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最終日、10月25日に駆け込み見学してきました。今回、見たかったのは久しぶりの上村松園「序の舞」です。緊張感高まる一瞬の姿を永遠に封じ込めたこの立ち姿。扇を真横に構えた右手と固く握りしめた右手のバランスが素晴らしいのです。印象では朱一色の振袖だったと感じていたのですが、実は下方は薄青に変化していたのでした。それがまた浮揚感を覚え、今にも動き出そうとする期待にあふれています。そのほか、藝大出身の画家たちの自画像集も圧巻でした。藤田嗣治や佐伯祐三は何度も見ていましたが、今回は、初見の板倉鼎がとても良かったです。品のいい優しい顔立ちでいかにも上流階級のお坊ちゃまという感じでした。現代作家の宮島達男の卒業制作の自画像は、ビデオ作品でした。都会の雑踏とか、お茶の水の神田川の風景とか映像化されているのですが、ベータマックスのビデオというのが懐かしかったです。
2020年10月27日
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原田マハの「風神雷神」を読んだばかりなので、狩野永徳の「洛中洛外図屏風」をぜひ見たいと思い出かけました。絢爛豪華な障壁画やそれと対極の侘び寂びを追求した茶道具。戦国時代の動乱の中に生まれた安土桃山文化の傑作ばかり集めた至上の展覧会でした。まずは、本命の「洛中洛外図屏風」上杉家本。黄金の霞の隙間から覗く、京の建物と人々の姿。米沢まで行かず、上野で見ることができてうれしい。図録ですみずみまでゆっくりと眺め、もう一度現物を確認したいと思います。でも、この「洛中洛外図屏風」以上に素晴らしかったのは、後半に登場した岩佐又兵衛の「豊国祭礼図屏風」です。あちこちで前のめりになって、輪になって踊る人々。又兵衛特有のひとりひとりの表情が楽しいです。こちらもいったい何人の人物が描かれているのでしょうか。狩野山雪の「籬に草花図襖」にも見とれてしまいました。京都の天球院所蔵。竹垣の水平垂直の直線と朝顔の花の連なる曲線との対比も見事だし、菊や百合などの花々も素晴しいバランスで配置されています。裏面の「竹林虎図襖」も竹林の垂直線と虎の身体の曲線の対比が素敵でした。絵ばかりではありません。茶道具も多く、そのうち茶碗だけでも名品ばかりで眺めていて楽しいです。いちばんのお気に入りはノンコウの赤楽茶碗「僧正」です。赤い肌地に白い市松模様がなんとも言えない美しさ。後に登場する長次郎の黒楽「禿」は究極のシンプルさともいえる茶碗でした。その他、螺鈿蒔絵の工芸品、刀や鎧。武将の肖像画、手紙類など数多くの展示物があり、見ごたえ十分の展覧会でした。家族連れも結構いて、小学生の子どもに「これは信長、秀吉、家康のお習字だよ」と解説していたお母さんの姿が微笑ましかったです。
2020年10月12日
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9月の読書メーター読んだ本の数:11読んだページ数:4414ナイス数:226風神雷神 Juppiter,Aeolus(上)の感想俵屋宗達は、京の都で淡々と絵を描いて人物だとばかり思っていたが、まさかの展開にびっくり。荒唐無稽の物語にも思えるが、ひょっとしたらこんなこともあり得るなと思ったり。さて、下巻はどんな展開になるのか楽しみ。読了日:09月29日 著者:原田 マハ黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続の感想毎日新聞で毎朝読んでいた時、ラストの「黒武御神火御殿」は前の3作に比べてずいぶん長く、いつ終わるのかと気にしていましたが、今回は一気読みでした。なるほど、放蕩息子の帰還の話だったのですね。「荒神」を彷彿とさせる壮大な話でした。「同行二人」、幽霊との二人旅、切なくて悲しくて、でもほんのりとするいい話でした。読了日:09月26日 著者:宮部 みゆき雷の波濤 満州国演義七 (新潮文庫)の感想解説にあるように「満州国を中心にした昭和戦争史」であり徹底したノンフィクションの背景の中にフィクションの敷島4兄弟の物語が紡がれる。真珠湾攻撃、シンガポール占領も起こりいよいよ米英との戦争に突入。731部隊や捕虜や華僑の虐殺などにも触れつつ、破滅へ進んでいくさまが重苦しい。読了日:09月22日 著者:船戸 与一幻坂 (幽BOOKS)の感想大阪の天王寺七坂をめぐるホラーファンタジー。先日読んだアンソロジー「平成怪奇小説傑作集」つながりで、有栖川有栖のこの元本にたどり着く。最近、東京の坂道に凝っているのだが、大阪にもステキな坂道があることを知る。源聖寺坂付近、ラブホテルと墓地との取り合わせは、まさにエロスとタナトス。谷中墓地と日暮里周辺の風景とそっくり。それぞれグーグルマップで確認しながら読む。松尾芭蕉の最期を描いた「枯野」もよかった。読了日:09月18日 著者:有栖川有栖東京裏返し 社会学的街歩きガイド (集英社新書)の感想東京の文化の中心を渋谷や新宿、青山や六本木などではなく、秋葉原、神保町、上野、浅草などの都内北部地域だと考えて街歩きを楽しもうという本。自分は父方の実家が谷中、母方の実家が秋葉原であり、1年間だけ神田駿河台の大学に通い、なじみ深い土地が紹介されているのに、知らないことばかりで楽しかった。都電荒川線を延伸して、山手線、大江戸線に続く第三の都心環状線にして都内北部地域の街を復興しようという提案、ぜひとも実現すればいいな。読了日:09月15日 著者:吉見 俊哉茗荷谷の猫 (文春文庫)の感想幕末から昭和の高度経済成長期までの東京の街を舞台に織りなす人間模様。春先に人々が愛でる桜は東京の駒込で作られたものと初めて知った時の驚きを思い出した。すんなりと入ってこない作品もあったが、後半2本の作品は好き。特に「てのひら」の母娘の関係には泣けた。読了日:09月13日 著者:木内 昇ひとんち 澤村伊智短編集の感想日常からだんだんずれていく違和感。他の家庭との文化にとまどう感覚。そんな感情をうまくホラーにした短編集。「夢の行き先」は小学校の都市伝説タッチの作品でお気に入り。「宮本くんの手」は痛々しくてたまらなかった。読了日:09月11日 著者:澤村 伊智美しい3D地図でみる 東京スリバチ地形散歩 路地大冒険編 (新書y)の感想路地大冒険編とあるが。「路地」に関して特段の解説をしているわけでなくタイトルとしての意味はないように思う。都市新発見編と同じコンセプトで東京のスリバチ地形を紹介している。土地勘のある場所はイメージが沸くので楽しい。未知の場所に出かけてみたくなる一冊。読了日:09月10日 著者:皆川 典久今を生き抜くための70年代オカルト (光文社新書)の感想あの頃どんなことが流行っていたのか、郷愁とともに読んだ。ユリゲラー来日の際のテレビ番組に親戚が出演したため食い入るように見たことが懐かしい。「ノストラダムスの大予言」が流行った時は自分は40歳までしか生きられないのかと落ち込んだ。小松左京の「日本沈没」がオカルトとは思いもよらなかった。コロナ禍による東京オリンピックの延期(中止)はAKIRAの予言の成就なのか。読了日:09月09日 著者:前田 亮一平成怪奇小説傑作集3 (創元推理文庫)の感想アンソロジー3巻目は初読の作家が多く収穫大。「グレー・グレー」の高原英理、ゾンビものって好きじゃなかったのですが、きれいに読ませてくれて感激。木内昇「蛼橋」もきれいに読ませてくれる怪談。諏訪哲史「修那羅」も独自の文体に慣れると嵌まる。既読作家では有栖川有栖の「天神橋」が美しい。小野不由美「雨の鈴」は営繕かるかや怪異譚で一番印象深かった話。そしてラストの澤村伊智の「鬼のうみたりければ」は身の毛のよだつホラーで満足して読了。読了日:09月08日 著者:暗約領域 新宿鮫XIの感想前作「絆回廊」の感想はどうだったかとこの読書メーターを調べたら記録がない。読書メーター登録を始める前に読んだのか、本当に久しぶりの新宿鮫。登場人物が入り組んで、頭がこんがらがってしまったが、ラストの怒涛の展開にちょっとすっきり。新たな女性上司や同期香田との関係は?宿敵永昌との闘いは?次作に続くのか?読了日:09月02日 著者:大沢在昌読書メーター
2020年10月04日
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