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田中一村は画壇には出ず70年間の画家生活を送り、1977年に奄美大島で無名のまま亡くなりました。没後にNHK日曜美術館等で取り上げられ、爆発的に人気の出た日本画家です。ゴッホやモディリアーニのように生前は無名で没後人気の出た画家ということでドラマ性もあります。このような日本の画家でもう一人思い浮かぶのは高島野十郎です。両人とも一時、千葉県に住んでいたという共通点もあり、けっこう身近に暮らしていたのだなぁと親近感もわきます。田中一村は奄美大島での南国風景を描いた細密画で人気が出ました。今回の展覧会では、それに該当する作品は「アダンの海辺」の一点しかありません。この「アダンの海辺」は素晴しいの一言ですが、一村の代名詞でもある奄美大島での作品がもう少し見たかったです。(色紙等の小品はありましたが)この点が少々物足りなく感じたのですが、全体的には神童といわれた少年時代から晩年までの田中一村という画家の画業をたどる面白さはありました。初期の頃の南画、身近な人にあげた色紙、本人撮影の写真、仏画、着物帯など一村関係のいろいろな作品・資料が展示されており、一村の研究発表の成果発表の展覧会かなという感じもしました。常設展では一村が退学した東京美術学校で同期だった東山魁夷や橋本明治の作品がありました。もし一村が2か月で退学しなかったら東山魁夷と同様、国民的画家となっていたのだろうかなど想像しながら眺めていました。(1/16)
2021年01月19日
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副題の「血が、汗が、涙がデザインできるか」は、すごい言葉です。ご本人の言葉だそうですが、まさに現場で命を懸けた人との言葉です。この展覧会を見るまでは、石岡瑛子についてほとんど知らず、パルコ関係のデザイナーかなとばかり思っていたのですが、とんでもありませんでした。自分にとっても意外に身近なところで馴染んでいたのだなぁと気づきました。資生堂の前田美波里のポスターは覚えていませんが、70年代に入った頃のパルコの各種ポスターには記憶があります。角川書店の文庫本の北山修の「さすらいびとの子守唄」は中学1年の時、初めて買った文庫本でした。あの雲の写真。まさに思春期の入り口に立ったころの心のときめきを思い出します。五木寛之の「戒厳令の夜」のカバーデザインにも心打たれた思い出があります。山本海苔の箱もマキシムコーヒーのラベルも彼女の仕事だとはまったく知りませんでした。さてこの展覧会、マイルスのTUTUのジャケットのコーナーあたりから、展覧会の展示スタイルも大きく変わり面白くなってきます。音楽、映像、舞台、衣装を中心とした立体的で迫力のあるコーナーが続きます。ちょうど作家が日本からニューヨークに活動拠点を移した頃です。アジアと西洋をミックスさせたような奇抜な衣装が刺激的です。シルク・ドュ・ソレイユのコーナーは、実物の衣装と多角的な映像で臨場感たっぷりで素敵でした。映画「ザ・セル」「落下の王国」は未見なのでぜひ見ようと思いました。(1/3)
2021年01月08日
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作家の回顧展とでもいえるでしょう。初期から最新作の彫刻、ドローイングや創作活動の傍らに作ったおもちゃ、メモ類。そして両親や弟さんの描いた絵などが展示されていました。まさこの作家のすべてを伝えようとする展覧会でした。やはりこの作家は、初期の頃の作品が好きです。すぐ隣にいるような身近な人物の胸像の彫刻。鑿の跡には何とも言えない温かさを感じます。その永遠を見つめるような眼差しが好きです。やがて両性具有のスフィンクスのシリーズなど異形の作品に移っていきます。これらの彫刻を見て思い起こすのは異形の仏像の姿です。最新作の「スフィンクスには何を問うか?」は動物のオカピのイメージで腹部の彩色がされています。どこかあっけらかんとした姿はとてもユーモラスでした。(12/26)
2021年01月08日
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1階は国内の古伊万里の名品の展示となっていました。展示リストによるとほとんどが佐賀県立九州陶磁文化館の所蔵品でした。ここは有田にある施設とのことで、一度出かけてみたいところです。さすが現地の美術館から銘品を運んできただけあって見ごたえのあるお皿が多く楽しめました。2階が展覧会メインとなるウィーンのロースドルフ城から運んできた古伊万里です。ロースドルフ城には古伊万里などの陶磁器が数多く収集され飾られていました。第二次世界大戦中、地下室にまとめて隠してあったのですが、城を接収したソ連軍に発見され破壊されつくしてしまったそうです。その破片と修復されたお皿や壺が展示されていました。どうしてそんなことが起きたのでしょうか。想像するにソ連軍の兵士が面白がって割りまくったのではないかと思います。形あるものを破壊する快感を味わいたかったのでしょうか。素晴らしいことはこの破片をそのまま「戦争の悲劇」としてそのまま保存展示していたことです。そして、それを偶然知ったことで、古伊万里再生プロジェクトが始まり、今回の修復展示となったそうです。修復の過程などもよくわかるように紹介されており、そちらの方も興味深く見ることができました。(12/26)
2021年01月08日
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12月の読書メーター読んだ本の数:14読んだページ数:4552ナイス数:259ミステリーな仏像の感想奈良・平安・鎌倉時代の見慣れた仏像とは異なり、異形の姿に惹きつけられる。でもよく考えれば、もともと仏像自体が異形なものなのだということに気づく。本書の写真だけ見ていても楽しいし、近場の仏像は実際に見に行きたくなる。読了日:12月02日 著者:本田不二雄中国行きのスロウ・ボート (中公文庫)の感想カバー写真の著者が若い!表題作、学生時代に出会った女性とのすれ違いが痛い。あの時、あんな失敗をしなかったらと、青春時代の悔いを思い出す。カンガルー通信はタイトルからはちょっと想像できないサイコパスの物語。読了日:12月04日 著者:村上 春樹「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考の感想面白かった。まさにアートを使って「13歳に戻って、思考OSをアップデートする」ためのツールとなる本だった。同時に現代アートの流れもよく理解でき、アートの鑑賞方法も再確認できた。読了日:12月07日 著者:末永 幸歩ハゲタカ(上) (講談社文庫)の感想ドラマとしては面白い部分があるのだが、金融経済に疎いので今一つ背景が分からないのが悔しい。後半は主人公の謎が解けそう。読了日:12月10日 著者:真山 仁ハゲタカ(下) (講談社文庫)の感想このシリーズ、ドアーズのジ・エンドの一説がエピグラフに使われていてどんな破滅が待っているのかと期待感?があったのだが、何となくハッピーエンドの予定調和的に終わってしまった感じがした。to be continuedとあるので、次作に期待。読了日:12月13日 著者:真山 仁美しの首 (ビームコミックス)の感想この作者の緩く美しい線の絵が大好きです。「安寿と厨子王」はよく知った話とまた別の地獄極楽の幻想的な物語。堪能しました。読了日:12月14日 著者:近藤 ようこタルト・タタンの夢 (創元推理文庫)の感想フレンチには馴染みがなくてほとんど分からない単語ばかりだったが(ギャルソンんもウェイターのことだと知らなかった)この本を読んで、無性に出かけてみたくなった。料理の裏に隠された相手を思う気持ちを推理する話が好き。←『割り切れないチョコレート』は料理ではなかったが。読了日:12月15日 著者:近藤 史恵まだ温かい鍋を抱いておやすみの感想食べることをテーマにした短編集。何となくほっこりとした作品集だろうとイメージして読んだら、そうではなくかなりシビアな話が多かった。なかなか複雑な人間関係の機微が描かれており、理解できない部分もあった。「ポタージュスープの海を越えて」の母親を早く亡くした主人公は著者自身の体験から描かれているのだろう。ちょっと不思議な夢物語で引き込まれた。ラストの「大きな鍋の歌」、男の友情や家族の在り方などいくつかの視点から描かれた物語でとてもよかった。読了日:12月17日 著者:彩瀬まる家が呼ぶ --物件ホラー傑作選 (ちくま文庫)の感想生活の基本要素、衣食住の中でいちばんホラーになるのはやはり「住」ですね。子どものころ近所の廃屋にお化け屋敷だと思って侵入した記憶がよみがえります。今でも近所にゴミ屋敷があったりして、家そのものが持つ不気味さとそこに住んでいる人のことを思うと怖くてたまりません。「ルームシェアの怪」の家などどこかにありそうです。中学生のころ初めて読んだ「くだんのはは」、何度読んでも傑作です。読了日:12月18日 著者:神の雫 ワイン知ったかBOOKの感想フランスワイン・基本のキ!、一夜漬けでもこれだけ覚えられません。「基本のキ!」のさらに基本を学ばなければなりませんので。でも素人に分かりやすくしようと考えていることには共感します。読了日:12月19日 著者:亜樹 直まほりの感想古文書関係、難行苦行。民俗学、社会学、歴史学の蘊蓄はサクっと流して、本筋のストーリーだけ楽しんだ感じ。しかし疲れました。読了日:12月23日 著者:高田 大介注文の多い美術館 美術探偵・神永美有の感想作品の真贋が味覚で分かってしまう美術探偵と友人たちのイヤになるくらいの迷走ぶり。そしてサクっと事件を解決する小気味よさ。うんちく話はめんどくさいものもあったが、ラスト神永美有が美術探偵になる秘密も分かって満足。読了日:12月25日 著者:門井 慶喜山内マリコの美術館は一人で行く派展 ART COLUMN EXHIBITION 2013-2019 (Bros.books)の感想同時代に展覧会を見ており、楽しく懐かしく読みました。自分は展覧会ブログを書く際、なるべく良いところをみつけようと思っているのですが、著者の歯に衣着せぬ辛辣な批評には感心しました。レアンドロ・エルリッヒ展とか東博の展示方法なんか、言われてみればその通りです。逆に愛着のある展覧会へのコメントには心打たれます。南方熊楠、成田亨、茂田井武・・・。しかし、マリーローランサンがレズビアンだったとは初めて知りました。読了日:12月25日 著者:山内 マリコ三匹のおっさん ふたたび (新潮文庫)の感想たまには心温まる本が読みたいと思い、この続編を。主人公も同世代だし。しかし「最近の子ども~」だけでなく「最近の年寄りは~」と言われるような世知辛い世の中。身近でもよくある話が出てくるが、本の中ですっきり。読了日:12月28日 著者:有川 浩読書メーター
2021年01月05日
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