2006年05月07日
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カテゴリ: 家庭生活


ゲーム「ムシキング」のヒット以降、逆に最近この手のリアルな昆虫にふれあうイベトをよく目にするようになった。アトリウムの限られたスペースに設けられた入場無料の集客イベントにしては、世界の昆虫の標本展示あり、生きた甲虫の観察展示あり、動く巨大昆虫ロボットの展示あり、昆虫と体力を競うゲームあり、といった感じでおそらく低予算の仕込みであろうと想像はつくが、思いがけずそれなりに充実した内容であった。

コーナーのひとつに「カブトムシの森」というのがあって、大きなテントの中に入ると100匹の生きたカブトムシに触れることができるのだが、「触れ合い」のしかたが少々驚いた。入口の所に「割り箸」が用意されていて、カブトムシを触る時は素手で触らずに、その箸でつまんでくれ、というのである。まさか箸で食うわけでもないのに、なんじゃそりゃと思ったが、主催者側の思惑としてはどうやら、お客の子供が素手のままカブトムシに噛まれてクレームが来たりするのを回避しようということのようである。バイトの兄ちゃんも「お箸でお願いします!」と力強く言うので、なんだかなぁと思いながらも、ムスメと一緒にそこらにうじゃうじゃ動いているカブトムシを片ッ端から箸でつまみ上げてみるのであった。

そうこうしていると、ムスメが突然へんなことを言い出した。「このカブトムシは、キカイでできてるんだよ、ほんものじゃないよ」。ワタシは笑いながら「んなわけないやろ、ほんものです、ホ・ン・モ・ノ」と言うと、ムスメはそれでも真顔のまま「ちがうよ、これはつくったカブトムシなんだよぅ!」と頑として譲らないのである。おいおい、気色悪いこと言うなよなぁしかし。

「よく見てみホレ、ホンモノです」「ちがう、きかいでつくったやつ!」「ホンモノ!」「ちがう!」と、その後もムスメはなぜか妙にかたくなで、お互いの主張は平行線のままであった。「こんな、割り箸なんかでカブトムシをつまませるから、ムスメもおかしなこと言いだすんだよなぁ」と思いながら割り箸をバイト君に返してテントを出た。

テントの外でふと足元を見ると、小さな金属のネジが一個落ちていた。






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最終更新日  2006年05月11日 03時18分00秒
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