全109件 (109件中 1-50件目)
本日、地図読み講習会の上級コースを設定するために、奥多摩へ行ってきました。五日市から山をふたつ越えて吉野梅林へ下る、ロングコースができました。地図読み講習会のルートには、沢を登り、尾根を下る、というルールを課しているわけですが、沢沿いの道は実際に行ってみると、ヤブだらけとか、危険個所が現れたりとかで、けっこう設定が難しいのです。今日できたコースは、地図読みの難所も適度にあり、われながらいい出来栄えです。下山地の吉野では、ちらりほらりと咲き始めた梅のにおいを、腹いっぱい吸い込んで春を満喫してきました。「あれ」がのさばるまでの、短い季節の楽しみです。
2011年02月06日
コメント(0)
3月より、奥多摩にて地図読み講習会を再開します。近日中にHPに概要をアップします。いまのところ、初級、中級の2コースですが、徐々にコースを増やしていこうと思っています。講習のコンセプトは、丹沢時代のものと基本的に同じですが、1年間の充電期間中にいろいろ思いついたこともあるので、試していくつもりです。どんな形になるのか、自分でも楽しみです。それ以上に、また地図読み好きの人々と、わいわいがやがやと山を歩ける日々が待ち遠しいです。地図読み講習会、奥多摩版。どうぞよろしくお願いします。
2011年01月07日
コメント(3)
2005年1月より開催して参りました地図読み講習会を、この春でいったん終了することにいたしました。この講習会は、私にとって、地図の読み方を学ぶ機会でした。教えることより、気付き、それを自分にフィードバックさせることのほうが多かったように思います。これまで参加された方、ほんとうにありがとうございました。地図読みについて考えることは自分にとってライフワークですから、これからも、山で地図を読むことの楽しさを追求していくつもりです。新しいコースで講習を再開することもあるかもしれません。その場合はHP上でお知らせいたします。HPのアドレスが変わったときも、「地形図1年生」というタイトルは変えませんので、それで検索してくださると幸いです。なお、講習で歩いた丹沢の5コースについては、3月18日に発売する「地図の読み方 上達実践編」(小学館)で詳解しています。機会がありましたらご覧ください。地図を読む行為は、山歩きの楽しみを増すだけでなく、山歩きの仲間ももたらしてくれます。講習会を通じて知り合った方々、講習会によってできた地図読みの輪は、私にとって一生の財産です。では、また、地図を片手に山でお会いしましょう。
2010年03月17日
コメント(3)
9月6日の基礎コース、27日の初級コースとも、あいつの影も形も見ませんでした。尾根の末端に立って見上げたとき、あれ、今日は出そうもないぞと、直感しました。地図と同じように、正確に先読みできました。来るか、と待ち構えて道具まで用意していて、それで出ないと、あれれって感じですね。春先のあれにも似てる。こんなことはここ3年ほどはなかったなあ。晴天だったとはいえ、気配さえ感じさせぬとは。去年までとはどこか違うような・・・。もう秋の講習はない。ということは今年はやつに会わずじまい。少し寂しいような。あれれ、どうかしてるな。
2009年09月29日
コメント(0)
昨日、ようやく映画「点の記」を観てきました。これまで耳にした感想は、「映像はきれいだけど」という枕言葉に続く、否定的なものが多かったので、やや身構えていたのですが、私としては文句なく面白かったです。やはり、リアリティが完璧でした。香川照之がかついでいる荷物、あれは中身が空でも、10kgはありますよね。それなのにわらじ履きで不安定な雪渓や急なガレ場をほんとうに投降している。映画だというのに、何度か本心からハラハラさせられました。原作にない挿話も、よくできていたと思います。千恵ねえのねえさんが指摘していた、役所広司が語る「地図を作る意味」も、胸にグッと来たなあ。「世界の中での自分の位置を知りたい」。あれれ、自分の心の中にも、ひょっとしてそういう部分があるかなあと、しばし問答しました。例の、長次郎を見送るときの、立ち位置の話は、まあ、自分が製作者でもあのように変えるだろうなあと思ったので、ちょっと残念でしたが、納得しました。それにしても、香川照之は、大げさかもしれないけど、10年に1人の役者ではないでしょうか。演技と自然さの境界を見事に測って着地してきますね。ということで、大大満足の映画鑑賞でした。
2009年07月23日
コメント(3)
地図読み講習の春シリーズは、今週から西丹沢編へと移りました。今年は巷に言われているように春の早さを実感します。麓の梅は言うに及ばず、山中のミツマタももう花がほころびかけていました。帰りに寄った松田町のさくら公園では河津さくらが5分散りです。どうみても15日は早いですね、いつもの年より。中上級コースは年に2回、早春と晩秋に歩くわけですが、同じルートを同時期に歩き続けると、山に愛着も湧くし、その年ならではの季節の移ろいもよくわかります。講習を始めるまでは、このような山の楽しみ方を知りませんでした。今後の自分の山歩きの指針となるような気がします。講習の方は、前にも書きましたが、独自に読図のトレーニングを積んでこられる方が増えたなあという印象です。私が設定した5種類のコースに、複数回参加される方は多いのですが、続けて一気に参加される方と、飛び飛びで1~2年かける方がいます。それぞれに長所がありますね。私は技術の習得の王道は前者だと思うのですが、後者の場合も、講習の合間に自己トレーニングをはさむことで、着実に力を伸ばす人がいます。それが、その人の個性によくマッチしていて、観察していると実に面白いのです。それぞれの方の個性と、講習の中身をリンクさせる方法はないかなあと、考えています。そうそう、季節といえば、あれ。目は来るけど、鼻・のどは例年ほどじゃないなあ。そういえば、去年も世間で言われているほどひどくなかった。20年越えのベテランはみな同じことを言います。何か違ってきている、そんな感じを強く受けます。
2009年03月03日
コメント(0)
冬至からまだ1週間しか経っていませんが、今日、夕方5時ころ、家路の途中で、あ、日が長くなった、と感じました。数日前の同時刻と比べると、ビルに当たる日のオレンジの色合いが明らかに濃くなりました。この季節は、5時ころになるとよく、講習中にこの暗さで、たとえば中級コースの36番付近を歩くことになったら、どう対応するだろう、というようなことを考えます。ですから日の長さには人一倍敏感なのかもしれません。今年も、講習を通じて多くの人に会うことができました。今年の参加者の傾向として、ひとつのコースに参加した後、次のコースに参加するまでに、独自に地図読み山行に臨んでくる人が多いように感じました。前回の終了時点よりも段違いに上達していて、驚いて尋ねてみると、実は…ということが何度かありました。地図読みのトレーニングは、ハイキングコースで一人でやれる、というのが私の持論です。それが裏付けられたことと、そして何よりその意気込みがとてもうれしかったです。今年1年、ありがとうございました。来年の講習では、どんな人に会えるだろうと今から楽しみです。そうそう、ダイエットのほうはぼちぼちです。今日、夕食前の体重が75.1kgでした。いちど、73kg台が出ましたが、1kg2kgはすぐ変わってしまいますね。でも、3ヶ月でちょうど3kgやせました。次は、講習の春シリーズ最終日までに、73kg切りを目指そうっと。
2008年12月28日
コメント(0)
はあ~10月上旬をようやく越えた。4回の講習を通じて私は2回で2匹、ほかに計2人が1匹づつやられました。もっとも、危険区間が限られていて、そこを通過する際はこまめにチェックしているので、ポチッと赤い点ができた程度でした。それでも、蚊とちがってしばらく痒い。いやなもんです、やっぱり。被害はいずれも、9月7日と23日の講習においてです。9月7日の講習に参加した方が、酢に塩を混ぜたものを靴周辺にふりかけるとよいらしいと教えてくれ、23日から実践しました。28日と10月4日は、姿は見かけたけど被害はなし。効果はあったと思う。来年に向けて、光明が見えた気が…。まあ、それより先に、向こう1年、姿を見ないで済むと思うと、ほっとするけど。さ来週からは、何と言っても、あいつら未開の地、西丹沢だから。ところで、今日、家の近くを、小さなザックを背負った、トレランルックのおばさまが、真剣な顔つきで走っていました。今週末はハセツネ。たぶん、参加者ですね、あれは。実は、私も10年以上前に出たことがあります。トレランという言葉さえない時代です。23時間で完走、というより、完歩しました。山をのんびりと走るのもいいなあと、最近ちょっと思います。おっと、その前にこの腹を何とかしないと。ということで、この場をお借りして宣言します。いま78kg。年内には75kgを切ります。やるぞ~。
2008年10月07日
コメント(2)
もう10日以上前になりますが、8月31日~9月2日の日程で、剣岳へ行ってきました。31日はほぼ曇り、1日は朝から昼まで晴れて後曇り、2日は朝から10時まで晴れて後曇りという天気でした。晴れていた時間が短い割りに、かなり焼けて、首すじや、腕にひりひりする感じがありました。帰りに立ち寄ったみくりが温泉では、ぎゃーと叫びそうになるくらい、湯が染みました。それでも、ああ、けっこう焼けたなあという程度の感覚でした。ところが、下山して3日目くらいから、ひじから手首にかけて、無数の小さな水ぶくれが出現。その後、盛大に皮が剥けて、いま、ようやく一皮剥け終わったところです。日焼けして水泡ができたのは初めての経験です。そして、顔や首はともかく、腕がここまで剥けたも、ちょっと記憶がない。(皮剥けがずいぶん経ってから始まったのは、年のせい、という気もするけど)3000mの高所で、日焼け対策をいっさいしなかったことはあるにせよ、何か変な気がする…おりしも昨日、気象庁から、今年のオゾンホールは過去最大になる見通しと、発表されたではありませんか。う~ん。どうやら、スキンノーケアで通して、平気平気、とうそぶいてばかりもいられない時代になってしまったようです。
2008年09月12日
コメント(0)
昨日、今シリーズ第一回の講習を行いました。参加者のみなさま、お疲れさまでした。天気が心配でしたが、講習中はどうにか持ちこたえてくれ、帰りの小田急線が町田を過ぎたころから、ピカゴロドッシャン。ラッキーでした。それと、大倉あたりも完全にヒルの領域になりましたね。私は2ヶ所やられました。でも、気をつけていたため、ポチッと赤くなった程度。出る場所を知り、こまめにチェックする。ヒル対策は結局これだと思います。さてさて、そいうことを補って余りある、楽しい講習でした。難しいポイントにさしかかって、先頭のほうから、ああでもない、こうでもないと話し合っている声が聞えてきます。最初は見当違いの話し合いがだんだんとまとまってきて、やがて、正解に至るには何をすべきかが見えてくる。実にダイナミックな過程です。単独行の人でも、自問自答できっとあの過程を経ることができるはず。今シリーズは、この「思考の過程」をテーマにやってみようかな、と思った瞬間でした。
2008年09月08日
コメント(0)
9月~12月の講習会の予定を、ホームページ上にアップしました。またこの季節がやってきたなあと思います。1年の移ろいをすっかり講習会のサイクルで感じるようになってしまいました。新顔、なつかしい顔に会えるのが楽しみです。※山と溪谷の9月号(8月15日発売)に、昨秋行った基礎コースと上級Bコースの様子が紹介されています。
2008年08月13日
コメント(1)
もう先々週のことですが、さる雑誌のグラビアの仕事で、山岳カメラマンの西田省三さんと2人で屋久島へ行ってきました。今年はヤクシマシャクナゲが当たり年とのことで、全山を所狭しと埋め尽くす群落は、それは見事でした。それにも増して、白地の花弁に薄く入る紅色のすじがなんとも品がよく、幾度も立ち止まって見惚れてしまいました。朝陽の差す時間に撮影ポイントにいる必要があり、3日連続で、2時起き3時出発というスケジュールでした。真っ暗な中でも、ふだん通りに地図読みをしてやろうと張り切って歩いたのですが、やっぱり早読みの傾向が出ますね。たとえば、淀川小屋から花ノ江河への登路では、そろそろ最後の登りが始まるころだろうと読んでいると、右に沢の音が聞えてきて、修正を余儀なくされる。1cm以上の早読みです。自分の傾向を計算に入れて、正確に現在地を特定できるようになったのは安房岳付近からでした。私にとって屋久島は2回目です。前に訪れたのは約10年前なのですが、そのときも夜間歩行をしていて、実はヒヤリとする経験をしました。といっても、ほんとうのカモシカ登山ではなく、小屋から水を取りにいくときの話です。石塚小屋の水場は、小屋から登山道を稜線方向へ200mほど歩いたところにあるのですが、夜、そこへ向かう途中に、道から外れてしまったのです。はっと気づいたときは、もうヤブの中でした。道からどのくらい外れたかは分りません。左にズレたのは分ったので、右へ戻ったのですが、どうしても登山道を見つけられない。10分以上も、うろうろしたと思います。焦燥が募る中で、これ以上動かないほうがいい、と判断しました。私の事情を察知した仲間のコールで道へリカバリーできたのは、それから15分くらい経ってからです。いくら夜とはいえ、この自分が登山道を失うとはと、しばらくはショックでした。今回、その石塚小屋に再び泊まり、そこからカモシカ山行もしました。明るい時間にも歩きました。しかし、前回、自分がどの地点から道を外れたのか、わかりませんでした。そのくらい、踏み跡が明瞭なのです。人に話すのも恥ずかしいようなエピソードなのですが、あの1件は、今も私に、冷や汗が噴き出る感覚を思い起こさせるると同時に、過信するな、山での危険はどんなときにも身近にある、という教訓を、繰り返し提示するのです。
2008年06月19日
コメント(0)
昨日、奥多摩の鷹ノ巣沢を、4人パーティーで登ってきました。ツメに入り、水も枯れ、落ち葉混じりの岩クズ帯を進んでいると、突然、先頭から2番目の足元から、茶色の4本足の小動物が駆け出しました。3番目を歩いていた私は、瞬間的に、猫だっ、と思いました。山の中に、そんなものいるわけないのに。いちばん近くにいた、2番目の人も、猫!!!???が第一印象だったそうです。その動物は5mくらい離れたところで振り返りました。そこで、ようやく、子鹿であることがわかったのです。そのときの4人のおどろき。「ああっ」「鹿っ」。数秒の間、私たちを弱々しい目つきで見つめた後、子鹿はガレた斜面をおぼつかない足どりでトラバースしていき、やがて見えなくなりました。何よりも信じられなかったのは、その子鹿が、先頭の者が保護色のために気付かずに通り過ぎた瞬間は、そのわずか1m横で、うずくまったままだったということです。猫と見誤らせた最大の原因がそれです。野生の動物がそんな行動をとるとはよもや思いません。鹿のいたところはわずかに窪んでいて、手を当てると体温が残っていました。今思いかえしても、その体は、猫と見間違うほどに小さいものでした。お尻から頭まで、ぜいぜい人間の肩幅くらい。足取りがおぼつかないのも、ケガをしているわけではなく、産まれから経過した時間が、とにかく短過ぎるのです。生後どれくらいかなあ。1ヶ月以内なのかなあ。これまでも山中で子鹿はよく見ました。でも、それらはすべて、母親について、ぴょんぴょん跳ねながら逃げていく姿です。おそらく、母鹿は、子鹿が生まれてからごく間もない時期は、つねに行動をともにするわけではないのでしょう。動き回って草根を摂らねばならないときは、安全と思われる場所に我が子を待たせておく。「いい、私が帰ってくるまで、ここでじっとしているのよ」、と言い含めて。子鹿も言いつけを守っていたのですが、思わぬ侵入者に驚愕動転します。先頭が通り過ぎるときは全身がこわばって動くことさえできなかったのでしょう。そして、2人目が来たところで、ついに本能が体を衝き動かした。興奮も覚めやらぬまま行動を再開すると、やがて、遠くから、笛の音のような鳴き声が聞えてきました。母鹿の呼ぶ声でしょうか。「悪いことしちゃったなあ」「お母さんとうまく会えるかなあ」そんな会話を交すうち、一人の女性が身もだえするように声をしぼりました。「ああ、もう、ザックに入れて持って帰っちゃいたい!」ああ、もう、激しく同意です。
2008年06月02日
コメント(2)
昨23日、春シリーズ最後の講習を行いました。心配していたほどには、木々も赤く燃えておらず、邪悪なものはすでに東へ飛び去った後のようでした。それが証拠に、帰りに新宿駅に降り立ったとたんに鼻水があふれだしましたから。ミツマタの群落は想像以上に素晴らしかった。屏風岩山コースをこの時期に設定した甲斐がありました。白綿の海を泳いでいるような感覚でした。目を閉じるとまだその余韻が残っています。さて、昨日の参加者の中に、5つのコースすべてに参加された方がいました。回を追うごとに力がついていくのがよくわかって、私も会えるのを楽しみにしていました。その方が終了後、温泉にて曰く。「理屈はわかったけど、沢の大きさ、尾根の大きさといった感覚がついてこなくて、先読みしたものと実際に現れるのもののギャップがまだまだ大きい」と。これは、私にとって、きたっと叫びたくなるほどうれしい言葉です。地図読みは長年の経験で身につけるものではなく、地形の見かた、等高線の見かたの基本さえ知ってしまえば、1年で習得できる、というのが、私の持論です。その1年というのが、この方が課題として指摘した、「感覚」の養成期間なのです。ああ、この人は、間違いなく、自分の地図読みをやれるようになるなあ、と確信しました。いつかきっとまた山で会いましょうね。秋シリーズは9月から始まります。日程は7月末ころにHPにアップします。
2008年03月24日
コメント(0)
気象庁は、年明け間もないころから、今年はかなり来ます、と私を脅かし続けてきました。2月最終週には、月が変わったとたん来ますよと、微妙にニュアンスを変えた。そして、8日土曜日。明日の日曜日こそ来る、と高らかに宣言したのです。だから、昨日の講習は死地に趣く心持ちでした。講習の参加者もみなさま相当のキャリアで、真っ赤な森の下、くしゅん、くしゅんと合唱しながら歩きました。でも。ぶなの湯に到着してみると、来ていることは来ているけど、覚悟していた状態の半分にも達していない。一夜明けた今日も、たしかに目とのどは痒いし、鼻水は出るけど、あの、もうどうにでもしてくれ~という自暴自棄な感じにはほど遠い。例えば、壮絶だった3シーズン前のピーク時に比べれば、10分の1程度の症状なのです。昨日の参加者の一人も、同じような感想を漏らしていました。今年は、なんか変だ、もうたくさん飛散していると吹聴されるけど、症状自体は例年よりずっと軽いと。今日の天気予報では、雨上がりの明日11日は、もう決定的に来る、今週が今シーズンの山場です、と言っていました。ほんとう?それでも、症状が今のままだったら…ひょっとして…
2008年03月10日
コメント(0)
昨日の講習会は、参加者全員がリピーターで、気心が知れていることもあり、いつもとは違う楽しさがありました。ふつうの山行のような。こういうのも、たまにはいいですね。さて、山は春。針葉樹の下にひっそりと根付いているミツマタの白いつぼみが、ずいぶん大きくなっていました。解散場所の松田駅でふと山を見上げると、斜面の一角が煌煌とライトアップされています。松田のさくら祭りです。せっかくだからと、車でそのまま足を延ばしました。坂道を上がっていくと、小田原方面の夜景が眼下に広がり、わっと歓声が挙がりました。桜は河津ざくらで、満開ちょっと前のいちばんの見頃です。ソメイヨシノより大きく紅みがかった花が豪華で、それが緑色の若葉となんともいえずマッチしています。樹はよく手入されていて、花つきがとてもいい。会場の雰囲気も質素で商売気なく、本家の河津へ行ったことのある方も、こちらの方が落ち付いて鑑賞できるとおっしゃっていました。桜大好きの私ですが、今年のいちばんの花見はこれになるなあと、確信してしまいました。最高のおまけつきの講習会でした。さて、春といえば、あれ。う~ん、来ていることは来てるんだけど、破壊力が例年ほどではない。これからかなあ、やっぱり。でも、どこかで期待してしまう自分がいる。気象庁さん大外れでしたね、と言いたいなあ。
2008年03月03日
コメント(0)
昨夜、都岳連のお招きで、新宿にて地図読みの机上講習会を行いました。内容はふだん基礎コースの冒頭に大倉でやっていることなのですが、何せ、目の前に尾根や沢がない。四苦八苦しました。コンパスの練習を行うにあたっては、窓から高層ビル群が見えたので、市街地図を使ってやろうかなと思ったのですが、何せビルが多すぎて、夜目にはどれが何ビルかさっぱり分らず、断念。う~ん。私の社会人1年目は新宿でスタートしたのですが、あのころは、まだ都庁もなく、高層ビルは全部名前が分かったのになあ…。ということで、講習は非常にバーチャルなものとなってしまいました。参加者のみなさま、どうもすみません。ぜひ、いちど、入山口にて、「地図を持つ向き」から実践してみてくださいね。そうそう、例のやつ。今のところ、まだ来ないなあ。
2008年02月26日
コメント(2)
天気予報によると、昨日は寒さの底だったそうで。参加者のみなさま、お疲れさまでした。でも、それほどでもなかったですよね、寒さ。午後からちょっと風が出てきてぶるっときたけど、それまではぽかぽか。高取山から見た江ノ島は、まだ早いけど、ひねもすのたりって感じだったなあ。必携装備にした軽アイゼンももちろん使わずじまい。雪がついているのは大山山頂から標高で300mくらい下までですね。寒さの底ということは、コルと同じで、これから気温が上昇するということ。ということは…あれかー。2月2日の時点では、南斜面だけが赤っぽい感じだったけど、昨日は、もう、右を見ても左を見ても真っ赤。準備万端って感じでした。私のセンサーはまだ関知しませんが、時間の問題ですね。間違いなく、今週中に来る。あ~、やだなあ。
2008年02月18日
コメント(0)
窓の外で舞い散る雪を見ながら、何度も、昨日じゃなくてよっかったなあと思ってしまいます。昨日、本年2回目となる講習会を初級コースで行いました。コース最後のy地点で、全員がひとつ前のx地点であると読み間違えました。その様子がちょっと可笑しかった。数人が最初にx地点と推測し、それにつられて、全員がそれに合致する材料を探し始める。すると、コンパスの向きと支尾根の向きが微妙にズレてるのに、これが一致しているように見えてくる。先の下りも、どうみても10m以上あるのに、ちょっとした坂に見える。ないはずのピークも見えてくる。間違うときって、そういうものですよね。私にも思い当たる経験が何度もあります。昨日の参加者は、みんな、よく読める方でした。集中力もぜんぜん切れていなかった。例の地点をx地点であると確定する根拠を探す力も十分でした。それでも、間違う。最後の最後でのミスだっただけに悔しかったと思います。これを機会に、地図読み最大の敵、先入観にとりこまれていないか、意識するように気をつけてみてくださいね。
2008年02月03日
コメント(8)
昨日、本年第一回目の地図読み講習会を、基礎コースにて行いました。極寒だろうなあと覚悟していたところ、意外に穏かで陽射しも注ぎ、登りでは汗ばむほどでした。(やや赤味を帯びた杉が気になったけど…)講習のほうも、悩むところできっちりと悩み、それをコンパスを使って解決するという理想的な展開となり、内心、よし、という感じでした。参加者のみなさま、お疲れさまでした。等高線の持つ力をきっと感じていただけたと思います。それを自分の味方にできるよう、ふだんの山行から、ちょっと意識を持つようにしてみてくださいね。春季の講習は3月20日までです。遅ればせながら、今年もよろしくお願いいたします。
2008年01月21日
コメント(0)
昨日、初級コースにて、本年度最後の地図読み講習会を行いました。善波峠分岐から吾妻山までの間は、落ち葉がびっしりと敷き詰められていて、体がつねに地面から1cmほど浮いているような感じでした。ひざに良さそうなそのルートを、どこかの高校の陸上部の選手が数人、すごいスピードでクロスカントリーをしていました。ここで鍛えた選手が箱根路を走ったらいいなあ、と思いました。今年も、多くの方と出会い、多くのものを学ばせていただきました。この講習会に参加した方が、地図にビニール袋をかぶせてポケットにしのばせながら、どこかの山を歩いている、と思うと、とても幸せな気分になります。どうぞ、来年もみなさまの山歩きが、楽しく、安全なものでありますように。2008年度春シリーズの講習は1月20日~3月20日の日程で行います。どうぞ、よろしくお願いします。
2007年12月17日
コメント(0)
昨日の講習会に、何と札幌から参加された方がいらしゃいました。この春に3コースほどに参加され、その後、札幌へ単身赴任となり、今回は帰省というか、帰宅の合間を縫って講習会へ。感謝感激。そして、家族のみさなま、すみませーん。この方、講習中に思わぬところでミスをされたのですが、でも、私にはその感覚がよくわかります。ピークからコンパスを合わせて下りるうち、尾根の方向が曲がっていることを見落として、コンパスを信じ、直進してしまう。木を見て森を見ずということなんですが、地図の持つ力がわかってくると、それに囚われる時期が誰にも一度は、訪れる。地図がだんだん読めるようになってくると、地図には現れっこない小さな溝を見て、必死になって地図中の沢と照合しようとする、というようなことが起こるのです。地図を細かく真剣に読めば読むほど、そうなります。そしていつしか、その段階を抜け出します。露天風呂の中でその方と話したのですが、地図読みの本質、盲点、人が陥りやすい危険を、完全に理解されていました。地図読みというか、山との向き合い方を、しっかり確立されているなあ、と感じました。また、いつか、山で会えるのがとっても楽しみです。
2007年12月02日
コメント(2)
昨、13日、西丹沢へ行き、用木沢出合~白石峠~加入道山~大室山~犬越路~用木沢出合と、一般登山道を歩いてきました。加入道山を越えて、1543の手前まで来ると、展望の開けた場所があり、相模湾がよく見えました。伊豆半島の横に大島がひときわ大きく、さらに目を凝らすと、その横に、真ん丸の島、そしてその右に、点々と連なる小さな島々。三宅島と、利島から神津島までの列島です。ここまで見えたの初めてです。ちょっと感動しました。家に帰って地図を見ると直線距離200km弱。ほぼ、槍ヶ岳と同じです。丹沢最高!ですね。
2007年11月14日
コメント(1)
15日発売の「岳人」で、地図読み山行のモデルコースを紹介しました。地図をとてもよく読める2人のおばさまと下見に行ったコースです。ちしろさん、祐子さん、改めてありがとうございました。またご一緒させてください。そして祥子さんも。Thank you.掲載誌を改めて読むと、コンパスの説明はわかりにくいなあ。コンパスの使い方とその意味みは、短く説明するのがほんとに難しい。これだけで8ページほしいくらいです。本文中にも書きましたが、読図の難易度はけっこう高いコースです。安易に取りつくのは禁物。でも、誰か挑戦しないかなあ。
2007年10月22日
コメント(1)
日曜日の講習会は、完全に天気を読み誤りました。土曜日も丹沢に入っていたのですが、この日の天気は曇ときどき小雨。そして日曜日の天気図は土曜日と配置が同じ。迷いに迷った挙句、よしっ、と決断したのですが、これが完全な裏目となってしまいました。終日雨で、止み間は合計で5分くらいでした。それでも、参加者の方の集中力は、最終の39番地点まで切れず。ぐちゃぐちゃどろどろの下りもささっと降りるし、ときおり笑い声も起こったりで、やるなあ、と舌を巻きました。と同時に、そうだよなー、みんな山やなんだよなーと、なんだかうれしくなりました。参加者にみなさんに、助けられた講習会でした。改めて、御礼申し上げます。そうそう、ヒル。山ビルファイターを持ち込んだのですが、効果は不明です。家に帰って改めてチェックしたら、ふくらはぎに、ぽちっという赤点がついていました。かゆい。まちがいなくヒルです。参加者のみなさんはどうだったかなあ。
2007年10月01日
コメント(3)
すっきりしない天気が続きますね。9日の講習会は、台風の直後だけあって、登りの沢ルートの部分が相当に荒れていました。以前にも増して、倒木を乗り越えたり、くぐったり。ほとんどやぶ沢歩きの様相です。参加者のみなさん、お疲れ様でした。今週末、沢に入る方はどうぞお気をつけください。山はまだまだ水を多く含んでいます。かくいう私も、和名倉沢へ入ります。気を引き締めねば。
2007年09月14日
コメント(0)
26日、立山の山麓にある瀬戸蔵山にて、地図読み講習会を行いました。富山県の新聞社である北日本新聞社と、国土地理院北陸地方測量部のお招きによるもので、剱岳測量100周年の記念事業の一貫としての企画です。ルートは、らいちょうバレースキー場のゴンドラ山頂駅~瀬戸蔵山~竜神の滝~百間滑~ゴンドラ山麓というものです。(地形図「小見」参照)下りがかなり急で、参加者がなんと40名だったので、トラブルが起きはしないかと心配しましたが、国土地理院と地元のガイドさんに完璧なサポートをいただき、予定通りの講習を実施することができました。一本とっているときも、急な下りの途中でさえも地図をにらんでいる参加者の様子を目にしながら、地図読みに対する関心の高さは全国津々浦々、変わらないなあと実感しました。参加者のみなさまへ。お疲れさまでした。15番は少し説明不足でしたね。あそこを出発してすぐに渡る小さな沢は、13番から左へ出る赤線の、左にある沢です。等高線が山側へ少し食い込んでいるでしょう。それをそのまま北側へなぞっていくと、最後は等高線の食い込みが不明瞭になりますが、おおよそ15番付近で青線の本流にぶつかりますね。沢はそのように流れています。これがあるから、あの場所が15番だと特定できるのです。A地点で申し上げたことをもう一度。地図はポケットに。ふだんの山歩きでは、せめて一本とっているときだけでも、次の1ピッチを先読みしましょう。そして、1年に1回くらいは、地図読みを意識した山行を。ハイキングコースでも地図読みの練習は十分にやれます。ぜひ、がんばってください。※10月18日(木)~21日(日)、富山県民会館で地図展が開催されます。100年前に、柴崎芳太郎技師が剱岳への測量登山で用いた機器等が展示されます。山のお帰りにでもぜひ。
2007年08月30日
コメント(0)
8月22日、またまた、地図がとてもよく読める2人のおばさま(またしても、すいませ~ん)と、地図読み山行をしてきました。場所は、丹沢と箱根の間にある、矢倉岳周辺です。詳しく説明すると(地形図「関本」「山北」参照)、地蔵堂より、矢倉沢方面へ車道をやや戻る。送電線と383の間の沢へ突入。776北の三叉路ピークから北東登山道へ70m下ったところにある、隠れた小ピーク手前のコルへ突き上げる。四叉路分岐より鳥手山方面へ。819.2(タカイバ)の次の隠れた小ピークから北西尾根へ。699~469経由で「畑」集落へ。というものです。登りも下りも情報ゼロだったので、非常に楽しめました。登りははあえて沢にとったわけですが、ふだんの沢登りでは、滝がないとだんだん不満が募ってくるところ、「今日は地図読み」という前提で入溪すると、もう小さなナメがあるだけで、うほっと、心が躍ってしまいます。下りの尾根は、切れ切れのトレースに、軽くやぶがかかる、という感じでした。現在地読みは、699周辺で一度だけミスしました。手前の平らな地形を百も承知で先読みしていたのに…う~ん、悔しい。白地図だけを見て、ルートを決めて、それを忠実に歩く。シンプルな山歩きの楽しみを再認識した一日でした。それにしても…谷峨駅まで30分強、車道を歩いたのですが、私はいい加減疲れてぼーっと惰性に任せて足を運んでいたのに、二人のおばさまは、丹沢周辺の道なきルートについて、止むことなきおしゃべりを…脱帽!※ホームページ上に、秋開催の地図読み講習会について、日程をアップしています。
2007年08月24日
コメント(2)
21(土)、地図がたいへんよく読める2人のおばさま(すいませーん)と、鎌倉鶴岡八幡宮の裏手にあるハイキングコース、通称「鎌倉アルプス」へ、地図読みに出掛けました。途中、3人が3人とも現在地を読みを間違えて、???となった箇所がありました。私一人だったら、ま、いいか、と済ませていたかな。でも、地図読み好きが3人も揃ってしまうと、そうはいきません。う~ん、気に入らない、と、行きつ戻りつして、徹底的に解明しました。原因は尾根の分岐をひとつ見落としていたこと。犯しやすいミスは同じなんだなあと、感じ入りました。そして、もやもやが晴れると、やはり気分は爽快です。ただ、後半に予定していた、登山道のない2つのルートは断念しました。ひとつは亀ヶ淵からの右俣の沢の遡行。これは出合いの流れが深くて対岸に取り付けなかった。もうひとつは天台山の三角点から永福寺跡へと伸びる尾根の下り。ここはぜったいトレースがあるだろうと予想していたのに、その気配ゼロ。三角点の下は、等高線から想像したのものとはずいぶん違って、急な壁となっていました。2人に待ってもらって、安全な下降点を探してヤブを漕ぐも、適当な場所を見つけられず。服は土くれで汚れ、腕には無数のひっかき傷を負い、とても鎌倉アルプスを歩いたとは思えない格好になってしまいました。それでも楽しかった。地図読みはやっぱり、わいわいがやがやとパーティーを組んでやるに限るなあと、実感した1日でした。そして、どれだけ安易なコースでも、地図読みの訓練は十分にできる、という持論に、確信を持った一日となりました。ところで、家の風呂で、腕の傷を見ているうちに、ひとつのことに気づきました。圧倒的に左腕に傷が多い。でも、あの場所は、いばらが、ことさら左側に多かったというわけではなかった。たぶん、やぶを漕ぐときの自分の利き腕は、左なんだなと思いました。半身になって、左を前に出して漕ぎ、右でつかんで引きつける。そんなイメージ。みなさんも、ひょっとして、ヤブ漕ぎの利き腕を持っていませんか。
2007年07月22日
コメント(1)
昨日は西丹沢の中級コースで講習を行いました。最近は下山時間が遅れぎみで、昨日は5時少し前でした。話したいことが多すぎて、ついつい説明が長くなってしまうのです。これじゃあ、冬だと日没に引っ掛かってしまう。もう少し枝葉を落とさないと。でも楽しかったなあ。昨日は、下山してから車へ戻る間に、参加者の一人が、今の状態で、ポイントの3番や4番をもう一度確認してみたい、とつぶやいている声が聞えました。ポイントの3番や4番というのは、設定している現在地確認ポイントのうち、朝方に通過する場所です。こういう感想がいちばんうれしい。私はいつも、講習を進めながらも、頭のどこかで、地図を読む力を短期間で身につけるためのノウハウ、について考えているようなところがあって、それがまたひとつ見つかったような気分にさせられるのです。さて、昨日で初夏シリーズの4回は終わったのですが、梅雨真っ只中だというのに、一度も雨天中止がなかった。昨日は、自称スーパー晴れ女という方が参加されていて、地図読みの勘もいい方で、質問が要点をついていて、それと合わせて、いやあ、助かりますという感じだったのですが、はたと気づいてしまったのです。待てよ、天気に関しては、オレも自信をもっていいのではないか、と。だって、私は4回ともこの講習に参加しているのですから。これまで、私は自分のことを、曇ときどき雨男くらいに思っていたのですが、返上です。この調子で秋シリーズは、全開催を目指そうっと。予定は7月末ころにアップします。※ちしろさんが心配くださった黒いやつには、幸い遭わずにすみました。 もちろん、にょろにょろも。今年はもうどっちにも遭いたくなーい。
2007年07月09日
コメント(2)
本日、初級コース(高取山~念仏山周辺)で講習会を行いました。う~ん、やっぱり出ましたね。あれが。実は、先週の土曜日の基礎コースでも出たのです。帰りの電車で、参加者のみなさんと並んで座っていたところ、とある女性の足元を、ひょこっ、ひょこっと、尺取りムーブの虫が2匹!!!!あわててつまんで窓から捨てました。つぶすのが世のため人のためなのでしょうが、さすがにあの場でそうはできなかった・・・。翌日、「やっぱりわたしが2箇所やられていました」と、その方から連絡がありました。これはちょっとしたショックでした。大山に近い初級コースではこの季節によく見かけるのですが、ついに、大倉周辺にも、魔の手が・・・。ということで、今日の初級コース。出ましたね、けっこう。でも、最初に林道に出たところで、靴を脱いで入念にチェックしたので被害はなし・・・だと思う。高取山の頂上では、十数人の団体さんといっしょになりました。大山の下社あたりでは、もう、わんさかだとか。出発間際に、靴の中も見た方がいいですよ、と伝えました。歩き始めるとすぐに、後方からいくつかの悲鳴が・・・。来週は、あいつらがぜったいいないはずの西丹沢。まさか・・・ね。
2007年07月01日
コメント(1)
昨日は久しぶりの講習会で、楽しかったなあ。気合いがはいりすぎたせいか、今朝起きたら、声が紅の豚みたいになってました。昨日の参加者には5人の山スキーのグループがいらして、愉快なおしゃべりを聞いていると、つい、自分の学生時代を思い出しました。私には、山に行くのが好き、というより、人と山に行くのが好き、というようなところがあって、これまで単独行は数えるほどしかやっていません。あの方たちもタイプ分けわけするとそっちかな。「温泉&飲み」のために鶴巻温泉駅で下車されましたが、盛り上がりぶりが目に浮かぶようです。さて、昨日の講習では、マイナーチェンジしたことがあります。これまで先読みの要素として挙げていた14の要素を、10に減らしてみたのです。例の5人以外の参加者も、飲み込みの早い方ぞろいだったせいもあり、コースの中頃には、私が質問しなくても、項目を自分で組み立てられるようになっていました。考え方はシンプルに。これは何事にも通じる鉄則ですね。参加者のみなさん、ふだんの山歩きでは、なかなかあそこまで細かくは先読みできないと思いますが、一本とっているときなど、あの紙片の項目を思い出してみてくださいね。
2007年06月18日
コメント(1)
ヤマケイJOYに「セルフ読図トレーニング」の話を書いていると、あ、そういうことかと納得することがよくあります。実践することと、それを整理することは、別の作用を持っているようです。それにしても、確認したいこと、試したいことが、ずいぶんとたまってしまいました。丹沢の山々も、ちょっと離れるだけで、どうにも懐かしく、そこで、急きょ、地図読み講習会「初夏シリーズ」を開催することにしました。日程はホームページ上に掲載しています。地図読みに興味をお持ちのたくさんの方とお会いできるのを楽しみにしております。
2007年05月22日
コメント(0)
ビックコミックオリジナル誌で連載している「岳」という山岳マンガについて、スポーツ雑誌の「Number」に書評を書きました。世間ではすでに評価を獲得している作品で、知人からも「いいよー」と聞かされていたのですが、読んだのは初めてです。で。いいですよー、ほんと。山岳救助員の話ですが、ほろりときます。妻は泣けてしかたがないと言っています。私が、そうかーと思わず唸ったのは、主人公が現場に到着したときに、遭難者に必ずかける、「よくがんばった」というセリフです。実は先日、私の所属している山岳会でも遭難騒ぎがあって、後日、当人に、けっこうきつい言葉をかけちゃったんですよね。「岳」を読んだとき、瞬間的に、ああー、そうだよなーと思いました。何も言わなくたって、もう全部わかっているんだよなーって。「岳」の主人公は、遺体に対しても、同じ言葉をかけるんですよ。なかなか到達できない高みだなと、感じた次第です。「岳」は4巻まで発売されています。書評は5月24日発売号のNumberに掲載されます。
2007年05月15日
コメント(0)
昨日の畦ヶ丸は、春の日差しの下、シャーベットのような柔らかい雪が静かに舞いました。ガスに隠れていた檜洞丸は、姿を見せると真っ白。春がやってくる、その一瞬前の山の匂いを満喫できました。昨日をもって、春シーズンの講習会も終了です。参加くださったみなさま、改めまして、ありがとうございました。きっと、誰よりも楽しんだのは私です。今シリーズ中は、以前にも増して、「地図を読むこと」について、深く考えたような気がします。昨日も、帰りの車の中で、「地図を読む意味が、迷わないという目的のためだけなら、もったいない気がする」と話す方がいて、それを受けて、日ごろから考えていることを、つい、長々と、10分近くも話してしまいました。(ちょっとくどかったかな・・・)地図を読むことの意味、その楽しさ、そうなるための方法論。ここ最近、自分の考えが、だんだんまとまってきた気がします。「地図の読み方」を書いた当時とベースは変っていないのですが、もう少し、うまく、わかりやすく伝えられる感触があるのです。当面は、ヤマケイJOYにて、それについて触れていきますが、それだけでは収まりきらない感じもしています。講習会の再開は秋口を予定しています。日程は、7月中旬にアップしたいと思っています。
2007年03月22日
コメント(2)
今発売中のヤマケイJOY2007年春号から、新連載が始まりました。巻末にある、技術習得のページです。といっても、今シリーズは、地図読みの技術そのものではなく、それを独学で身につけるための方法論について書くつもりです。地図読み講習会を続けるうちに、このやり方なら、地図を読めない人でも、一人でできるんじゃないかなあ、と考えるようになりました。つまり、これまでに講習会で得たノウハウを、1年かけて整理してみようというわけです。ページ全体は、ほかの講師の方が担当される部分と合わせて、戦国時代を模した趣向になっています。その名も「山ヤ天下統一!」私は、「斉藤・ビラ・道三」というキャラで登場します。編集者に、好きな武将は誰ですかと聞かれて、こうなりました。そう。司馬遼の中でも、「国取物語」がだんぜん好きなんですよ。さて、雑誌が送られてきてびっくり。というより、妻とふたりで大笑い。イラストレーターの中村留美さんの手によって、私が「マムシ」とはまったく違う、おっとりした道三になってる。中村留美さんとお会いしたことはなく、写真からおこしたのでしょう。それが実によく特徴をつかんでいる。道三というより、義元っぽい。いかにも、すぐに討たれそう。中村さんには、去年も、温泉に入っている私をイラスト化していただいたけど、あのときも、あまりに自分に似ていて、驚いたなあ。ほんとに、すごい才能だなあ。裏のなさそうな「斉藤・ビラ・道三」を見ながら、もしも、自分が戦国時代に生まれていたら、どんな一生を送ったかなあと、しばし空想しました。
2007年03月01日
コメント(2)
日曜日に世附で予定していた講習会は雨でお流れ。う~ん、残念。このコースは雨天中止が多いなあ。昨年の春も2回連続で中止だったし。2年越しに参加を申し込まれていて、結局、まだお会いできていない方がいます。中止の電話をしたとき、思わず、お互い笑ってしまいました。どうも相性がよくないですねぇ。これに懲りずに、またの機会にいらしてくださいね。ということで、昨日は、本年度2回目となる、基礎コースでの講習を行いました。いつ以来かなあ、下りのキーポイントで、久しぶりに、先頭の方が間違えなかった。私がいつも、内心、間違えないかなあと、期待している場所です。お見事。昨日のパーティは、登りのキーポイントでも、何人かの方が、あれ?と首をかしげて、立ち止まりましたね。あの感覚を、ぜひ、大切にしてください。一日地図とにらめっこして、きっと、等高線って、すごいなあと実感されたと思います。ぜひ、身近な山でも、同じように、等高線と格闘する山歩きをやってみてくださいね。地図読みの練習は、ハイキングコースで、一人でもできますから。そうそう、おかもさんも大好きな、あれの話。気象庁の予報 → ××× ぜーんぜん×。最悪。おととし並。目赤如兎鼻流如滝頭重如岩喉痒如疹(風林火山風に)日常生活に支障をきたしそうなので、明日、病院にいこうと思います。帰りのタクシーの中で、鼻の奥を焼く治療の話を聞きました。しばらく焦げ臭い感じがするけど、痛くないそうな。ほんとかなあ。信じられないなあ。
2007年02月21日
コメント(0)
きませんでした? 昨日?きたと思うんだけど。きましたよね。いや、ぜーったい、きた。東京在住の同士のみなさーん、きましたよー。昨日が初日ですよー。ちょっとセンサーのゆるい方も、そして、おそらく、神奈川県、千葉県、埼玉県の同士も、間違いなく数日内にきますよー。(というより、私が数日遅れだったりして)2月3日(土)に、初級コースで大山周辺に入ったとき、あれ、と思ったんですよ。杉が赤い…。そして、昨日、ふと、気づくと、目の内側下辺部を掻いていました。例年より2週間は早いような気がします。史上最悪のおととしは、たしか3月12日が初日だった…。やっぱり暖冬のせいでしょうか。そめいよしのの花芽もぐんぐんふくらんでますものね。今週末は世附の上級Aコース。こわいなあ。丹沢はどこもかしこも杉だらけで、敵本陣に突っ込むんでいく感じなんですよ。通常だと、講習中こそ、なんとか大丈夫だけど、温泉に向かうころから目がかゆくなってきて、温泉の中では目をしきりに洗い、返りの電車内ではもう掻かずにはいられない、というパターンです。気象庁の予想だと、今年は去年よりやや多め、程度で済むらしい。去年はほんとに楽だったからなあ。その通りだと助かるー。気象庁さまー、どうぞよろしくお願いしまーす。(違うか)じゃあ、お願いしまーす、杉さまー。(コマ劇の常連みたい)
2007年02月11日
コメント(2)
ヤマケイJOYにて、07年度も連載を持つことになりました。テーマは、ずばり、「地図読みトレーニングのすすめ」です。2年前の春から地図読み講習会を行ってきたわけですが、去年の秋頃から、講習の終了時に、参加者の方に対して、今日やった方法を用いて、ぜひ自分で読図山行をやってみてください、と話すようになりました。講習中も、地図の読み方そのものに加え、どうすれば、地図読みレーニングを自分でやれるか、という点を意識してもらえるような説明のし方に努めています。地図読みのトレーニングは、地図と地形に興味さえあれば、地図が読めない人でもできる、と私は考えています。私のような指南役がいなくても、です。沢沿いの道は少し難しいのですが、尾根道でならば、きっとやれます。登りと下りだけ、つまり、ピークとコルの位置だけ意識していれば、いいのです。大切なことは、等高線の1本1本にどこまで細かく神経を払えるか、という点です。そして、そうしないと、読図トレの効果はありません。また、この方法でならば、どんなハイキング・コースで行っても、効果があります。そんなことを、具体的な方法を交えて、ヤマケイJOYに書いていこうかなあと思っているわけです。最終的に、読図トレをやる意味にまで、踏み込んでいければなあ、と思っています。さて、来週から、07年度春季の講習会が始まります。今年はどんな出会いがあるかなと思うと、待ち遠しいです。遅ればせながら、本年もよろしくお願いいたします。
2007年01月21日
コメント(1)
更新がすっかり滞ってしまい、失礼いたしました。さて、昨日の初級コースにて今年度の地図読み講習会が終わりました。この1年を振り返ってみて、何より強く感じることは、私自身の地図の読み方が変わったということです。たとえば、支尾根は、本尾根が曲がる方向とは逆方向に出る、ということを強く意識するようになりました。このことは、きっと以前から無意識には感じていたのだと思いますが、それを明確に意識するようになりました。すると、今までは見落としていたような、微妙な本尾根の曲がりに気がつくようになったのです。これは、講習会の中で、「支尾根の方向は?」「本尾根の方向は?」と、繰り返し尋ねているうちに、ああ、そうかと、気づいたことです。ものの本質は、人にものを伝えようとするときにこそ、見えるのかもしれません。ある程度地図が読めるようになった方は、さらなるレベルアップとして、どなたかに教える機会をもつといいと思います。いつも、いつも、講習会の前の日の夜は、「遠足と子ども」になります。あそこであの話をしよう、あそこでは、そ知らぬ顔をして、先頭を先に進めちゃおう。いろんなストーリーとともに、参加者の方の顔が思い浮かんで、待ち切れなくなるのです。今年1年、講習会に参加された方、そしてHPとブログを訪問してくださった方、ほんとうにありがとうございました。みなさまの来年の山歩きが、楽しく、安全なものになりますように。2007年も、数多くの楽しい出会いを楽しみにしております。
2006年12月18日
コメント(3)
昨日、初級コースで地図読み講習を行いました。参加者のみなさまが、どなたも、等高線の微細な曲がりに食らいつく姿勢を最後までお持ちだったので、私としても、楽しく、うきうきするような講習を行うことができました。コースの途中に、いつもは巻いてしまうピークがあるのですが、ピークハント志向の方が多く、昨日はあえてそこへ登りました。すると、ここからの尾根の下りが、コンパスの使用が必須の、ちょっと考えさせられる地形で、なかなか楽しめました。もうこのコースは10回近く歩いていますが、あの場所に、あんなによい練習台があったとは!参加者のみなさま、ありがとうございました。今後の講習では、あのピークに立ち寄ることにします。さて、そんなわけで講習もすいすい運び、いつもより30分も早く下山できたのですが、なんと、小田急線が踏みきり事故でストップ、復旧のメドが立たずということで、しかたなく鶴巻温泉駅前の喫茶店に入りました。しかし、こういうマイナスはきちんと埋め合わせされるものですね。実は昨日の講習には、地図読み講習の運営を見学したいということで、アドベンチャーレースの第一人者である田中正人さんが、参加されていたのです。そして、この予期せぬ足止めのお蔭で、レースの体験談やその企画運営の苦労など、興味深い話を聞くことができました。新宿に戻ったときは午後8時になっていましたが、ほんとうに充実した1日でした。
2006年10月19日
コメント(0)
土曜日に中村みつをさんの個展を見に行ってきました。もう、中村みつをさんについては、説明不要ですよね。今回の作品には、いつものパステルカラー調のものに加えて、銅版をエッジングしたものが多く含まれています。モノクロの作品なのに、焚き火の炎の暖かさや、雪の頂きのまぶしさが感じられ、何とも不思議です。展示作品の大部分は、この個展のために描いたもので、半年前から製作に取りかかったそうです。途中、そのあまりの苦しさに、逃げ出そうと思ったこともあったとか。中村さんと比べるのはせんえつですが、私にも似たような経験があります。99年にラグビーの単行本を初めて書いたとき、その途中、何度も、すみません、書けませんと、文藝春秋社に頭を下げようと思いました。でも、それをやったらこの世界から足を洗うことになるなと思い、耐えました。ものを創るとき、その原動力はもちろん内発的なものです。けれど、その推進力となると、どなたも、多かれ少なかれ、締め切りの切迫感、あるいはそれを守れなかったときの事の大きさを利用しているところがあるのではないでしょうか。とすれば、逆に、締め切りのない、あるいは締め切りを自分で設定できる創作活動は、その推進力をあてにできないことになります。作家はよく、デビュー作を書くのがいちばん辛かったといいますが、それが生涯唯一、締め切りなく書いたものだからでしょう。単行本の場合、出版社が発行スケジュールを組むので、もちろん締め切りはあるのですが、雑誌などに比べると緩やかで、だから、ごめんなさいしちゃおうかなという、悪魔の発想が忍び寄る余地が生まれるわけです。中村さんは原則として1年に1回の個展開催を自分に課しているそうです。きっと、中村さんの頭の中を、悪魔たちが自由闊達に走り回ることでしょう。それが想像できるから、私は心の底から中村さんを尊敬するのです。中村みつをさんの個展「旅のはじまり」は、昨年と同じ、原宿のギャラリー「OPA」(5785-2646)で開催しています。<10月18日(水)まで 11時~19時>
2006年10月10日
コメント(0)
昨日、妻と2人で、丹沢の中津川・二十才女(ハタチガ)沢へ行ってきました。妻は沢に入るのが6~7年ぶりなので、ナメと小滝主体の簡単なところ、かつ、私が行ったことのない丹沢の沢、という条件で探したのですが、山溪の「丹沢の谷110ルート」では見つからず、HP「マシラの部屋」さんで探し当てたのがこの二十才女沢です。さて、沢そのものは渓相もよく、登攀箇所もいくつかあって予想通りに楽しめたのですが、予想外の難敵がいて、苦しめられました。いえ、ちょっとは予想してました。丹沢北面の夏といえば、ヒル。前夜は札掛近くの河原でテントを張ったのですが、私と妻がそれぞれ1ヶ所づつやられました。それでも、「やっぱり、いるな」という程度だったのです。ところが、二十才女沢に入ってみると、ワンサカ、ゾロゾロと、あの独特の尺取り動きで足を登ってくる!いったい、どのタイミングでどうやってシューズに吸着するのか!あわてて振り払い、5分ほど歩いて、ふと足に目をやると、また数匹がエッホ、エッホ、ウンショ、ウンショと登攀している。思わず、うぎゃっーと、声が出ます。妻は軽い悲鳴。気の弱い女の人なら気絶ですね、きっと。そうこうしているうちに、私が首をやられました。肩にかけていたザイルを地面に置いたときに乗り移ったのですね。この調子では、シューズの中はどうなっていることやら。私は、「片足2匹までは覚悟だね、こりゃ」と、ショックの前取りをしておきました。さて、詰め上げた「鍋嵐(ナベワラシ)」から二十才女沢出合までの下りは、踏み跡ゼロ、やぶゼロ、分岐たくさんという、地図読み講習会にぴったりの尾根でした。しかし、気になるのはやはりシューズの中です。午後1時、車道に帰還。イッツ、ショータイムです。妻がまずスパッツを取ります。すると、ズボンのすそに3匹。シューズのひもをほどくと、ひも編みに5匹、シューズを脱ぐと、靴下に3匹。片足だけでこれです。もちろん、そのたびに、絶叫!!!!!!。これは片足2匹では済まない、5匹、ひょっとすると10匹いくか、と観念しました。そして、せーのっ、と靴下を脱ぎました。えっ! 足は真っ白。ヒルはいないし、血も出ていない。反対の足も同じ。そして私も。???????。アスファルトに放り出されたヒルたちは、炎天に焼かれてすぐに縮んでしまいました。帰りの車中では歓喜の会話が続きました。しかし、完全に覚悟が出来ていただけに、拍子抜けの感は否めませんでした。ズボンの裾は目が細かいのだから仕方ないとしても、靴下はごくふつうの編みです。あの目地を突破できないとは、すこしだらしがないのではないか、人など年に何人も通らないあの沢で幸運に恵まれながら、それをものにできないで、よく今まで繁殖してきたものだと、言いたい放題でした。まあ、ほんとうに片足に10匹吸い付いていたらしばらくは食欲が萎えたでしょうから、軽口も、安堵の証しというわけです。それにしても、ほうとうにどうして助かったのかなあ。久しぶりの夫婦の沢旅に、気を回したのでしょうか。
2006年08月14日
コメント(1)
昨日、銀座の松屋へ、星野道夫写真展(14日まで開催)を見に行ってきました。点数や構成など、予想をはるかに上回るすばらしいものでした。写真から写真へと目を移してゆくと、星野氏が、アラスカの自然や動物と接しつつも、つねに、人間が存在することの不思議とか、人と人のつながりの大切さといったものを考え、探していたことが伝わってきます。とくに感じ入ったのは、写真の合間に添えられている星野氏の短い文章でした。ここでそれらを再現することはしませんが、写真と合わせてそれらを読んでいると、私自身の思い出とか、これまでに考えたり感じたりしたことが、一気に連鎖的に頭の中に押し出されてきました。一流の表現者は、独特の感性でとらえた事象や思索を、他者に過不足なくわかりやすく伝えます。しかし、星野氏の言葉は、心の深いところから湧き出た思いが、そのまま文字になっている。説明はなく、解釈の方向も示されない。だからこそ、それに触れた者は十人十様に、自分の頭の中で、壮大な世界を広げてゆく。私などにはおよびもつかない、これこそ、超一流の表現者の仕事だと思いました。
2006年08月09日
コメント(2)
先日、所属している山岳会の仲間と、西丹沢中川大滝橋キャンプ場~避難小屋~鬼石沢遡行~マスキ嵐沢下降~大滝橋キャンプ場というルートを歩いてきました。驚いたことに、大滝沢にかかっていた丸太橋が1ヶ所流されていました。長雨の影響が丹沢にもあったのですね。たぶん今シーズンは直されないだろうなあ、あの橋。水流の狭いところをジャンプすれば対岸に渡れるのですが、コンパスの短い人はちょっと足を濡らしてしまうかもしれません。無理に飛ばずに、ちょっと濡れてもいいやとい気持ちで、岩をしっかりと踏んで渡ったほうがいいと思います。どうぞ、ご注意を。秋の講習会の予定をアップしました。コースの名前が変更になっています。旧Eコース → 基礎コース旧Aコース → 初級コース旧Cコース → 中級コース旧Dコース → 上級コースA旧Bコース → 上級コースBという具合です。これまでのコース名は、自分でもなぜこのアルファベット順にしたのか判らなくなっており、すっきりと整理しました。今シリーズも、多くの方との出会いを楽しみにしております。
2006年08月03日
コメント(0)
2ヶ月ほど休んでいましたが、軽く禁断症状が出ていました。丹沢のあのコースを定期的に歩かないと、どうもいけません。体的にも、精神的にも。そして、ほかの仕事をしていてる最中に、ふと気づくと、コンパスの使い方の説明を考えている自分がいたりして。梅雨前のいい季節。ほんとうに楽しみです。
2006年05月16日
コメント(0)
地図読み講習会が3回連続ですばらしい好天日にあたっています。いままでの貸しを取り返しているみたい。それにしても、ここのところの気象庁のジョブには、目を見張るものがありますね。昨年までなら、一週間前予報で講習会の日が晴れ予想になっていると、不安になったものです。逆に雨予想だと、よしっと思いました。どうせ直前になってズレるからです。ところが、今年はびしっと当ててくる。当日が近づいてもほとんどブレない。そして講習会の翌日は雨が降るというと、ほんとに降る。たとえば、今日(22日)はもう下り坂だけど、このことを一週間前から、きちっと言い当てていた。天気予報だけじゃないよね。サクラの開花予想もかなりの精度だったし、花粉の量も、まさにおっしゃる通りでした。う~ん、気象庁に何があったんだろう。26日は今クルー最後の講習会があるけど、現時点での予想は晴れ。きっと、今度もいい仕事をしてくるでしょう、気象庁。あー、でもこんなこと書くと、最後の最後にミスされちゃうのかな。
2006年03月22日
コメント(4)
日曜日は素晴らしい天気でしたね。ここのところ、講習会は、雨で中止とか、開催されたとしてもこと天候に関してはベストとは言い難い日が続いてきたのですが、昨日は陽射しも気温も風も、文句なしでした。きっと、参加者の中に恐るべき晴れ力を秘めた方がいたのですね。講習そのものも、下山時刻が5時を回るという、たいへん充実したものとなりました。さて、天候に恵まれたのはいいのですが、一方で、春の晴れた日の丹沢、というと恐ろしさも募るわけです。忘れもしない昨年の3月12日。丹沢湖畔で机上講習を行っている最中に、対岸の山の中途から、言葉にするのも恐ろしい、あのお方が、(ウォルデモートか!)もはっ、と、黄色い煙幕をまとって立ち昇るのを目撃したのです。タバコの煙を吐き上げたときのような、濃い煙でした。車で大滝橋まで向かう途中も、あちらの山で、もはっ。こちらの山で、もはっ。この日から1週間のメタメタぶりといったら、それはもう…。そして今年。報道されていることはどうやらほんとうのようです。あのお方の影が薄い。「もはっ」も、もちろんない。植林帯を歩いていて、空気が澄んでいる感じを受けました。そして、今朝起きてみても、 目、鼻がちっともひどい状況になっていない。あのお方のことだから、油断はできないのでしょうけど、今からの一ヶ月を思うと、気持ちがほんとうに軽くなった気がします。
2006年03月06日
コメント(3)
迷ったすえに、山へ行くのをやめた日、ドシャ降りになると、どうしてこんなに心が晴れやかになるんだろう。う~ん。山へ入っている全国のみなさま。どうぞ、安全な下山を。さて、ドラマ「氷壁」。終わりましたね。後半はちょっと斜に構えて見ていたわけですが、想定内とはいえ、結末はやっぱり納得いかん。いまだかつて、山で自殺した山男・山女はいないでしょう。そういうもんですよ、山って。でも、人が創り上げたものをけなすことほど簡単なことはないので、ちょっとフォローも。武田真司の、「ぼくは途中から頂上へ登ろうとしていました」というセリフ。いけてた。うまく山とかかっていた。彼のよさを十分に引き出していた。 きっと、NHKあてには、否定的な声のほうが多く寄せられていると思うけど、プロデューサーさん、シナリオライターさん、今後も山にまつわる番組をどうぞ放映してください。さて、話は変わりますが、今発売しているヤマケイJOY春号から、連載を始めました。巻末に近いところにある「J‐school」というお勉強のページで、内容はもちろん地図読み講座です。去年1年間、講習会をやりながら、私なりに考え続けました。地図を読めるようになりたいと思っている人に、何をどの順序でどう説明するのがいいのか。つまづきやすいところ、誤解しやすいところも、だんだんとわかってきました。そうして作り上げていった形が今の講習の内容で、始めたころと比べると、講習の進め方や、説明のし方が、まるっきり変わってきています。そのノウハウを、欲張らずに、いくつか説明できたらいいな、というのが、このページの趣旨です。5分くらいで読めちゃうので、本屋さんで見かけたら、ぜひ手に取って見てください。
2006年02月26日
コメント(1)
ドラマ「氷壁」、もうワヤですね。美那子が証言台で「奥寺さんを愛してます」と発言したとき、「ああ井上先生すみません、後世がこんな風にしてしまって」と、思わずテレビの前で声を出してしまいました。第2回はよかったのになあ。あと1回、山のシーンもあるみたいだし、がんばって、見ることにしましょうか。話は変わりますが、先日、「二人のアキラ、美枝子の山」の読者の方から教えていただいたのですが、大町山岳博物館で保管されている松濤明さんの手帳が、現在は展示中止になっているそうです。私が取材した3年前の時点ですでに、鉛筆書きの字が薄くなってきている、 と館員の方が話しておられました。いよいよ、何らかの措置が必要になってきたようです。北鎌尾根での松濤さんの遭難が昭和24年。前穂東壁のザイル切断事故が昭和30年。そして、この2つの遭難をモチーフに、井上靖さんが「氷壁」を書いたのが昭和31年。60年近くが経った今も、それぞれについて、何かを感じる人がいる。それだけで、すごいことだと思います。
2006年02月19日
コメント(1)
全109件 (109件中 1-50件目)