てにをは

2004.11.14
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「いやいや、さようならではなくて、また会うときまで、だ。
 きみの星で、ぼくらの星で、じきに。
 きみの好きなあの夕陽がしずんでいくところを、とうとう一緒にみられるね」

        ジャン=ピエール・ド・ヴィレン「星の王子さま最後の飛行」より


人って、優しさに触れると、どうして涙が出そうになるのだろう、と思う。
この本を読みながら、何度も泣きそうになった。
泣きそうになっただけで、泣かなかったのは、授業中だったからだ。
劇的なタッチでも何でもないのに、何でこんなに泣きたくなるんだろう、と思ったら、根底にながれる「優しさ」が原因だった。


「星の王子さま」も、優しい本だ。
最初の言葉から、すごくあたたかい。

  レイン・ウォルトに
 わたしは、この本を、あるおとなの人にささげたが、子どもたちには、すまないと思う。でも、それには、ちゃんとした言いわけがある。そのおとなの人は、わたしにとって、第一の親友だからである。もう一つ、言いわけがある。そのおとなの人は、子どもの本でも、なんでも、わかる人だからである。いや、もう一つ言いわけがある。そのおとなの人は、いまフランスに住んでいて、ひもじい思いや、寒い思いをしている人だからである。どうしてもなぐさめなければならない人だからである。こんな言いわけをしても、まだ、たりないなら、そのおとなの人は、むかし、いちどは子どもだったのだから、わたしは、その子どもに、この本をささげたいと思う。
          (「星の王子さま」より)

そして、サン=テクジュペリは最後に、

  子どもだったころの
  レオン・ウェルとに

と書き改めている。

そして、最後まで、隅々まで、愛がある。
愛の定義だと何だとか、知らないけど、読んだら「愛」としか例えられないもの。

サン=テクジュペリへの、星の王子さまへの、愛。
それがあまりにも優しくて、すごく切ない。


もしもう一度彼とコンタクトがとれたなら、こう言おうと決心したのです。
あなたと話せたことを私がうれしく思うのは、これからに備えようとしているからではなく、あなたが私の人生において、大海原を照らす灯台の光のような存在だからで、私はただそのお礼の気持ちを表したかったのです。と。
           「星の王子さま 最後の飛行」より



悲しい時だけじゃないし。
現に優しさに触れて涙が出そうになる。

感動したから?
感動ってなんなのだろう。
心を動かす?

エンターテインってつまり、こういうことなんだと思う。
こういうことっていうその幅が広くて複雑で、秩序がないようで、だから混乱する。
何を目指せばいいのか分からなくなる。

劇的を目指せば、観てくれる人に満足の気持ちを持ってもらえる、と思えば、劇的でなくても涙がでて、充分満足する作品がある。
沢山芝居を観れば観るほど、満足時間を提供する方法の方向性がいろいろありすぎて、困惑する。
しかも、言葉で理由が述べられないものが沢山ある。
なんで感動したか。
なんで鳥肌が立ったのか。
言葉で表せない。 難しい。

何がしたいんだ、自分。
学者じゃないんだからさぁ、分析できなくて、分析しようとして、もがく自分が馬鹿みたいに感じる。

あーあ。世界って広すぎ。

何にもよく知らないうちの方が、気にせず、何故か自分を信じれて、ばんばん芝居を打った。
知らなかったからだ。世界がこんなに複雑で広いって。
知ってても囚われないで、作品をつくりたい。
くそぉ。




「ぼくは、あの星のなあの一つに住むんだ。その一つの星のなかで笑うんだ。だから、きみが夜、空をながめたら、星がみんな笑ってるように見えるだろう。すると、きみだけが、笑い上戸の星を見るわけさ」
            「星の王子さま」より





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Last updated  2004.11.17 04:18:24
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