2005/11/16
XML
カテゴリ: アフリカ産
私のまわりでは、

……というような会話が交わされるときがあります。

不思議なもので、店頭やショーで「これ!」と選んで買った石でも、
買ったことで満足してしまって、写真を撮る以外は箱の中でお休みになりがちな石があったり、
逆に心わしづかみと言うほどでもなかったのに、
何故か箱にしまわずに手の届くところにしばらく置いていたりする石があります。

もちろん、「噛めば噛むほど味が出る」とは、後者の石に対して使う言葉です。

今日の石は、そんな「味」がある石。





なぜ、ことさらに「味」かといえば、実はこの石、「2番目」なのです。
……というのも、ショーも終盤、例によって散財してしまい、
いくらなんでも財布の紐を締めないと……と思っているときに見つけてしまい、
「こ、この色いいかも~!」と惚れ込んだ石は、ちょっとばかり値段が高く、
ほどよい値段だったこっちの石を買ったのでした。

この石も気に入っていたことは気に入っていたのですが、
選んだときの心境は、どっちかというと「妥協」に近いものがありました。

しかし。
今となっては、こっちの石の方が「当たりかも」という気分。

鉄でコーティングされた、つまり、全面鉄さび色なのですが、
光に透かせばごらんの通りのすばらしい赤。

そして一部赤の上をコーティングした白に引き立てられて
やたらときれいなのです。
(光に透かさなければ、渋い鉄さび色ですが)

買いそびれた石の方は、もっと茶色~オレンジ色だったので、
光に透かしても、こんな色には見えないはず。


それにしてもこの赤。

赤といえば、それも鉄系の赤となると、
わけもなくわくわく興奮した気分になるのですが、
この石に関しては、「静謐な赤」という相反するイメージを抱きます。

燃える炎の赤というよりは、
熾火の赤。
白くなっている部分が灰のようで、
空気の流れによって息づくように明るくなったり暗くなったりゆらめく赤。
木が炎をあげて燃え、燃え尽きる寸前の輝き。

実は形が繊細で、アズライトやマラカイトなど、
扱い注意のもろい鉱物がくっついているので、
手近なところに置いておくことができない石なのですが、
選んだときの「ま、こっちでいいか」という気持ちが嘘のように、
何度見ても飽きない、イメージが広がる石なのです。

追加。
ラベルには「Near Alnif」とありますが、
「Near Alnif」という地名ではなく、
Alnif村の近く、という意味かもしれません。
Alnifは、モロッコの南東部にあり、
三葉虫の化石で知られているようです。







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007/04/23 01:49:11 PM
コメント(8) | コメントを書く
[アフリカ産] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

フォレスト@ Re:”メタ”からアゼツを考える。(09/28) アゼツライトは水晶にもならないただの石…
スターブラリー@ Re:名前を使う、意味を使う(10/08) この写真に掲載されている水晶は、販売予…
spiranthes@ Re:Vサイン!(11/15) 55度24分のベローダ(Belowda)式双晶かもし…
販売者@ Re:分りやすいです。(09/30) スーパーセブンが、過去くず石だったとい…
通さん@ Re[4]:深紅であるはずの石(12/10) わ!わ!こちらにお返事をありがとうござ…

Profile

KURO−M

KURO−M


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: