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2013.02.08
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カテゴリ: ボードゲーム

ボックスアート

空と蒸気の王ボックスアート.jpg

ゲームボード類(飛行船フィギュアはキックスターター特典のはず)
空と蒸気の王ゲームボード類.jpg

 ハイクオリティな内容物(中国の Panda Game Manufacturing によるもの)と、高いレベルで安定したゲーム内容、そして遅れに遅れるスケジュールで知られるTasty Minstrel Gamesのキックスターター発ゲーム。出資したユーザーをないがしろにすることでも悪名高く、出資特典だったはずの内容物を市販流通分に同梱したりすることもざらなので、きっと今度もフィギュア入りのが出回るだろうw

 背景設定は、なんだか最近よく見かける気がするスチームパンク。20世紀初頭のアメリカで、プレイヤーは運輸会社の社長となって鉄道網を構築し、工場で生産された商品を需要のある都市に輸送して利益を得る。いわゆるピックアンドデリバリー。

 これだけだとよくある鉄道ゲーに過ぎないが、このゲームではもう一つの輸送手段として飛行船が使われる。鉄道が走る線路は町と町をつないでおり、これは最初からタイル上に印刷されているのだが、商品を生産する工場は町の外にあり、そこに線路はつながっていない。このため、プレイヤーはまず飛行船を使って工場から線路上にある貯蔵所に商品を運び、そのあと鉄道を使って貯蔵所から町へと輸送しなければならないのだ。これを5ラウンド繰り返したあと、さまざまな要素から得た勝利点が一番多いプレイヤーが勝ち。

 プレイ人数に応じた六角形のゲームボードを組み合わせ、外縁にできたへこみ部分を三角形のバンパーボードで埋めてプレイエリアを作る。

空と蒸気の王ボードタイル.jpg

 ゲームボードの1枚。たぶん1辺10センチくらいなので結構でかい。丸いアイコンがその種類の商品を生産する工場で、線路でつながってる色つきヘクスが町。色は商品の種類に対応してる。

 プレイヤーは自分の色のプレイヤーボードや駒類などを受け取って、ボード上の任意の線路上に貯蔵所駒1個と飛行船フィギュアを置いたらゲーム開始。

空と蒸気の王プレイヤーボード.jpg

 プレイヤーボードのうちの2枚。個別のチーム名や飛行船イラストがあるが、基本ゲームでは能力差はない。

 まずはそのラウンドの商品価格を決めるため、市場タイルを3枚引いてタイル置き場に置く。出たタイルに応じて商品価格を上昇させる。ゲーム終了時までには全タイルが引かれ、全商品の価格が最高値になるのだが、当然値上がりした順番によってラウンドごとの商品価値が変わってくる。

空と蒸気の王市場ボード.jpg
 こんな感じ。黄色の贅沢品タイルが2枚、灰色の機械タイルが1枚引かれたので、その分だけ価格マーカーを進める。

 ここで各プレイヤーは、次の「移動とアクション」フェイズにおける飛行船の移動を計画する。このゲームでは他プレイヤーの移動を見てから自分の移動を考えるのではなく、事前に移動カードをプロットする必要があるのだ。

空と蒸気の王移動カードプロットjpg.jpg
 こんな感じ。基本ゲームでは、移動力(数値)が書かれたカードしか使わない。

 「移動とアクション」フェイズはこのゲームの主要部分。カードを4枚プロットしたので、4サイクルに渡って1手番ずつ移動とアクションを実行する。まず全員が1サイクル目のカード(一番左にプロットしたやつ)を公開する。手番順は時計回りとかではなく、カードに書かれているアルファベット順(同じ場合はスタートプレイヤーマーカーから時計回り順)になる。ちょっとカード見てないので分からないが、たぶん移動力が大きいカードほど後手になるようになってるはず。

 この移動力カードには、移動力の他にダイヤモンドコストというものが示されてることがある。この世界の蒸気エンジンは、実は石炭ではなくダイヤモンドが燃料なのだw で、ダイヤモンドコストがあるカードは大量のダイヤモンドを燃焼炉に投入したことを意味しており、その分だけエンジンに負荷がかかる。このため、飛行船をある程度改良(後述)しておかないと、そもそも使うことすらできない。使えるようになっても、ダイヤモンドコストの累積分が限界を超えてしまった場合、その移動はキャンセルされてしまうので注意が必要だ。ただし、プロットした時点でダイヤモンドコストが超過していたとしても、そのカードが公開される前に飛行船を改良してしまえばセーフなので、緻密な移動とアクション計画を練ればトリッキーな移動を行うこともできるだろう。

 飛行船は自動車なんかとは違うので、移動力を全部使い切らなければならず、鋭角に曲がることはできないといったいくつかの制限がある。これを守ってうまく工場の上で移動を終えたら、そこにある商品駒を積む(プレイヤーボード上に置く)ことができる。また、商品駒を積んだ状態で自分の貯蔵所があるヘクスに止まったら、そこに商品駒を降ろすことができる。カードによって決まった手番順次第では、狙ってた工場の商品駒をかっさらわれたりすることもあるので、近くに他プレイヤーがいるときは「あの工場の商品が欲しいが、それには3ヘクス移動しなきゃならなくて、そうすると手番順が後手になってあいつに取られるかも……」と悩むことになるだろうw

 そのあとアクション。これは他のゲームでもよく見るものが多く、線路上に貯蔵所を置いたり、鉄道レベルを上げたり、商品駒を貯蔵所から町へと輸送したり。商品駒の輸送には充分な鉄道レベルが必要で、少し「蒸気の時代」や「スチーム」に似てるが、町はいくつでも経由することができ、「経由した貯蔵所(線路ごとに1つだけ)+1」以上のレベルが必要になる。

 輸送した商品駒1個ごとに、現在価格分のお金を得られる。都市に空きマスがあれば需要がある商品駒を同時に複数輸送できるが、途中で他プレイヤーの貯蔵所しかない線路を通った場合、そのプレイヤーに通行料として「輸送した商品駒×1」ドルを支払わなければならない。

空と蒸気の王輸送例.jpg

 この例で青が左下から黄駒を左上の都市に1個輸送すると、AとBの貯蔵所を経由するので2+1=3鉄道レベルが必要になる。また、青は黄に1ドル払う必要がある。Aの線路上には緑の貯蔵所もあるが、自分の貯蔵所を経由してるので緑には通行料を支払う必要はない。

 都市のマスが全部埋まったら、需要タイル(前ラウンドまでに市場タイルとして使われたものからランダムに引く)を置いて新たな需要を決める。これも埋まったら、もうその町は何の商品も欲しがらない。どんどん需要は少なくなっていくのだw こうなると「需要があろうがなかろうが、とりあえず手に入る商品駒をガメとけ」みたいなプレイも成り立ちそうだが、このゲームではラウンド終了時に、貯蔵所と飛行船に置かれてる商品駒1個ごとに1ドルという破格の保管費がかかるので、とてもそんなことはしていられない。運輸業者にとって、商品管理費は常に頭の痛い問題なのだ。

 これを5ラウンドやって、所持金や貯蔵所、飛行船と鉄道のレベルから勝利点を得て、最多得点プレイヤーの勝ち。上級ルールでは飛行船ごとに性能差(輸送力やエンジン性能)があり、人物カードによる特殊能力と、特殊な移動カードが追加される。

空と蒸気の王人物カード.jpg
 人物カードの例。「ダ・ヴィンチ号」を駆るアウレリア・ベイリーはマッドサイエンティストで、任意の商品駒1個を錬金術で他の商品駒2個にできる。由緒ある「エンペラー号」の所有者、ハーベイ・ゴールディングは、ゲーム開始時に貯蔵所駒を2個置くことができる。


 いろんなルールが付加されてるが、最初にも書いた通り、基本はピックアンドデリバリー。なので、それ系のゲームが好きな人にとってハズレゲーとなることはないだろう。緩やかなカーブしかできず、急には止まれない飛行船の移動を4手先まで考えてプロットするというのは相当悩ましそうで、想像するだけで脳みそが煮えそうだw 移動カードの選択肢を増やすために飛行船も改良したいし、遠くに商品運ぶために鉄道レベルも上げたいし、通行料を支払いたくないから自分の貯蔵所も増やしたいし……とやりたいことはてんこ盛りなのに、アクション数は4サイクル×5ラウンドで20回しかない。何もかもというのはとうてい無理なので、ボード上での町と工場の配置、商品価格の推移、他プレイヤーの動向を見て、正しい優先順位を見極める必要があるだろう。上級ゲームともなれば、ここに特殊能力がついてくる……こいつは重そうだw(褒め言葉)
 このブログを見てるような諸兄は重ければ重いほどゲームを高評価する人たちなので(断言)、きっとこのゲームも気に入るだろう。是非最初から上級ゲームに挑戦していただきたい。






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Last updated  2013.07.03 10:59:50
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