収録の曲のうちシングルカットされて大ヒットしたのは、スザンナ・ホフスがリード・ヴォーカルを取る2つのナンバー。冒頭の1.「恋の手ほどきIN YOUR ROOM」は全米5位、5.「胸いっぱいの愛(イターナル・フレイム)」は全米ほか各国で1位となった。とはいえ、アルバム全体で聴けば、スザンナ・ホフスのヴォーカルは13曲中4曲に過ぎない。つまり、他のメンバーがヴォーカルを務める曲にも否応なく注目が行くことになる。筆者の一押しはシングルにもなった6.「いつでもBE WITH YOU」。ドラムスのデビー(デボラ・ピーターソン)がヴォーカルで、ドラムを叩きながら歌う映像も個人的には印象的であった。それから、ベースのマイケル・スティールがメイン・ヴォーカルの7.「憧れのGLITTER YEARS」は、バングルス初期からの雰囲気を引き継ぐ楽曲で、抜群の安定感を感じさせる。あと、ギターのヴィッキー(ヴィクトリア・ピーターソン)がヴォーカルをとるナンバーでは11.「MAKE A PLAY」と13.「CRASH & BURN」が個人的には印象の強い曲だったりする。
余談ながら、いかにも80年代臭のする曲目の邦語タイトルは、出た当時から“何とかならないのか”という、トホホ…といいたくなるレベルだった。“In Your Room”が「恋の手ほどきIN YOUR ROOM」、“Be With You”が「いつでもBE WITH YOU」といった具合。かと思うと、上述の11.や13.のように多くの曲は、そのまま大文字でアルファベット表記のまま。2.「愛しのガール」、5.「胸いっぱいの愛」、9.「大空の彼方に」のように統一するか、いっそあきらめて基本カタカナにするかしてほしかった。個人的には70年代チックさを残す前者の方法をとってほしかった気もするのだけれど。
1. In Your Room 2. Complicated Girl 3. Bell Jar 4. Something to Believe In 5.Eternal Flame 6.Be With You 7. Glitter Years 8. I'll Set You Free 9. Watching the Sky 10. Some Dreams Come True 11. Make a Play for Her Now