The second step to 'the place'

The second step to 'the place'

2004年08月17日
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2月25日、信州大学旭キャンパスには全国からの受験生が

集まっていた。




信州大は県外からの学生が多いため、自宅から会場に

直接行ける私のような者は珍しい方だと言えるだろう。




会場となっていた建物の前には

「朝日新聞」の記事をまとめた参考書や、ノートなどを

見て開場を待つ学生の姿が見られた。




私はこれといって特別なものを持ってはいかなかったが

予備校に人文学部の「総合問題」の過去問が解答付き



で保管されているため、それを解いて本番に臨むことになった。




試験科目は「総合問題」のみ。

試験時間は3時間という長丁場である。




このできばえで自分の未来が決まる。






この国立前期を失敗すると、後期はもう後がない。







ここが本当に本当に最後のチャンスなのだ。







ギリギリまで追い詰められて

「背水の陣」だったのだが、不思議と気分は

落ち着いていた。








解答用紙が回ってくる。







試験開始。










補足をしておこう。

「総合問題」とは何か。

「信州大学」(文系)の赤本(大学の過去問を集めた本)

を見てもらえば、わかると思うのだが

実際、この試験は国語と英語の論述式問題が基本となっている。




その中には国語の読解もあれば、英語の読解もある。

最後にそのテーマについて1000字の小論文でしめる

という問題構成である。






つまり、論述問題の基本中の基本となる

「読む」「考える」「書く」

という力を試す試験だったのである。







実はこの試験のおかげで私は生きていたといってもいい。







予備校の授業で一年間、国語・英語・社会

これらの個別試験対策としてじっくり論述問題に

取り組んできたのだ。

加えて、小論文のゼミで「書く訓練」も施してきた。




つまりこの総合問題はまさに今までの自分の力を発揮する

試験であったのだ。





直前の暗記や、運試しが通じない試験。

純粋に読解力、論述力を鍛錬した者が得点できる試験。





今までの無念を晴らすように、どんどん解答欄を

埋めていった。



「今年の総合問題のテーマ」が見えた。

テーマを見つけ、最後の1000字小論文に挑む。








3時間という時間は確かに長く、問題の量も多かったの

かったかもしれない。





しかし、小論文の最後の一字を書き終えた瞬間

心の中に満足感が生まれた。





やったぞ、と。






論述試験は通常の学科試験に比べて、自己採点はほぼ

不可能といってよいだろう。

数式のような公式があるわけでもなく、年表のような

暗記モノでもない。






しかしなぜか心の中に満足感と達成感が生まれていた。





極限まで追い詰められた状態でこんな気分を味わえるとは

思わなかった。







試験終了。






後ろの人から解答済みの用紙が順に回ってくる。





自分は全ての解答用紙に、答えをしっかり書き尽くした。




持てる力は全て尽くした。





後は運を天に任せるだけである。







通常なら後期試験に向けての勉強をするところなのだが

私はそれをしなかった。




代わりにやっていたのはなんと「イタリア語」(!?)の勉強。

大学に入ってから、英語の他に

第二外国語を勉強したいと思った自分は

信州大には「イタリア語」がないけれど自分で

本を買って、独学を始めたのだった。

(先の話をしてしまうと、独学でのイタリア語は難しすぎて

結局ギブアップしてしまいました。(>_<))







考えてみれば、ある意味自分でもすごいと思う。

まだ前期試験の発表が行われる前、つまり合格かどうかも

わかっていないのに、大学に入ってからのことを

考え始めていたなんて。






最高の解答をしてきた総合問題だったが

センターリサーチの結果がボーダーラインを下回り

合格可能性が、50パーセントを切っていたこと。




それに加えて、センター試験より個別試験の配点が低いため

(センター:個別試験=500:300)

個別試験でよほどの高得点を取らない限り、逆転合格は

非常に苦しく、安心できるような状態ではなかったはず

である。








しかし自分の中にはこんな気持ちがあった。







絶対受かるという自信も保証もない。


でも「絶対落ちない」という自信があった。





↑これは同じ事を言っていることになるのだが

自分の中では微妙に違っているのです。

うまく説明できないのですが。







合格発表まで

イタリア語の本を持って予備校に向かう日々が続いた。

誰もいない教室。




前期試験が終了すると、それまで満席だった教室も

一気に人がいなくなってしまうのだった。











運命の前期試験合格発表の日がやってきた。




旭キャンパス人文学部までは小学校の頃からの朋友

M君が一緒に行こうと言ってくれた。




彼は都内の大学に現役で合格していたため

大学では自分よりは一つ上の学年になる。




帰省で返ってきたついでに、合格発表に同行してくれるのだ

という。


心強かった。

(^-^)






人文学部の掲示板に番号が貼りだされるのだが

発表の時間が近くなっているというのに

ほとんど人影がない。





不安になる私達。




ホントに今日なのかな?

時間と日を確認する。

間違いない。





するとそこに信州大アメフト部「ワイルドキャッツ」の

たくましい方々が現れた。

(毎年、アメフト部が合格者の胴上げをしてくれる。)





「やっぱり!今日なんだ。でも何でこんなに人が・・・あ!」



わかった。





そもそも信州大は県外出身が多く、地元の学生が少ない。

それに加えて今はインターネットがあるため

大学まで行かなくても、自宅で合格を確認できるのだ。






テレビや新聞といったマスコミの方々も現れた。





定刻になる。






「いよいよ・・・。」






掲示板の番号を探していくと・・・














あったー!!やった!やったよー!

\(^▽^)/




私はM君に飛びついた!!



奇跡の逆転合格!!






受かれた。




受かれたんだ!





ホントにここまで長かった。





ボロボロに疲れきった体には喜びよりも「安堵」の

方が先であった。





まさに「生きてた」という表現がピッタリであろう。






そんな私は次の瞬間四方八方をマスコミに囲まれる形と

なった。

(>_<)驚っ!






考えて見れば、受験生よりマスコミの方が多かった。

(なんせその時、受験生は3人くらいしかいなかったのだ!

それに対してマスコミの方々は6人くらいいた。)





未だかつてそんなインタビューを受けたことがなかったから

緊張していた。




いろいろなことを聞かれたのだがその中で私はこんな事を

言った。




「将来、留学してみたい。」と。




そして、実際今私はこうして、外国に来ることができた。

夢をかなえることができたのだ。





アメフト部による胴上げ。

体が宙に舞った。







長い長いトンネルが抜けた瞬間だった。








何よりも早く家族に連絡を入れた。


「信大受かったよ!!」と。


みんな自分の合格を喜んでくれた。

(*^-^*)






本当に自分がここまでこれたのも、家族のおかげである。


家族の支えがなかったら、合格はありえなかったであろう。





もう一年予備校で勉強するチャンスを与えてくれ

ここまで自分を育ててくれた家族には

本当に感謝の心でいっぱいだ。




本当に本当にどうもありがとう★

    m(u_u)m





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最終更新日  2004年08月17日 16時31分13秒
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