アルバート・キングはいわゆるブルースギター三キング(あと2人は B.B. King と Fredie King)のひとりで、その独特の硬い「タメ」のギターと太いけれど美しい(と僕は思う)声は、一度聴いたら忘れられないほど素晴らしいものである。 さて、その2枚のアルバムだが、"LIVE WIRE / BLUES POWER" というライブの名盤と "KING, DOES THE KING’S THINGS" というプレスリーの曲だけをカヴァーした珍盤である。2枚ともアメリカ盤で、制作年度が書いてない。書いてない理由はわからないが、当時の輸入盤ってたいていみんなそうだった。貧乏学生だった70年代の初めに買った貴重なレコードである。 で、この2枚をプロデュースしたのが、何を隠そう我が愛しのドラマー Al Jackson (アル・ジャクソン) その人です。もちろんドラムを叩いているのもアル・ジャクソンだ。 彼のドラマーとしての活動は、Otis Redding (オーティス・レディング) のバックや、Booker T. & the MG’s (ブッカーTと MGズ) のメンバーとしてのものが最も有名だ。決して派手ではないが、歌い手に合わせて淡々とリズムを刻むそのスネアは「ピストルショット・スネア(Pistol-shot snare)」と呼ばれた。出過ぎず騒がず、しかし堅実に歌とバンドの音を支える彼のプレーが後に与えた影響は大きい。 僕の大好きなドラマー、アル・ジャクソンは1975年、40歳の若さでこの世を去った。