の方法で作った漢方薬を容景に贈った。容景は効くはずないと断ったが、三皇子の姿に気づいて急に態度を変える。「…やはり頂こう、私のために作ってくれたあなたの真心こそ何より尊い」面白くない三皇子は浅月に自分の馬で一緒に帰ろうと言った。つづく(  ̄꒳ ̄)うむ…確かに三皇子の扱いが酷すぎるかも〜
2022.11.07
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皎若云间月 Bright as the moon第7話「恋人との再会」蛇に噛まれた雲浅月(ウンセンゲツ)だったが、容景(ヨウケイ)のおかげで無事に目を覚ました。侍女・彩蓮(サイレン)は安堵し、改めて景世子にとって主は特別な存在なのだと実感する。そこへ容景が現れた。「礼には及ばない、救ったのは代わりを探せなかったからだ…月岐(ゲツキ)城に向かうぞ」その夜、容景は公主に扮装した浅月を馬車に乗せ、弦歌(ゲンカ)と彩蓮を従者にして月岐城に向かった。「止まれ!何者だ?」「公主の馬車を遮るのか?」容景は浅月を咬んだ蛇を見せると、門衛は確かに公主の蛇だと気づいて馬車を通してしまう。しかしそれから間もなく本物の公主が四皇子を連れて帰って来た。拓跋(タクバツ)葉倩(ヨウセイ)は自分の偽物が現れたと知り、しかも自分の蛇を持っていたと聞いて驚く。「この疫病神!弁償して!」なぜか八つ当たりされ困惑する四皇子、すると公主は償いとして駙馬(フバ)になれと命じた。通関証を奪われた容景は策を弄して月岐城に潜入した。しかし弦歌が追っ手に気づき、馬車を止めて自分たちが偽物だとばれたと伝える。そこで容景は弦歌に彩蓮を任せ、酔香楼(スイコウロウ)で落ち合う約束をして浅月と逃げた。容景と浅月は一足先に酔香楼へ到着、弦歌たちが来るのを待った。しかし弦歌と彩蓮は店の前で兵士たちに囲まれてしまう。容景は2階から飛び降りて救出に向かったが、彩蓮が人質に取られた。そこで容景は自分が身代わりになると訴え、彩蓮を解放する代わりに捕まってしまう。驚いた浅月は急いで助けに行こうとしたが、突然、見知らぬ公子が行く手を阻んだ。すると浅月に一目惚れした公子は侍女たちに命じ、浅月を連れ去ってしまう。↓( ゚д゚)蝎王だ@山河令鷹揚衛(ヨウヨウエイ)の密偵が戻った。景世子が月岐の役人たちに捕まったが、そこに郡主はいなかったという。しかし入城前には景世子が郡主のため蛇の毒を吸い出し、発作を起こしていた。報告を聞いた秦玉凝(シンギョクギョウ)は動揺し、思わず杯を叩き割ってしまう。浅月を連れ去ったのは南梁(ナンリョウ)の世継ぎ・南梁睿(エイ)だった。南梁睿は浅月を追っ手から守ったと恩を着せ、明日、南梁に連れて帰るという。客桟に軟禁された浅月、そこで部屋にあった帳(トバリ)を外して紐を作り、難なく2階から脱出することに成功した。しかし侍女たちがしつこく追いかけて来る。その時、物陰から突然、見知らぬ公子が浅月を引っ張ってかくまった。「月児!」「あ…あなた誰?」その時、侍女が投げたつぶてが浅月に直撃、意識を失ってしまう。すると手練れの公子が侍女を撃退、浅月を連れて走り去った。翌朝、南梁睿は浅月を取り逃した侍女たちに激怒していた。「あと一歩というところで謎の手練れが…」「手練れ?」謎の手練れとは三皇子・夜天逸(ヤテンイツ)だった。浅月が目を覚ますと昨夜の公子が付き添っていた。「公子、ありがとうございました」「公子?月児、帰国が遅れたゆえ怒っているんだな?何度も文を出して説明しただろう?」「なぜ私の名前を?」三皇子は他人のふりをする浅月に困惑したが、聞けば浅月は火事に巻き込まれて以来、記憶がないという。「私だ、夜天逸だ」名前を聞いた浅月は、伝書鳩が運んできた葉に″逸″とあったことを思い出した。実は三皇子と雲浅月は幼なじみで長年、恋仲だったという。三皇子は浅月に別の男がいるのかと疑ったが、浅月は否定した。すると運良く急ぎの報告があると兵士の声が聞こえる。三皇子は仕方なく幕舎を出ると、浅月はようやくここが三皇子の軍営だと分かった。浅月は聞き耳を立てた。何でも月岐の北司(ホクシ)が男を2人捕らえ、それぞれ四皇子、天聖の特使だと訴えているという。兵士の報告が終わると、浅月は慌てて三皇子に経緯を説明した。実は探し物があって月岐へ来たが、途中で通関証を失くし、公主に成り済まして入城したという。「三殿下、景世子を助けて!」三皇子は急に感情的になった浅月に驚き、もしや容景に心変わりしたのかと疑った。驚いた浅月は記憶がないだけだと釈明したが、三皇子は何やら考え込んでしまう。…藍(ラン)家は何のつもりだ?なぜ報告しなかった?…「三殿下?」「…景世子は父皇が派遣した使節だ、国事ゆえ当然、対処するよ」その頃、四皇子は公主の玉板指を盗んでいないことを証明するため、葉倩の前で衣を脱いでいた。しかし葉倩はどうしても解放してくれない。「俺に惚れたのか?」「だから何?」四皇子は天聖を敵に回すつもりかと警告したが、葉倩はまだ皇子だと信じていなかった。容景の牢に思いがけず四皇子が収監された。四皇子は容景と浅月がはぐれたと知り、慣れぬ国で独りになった浅月が心配で仕方がない。すると牢番たちが賭け事を始める声が聞こえた。「金を出せ、脱出しよう!」「四殿下、本気で脱出を?」「もちろんだ」そこで四皇子は牢番を呼び、金の塊を見せびらかした。「朝廷の貴族にことづけしてくれたら、これはお前にやる」国師は牢番から報告を受け、念のため収監した男たちを尋問することにした。四皇子は月岐の対応に怒り心頭だったが、容景は公主を騙ったことを認め、素直に謝罪する。しかし通関証が盗まれ、公主の蛇に咬まれた者がいたため、止むを得なかったと事情を説明した。「恐らく両国の友好を壊さんとする輩の仕業でしょう 陛下は辺境での戦の知らせに両国の友好が第一と私を遣わせ、不和の芽を摘むおつもりです」そこへ葉倩が兄の王子・業成(ギョウセイ)を連れてやって来た。葉倩は親切で城に入れたが玉板指を盗んだと非難、すると四皇子は蠍のような性格だと言い返す。「何てひどい男なの?!鞭打ちにしてやる!」「お待ちください」すると浅月が三皇子と一緒にやって来た。四皇子は無事な浅月の姿を見て思わず抱きしめた。憤慨した三皇子が浅月を四皇子から引き離すと、三皇子が浅月に触れるのを見た容景は面白くない。すると国師は三皇子を丁重に迎えた。しかし王子と公主は月岐を攻める口実ではないかと三皇子を疑う。一触即発となる三皇子と王子、その時、国王の病がぶり返したと報告が届いた。そこで容景は医術の心得があるため、国王の容体を見たいという。容景は鍼治療で国王の血の巡りを整え、処方箋を渡した。薬剤に使用するのは蛇の毒とカエル、そこで容景は公主に蛇を返し、公主を騙ったことを詫びる。しかし葉倩は父の恩人を責められないと許し、蛇を受け取った。すると浅月が蛇のお腹が膨れていることに気づく。「何か変な物でも食べたんじゃない?」そこで葉倩が尻尾をつかんで蛇を揺らしてみると、蛇は玉板指を吐き出した。浅月はついに念願の玉板指を発見して歓喜したが、そう簡単に譲ってもらえない。一方、玉板指のことで散々、公主に辱められた四皇子は怒りが収まらなかった。葉倩は立場がなかったが、三皇子が公主の顔を立てて四弟との仲を取り持ってくれる。その時、ついに国王が目を覚ました。国王は恩人である容景に感謝し、挙兵の経緯を説明した。あれは少し前のこと、出所不明の3千両が持ち込まれ、送り主の要求は月岐の出兵だったという。期間は3ヶ月、その後、直ちに撤退すれば金を全て与えると言うのだ。月岐の国庫は空っぽ、3千両ともなれば無視できる額ではない。ただ民のことを考えると実行はためらわれた。そんな時、突然、藩属国が挙兵し、事態が動いたという。国王は何か裏があるに違いないと訝しんだ。すると王子は藩属国が月岐の意図であるよう見せかけ両国の関係を危うくしたと指摘、調査して三皇子と父に報告すると約束する。こうして天聖と月岐の誤解は解け、その夜、王子は父に変わって歓迎の宴を開いた。つづく( ̄▽ ̄;)公主と四皇子ネタはカットでいいかしらw
2022.11.02
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皎若云间月 Bright as the moon第6話「極寒の地へ」月岐(ゲツキ)に駐留している三皇子は定期的に愛しい雲浅月(ウンセンゲツ)へ鳥文を送っていた。しかし急に返事が来なくなり、ついに鳩まで戻って来なくなる。…私を忘れてしまったのか?…一方、浅月は冷邵卓(レイショウタク)の罠とも知らず、玉板指を探すため月岐に行こうと決意した。すると四皇子たちから容景(ヨウケイ)が三皇子の補佐で月岐への派遣が決まったと聞く。浅月は容景に同行させてもらおうと栄王府を訪ねたが、弦歌(ゲンカ)は屋敷内にはいるはずだと歯切れが悪かった。その頃、容景は裏山の隠れ家で上官茗玥(ジョウカンメイゲツ)から灸治療を受けていた。上官茗玥は寒毒に月岐の寒さは負担が大きいと反対したが、容景はどうしても行かねばならないという。実は月岐の国師はかつて天聖の大理寺卿(ケイ)で、雲王を助けて慕容家を調査した人物だった。慕容家が皆殺しになると、その後、こつ然と姿を消している。すると外から物音がした。上官茗玥は慌てて飛び出すと、ちょうど引き返そうとしていた雲郡主を見つける。「何しに来た?!」「アハハハ…ごめんなさい、お邪魔だったかしら?」容景の密会現場を目撃し戸惑う浅月、天下の景世子が女に興味を示さないのはこういう訳だったのか。そこへ急いで着替えた容景が現れた。しかし浅月は気まずくなったのか、容景に差し入れを渡してさっさと引き上げてしまう。実は浅月の差し入れは三皇子が送った鳩で作った汁物だった。(꒦ິ⌑꒦ີ)↓だから誰?浅月は容景に用件を伝えられず、仕方なく侍女・彩蓮(サイレン)と男装して部隊に潜り込もうと決めた。すると準備をしていた弦歌が彩蓮に気づいてしまう。事情を聞いた弦歌は可愛い彩蓮の頼みを断れず、守衛が交代する隙を見て連れて行くと約束した。そうとは知らず独り衛兵の列に紛れた浅月。容景はすぐ浅月の存在に気づき、自分に泣きつくようわざと旗持ちを命じた。道中の休憩地、素直になれない容景は自分の部隊に紛れ込んだ浅月を厳しく非難した。しかし浅月は嫌がらせにもめげず、どうしても月岐へ行くという。一方、雲王府を訪ねた四皇子は浅月が置き手紙を残し、容景と月岐へ出かけたと聞いた。後を追うことにした四皇子だったが、城門で秦玉凝(シンギョクギョウ)と冷邵卓に止められてしまう。2人は皇帝から検問を命じられ、城外に出るには令牌が必要だった。すると何も知らない秦都官があっさり四皇子を見逃してしまう。冷邵卓は噂では雲郡主が容景と月岐へ行ったらしいと話し、四皇子と一緒に追いかけて行くつもりかと揺さぶった。弦歌は彩蓮を書童と偽って自分に同行させていた。弦歌のお陰で宿に到着しても個室を用意された彩蓮、しかし浅月は他の兵士たちと同室で眠らなければならない。そこで夜も更けた頃、浅月は容景の部屋に逃げ込んだ。すると容景は男女が同じ部屋で寝ては噂になるという。「ふん、何もしないくせに」「男を分かっていないな?女に全く無関心な男は柳下恵(リュウカケイ)くらいだ」「良く言うわ」「試してみるか?」容景は浅月を挑発したが、それがかえって自分の首を絞めることになった。「望むところよ~容景、道中、散々いじめてくれたわね?」浅月は容景に口づけしようと接近、驚いた容景は逃げ回り、ついに降参する。「部屋を譲る…私は外で寝よう」しかしその夜、浅月が熟睡している間に冷邵卓の配下が忍び込み、通行証を盗まれてしまう。浅月を追いかけていた四皇子は船で月岐へ先回りすることにした。そこで銭袋をちらつかせ、先に乗っていた客と無理やり同乗させてもらったが、山賊たちの船だと気づく。襲われた四皇子は応戦、しかし目潰しの粉を浴びせられ、川に落とされてしまう。翌朝、容景は机の下に置いた通行証がないことに気づいた。そこで浅月に確認したが、浅月は通行証があったことすら知らない。その頃、物陰から2人の密偵が宿の様子を伺っていた。容景はどこかへ出かけたまま戻ってこない。2人はともかく容景の帰りを待つことにしたが、その時、背後から剣を突きつけられた。しかし容景の思惑は外れ、密偵は通行証の代わりに鷹揚衛(ヨウヨウエイ)の令牌を持っていた。一方、川に落ちた四皇子は岸に流れ着き、ふと目を覚ました。すると自分に銛(モリ)を向けている娘に気づいて慌てて立ち上がる。「動くな!私のヒキガエルを返して!貴重な漢方なのに…あなたのせいで逃げられたわ! 私は拓跋(タクバツ)氏よ!名は葉倩(ヨウセイ)、とにかくカエルを探しなさい!」四皇子は付き合い切れないと呆れて引き上げることにしたが、背後から急に襲われてしまう。しかし力の差は歴然、あっさりかわされた葉倩は袖から毒蛇を出した。「どうする?ヒキガエルを探すの?それとも蛇に咬まれるの?」「私の唯一の取り柄は何だと思う?…蛇を怖がらないことだ」四皇子は蛇を脅かし、結局、葉倩は蛇にも逃げられてしまう。万策尽きた葉倩は仕方なくその場にへたり込み、大泣きして同情を買った。四皇子はそのまま置き去りにできず、仕方なくカエルと蛇を探すことに同意してしまう。※拓跋氏…鮮卑(センピ)拓跋部の中心民族容景が宿へ戻ってきた。すると中庭から浅月の悲鳴が聞こえる。浅月は木の上から降りてきた毒蛇に腕を噛まれ取り乱し、帽子が脱げて長い髪があらわになった。兵士たちは女が紛れていたと驚いたが、容景は人目もはばからず浅月の腕から毒を吸い出し、部屋へ運び込む。一方、葉倩は女子に手を上げず、結局、手伝ってくれた公子に心を動かされていた。「名前は?」「名乗る必要はない、先を急がねば」「何しに行くの?力になれるかも…月岐に行くんでしょう?」その時、葉倩が水辺にいるヒキガエルに気づいた。四皇子は見事に青いカエルを捕獲し約束を果たしたが、葉倩は自分の指輪がないと気づく。「公主!」そこへ侍女と衛兵が駆けつけた。葉倩は指輪を盗んだ男を捕らえろと命じたが、四皇子は自分が天聖の皇子だと明かす。しかし葉倩は到底、信じられず鈴を鳴らして虫を操った。虫が大の苦手な四皇子は驚いて木に登り、公主に従わざるを得なくなってしまう。容景は蛇の毒で寒毒を悪化させたが、上官茗玥が駆けつけ難を逃れた。「私がいなければどうなっていたか…あの女のためになぜここまで?」しかし通行証を失くした容景は月岐に入るために浅月が必要だという。つづく( ತ _ತ)あ~面倒なお姫様が出てきちゃった___
2022.10.31
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皎若云间月 Bright as the moon第5話「月岐(ゲッキ)からの便り」毒に当たって崖から落ちた雲浅月(ウンセンゲツ)を助け、首謀者が二皇子・夜天煜(ヤテンイク)だと暴いた容景(ヨウケイ)。容景に思いを寄せる秦玉凝(シンギョクギョウ)は雲郡主に激しい嫉妬を覚え、何としてでも排除しようと奮起した。一方、すっかり回復した浅月は自害した清婉(セイエン)公主を思い切なくなっていた。「愛は時として人の生死を決めるものなのね…」しかし侍女・彩蓮(サイレン)は好きになった相手が悪かったという。実は容景は両親を早くに亡くして以来、誰に対しても冷淡になっていた。浅月は容景の傷の具合を見に来た。相変わらずそっけない容景だが、浅月に押し切られ、寝台に横になって手当てしてもらう。すると浅月は手際よく容景の傷を消毒し、新しい包帯を巻いた。「終わったわ…なんだ、寝ちゃったの?」浅月はそのまま寝かせて帰ろうとしたが、容景が外衣の裾を巻き込んでいたため動けない。仕方なく浅月はまた椅子に座ってうたた寝しているうち、いつの間にか容景にもたれかかって眠り込んでいた。昼時になり弦歌(ゲンカ)が主を呼びに来た。すると寝台で容景と浅月が仲良く眠っている。「はっ!何事ですか?!」目が覚めた浅月は慌てて何でもないと訴えたが、なぜか容景はさも2人の間に何かあったかのように匂わせて出て行ってしまう。「あ、誤解しないでね?」浅月はばつが悪そうに退散すると、弦歌は寝台の血染みを発見し、すっかり勘違いしてしまう。弦歌が主の血染みの敷物を交換したせいで、屋敷では容景と雲郡主の噂で持ちきりとなった。浅月は釈明するよう訴えたが、容景は弦歌に外に漏らさぬよう厳命する。「郡主は高貴なお方だ、名誉に関わる」「もちろんです!郡主の名誉はもはや栄王府の名誉ですから!」「いや違うって…ちょっと~!」容景の本当の気持ちを知らない浅月は自分への嫌がらせだと憤慨、早く夢から目覚めたいと願った。その夜、容景は竹林の奥にある隠れ家で簫を吹いていた。…慕容(ボヨウ)家の事件から10年、手がかりもつかめぬ…当時を知る人も少ない、どうしたものか…父と母に申し訳ない、慕容家にもすると偶然、裏山に迷い込んだ浅月が現れた。「なぜ入った?!」容景はいつになく厳しい表情になり、2度とここへは来るなと釘を刺した。傷ついた浅月はそんなに自分が嫌いなら出て行くと宣言、これで師弟関係は終わりだという。しかし容景はこっそり蛍を放し、浅月の帰り道を明るく照らしてやった。皇太子と二皇子が続けて失脚、冷(レイ)王は皇太子派だった秦宰相を屋敷に招いて腹を探った。すると秦宰相は意味ありげに月岐の状況が不穏だと告げる。「三皇子の手に負えますかな?」その頃、月岐の軍営では三皇子が愛しい浅月に鳥文を放っていた。雲王府に戻った浅月の元に鳩が葉を届けにやって来た。彩蓮の話ではいつも決まった時間にやって来る鳩で、その葉を見ると故郷を思い出すという。「私の故郷は楊葉(ヨウハ)城で、この葉の樹木が一番多く生えています」「あなたも故郷が懐かしいのね?」するとその葉に何か書いてある。…もうすぐ都へ帰る、逸…( ゚ェ゚).oO(逸?って誰よ?@浅月彩蓮は偶然、主の顔が鏡に映っていないことに気づいた。「うわあーっ?!小姐!」「これで2度目なの…帰れなければここで死ぬしかない」浅月は自分が本当は″雲浅月″ではなく21世紀のネット小説家だと明かし、なぜここに来たのかも分からないと訴えた。驚いた彩蓮は確かに主と全く違うはずだと納得しながら、外見やしぐさなどはそっくりだと困惑する。「きっと時空の歪みができたのよ、つまり私が帰ればここのお嬢様も戻れるわけ」「お手伝いします!」栄(エイ)王府に雲郡主がやって来た。弦歌は急いで主に報告、すると容景は着替えて来ると言って部屋に戻ってしまう。(  ̄꒳ ̄)<思い人ができて潔癖症もさらに進みそうだな…@弦歌すると浅月は容景に10万両ほど貸して欲しいと頼んだ。確かに栄王府ならすぐ用意できるが、容景はわざとなぜ四皇子に頼まないのかと聞く。実は浅月も先に四皇子を訪ねようと思ったが、本人に決済権がないと分かって諦めていた。「つまり私は補欠か…」面白くない容景は使い道を聞いた。浅月は仕方なく例のお宝を探すため賞金を出したいと説明し、元の世界に戻るためにはどうしてもお宝が必要だという。「穆小七(ボクショウシチ)を探し出してたっぷりお礼をしてやる!」「その者のために大金を使うとは実に情に厚いお方だ…金が必要なら付いてこい」容景は浅月を連れて酔香楼へやって来た。個室で食事を始める2人、しかし容景は口もつげずに酸っぱいだの塩気が多いだの文句をつける。借金のため下手に出ていた浅月はさすがに怒り出したが、容景は女媧(ジョカ)廟での一件が知れ渡れば嫁に行けなくなると脅した。「別にいいわ~どのみちあなたとはあり得ないから その身体じゃいつあの世行きになるか、この若さで未亡人なんてごめんよ 嫁ぐなら健康でガッチリした男じゃなくちゃ!病でふらふらの人が相手じゃねえ~」すると容景は浅月のそばへ行き、いきなり腕をつかんだ。「私の身体がどうか試してみればいい、ここなら誰にも邪魔されぬ」容景はいきなり顔を近づけると、驚いた浅月は悲鳴をあげて目をつぶり、思いつく限り容景を褒めた。「あ~!景世子、あなたは君子よ!私の名誉はどうでもいいけどあなたは天聖で一番の才人!」しかしふと気がつくと容景の姿はなく、机に10万両が置かれていた。月岐が反乱を起こした。冷王は皇帝に現地の三皇子に鎮圧を任せれば良いと進言したが、秦宰相は下手に軍を動かせば不測の事態になると反対する。そこへ容景が謁見を願い出た。皇帝は容景が提出した上奏文に目を通すと、容景を三皇子の補佐に行かせたいという。冷王は病弱な容景では月岐の寒さに耐えられないと心配したが、結局、皇帝は容景を派遣することにした。秦玉凝は月岐行きが決まった容景に護身符を贈った。しかし容景はお守りを信じていないと断り、自分で持つよう勧めて帰ってしまう。王府に戻った冷王は容景が出て来るとは意外だったと漏らした。「面倒なことになる…三殿下に知らせておけ」すると息子の冷邵卓(レイショウタク)が容景を行かせないよう邪魔をするという。「それから三殿下を早く帰朝させるために使える人物が…蕭(ショウ)妃娘娘です」蕭妃は皇帝の不興を買って何年も幽閉されていた。しかし皇帝にまだ気持ちが残っていれば、後ろめたさから三皇子を呼び戻すだろう。一方、浅月は賞金10万両でお宝の玉板指と鉄器を募った。一生遊べる金額とあって人々はこぞってお宝を持って集まったが、どれも本物とは程遠い。すると偶然、講談師が神通力のある玉板指について話しているのを耳にした。浅月は銀子を渡して玉板指がありそうな場所を教えてもらうことにしたが、何でも極寒の地である月岐で探せという。実はその講談師は冷邵卓の差し金だった。…雲郡主が容景の足かせになればしめたものだ…四皇子と軽暖(ケイダン)公主が雲王府にやって来た。実は容景が月岐に発つことになり、気を利かせた軽暖は三兄に贈り物を頼んではどうかという。「とても寒くてまだ雪が降っているとか…頼りはあった?」「なぜ私に?」雲月には意味がさっぱり分からなかったが、思いがけず月岐へ行く方法は見つかった。つづく
2022.10.25
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皎若云间月 Bright as the moon第4話「タンポポの毒」容景(ヨウケイ)は3つの宝を探し出す条件としてとして雲浅月(ウンセンゲツ)こと李蕓(リウン)にも協力を頼んだ。…慕容(ボヨウ)家の事件には雲王爺(イェ)が関与していた、でも大理寺には当時の記録がない…見つけてくれたら3つの宝を探してやろうそこで李蕓は彩蓮(サイレン)と雲王府へ忍び込み、10年前の記録を探し始めた。何者かに屋敷を荒らされた雲王府は大騒ぎになった。結局、何も見つけられず栄(エイ)王府に戻った李蕓、しかし埃まみれの雲浅月を見た容景はその努力に免じ、明日は香泉(コウセン)山の女媧(ジョカ)廟へ連れて行くという。「都中の貴族が集まるまたとない機会だ」李蕓はお経など聞きたくなかったが、宝を探すためには仕方がない。すると翌朝、容景は持ち合わせがない浅月のため、美しい衣を届けた。栄王府の馬車が女媧廟に到着した。するとちょうど二皇子、四皇子、清婉(セイエン)公主が秦玉凝(シンギョクギョウ)、冷邵卓(レイショウタク)と談笑している。四皇子は降りてこない容景を怪しんで声をかけたが、容景は同行者がまだ中で寝ていると言った。世子にそこまで大事にされる客は誰なのか。四皇子は思わず無断で車の窓を開けると、驚いたことに雲浅月が眠っていた。容景と雲浅月の親密さにその場は気まずい雰囲気になった。すると目を覚ました雲浅月がのん気に馬車から降りて来る。「で宿はどこかしら~?」「我々は静心斎(セイシンサイ)に泊まる」容景は郡主への指導が皇帝の勅命だと知らしめ、栄王府でも共に行動していると四皇子を牽制した。四皇子は浅月の居所を訪ね、川へ誘った。そこで自ら大きな魚を槍で捕まえ、川原で焼いて食べることにする。「私が記憶喪失なのに何だか楽しそうね?…昔、私に何かしたの?」「まさか、ここでよく密会して結婚の約束とか色々なことを…」バシッ!(。-ω-)_θ☆(ノ・⊿・)ノ「はおはお、でも仲良しなのは本当だ、時々ここに来て魚を食べていた」一方、容景は雲浅月のため、久しぶりに腕を振るって芙蓉(フヨウ)焼魚を用意した。しかし迎えに行った従者・弦歌(ゲンカ)の話では郡主が四皇子と遊びに出かけて帰っていないという。容景は四皇子に嫉妬し、魚を片付けろと命じて席を立った。容景が部屋に戻ると浅月がお茶を飲んで待っていた。思わず顔を綻ばせる容景、しかし今さら何の用かと冷たくしてしまう。李蕓は彩蓮から景世子から昼食の誘いがあり、芙蓉焼魚が食べられると聞いて慌てて駆けつけていた。しかし昼はとっくに過ぎており、容景は片付けてしまったという。工エエェェ(;╹⌓╹)ェェエエ工すると容景を慕う清婉公主が差し入れを持ってやって来た。容景は体質的に食べられないと断ったが、魚を食べ損ねた浅月が勝手に菓子を食べてしまう。「せっかくのご好意ですもの~私が代わりに頂きます!」すっかり食べ過ぎた李蕓は付近の散策に出かけた。すると偶然、祈祷樹を発見する。大木の枝から垂れ下がるたくさんの願い事、李蕓はきっとご利益があると期待し、手を合わせた。「現代に戻れますように…」その時、急にたんぽぽの綿毛が飛んでくる。と同時に李蕓はなぜか急に立ちくらみを起こし、そのまま崖から転落した。李蕓が目を覚ますとなぜか容景がいた。容景はちょうど雲浅月が崖から落ちるのを目撃、咄嗟に飛び出して一緒に落下してしまったという。ここは秘密の坑道で、どうやら浅月は催情引(サイジョウイン)という毒に当たっていた。解毒するには″男″が手っ取り早いが当然、この方法は使えない。しかし半日のうちに解毒しないと血が逆流して死んでしまうという。「そんあ~まだ恋もしていないし結婚もまだ、子供も産んでいないのよ?李家が途絶えちゃうわ…」「郡主、落ち着いて、3尺の規則を…」容景は自分に近づかないよう警告したが、浅月は再び意識を失った。…脈が乱れている、あの方法しかない…容景は我が身を顧みず浅月に口づけした。そのお陰で目が覚めた李蕓は激怒したが、容景は発作を我慢しながら応急処置に過ぎないと訴える。ともかく早く脱出して改めて解毒しなければ危険だ。すると2人は偶然にも秘密の扉から黄金の像が並ぶ洞窟へ倒れ込む。その時、李蕓は容景が腕に怪我をしていると気づいて手当てするよう勧めたが、容景はそれよりどうやって脱出するかだと言った。「確かに出口が見当たらない…ここで一緒に死ぬの?」「郡主は私と添い遂げたいと?」「はあ?誰があんたと?!何としてでも出口を探すわ!あんたと心中なんてごめんよ!」李蕓は小説に良くある設定を思い出し、仏像を回せば出口が現れるはずだと言った。一か八か仏像を力一杯、押してみる李蕓、その様子を見ていた容景はしれっと別の仏像の台座にある仕掛けを回す。その時、部屋の奥にある出口が開いた。容景と雲浅月を探していた皇子たちは川原を歩いて来た2人を発見した。居所に戻った浅月は無事に解毒できたが、しばらく安静が必要だという。それにしても誰が浅月に催情引を使ったのか。容景の話では催情引はタンポポの花粉から作る毒で無味無臭だという。また花粉は触媒にもなるため、恐らく犯人は浅月に毒を飲ませ、その後に花粉に触れさせたのだろう。李蕓は確かに祈祷樹の周りにタンポポの綿毛が舞っていたと思い出した。しかし容景はあの辺りにタンポポなどないという。祈祷樹には″景世子と結ばれますように″と書かれた清婉公主の赤い帯があった。しかも浅月は祈祷樹へ行く前に公主の菓子を食べている。四皇子に追及された清婉は確かに自分が書いた願い事だと認めたが、毒については否定した。しかし四皇子は公主が差し入れした菓子から催情引が出たと教える。祈祷樹には願掛けの間にタンポポの綿毛を仕込んだ長命鎖が吊るされ、風で揺れると舞い落ちる仕掛けだった。追い詰められた清婉公主は尊厳も面目も失ってしまったと深く傷つき、今日をもって容景との全ての縁を切ると宣言する。すると翌朝、侍女が首を吊っている公主の姿を発見した。皇帝は娘の突然の訃報に心を痛めた。しかし事情が事情だけに、父親として配慮を怠ったと自分を責める。すると容景が清婉公主は誰かに陥れられ犠牲になったと訴えた。「二殿下、屋敷のタンポポは今頃、満開でしょうね?」二皇子・夜天煜(ヤテンイク)は妹が祈祷樹で願い事を縛り付けている隙を狙い、菓子の上に催情引を降りかけた。恐らく容景と一緒にいる浅月も食べるはず、2人に何か起これば自分との結婚はなくなる。二皇子は自分が皇太子になると早合点し、始祖の遺訓に従って雲家の嫡女と結婚せずに済むよう妹を利用したのだった。二皇子もまさか妹が自害するとは予想外、その場で泣き崩れた。皇帝は浅はかな息子に激怒、二皇子を寝宮にて禁足処分とする。実は二皇子は女媧廟で秦玉凝に告白していた。玉凝はあの時、二皇子が自分の気持ちが本物だと証明してみせると豪語していたことを思い出し、思わぬ悲劇に呆然とする。つづく( ̄▽ ̄;)もともと雑なのか?設定が適当すぎるw
2022.10.05
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皎若云间月 Bright as the moon第3話「礼儀教育」雲浅月(ウンセンゲツ)に協力し皇太子の謀反を暴いた栄(エイ)王府の世子・容景(ヨウケイ)。実は慕容(ボヨウ)家の事件に雲王が関与していると突き止め、浅月に近づいたという。大理寺では記録が見当たらず、雲王府に何か残されていると考えたからだ。「浅月が屋敷を管理するようになれば我々も出入りできる、さすればすぐに記録を発見できよう」すると上官茗玥(ジョウカンメイゲツ)は納得したように頷いた。一方、雲王は負傷したとは言え栄王府で一晩過ごし、帰って来たと思えば従姉妹の香荷(コウカ)と揉めている孫娘に呆れていた。しかし浅月は心を入れ替えたのか、急に屋敷の管理を任せて欲しいと懇願する。いずれ皇后となって後宮を管理するためにも今のうち練習しておきたいというのだ。すると急に皇后の使いがやって来た。皇后は姪の冤罪が晴れたのを機に、皇帝との仲を取り持とうと浅月を宮中に呼んだ。何でも浅月も反省して屋敷の管理を学ぶことになったという。その時、ちょうど参内した容景が現れた。皇帝は郡主の指導役に適任はいないか尋ねると、容景は自分が引き受けると申し出る。(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾<この人はお断りです!しかし皇帝が強引に容景を師匠に任じ、明日から早速、郡主に礼儀作法から琴棋書画まで教え込むよう命じた。李蕓(リウン)は礼儀教育などまっぴらごめん、翌朝、栄王府から迎えが来ても寝ていた。すると侍女・彩蓮(サイレン)が栄王府にある大きな蔵書閣には珍しい書物があるらしいという。…現代に戻る方法が書かれた本があるかも?!…李蕓は気を取り直して栄王府へ移ったが、従者・弦歌(ゲンカ)の話では主人の許可なく蔵書閣には入れないという。一方、冷(レイ)王の元に三皇子から密書が届いた。「父上、長年、三殿下に尽くして来ました、あとはご帰還を待つばかりですね」「朝廷をあなどるな…」冷王は息子・冷邵卓(レイショウタク)に皇太子の失脚は第一歩に過ぎないと釘を刺す。そこで手始めに秦(シンフ)相府に貴重な千年紫参(シジン)を届けさせた。実はかつて宰相は千年紫参を皇后に献上し、妻の命を救えなかった辛い過去がある。冷家がなぜこれを贈って来たのか、宰相も娘の秦玉凝(シンギョクギョウ)もその理由を分かっていた。容景はまず自分の名前″景″という字を100回書くよう命じた。面白くない李蕓はわざと容景を困らせ、師匠を辞退するよう仕向けるが失敗、かえって厳しく礼儀作法を叩き込まれてしまう。すると弦歌が雲郡主の課題を主に届けにやって来た。「雲郡主は噂とは違い、よく学んでおられると思います、蔵書閣の場所も聞かれましたよ」容景は弦歌を下げると、浅月が書いた″景″の文字を見て独り喜んだ。その夜、課題を終えて琉月(リュウゲツ)閣に戻った李蕓はすっかり疲れていた。すると彩蓮が地図を書き上げ、屋敷に一箇所だけ警備の厳しい建物があったと教える。「ここが蔵書閣では?」「はっ!行って来る!ε=┏( ๑≧ꇴ≦)┛キャッハーッ!」李蕓は守衛の目を盗んで窓から蔵書閣に侵入した。まるで国家図書館並みの広さ、果たしてどこから探せば良いのか見当もつかない。「これも元の世界に戻るためよ…」しかし本が分類項目に分かれていると気づいた。やがて″伝説・異聞″という一画で″醒世異聞録(セイセイイブンロク)″といういかにもな本を発見する。必死に手を伸ばして取ろうとする李蕓、その時、背後から容景が先にその本を取った。「雲王府の郡主が栄王府で盗人のまねか?」「本を借りたかっただけよ」「字を知らないのに本が読めるのか?」「ぁぁぁ…だから今、習っているでしょう?」「ごまかすな、自分を偽るのは疲れないか?」容景は浅月が本当は字が読めると気づいていた。そこで蔵書閣への出入りを認めたが、醒世異聞録は貸せないという。怒った李蕓は本を奪い取ろうと必死になって思わず容景を突き飛ばし、勢い余って2人は本棚と一緒に倒れてしまう。バッタン!!!弦歌は大きな物音を聞いて蔵書閣に駆けつけた。すると本棚の上に倒れた主と雲郡主が口づけしているのを見てしまう。「誤解よ誤解!」李蕓は慌てて起き上がったが、容景の様子がおかしかった。「主上を休ませます、郡主は先にお戻りください」「大丈夫なの?…悪いけど先に行くわね!」李蕓は咄嗟に落ちていた醒世異聞録を拾って飛び出した。容景は寒毒の病で女人との接触は厳禁だった。温泉に入って発作が収まった容景、すると弦歌は主の顔が赤いと失笑する。「…どうやらお前を甘やかし過ぎたな」「全て郡主のせいです!」一方、琉月閣に戻った李蕓も動悸が激しくなり、顔がほてっていた。「ありえない…冷静になろうっと」そこで早速、醒世異聞録を読むことにする。すると″時をさかのぼるには3つの宝を集めるべし″とあった。ひとつは″白玉の神龍″、どうやら玉板指のことらしい。次に″千年の寒鉄″、これは小さくて丸い鉄のようだ。しかしその下は破り捨てられ、最後のひとつが″鳳凰(ホウオウ)″の何なのかが分からない。「まあいいわ、最初の2つを先に探そうっと」翌朝、李蕓は師匠が来ると自分で描いた容景の絵を渡した。容景は遊んでいた浅月を叱ったが、まんざらでもない。しかし次に四皇子と馬に乗った絵を描いてみせると、容景は激しい嫉妬から破り捨ててしまう。「結婚前の女子が男と親密にしている絵など…描き直せ!」「何ですって!」2人は思わず声を荒らげたが、そこへ思いがけず秦都官がやって来た。容景を慕う玉凝は容景の持病が再発したと知り、千年紫参を贈った。しかし容景は自分の病には効果がないと断り、弦歌に見送りを命じる。玉凝は仕方なく差し入れを置いて帰ることにしたが、その時、偶然にも雲郡主が描いた容景の絵を見てしまう。悔しさを滲ませながら出ていった玉凝、李蕓は秦都官が容景を好きなのだと分かったが、容景は全く興味がなかった。李蕓は珍しい物が好きだと切り出し、容景に不思議な力を持つ財宝がないか尋ねた。「以前、三星堆(サンセイタイ)で仮面を見たわ、時空の歪みを生むそうよ この天聖に玉板指とか鉄でできた何かがないかしら?」すると容景は驚き、仮面はどこで見たのかと尋ねる。李蕓は協力してくれるなら話すと言ったが、容景は何が目的なのか聞きたいと言った。「遠い場所にいるあなたに似た人を探すの…って言うか私はもともとそこに住んでいたの どうしても帰りたい…分かるわけないか(ボソ」「協力してもいい、ただし私にも協力してくれ」つづく( ̄▽ ̄;)ぅぅ…ツンデレが萌えになるかキモいになるかの境界線んんん…w
2022.10.05
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皎若云间月 Bright as the moon第2話「放火の真相」これまでのお話何の因果か天聖(テンセイ)時代の雲王府の跡取り娘・雲浅月(ウンセンゲツ)になってしまったネット小説家の李蕓(リウン)どうせ夢なら小説のネタ探しでもしようとしたが、実は雲浅月が問題児で放火容疑で追われていると知るどうやら雲浅月は火災現場で頭を打って倒れていたらしい意識が戻った雲浅月は訳のわからない現代用語を使っていたが、また記憶喪失を装ってごまかしていると誰も取り合わなかった結局、調査が終わるまで禁足処分となった雲浅月李蕓は雷に打たれて現実世界へ戻ろうと思いつき、屋敷を逃げ出したが…李蕓は現実世界に戻るため郊外の山で自ら雷に打たれた。しかし衝撃を受けて気を失っただけ、そこで思い切って崖から飛び降りることにする。その頃、栄(エイ)王府の世子・容景(ヨウケイ)はちょうど温泉で療養していた。すると空から雲浅月が落ちて来る。こうしてまたしても命拾いした李蕓、そもそもスマホを捨てられたせいだとぼやくが、容景には何の話かわからない。容景は仕方なく浅月を送ることにしたが、ただし3尺以内に近づくなと厳命した。容景は雲浅月を雲王府に送り届けた。馬車を降りた李蕓は借りていた外套を返すことにしたが、容景は他人が身につけた服はもう着ないという。「差し上げよう」「私が嫌いってこと?」「気にする事は他にあるだろう」李蕓はいけ好かない容景に憤慨しながら屋敷に入ると四皇子が居眠りしながら待っていた。「丸一日待ってたんだぞ?…桃でも食え」しかし李蕓が桃を食べると四皇子は驚いて吐き出せと止める。実は雲浅月は桃にアレルギーがあり、李蕓はみるみるうちに口が真っ赤に腫れた。四皇子は雲浅月が本当に記憶喪失なのか試したかったと言い訳したが、李蕓に殴られてしまう。そんな2人の様子を見ながら、侍女・彩蓮(サイレン)は記憶を失くしても主と四皇子の関係は変わらないと安堵した。李蕓は雲浅月の無実を証明するため、皇帝の狩りを利用することにした。そこで狩りの朝、栄王府に出向いて容景に協力を頼む。容景は冷たく断ったが、李蕓は火事に巻き込まれて倒れていた人を見たと教えた。「焼死じゃなかった、その前に殺されていたのよ」李蕓は意識が戻る前に見た夢が雲浅月の記憶だと気づいた。「協力した見返りは?」「何が欲しい?身を捧げる以外なら検討する」李蕓は容景の手引きで狩場に入った。すると物陰に隠れていた刺客が矢を放ち、雲浅月の肩に命中してしまう。雲郡主が毒矢に当たって意識不明との報告を受けた皇帝は直ちに宮中に戻り、皇子たちも集まった。容景は早速、皇帝の前で証拠となる毒矢を調べ、禁制とされる骨を侵す劇薬だと証明する。毒性を増すには″麒麟血(キリンケツ)″という薬が不可欠だが、この薬は太医以外では太子宮にあった。しかも自害した下手人は皇太子の下人である黄六(コウロク)だという。皇太子は郡主を陥れて放火犯に仕立て上げたがらちが明かず、郡主を暗殺しようとした。しかしどちらにしても詳細を知る者たちはすでに焼死している。皇太子は証拠がないと強気に出たが、思いがけず容景が証人を呼んだ。証人は望春楼の舞姫・柳茵茵(リュウインイン)、当日も火事の現場に居合わせたという。「望春楼の所有者は太子殿下で火をつけた張本人です」…あの日、雲浅月は男装して評判の舞姫・柳茵茵を見に来ていたすると王(オウ)公子が柳茵茵に大金を差し出し、今夜の相手を強要するそこで浅月は王公子が以前も愛人を囲って妻に街中を追い回されたと笑い者にした面目を失った王公子は逃げるように店を出ると、柳茵茵は2階にいた恩人に拝礼するその時、浅月は偶然にも失言のせいで禁足を命じられたはずの皇太子の姿を見つけた浅月は叔母の皇后に告げ口し、皇太子との婚約を取り消してもらおうと決めたそこでこっそり皇太子の後をつけ、回廊から個室の様子をうかがうすると驚いたことに皇太子が臣下と徒党を組み、狩りの日に反逆を企てていた浅月は咄嗟にその場を離れたが、うっかり物音を立て、皇太子に捕まってしまうその時、突然、黒衣の刺客たちが現れ、皇太子の侍衛たちと争いになった浅月はそのどさくさで逃げ出したが、皇太子に階段から突き落とされてしまう『黄六、望春楼を封鎖して全員殺せ!』望春楼は皇太子の金儲けの場であり、朝廷でもあった。皇太子はここで即位式の練習をし、その際、柳茵茵は宮女に扮して踊らされたという。「太子の下着には皇帝の証しである九龍の刺繍があります」すると皇太子はついに観念し、自ら外衣を脱いで九龍を見せた。皇帝は深く失望、簒奪を謀った長子・夜天傾(ヤテンケイ)の称号を剥奪し、罪は改めて問うと申し渡した。李蕓は一晩、昏睡していたが容景の部屋で目を覚ました。すると容景は負傷した右肩を治療したと教える。ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ<何ですって!あなたが脱がせたの?!( ー̀ωー́ )<私は命の恩人だぞ?!実は李蕓は必ず自分の命を狙って来ると踏み、予め護身の胴着を着けていた。「これがなかったら死んでたわね」「で、柳姑娘をどこで見つけた?」李蕓は雲浅月の潔白を証明するため目撃者を探していた。彩蓮の話では雲浅月は柳茵茵を見るため望春楼に行ったという。しかし火事の後、柳茵茵は姿を消していた。そこで李蕓は他の妓楼を片っ端から当たり、ついに柳茵茵を見つけ出すことに成功する。「…どうやら噂で聞くほど愚かではなさそうだ」すると容景は協力の見返りとして浅月が雲王府の管理するよう頼んだ。( ๑≧ꇴ≦)<え~やりたくない!居候で十分よ~( ー̀ωー́ )<居候?( ๑≧ꇴ≦)<あ~分かったわ実は容景は浅月に探して欲しい物があるという。( ತ _ತ).oO(これも現代に戻るためよ李蕓は冤罪が晴れ、禁足も解かれた。すると今日から屋敷に滞在するという父方の従姉妹・香荷(コウカ)が現れる。彩蓮の話ではどうやら雲浅月とは仲が悪いらしい。しかし李蕓は相手にせず、馬鹿にされた香荷は憤慨して侍女を引っ叩いた。李蕓は激怒、香荷を引っ叩き、さらに反撃しようとした香荷を転ばせてしまう。「今度、私の人間に手を出したらただじゃ済まないから!ふん!」一方、容景は裏山の山荘で独り簫を吹いていた。そこへ腹心の上官茗玥(ジョウカンメイゲツ)がやって来る。「妓楼の火事で醜聞が広まったが、意外にも太子の失脚でけりがついたな…」容景も望春楼が皇太子の朝廷であることはつかんでいた。しかし謀反はともかく、わざわざ放火し、自分の地盤で騒ぎを起こしても利はない。「恐らく背後に別の人物がいるのだろう…」つづく
2022.10.04
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皎若云间月 Bright as the moon第1話「目覚めたら天聖王朝」…私は李蕓(リウン)、ネット小説家よごく普通に暮らしているけれど、実はベストセラー作家なのランキングの常連でファンも多いわそれなのにまさか私の人生が代表作と一緒に″更新″されてしまうなんて…李蕓の小説【俺様社長の指導帳】がランキング1位を獲得した。ファンが更新を今か今かと待ち望んでいる中、そんな人気小説に眉をひそめる男がいる。ある日、穆(ボク)グループの工事現場で漢代の墓が出土、計画が頓挫した。不運続きの穆小七(ボクショウシチ)は責任を負わされ、ついに父から副総裁を解任されてしまう。その時、ちょうど【俺様社長の指導帳】の更新の知らせが鳴った。「まただ…絶対におかしい…」更新された第30章にはまるで予言したように″古墓が出土する″という内容がある。しかも日付は7月20日だ。穆小七はまたも小説通りになったと憤り、作者である李蕓を問いただすことにした。穆小七はちょうどマンションから出て来た李蕓を捕まえ、なかば強引に自分の自宅へ連れて行った。「説明してくれ、私に起こるトラブルと小説の内容が同じだ、しかも小説の方が早い」7月27日の新聞を見せられた李蕓は自分が故意に穆小七を陥れていると疑われたことに気づく。穆小七は今日中に小説を削除し、今後一切、執筆しないと誓うよう迫った。言いがかりをつけられた李蕓は激怒、穆小七の不運と小説は関係ないと突っぱねる。すると穆小七はいきなり李蕓に口づけし、その間にパソコンの削除キーを押してしまう。小説は全て消去された。解放されたものの李蕓は怒り心頭、腹いせにスマホから新たな一文を投稿する。…彼は突然、失踪した、行方は分からない…すると穆小七は本当に行方不明になってしまう。翌朝、李蕓のマンションに突然、黒服の男たちが乗り込んできた。実は穆小七が失踪、最後に会ったのが李蕓だという。「一番、疑わしいのは君だ、一緒に来てもらおう」驚いた李蕓はスマホをつかんで部屋を飛び出し、咄嗟に屋上へ出た。「どこでもいいから私を逃して、捕まりたくない!」李蕓がメッセージで投稿していると、急に激しい頭痛に襲われ、倒れてしまう。その時、暗雲が立ちこめ、雷鳴がとどろいた。気がつくと李蕓は火事に巻き込まれていた。…ここはどこ?なぜここに?(はっ!)みんな死んでる、もしかしてあの世?私、死んだの?!…やがて李蕓は寝台の上で目を覚まし、夢を見ていたと分かった。しかしなぜか見知らぬ部屋で古装姿、さらに見ず知らずの古装の娘が現れる。「小姐(シャオジエ)~お目覚めになりましたか!良かった!」「ヒイィィィ~(゚ロ゚ノ)ノ!あんた誰よ!」「小姐~侍女の彩蓮(サイレン)です!」時は泰熙(タイキ)19年、ここは天聖(テンセイ)の帝都にある雲王府。何と李蕓は雲王府の跡取り娘・雲浅月(ウンセンゲツ)郡主になっていた。李蕓はこれも夢だと考え、どうせなら小説のネタにしようと思いつく。すると突然、混成魔王(コンセイマオウ)こと四皇子・軽染(ケイセン)が駆けつけ、雲浅月を強引に連れ出した。四皇子は雲浅月を助けに来たと言ったが、訳が分からない李蕓は男を殴って逃げ出した。すると市場で自分の似顔絵を持って聞き込みをしている官兵を見かける。どうやら雲浅月が有名な妓楼・望春楼(ボウシュンロウ)に放火したらしい。驚いた李蕓は咄嗟に停まっていた馬車に逃げ込んだが、中に乗っていたのは穆小七だった。「ちょーっ!なぜここに?!あんたのせいよ!失踪なんて嘘だったのね!」しかし男は黙って雲浅月を乗せたまま宮中へ向かってしまう。李蕓は長い宮道を歩きながら、ふとスマホを持っていたことを思い出した。…良かった~これで元に戻る方法を探せる…すると穆小七が突然、スマホを大きな水瓶の中に捨ててしまう。「宮殿に暗器を持ち込むとは何と大胆な…」「武器じゃない、スマホでしょう?!小七、何言ってんのよ!」しかし穆小七に瓜二つとは言え、その振る舞いは明らかに別人のように見えた。容景(ヨウケイ)は雲浅月を皇帝の前に突き出した。聞けば雲浅月は学がなく、あちこちで騒動ばかり起こす問題児、それでも祖父が功臣だったため皇太子の許嫁になったという。しかし今回ばかりは放火して死者まで出し、さすがに皇帝も見過ごせなかった。皇后は浅月が火をつけたと決まったわけではないとかばったが、かえって叔母の皇后が甘やかしたせいだと皇帝に叱責されてしまう。そこで皇太子が合図、秦(シン)都官が現場に落ちていたかんざしを差し出した。「これはご婚約の日、皇后娘娘(ニャンニャン)より下賜された金のかんざし 特別な場合しかおつけにならないとか…朝臣5名の亡骸のそばにあったのがこれです」しかも文官はこれまで雲浅月がやらかした数々の愚行を絵に残していた。李蕓は自分を陥れる魂胆だと呆れたが、ふと死んだら元に戻れると思いつく。٩( ‘ω’ )و <はお!罪を認めるわ!私を殺してちょうだい!驚いた四皇子は咄嗟に浅月と一緒にひざまずき、父皇に再調査を嘆願した。皇后も叔母として責任を取り、罰を受ける覚悟だという。これには皇帝も困惑し、冷静沈着な容景に意見を求めた。「郡主が死を望むなど通常なら考えられぬこと、癇癪のきらいがあるやもしれません まずは郡主を休ませ、回復されたのちに算段しては?」皇帝は容景の進言に納得し、雲浅月を雲王府に軟禁して調査を続けるよう命じた。( ー̀ωー́ )oO(どうしたら現実に戻れるの?女社長ならまだしも殺人犯なんて…チッ!四皇子は李蕓を雲王府まで送った。すると待ち構えていた雲王が放火事件を起こした孫に激怒、興奮して叩き始めてしまう。四皇子は咄嗟に間に入って雲王をなだめ、その間に李蕓は彩蓮と一緒に自分の部屋へ退散した。「で、景世子ってどんな人?」「栄(エイ)王府のお世継ぎです、天聖一の才人で財産家でもあります 文武はもとより商売の才能もおありなんです、皇上も一目置かれているとか でも栄王殿下と王妃は早くに亡くなり、王府を1人で管理しておられます 医術にも精通されているのですが、ご自身の病は治せないとか… お身体が弱いため、四皇子は弱美人(ジャクビジン)と呼んでいます」やはり穆小七と容景は無関係らしい。それにしても一体どうしたら戻れるのだろうか。李蕓は侍女を下げると、手持ち無沙汰で机にあった書物を開いた。「何なに?身体を借りて蘇る者は生者にあらず死者でもない… 寿命の長さは定まらず、遠からず、塵と消え、転生することもなし… え?!鏡を用いて確かめよ?」そこでちょうど机にあった鏡をのぞいてみると、李蕓の姿が消えてしまう。「やだ!私はこの世界に属してないってこと?! つまり私の命の火が徐々に弱まって、消えて灰になる… やだあ~!ここで死ぬわけにはいかない!死にたくな~い!」一方、屋敷に戻った容景は雲浅月の肖像画を描きながら昔を思い出していた。…あの夜、皇太子との縁談が決まった雲浅月は宴を抜け出し、独り池を眺めていたすると容景が通りかかる『雲郡主じゃないか、皆が探していたぞ?』『太子殿下に嫁ぎたくないの』『太子殿下も君が嫌いらしい、確かに雲郡主が教養がなく美貌も十人並みだとみんな知っている 太子どころか普通の家柄の男でさえ願い下げだ』『何ですって!』憤慨した浅月は思わず容景を突き飛ばし、池に落としてしまうしかし容景は泳げず、結局、浅月が助けることになった仕方なく何度か心臓を圧迫し人工呼吸をしようとしたが、そこで容景の意識が戻る『恥を知れ!』『私が助けたのよ?!』『分かったぞ?私が好きだから太子に嫁ぎたくないんだろう?』『はあ?!』『だって口づけしただろう?』『呼吸を助けるためでしょう?頭がおかしいんじゃない?』2人は揉み合っているうち一緒に池に落下、宮中は大騒ぎになった…容景は美しく成長した雲浅月の絵を完成させ、書斎に飾った。「あれから10年経った、出仕してすぐ君に会えるとはな…ふっ」翌朝、目を覚ました李蕓はまだ夢の世界にいると気づいて落胆した。何とか帰る方法はないものか。そこで彩蓮を身代わりにして屋敷を抜け出し、山奥へ向かった。(^ꇴ^)b<落雷に打たれれば魂が飛び出して家に帰れるはずよ!その時、雷鳴がとどろいた。「私はここよ!ここに落ちて!」すると李蕓の頭に雷が落ちてしまう。つづく( ゚ェ゚)今さら感がハンパないタイムスリップもの?確かにツンデレではあるが、果たしてこれが正解なのか分からないw
2022.09.25
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