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・ぼくは、9月2日にタイに行く予定になっていたが・・・。どうやら、少なくとも二週間、あるいは一ヶ月、二ヶ月の単位で伸びることになりそうだ。ぼくを採用することになっているタイ企業の事務手続きが遅れに遅れているのだ。タイ人は、日本人に比べて仕事が遅い。いや、遅いと言い切ってしまっては彼らに悪い。より正確に言うなら、自分と他人の意識に差があることを自覚していない、あるいは、自覚してはいるが、その差を埋めようという発想がない。やれやれ・・・。・映画「ナイトミュージアム」をDVDで見た。アメリカ、いや、アングロサクソン人種の言語文化は、ぼくにとって実に興味深いものである。それに加え、彼らの食文化も、違う意味で興味深いものである。実は「ナイトミュージアム」を見る前、「スーパーサイズ・ミー」を見たのだ。・夏だから、と言うことで、テレビで怪談が人気を博している。本屋でも必ず怪談コーナーが設けられている。しかし、お化けや幽霊なんてどこが怖いのだろう。この世で一番恐ろしい怪物は人間だろうに。「人間は人間にとって狼である」と、どこかの学者も言っていた(名前は忘れたが)。・あまりにもヒマなので、ここ数日テレビばかり見ている。ぼくが日本を離れているうちに、新しい流行語がどんどん登場している。「干物女」「美しい国」などなど。どうやら彼ら(主にマスコミのことだが、それ以外にも色んな連中がいる)は、新しい言葉を使えば新しい考えが表現できるかどうか、挑戦し、議論し、実験しようとしているらしい。ご苦労なことだ。錬金術師が金を生み出そうとして結果的に失敗したが、その代わりにアルカリやら酸やらを見つけ出したように、こうした議論も、意外な副産物を生み出すだろう。ただし、それがどんな目的に用いられるかは分からない。本来は雑草の一種でしかなかった大麻やケシがマリファナやヘロインに形を変えて社会を汚染し、蒸留技術の発展によって生み出された強い酒は水よりも多くの人を溺死させ、ノーベルの発明したダイナマイトが硬い岩盤でなく、人間を爆破するために使われたように。・今日もまた農協の朝市に出かけ、地場野菜のコーナーを見ていると、面白いものがあった。蓮の葉である。これを買って帰り、家の乾物入れを開けると、だんご粉とくず粉があった。この二つを上白糖と混ぜてザルごしし、少しずつ水を加えて練り、蓮の葉で包んで蒸してみた。蓮の葉の香りが移り、なかなか良いものだ。今度は豚肉ときのこか何かに田舎味噌を塗りつけ、蓮の葉に包んで焼いてみよう。・インターネットを利用していると、様々な情報が目に入ってくる。その中には、対人関係や自分の外見、現金収入などがよく見受けられる。他者から好かれたい、美しく、カッコよくなりたい、金持ちになりたい・・・こうした欲求はいついかなる時代、あらゆる社会に存在するが、自分の欲求を正直に吐露できるのは素晴らしいことだとぼくは思う。どんな美男美女も、どんな大富豪も、どんな天才も、銃弾が顔面を撃ち抜くか、飲酒運転の2トントラックが目の前に突っ込んでくるか、覚せい剤でラリった男が鉈を片手に襲いかかってくるかすれば一巻の終わりなのだが、多くの人は実際にそういう状況になるまでは、そんなことは考えもしないし、そういう事件が起こっても、「次は自分かも知れない」とは考えない。国土交通省かどこかのホームページにアクセスし、日本で年間あたり何人が交通事故で亡くなっているか調べてみれば、死神はどこにでもいるのだ、と言うことが実感できるはずだが、そんなことを彼らはするまい。 鈍感であることほど強力な防衛能力はない、とある作家が言った。なるほど、その通りだ。そして、優秀なごく少数の人材ではなく、愚鈍な絶対大多数の人間によって社会を運営することを目指した民主主義は、政治思想上の成功例の一つに数えられて良いだろう。と言っても、「勝者は決して進化しない、ただ肥え太るのみ」という言葉を、ぼくは無視できないのだけれど・・・ねえ。アメリカ人や、アメリカのやり方を無条件で素晴らしいと考えてしまう世界各国の皆さん。
2007年08月31日
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コウです。今回も近況報告をば。・今日、久しぶりにタイ料理を作って食べた。 トムヤム・ムゥ・クルアン・ナイ。豚の内臓を入れたトムヤムスープ。 カオニャオ・ナムプリック・オン。乾燥唐辛子、ニンニク、プチトマト、納豆を石臼ですり潰し、かなり多めのサラダ油で香りが出るまで炒め、そこに豚ミンチを入れて炒め、ナムプラーで味をつける。今回はナムプラーが少ししかなかったので、カツオの血合を塩漬けにしたものを加えた。これに味をつけず、ただ蒸しただけのもち米を添えて食べる。これはタイ北部の名物料理で、ビルマ民族の料理の影響を強く受けている。生の胡瓜やゆでたじゃがいもにつけて食べても良い。 パックブン・ファイデーン。和訳すると「炎の空芯菜」となるが、大した料理ではない。空芯菜を刻みニンニクと共に味噌炒めにしただけの話だ。しかし、こういう料理にこそ滋味があるとぼくは思う。 うまいタイ料理をたらふく食べ、ヤシ砂糖のシロップを加えたアイスコーヒーを飲み、キューバ産のシガリロを吸って、ぼくは久しぶりに人間らしくなった。ただ体に良く、栄養があるだけの食べものを料理とは呼ばない。それを食べ、「よし、もう一頑張りしよう!」と思えて初めて食物は料理たりえる。そうでなければ、それは料理でなくエサである。エサは獣の食べるものであり、ぼくは、少なくとも今日は獣ではない。明日はどうか知らないが。・昨日、一昨日と、バンコクの知人に電話をかけたが通じず、今日やっとこさ通じた。仕事でシンガポールに出張していたとのことだ。・我が家の愛犬さくら(黒ラブ)は竹輪に目がない。ある日、ぼくが玄関から出て郵便物を取りに行くと、彼女は(メスなのだ)ぱっと外に飛び出し、明後日の方向に走っていた。ぼくは家の中に戻り、パンと手を打って「さくら、ちくわー!」と叫んだ。彼女は飛び出したのと同じ、いや、それ以上の勢いで家に駆け戻り、ぼくに飛びついた。これからこいつをシシマルと呼ぼうと思ったが、父に「それはやめてくれ」と言われたのでやめた。・米ぬかを買ってきて塩、昆布、たかのつめ、それに米の研ぎ汁を加えて糠床を作り、茄子、茗荷、胡瓜、小かぶを漬け込んだ。米の研ぎ汁に塩を加えたものに野菜を漬け込み、乳酸発酵させる方法はミャンマー人の知人から習った。そこに米糠を加え、即席の糠床にしたわけだ。野菜だけでなく、塩漬けにした鰯や鯖を漬け込み、焼いて食うのも実にうまい。タイでは米を精米する際、モミ殻と糠を同時に除去するので、米糠は市場に出回らない。・そば粉を熱湯でこねたそばがきをラップに包み、冷蔵庫の中で二晩放置したものを薄く切り、油で揚げてみた。なかなかうまいものだ。・母がビリーズ・ブートキャンプのDVDを借りてきた。妹と父が挑戦したが、二人とも脱落した。ぼくはそんなことをしない。一日三食をきっちり食べ、十分な睡眠を取り、車やバイクに乗らず自転車で買い物に行き、ビールやコーラを飲まず麦茶や水を飲み、重さ2キロの石臼を使って汗だくになって香辛料をすり潰し、愛犬と共に走り、姪を抱えてぶんぶん振り回し(これが好きなのらしい)、クーラーをつけずに辛い料理を食って汗を流す。それだけのことで、ぼくは7キロの減量に成功した。体脂肪率も26パーセントから19パーセントになった。・今日、自室の押入れを整理していると、出てきてはいけないはずのものが出てきた。これは確か、ワシントン条約か何かで輸出入が禁止されている、あの動物の○○○・・・。さては、あいつがぼくの部屋に置いていったのか。どうしよう、捨てようか、それとも焼酎に漬け込んで滋養強壮に飲もうかと五分ほど悩み、結論を出した。 見なかったことにしよう。・最近、「女帝」と言うドラマを妹がよく見ている。ドロドロした人間関係を描くドラマだが、ぼくはそれを見て、「日本の愛憎劇なんざ可愛いもんだ」と思ってしまった。 タイでは、古今を問わず男と女のいざこざが多い。本妻が夫の愛人を射殺する、あるいは浮気した夫の○○○を切り落とすなどの事件は三流週刊誌すら記事にしない。別に珍しくもないのである。しかも、切り落とした○○○はアヒルや豚に食べさせ、再生不可能にするそうだ。また、最近もっとも人気のリベンジ法は、にっくき相手の顔面に硫酸をぶっかけると言うもの。さらには、手榴弾、筋弛緩剤、HIVウイルス、自動車のブレーキへの細工。仁義なき世界だ。まあ、ぼくには妻も愛人も恋人もいないので、特に問題もないのだが。・「ぼくは~、ぼくは~、お腹が空いてる~、ぼくは~、それを~、喰い殺す~ 喉元に噛みついたぁ~、頭をもぎ取ったぁ~、すぐに噛み砕いた~、そのまま呑み込んだぁ~、ぼくは~、それを喰い殺すぅ~」 こんな鼻歌を歌いながら魚の頭を切り落とし、腹を割いて内臓を取り出していると、妹から「その歌やめてよ」とクレームが来た。なぜだろう。 ぼくたちが普段食べている肉や魚は、生きた動物を殺し、その肉体を切り刻み、そこからさらに様々な加工をして作られる。工場で化学薬品から合成されるわけでも、試験管の中で培養されるわけでもない。麗しい言葉でごまかしても無駄ではないか。ぼくたち人間は、生まれつきの完全菜食主義者でもない限り、捕食者であることを宿命づけられているのだ。 すき焼きやフライドチキンや豚カツを嬉々として食べる人間が、なぜ臓物や血液に拒否反応を示すのか。フカヒレの姿煮は上品だが、芋虫やコオロギの唐揚げは下品か。喰いたくなければ喰わなければ良い。喰いたければ喰えば良い。自分が食わないものを他人が喰っているのを指差し、笑うのが趣味ならそうしたまえ。ただし、その嘲笑の裏に眠る自らの愚かさに気づいた時、口中に広がる不快な後味はどんな美酒でも消すことができまい。
2007年08月28日
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コウです。今回から、「○○回めの日記です」と書くのをやめます。今回も手短に。・ここ数日、より正確に言うなら帰国してから、ぼくは言いようのない息苦しさに苦しめられている。ぼくはその正体を確かめるべく、過去の記憶を探っていた。つまり、タイ国にいた時のことだ。 初めて訪れたバンコクは、はっきり言って臭かった。排気ガス。限界まで汚れた運河。腐った果物や魚の匂い。公衆トイレの糞尿臭。それに、ナムプラーや香辛料、ヤシ油の匂い。ぼくはタイ料理が大好きで、ナムプラーなどは良い匂いだと思うが、日本人には苦手な人も多い。 ある日、ぼくは八百屋で大根を買った。すると、袋の中から土臭い匂いがする。よく見ると、ちゃんと洗ってないので土がついているのだ。ぼくはそれを大根おろしにして食べた。とても辛かった。涙が出そうになった。辛いからではなく、これが本当の大根であることに気づいたからだった。大根は土の中に埋まっているのを引っこ抜いて収穫する。だから、土臭いのは当たり前なのだとぼくは気づいた。タイ国では、カキを食べると潮の香りがし、淡水性の海老を塩焼きにしたものを食べると香ばしい中にも泥の匂いがした。卵を買ってきてオムレツにして食べると、これもやはり匂いがした。卵が、実は非常に匂いの強いものであることをぼくは実感した。 タイ国の公衆トイレは臭い。なぜか。多くの人がそこで糞をするからだ。だから糞尿の匂いがするのは当たり前だ。しかし、外国人観光客が多く訪れるデパートなどのトイレは臭くない。そこではトイレの匂いを消すために、洗剤を使って掃除をしている。化学薬品のカクテルとも言うべき汚水が運河に流れ込む。そこにも魚が住んでいる。背骨が大きく曲がった、奇形の魚もいる。ちなみに、タイ国では人間にも奇形が多い。 タイ人の友人が、「ぼくの友人が、きみに日本料理を習いたいと言ってるんだけど」と言い出した。その時、ぼくはヒマだったので、「材料費をそちらで負担してくれるならいいよ」と答えた。約束がまとまり、ぼくは高架式電車のアソーク駅で降りた。少し歩くと、歓楽街として有名なカウボーイ通りが見えた。帰りにも同じ道を通り、アソーク駅に向かった。カウボーイ通りにある店の前で、けばけばしい化粧をし、扇情的な服を着た女たちが客引きをしている。それに誘われて店に入っていく観光客の中に、明らかに日本人だと分かる連中が少なからずいるのを見て、ぼくは口の中で、誰にも聞こえないように「クエンティン」と呟いた。これはタイ語だが、意味はご想像にお任せする。とてもじゃないが、ここに訳語は書けない。 バンコクには、世界中から様々な人間が集まってくる。ぼくはそこで生きるために、多大なエネルギーを必要とした。そして、そのエネルギーの源となるものが沢山あった。 ぼくは今、日本にいる。ここでは、バンコクほどエネルギーを必要としない。そして、エネルギーの源となるものも少ない。大根は辛くないし、トマトは青くさくないし、鶏肉はぶよぶよのブロイラーで、内臓や血は取り除かれている。漬物は塩辛くないし、缶コーヒーは甘さが薄い。 ぼくはタイに、今度出会ったらその場で殴り倒してやろうと思っている男が一人いる。殺しはしない。ただ、死んだほうがマシだと思うような目に合わせてやりたい。実現の可能性は限りなく低いが(ぼくの聞いた情報が確かなら、そいつは今頃、刑務所の中にいるはずだから)。ぼくの場合、こうした憎悪や軽蔑もエネルギー源となった。そして、そいつが当たり前のようにやっていたこと(大麻、買春、違法賭博、窃盗、寸借詐欺、・・・)を、ぼくは決してやるまいと心に誓った。 ぼくは、日本には殺したいほど憎い人間がいない。日本人は善人ばかりだ。日本は治安が良い。日本は美しい。善人でない人間を激しく攻撃し、治安を乱す可能性のある者を自分たちの社会から追放し、美しくないものを徹底的に排除して、この国は守られている。限界まで鋭く研ぎ上げ、ほんの少し触れるだけでも皮肉を切り裂き、少しでも扱いを間違えば簡単に折れる、日本刀のような国。サムライ精神はまだ生きているようだ。いや、軍国主義と言ったほうがより正確か。 早くタイ国に戻りたい。この国にいると、ぼくまで日本刀になってしまいそうだ。・昨日から体調不良が続いている。胃腸の調子が良くない。何だか頭痛もする。風邪薬を飲んでみたが、あまり効果がない。・最近、爆音や銃声を聞かないなあ・・・と思っていたが、当たり前の話だ。ここは日本なのだから。それに、トイレで用を足す時、肛門が熱くなることもない。
2007年08月27日
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コウです。245回めの日記です。今回も手短に書きます。・今日、地元の町の駅前に行くと、駅前のタバコ屋で葉巻を売っていた。しかも、キューバ産のものだ。この店には以前から葉巻はあったが、香料がたっぷり入ったアメリカ製の安物ばかりだった。ここ最近、喫煙者自体の数は減りつつあるようだが、葉巻を吸う人は少しずつではあるが増えているらしい。「葉巻を吸うようになってから、紙巻タバコが欲しいと思わなくなった」と言う人もいるらしい。タバコを吸うことは良いことではないが、あまりに締めつけすぎると却って逆効果ではないか、とも思う。シンガポールのように、徹底的に喫煙を制限したため、外国人犯罪者によるタバコの密輸が社会問題となっている国もある。光が強くなれば影も濃くなる。ただそれだけの話だ。・姪が相変わらずぐずるので、何か意表をつくようなことをすれば泣き止むかと思い、両手で大きくモミジの葉の形を書きながら「もみじまんじゅう!」と叫んでみた。姪は一瞬泣き止んだがまた泣き出し、代わりに母と妹が吹き出した。人生は思うようにいかない。・今日、買い物帰りに母の知人に出会い、世間話をした。ぼくがタイで就職することになったと話すと、ひとしきり感心した後、「ところで、タイではトイレットペーパーを使わないって本当?」と聞かれた。ぼくは「ええ、本当ですよ」と答えた。すると知人は顔をしかめていた。タイでは、トイレで用を足した後、手で尻を洗う。手桶に水を汲み、股間に流して手で洗う。その手はもちろん石鹸で洗う。ちなみにタイでは、トイレとシャワーが共同であることが多いので、事が終わった後に水浴びをしてしまえば実に爽快だ。ちなみに、トイレットペーパーもちゃんと売られている。尻を拭くためではなく、ティッシュペーパーの代用品として使うのだ。彼らは、紙を買えないから紙を使わないのではない。紙を使うより水と手で洗うほうを好む、ただそれだけのことなのだが。
2007年08月26日
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コウです。244回目の日記です。今回も手短に書きます。・ミャンマーの民衆がガソリンの値上げに対して抗議のデモを行った。このニュースがとても気になる。ミャンマーの軍事政権が力を失いつつあるのか。もしそうだとしても、ぼくはそれを素直に喜ぶ気になれない。ネ・ウィンは死んだ。キン・ニュンは首相の座を追われた。アウンサンスーチーは民衆への演説を続けている。バルカン半島は「欧州の火薬庫」と呼ばれていた。ほんの少しでも火花が散れば大爆発を起こす。ならば、アジアの火薬庫はミャンマーだろう。バンコクで会ったカナダ人の言葉を思い出す。「ユーゴスラヴィアの次は多分ミャンマーだ。アウンサンスーチーは間違いなく敗北する。彼女は賢く、誠実で、民主主義を理解している。そして、賢くもなければ誠実でもなく、民主主義を理解してもいない人間の扱い方を知らない」そのカナダ人は、ぼくがミャワディで出会ったミャンマー政府軍の兵士と同じ歩き方をしていた。ぼくは政治家でも傭兵でもミャンマー国民でもない。ただの日本人の料理人に過ぎない。ミャンマー国の政治状況を心配する義理などない。ただ、ぼくはバンコクで出会い、シャン族の料理を一緒に作り、水かけ祭りの日に弾けるような笑顔を見せた二人の少女、そしてその家族や友人が戦禍に飲み込まれぬよう願っているだけだ。今度、あのカナダ人に出会うことがあったら(可能性は限りなく低い。名前も聞いていないし、本当にカナダ国籍かも疑わしい)こう言おうと思う。「あなたは鋭敏な感覚を持ち、タフで、銃火器の扱いに習熟している。そしてあなたは、鋭敏な感覚を持たず銃火器も扱えないが、タフで、視野が広く、優れたバランス感覚を持つ人物がミャンマーに山ほどいることを知らない」 ※上記の記述は事実を元にしたフィクションです。・相変わらず歯が痛む。痛み止めの影響で胃が荒れ、味覚がおかしくなっている。早く治さなくてはいけない。・大使館でビザを申請するために必要な書類がバンコクから日本に送られてくる手筈になっているのだが、いまだに来ない。国際電話をかけて確認すると、ビザの申請に必要な書類が思っていたより多く、それがまだ揃わない、との返答だった。まあ、仕方あるまい。「お役所仕事」の国で、まさにその「お役所」にお伺いを立てるのだ。はあ・・・。・今日は妹が寝不足で不機嫌そうな顔をしている。その感情を読んでいるのか、姪がやたらとぐずっており、ぼくが構ってやっても泣き止まない。妹もぼくも困り果てていたが、ふと思いつき、生の胡瓜を、誤って飲み込まないよう大きめに切ったものを与えてみた。あっさり泣き止み、熱心にしゃぶり始めた。どうやら好きなのらしい。・今日はモロヘイヤと長いもが安かったので買ってきた。モロヘイヤは柔らかい葉だけを摘み取り、さっとゆでてから水に取る。これの水気を絞り、包丁で気長に叩くとねばねばしてくる。これをすりおろした長いもと混ぜ、めんつゆとわさびをさらに混ぜ、かき混ぜたものを麦飯にかけて食べた。それと、そば粉があったので、お湯で練ってそばがきにし、割り箸に巻きつけ、田楽味噌を塗って焼いた。田楽味噌には生姜の絞り汁がたっぷり加えてある。付け合せのしし唐とコンニャクも串に刺して焼いた。それに加え、さつまいも、鶏肉、しめじ、昆布、焼き豆腐、小松菜などを使った具沢山の味噌汁も作った。と言うか、冷蔵庫の中で中途半端に残り、出番がないことにいじけていた材料を全部放り込んだら結果的にこうなった。わりとうまい。すごくうまいわけではないが、すごくうまいと一回か二回で飽きるので、わりとうまいくらいでちょうど良いと思っている。・タイに戻ったらタイシルクとフアヒンコットンのパジャマを送れと母と妹から命令がきた。この命令に逆らった場合、実家で葉巻を吸うことを全面的に禁止するとのお達しだ。ぼくは仕方なく了承し、12月ごろにクリスマスプレゼントとして送る、と答えた。ただし、30年後のだが。・今日、じゃがいもが袋に詰め放題で70円というのを見かけたので買ってきた。600グラムくらいは入っているはずだ。そして数時間後、父が野菜を買ってきた。じゃがいもとピーマンと玉ねぎ。ああ・・・。いっそのこと、もっと山ほどじゃがいもを買い込み、お餅投げならぬじゃがいも投げをやってみようかと思った。きっと観客が殺到するだろうが、警官も駆けつけてきそうだから涙を呑んで廃案にした。明日、じゃがいものニョッキでも作ろう。
2007年08月25日
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コウです。243回目の日記です。今回は手短に書きます。・昨日、歯が一本折れた。ものすごく痛かったので痛み止めを飲んだら、副作用で胃が荒れてしまい、ご飯が食べられない。胃薬を飲んで寝たら収まったが、今度は椅子の角に足の小指をぶつけ、思わず屈んだら今度はテーブルの角でおでこを強打。何だか疲れているのか、それとも何かに憑かれているのか。・さっき、電話でバンコク在住のタイ人の友人と話をする。「そちらの気温はどうだ」と案の定聞かれる。「気温はタイよりマシだが、湿気が多くてたまらない」と答えると、「そっちにはクーラーがあるだろ。大丈夫だよ」と返ってきた。「クーラーが買えない人やスポーツをしている人が暑さで何人も亡くなっている」と言うと、「なんでこんなクソ暑い中でスポーツなんかするんだ。その人は正気を失っていたのか」と聞かれる。「一台の車に十一人で乗り込んで時速100キロ超でかっ飛ばす奴にそんなこと言われたくない」と言おうと思ったが、やめた。・妹の長女が、現在生後9ヶ月になる。どうやらぼくのことは気に入っているらしく、お腹の上に乗せてあやしているとそのまま寝てしまうことがよくある。それはそれで良いのだが、昼寝しているぼくの顔面に平手打ちをするのはやめてほしい。・最近、飼い猫のチャコがコウモリの子供を捕まえてくる。生きているうちに助けて外に放してやるのだが、必ず死んでしまう。母が「料理して食べたら」と言うが、ぼくを何だと思っているのだろうか。確かにぼくは、タニシやワニやコオロギを、バンコクでせっせと食べていたのだが。・自宅から自転車で3分ほどのところに農協が主催する野菜専門の市場がある。規格に外れた野菜や農家の人々が自家用に栽培している野菜が売られているのだが、空芯菜、四角豆、オクラの花、ヘチマ、白ナス、ヒラタケなど、タイでよく食べていた野菜をけっこう見かける。農家の人々が趣味で栽培しているのか、それとも昔からあるが、市場に出回らないだけなのか。どちらにしろ安いので、せっせと買い込んで料理している。・ぼくは昔から、「あんたが食べているとどんなまずいものでもご馳走に見える」と母に言われる。どうやら、ぼくは食べものを、すごくおいしそうに食べているらしい。ぼくが食事をしていると、犬や姪がぼくのことをじーっと見ている。あまりにも熱心なので、愛犬さくらに生の胡瓜をあげた。食べた。苦瓜、人参、さやいんげん、キャベツ、モロヘイヤなども食べる。お前には肉食動物としての誇りはないのか。・近所のダ○エーのフードコートにインドカレーの店ができている。チキンカレーとナンのセットがサービス価格だったので昼食に食べていると、隣のテーブルでたこ焼きを食べていた子供が母親に言う。「ママ、あのおじちゃんインド人!」ぼくはバンコクでいろんな人に出会った。フットマッサージのおばちゃんには「あんたチベット人でしょ」と言われ、アメリカ人のおっさんに「お前、イタリア人だろ」と言われ、韓国人観光客には「おれの昔の仕事仲間がフィリピンにいるんだ。○○ってやつなんだけど、知ってるか?何、知らない?お前、どこの出身だよ。○○はイロイロ出身なんだけど」と言われた。最初は楽しんでいたぼくだが、だんだん面倒くさくなってきた。どこかでハチマキでも買ってきて、日の丸と「大和」という文字を染め抜いて頭に巻いておこうかと思っている。・タイで買ってきた、ごつい中華包丁で豚のスペアリブをぶつ切りにしていると、姪がいきなりぐずりだした。妹と母がなだめているが、機嫌が悪いらしい。そこでぼくは台所から、「泣ぐ子はいねがー!」と叫んでみた。それ以降我が家では、なまはげごっこ禁止令が出されている。姪はケタケタ笑っていたのだが。・日本に帰ってきてから、ほとんど蚊に刺されたことがない。辛いものばかり食べているからだろうか。母や妹は刺されまくっているのだが。・ギター侍とレイザーラモンHGとヒロシをテレビで見かけない。今頃どうしているのだろうか。
2007年08月24日
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