現代詩・個人詩誌「白黒目」豊原清明BLOG

2020.11.22
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1真顔鳥陽の中を発つ稲雀
2岩壁の頭蓋の笑顔稲雀
3人間の戦の流離鴨の列
4鵙の贄膝に水溜まりたる朝
5流星や詩集ごみ袋に捨つる
6流星や言葉の塵を燃やす朝
7名月や落伍の感を書に表す
8夜明け来て赤さの眼無月なり
9顔洗う埃払いの無月なり

11十六夜や日の陰の淵見えぬ街
12十六夜や闇の手探り爪の先
13稲雀痩せし呼吸の身を浮遊
14椋鳥の目の鮮やかに立ち尽くす
15椋鳥の目に涙ぐむかな鳩ぼっぽ
16山鳩の命揉みたりる月かな
17台風の記憶が廻る硬い石
18鵙の贄砂漠を歩く昔なり
19椋鳥の目に息しておりし日日の草
20掌の小鳥の命宙の空
21台風や目を見開けば鳥の肌

23安らかな午後の嘆息小鳥来る
24日時計の指し示す野を走る霧
25霧しぐれ棒となりたる蟻の群れ
26霧しぐれ頭が蟻となりにけり
27霧しぐれ天裂ける日の怖い顔

29霧しぐれ夕陽育ててくれた女
30霧しぐれ歯を洗いては天仰ぐ
31鳥群れて散る森の果て霧しぐれ
32秋燕や怯えて震える膝だ
33爪先にリズム取る箸秋燕
34秋燕やピアノ壊れて煙草銭
35秋燕やピアノの音を耳にする
36唇の煙草の部屋に小鳥来る
37小鳥来る一瞬閃光のごとき眼
38顔洗い鼻取れる鼻草雲雀
39紙に包まれ死魚の軽さよ草雲雀
40丸刈りの黄色い帽子草雲雀
41父遠く石を拾えり草雲雀
42暗部屋の石を投げたる草雲雀
43穴の底我が全身の秋燕44秋燕や破片の父の高き声
45暗闇に眼の深くあり秋燕
46塗り薬体に塗りし秋燕47秋刀魚噛む魚体の滑らかな首
48口開けてわれに飛び入る秋刀魚かな
49草雲雀夕陽目眩の朝が来た
50耳元に打つように啼く草雲雀





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最終更新日  2020.11.22 10:33:07
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