>読了した時「なぜ今まで読まなかったのか。
>私のバカバカバカ!」後悔する私の姿が見えるかのようです。
>「レベッカ」並みですかっ!

ぜひぜひ、お早くお読みください!!だてに一位では無いんですね~(笑)
(2006年09月25日 19時31分40秒)

やっぱり読書  おいのこぶみ

やっぱり読書 おいのこぶみ

2006年09月24日
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カテゴリ: 読書感想
ダフネ・デュ・モーリアの「レベッカ」に勝るとも劣らないミステリアスな物語を読んだ。

19世紀の霧渦巻くロンドンのテムズ川河畔の監獄に収監されているうら若き女性の霊媒。そこを慰問に訪れる貴婦人は老嬢(といっても20代だろうが、今なら普通)、美しくないがゆえに、個性がありすぎるゆえに愛に飢えている。

美しい霊媒の女囚「シラナイ」に傾斜していく。いや、ゆがんだ愛ゆえに嫉妬に狂い、正気を失うヒロイン「マーガレット・ブライア」。

ミルバンク監獄の不気味さに(史実という)ぞっとし、霊媒というまがまがしさに迷わされ、ヒロインと女囚の交互に書かれる日記形式の構成の巧みさに、いよいよ謎が濃くなってくる。

後半すっかり夢中になって一気に読んだ。人間の性質の不思議さ。他人の行動を感知してしまう鋭い人が必ずいるのだ。

だましがこの世から無くならず(現実のあとを絶たない詐欺被害事件など)、だます人が多いなら、だまされる人ももっと多いのにかねがね不思議に思ってきたが、サラ・ウォーターズに完璧脱帽。

そくそくと迫るミステリが好きなら、おすすめ。

ミステリばかりではなく女性なら関心のあるもどかしいばかりの自己確立の物語でもある。何層にも意味が取れる内容に筆者の非凡さをみる。また、伏線がいたるところにあったということが後でわかり読み返したくもなる。

次作『荊の城』も期待できるよ。

半身





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最終更新日  2006年09月24日 20時12分50秒
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Re:『半身』サラ・ウォーターズ (創元文庫)(09/24)  
ふしぎな出来事が多すぎて、オカルトもの?とか思ってたら・・・・・みごとなまでのミステリに仕上がっていて、心の中で拍手喝采でした♪
(2006年09月24日 20時33分00秒)

Re:『半身』サラ・ウォーターズ (創元文庫)(09/24)  
柊♪  さん
『半身』には柊もびっくりさせられました☆
『荊の城』も発売と同時に購入したのですが未だ積んであります…^^;
こちらは上下巻なのですごく読み甲斐がありそうです。 (2006年09月25日 05時55分43秒)

Re:『半身』サラ・ウォーターズ (創元文庫)(09/24)  
七生子☆  さん
ご無沙汰しています。
とても魅惑的にご紹介されているので、
たまらなく読みたくなりました…はい、積んでます(汗)。
読了した時「なぜ今まで読まなかったのか。
私のバカバカバカ!」後悔する私の姿が見えるかのようです。
「レベッカ」並みですかっ! (2006年09月25日 10時27分38秒)

Re:『半身』サラ・ウォーターズ (創元文庫)(09/24)  
☆かよ  さん
この本、なんか不思議な本だという記憶が残ってます。
ロンドンのテムズ川・・行ってきたばかりなのに、なんかまた行きたくなりました。 (2006年09月25日 14時19分34秒)

くりむーぶ389さん  
ばあチャル  さん
ほんと読み始めのころは、ディケンズ風の描写とオカルトチックに酔いましたねー。でも俄然、シャーロック・ホームズばりに痕跡を捜し求めましたよ(笑)
(2006年09月25日 19時23分28秒)

柊♪さん  
ばあチャル  さん
>『荊の城』も発売と同時に購入したのですが未だ積んであります…^^;
>こちらは上下巻なのですごく読み甲斐がありそうです。

私もこれを先にかなり前に購入。読みたい、読みたい!
(2006年09月25日 19時26分40秒)

七生子☆さん  
ばあチャル  さん

☆かよさん  
ばあチャル  さん
>ロンドンのテムズ川・・行ってきたばかりなのに、なんかまた行きたくなりました。

そうそう、夏目漱石の『倫敦塔』も印象深いです。私も思い出しましたよ~♪いきたいなー。

(2006年09月25日 19時39分51秒)

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