アラ還の独り言

アラ還の独り言

2021年02月11日
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カテゴリ: プレスリリース
2021年2月5日にMSD製薬とノボノルディスクファーマは共同で経口GLP-1受容体作動薬リベルサス錠の発売を プレスリリース しました。
概要は以下の通り




1日量を7mgで想定すると1日薬価は334.20円
DDP-4阻害剤のグラクティブ錠50mgは129.1円
SGLT2阻害薬のスーグラ状50mgは195.2円
メトフォルミン製剤のメトグルコは1500mgで14.4円〔500mg×3=43.2円)

新規医薬品はやはり高薬価です。リベルサスは注射剤を経口剤になっているので、とても使いやすくなりました。

さて、ここで思い出すのが、経口インスリンです。ペプチド製剤は消化管で分解されるので、蛋白分解酵素と配合することによる経口化を考えていましたが、なかなかうまく行きませんでした。

Drug Delivery System , 2020, 35 巻, 1 号, p. 10-19によれば
リベルサスは経口吸収促進剤サルカプロザートナトリウム(SNAC)を配合することによって経口化に成功しています。SNACは1990年代に、Emisphere Technologies,Inc. の研究者たちは、SNAC が薬物の疎水化によって受動的な細胞透過を改善するという仮説を立てた。GLP-1アナログのセマグルチドにおける最近の研究では、SNAC は小腸部位ではなく胃からの吸収を促進させることが明らかにされた

最初に立てた仮説は間違っていましたが、結果は成功で実はこういう作用機序でしたという話です。

仮説が間違っていても結果がよければとりあえず薬になるというお話でした。





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最終更新日  2021年02月11日 13時17分26秒
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