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2006年01月14日
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カテゴリ: 雑感
今話題の本「国家の品格」を読んだ。予想通り読みやすい本である。


景気が回復しているといっても多くの人にはそんな実感はない。経済的困窮や失業を背景とする自殺者は相変わらず多いし、平日の図書館に行くと、背広を着た中年男性が所在なげにスポーツ紙を読んでいる姿が目につく。その一方ではIT長者が時代の寵児のようにもてはやされ、「勝組み、負組み」や「富裕層」といった言葉もすっかり浸透した。戦前ももちろん格差の激しい社会ではあったが、大多数の人には親族とかムラとかのよってたつ基盤があった。だからこそ失業したら実家の畑を手伝えばよかったし、老人介護や身障者の問題などもたいていはこの親族やムラの中で対処できた。今が違う。いったん「負組み」になったら、その背後には荒涼とした絶壁があるばかりだ。先進国中随一の自殺者数や急速に悪化する治安の背景にはこうしたことがあるように思えてならない。それなのに小泉総理は、さらに格差を拡大し、失業者を増やす政策をおしすすめようとしている。
この著者ならずとも、本当にそれでよいのといいたくもなる。

そんなわけでむきだしの競争社会を批判し、「武士道」や「情緒」(これはムラ社会でも横並びでもよいと思うのだが)を再評価したあたりは、おおいに共感して読んだのだが、英語教育に疑問を呈したあたりは、やはり首をかしげてしまう。英語早期教育反対論者として急先鋒にたっている著者の子息は英語圏で幼少期を過ごし、帰国後も英国人の家庭教師をつけていたという。これにかぎらず、英語教育不用論を唱える著者のほとんどは、自分の子息には十分な英語教育を施しながら、公教育には英語は要らないと主張している。英語は要らないというのは、ある種の人々にとっては素朴なナショナリズムをくすぐられて心地よいのかもしれないが、実際の教育政策の場で英語が軽視されていけば、多くの子供達は確実に不幸になるのではないか。同じ授業時間なら、英語教育と日本の伝統・歴史についての教育とのどちらを自分の子どもに行ってほしいかと問われれば、そりゃ間違いなく前者である。

この他、この本には、美しい風景からは天才が生まれるとか、虫の音を音楽として聞くのは日本人だけだとかいった記述もあるが、これはほとんど眉唾ものの話として読んだ。著者はしきりに日本の田園や農村風景の美しさを賛美するが、じゃあ、御自分の子息に農村に住み農業をやらせる気があるかといえば、そんなつもりはさらさらないであろう。





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最終更新日  2006年01月14日 08時57分38秒
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