2006/05/27
XML
えーと、続いています。

これまでお話したのは、別物だったり、溶かして固めていたり、合成だったり、
水晶なのか、そうでないのか、天然なのか、人工なのかという問題でした。

次なる疑惑は、ベースは天然水晶だけれども、
そこに何か手を加えられている場合です。

ここらへんからは、かなりの グレーゾーン
天然水晶には間違いがないのだから、「天然」・「本物」と見るか、
手が加えられているのだから、本物じゃない! と見るか、


私の場合は、
処理・加工を明記してあればOK。
珍品、レアものなどと称して売っているものは「偽物」と見なす。
でもやっぱり人の手が加わっていないものがベスト。
内包物を見せるための磨きは、状況に応じて。

……という感じでしょうか。


天然の水晶に加えられる加工、
まずは 色の問題 です。
アメシストを加熱すると鮮やかな黄色に変色するので、
絶対量が少ない天然シトリンの代わりにシトリンと称して売るのは
あまりにも有名なので、詳しく述べる必要もないでしょう。


↑こっちが加熱もの。「焼きシトリン」と呼ばれることもあります。
形と色を覚えておけば、見分けがつきます。


↑こっちが天然。色合いはさまざまですが、「黄色」というイメージからすると、
渋い色合いが多い

このほか、硫黄の混入によって黄色くなった水晶を「 レモン・クォーツ 」といいますが(↓)、



これに似たもので、 水晶をクリーニングするのに使った酸が、
クラックなどに入り込んで、部分的に黄色(不透明なレモン色)に見えるものがあります。

掘り出された水晶は、鉄分などで表面が覆われているものが多いので、
それを取り除くためにさんを使う場合があるのです。

今のところショーやショップで見かけたことはありませんが、
海外のオークションサイトを利用したり、そこから仕入れた品を扱うショップでは、
一応ご注意を。「asid(酸)」の表示が目印。

本来はレモンクォーツといえば硫黄の混入で、不透明がかったものですが、
アクセサリーなどで透明で上品な色合いの「レモンクォーツ」を見かけることがあります。
スモーキーは、加熱すると色が消えたり白濁しますが、
中には淡いレモン色に変色するものもあり、これも「レモンクォーツ」と呼ばれているらしいです。

ウェブショップで、「ヒマラヤのレモンクォーツ」なるものを見かけたのですが、
それもスモーキー加熱ではないかと想像しています。

次に
アーカンソー産の透明水晶にガンマ線をあてて黒くしたものは、
ミネラルショーでも見かけます。
これらは、 表面がツヤツヤで根本が不自然に白い のが目印。


とにかく、アーカンソー産で黒、ときたら確認する方がよいでしょう。
ショーではたくさん並べられているのでよくわかります。
天然モリオンは、渋い外見のものが多い です。

また、ビーズなどではスモーキーはほとんど放射線着色であると聞きます。
天然のスモーキーもたくさん採れますが、
まとまった量すべての色合いをそろえようとすると、放射線着色の方がつごうがよいのでしょう。
カットされてしまったものは見分けがつかないので、
ビーズはほぼ放射線着色だろうと考えた方が良いと思います。

ここまで、水晶の着色について話してきましたが、
水晶を着色するには放射線や熱が使われます。
小さな結晶が集まったつぶつぶ構造である瑪瑙やカルセドニーと違って、
結晶している水晶には隙間がないため、染料が染みこまず染色できません。
染めの瑪瑙でも、大きく結晶した石英の部分には色が入っていないことからもわかりますね。
水晶を染料で染めるには、表面に塗るか、クラックをいれてそこに染料を染みこませます。
水晶は表面がつるつるなので、塗っただけのものは落ちやすく、
クラックに染みこませたものは、その不自然さで容易に見分けがつきます。

表面着色には、アクアオーラがありますが、あれは水晶とコーティングする鉱物を
高温に熱して蒸着させてあるので、しっかりくっついていて、ちょっとやそっとでは剥がれません。
このシリーズには虹光沢が顕著ではなく、天然物にもありそうな色合いのものがありますが、
蒸着という手間をかけて作られているため、天然ですというよりも
○○オーラと明記されて売られています。

そうそう、最近聞いた 要注意物件 があります。
シルキークォーツと呼ばれる、白い角閃石が内包された水晶がありますが、
これを磨いて着色したものがあるというのです。
磨いてしまえば角閃石の「断面」ができるので、そこに染料を染みこませたのでしょうか。
クラックに染みこませたのと違って、かなり自然な仕上がりで、
染めた色合いによっては、珍しい色合いの天然物にされてしまいそうです。
最近、その染め らしい という石を見ましたが、私には見分けがつきません。
微妙な染料だまりで見分けるのだそうですが……。


水晶の色についてのあれこれは別館サイトの「Free Talk」、
アクアオーラについては「Glossary」にも書いています。

バナークリックで別館サイトへGO!


用語
バナークリックで、水晶用語集へGO!

まだ続きます。














お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008/02/25 12:31:24 PM
コメント(4) | コメントを書く
[石について考える(調べもの中心)] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

フォレスト@ Re:”メタ”からアゼツを考える。(09/28) アゼツライトは水晶にもならないただの石…
スターブラリー@ Re:名前を使う、意味を使う(10/08) この写真に掲載されている水晶は、販売予…
spiranthes@ Re:Vサイン!(11/15) 55度24分のベローダ(Belowda)式双晶かもし…
販売者@ Re:分りやすいです。(09/30) スーパーセブンが、過去くず石だったとい…
通さん@ Re[4]:深紅であるはずの石(12/10) わ!わ!こちらにお返事をありがとうござ…

Profile

KURO−M

KURO−M


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: