(「野球と其害毒」東京朝日新聞より)
■1911年(明治44年)8月29日から連載を開始した「野球と其害毒」。その第3回目(8月31日)は 「福原専門学務局長談」
と同じく6面に、「田所普通学務局長談」があった。見出しは「野球は有害日本の学制と適せず」。
日本の学制は独逸流で学科本位、智育・体育・徳育を完全に行っていこうというものである。一方、野球が生れた米国等の学校は運動本位であり、日本の学制とはまったく異なるものであると田所氏は話している。さらに曰く、
正課以外の運動も盛んにやり学科試験にも及第して行くということは非常に難事で良学生にして良選手なるものは万人に一人位しかいない。大天才でなくては出来ぬ業だ。もし然らざるものが正科も勉強し野球もまた盛んやるとなれば、心身を過労してついに健康を損なうにいたる。
選手制度の弊。選手自身の生活を放縦ならしめ、学科の予習復習を怠らしめ、ついには学科ができぬからとて自暴自棄となり、前途を過るようになる。また選手を作って他校と試合をし多数の人に見物せしむれば選手の虚栄心を発達せしめ、金はかかり学校の授業にも差し支えが起こりやすい。
選手が運動器具および運動場を専有して全体の生徒が運動のできぬ弊もある。これを要するに金持ちの子弟と非常なる天才との外には、野球のごとき遊戯は害があると思う云々。
◇関連記事 「1911年、「野球害毒論」論争勃発」
■ この日の広告には、こんな物騒なものがあった。
こんな物騒な世の中でも
ピストルがあれば安心して居られます
手続が少し面倒
横濱市本町 金丸銃砲店
○○○の個所が読めなかった。たぶん「躊躇」とか「控える」といった意味の言葉が入るものと思う。また、「手続きが少し面倒に」という表現は、明治43年(上記新聞記事の一年前)に「銃砲火薬類取締法」が施行され、銃砲類の市販製造は政府への登録制となって許可無く所持することが禁止されてしまったことと関係があるようだ。
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