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七詩
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2003年09月23日
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自民党の総裁選…といったってもうずっと昔のことのようであるが、その候補者の一人、亀井氏にぜひ語ってほしいことがあった。それは、御自身の死刑廃止論との関係で、宅間守の判決をどう考えているかということである。亀井議員が死刑廃止論をとなえていることは広く知られている。ならば、こうしたときにこそ、御自身の持論をもとに、あの死刑判決の不当性を語ってほしいものである。
※
「新潮４５」を買った。あの十数年前、名古屋で起きたアベック殺人犯の少年達のその後を追った記事が掲載されていたが、予想どおり後味の悪い内容であった。いつの世にも「たくましい」人間というのはやはりいる。あの少年達も、過去を反省することを「後ろ向き」の生き方といい、今では、就職、結婚、子育て、マイホームと自分の人生を構築していくことに余念がない。そして、被害者遺族に対する損害賠償すらも、子育てなどで金がかかるから…という理由でとだえていく。
二度と犯罪を犯さないというのが「更生」であるとしたら、彼らは確かに更生しているのだろう。しかし、本当に「更生」ということは、単にそれだけの意味しかないのだろうか。少年達の中には、どうせやるなら今のうちとばかり凶悪犯罪に走っているものもいるという。罪の軽い少年の間に犯罪を楽しみ、20歳になったらきっぱりやめるそうである。栃木のリンチ殺人事件の少年達が、「反省」の弁として、「死んだ○○君の分まで長生きして幸せになる」といったというが、これなども彼らなりに｢更生」の趣旨を解釈しての弁なのかもしれない。
※
こんな彼らの「更生」をめいっぱい応援しているのが、犯罪少年についての報道を禁ずる少年法の規定である。これで、多くの犯罪少年達は、周囲に過去の行為を知られることなく、何事もなかったかのように普通の社会人として、普通に生活していく。つまり、犯罪少年に対しては、この社会は、極力、普通の人生を送っていくことを応援しているわけである。ひるがえって、犯罪被害者に対してはどうであろうか。報道一つとってとってみても、犯罪少年にたいするような配慮がなされているとはとても思えない。未成年であろうが、性犯罪を連想させる事件であろうが、往々にして名前と顔写真が大報道される。そして殺到する取材や興味本位の記事で、平穏な生活もままならないこともしばしばである。どんなに特異な犯罪であろうが、どんない異常な事件であろうが、「犯罪被害者」という特別な人間がいるわけなどない。犯罪を犯した少年があれほど手厚く保護されるのに、犯罪被害に遭った者が、普通の社会人として、平穏な生活ができないとしたらそれこそおかしな話である。
※
昨今、少年少女をねらった犯罪が多発し、被害者のことを考えるといたましいかぎりである。ところで、この社会は、そうした犯罪の被害者に対して、立ち直りを応援するようなものになっているのだろうか。「処罰を受ける犯人の分まで生きて幸せになってほしい…。」そんな言葉は被害者にこそいいたいのに…。
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「新潮４５」を買った。あの十数年前、名古屋で起きたアベック殺人犯の少年達のその後を追った記事が掲載されていたが、予想どおり後味の悪い内容であった。いつの世にも「たくましい」人間というのはやはりいる。あの少年達も、過去を反省することを「後ろ向き」の生き方といい、今では、就職、結婚、子育て、マイホームと自分の人生を構築していくことに余念がない。そして、被害者遺族に対する損害賠償すらも、子育てなどで金がかかるから…という理由でとだえていく。
二度と犯罪を犯さないというのが「更生」であるとしたら、彼らは確かに更生しているのだろう。しかし、本当に「更生」ということは、単にそれだけの意味しかないのだろうか。少年達の中には、どうせやるなら今のうちとばかり凶悪犯罪に走っているものもいるという。罪の軽い少年の間に犯罪を楽しみ、20歳になったらきっぱりやめるそうである。栃木のリンチ殺人事件の少年達が、「反省」の弁として、「死んだ○○君の分まで長生きして幸せになる」といったというが、これなども彼らなりに｢更生」の趣旨を解釈しての弁なのかもしれない。
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こんな彼らの「更生」をめいっぱい応援しているのが、犯罪少年についての報道を禁ずる少年法の規定である。これで、多くの犯罪少年達は、周囲に過去の行為を知られることなく、何事もなかったかのように普通の社会人として、普通に生活していく。つまり、犯罪少年に対しては、この社会は、極力、普通の人生を送っていくことを応援しているわけである。ひるがえって、犯罪被害者に対してはどうであろうか。報道一つとってとってみても、犯罪少年にたいするような配慮がなされているとはとても思えない。未成年であろうが、性犯罪を連想させる事件であろうが、往々にして名前と顔写真が大報道される。そして殺到する取材や興味本位の記事で、平穏な生活もままならないこともしばしばである。どんなに特異な犯罪であろうが、どんない異常な事件であろうが、「犯罪被害者」という特別な人間がいるわけなどない。犯罪を犯した少年があれほど手厚く保護されるのに、犯罪被害に遭った者が、普通の社会人として、平穏な生活ができないとしたらそれこそおかしな話である。
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昨今、少年少女をねらった犯罪が多発し、被害者のことを考えるといたましいかぎりである。ところで、この社会は、そうした犯罪の被害者に対して、立ち直りを応援するようなものになっているのだろうか。「処罰を受ける犯人の分まで生きて幸せになってほしい…。」そんな言葉は被害者にこそいいたいのに…。
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