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8月の読書メーター読んだ本の数:28冊読んだページ数:7569ページテンペスト 下 花風の巻流行りの模様を描いた機を織るように時代は急速に紡がれていく。二つの生で栄華を極めた龍はやがて地に降り人と為る。嵐に晒されても逞しく生きる人々の住まう場所こそが国。美と教養の王朝の神話が幕を下ろしても、朝が来れば新しい一日が始まり、日々が積み重なって歴史が創られていく。読了日:08月08日 著者:池上 永一テンペスト 上 若夏の巻極彩色の琉球を護る龍には二つの首がある。有能な役人と傾城の佳人。熟れ過ぎた果実の放つ甘く爛れた腐臭は神話の時代の終焉を告げる。薩摩・清国・列強の豪雨が加速する時代の暴風を伴って外側から叩きつけ、国の中枢で二つ首の龍が巻き起こすは全てを洗い清めようとする自浄の嵐。朽ちた小舟のような島国が波に翻弄され何処へ流れ着くか、まだ誰も知らない。読了日:08月07日 著者:池上 永一星間商事株式会社社史編纂室これは歴史の真実を巡る社史編纂室の闘いの記録である。リーマン萌え同人を書きつつも現実はアホ揃いで萎え萎えの腐女子OL。なのに何故社内で同人誌製作?社史製作を滞らせる高度経済成長期の穴って何だ?しかも私生活では愛も友情も危機的状況?臭い歴史に蓋をする上層部圧力にも負けず、ペンは剣より強いぞ多分。目指せ冬コミデビュー、燃えろオタク魂、過積載の台車を軋ませ社内を駆けろ。年末のビッグサイトで逢いましょう。月の船浮かぶ星の海のサリメニの女神よ、彼らに勝利の微笑みを…爆笑されんじゃね?読了日:08月06日 著者:三浦しをんハムレット (新潮文庫)毒だ。敬愛する父王の姿を持つ亡霊が彼の耳に囁きかけた時、遅行性の猛毒が流れ込んで其の全身を蝕んでいく。かつて偉大な父は太陽で美しい母は月であったが、父を喪い母を失った時全ては闇に閉ざされた。込み上げる昏い情熱しか灯を持たない彼に太陽だった其れは更なる暗黒への道を指し示す。恋人の嘆きも叫びももう聞こえない。そして猛毒は伝染る。金と宝石の冠を模した檻の中に巣食うは血の因果から逃れ得ぬ貴人たち。毒で汚染されていく檻から、誰一人脱出ることは叶わない。読了日:08月05日 著者:シェイクスピア儚い羊たちの祝宴標本箱に虫ピンで留められたように世界からも時間の流れからも切り離された館の中では、善と悪、愛情と憎悪、信頼と裏切り、正気と狂気、現実と虚構、全ての境が曖昧となる。変わらぬのは冷たさだけ。昏い狭間で凍える羊たちはバベルの名を持つ毛皮に包まりながら泡沫の夢にまどろむ。そんなちっぽけな毛皮など、赤い手を持つ人間にいとも容易く剥ぎ取られると知る術もなく。…さあ、今宵の宴を始めようか。読了日:08月03日 著者:米澤 穂信少年少女飛行倶楽部人間は空を飛べないって頭で分かるようになってからも、もしかしたら飛ぶことができるんじゃないかって心の隅で思ってた。名前って大切すぎて重いね、親がたっぷりてんこ盛りの愛情と祈りを込めてくれてる分、呪いと紙一重っぽく地面に繋ぎ止められる。海月って名前、すごくいいよ。クラゲはひらひらふわふわしながら自由自在に泳ぐじゃない、空を飛んでるみたいにさ。大人になるたび空は少しずつ近づくって今さら気がついたよ。いつかは、きっと飛べるね。読了日:08月02日 著者:加納 朋子植物図鑑植物の名前を知る、それだけで雑草だらけの野原が百花繚乱の花園に変わる。二人過ごした日々をそっと編みあげれば春の野の花かんむりとなる。流れる季節の中を手を繋ぎ時には揃いの自転車を並べて歩むささやかな旅路は白い花、舌鼓を打ち胃袋を満たす料理に上げる歓声は黄色い花、さりげない仕草や言葉に染まる頬は赤い花、いつまで隣に居られるのかと消せない不安は青い花。ノイチゴジャムのような甘酸っぱさに中に、口にできない秘密のようにフキノトウの苦さが潜む。可憐なヘクソカズラの蔓を辿ればいつかはまた巡り逢える。読了日:08月01日 著者:有川 浩読書メーター
2009年09月01日
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8月の読書メーター読んだ本の数:28冊読んだページ数:7569ページ鷺と雪帝都にしんしんと降り積もる雪は騒擾ゆき。玻璃の欠片のような謎が煌めく静かな日々を塗り潰すように。凶作の年にはブッポウソウが鳴く。巨大な時の歯車が軋みながら動き始め、急速に回転を始める。もう戻ることも、止まることもない。鷺の羽根の如き雪の舞う早朝の街に電話が鳴る。もう、信じることと、願うことしかできない。読了日:08月20日 著者:北村 薫エリザベスは本の虫幼少の頃、本屋で購入した本や漫画を家まで待ち切れずに読みながら歩いた。今現在、洒落たカフェや服のバーゲンより書店や図書館に誘惑を感じてやまないと公言すれば、周囲の視線は多少の憐憫を含んだ引き気味のそれに変わる。いいのだ。我が同朋、エリザベスよ、共に読書三昧の余生も悪くなかろう。人真似の人並の生活を追うよりも充実した一生だと笑い合おう。読了日:08月19日 著者:サラ スチュワートみそっかす (岩波文庫 緑 104-1)菜の花に埋もれるように膝を抱えて蹲る。世界は今よりも広く大きく未知の要素に溢れていたあの頃。聡明な姉と後継ぎたる弟の狭間、みそっかす。子供は無邪気でお気楽で能天気だと大人は勝手に思うが、不安、孤独、嫉妬、羨望、自己嫌悪の負の感情は身体よりも先に成長する。家族を覆う死の翳りと父と継母の不和に意地を張る程度しかできない子供の無力さが滲む。時は流れて振り返った時、過去はまた別の側面を見せる。三色菫が毒矢のように突き刺さった継母の苦痛も、姉の美徳を揶揄する妹に対する父の憤りも。読了日:08月19日 著者:幸田 文武士道エイティーン硬骨の竹と柔軟な柳、どちらも風が似合う。剣を杖とし時には灯とし紆余曲折試行錯誤の末に交差する二つの武士道。一太刀、昨日の不安や迷いに訣別を。二太刀、巡り会えた好敵手に感謝と敬意を。三太刀、明日の己を活かす道の続きを。これからもそれぞれの遠く険しい武士道を同じ光を目指して歩く。強く吹きつける向かい風にそよぐ竹と柳の葉音は歓声のように響く。読了日:08月17日 著者:誉田 哲也朝のこどもの玩具箱(おもちゃばこ)朝目を覚ました時、玩具たちはもう箱の中に帰っちゃってたんだ。昨日の夜、たくさんの物語を聞いてた。ドレスを着て花束持った人形や鉛の兵隊、狐や猿のぬいぐるみ、ロケットやままごと用の食器たちが、いろいろ話してくれたんだよ。どこか別の世界だったり、宇宙だったり、学校の話だったり、不思議なのも、可笑しいのも、ちょっと怖いのも、哀しいのもあった。だからなんで泣きたくなったのか、それがよく分かんないんだ。…今日の夜も、またお話聞かせてくれるかな、玩具たち。読了日:08月16日 著者:あさの あつこ1Q84 BOOK 2黄色と緑、二つの月が淡く照らす夜道。木の塊から取り出されたばかりのネズミの如き心細さで彷徨うは猫の町。パンドラの匣はいつ開いたのか。1984年と1Q84年、現実と小説、過去と未来、実体と化身、善と悪すら紅茶の中の一杯の砂糖のように混じり合ってしまう。ならば二人の辿る迷い道もいつかは交わるのだろうか。奴等ほどは長くはない腕を伸ばす。その先には君の温もり、呼びかけるは君の名前。他の何が失われても最後まで輝くものを抱いて歩く、終わらぬ月明かりの旅路。読了日:08月15日 著者:村上 春樹とんびとうに追い抜いた背丈、増えていく白髪、父はこんなにも年齢を重ねた。不器用で照れ屋で口下手で時に暑苦しく鬱陶しくそのくせ寂しがりで、要領よく油揚げ掻っ攫うなんて到底できそうにないとんび。それでも子供が寂しくないようにといつでも傍にいてくれた。それだけでもう充分だ。多くの荷物を担ぎ続けた背中の広さと厚さとあたたかさにはまだまだ到底敵わない。父は自分をとんびだと思っている。海がいつでも波立って揺れているから、鷹の姿は自分には見えないままだ。読了日:08月14日 著者:重松 清ふちなしのかがみ黄昏時や丑三つ時、或いは午前零時、僅かに綻びた日常からじわりと染み出す闇。花子さんの七不思議、キューピッドさんと揺れるブランコ、キャンドルに照らされた鏡。見てはならない、聞いてはいけない、話すことは許されない。禁忌は破られるために在り、綻びは裂け目となる。するり、濃密な闇が忍び込む。くるり、夢と現実が入れ替わる。読了日:08月13日 著者:辻村 深月夜の光凍てついた満天の空の下、掌の中の湯気立ち上るコーヒーからそっと伝わる香り高いぬくもり、そんな関係でいい。喉元に込み上げた歎息を無理矢理呑み込む音が聞こえず、苦しくて伸ばした指先が微かに触れるような距離で寄り添うスパイたち。言葉はなくても同じ夜空を仰ぎ見るだけでいい、目があったら共犯者的な微笑みを返そう。数万光年離れて佇む四つの星をそっと線で繋げば、Sの字を描く星座が生まれる。読了日:08月12日 著者:坂木 司地図男此処であって此処でない場所、地図帖の中。現実と紙一重の紙の中に広がる町を歩けば其処彼処に転がってる物語の断片。僕等が歩けば物語は生まれ、僕等が走れば物語は進む。点が線になり伸びて交わって途切れて繋がって軌跡が地図を塗りたくる。騙し絵って知ってる?違う角度から見てごらん。地図上で一見無秩序に絡み合う線を辿れば何かが見えてくるからさ。読了日:08月11日 著者:真藤順丈刻まれない明日君の欠片が散らばった道は光が照らすたび君との思い出が乱反射して、拾い集めようとする指先は血に塗れた。あれから10年、町と道にそっと抱かれた鋭い欠片は小さな丸い粒になってまだ淡い光を放っている。記憶は徐々に薄らいでいつかは消えてしまうけど、君が残した粒を集めて繋いで勲章のように誇ろう。君の指が解けたこの手は違うあたたかな手を握り、並んであの道を歩く。道に眠る想いを感じながら、道に想いを刻みながら。読了日:08月09日 著者:三崎亜記うわ、まだある。その3へ続く。
2009年09月01日
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最近、本ばかり読んでる気がする。しかも、ほとんどが図書館本。給与から天引きされている住民税の分は軽く取り返している気がする。8月分、まとめて表示。こうして並べると我ながらすごいな。これ全て自腹切っていたら一体幾らになるのやら。8月の読書メーター読んだ本の数:28冊読んだページ数:7569ページぼくが探偵だった夏 (MYSTERY LAND)2時間ドラマでおなじみ浅見光彦エピソード1、軽井沢の夏休み編。名探偵はここから始まった?光彦坊ちゃま、育ちの良さが滲む柔らかな物腰と暴走しがちな好奇心、歩けば刑事事件を引き寄せる騒動吸引体質、無自覚天然たらし系は既にこの頃から健在です。避暑地、早朝の虫採り、氷メロン、自転車、ホタルの乱舞、夕立、そして妖精の森の緑の館。まだ遠い先に在るはずの未来が陽炎のようにふと近づいて見える。かつて子供だった夏、少し大人になった夏。読了日:08月31日 著者:内田 康夫ドクター・ゾディキャットかく語りき―猫の猫による猫のための星占い『猫の猫による猫のための星占い』講座へようこそ。あなたの猫は何座でしょうか?お分かりの方もそうでない方も、私ドクター・ドディキャットにお任せあれ。暴れん坊のビッグ・レッド、几帳面なダイアナ、気まぐれなチコ、夢見るタエコ。12匹の猫たちの習性や行動から、野望に天職まで解き明かしてみせましょう。講座修了の暁にはあなたも立派な猫博士。さあ、猫の瞳のように煌めく星の囁きをお聞きください。読了日:08月30日 著者:ドクターゾディキャットアリスの不思議なお店アリス、お誕生日おめでとう。贈り物はお気に召したかな?さあ、そのてのひらに乗せて、もっと近くでよく見てごらん。聞こえるかな、星の王子さまの影が薔薇の花の名を呟く声、野生のピアノの奏でる小夜曲、ガラス玉の中の暴風雨の轟き。感じるかな、ほのかに香るキリンに咲く花、親指姫の花びらのシーツに残る微かな温もり。ほら、目を閉じても見えてくる不思議な物語。君のてのひらの上のとっておきのおとぎ話。読了日:08月29日 著者:フレデリック クレマンころころろころり。人の一生は黄泉の一文銭が黄泉の国目指して一直線に転がっていくのによく似ている。ころころ。神ですら止められぬ時の輪は回り全てを押し流し、溶け残った強い想いだけが現を彷徨う。ころころろ。目には見えない時の流れが直に触れる感触と、いつかは必ず移ろう日々。人と妖達の共存は和やかで楽しくもどこか切なく、甘く甘く蜜がけ砂糖漬け羊羹添えにしても微かにほろ苦さが滲むよう。読了日:08月28日 著者:畠中 恵押入れのちよ人間はどの瞬間から人でなくなるのだろうか。殺意の食卓を囲む夫婦、老人介護の修羅場、突発的殺人と隠蔽、凄惨な事件のニュースだらけの日々に、ふと不安が過る。横では、別の意味で既に人間じゃない得体の知れない同居人(自称明治生まれ)が、ビーフジャーキーとカルピスを至福の表情で食している。その何の悩みもなさそうな細い目が弓の弧を描いて、思わずつられて笑う。そんな日々に満足できる自分に、ちょっとだけ安心する。読了日:08月26日 著者:荻原 浩短劇単調な毎日の間隙に忍び寄る闇が織り成した短劇。世界を覆う薄皮をそっとめくれば無数の穴が口を開いている。換気のための風穴はごく少数で、膿み爛れた病巣だったり、汚泥のような悪意が堆積していたり、見えない空虚で満たされているものの方が多い。…見てみたいのかい?怖いもの見たさってヤツか。ほら、どれを覗いてみる?読了日:08月25日 著者:坂木 司カエルのバレエ入門―絵本理である技術と情である芸術の融合に音楽と演劇と全身運動の要素を加えて生じる奇跡の化合物、バレエ。その煌めくような瞬間の動作は万有引力や慣性の法則に対する反抗であり、個々の動きを隙間なく繋ぎ合せた演技は優雅な作品であり苛烈な闘いでもある。そして何より、ここまでにしなやかな脚線美と強靭なバネを併せ持つ生物がカエル以外に存在するのだろうか。脚より上がずんぐりむっくりで多少アホ面であろうと、空中を優美に泳ぐように跳び流れるように舞う姿は美の闘士たるバレリーナにふさわしいんじゃなかろうか、多分。読了日:08月24日 著者:ドナルド・エリオットある日、アヒルバス♪あなたのつばさになりたいの♪、本日はアヒルバスをご利用いただきまことにありがとうございます。さて、本日は『バスガイド物語!ひよっこアヒルの研修見学ツアー』、今春入社したての新人たちの研修をご案内いたします!すいすい軽快に泳ぐアヒルも水面下では必死に足を動かしてるんですね。右手前方、月島商店街をごらんください。アヒルバスの社歌合唱が聞こえております、商店街の方々の歓声も混じっておりますね。あの制服姿でランニングをしている女子の一団が、我らがアヒルバスの期待の新星たちなのです!読了日:08月23日 著者:山本 幸久ワニのオーケストラ入門―絵本美しいものには精神等見えない部分に強烈な衝撃を与える力があり、楽器は妙なる美しい音色を生み出すことができ、また強い力を有するものは時としてひどく驕慢である。誇り高さを通り越して天狗やナルシストが生息する地域に到達しそうな素晴らしき楽器たち万歳。彼らの自己紹介に丁寧に耳を傾ければ、あなたもきっとオーケストラ通…かな?『なぜワニでなければならないのか?』…そりゃ、あの360度見渡せそうな広い視野とぱっくり丸呑みの大きな口、聴衆という標的を決して逃しはしないから…かも。読了日:08月22日 著者:ドナルド・エリオットThe Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day380ページの、ダークブラウンの革表紙の本の中に広がる、奇妙な町・杜王町。平穏無事な生活を望む悪と、町内の平和のために闘う『能力者』たる住民たち。壁の隙間に囚われた女性、非凡な記憶力を有する少年とその後輩の少女、女性怪死事件を探る能力者たち。ページの余白に見えないドドドゴゴゴの書き文字が躍り、町中にバラバラ散らばった事件のピースが復元されるように隠された真実を描き出し、狂った金剛石が輝きを放つ。読了日:08月21日 著者:乙一その2に続く。
2009年09月01日
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