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先日、江戸東京博物館で尾張徳川家のすばらしい茶道具を見たが、こちらは、三井家所有の茶道具の数々。ノンコウの赤楽茶碗。「鵺」とはよくぞ名づけたものだ。赤茶碗の黒い班を見ていると妖しい、実に妖しい雰囲気になる。それでいて、全体は凛とした気品に満ちている。本阿弥光悦の黒楽茶碗、雨雲。椀の淵の厚さも一定しておらず、決してなめらかではない。黒い釉薬がかかっていない部分が雨雲なのだろうか。楽家の人々の作品と比べると光悦のものは、大雑把な感覚がするのだが。志野茶碗の国宝「 卯花墻」は、今回は茶室のコーナーにあって、ぐるりとまわりを回って見ることはできない。志野茶碗は、今まで自分の中ではもう一つであった。萩とのちがいがよく分からないのだが、今年は少し志野を研究してみよう。絵画のコーナー。応挙の国宝雪松図屏風は正月恒例。稲麻綿図なぞが、あっさりして心地よく感じる。酒呑童子絵巻は、江戸時代の模本であるが、鮮やかな色彩、時に切り刻まれる鬼のスプラッターな表現もあるが、とても楽しく眺めることができた。
2013年01月22日
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新しい改修されてから、何度も乗り換えで通ったにもかかわらず、なかなか、丸の内側に出る機会がなく、ようやく、新東京駅の概要を見ることができた。丸ビルのテラスから眺めると、やはり新しいドームが目を引く。切妻と丸いドームのバランスが美しい。完全なシンメトリーになっているところもいい感じ。さて、東京ステーションギャラリーだが、ここが6年間も閉まっていたのかと思うと、時の立つ速さを痛感する。閉館当時の小学生はもう中学生になっているのだ。それはそれとして、今回の展覧会。たった500円の入場料でこれだけ楽しむことができ、お得感いっぱいの展覧会だった。特に「くわくぼりょうた」の作品。この作家は、昨年、大地の芸術祭のキナーレではじめて見たのだが、小さな電車の写しだすドラマチックな影に感心したのであるが、今回も見ていてまったく飽きさせない。ザルやバトミントンの羽が巨大なオブジェの影のように見える。本当に幻想的な作品だ、 「ヤマガミユキヒロ」の線描画に天候の変化や人ごみや電車のカラースライドをかぶせて、再現する手法はお見事、そして美しい。身近な風景だけに親密感があふれた素敵な作品だった。
2013年01月22日
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エル・グレコ。はじめて見たのは、今回の展覧会にも展示されている国立西洋美術館の「十字架のキリスト」。はじめて見たときは、失礼ながらキリストが亡霊のように思えた記憶があり、それが永らくインプットされていた。その後いつだったか、大原美術館の「受胎告知」を見たとき、その激しい色遣いとダイナミックな表現に「これが17世紀の宗教画なのか?」と驚いたものだ。さらにこの絵の購入の様子を知るに至って、エル・グレコにどんどん惹かれていった。特に大きくデフォルメされた宗教画を見るたびに神秘的などうしてエル・グレコがこのような作風の作品を描いたのか。今回の展覧会を見てよく理解できた。教会で人々が見上げてもおかしくないように計算されているのだ。展覧会のラストは、3メートルの大作「無原罪のお宿り」。身近でしゃがんで見上げると迫真の描写に圧倒される。黄金の光を発する鳩から楽器を奏でる天使、ケルビム、そして潤んだ眼の聖母。ムリーリョの描いた人形のような聖母と異なり、生気に満ちあふれている。また「見えないもの」を見えるものと同じように描いたというエル・グレコの作風もよくわかった。そんなエル・グレコも、若いころは「白貂の毛皮をまとう貴婦人」など、まっとうな?肖像画を描いていたのが、どうしてこれだけの変貌を遂げたのだろうか。もう何回か出かけてみたい展覧会だ。
2013年01月22日
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江戸時代の大名道具の展示ということで、行こうかどうか迷っていたのだが、思い切って出かけて大正解だった。とにかく、教科書でしか見たことのなかった国宝「源氏物語絵巻 柏木」を見ることができただけで、大満足。連休の日曜日だったが、閉館間際だったので、まったく混雑してなくゆったりと眺めることができた。1,000年近くも前に描かれた絵を目前にしているという興奮。不義密通の子、薫を抱く源氏の表情は、はっきりとは確認できないが、かえって、その複雑な心境を想像するに難くない。刀では、家康の持っていた「村正」が、出ている。妖刀というのは、後世の作り話ということだが、他にあまり例を見ない乱れた刃紋を眺めていると、確かに怪しい気持ちになってくる。茶道具の名品にも、目が釘付けになる。特に茶碗に感激した。天目茶碗の白天目は、初めて見た。黄天目の輝きもすばらしい。家康愛用の三島茶碗も、規則正しい模様が素敵だ。反面、織部の筒茶碗「冬枯」の黒と白の抽象的な模様も興味深い。この茶の湯のコーナーは、他のコーナーの派手な美しさと違って、質素な美しさをじっくりと落ち着いて眺めることができた。とにかく、いいものを見せてもらったという思いでいっぱいの展覧会であった。
2013年01月14日
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この展覧会、てっきり平成館で開かれるのだとばかり思っていたら、本館の中央階段奥の第5室での開催だった。この狭い会場が円空パワーで濃密な空間となっていた。円空の彫る仏像は、本当に素朴だ。一本の木から彫り出される粗いタッチの仏たち。これまで見ているような仏像とは一線を画している。野辺にある石仏のようである。技巧にとらわれず、自由に彫っているというところは、仙がいや、白隠の描く禅画に通じるものもある。しかし、それぞれの仏から発する「気」は相当なものだ。何といっても「両面宿儺(すくな)坐像」と高さ2メートルの「金剛力士立像吽形(うんぎょう)」は、圧巻であり、言葉を失ってしまった。飛騨高山の千光寺には、30年ほど前に出かけたことがあるのだが、この夏にでも再訪してみよう。
2013年01月14日
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とにかく森美術館に見世物小屋が出現したような感じ。毒を含んだ風刺画や、どの立場に立っているのか分からない戦争画。小中学生が描いたようなポスター。エロチックでもあり、グロテスクでもある少女の絵、笑ってしまうインスタレーションなど、ごった煮の展覧会。それぞれ、突っ込みどころ満載で、楽しく時間を過ごすことができた。18禁コーナー。理性の皮をはぎ取って、本能が露わにされてしてしまう。大きな声では決して好きだといえないが、こっそりとにんまりしてしまうという自分の「嫌らしさ」があぶり出されてしまう。新作の「電信柱、カラス、その他」は衝撃的だった。どうしても震災直後の街を想像してしまう。「ジャングル・オブ・フラワーズ」は、一歩間違えば、スプラッターなんだけれども、血や肉の代わりに花々やキャンディが飛び散り、そうはならない工夫が面白い。しかし、小腸の部屋に入ったときはその毒々しさに絶句した。
2013年01月14日
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1月7日(月)19:30~ 「白隠展」主催者の山下裕二先生、広瀬麻美氏とTakのトークショー&特別鑑賞会。私が白隠について知ったのは、六本木ヒルズの日本美術が笑う展で見た布袋すたすた坊主や観音だった。ということは今から6年前か。だから、「白隠=笑い」という概念がインプットされていたのだが、今回の展覧会では、迫力ある達磨像などに圧倒された。Bunkamuraの空間だからこそ、すんなりと収まってゆったりと眺めることができるのだが、寺院の展示だったら圧巻だという話もあった。白隠の自画像もあるのだが、とても怖い顔をしている。そんな顔の持ち主と描いたユーモラスな絵のギャップに驚く。この周囲にずらっと達磨和尚が展示されている開場は、六角形の形をしている。今や渋谷のパワースポットとなっているそうだ。それにしても、Bunkamuraザ・ミュージアムは、重要文化財、国宝の作品を展示することができないということ。白隠の絵に重文、国宝がなくてよかったと思った。
2013年01月10日
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「森と湖の国」というノスタルジックであり、かつ美しい響き。そんな言葉にピッタリなガラスの器の数々。作家の名前は知らずとも普段使いのものから、芸術作品まで、その透明感あふれる姿形に思わず見とれてしまった。 我が家でも普段使いにしてみたいものだが、江戸切子とどちらがいいか、はたと迷うところである。
2013年01月09日
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平成25年1月2日。毎年恒例の東博もうで。昨年は清明上河図人気で大変な人出だったが、今年はさほどの混雑ではなかろうと考えたけれども甘かった。東洋館のリニューアルオープン人気だろうか、やはり大盛況を呈していた。 今年は何と言ってもこの東洋館。本当にきれいになった。エントランスホールを越えて中国の仏像コーナーに進む。照明を落とした暗闇の中に多くの仏像がくっきりと姿を浮き上がらせる。法隆寺宝物館と同じような幻想的な雰囲気に息を呑んだ。この雰囲気が5階まで続く。帰宅後、地階を見逃していたことに気づいた。次回、円空展の際に再確認。 本館の国宝「松林図屏風」。毎年、見ているように感じるのだが、実は3年ぶりの展示とのこと。見る側の心理状況によって、見る姿を変えていく前衛絵画のよう。今年は非常にあっさりとした松林に見えた。さて、今年の運勢は?
2013年01月09日
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遅ればせながら、昨年見た展覧会のベスト10をアップします。とにかく、ブログ書きをさぼっていたので、あいまいな記憶の中から思い起こします。1 明治大正時代の日本陶磁 茨城県陶芸美術館 宮川香山の愛らしい猫の壺のちらしに惹かれて出かけた展覧会。超弩級の陶磁器の数々に圧倒された。伝統と革新。ジャポニズムの力をまじまじと見せつけられた。2 生誕100年松本竣介 世田谷美術館「立てる像」の凛とした姿がまぶたに焼きついて離れない。今回、日曜美術館で聴覚を失っていたという事実を初めて知り、戦時中の東京の光景を描き続けた理由がよく分かった。3 マウリッツハイス美術館展ながらく待っていた「真珠の耳飾りの少女」。6月30日が待ち遠しかったこと。初日、開場1時間前のあの大混雑が懐かしい。4 蕭白ショック 千葉市美術館ボストン美術館展で蕭白を思いっきり楽しんだのだが、こちらでさらにパワーアップ。蕭白の描く奇っ怪な人物に萌える。5 ボストン美術館展 東京国立博物館 とにかく絵巻物の前の大混雑には閉口したが、蕭白、等伯、光琳の屏風に魅了された。6 リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝 国立新美術館ルーベンスの娘、クララの肖像を背景に「ようこそわが宮殿へ」というコピーのちらしが秀逸。バロックサロンのような大掛かりな空間を表現できるのは、やはり国立新美術館ならでは。7 靉嘔 ふたたび虹のかなたに 東京都現代美術館虹色一色というわけではなかったが、あの大きなスペースを使っての展示は楽しかった。いまだ現役というところに拍手。8 須田悦弘展 千葉市美術館作品数これだけ?とも思ったのだが、これだけスペースを贅沢に使って、アートの楽しみを教えてくれた須田さんに拍手。同時開催の「須田悦弘による江戸の美」で、ライティングの工夫で鮮やかにきらめく三代豊国の浮世絵にため息。9 船田玉樹展 練馬区美術館近代美術館で見た、日本画の前衛展で知った画家。前衛と言われればそうかもしれないが、伝統に裏打ちされた美しさに感服。10 篠山紀信展 写真力 東京オペラシティアートギャラリー会期末ギリギリに見たのでまだ記憶に新しい。時代を超えて、死者も生者も同一空間でほほ笑む不思議。私の時代のポップな写真家は、やはり激写の紀信だと実感。番外1 大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ今年もまた新潟の山々巡りを楽しんだ。念願のタレルの「光の館」に行くことができ、感激。ボルタンスキーの「No Man's Land」に非情さを感じる。2 直島 家プロジェクト 地中美術館こちらもタレルの「南寺」、地中美術館の「オープンスカイ」が強烈。地中美術館のウォルター・デ・マリアの大きな球体から、大きなパワーをもらった。また細々と書きますのでよろしくお願いいたします。
2013年01月09日
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