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2010年スーパーGTに“黒船”襲来!*黒船を意識させるためホンダのホームページから発表直後のカーボンボディのHSV-010GTのフォトを借用いたしました。日本で最初のレーシングコンストラクターといっても過言じゃないホンダが満を持して送り込むFRレースカー“HSV-010GT”ホンダが手がけただけあって運動性能の潜在力は高く、予選で際立つ速さはNSX譲り。一方で、デリケートな部分もそのまま受け継いでいるような部分も見え隠れしています。路面が濡れたときのタイア・チョイスを含めたセッティングの当たり外れの大きさも、ダウンフォースが充分な時の競争力とダメダメなときのタイム差なども、ストレートスピードが伸び悩む点などもNSXの血統か?黒船といえば・・・竜馬とペリー。Ray「僕は黒船詣でに参りました。今年こそシリーズタイトルを狙っていきたい。そこでやってきたのが黒船美術館のある伊豆下田の了仙寺」Ray「あれ?!?!ペリーって西郷さんに似てませんか?」Q ここのところシーズンを通しての成績が低迷していますね。今季の勝算は?Ray「負けることを前提にレースはしませんから勝算はともかく、最終戦までタイトル争いに加わる戦いをしたいです。今季は2人ともドライヴァーが変わるので変化をチャンスと捉えて、とにかくプッシュしていきたい。ARTA君とREAL君、そしてEPSON君には絶対に負けたくありません」Q タカちゃんには負けてもいいの?Ray「あそこはワークスですからね・・・。ドライヴァーも本命中の本命を揃えてるし。でも彼らがトロトロやってたらもちろんブチ抜きます。伊沢君もそう思ってるでしょ。昨年までお世話になっていたティームへの恩返しといえば超えていくことですから・・。ところでHSV-010GTって、来年のモデルはHSV-011GTになるんですか?」Q 昨年、僅差でタイトルを逃したARTA君は“黒船”に関してどんな印象をお持ちですか?ARTA「どうって・・。とにかく走らせてみないと解んないでしょ、クルマなんて・・・。まだ充分にマイレージを稼いでいるわけではないので路面や気温変化なんかへのアジャストが完全ではありません。前後のダウンフォースのバランスもまだまだです。そのあたりが上手くいくともうちょっと最高速も伸びそうなんですけど・・」Q モチベーション高そうですね。ARTA「もちろんです。HSVにチェンジしてからのホンダの初タイトルはARTAが実現させます。それより、どうしてラルフと井出のコンビなの?!?!あんまり合わない気がするんだけど・・・。1年だけのコンビになりそうだよね」Q Ray君がARTA君にだけは負けたくないと言ってましたが。ARTA「それは僕も同じ。Ray君にだけは絶対に負けたくありません。ていうか、Ray君には絶対に負けませんよ」EPSON「帰れソレントへ・・。ナポリの海が呼んでるな~」Q 船乗りとしてみた“黒船”HSV-010GTの印象は?EPSON「ロングノーズ、ショートデッキでフロント・ミッドを意識してるから操縦性はわりと良いですよ。でも、うちは他の4ティームと違ってDUNLOPユーザーでリソースが共有できないから開発が遅れてしまいます。SCと同じFRになったとは言っても重量配分や特性が違うから参考にならないし。おっと、俺としたことが言い訳してる。言い訳するぐらいなら奴らよりももっと乗り込まないとね」Q 道上君が教える最後のドライヴァーになるかも知れない中山君、2人の相性はどんな感じ?EPSON「どうでしょうね。でも、同じマシンに乗ってりゃ乗り方をアジャストしなきゃならないから近づいていくんじゃないですか。そんなことよりも先生、EPSONの歌舞伎顔デザインどうですか?デザイン的にちょっと微妙な感じしませんか?もっとブラビッシモなデザインに出来なかったのかな・・。おっと・・また愚痴ってるな俺・・・」REAL君が見当たりませんが・・・REAL「はん?」おお~こんなところに。Q REAL君は今季どんな感じですか?REAL「どうもこうもありませんよ。僕だけKEIHINカラーになってないのはどういうことですか?昨年だって塚越君が結構良い仕事したっていうのにまだ僕だけ初期のREAL Racingのカラーのままですよ・・・。ブツブツ・・・」Q ・・・・・REAL「まさか今年は新調してもらえるんでしょうね・・」Q 僕に言われても・・・。新調してもらえるように派手に活躍してみてはいかがですか?REAL「どうかな~。活躍しても僕は一番最後じゃないのかな」Q なんだか後ろ向きですね・・・REAL「僕としてはさ、絶対にNSX-GTのほうが良かったんだよな~。相性っていうか、僕の乗り方にはピッタリだったんだよね・・。残念だよ。もう一回そこの店で飲みなおすかな・・・」Q 飲みなおすってREAL君・・・。そのお店の名前重いな~。引きずってる??さて、エースのタカちゃんはと・・・。Q どうしてそんなに辺りを気にしてるんですか?TAKATA「なにやら殺気を感じませんか?」Q 特には・・・TAKATA「僕の思い過ごしですか。」Q ところでタカちゃん、今季のマシンはいかがですか?TAKATA「黒スーツのロックスターも気に入ってたんですけど、また白に戻りました。今年はウィダーがメイン・スポンサーでカラーを一新したのでより一層精進して、サポートしてくださるスポンサーの方々のために結果を出せる走りを意識したいですね」Q さすがのコメントですね。調子のほうは?TAKATA「小暮君とロイックさんのペアですからまったく問題ありません。2人の調子にマシンがついてきてくれて、熟成がスムースにすすめばおのずとタイトルを狙えるポジションにつけられると思います。今年の8月で故本田宗一郎最高顧問のご逝去18年目です。幸い僕たちは2007年にNSXでタイトルを獲ることができましたが宗一郎氏100歳のメモリアルイアーからは1年遅れてしまいました。これからは節目節目でキチッと結果を出して、故最高顧問に勝利を捧げたいと思います」そのころ・・・・「オオヅツ遊びにも飽きたし・・そろそろ俺もいこうかな・・・」「つかぬ事をお伺いいたしますがタカちゃんという純白の品の良いユキヒョウを見かけませんでしたか?」「そういえば、向こうの橋の欄干でインタビューに応えていたような・・。ところでアナタは黒豹さんですか?」「ご丁寧に教えていただきありがとうございます。ちなみに僕は黒豹ではありません。オロチと言います。今後お見知りおきを・・・」「ここは黒船が来航した下田。色んなヤツが尋ねてくる。世の中まだまだ面白い」TAKATA「やはり殺気が高まっている・・・。どこからくる?!?!」Q ・・!!!!TAKATA「りゃっつ!!」Q なんですか?!?!TAKATA「ついに来たな!!」OROCHI「奇襲を受けとめるとは見事だな・・・タカ!」TAKATA「何者だ?」OROCHI「オレの名はARMY GREEN the OROCHI」TAKATA「OROCHI!!オロチとはまさかあの!」OROCHI「そう・・・そのOROCHIから名を授かったんですよ」TAKATA「すげ~な・・・。そのうち、DBSとか、GT-RスペックVとか、599GTOとか、LS600hLなんて名前の刺客が出てきそうだ。キリがないな。しかも君は最新鋭のデジタル迷彩仕様ですか!で、何しに来たの?」OROCHI「オレは黒船の役目を仰せつかりました・・。新しい黒船としての役割です。手土産もある」TAKATA「手土産って何?」To be continued・・・(いつ更新できるか解りませんが・・できればカタルニア終了後に更新します)協力 Panther create studioご協力感謝いたします。今後もよろしくお願いいたします。
May 5, 2010
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今日は久しぶりにシューティング・レンジに出かけますのでこんな時間に更新です。“ラブFN”さんからいただいたコメントへの返信というか、さらに突っこんだ内容の更新です。ホンダが今季から投入したHSV-010GTの出現でスーパーGTは風雲急を告げる事態となりました。もっぱら開幕前はエンジンの統一化によるイコール・コンディションでの戦いが大いに注目され“ここ”にばかり誰もかもが視線を向けていましたが、蓋を開けてみればやはり僕にとっては予想通り。FNの戦いで新型エンジンの生みの苦しみを味わっているホンダ、トヨタのようなわけには行かないニッサン勢の苦戦。とはいえこれはニッサンにとっても最初から想定内にあること。FNに参戦していないニッサン勢がこれからどんなカタチでホンダ、トヨタを追撃するのか非常に楽しみです。開幕戦、天候に翻弄されたライヴァルたちのミスで手繰り寄せることができた#24の勝利にはラッキーストライクの香りが漂っています。今回の第3戦富士を見る限り、今季のニッサン勢はエンジン云々とかマシンの熟成などコンペティティヴな論点視点にスポットを当てる以前に落ち着いたレースができていないし、レース・ウィーク中すべてが空回りしているように見えます。これもFNにエンジンを供給していないニッサンの痛いところかもしれません。今季のスーパーGTはトヨタ系5ティーム。ホンダ系5ティーム。ニッサン系は昨季よりも減って3ティームに減少していますが、FIA-GT参戦のせいもあって中心となるNISMOティームのタイアをミシュランに変えたことが今季低迷の一端となってしまっているのは間違いありません。今のスーパーGTではタイア・メーカー変更直後から結果を出せるほど甘いカテゴリーでないことはサーキットに足を運んで観ている多くのファンが一番良く知っているからです。もう一つありますが、この問題は一番難しくニッサン勢が抱えるアキレス腱と言ってもいいかもしれません。スーパーGTは関係者やドライヴァーから「ハコのフォーミュラ」と形容されるカテゴリーです。しかしながら、技術的な観点から言えばハコのマシンがオープンホィールのフォーミュラとクロスオーヴァーすることは決してなく、限りなく近づくことはあっても交わったり重なることはないのです。それでも「ハコのフォーミュラ」の形容がなくならないのは、テクニック、すなわちドライヴィング・テクニックやスキルにおいてはフォーミュラとほぼ同等のものが要求されるからに他ならないからです。ここに視点を向けると今季のスーパーGTの勢力図がはっきりと見えてきます。現在のポイント・ランキング順に各ティームのドライヴァーを並べてみます。#1 脇坂寿一 TOYOTA アンドレ・ロッテラー #6 伊藤大輔 TOYOTA ビヨン・ビルドハイム#35 石浦宏明 TOYOTA 大嶋和也#38 立川祐路 TOYOTA リチャード・ライアン#18 小暮卓史 HONDA ロイック・デュヴァル#24 JP・オリベイラ NISSAN 安田裕信#100 伊沢拓也 HONDA 山本尚貴#17 金石年弘 HONDA 塚越広大#12 松田次生 NISSAN ロニー・クインタレリ#39 アンドレ・クート TOYOTA 平手晃平#8 ラルフ・ファーマン HONDA 井出有治#23 本山哲 NISSAN ブノワ・トレルイエ#32 道上龍 HONDA 中山友貴第3戦終了時点でのランキング順に並べ、このデータに今季のフォーミュラニッポンでのシートデータを加えて列記すると下記の表のようになります。スーパーGT メーカー FN ティーム Egサプライアー#1 脇坂寿一 TOYOTA シートなし アンドレ・ロッテラー TOYOTA #36 TOM’S TOYOTA#6 伊藤大輔 TOYOTA シートなし ビヨン・ビルドハイム TOYOTA シートなし#35 石浦宏明 TOYOTA #8 LeMans TOYOTA 大嶋和也 TOYOTA #37 TOM’S TOYOTA#38 立川祐路 TOYOTA シートなし リチャード・ライアン TOYOTA シートなし#18 小暮卓史 HONDA #32 Nakajima HONDA ロイック・デュヴァル HONDA #1 Dandelion HONDA#24 JP・オリベイラ NISSAN #19 IMPUL TOYOTA 安田裕信 NISSAN シートなし#100伊沢拓也 HONDA #2 Dandelion HONDA 山本尚貴 HONDA #31 Nakajima HONDA#17 金石年弘 HONDA シートなし 塚越広大 HONDA #10 HFDP HONDA#12 松田次生 NISSAN シートなし ロニー・クインタレリ NISSAN シートなし#39 アンドレ・クート TOYOTA シートなし 平手晃平 TOYOTA #19 IMPUL TOYOTA#8 ラルフ・ファーマン HONDA シートなし 井出有治 HONDA #16 無限 HONDA#23 本山哲 NISSAN シートなし ブノワ・トレルイエ NISSAN シートなし#32 道上龍 HONDA シートなし 中山友貴 HONDA シートなしニッサン勢のFNでのシート獲得率が低いことに気づかれるでしょう。スーパーGTでニッサンをドライヴしていてFNでシートを獲得しているのはJPだけで、他の5名はFNでのシートがありません。ここにサプライアーの意志が全く介在していないと言い切れるでしょうか?JPが獲得したIMPULのシートも本来ならウィリアムズのシートを喪失した中嶋が乗る可能性が大きかったはずです。サプライアーとて、今では単なるサプライアーではありません。トヨタも供給するからには条件を出す。そのくらいの意志が介在しても不思議はありません。スーパーGTでのニッサン勢は3ティーム(NISMO、IMPUL、KONDO)すべてのエントラントがまったく違うメーカー(ミシュラン、ブリヂストン、ヨコハマ)のタイアを履き、FNで試せない新しいエンジンを使い、さらにFNを走っているドライヴァーがいないのでフィードバックが充分に得られないというトリレンマに陥っています。不景気の影響はこういう部分に影響を及ぼします。ティームがティームの意思だけでシリーズを戦い動かすことが出来なくなっていきます。FNで走っているドライヴァーを抱えていないからスーパーGTのチャンピオンは獲れない・・という意味ではありません。むしろGT純粋培養のドライヴァーのほうが際立った速さを見せることもあります。しかし、FNと共通のパワーユニットに変更するというレギュレーションに変更された時点でこういう傾向が現出するであろうことは解っていたのです。僕はニッサンがFIA-GTにGT-Rをエントリーさせる決断を下したのはこのことと無縁ではないような気がしています。FNにエンジンを供給していないニッサンはGT-Rという最強のハコを有効活用し、ハコそのもの、あるいはパワーユニットそのもののポテンシャルが勝敗を分けるFIA-GTで技術力をアピールしようと思っているはずです。例えばレクサスがリリースするハイエンド・フラッグシップ・スポーツLF-AはスーパーGTに参戦するよりもV10というパワーユニットのポテンシャルを最大限有効活用することを考えればV8にヴァージョンダウンしなければならないスーパーGTに参戦するより、V10のままエントリーできるFIA-GTにエントリーするほうが適切です。発売前にニュルでのレースにエントリーしていることからもLF-AがFIA-GTへのエントリーを模索していることは間違いないはずで、ニッサンとしてはそれまでにFIA-GTでなんらかの結果を出したいはずです。レース界は今、激動の時代に翻弄されています。自動車メーカーも同様です。特に海外でのレース活動はかなり過酷です。このままでは日本のメーカーと彼らの技術力と頭脳のほとんどは中国や韓国などの特定の企業に買いまくられる危険性さえも出てきます。新車の発表や販売業績に一喜一憂している場合ではありません。水面下ではもっと危険な状態になっています。日本人一人ひとりがそれを強く自覚する必要がありますし、今、政権を握っているおバカな政党がさらに日本を弱体化させる可能性も無視できません。来年、再来年、僕が今憂慮していることが現実のものとして日本や日本企業を脅かしていないことを祈るばかりです。*急いで更新したので一覧表が見難くなっておりますがご了承下さい。それではみなさん良い休日を。
May 3, 2010
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今年は一度しかF1の開幕前展望を書いていませんが、3戦を経過した今も予想どおりだったな・・・と思っています。フェラーリは開幕のサクヒールこそ混乱に乗じて勝ち星を挙げることができましたが、荒れないレースでそれこそ淡々とレースが進む展開だと満タン時と軽い時との挙動格差が大きすぎるフェラーリはポジションアップに苦労しているように見受けられます。そんな中、よくも悪くも長年フェラーリに慣れ親しんだフェリペはそのピーキーなマシンにもいち早く順応し、セパン以外はポディウムを獲得する安定感を見せています。このあたりはフェルナンドよりもフェリペのほうが1枚も2枚も上手。フェルナンドは荒れた開幕戦の中こそ、チャンピオン経験者の勝負勘と嗅覚で1位をもぎ取りましたが、その後はピーキーなマシンに対応しきれていません。第3戦セパンは比較的順当にレースが進み、ドライヴァーのマッチングを含めたマシン特性が顕在化したレースと言えます。速さの基準はレッドブルが握っています。テクニカル・トレンドの方向性はマクラーレンがリードしています。メルセデスGPも速さは充分な競争力を持っていますがコースにアジャストさせることに苦しんでいます。給油がないのでフューエル・エフェクトを利用する戦術も使えません。コース上でポジション争いを決着させる必要がありますが、レースが荒れたときのティームやドライヴァーの判断もカギ。荒れたレースが多く、知将ロス・ブラウンの戦略を実現しにくいのもマイナス要因。まずは一発の速さを磨いて序盤のトラブルに巻き込まれないスターティング・グリッドを定位置化することも急務でしょう。フェラーリは速さこそあるものの、コースとのマッチングに当たり外れが多く、軽いタンクでのアタックと満タン時のアタックで違うマシンに乗換えたのでは?と見紛うほどの挙動変化がある点の是正は必須でしょう。重い時と軽い時とのタイアにかかる荷重を細かくシミュレートし、マシンの細かい重量変化や荷重変化に対応するため積極的にタイアを上手に使うことを目的として作りこんだフェラーリならではなのですが、今のところそれが裏目に出た感が否めません。ただ、フェラーリもこのまま看過するとは思えませんのでイスタンブールあたりまでにはまとめてくる可能性があります。それまでの間にレッドブルやメルセデスGPやマクラーレンがどれだけポイントを伸ばせるかが今シーズンの行方を決めると思います。これから上海、カタルニア、モナコ、イスタンブールと、マン・マシン・インターフェイスとマッチングがどれだけ進んでいるかを探れるコースが続くので今後はそちらに注目していこうと思っています。さて、話題は変わってスーパーGT。正直、開幕戦はがっかりした。というより悔しかった。一番速かったのに、気まぐれな天気に翻弄されて後退し、最後はホンダ同士でHSVが一度に2台も全損に近いぐらい潰れて戦線を離脱してしまったのですから。でも、そのつけを次の第2戦できっちり返すあたりがこの2人の凄いところ。かねてから僕はNSXでタイトルを獲りたければ絶対に小暮君とロイックさんを組ませるべき、とことあるごとにこのブログで言い続けてきましたが、今年は磐石。このことからもホンダがHSVに託す思いをうかがい知ることができます。故本田宗一郎最高顧問を追悼する際に特別編集された社内報ポールポジションに中村良夫氏のコラムが載っています。ホンダがF1に参戦することを宣言した昭和39年1月。僕はまだ生まれておらず、ホンダはこの時点で軽トラックT360と小型スポーツカーS500のラインナップのみ。そこで中村氏はマン島のTTレースで好成績を収めたらF1にチャレンジしてみてはどうかと提言すると故最高顧問はこう答えたそうです。「できるかできんかオレにはわかんねえけど、オレはやりてえよ!!」と。NSXの誕生にもこの精神がありました。できるかどうかはやってみなけりゃ解からない。これこそがホンダ・スピリット。NSXの意志を本当の意味で受け継がせるスーパースポーツを生み出すのならホンダは「デヴュー・イヤーのタイトル獲得」という至上命題をHSVに課しているはず。童夢やホンダ・レーシングのみなさん、小暮君、ロイックさんにはデヴュー・イヤーのタイトル獲得なんて「できるかできんかオレにはわかんねえけど、オレはやりてえよ!!」の心意気で、FRでもホンダはやれる!ということを証明してほしい。そうなったら僕にとってはオンもオフも2010年は物凄いビッグ・イヤーになります。頑張ってください。ホンダ・レーシング、童夢、M-TEC、そしてHSV-010のドライヴァーの皆様、心から応援しています。
April 11, 2010
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こんな時間に仕事をしているときがあります。何しろ、仕事をする相手が海外におります関係で時差なるものがございます。そのため、この時間に起きて仕事をすることもたびたび・・。不公平ばかりではありません。相手が深夜に僕を待ってくれている時もあります。今もかなり眠いのですが、眠気覚まし?にブログを息抜き更新。先日のトヨタ撤退の続きもありますが今日は深夜ですので小休止。最終戦もてぎで撮ってきた写真を公開。公開するほどのものではありませんが、写真を見るとやっぱり僕はNSXが好きなんだな~と実感します。なぜって?ほとんどがNSXの写真ばかりだからです。(笑)P.S.先日R8をドライヴしました。時間があったらブログで紹介します。リア・ハッチからのぞくエンジンがいかしてました。(笑)
December 9, 2009
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前回までで誤解を招いているかもしれませんがNISMOが自分たちのレースをできなくなったのはタイア戦略だけではありません。引き金になったのはむしろオープニングラップの1コーナーで#8があっさりとラップリーダーの座を#36に譲ったことでしょう。「譲った?」と思っている方・・・これはあくまでも僕なりに考えた結果ですのでご了承下さい。NISMO陣営としては1コーナーでいつも無理を承知で仕掛けるアンドレがラルフと絡んであっさりとチャンピオンを決めるのが最良のシナリオだったはず。ところがフロントに十分熱が入らない#8ARTA NSXファースト・スティント担当のラルフは無理をせずアンドレに譲り、ついていく戦法をチョイスしました。ここにもうひとつのトラップというか誤算が潜んでいます。初めて試された最終戦のノーハンディキャップ戦。しかも予想以上に低い路面温度。この部分に関してはまた後ほど・・・。「無理をするなラルフ!1コーナーはアンドレにいかせるつもりでいけ!」そんな指示が出ていたかどうかは定かではありませんが、そんな印象さえ持つ1コーナーの攻防でラルフはあっさりとインを明け渡しました。そしてこの位置がNISMO、とりわけブノワに早く2位まであがらないと・・・という焦りを誘発しました。追われるものと追うもの・・・。常に言われることですが、追うほうがラクです。しかし、この場合#1は追う側ではなく、チャンピオンシップ上では追われる側・・・・。レース・シチュエイションでは追う側・・・。その複雑な心理要素が招く焦り。焦りが生み出すレイトブレーキング。微量ながら早く開けてしまったり、大きく開けてしまうラフなスロットル・オープンなどがタイアにダメージを蓄積させるようになります。NISMOはこのとき追われること(チャンピオンシップ上の)の難しさを改めて痛感したでしょう。しかも#36の背後、すなわち2位につけるには#38、#6、#8の3台を安全にオーヴァーテイクする必要があります。ブノワがリスクを犯さずに3台のマシンをオーヴァーテイクする・・・。僕には極めて難しい条件に思えてなりません。彼の一発の速さは本物ですがオーヴァーテイク・スキルは決して高くはありません。ブノワがポール・トゥ・ウィンをすることは限りなく見ているけれど、追い上げてウィナーになるのはGTだけでなくFNでもあまり見たことがありません。まったくない、とまでは言いませんがそれだけ印象が少ないということです。下位から追い上げているときはマシンを潰してリタイアしているか浮上できずに下位に沈んでいます。ブノワ選手にポジション・アップを焦らないように指示を出して後半スティントを担当する本山選手とトータルでポジション・アップを図るように徹底させることが必要でしたが、今回の結果に終わったということはその指示は出なかったのでしょうね。そこまで指示を出さないと冷静にレースメイキングできずに猪突猛進してしまうドライヴァーはいかがなものでしょう?こういうドライヴァーですから、あまりにも単純すぎて今回のトラップは簡単だったでしょうね。本山選手とミハエル・クルム選手のコンビの時にはこんな陳腐な戦略は決して通用しませんでしたからそういう意味では敵陣営にとってはありがたい一面なのかもしれません。こうしてNISMOの#1は自滅の道を選択しました。タイアのデグラデーションというより、ライフを搾り尽くして壊し、それはホイールハウスやフェンダーも破壊し万事休す。こうなっては1年間万策を尽くして戦ってチャンピオンを目指してきたすべてを吐き出してしまいます。#1の自滅でもっとも安心したのは#36です。これも僕の推測に過ぎませんがホンダが唯一仕掛けるトラップがあるとすれば、#36を先行させることです。#8が逆転チャンピオンを狙うための条件は非常にタイトでした。これだけの点差を跳ね返し、さらに#1と#36にポイントを取らせないためには双方がリタイアし、#8が優勝。これが絶対条件です。ホンダはまず#36を先行させ#1に焦りを誘発させます。しかし、その前には#38と#6がいるので簡単にポジション・アップできないことはホンダも解っています。#8は1コーナーで#36に譲ってもピットストップ後に逆転できる作戦を採っていました。ラルフのスティントを長く取って伊沢君の負担を軽くするために4本交換できるタイムを稼ぎ出します。#1と#36は逆にファースト・スティントを短く設定していたのでセカンド・スティント後半のタイアの磨耗が厳しくなることは火を見るよりも明らかでした。そのために#1はセカンド・スティントを本山選手に託す必要があり、同様に#36もそういう厳しい状況下のスティントを脇坂選手に託すのがベストだと判断したのでしょう。そこが、#8が数少ないつけこめるポイントであったと思います。#1と#36はファースト・スティントに速さのあるドライヴァーを立てています。#8もファースト・スティントに速さも安定感もあるラルフを立てましたが、はまれば魅せてくれる伊沢君はセカンド・スティントを担当。タイアは万全を期して4本交換。しかもショート・スティントでタイアのデグラデーションも悪くはないはず・・・。実際、伊沢君のスティントは#36の前でピットアウト。脇坂選手のドライヴする#36がぐんぐん差を詰めたものの、そこは猪突猛進のブノワとはまったく違う脇坂選手。チャンピオンシップ争いを見極めて決して無理はしませんでした。#1が脱落していたので2位でも確実にシリーズ・タイトルを手中に収めるからです。ホンダ陣営にとっての誤算は#8以外のNSXが不発に終わったことと、#1がタイア・バーストしフェンダーを壊してしまうほどのダメージを被り、後方から追い上げて#36にプレッシャーを与えることができなかったことです。#1が自滅していなければ赤旗中断でさえも#1と#36が双方をけん制しあうチャンスを再度作ることができる可能性さえありました。事実、赤旗再スタートではフロントの温まりが悪いNSXが#36にひっくりかえされると思っている方が大半だったかもしれませんがリスタート後、伊沢君がある程度熱を入れられれば“逃げ切れる”と僕は思っていました。理由は簡単です。伊沢君がピットアウトした周回数ほうが遅く、上位陣の中では最も新しいタイアなので表面コンパウンド硬化を最小限に抑えることができ、リスタート後のグリップダウンが一番少ないことが考えられました。。しかし、#1が脱落した時点でチャンピオンシップは#8から逃げていきました。#8がチャンピオンを獲るには#1と#36が争ってもつれ共にタイアを壊して脱落するか?もつれてコースオフするか?ぐらいしか可能性がなかったからです。~続く~
November 15, 2009
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ARTA NSXのルーフに刻まれた本田宗一郎氏直筆書体の「ありがとう」の文字。やはりこういうところがARTA。生粋のレーシングスピリットを持つティームです。多くの関係者に愛され大切にされたNSX。13年間ごくろうさま。そして本当にありがとう。Our dreams come true~ホンダの夢よ、NSXを愛した人たちよ永遠なれ・・・またいつの日かその夢の再来が我々にときめきと悦びをもたらさんことを願って。第2回 テンプチャーレンジが作り出した誤算トヨタもホンダも予選の段階で、ライヴァルのNISMOに対して巧妙な罠を仕掛けています。NISMOはトヨタ陣営からかなり用意周到な罠というより包囲網を仕掛けられました。その包囲網に罠が仕掛けられていることにNISMOが気づかなかったのだとしたら、連覇する資質があるティームではありません。トヨタとホンダが仕掛けた巧妙な罠は“11月のもてぎ”戦でなければ実現しないシナリオでした。そう。例年どうり9月開催のもてぎでは実現しないシナリオがそこにありました。もともとヴィークルダイナミクス面での完成度に??がいくつもつくニッサン勢はクルっと曲がって立ち上がる・・・を繰り返すもてぎを苦手としています。昨年、救済+2のGT-Rが完勝したせいでもてぎに対する苦手意識が消えてしまっていたことも今回の罠を仕掛けるには効果的であったかもしれません。昨年のもてぎでの完勝がニッサン勢から「最終戦もてぎ」の重要性や特殊性を見失わせたのかもしれません。11月のもてぎは残暑厳しい9月のもてぎとは比較にならないほど寒く、エンジンのオーヴァー・クール対策を始めタイアのテンプチャーレンジの見極めだけでなく、タイアをしっかり使うためのジオメトリなど、やらなければならないことがたくさんあります。スタッフは暖機に特に注意を払うはずですし、ドライヴァーは冷えすぎて内圧が上がらないタイアの温めに四苦八苦することも想定の範囲です。さらに厄介なのが、もてぎのコースレイアウト。もてぎもエアロダイナミクスは重要ですが特に無視できないのは足や制動力などのクルマとしての基本性能の高さです。短い直線と直線の間にコーナーがある単純なレイアウトながら、アップダウンのアンジュレーションがあり、路面もうねっていたりするため小さなダメージが蓄積していく厄介なコースです。タイアにとってもきついコースのひとつ。しかも11月の寒いもてぎ。テンプチャーレンジを外しやすくなることは容易に想像がつくのですが、どのティームも思っていた以上に低い路面温度に翻弄されGT-R勢の勢いは序盤のみ。中盤から後半にかけては自らタイアを壊し後退するかペースがあがらずにポジションキープがやっとという印象。これには250kmレースというレース・マイレージの罠もあったでしょう。例年のもてぎラウンドは300kmで争われ、今年はそれが50km短縮され250kmになったために、タイア性能の余力をグリップ方向に振ってしまった陣営やティームはそれだけで厳しくなるのは必至です。本来なら唐突な気温変化に対応するために作動温度領域性能対策を実施すべき。こう書くと一元的にしか考えられないエンジニアはすぐに新規タイア開発に直結させてしまうのですが、それでは競争力を生み出すアイディアなど生まれません。エンジンや補器類などが発する高温放熱などをホイルーハウス内に逃がすことなどでタイアの作動温度マネジメントを考えていかなければならないほどタイアの開発競争は進んでいます。クーリングだけでなく季節によってはタイア作動温度コントロール性能にも着手すべき時期に差しかかっています。しかしながらスーパーGTはタイアウォーマーの使用が禁止されているので、マシン構造そのものにウォームアップ用のシステムを搭載することはレギュレーション上難しいと思われますが、こういった部分の細かい技術競争は日本メーカーの国際的な競争力維持のためにもフリーにすべきと考えています。予算削減という錦の御旗のもと、開発力という牙を抜かれた日本を代表するホンダやトヨタがF1においてパッとした戦跡を残せないまま撤退するという不名誉な足跡を残しました。 さて、テンプチャーレンジ関連とは少々離れますが最終戦もてぎの予選はノックダウン方式。Q3に進んでいるティームは決勝でも同じタイアを履くことが義務付けられています。すなわちチャンピオンを争う3ティームは絶対に予選と同じタイアを履くはずです。これは最初から解っていることで、逆に言えばQ3に進めなかった段階でチャンピオン争いの権利を失うといっても過言ではないのでファースト・スティントを担うドライヴァーは前半で権利を失ってしまうような走りをするドライヴァー・チョイスはありえません。NISMOはファースト・スティントを本山で走ってギリギリまで引っ張り、ブノワに渡すべきでした。そういう考えはハナからなかったのならお話になりませんが、僕は予選の不振がNISMOを悪い方向へと導いてしまったのだと思いたいですね。こんな素人臭いレース・マネジメントしかできないティームがチャンピオンマシンを作っているとは思いたくありません。良いマシンを作ることと、良いレースをマネジメントすることはまったく別の能力で、ピット作業などの正確性などはNISMOは優れていますがレースの戦略性や戦術力には疑問符がつきます。ハッキリ言って幼稚。F1でも時として???と思うような作戦や展開を見せるティームがありますがNISMOも同じ。何故この程度のドライヴァーに大事なマシンとタイトル争いを預けているのかが解りません。~続く~P.S.コメントをいただいている皆様ありがとうございます。ブログ記事をアップしたり、書いたりする時間がやっとのことでレスできません。また、多くの皆様にお越しいただいておりますが時間がありませんのでこちらからのご訪問は難しい状態でございます。何卒ご容赦くださいますよう、よろしくお願いいたします。
November 11, 2009
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第1回 11月のもてぎに仕掛けられた罠NSX-GT公式戦参戦106戦目のもてぎラウンドは#8の戦略戦術が見事に功を奏してNSXのファイナル・レースを優勝で飾ることができました。13年間という長い歳月、NSX-GTを常に一線級のレースカーとして開発を続けたホンダ・レーシング、無限、童夢スタッフに心から感謝したいと思います。NSXオーナーとしてこれほど嬉しいことはありません。コンチネンタル・サーカスをラウンドするようになってからスーパーGTに足を運ぶ機会は無くなってしまっておりましたが“NSXファイナル”の09シーズン最終戦もてぎは絶対に行かねば!(笑)と考えておりました。ところが仕事はやはりてんこ盛り・・。行けないかな・・・と諦めかけたこともありましたが、なんとかスケジュールを調整しつつ仕事も頑張りながらもてぎラウンド観戦のための時間をこじ開けました。今年はトヨタ、ホンダ、ニッサンすべてのメーカーに1台ずつチャンピオンの可能性が残されていたために、もてぎのラウンドが始まる前からいろんな駆け引きが行われていたようです。詳しくは僕も解りませんが・・・。予めお断りしておきますが、これから僕が書くことはあくまでも推定です。レースを2日間多角的に観て検証しながら出した結論です。1回では終わらないと思いますので2回から3回ぐらいの更新になると思いますが、まだやらなければならない仕事がたくさんあるので更新時期は飛んでしまうかもしれませんがご了承下さい。トヨタ、ホンダが仕掛けた罠・・・その術中に見事にはまってしまったのがチャンピオンの最有力候補、ディフェンディング・チャンプを狙っていた#1でした。#1は焦らずじっくりと自分たちのレースができればポイントの面からも、マシンの競争力の部分からもアドヴァンテージがあるため最もチャンピオンに近い存在であることは誰もが疑わなかったはずです。しかしながら、僕はこのブログで常々・・・というよりもことあるごとに書き続けてきましたが、たった一人のドライヴァーのエゴにより最終戦の序盤で一年間積み上げてきたリザルトと努力をフイにする結果となりました。ブノワ・トレルイエ。僕は鈴鹿のスーパーラップでマシンを大破させた時にも辛辣な語調で書いたことがありますので、何年もこのブログにお越しになっている方ならすでにご存知のはずです。このドライヴァーは速いとか、熱いとか、上手いとか、肯定的な評価をされる関係者が多いのも事実。しかしながら、僕のようにこのドライヴァーを懐疑的に思っている関係者がいることもまた事実です。彼が上手くて速くて本当に欲しいと感じるドライヴァーならどうしてF1からお誘いがかからないのでしょう?F1ではなくても他のカテゴリーはたくさんあります。答えは明白です。一発の速さだけが強いドライヴァーではないからです。一発の速さはもちろん重要ですがそれ以外に必要なものがあることもあります。聡明さを感じられる上手さと狡猾さがなければチャンピオンの資質はありません。それこそがステップアップできずにいる理由に他なりません。速さという力は持っているもののそれ以外の資質がなくては決して魅力的ではありません。少なくとも僕にはまったく魅力的には映りません。彼よりもはるかに若いセバスチャン・ヴェッテルのほうが聡明ですし、断然上手く、レース・マネジメント・スキルも高いです。メディアも各陣営もここまでは書かないし言及しないだろうから僕は敢えて書きます。#1のGT-R連覇が確実視されていた今季、最終戦に望むトヨタ、ホンダの陣営が目をつけたウィーク・ポイントはこのブノワの短絡直情的なプッシュ走りだったと思います。*写真はリチャードではなく立川君かも・・・2周目、#38のリチャードの厳しいチェックでまんまとその罠にはまった彼はトヨタ陣営が書いたシナリオ通りの結末に向かって見境なくGT-Rを走らせ、タイアを酷使して運命の17周目を迎えます。2周目に仕掛けられた時限装置はカウントダウンを始めました。しかも、17周目という周回は一人のドライヴァー・スティントの最短周回として認められるか否かの微妙な周回。良い仕事をしたのはリチャード・ライアン。ブノワの後ろについたあとも1コーナーやダウンヒル・ストレート手前のヘアピン、90度コーナー、ヴィクトリー・コーナーなど右コーナーではブノワをプッシュし、タイアに負担がかかるように荷重をかけさせました。確かにNISMOやブノワの焦りも解らないわけではありません。TOMSが優勝してしまえば、2位に入らなければタイトルを逃すことは解っていますが彼らは忘れてしまったんでしょうか?もっと不利な状況をひっくり返して順位を上げているレースがあることを・・・。目先のことだけに縛られると大局的な見地での戦略戦術を失います。今回のNISMOはここですべてを失いました。続く~
November 9, 2009
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さて僕の前回の記事で多くの方々に指摘されている伊沢君に関して少しだけ書きましょう。 こんなことを書くと「甘い」と言われかねませんが、昨年はまだF3に乗っていた1年生ですので一つでも前にいけるならいきたいと思うのは当たり前だと思います。初優勝はどんなカテゴリーでも欲しいものですし嬉しいものですから尚のこと欲するでしょう。ですから今回の結果は極めて遺憾ではありますが伊沢君が「ルーキー」であることを踏まえれば彼の気持ちは評価したいと思います。 ただし、CASINO ROYALE7さんがおっしゃっているようにファンやサポーターの気持ちにもティームやドライヴァーは応える必要があります。人気があってナンボの仕事ですから。 彼は物凄い才能を秘めていると思います。これからどのくらい成長するのか解らないほどの可能性です。それをどう表現すれば良いか?僕なり考えましたが比喩は使わずストレートに表現します。 たとえばホンダのF1マシンとフォーミュラ・ニッポン(以降FN)のマシンとスーパーGTのNSX(以降NSX-GT)と3種類のマシンを1台ずつ用意します。これをそれぞれベストの状態で乗れるようにシート合せペダル合わせなどを施し好みの状態にセッティングしドライヴァーに乗ってもらいます。 乗ってもらうドライヴァーは伊沢君、小暮君、佐藤琢磨君の3名としましょう。1台ずつスーパーラップのように走ってラップを計測したらF1マシンでのアタックは琢磨君が圧勝しますが、それ以外のFN、NSX-GTでは琢磨君に勝ち目はないでしょう。そんな馬鹿な・・・と思っていらっしゃる方がいたら甘いです。甘すぎます。 FNもGTもF1とは明らかに違った乗り方が要求されるので琢磨君とはいえいきなり乗って小暮君や伊沢君を上回ることはありません。最低でも2~3戦程度の習熟を要します。間違いなくタイム的には小暮君や伊沢君のほうが上ですし、ベスト・タイムだけで争うのではなく全ての周回のタイムで争うなら伊沢君が小暮君を上回ることもあると思います。 ではNSX-GTでタイム・アタックではなくよーいどんでレースをしたらどうなるでしょう。残念ながら琢磨君は二人のペースにはついていけません。これもエ~~ッ!!という声が上がりそうですがF1のタイアのワーキング・テンプチャーとGTのワーキング・テンプチャーが全く異なりますし、タイア・ウォーマーが使えないGTでは琢磨君とてコース・オフ、スピン・オフしないように走るのが精一杯で小暮君と伊沢君に徐々に離される展開になるでしょう。 小暮君と伊沢君の一騎打ちになれば今はまだ小暮君に分があります。経験に由来するものです。つまりそういうことです。 伊沢君はスーパーGTやFNで戦う分には例え琢磨君相手であっても互角以上の勝負をするでしょう。しかし、レースで勝つということであったり、チェッカーまでマシンを導くというスキルにおいてはまだ発展途上でこれからのドライヴァーです。甘やかしはいけませんが、今は温かく見守ることも重要です。土屋エグゼクティヴ・アドヴァイザーがいる限りは問題ないでしょう。 何故、小暮君と琢磨君を引き合いに出したのかといえば伊沢君の成長次第ではこの2人を上回ることが十分考えられる才能を備えていると思うからです。 ですから今回の結果は伊沢君のせいというよりも各ティームにキッチリ指示しなかったホンダの問題であり、若い伊沢君をたしなめてセーヴさせることができなかったティーム側の問題であると考えられます。特にARTAは今季から童夢がメンテから手を引き昨年のような堅実さに翳りが見えます。僕は伊沢君の血気盛んさよりもどちらかと言えばきっちり機能していないように見受けられるチャンピオン・ティームであったり、それを上手く機能させなければならないはずの首脳陣の采配内容のほうが心配です。 その証拠に優秀なエンジニアやメカニックたちが戻ってきた童夢は今季取りこぼしが少なくなっています。僕から見た印象ではつまりそういうことなのではないかと感じています。 1000kmを含めて残り4戦。有効ポイント制を踏まえてももう取りこぼしは許されませんので1000kmはタイトルを占う上で重要なポイント・オブ・ノー・リターンとなるでしょう。 伊沢君、昨年デヴュウを果たした1000kmで今度こそつかめ初勝利。 皆さん、しばらくは伊沢君を見守ってあげて下さい。ローマは一日にして成らずです。
July 29, 2008
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またしても文字数オーヴァーなので2つに区切ります。 いつもこんな長文ものばかりで申し訳ございません。 今季のNSXは厳しいですね。 18号車TAKATA童夢NSX以外はノー・ウェイトに近い状態にも関わらず2007年モデルのような切れ味は見せられずにいます。一方、今回ポール・トゥ・ウィンを果たした18号車が50kgというウェイトを積んだ状態でここまで走れたのはなぜなのか?理由は案外単純なものです。 NSXは元々07モデルがライヴァル陣営よりも抜きん出ていたので08年当初から50kgの性能調整を積まされることが決定していました。ところが蓋を開けてみるとGT-Rがことのほか速くレースが成立しないためNSXとSCの性能調整をさらに調整して軽減しました。これによってNSXは物理的には軽くなったものの積む予定だった50kgを含めてパッケージングやレイアウトのアジャストを行って組み上げられたため、それを下ろして良いですよと言われるとバランスが崩れ総体的にはパフォーマンスが落ちるというジレンマに陥っています。 小暮君がポールを叩き出し、ラルフのプッシュを凌げたのも18号車は50kgを積んでいて、1号車は積んでいなかったからに他なりません。ここまで書いてもピンと来ない方がいらっしゃるかもしれませんのでクラリファイすると要するにNSXは50kgのウェイトを積んだときに理想的な運動性能を発揮するように作られているということです。ですから18号車のほうが安定していたわけです。 今回のSUGOの結果だけでNSXがウェイト積んでいても速いなどと思われて再度性能調整される事態になるともうレースはできなくなります。NSXが50kg積んでもそこそこ走れたのはこういった理由によるものです。一方でウェイト0kgや10kgっというNSX勢が情けないほど低迷しています。これは積んでいた性能調整を下ろし重量バランスが崩れたことでマスが変化し、ロールセンターなど重心位置変化に伴う弊害が克服できていないことを示しています。 これはGT-Rにもいえることです。GT-Rも積まされた性能調整を技術的な部分で消化できずに低迷しています。もともとGTの歴史の中でNSX以外のクルマで速すぎるからという理由で性能調整を課されたのはマクラーレンF1ぐらいでトヨタやニッサンは庇護されたレギュレーション下でぬくぬくとやってきたほうなのでウェイト対応策や技術に関してはホンダより遅れているでしょう。 速いマシンを作ることはできてもウェイト積むとヘロヘロになるのは何も今回のGT-Rに限ったことではありません。R34GT-Rの後期モデルから前面投影面積の削減や、フロント・フード位置を下げる工夫を施し低重心化やロールセンターの最適化のアジャストなどに尽力していますが毎年NISMOのマシンを見ていると思うのが低重心化とマスのバランスや落としどころをどのように決めているのか疑問に感じる点が多々あります。 例えばマスにしろロールセンターにしろエアロ・エフェクトが80%以上の領域と50%未満の領域では運動性能に及ぼす影響が変動します。さらにGTの場合はウェイトを積むので積んだウェイトに応じても可変します。そのなかで最適化、あるいは落としどころを探らねばならないのですが昨年のZにしても今季のGT-Rにしても一番いいところのパフォーマンスと、厳しいところのパフォーマンスに開きがありすぎるきらいがあります。このあたりに関してはトヨタも似たような傾向にありますがトヨタのマシンの場合はドライヴァーのスタイルとのマッチングがより重要になるだけにニッサンと同じ尺度で評価はできません。 ドライヴァーのマシンへの順応性が高くなればなるほどSCのポテンシャルを引き出せるようになりますがドライヴァーの間口が狭かったり、奥行きが十分ではないと立ち上がりや直線オンリーのマシンになってしまって十分な速さを発揮できずに終わります。こういった部分から、今季では38号車の立川君やリチャード、36号車の脇坂君やアンドレは他のSCとは違ったパフォーマンスを見せることができていると考えられます。他の陣営は救済が得られたときのチャンスを活かさないと勝負にならないほどSCのピーキーな性格を克服できていません。 こんな状況ですので今季のタイトル争いは混沌としています。ですが敢えて僕なりの展望を書かせていただければGT-Rのタイトル獲得は厳しくなったような気がします。 残っているラウンドでGT-Rとの相性が良いのは次戦鈴鹿ぐらいです。もてぎ、オートポリスは現在GT-Rが抱えている課題を全てクリアできたとしてもギリギリでスーパーラップに進出できるような状態にしかならないでしょう。最終戦の富士は昨年と今年のGWの第3戦を見ても解るように圧倒的にトヨタ勢が有利ですからいくらGT-Rといえどウェイト積んだ状態でガチンコ勝負すれば富士での勝ち目は乏しいと言わざるを得ません。 次戦鈴鹿は1000kmという距離で争いますから勝ってウェイトを積んでいる状態の22号車、23号車、24号車は鈴鹿では目がないといっても過言ではありません。あとは比較的軽い3号車か12号車が援護するために鈴鹿を獲るという選択肢です。しかしながら、今回SUGOを見て感じたのはこの傾向だと昨年の1000kmのZと同じように路面温度がカンカンに上がったときのGT-Rのパフォーマンスは期待できないような気がします。確かにマレーシアでは22号車と24号車が首位争いを展開していますがそれはライヴァル陣営の不手際やミスに助けられた側面も少なくありません。ADVANを履いた24号車は暑い中でも走る可能性が高いですが岡山国際の涼しい頃と違って真夏の鈴鹿は誤魔化しがききませんから、ライヴァルが自滅してくれない限りウェイト積んだ重いままでの連勝はGT-Rにはないでしょう。 続いてトヨタ勢。38号車は今回3位表彰台を獲得したのでウェイト増えますがドライヴァーは2人とも折り紙つき。マシン・トラブルさえなければ最終的にはポイントを獲得すると思いますがGT-Rと同じように軽いクルマがトラブルで消えない限り表彰台は微妙でしょう。ただ昨年の36号車のバクチのようなこともあるので1000kmは読みきれないでしょう。 続くもてぎ、オートポリスは旋回性能やブレーキ性能などの能力が高いクルマが有利になるのでNSXがかなり有利になります。特に鈴鹿の1000kmで入賞し、ウェイトを積んでくるティームはさらに有利になるのでもてぎ、オートポリスは1号車、100号車、32号車の奪い合いになることが予測されます。 そこにトヨタ、ニッサンがどこまで食い込めるか?ですがトヨタは38号車が本命。36号車は1000kmの出来次第でしょう。36号車が1000kmで38号車よりも順位で下回ることになれば積極的にオーダーを出すトヨタの中ではチャンピオン争いの権利を弱めることになると思います。 ニッサンは前半勝ちすぎたウェイトを効果的に下ろすことができないばかりか調子に乗りすぎて?開発が立ち遅れている感が拭えません。これ以上のヴァージョン・アップは今季は不可能だと思われます。これはニッサンがやってないという意味ではなく、効果が期待できるヴァージョン・アップを短時間で的確にこなしすべてで狙ったとおりの効果が出せるわけもないので今季は頭打ちの状態に近いという意味です。今季投入した新型車両ですから尚更です。 だからといってホンダ勢が有利かといえばそれも違います。18号車のTAKATAはもう正直なところ、よほどのツキや運がなければ優勝争いは無理です。ポディウムならば狙えると思いますが・・・。 もし1号車や32号車、100号車が1000kmをフルマークし、もてぎで運を味方につけて連勝するようなことがあればタイトル争いはまだまだ解りません。特にもてぎをホームコースのように得意としている100号車などは侮れません。 というわけで僕が予想する今季スーパーGTのタイトル候補は第5戦終了時点では本命18号車。対抗は38号車と36号車でホンダ勢ではありません。大穴に挙げるのは22号車、23号車のGT-Rではなく、鈴鹿1000kmのウィナーを挙げます。ここの勝者がもしNSX勢の1台ならタイトル争いの主導権を握る可能性さえあります。無論ここでGT-R勢やSC勢が獲る可能性もありますが暑くなったらFRは不利。雨が降ったら36号車濃厚ですが時折チョンボもあるので鉄板とは言えないでしょう。 いずれにせよタイトル争いでのNSXの強力なライヴァルはGT-Rではなく36号車と38号車です。この2ティームはドライヴァーはもちろんのこと総合力の高さが侮れません。この2台は間違いなく最終戦までタイトル争いに残るでしょう。~2~に続く
July 29, 2008
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カレラ・カップが始まったタイミングでこれを書き始めました。 カレラ・カップもかなり面白いですが今季のスーパーGT観戦はこれが最後になるかもしれませんので軽く展望を書いてみます。 まずGT300。早朝から降った雨で正直解らなくなりました。現在も厚い雲が覆い濃霧に覆われています。そういう状況なので路面温度もかなり上がるという様子はありません。 路面がドライ方向にいけばポールの19号車が有力と思われますがロングはミシュランを43号車も有力。ただし、この2台は雨が降らない場合の但し書きがつくかも。 というのもこの車輌ミドシップでウェットでアヴェレージ・スピードが落ちるとダウン・フォース不足のような兆候を見せます。 この写真のようにピットからでるときに曲がりきれずにスタッフに押し戻してもらってから出たり下りの3コーナーで曲がりきれずにコース・オフすることもしばしば・・・。まァ、路面が濡れているせいもあるとは思いますが、もしそれだけなら3コーナーでアンダーを出し飛び出す理由がわかりません。メカニカル・グリップもダウン・フォースも素質は十分ですがまだまだ要熟成という印象。 雨が降り始めたら77号車と7号車にチャンスがあると思います。さらに33号車も怪しい。 GT500は難しい。 昨年のポール・シッターも今年と同じ18号車。 昨年はワイパー・トラブルでズルズルとポジション・ダウンを余儀なくされましたが最後まで踏ん張って2位表彰台。今回はそういったトラブルがなければ間違いなく走るでしょう。 しかし、ロングのペースは1号車や100号車の方が速いはず。17号車は100%ドライと読んでセットしている可能性があり、セミ・ウェットやフル・ウェット状態になると厳しいかもしれません。 NSXはコーナリング性能に特化しているためドライからウェット、ウェットからドライの切り替えがFRのGT-RやSCほど簡単ではありません。ハッキリ言って結構シビアです。途中から降り始めるとピット・インでいじくれる範囲は限られています。突如降り始めて対応できる範囲はタイア交換(空気圧調整も含めて)とコクピットからのスタビ調整、ブレーキ・バランスぐらい。 しかしNSXとしてはウィングなどのダウン・フォースやサスを中心とした足回りやロード・クリアランスなどアジャストしたい部分は山ほどあります。 昨年SUGOで17号車や100号車が突然飛び出したのはNSXの雨へのデリケートさからくるハプニングです。 もし雨が降ったら間違いなく1号車が抜けるでしょう。でも雨が降らなかったら17号車もチャンスがあるかもしれません。 SC勢とGT-R勢はここは無理をせず1,000km狙いというような印象を持ちました。ただし、雨が降ったら36号車は結構くる可能性があります。ここはウェイト積んでるのでドライ勝負はせず昨年の1,000kmのように雨に賭けるバクチをしてくるかもしれないです。 今回のSUGOは読みきれませんが順当なら1号車と18号車の一騎打ちになると思います。 いずれにせよレースを楽しみます。
July 27, 2008
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皆様、「低カーボン社会の実現と地球温暖化の背景~3~」引っ張ってしまって申し訳ございません。 実は昨日からいてもたってもいられず宮城県村田町のSUGOに来ています。こんなことしたら来週からのブダペストに大きくひびくのは明らかなんですが今季まったくスーパーGTをナマ観戦してませんので我慢できずに来てしまいました。 午前中の予選は赤旗中断のあと順位が確定しましたが、ウェット・コンディションで走った昨日の序列とは大幅に変動があります。 GT500の予選1回目は18号車がトップタイムですが昨日の濡れた路面は32号車が別格。ロイックの切れっぷりはF1で言えば雨のシルバーストーンのルイスを彷彿させる上手さを見せ付けていました。 今年になってからは初めてのモータースポーツ写真なので完全に腕鈍ってます。全然良くないでき・・・。しかも今回は突然観戦を決めたので準備不足は否めません。トライポッド(三脚)、モノポッド(一脚)は忘れ、持参したコンパクトフラッシュも2GB1枚のみ。 400mmのモノポッドなし手持ち流し撮りはかなりきつい・・・。ブレまくりです。 撮影としては散々ですがナマで見れただけでもラッキー。No18さん色々ありがとうございます。感謝します。 それにしてもナマで見て思ったのですがGT500GT-Rの実物どうなんでしょう? 多分このままではさっぱり意味解らないかもしれませんが、写真で見る分には気にならない範囲ですけど現物はひどくかっこ悪いです。物凄く。昨年シェイクダウン時にカーボン・ボディのGT-Rを見ていますが今季走っているGT-Rはなんか釈然としないかっこ悪いクルマになってしまってますね。 横からだとキャビンが間延びして見えるし、ポルシェのルーフ・ラインを角ばらせたような印象のプロフィールはもうちょっとディテール処理なんかでなんとかならないのか・・・と思わずにはいられません。 フロント・フードに開けられたアウトレットもオコゼのように見えます。 市販車のGT-Rはリア・セクション・・・つまりお尻がメタボ気味でかっこ悪いのだけれどGT500のGT-Rは見ようによってはこれから吊るされて解体されるアンコウとか正面からのショットなどはナマハゲのお面をイメージさせます。 今回撮った写真を何枚か素材として掲載します。皆さんがこのGT-Rをどう思わているのか忌憚ないご意見をお願いします。 一般的に使われている角度だと気にならないんですが真横あたりや斜め上あたりから見るとちょっとかっこ悪いです。これかなり控えめに言ってます。 やっぱり写真では伝えにくいかな・・・・ GT500GT-Rのルックス、皆さんどう思われますか?ご意見をお聞かせいただければ幸いです。
July 26, 2008
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昨年ARTAで念願のシリーズ・チャンピオンに輝き今季からトヨタ系のティーム・ルマンに移籍した伊藤大輔君が脳挫傷で入院中です。 実を言うと僕はこれが心配で心配でブログ進みません。 「低カーボン社会の実現と地球温暖化の背景~3~」はカットしてしまおうか・・・と思っているほど。 16番ゼッケンのカストロールMUGEN NSXで戦っていた頃から彼のデータは見ているので今回の事故は非常に残念です。 今回の件での「Hotバージョン」の責任は重大でしょうね。 状況が解らないのでなんともいえませんが脳挫傷するほどの事故といえばヘルメットを着用させずに撮影したということではないのでしょうか? ドライヴァーの顔を写すためにヘルメットを非着用にしたのかもしれませんが、だとしたらあってはならない初歩的な失態です。 頑張れ!大輔!帰って来い!!絶対に戻って来い!!
July 24, 2008
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今季はF1で忙しいためスーパーGTもFNも現地に足を運べていない僕ですが今季のスーパーGTのレギュレーションやプロモートは例年にも増して最悪の展開になってますね。 そもそも、昨年恐ろしく速かったという理由だけでプラス50kgのウェイトが積まされているNSXは性能調整という悪法の格好の餌食です。 第2戦岡山からはGT-RもSCも性能調整が課されていますがこの状態でもまだまだGT-Rが有利であることは疑いようのない事実です。 昨年のチャンピオンARTA NSXは100kgのウェイトハンデに到達した際、50kgを下ろし代わりにリストリクターをワンランク・ダウンさせることで鈴鹿1000kmでは2位を獲得し、オートポリスではライヴァルの自滅も手伝って優勝し、結果としてスーパーGT史上初の最終戦を待たずタイトルを決定しました。 しかし、今回のGT-Rはなんでしょう? これを出来レースと言わずなんと言えばいいのでしょうか? そもそもGT-Rは2009年度から実施されるレギュレーションを前倒しして投入して作られているのでいわゆる特認車輌。最も有利な状況で作られているマシンの性能が未知数という理由から開幕戦で性能調整がつかずに圧勝。続く第2戦も余裕の勝利。 今季は新型GT-Rをペース・カーとしてニッサンに提供してもらってるものだからニッサンにかなり甘くなってるGTアソシエイションの確信犯的犯罪ですよ。 「そんなことはない」と反論する余地はありません。 新しいルールのもとで作られたマシンが未知数であるという理由だけで性能調整を課さないのならNSXも開幕戦はノー・ハンデキャップで走らせガチンコ勝負させるべきでした。 GTアソシエイションの酷さもさることながら「オートスポーツ」誌の酷さはさらに輪をかけて酷い。ホントにこれがモータースポーツ専門誌の記事かと思うような検証内容に開いた口が塞がらない状態。 問題の記事は日本に帰ってきてから見たオートスポーツ誌のNo.1153、4/10号です。この紙面の表紙最下段に記された「ホントにあったのか!GT500決勝三味線疑惑を質す」の記事です。 ただすとまで記されているので敢えて僕もオートスポーツ誌を糾す(ただす)!という言葉を使わせていただきます。 こんなレヴェルの低いモータースポーツ専門誌が日本のモータースポーツを腐らせているのが現状です。 まずオートスポーツ誌では公式テストと開幕戦決勝でのタイムの落ち幅を引き合いに出してホンダ勢は間違いなく三味線を弾いていたとしていますがこれこそが無知無能ぶりを露呈しています。 NSXは昔から4リットルに満たないNA(一時ターボを搭載した時期もありますが・・)であるためコーナーの立ち上がりが異様に弱いのが実情。だからマシンの総合的な競争力を確保するには旋回速度を稼ぐしかNSXには選択肢がないといっても過言ではありません。 ただし旋回速度を上げてもGT300と混走するスーパーGT決勝はコーナー進入やエイペックスでGT300に引っかかって速度を失った場合簡単にパッシングされてしまう危険性をNSXは持っています。 だからNSXがGTで勝つにはポール・トゥ・フィニッシュしかないと言われ続け、昨シーズンはミドシップ・ハンデの撤廃があったこともあってたまたま速すぎるマシンが出来たにほかなりません。 テストと開幕戦決勝のタイムの落ち幅の問題は昨年よりも50kg多く積まされGT300を交わすためにコーナーなどでロスをする積み重ねがこの落ち幅を生んだと捉えるのが自然です。 そのマシン特性からNSXは決勝でタイムを損失する傾向が多いのは何も今年に始まったわけではなく一昨年も同様でした。ミドシップ・ハンデがなかった昨年がたまたま違っただけです。 さらに「レースがレースではない」状況を作り出していた・・・と結んでいますがレースがレースではない状況をそもそも作り出しているのは誰なのかそれこそが問題です。 メーカーや陣営のやり方には口を挟み異を唱えるオートスポーツ誌もことGTアソシエイションに対してはトーン・ダウンする傾向にあります。GTアソシエイションを叩いて睨まれれば取材が難しくなるからでしょう。 こういったマスコミの横柄さが日本のレースをダメにしている根っこです。 ファンがスーパーGTに望むこと・・・などと錦の御旗をかかげもっともらしく書いてはいても本当にファンの声が届いているかどうか微妙。メディアのほうがかえって裸の王様状態でペンを持たなければ所詮ド素人の集まりですから。 三味線を弾いたとか弾かないとかの論争よりも弾かなくても良いルールを作り出すことが肝要なのにそこには言及しない。そこにこそメディアは言及すべきだと思うのですがいかがでしょう? GTアソシエイションそのものが利害や利権にまみれて公平にレース・マネジメントを出来ない諸悪の根源と化しています。 こういった、必要のない性能調整と、本当に必要な性能調整を明文化するため前年度のパフォーマンスは無視して必ず開幕戦はノー・ハンデにする。 こういった三味線疑惑の根底には2レースまで落とせる有効ポイント制でもあるので、有効ポイント制を廃止するか、開幕から2戦、つまり第1戦と第2戦は有効ポイント制で削除できない絶対加算ラウンドとすれば三味線を弾くメーカーもなくなります。現在は鈴鹿1000kmまでのレースでポイントの少ない2つを捨てられますがそれを第3戦以降最終戦までの少ないポイント獲得ラウンドを切り捨てられるように変えるだけで三味線を弾く意味はなくなります。 さらにウェイトハンデがイコールを作り出せないことは今回のGT-Rの一件で明らかになったのでウェイトハンデは廃止。 ウェイトハンデをなくすとGTアソシエイションが意図的にパフォーマンスを操作できなくなりますがいじくれる範囲を明文化し規制の範囲内でやっていれば性能調整はしないようにすることで十分でしょう。ある程度の競争を作らねば日本の技術力が衰退します。また、連勝させないはずのGTのルールが今季のGT-Rによって有名無実化していますから。 性能調整をせず、ウェイトハンデも設けずどのようにレースを運営するか?意図的、人為的、恣意的な拮抗ではなく公平平等なプロモートに専念していただきます。 今のお客様は目が肥えていますからメーカー間の実力差は現地に足を運んで観ている方にはイヤというほど伝わっていますので恣意的ともとれるようなウェイトハンデによる拮抗は必要ありません。 ここのメーカーはもうちょっと頑張らないとダメだ・・・とお客様が解ればそれで十分です。 まず2ヒート制を導入し予選は廃止します。 例えば今季の開幕戦鈴鹿のリザルトを全く逆に並べるリヴァース・グリッドで第2戦岡山の1ヒート目を実施します。この1ヒート目は土曜日午後に実施し、この結果で日曜の第2ヒートのグリッドを決定します。そしてこの2ヒート制は土曜日のスタート・ドライヴァーと日曜日のスタート・ドライヴァーも必ずリヴァースし、2人のドライヴァーそれぞれが必ずスタートもチェッカーも担当するようにします。こうすることで各ティームや各ドライヴァーの総合力がもっと見えやすくなります。 土曜日も日曜日もレースがあれば日曜しか行かないお客も減少し土日ともレースが観られます。こういう革新的な案を引っ張り出すと底辺のレース・プロモーションも観てもらうなどという理想論が出てきて必ず反論されますが現在GTに足を運んでいるお客様のほとんどはスーパーGTのティームやドライヴァーに興味があるのであって他のカテゴリーは二の次というお客様が多いのも実情。特にスーパーGTの公式ページのファン・フォーラムのスレッドなどではGTのプロモーションだけに専念しろ!という書き込みが多いですから。 まとめます。1、まずいじくれる範囲を細かくクラリファイして馬力上限を決めたら基本的にマシンの性能調整はしない。2、ウェイトハンデは廃止し最低重量と最低地上高を厳守させる。馬力上限も遵守させる。3、2ヒート制とし、土曜日に行われる1ヒート目のスターティング・グリッドは前戦の2ヒート目の結果で決定します。距離は削らずに共に300kmで実施し、1ヒート目も2ヒート目も加算ポイントは同じ。こうすることでエンジンの耐久性や使用制限に影響を与えるようになりますが、このように変更しても4ヒートを同じエンジン、同じトランスミッションで走るなどの制限を加えることで高コストの極端な軽量化を若干でも抑制することは可能です。4、富士500kmと鈴鹿1000kmのみ土曜日にスーパーラップを実施。スーパーラップといっても全車1台ずつラップ計測をやってはいられないし、時間帯による天候上の有利不利が発生してしまう可能性があるので従来の予選と同じように設定された時間帯の間でティーム側の任意の時間に好きなように走ってタイムを出す予選形式で行います。GT300とGT500で別々に実施しますがこの結果がスターティング・グリッドに影響を与えることはありません。しかし、この予選も単なるエキシヴィジョンではなく大きな意味をもたせるためポイントを与えます。つまりGT500の場合17台のエントラント全てにポイントが決勝リザルト同様に与えられるようにします。例えばスーパーラップ1位のマシンは17ポイント加算。2位は16ポイント加算などとし、最下位の17位でも走れれば1ポイントは与えるというのがベター。現在のスーパーラップもギリギリの一発タイムを出すためにエキサイティングなアタックをしていますがスーパーラップで攻めすぎてマシンを大破させ計時できずに終わってしまうことが少なくありません。こうなってしまわないように一線で踏みとどまれるドライヴァーのみにポイントを与えるようにします。すなわちタイムを計時出来ていても予選時間終了時にコース上もしくはピットですぐに走れる状態にないマシンにはポイントを与えず0ポイントとします。クラッシュしたりコースオフしたマシンはノー・ポイントということです。5、有効ポイント制の廃止、もしくは第1戦、第2戦は強制加算ラウンドとします。第3戦から最終戦までの7戦の中で獲得ポイントが少ないラウンドを削除できるようにルール変更。しかし、このポイント制も性能調整やウェイトハンデそのものを廃止すれば必要性はなくなります。 GTアソシエイションもオートスポーツ誌も本当にファンの立場を考慮熟慮するなら自身の意識改革から始めるべきです。 これ以上つまらないレースにしないためGTのコンセプトはキープしたほうがいいと思いますがもっとドラスティックな意識改革が必要です。 今こそこの改革を断行しないと折角良いレースを見せてくれているドライヴァーにも申し訳ないし、お金を払って観に来てくれているファンの方々に申し訳ありません。 なんとかしろGTアソシエイション!! これを読まれた方はどう思いますか?皆さんなりのご意見がございましたらぜひお聞かせ下さい。P.S.来週からバルセロナに渡航しますが、その前に仕事で北米にある某航空機メーカーのファクトリーを訪問するのでまた今週末には日本を離れます。更新が出来なくて申し訳ありません。
April 15, 2008
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11月23日のエンジョイHonda、ホンダ・レーシング「サンクス・デイ」で使われてたスーパーGTコクピット体験用の車輌がこちら・・。 マシンの後ろに写っている人たちはコクピットを体験しようという方々で長蛇の列。 懐かしい車輌です。確か2004年のモデルでツゥイン・ターボを装着しているNSX-GTです。ツゥイン・ターボを装着しているころのモデルのNSXはパッとせずいつも低迷していました。 2005年の中盤にターボを外すまで低迷しましたが外してすぐのセパンで#8が優勝争いを見せています。 NSXのパッケージングがとても繊細である意味完成領域にあるため、モア・パワーのためのエンジンへの不用意なテコ入れは逆効果であることを示唆する結果となりました。 2005年中盤に再びNAに戻してから戦闘力アップを果たしたNSXはポイントを重ねるもタイトルには及ばず、2006年に純然たるNA専用設計のNA2を送り出します。 2006年のNSX-GTがこちらのRAYBRIG NSX。わずか2シーズンでこの変貌振りです。 #100は最終戦までポイントリーダーを守っていましたが最終戦の不可解なペナルティで後退し1ポイントに泣いてタイトルを取り逃がしたマシンです。 そしてこちらが悲願である2度目のタイトルに輝いた2007年モデルのNSX-GTです。 上のARTA NSXの写真だけは2007年最終戦富士での写真です。2000年のNSXの初戴冠から7年目のタイトル奪還。 こうしてボディ・ワークやフェアリング・デザインを見比べるだけで隔世の感があるのは否めません。 技術というのは日進月歩であるということを痛感させられますが、とてもデリケートな領域に及んでいる現状では方向性を見誤ると日滞月退ということにもなりかねず進化ではなく後退してしまうこともあります。 さて、「サンクス・デイ」仕様の07モデルはシーズン中に使用したスーパーGTのレース専用仕様とは異なる点があります。 この写真を見て一瞬で識別できる貴方&貴女はかなりのGT通です。 そうです。バケット・シートです。スーパーGTレース専用仕様のNSX-GTはドライヴァーズ・シート1脚しか装着されてませんがこのNSX-GTはナヴィ・シートにもフル・バケットが装着されています。 ホンダ・レーシングのNSX-GTの活動等を支えてくれたスポンサーや関係者の方々に対する感謝イヴェントで使用するためでティーム毎にパッセンジャー・シートにゲストを同乗させてオーヴァルを試走するという催しのためのものです。ただし、抽選で実施されたサーキット同乗体験走行プログラムとは違います。 これは一般ゲート・オープン前から準備が開始され、ゲート・オープン後まもなくスーパースピードウェイ上にマシンが並び周回を重ねていました。 解りにくいかもしれませんがこの2枚がゲストを乗せて周回を重ねているときの写真です。 たくさんの応援に支えられて実りある1年を結ぶことが出来たホンダ・レーシング。来年も良い結果が残せるよう全カテゴリーで頑張っていただきたい。 ジェンソンや琢磨からインディの松浦君や武藤君。 ホンダ系ティームの高橋国光、中嶋悟、鈴木亜久里の3監督に、今季スーパーGTを席巻したNSX-GTのドライヴァーや、Moto GPの中野真矢君までたくさんのドライヴァーとライダーが集結しました。ただ、この場にニッキー・へイデンとダニ・ペドロサ、そしてロイックがいなかったのは残念。ファン感謝デイに参加しないロイックまさか移籍?? 最長でも2年契約までというケースが多いNakajima Racingだけにありえない話ではなく気になります。 それともう一点・・。なぜフォーミュラ・ニッポンのマシンは1台も参加してなかったのか?走行どころか展示さえもなし・・・。 F1などはストリップ状態でピット公開されたのにFNはなぜ1台も展示されなかったんでしょうか?あくまでもエンジン・サプライヤーだから? こういう場でフォーミュラ・エクスペイリエンスと題してF1、インディ、FNを同じトラックで走らせてエキシヴィジョンを行うのもアピールの場だと思うのですが・・・。 ホンダはこれだけのフォーミュラをやっているというアピールにもつながるし、フォーミュラを夢見る子供たちの目には鮮烈に映るのではないかと思いますが・・・。
November 27, 2007
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「タイアとシャシのマッチングは無視できない」。 僕は昨年から言い続けてきました。現状では偶然そのタイアのコンストラクションにマッチしたシャシ&エンジンのパッケージングでなければ競争力を持ちません。 しかし、一方でこういうマシンが作れたとしても誰が乗っても勝てるかといえばそれも違います。今季のスーパーGTのNSXが良い例です。#8とそれ以外のNSXには明確な径庭がありました。それこそがドライヴァーのみが引き出せるマシンのゾーンといえるかも知れません。 この点に関しても昨年から書いていますので今更同じことを書くつもりはありません。 いずれにせよエンジンの出力やドライヴァーの技量だけに頼って勝てるほど現状は甘くありません。F1においてはホンダやBMWはかなり高い出力をマークしていますがフェラーリ、マクラーレンと渡り合えていません。 FNでも出力でホンダが勝っているにも関わらず2期連続でタイトルをトヨタ・エンジンに奪われています。これを見ても解るようにパワーを一滴漏らさず使い切るシャシとタイアのパッケージングこそがタイトルに近づくための必要十分条件でしょう。 スーパーGTで言うならNSXはこの部分を鍛え上げたためにどんなコースにもアジャストできる懐を備えたと言うことができます。 話をマカオに戻すと、今回マカオを走ったドライヴァーの中で全日本F3に参戦していたオリヴァー・ジャーヴィス、大嶋和也、塚越広大、ロベルト・ストレイト、伊沢拓也の5人を除いてユーロやイギリスF3出身のドライヴァーで現状のF1やFNで即戦力として結果が望めるドライヴァーがどのくらいいるかと言えば難しいでしょうね。習熟期間半年から1年かけてアジャストできる順応性があるかないか、といったところでしょう。 また全日本出身のこの5人がどのくらいやれるかといえばそれも微妙です。力不足という意味ではなくFNの場合はまず操縦系統を扱うための筋力が不十分ですし、F1には時期尚早です。 さて、今季もユーロで修行した可夢偉。彼がどのくらい成長しているのかも楽しみの一つでしたが、あのマシンでこの結果はよくやったといえるでしょう。 リザルトだけを見て勝った負けたというだけなら13位ですが、ロメインと全く同じマシンを用意できない(用意しようとしない)ASMで最後尾スタートから13位フィニッシュという結果を残せただけでも十分進歩しています。彼はそれなりに力があるFNやGP2のティームからエントリーすれば十分に通用するレヴェルになっています。ただし、FNの場合は操作系の重さが半端ではないので、彼の場合も操縦系に耐えうる筋力のレヴェル・アップが必要となるかもしれません。FNではF1マシン以上に身体を作る必要があります。 おそらく彼自身はヨーロッパにこだわるかも知れませんが、現時点の自身の技量を正確に判定する上できちんとしたマシンを用意してくれるティームで走るべきです。 最後に不本意な結果に終わった今シーズンのFN。こういう結果がファン離れを加速させてしまうことをFNのプロモーターの方々は肝に銘じておく必要があります。F1の燃料温度問題に関してもそうですが、つまらない勘違いや認識の甘さなどが無情な結果を往々にして招いてしまうことがあります。 スキッドブロックの計測ポイントで1箇所だけ規定値に届かなかったそうで小暮君は本当に残念ですが車検に適合しなかったのですから止むをえません。一方F1はキミ・ライコネンからチャンピオンを取り上げるのは可愛そうだという温情だけでBMWザウバーとウィリムズを失格にしませんでした。茶番もはなはだしい判断です。違反があれば断罪する。これをせずに成立してしまうスポーツになったらどこかの誰かさんが言ったようにF1はもうスポーツではありません。ドーピングした選手を失格にしなかったようなものですから。 スキッドブロックの計測ポイントで1箇所だけ規定値に届かなかったというよりも燃料の温度違反は確信犯的重罪です。ピーク・パワーにはそれほど影響しませんが燃焼効率には関わるのでこの違反を罰しないのは主催者側の良識を疑わざるをえません。フェラーリのチャンピオン争いが絡んでいなければ明らかに失格になる案件です。結果的にフェラーリの不利益になる裁定は下さなかったということでしょうね。 ま、これはスポーツというよりも政治的駆け引きが重視されるF1での世界でのお話。FNだけはそんなくだらない政争にまみれてほしくはないものです。だからこそこんな結果は見たくはありません。 Nakajima Racingの田坂エンジニアはリアに2mmパッカーを装着しておけば良かったと言っていたそうですがこれはエンジニアだけの責任ではありません。スキッドブロックを装着するというレギュレーションそのものに問題があるのです。 モノコックそのものの下部にスキッドブロック同様の働きを持つチャンネルを最初からモノコックと一体成型で製造し、この部分に大幅な磨耗や欠損がなければ車検はOKというシステムにすべきです。スキッドブロックの厚みを計測するシステムが失格裁定を下すためのものではなく、純粋にコーナリング・スピードを押さえ込むためのものとすればシャシと一体化してしまえば良いはずです。 少なくとも観客もFNのドライヴァーも誰が最もチャンピオンに相応しいか解っています。これを見ていた子供たちも小暮君が最も速くてカッコよかったと解っているでしょう。車検は悪質な違反を取り締まるためのものであり、誰よりも速く走ったドライヴァーの夢を挫くものであってはなりません。これは日本のモータースポーツの将来を担っていく子供たちの夢までをも挫く結果になってしまうからです。 コーナリング・スピードを抑制するという錦の御旗にも近い言葉の影にレース・エンジニアに必要以上の難しさを与えるばかりか、本来の車検のあるべき姿を失ってしまっている現状は実に憂慮すべき内容です。 FNの問題点に関してはこれだけではありませんがグレー・ゾーンをなくすための明快なレギュレーションと車検システムを確立してほしいものです。そうでなければファン離れを助長することこそあれファンの拡大はままなりません。P.S.今日はHonda Racingサンクス・デイに行ってきました。この報告はまた後ほど。
November 23, 2007
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今年のマカオは全日本F3で活躍するドライヴァーの当たり年となりました。コースサイドで見ていた印象では全日本F3を走るドライヴァーと、ユーロやイギリスF3に参戦しているドライヴァーとではセッティングの詰め方にも乗り方にも明確な差がありました。 これはドライヴァーのスタイルの差というよりもティームの個性の差であったり、レース・エンジニアの個性の差であるように思われます。 全日本F3のレヴェルが決して低いものでないことは常々言われていますが今季に関しては純粋にドライヴァーの技量だけで導かれた結果ではない部分があるようです。今年1月に僕がブログで掲載(http://plaza.rakuten.co.jp/fastestlap/diary/200701160000/)し、予期していたことがほぼ的中したからです。 今年のシーズンオフ、僕はトヨタの3Sに代わる新世代1AZ-FEのデヴューに関して完成したら他の追随を許さない凄いエンジンになる可能性があることを示唆しましたが、このエンジンが思ったとおりの順調な熟成を経てもの凄い競争力を持つエンジンに成長しています。しかも1AZはまだまだ改良できる余地を残しています。 従来の3Sは鋳鉄ブロックなのに対し1AZはアルミ・ブロックですし、全長もコンパクトになっているのでこれだけでも基本的な運動性能向上に役立っていますが、1月のブログでも指摘したように一番のポイントは燃費性能でしょう。F3は無給油で走りきることが前提なので燃費性能と出力性能のバランスはとても重要になります。 マカオ、ギアのマテニティから始まりフィッシャーマンズまで続く道幅が狭くツイスティなセクションでの運動性能においては燃費性能も含めた軽量化が功を奏し明らかに1AZが抜きん出ていました。 この1AZを搭載してマカオを走ったトヨタ勢は全日本F3同様オリヴァー・ジャーヴィスと大嶋和也の2名。REAL Racingのホンダ勢、塚越広大はマノーから、伊沢拓也はフォーテックからそれぞれ参戦したもののエンジンはメルセデスを使用しているため習熟度の面においてハンデがありました。 ところが決勝レースではそのハンデを克服しギア・サーキットに高いレヴェルでアジャストした塚越君が再スタート後に大嶋君をオーヴァー・テイクしトヨタの1-2を阻んだ形になりました。 ユーロF3やイギリスF3のメルセデス勢が空回りする中、慣れないメルセデス・エンジンを使い2位を獲得して見せた塚越君の頑張りは評価に値します。やはり全日本F3を見ていても解りますが、ホンダ製のF3エンジンの競争力は年々低下しています。今季の全日本F3のチャンピオンシップは純粋なドライヴァーの技術だけによる序列ではなくエンジン・サプライヤーの影響が少なからずあります。 無論ヘタでは勝てませんから能力的には横並びに近いものでしょう。 そんな中、競争力の低下しているホンダ・エンジンからメルセデス・エンジンに乗り換えてチャレンジしたマカオで1AZの一角を崩し、トップを快走するオリヴァー・ジャーヴィスに急接近した塚越君は掛値なしに素晴らしいパフォーマンスを見せました。何しろ、決勝レースでは4位のマルコ・アスマー(メルセデス)が刻んだ2:11;744が最速ラップですがそのタイムには僅かに及ばなかったものの塚越君は2:11;762をマークしベスト・ラップとしては2番手タイムです。 マルコはスリーボンド・エンジンで今季前半は全日本F3にもエントリーしイギリスF3と掛け持ちしていたことでも知られます。 2人とも全日本F3の経験者ですが1AZのアドヴァンテージを持たない2人のドライヴァーがたたき出しているトップタイムは評価するには十分です。ちなみに3番手が優勝したオリヴァー・ジャーヴィス(トヨタ1AZ)の2:11;833、4番手は5位フィニッシュした全日本F3で最終戦までポイント・リーダーを保っていたロベルト・ストレイト(メルセデス)の2:11;930で、ここまでが11秒台です。 5番手は12;039で大嶋(トヨタ1AZ)、6番手がユーロF3王者のロメイン・グロージャン(メルセデス)で12;049と続きます。 例えば全日本F3ではホンダ・エンジンを使う塚越君や、トヨタの3Sを使っていた石浦君やロベルト・ストレイトが最新鋭の1AZを使えていたら今季のチャンピオン争いは明らかに変わっていた可能性があります。 しかし、かといってFFSAの支援ドライヴァーとしてASMからユーロF3に参戦しチャンピオンに輝いたロメイン・グロージャンやライコネン・ロバートソン・レーシングのセバスチャン・ブミエなどが1AZを使っていればマカオで勝てたかといえばそれも微妙だと思います。 それは昨年から僕が提唱し続けているシャシ設計においてタイアとのマッチング性能が及ぼすダウン・フォース獲得と喪失の関係がそれです。昨年このブログで僕が取り上げたばかりの頃はかなりマイナーな話題でキチンと理解できる方のほうが少なかったくらいです。 解りやすく言うと今季のF1で同じBSを使いながら成功したマクラーレンやBMWザウバーに対し、失敗したルノーやホンダ、トヨタの関係に似ています。 全く同じタイアなのにこれほどまで性能差が現れてしまう最大の要因がこの部分にあります。シミュレーションやコンピュータに頼りきったマシン作りが失敗を招く理由の一つです。 これはあくまでも僕の推測ですが、昨年マクラーレンがまったく勝てずにシリーズ終盤新しいタマの投入をやめました。しかし、何もしなかったのではなく今季を見据えBSタイアを上手く使うため脚のジオメトリーなどのデータを拾っていたのではないかと思っています。 例えば横方向と縦方向でそれぞれどのくらいの荷重でどのくらいのコーナリング・フォースがこの脚ならば作れるか・・・・といった膨大なパラメータのデータをテスト・ドライヴァーによって集め、実際にBSのコントロール・タイアを履いたときにタイアの剛性や特徴などのポテンシャルを事細かに分析検証した上で最良のパフォーマンスが発揮できるよう脚を設定していったのではないかと思います。後編に続く
November 22, 2007
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100戦目ということもあってスターティング・グリッドは超混雑。しかもレースのスターティング・グリッドは雨や曇りでもなければマシンが反射する光で露出と露光がオーヴァーになる条件が揃っているのでとても難しいシチュエイション。 いつもはスターティング・グリッドにはカメラを持ち込まない僕も今回は100戦目なのでカメラ持参でグリッドを回りました。 スターティング・グリッド上のドライヴァーは様々ですが、コンセントレーションに余念がないのは誰も同じ。 今回の記念すべきGT100戦目を勝ち取った#32のロイック&ファビオのコンビはかなりリラックスしてました。 グリッドに並べたあとロイックさんはグリッドを離れてピットへ・・・。トイレに行ったようです。直前にトイレに行くドライヴァー結構多いです。気持ちを切り替えるためでもあり、落ち着けるためでもあります。 さすがに僕もスタート前のロイックに話しかけるのは躊躇われましたので遠巻きに見ながらカメラを構えました。でも、さすがロイック。笑ってくれました。このあたりの余裕に自信が感じられます。こういう部分が100戦目をキッチリ押さえた理由でしょうね。 思えば今年ポールからスタートしてそのままフィニッシュし勝ったのはもてぎでの#18のみでした。 マシン的にもドライヴァーの速さでも頭抜けている#18でさえポール・トゥ・ウィンはたったの一回だけ。これらの事実も最終戦富士の展開を暗に示唆していました。 今年のGTのキーワードは「予選では決まらない」でしたがこれはとりも直さずNSXの戦闘力がSCやZと渡り合えるようになったことに他なりません。 今までも予選で決まることは少なかったGTですが今季はSCやZだけではなくNSXにも引っくり返せる力があったことがポイントでしょう。 従来は予選で速くても決勝で引っくり返され勝ちを逃すことが多かったのですが今季はNSXも予選で前にいなくてもZやSCを抜くことが出来るようになりました。 NSXだけに課されていたハンデが排除されたためですが、来年からまた復活するので来季はまた抜けないNSXに戻ってしまう可能性もあり厳しい展開が予想されます。 こちらはEPSON NSXのグリッドにいたカストロールのRQ。発光強すぎたかな・・・。 彼女のウェストも引き締まってて良いですね。 #32のロイック&ファビオさん記念すべき100戦目の勝利おめでとう。#32に関わるスタッフの皆さん、EPSONをはじめとするもスポンサーの皆さんもおめでとう。 200戦目のポディウムでもこのカラーのマシンが真ん中に立てると良いですね。 ちなみに今年からうちも今まで使い続けたCanon製からEPSONさんのマルチ機に買い換えました。5台のNSXを応援していただけるすべてのスポンサーの製品を僕も応援させていただきます。来年もNSXの支援よろしくお願いします。 明日から澳門に行ってきます。ギアでF3世界最速決定戦を見ますがこの中から来年何人が来日するのか? 日本勢だけでなくイギリスF3やユーロF3から参戦するドライヴァーの走りを見てきます。 100%仕事のため自分のために使う時間はありませんのでいつものように写真を撮ってる時間があるかどうかは解りませんがドライヴァーの通信簿はキッチリつけてきます。
November 13, 2007
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昨年のデヴュー・イヤーでのチャンピオン獲得がラッキー・ストライクではなかったことを証明したかったトヨタ勢でしたが今季の出来は微妙でしたね。 空力もヴィークル・ダイナミクスもパッとせず低迷・・。この競争力低下がドライヴァー陣から冷静な勝負運びを喪失させ焦燥を生み出した要因でしょう。 来季どこまで底上げしてくるか楽しみですが最終戦の出来を見る限りまだ微妙ですね。 昨年王者の意地でSC勢最上位となる年間ランキング6位を獲得するものの博打で手に入れた鈴鹿1000kmの1勝のみ。 速いことは速いですが安定感がありません。 マシンを押し出してペナルティ。ホワイトライン・カットでペナルティ。最終戦富士でもスタート直後にジャンプ・アップを狙いましたがタイアが十分に温まらずにブレーキングでオーヴァー・ラン。何度も同じことの繰り返し。毎戦リプレイしてるんじゃないかと思われるほど。 AUTO SPORT誌で「日本人はクルマ壊したら怒られるのかな?」みたいな発言してましたがもう少し自身の認識や判断の甘さに厳しくなったらどうでしょうかね? このあたりの分析力や判断力の軽率さを修正しなければラッキー・ストライク以外のタイトル獲得はないでしょう。 ライヴァルにとっては好都合でしょうけど。 ことごとく運に見放された#38。 ここも根本的には謙虚さを見失って、自身のマシンのポテンシャルを見極め実戦のためのマッチ・アップが十分出来なかったことが要因です。 トヨタのマシン開発の失策があったとしてもマシン開発の部分で十分な仕事ができなかったことは事実でティームそのものの総合力や判断力が低下停滞しています。 トヨタ不動のエース立川君のパートナー、もう一度見直す時機が来たのかもしれませんね。 この2ティームはかなり厳しいですね。 マシンそのものの戦闘力が低いのでかなり苦しんでましたがトムスやセルモのように総合力があるルマンでさえもこの低迷。突破口は見えませんね。 クラフトはいつも最下位ないしブービー。ここも厳しいです。この2ティームに関しては根本的な見直しが必要かもしれません。 06モデル改を使うトヨタ・サテライトの2台は明暗が分かれました。 名門サードが走らせる#39はオートポリスで3位表彰台を獲得しましたが#25は2ランク救済でも花を咲かせない状況が続きました。とはいえティーム・ランキングは手堅くポイントを積み上げた土屋エンジニアリングが1ポイント差でサードを下しましたが来季はもっと心配です。 もしこの2ティームが型遅れの今季モデル、つまり07モデル改を用いて戦うのであれば今季のSCがかなり低迷したことを考えれば見通しとしては絶望に近いものがあります。 何しろティーム・ポイントは最下位から3ティーム(#25、#39、#35)をトヨタが独占。13位に今季初参戦のリアルがランクされている状態です。 今季もそうでしたが来季のトヨタ・サテライト、ニッサン・サテライトは納車されるマシンがどうなのかでシーズン序盤から明暗が分かれてしまう可能性があります。 お気の毒です。
November 11, 2007
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スーパーGT2007シーズンはホンダNSX悲願ともいえる2度目のタイトルで幕を閉じました。しかも最終戦を待たずに獲得し最終的には年間ランキングの1位から4位までをNSXが占めるという快挙まで達成いたしました。 ホンダ・レーシングや各ティーム、スポンサー各社様、また現地に足を運んで応援して下さった皆様やテレビ越しに熱い声援をおくっていただいた皆様方がいればこそです。 来季は厳しい戦いになると思いますが今季以上の目標を掲げてホンダ・レーシングとNSXはスーパーGTに挑戦するでしょう。 今季の王者。来季のドライヴァーも変更無し。ARTAがチャンピオン・ゼッケン#1で走る日が待ち遠しいです。 それにしても今回の最終戦、最終ラップの最終コーナーで神風特攻?のような追突を仕掛けた#22はなんなんでしょう?あのタコ突っ張りは酷すぎます。レーシング・ドライヴァーとして恥ずべき行為です。 松田君は#8をコースアウトやリタイアさせてまでティーム・タイトル欲しかったんでしょうか? #3をペナルティに追いやった#23の本山君の軽率な駆け引きにしても#22の松田君の安易な突っ込みにしても今季はどうしたんでしょうか? まァ、これでハッキリしたのは彼らも思われているほどクリーンではないということです。今季はそれが露見したシーズンでした。 オートポリスとFSWの双方を獲ってARTAに対して逆転タイトルを考えていた#32。残念ながらオートポリスでその目論見がはずれましたがFSWでは完璧にその仕事をこなし+2救済の#12をストレート・エンドで見事撃墜。青い閃光の伝説まで世代交代でしょうか? ここのポイントはタイアの使い方と僕が昨年から提唱し続けてきたタイアとマシン・セットのマッチング。もてぎのフォーミュラ・ニッポンのようにNakajimaはこれ以上ないマッチングをNSXに与えドライヴァーに託しました。 それを100%使い切ったロイックが+2救済のクルマをストレート・エンドでぶち抜く戦慄の光景の演出につながりました。 最終コーナーの立ち上がりが最高速を決めるFSWで#12のタイアに優しくないセットはどうして?思わざるをえないほど。スーパー・ラップのときはともかく決勝のときまでこのセットではお話になりません。立ち上がりズルズルでスロットルが踏めない#12は理想的に立ち上がれる#32の軍門にあっさりと下りました。 来季のドライヴァーはまだ流動的ですがロイックは多分残留。ファビオさんにも残留してほしいんだけどね・・・。 ARTAを逆転しようと策を講じていたのは#32だけではありません。この#100もそうです。ウェイトに強いセットを見つけたNSXは第8戦と最終戦を続けて獲ることを真剣に考えていました。 今回ピットのトラブルで思うような結果が残せなかったものの、細川君のセット能力に問題がないことは明らかになりました。来季の#100&細川君が楽しみです。 ドミニクが離脱するという噂が飛び交っていますが誰とペアを組むかで成績がかなり左右されるだけに慎重に選んでいただきたいところです。 僕としてはこの方が細川君と組んでくれたら・・・と思う方がおりますがそれはまた後の機会に・・・。 やはり90kgはきつかった。小暮君や道上君をもってしても90kgでジワジワと蓄積するダメージには対処できませんでしたね。 もてぎの優勝でランキング2位に浮上するもウェイトが効いて結果的には年間ランキング4位となりましたが小暮君が見せた尖りかたは素晴らしかった。 僕はかつてから日本の最速男は小暮君だと断言してきましたが、今季はその最速ぶりにさらに磨きをかけています。パワー・アシストやドライヴァーズ・エイドがないFNのマシンから比べればF1マシンのドライヴは減速Gを除けばリムジンのようなものですから「フンフン・・」と鼻歌歌いながらスーパー・ラップを刻んでくれるのではないでしょうか?(笑) ホンダさん。ぜひ考えてみて下さいな。今の二人よりも小暮君の方が楽しませてくれますよ。ただ、そうなると#18のドライヴァーに穴が・・・・それはそれで問題ですね。 最終戦で3位表彰台に立ちこれでNSX全車が表彰台を獲得しました。 来季のNSXの行方を占うテスト部隊も兼任しているだけに結果こそ残せませんが実戦で集められた重要なデータは来季のNSX-GT製作に大きく役立つことと思います。 来季は先輩方4台とタイトル争いが出来ることを祈っております。 最終戦のパドックではあちらこちらでこんなヒソヒソ話がたくさん見られました。無論、お客さんがたくさんやってくる土日ではありませんが・・・ 来季のシート争奪戦はもう始まってますからね。 ホンダ#8と#18の異動はないと思いますが#32と#100はどうかな~? このあたりの話はまた後ほど。できれば実現したいペアがいるんですが・・・どうでしょうかね。
November 9, 2007
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100戦目を迎えた今季のスーパーGT最終戦はほぼ予想通りの展開でした。 ウィナーは予想通り#32。ただし、#17が#12を抜けずに3位でフィニッシュしたのは誤算でした。 #32が昨年に引き続き最終戦で勝利したのは非常に嬉しいことですが、最終戦もNSXの1-2-3を狙っていただけに残念といえば残念な結果です。 1位#32、2位#17、3位#100というのがNSX勢の理想でした。実際、REAL NSXとRAYBRIG NSXの2台はピット・ストップの想定外の遅れがなければ確実に2位と3位のポジションを獲得できました。 #17はアウト・ラップで捕らえられることもありませんでしたし、#100はストレートの速さだけで抜いても抜き返されるSCに頭を抑えられることなく細川君が#12をコース上でオーヴァー・テイクすることも可能でした。 スーパーラップで#12にポールを獲られてしまうのは概ね予想できましたが決勝では決して速くはないことも解ってました。理由はシンプルです。 まず第一にNSX勢がポールを獲れなかったのはロイックにしても金石君にしてもスーパーラップ時にタイアを十分に温められなかったことです。ロイックは「十分に温められれば・・・」と後悔してましたがやむをえないと言えばやむをえない状況もあります。 NSXはミドシップ、リアドライヴであるためリアはすぐに温まりますがフロントは簡単には熱入れできません。タイア・ウォーマーが使えないスーパーGTの場合、夏場でなければNSXには厳しい側面がありNSXがピット・アウト後のアウト・ラップに弱いのはそのためでもあります。 しかも今回は晴れていたとは言ってもGT500の最初のアタッカー、アンドレから後半のロイックや金石君まででは路面温度が急速に低下していて後ろにいけばいくほど不利でした。 一方のZはフロントシップ・リアドライヴ。フロントにエンジンを搭載しているため荷重がかかっているのでフロント・タイアの熱入れもNSXほど難しくはありません。リアはホイール・スピンで簡単に発熱させられますので前後共にNSXよりは熱入れが容易です。 一方、決勝ではこれが逆の効果を生みます。発熱の早いZは磨耗が早くなる可能性が極めて高いので正直NSX勢はZのポールは恐れてませんでした。 ポールをとられた場合注意せねばならないのは#38や#1のSC2台でしたが彼らは方向性を絞りきれなかったのか?あるいはインフィールド・セクションのタイム・アップを諦めたのか脅威となるタイムは刻めませんでした。 早々にポールからスタートしたブノワのドライヴする2ランク救済を受ける#12をコース上で、しかもストレート・エンドで見事パッシングしたロイックは圧巻。 #17の金石年弘君もタイアが壊れてペースが上がらない#12をコース上でオーヴァー・テイクしこれでNSXの1-2が完成したのですがピットの遅れで万事休す。獲れた2位を逃してしまったのは残念です。 #100の細川君も見事でした。ストレートの速さだけを武器に抜かれても抜き返す#1の脇坂選手を執拗に追いたてた実力は本物です。ストレート・スピードだけを武器にポジションを守りきった脇坂選手よりは存在感を十分に見せました。 それにしても#3のドライヴィングスルー・ペナルティはどうでしょうかね・・・。確かにセバスチャンが後ろのマシンを意識してブロック・ラインを取ったことで本山君が走ろうとしたライン上にマシンを乗せてしまってますが、本山君も接触を避けるためにいったん引くなり、ラインをアウトにはらませるなりすれば接触は避けられたはず。今季の彼は引く勇気を持っていなかったことでことごとくレースをフイにしそのつみかさねがシーズンを台無しにしています。 ここまで流れを失うとリズムがどんどん悪くなっていくのでマシンの開発も思い通りにはいきません。来季まで引きずらないことを祈りますがニッサンそのものの流れが悪いですから来季もこの呪縛から逃れられるかどうかは微妙です。 それからやっぱりブノワ・・・。彼は予選では良かった。良かったというより一気に冷え込んだ路面温度をリカヴァーする彼独特のステアリングをこじるアグレッシヴさがウリのドライヴィングが良い方向に作用したのでたまたま良い結果を呼び込みました。 一発の予選ならではです。ところが決勝ディスタンスは案の定タイアを壊しそうそうにペース・ダウン。進歩ないですね。 一方パートナーの星野君はブノワほどペースを落とすことなく走りきってます。 むしろ星野君のほうが全体的なペースは良かった。走ってるうちにマシンのバランスが変わるとは言え、今回の差を見る限りブノワの能力を疑問視せざるを得ません。少なくともスーパーGTというカテゴリーにおいて彼の能力は予選だけのパフォーマンスにすぎなくなってしまいます。 見ていて解りやすいアグレッシヴな走りも裏を返せば毎回同じスタイルでこれも見方を変えれば単調です。いい加減タイア・マネジメントやペース管理をもっとシビアに実践して繊細な走りを見せるなどして変貌振りを見せないと上位のカテゴリー進出はないですね。日本で満足してるなら話は別ですが。 そしてトヨタ勢・・。来季は大幅にドライヴァー交代や異動があるかもしれませんね。 シートが安泰なのは4~5名(この数字も多いかな)ぐらいで他の方々は今季の成績を見る限り疑問符がつきます。来年のトヨタもニッサン同様どちらに転ぶかまだ未知数です。 今季はトヨタはマシン作りそのものが大失敗だったとはいえドライヴァーやティームの失策も結構響いてます。 例えば岡山やSUGOの#1、鈴鹿1000km、もてぎ、オートポリスの#38はいずれも流れ次第で勝利することも決して不可能ではありませんでした。 マシンのポテンシャル不足のせいだけにして何もしなければトヨタにしろニッサンにしろ今季よりももっと成績は落ち込むと思います。 ホンダも手綱を引き締めて連覇を狙いましょう!
November 7, 2007
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長い富士のホーム・ストレートはスーパーGTのGT500のマシンでも300km/h前後で走り抜けます。 今季の集大成に僕は富士のストレートで最もスピードが乗るセガ・サミーのブリッヂとパナソニック・ブリッヂのほぼ中間点付近で300km/h前後で走り抜けるGTマシンの流し撮りを試みました。 いや~速い速い。コーナー立ち上がりを狙う軟弱な流し撮りのようなワケにはいかない。少々後悔したもののあきらめるのもイヤでしたので明日もチャレンジしてみます。 今日は時折雨が落ちるコンディションでアンダーめの露出になりシャッターも落ちたので余計にGTマシンの速さを痛感。こんな状態でF1にドンピシャで合わせられるプロにはやはり脱帽です。この結果はまた後日ブログで掲載します。 ところで・・・。 おそらく最速掲載?だと思いますが最終戦を前にタイトルを決めた#8のデザインの一部に変更がありました。それがこちら・・・・ あれあれ?フロントのスーパーオートバックス・マークに月桂冠とチャンピオンのロゴが・・・ しかしボンネット以外にもドアやリア・バンパー、そしてチョンマゲにも・・・ 今回は決勝前には難しいことも書きません。レースを楽しみながら難しいテーマ?(写真)に挑みます。 個人的には今回セッティングやアタックを務めている#100の細川君に注目しています。
November 2, 2007
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鈴鹿サーキットに行ってきました。10月29日、新型ニッサンGT-RをベースとするスーパーGT仕様のシェイクダウン・テストが行われ、そのテスト光景を見学するためです。 現在、幕張メッセで開催中の東京モーターショーのプレス・デーで発表され、27日から一般公開された新型GT-Rも、25日には日産自動車とニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(NISMO)から2008年シーズンのスーパーGTに参戦すると発表されました。 そのリリースではマシン・スペックや参戦台数などの詳細は来年2月に予定されている日産自動車のモータースポーツ体制発表会で発表されること、近日中にテストが開始されることがアナウンスされました。 鈴鹿サーキットをシェイクダウン・テストのコースに選んだ理由は富士で最終戦を控えているせいだ、と囁かれていましたが僕はそうは思いません。シェイクダウンの時機は変えようと思えば幾らでも変えられますがそれでも鈴鹿を選んだ理由は開幕戦に照準を合わせているから、と睨んでいます。 今季中盤もてぎテストの頃に僕はこのブログにおいてニッサン・ファン申し訳ありませんが・・・と前置きした上で今季のニッサンは07モデルのZの改良やヴァージョン・アップを諦めた可能性がある、と指摘しましたがやはりこういうことだったんですよ。 新車の開発にスタッフの大半を割いた可能性は否定できません。外から見た現状ではGT-Rは100%刷新されたモデルには見えませんが細かいデータを洗い出してみないことには正確には解りません。Zの焼き直しにしても新型GT-Rに見えるフェアリングをまとっていることを踏まえればここまでの間にかなりの空力シミュレーションは実施されているはずですから、シミュレーションするための設備を考慮すれば今季のZのヴァージョン・アップは二の次であった可能性が極めて高いです。 うがった見方になりますが来季の参戦をGT-Rで!とも言えない、Zの開発はGT-Rとの兼ね合いを見て続けるとも言えないニッサンはGT-Rの参戦の可能性やZのアップ・デイト状況のどちらに関してもお茶を濁しファンの期待をのらりくらり交わしていたのでしょう。 さて、鈴鹿をテスト・ステージに選んだ理由ですがこれは紛れもなく全車ノー・ウェイトで戦う開幕戦にタナボタでも良いから勝とうという目論見が見えます。今季のようにNSXがトラブルで止まれば昨年のSCのようにデヴュー・ウィンも可能性がないワケではありません。 強いGT-Rのイメージを植えつけるためにシリーズ・チャンピオンは無理でも開幕戦でのデヴュー・ウィンを絶対条件としているように感じます。言い訳無しの全車ノー・ウェイトのガチンコ・バトルで勝てれば08シーズンのニッサンとNISMOの目論見はほぼ達成されるでしょう。 セッションは午前10時から12時と午後3時から5時の2セッションが実施されカーボン剥き出しの新型GT-Rテスト車輌が周回を重ねていました。ラップ・タイム的にはシェイクダウンの域を出るものではありませんので今の段階で書くことはありませんがこれからも開発状況を注視していきたいと思います。 午前のセッションでは本山君が中心にドライヴし、これまでの合同テストでも姿を見せていた車番350のZ開発車両とともにテスト周回を重ねていました。 テクニカル・レギュレーション刷新直前の1年エントリーのGT-Rにどれほどの開発費を投入するのか大変興味深いですが、ホンダNSXとニッサンGT-Rという国産リアル・スポーツの新旧対決も興味深いですね。とはいえ、NSXはリアル・スポーツですがGT-Rは未だGTですからメカニカルな部分もエモーショナルな部分も到達点はかなり差があると僕は思っています。来年になればクローズド・コースで新型GT-Rに乗れる機会がありますからインプレッションは掲載したいと思います。 現在は新型GT-Rの供給はニスモの2台のみで、サテライトは引き続きZで08年シーズンを戦うと噂されていますから今季に引き続きニッサン・サテライト来季も散々な憂き目にあう可能性が極めて高いようです。 明日からは旅行も兼ねてGT100戦目の富士に向けて出発し11月6日に帰ってきます。
October 31, 2007
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INGING MOTOR SPORTが今季は熱いですね。 F3でもロベルト・ストレイトがタイトルこそ逃したものの、3S-Gで奮戦し最終戦まで見事ポイント・リーダーを守っていました。 今回決勝では横溝君のペースもなかなか良かったので最終戦も注目したいですね。 ジョアオ・パオロも伸び悩んでます。サーフィン好きの彼ですから僕も個人的には応援してますがどうも上手く噛みあっていないのではないでしょうか。 GTでもFNでも上手くいきませんが、諦めないで頑張ってください。 300kmでドコモダケ・ファミリーを引き連れて走るファビオさん。GTでは「ファビオさ~ん」「ロイックさ~ん」と呼び合う二人もFNではそれぞれ別のティーム。 僕はこのロイックさん、ファビオさんがとっても好きです。人間的にもレーシング・ドライヴァーとしても好きです。とても明るく前向きな部分が彼らの魅力。 そのファビオさんはFNではドコモダケ・ファミリーを引き連れて走ってます。 本山君は今季GTでもFNでも振るいませんね。 昨今のモータースポーツは肉体的な負担や負荷がとても大きく、4,5年前のように40、50歳近くてもレースが出来るレヴェルではなくなってきてます。パワーアシストが無いFN、ドライヴァー・エイドがないスーパーGTは今や30台半ばでも厳しい状況でしょう。新人や若手の台頭も無視できません。そろそろ若手育成のほうに目を向ける時機ではありませんか? 特に小暮君の台頭は目を瞠るものがあります。同じマシン条件でアタックすれば現在小暮君よりもタイムを刻めるドライヴァーはいないでしょう。 最終戦鈴鹿も堅実に最速をマークして今季こそ日本一速いことを証明して下さい。
October 26, 2007
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本日は東京モーターショウのプレス・デーに招待されましたので帰宅が遅くなりました。 そういえば今までマスキングされていたニッサンGT-Rのヴェールが外されましたが正直がっかり・・・。思ったとおりガッカリ。 それほど特筆すべきカッコよさもなく中途半端にヴェールを纏っていたイメージが焼きついているために外した後もパッとしませんでした。少なくとも購買意欲を掻き立てるクルマではありませんでした。まだレクサスLF-Aの方がインパクトありましたし、新世代のスポーツGTとして興味はあります。 ま、モーターショウ関連のネタを書く方は今後増大すると思いますから僕はスルーします。 今夜のネタは最終戦までもつれこんだ今シーズンの全日本F3タイトル。 フォーミュラ・ニッポン第8戦のサポート・レースとして開催された全日本F3第19戦と第20戦はロベルト・ストレイトとオリヴァー・ジャーヴィス、大嶋和也の3人によって争われました。 結果タイトル争いは第20戦までもつれロベルト・ストレイトのスピン、大嶋君の独走という形で決着しましたが、もてぎの表彰台で大嶋君が発言した「来年はヨーロッパで・・・」という言葉が気になります。(GT300の#101にも登場するFTRSの首席ドライヴァー、大嶋和也。満を持してヨーロッパへ・・)(第18戦終了時点でポイント・リーダーのロベルト・ストレイト1点差の2位につけていたオリヴァー・ジャーヴィスは残念ながらTOMSに連覇をもたらすことはできませんでした。) 今シーズンが始まる前に僕は今季からトヨタが投入する1AZ-FEの可能性をこのブログでもすでに示唆しているだけに特に気になります。トヨタの最新鋭パワー・ユニット1AZを引っさげてのユーロF3への参戦なのか?強豪ティームからGP2への参戦なのか、あるいはトヨタF1のテストも兼任するジャンプ・アップなのかまだハッキリとはしませんが彼のヨーロッパでのチャレンジは非常に興味深いです。 全日本F3のタイトルを獲得した久しぶりの日本人ドライヴァーが今季のマカオやコリアのビッグ・タイトルへチャレンジしどんな結果を残すのかもたいへん興味深いところですが、いつもマカオの時に思うのは習熟度の問題。 日本ではトヨタやホンダを使いマカオではメルセデス等の他社エンジンというケースが多く、エンジンへの習熟度がリザルトを分けてしまうケースが多いのもまた事実。乗りなれないマシンを一発で決めて結果を残さねばならない順応性を養う意味ではメリットがありますが、そのハードルはとても高いものです。 TOMSからのエントリーなら1AZの可能性もありますが活動資金の枠にあまり余裕が無いF3でシャシ、エンジンなどもろもろ一式を国外に持ち出すかどうかが微妙なところ。大嶋君が使い慣れた1AZを使い参戦するとしたらユーロF3勢の猛者を相手にどんな勝負をするのか11月18日に行われるマカオGPが楽しみです。 ユーロの可夢偉(メルセデス)と全日本の大嶋(1AZ-FE/トヨタ)の一騎打ち見てみたいですね。
October 25, 2007
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不発に終わった6人。 ブノワは3位のポディウムには上がったものの完敗。トップ・チェッカーを受けた小暮君からは21秒も離されてますから手も足も出ない状態。3位以下に落ちることなくチェッカーを受けるのがやっとでした。 前回のもてぎも振るいませんでしたからIMPULのセットアップ力に疑問符がつきます。粘って最後はビヨン・ビルドハイムを押しのけて5位を獲得した松田君も51秒も離されています。 1分21秒も離された本山君や1ラップされたミハエル・クルムに至っては論外。 マシンの走り曲がり止るという基本性能を100%発揮させるセッティングが要求されるもてぎやオートポリスなどは足やダウンフォース・セッティングのバランスがとても重要です。それをしっかりと作り上げたPIAA Nakajimaのエンジニアの仕事はさすが。また、そのポテンシャルを余すことなく使いきれたのが小暮君とロイックだけだったということですね。 それにしてもこのお二方・・・・どうなんでしょ? 空回り?それとも低迷? 井出君・・・。ファンというよりも女性の追っかけはたくさんいますが実力伴いません。F1乗ってもその程度では追い出されてしまうのも無理は無いですね。 意地でも国内タイトルは奪取するぐらいのストイックさがないと話になりません。そんなことではドライヴァー生命を短命にします。それも自業自得ですが。 アンドレは富士で1勝したものの精彩欠いてます。今回も最終的にはブノワの7秒後方まで追い上げましたのでジャンプ・スタートによるドライヴィング・スルー・ペナルティがなければブノワを上回ることができたと思いますが、そのチャンスを自らのミスで逸しています。 SUGOのスーパーGTのときの白線カットといい今年は落ち着いたレース運びがみられませんね。唯一Pokka1000kmが当たりましたが見失っていけないのはこのPokka1000kmでも雨が降っている最中にアンドレは何度かコース・オフしていますから勝利を逸していた可能性が否定できないという現実です。 たまたま大事には至らずARTA NSXを捉えるチャンスが巡ってきただけです。 まァ、恵まれないシーズンがあることは事実ですが、今季はすべて自身のミスが呼び込んでいる不運です。もう少しクレバーなレース運びを覚えないとこの先ずっとタイトル獲れませんよ。 レース全体としてはこれでは観客が落ち込むのも無理は無いかなと思いました。日本のトップ・カテゴリーであることは認めますがドライヴァーのレヴェルがバラバラ・・。上手さを感じられるドライヴァーも少なくほんとにこのままで良いの?と思ってしまいます。 でも新鮮な発見もありました。 頭を使ってパッシングするポイントの3つ手前のコーナーから仕掛け、狙い済まして敵車を術中に落とし華麗なオーヴァー・テイクを見せた34の横溝君は見事でした。 こんなふうに頭を使ってコース上で攻略する技術を持っているドライヴァーは大歓迎ですし、こういうドライヴァーがもっと伸びる環境を作らないとダメです。猪突猛進的にプッシュプッシュするだけでレースが面白くなると思ったら大間違いです。このクレバーな横溝君の仕掛けにまんまとはまったブノワまだまだです。それともマシンが決まってなかったことのせいにするんでしょうかね? ま、このくらいにしておきます。
October 24, 2007
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今日は帰りが遅かったので写真をアップするに止めます。 詳しくは後日掲載します。F1ブラジルは録画でもして観戦することにしてもう寝ます。スタートに失敗しながらもコース上でブノワから2位を奪い返したロイックはお見事。小暮君もIMPUL4台を寄せ付けぬ速さで今季3勝目。ハッキリ言ってワンサイド・ゲームでした。見事1-2を決めた31号車と32号車。マシンを仕上げる術は上手いです。マシン性能が結果に大きく影響するもてぎでこほどのマシンが作れるということはPIAA Nakajimaの総合力がダントツであることを示唆してます。タイアの偏磨耗を抑えることに神経を使いながら、ブレーキングの難しさをあらためて考えさせられるこのコースで小暮君もロイックも終始見事な走りを見せました。ロイックはスタートの失敗が悔やまれますが速さは誰にも引けをとらないことをアピールできました。これで俄然最終戦が楽しみになりましたが小暮君の逆転チャンピオンの可能性がクローズアップされる1戦となりました。
October 22, 2007
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ゲストとして招待していただいたおかげで久しぶりにFNを見てきました。明日と明後日も観戦の予定です。 小暮君、相変わらず予選番長は譲らないようでトップ・タイムです。僕は以前からフォーミュラ・ニッポンに参戦するドライヴァーの中で国際レヴェルの中で意外と面白い結果を出してくれるのは小暮君だと思う、と書いてきました。 それは今も変わりません。 僕はドライヴァーの才能や傾向を感じたときの一種の閃きは良い場合でも悪い場合であっても裏切られることは少ないです。つまり勘を外すことあまりありません。ここで勘と断言すると誤解されるかもしれませんので簡単に補足すると、100%のカンではありません。ただし、これには明かしたくない経験則などが含まれているので正直のところ曖昧にしておきたいということです。 それを総じて端的に「カン」と表現しているだけで根拠がないわけではありません。 まァ、この辺の話は企業秘密的な要素が強いのでこのあたりにするとして久しぶりのフォーミュラ・ニッポン・・・。 書きたいことは色々ありますがまだレース・ウィーク全てを観たわけではないので総評はまたあとで書きます。 今日は僕が撮ってきたレース・フォトへのチャレンジ作品を掲載しようと思います。 いつもの僕の傾向で撮影するとまァ、だいたいこんな感じです。 ピンに重点置き、さらにマシン全体よりはドライヴァーに重点を置いて撮るのが僕のスタイルですが、さらにピン・ポイントでピンを置くような写真を撮ってみました。 例えばこれ・・・。 上の横溝君の写真はマシンのノーズ・コーンのピンに重点を置き、下の本山君の写真はサイド・ポンツーンのスポンサー・ロゴにピンを置いてみました。 こういったチャレンジをしたのはつまるところ下のような写真を撮ってみたかったからです。 ドライヴァーのヘルメットにだけピンをあわせる流し撮りです。僕のようなド素人にはかなり難しかったです・・・。 そしてさらに大冒険。僕には大冒険的な写真です。意図的に適度にブラし、フォーミュラのダイナミックさを前面に押し出す写真。これはまだ試行錯誤している段階なのでどうかとも思いましたがどのように進化するかも楽しみの一つになるかもしれませんので掲載します。 PIAA NAKAJIMAの滑り出しが良好ですがINGINGのロニーもなかなかの出来。松田君はかなり沈んでますので明日一発目の予選までに修正できるかどうか・・。ハッキリ言って無理でしょうね。 今日の練習走行の出来から言えば小暮君とブノワ・・・。ダーク・ホースはロイックといったところでしょうか?ただし、フォーミュラは些細な状況変化が流れを大きく変えるのでまだ予断を許しません。 練習走行終了5分前ぐらいからパラついた雨などもその要因の一つになるでしょう。P.S.写真に関するご意見ありましたら遠慮なく書き込んでください。参考にさせていただきます。
October 20, 2007
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長かった九州からの帰路・・・。 無事帰宅しました。 そして我が愛機D200が復活です。帰ると妻からカメラが仕上がったと連絡があったとのことで早速受け取りに。 D300が11月にはリリースされ、実際に触れては見たもののやはり親馬鹿?。使い慣れたD200のほうがしっくり来ます。D300もCMOS搭載して明らかに良くなっているとは思いますが今のところそれほど欲しいとは思ってません。 D200で十分です。 明日からフォーミュラ・ニッポンもてぎ250kmレースですで妻がトランクに荷造りしてくれてありましたが僕の体調がどうもすぐれません。 スーパーGTのタイトル決定で緊張がプッツリ途絶えたのか風邪をひいたらしく熱があり背中が重くだるくなってます。 お祭りのようにワインと食べ物を暴飲暴食?したつけが回ってきたんでしょう。そんな状態で神戸1泊経由で東京まで陸路帰ってくる僕も無謀といえば無謀。 大分~東京間の行程の中で集中力が切れなかったのは自分でも驚いてます。この距離を走りきったLS600hのインプレッションは後ほど書くとして問題は明日からのFNでしょう。 なんとか1日である程度良くしないとレース観戦厳しいかな? 喉がいがらっぽく、咳も出ますし、昨日あたりからは鼻水も出るようになりけっこうつらいです。 とはいえ招待されたレースですからなんとか行きたいものです。FNも今回の出来如何ではタイトルが決定するだけに、まだ可能性を残しているドライヴァーたちのせめぎあいは見ものでしょう。 気がつけば今月は毎週サーキットに行ってます。第1週は上海、第2週はオートポリス、そして今週はもてぎ・・・。 とはいえ、この熱なんとかしないと・・・。 僕は平熱が35度フラットぐらいです。中学生の頃からこの平熱が続いていますがそのせいもあって37度ともなれば36度の方々の38度に相当するので軽視できません。とにかく1日で熱を下げねば・・・。
October 18, 2007
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書きたいことは山ほどありますが少し酔ってますので今夜は要点だけまとめて書きます。 スーパーGTほど勝利の女神の存在を思い知らされるレースはありません。昨年も一昨年もそうですし、今シーズンもそうでした。 そして今シーズンほど女神の気まぐれ、いや、女神を虜にするレース・マネジメントを実行できたティームがイニシアティヴを握ったシーズンは無かったと思います。 すべては驚異的なコースレコードを樹立しながら決勝ではトラブルに泣いた開幕戦の鈴鹿に端を発しています。 開幕戦の最終ラップでエンジンが息絶えたARTA NSX。その傍らに呆然と立ち尽くす大輔君の姿に女神の気持ちが動かされたとしても決して不思議はありません。 このときはTAKATA童夢NSXもエンジン・トラブルに泣きました。 終わってみるまで解らない。そう。これがレースです。 でも、よ~く考えてみると終わってみなければ解らないというレースが今季は非常に多かったのもまた事実。ポールからスタートしたマシンが勝てたのはもてぎのたった1回のみです。 鈴鹿1000kmでも、もてぎでも、オートポリスでも快走する#38にこれでもか!というぐらいにトラブルが起こるとは誰も思っていませんでした。ここでも終わってみなければ解らない、という演出を勝利の女神は好んだのです。 そこで僕なりに考えました。どうしてかくもこんなに#38にアクシデントやトラブルがこんなに起きたのか? そのヒントが開幕戦です。 開幕戦のタナボタ勝利のさいの高木選手のコメントです。僕はこのブログでも書きました。タナボタの勝利の割にかなり偉そうな言葉を残しているんですが、そんな慢心が勝利の女神の逆鱗に触れたのでしょう。 この後、かなりのツケを払わされることになります。しかも高木選手がドライヴしているときが多いですね。前回のもてぎは立川君のドライヴ中でしたが・・・。 今年の女神はかなり執拗にツケを支払わせましたが、まァ、その気持ち解らなくもありません。実力による勝利ではない勝利で慢心してるようではコンペティションを戦っていく上であまりにも浅はかすぎますからね。 それに比べ大輔君やラルフは常に一戦一戦出来る限りの最高の結果を残すべく全身全霊を傾注してレースに挑んでました。この差が今シーズンの差です。 ですからNSXとてどのNSXにも同じような結果が出せるわけではありませんでした。もう来季に向けての準備が始まりますがとにかく大輔君、ラルフおめでとう。 そしてありがとう。 僕が愛してやまないNSXに2度目のタイトルをもたらしてくれたことに感謝します。心から感謝します。 GT史上類を見ない圧倒的なリザルトを残してのタイトル獲得。年間ポール獲得数を小暮君が記録し、絶対的な鈴鹿でのコースレコードを大輔君が記録し、8戦中4勝をNSXがマークしています。 こんな嬉しいことはありません。長い九州からの帰路も格別です。(笑) 今夜は用意していたクロ・デュ・メニルを開けました。帰ったらロマネ・コンティを開けてお祝いしたいと思います。(笑) ほんとにタイトルありがとう。来年も頑張りましょう。
October 15, 2007
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エッジの通信環境が不安定なことを除けば、SUGOラウンドの秋保温泉と、オートポリスの由布院、九重近辺の温泉は最高です。 全ラウンド中もっとも癒されます。このあたりも最近はオーベルジュ・スタイルの温泉旅籠がたくさんお目見えして伝統や格式だけが命・・・という路線からの脱却も見られ今後楽しみなエリアです。 また、ワインの隠れリストを持ってるところもあり、僕も満足するラインナップです。お湯だけでなく飲食も大満足できます。 僕は15日までここに泊まり耐久レースのごとき手法で帰ります。まず大分を出発して大学からの友人がいる神戸まで行って1泊。お互い忙しく時間も取れないので会う時間が取れませんが、どうしても会いたいのだそうで僕が犠牲(?)になり大分から神戸まで高速を結んでLS600hで走るということになります。 物凄い距離です。しかも、この後も名神や東名をつないで帰るのですからオイオイ・・・という感じです。 帰ったら帰ったで仕事山積み。大丈夫かな・・・ モーターショーのプレスデーに招待されてますが、ここでのこのこ出かけていくともてぎや富士までにさらに仕事が溜まりそうな気配。慎重に考えましょう。 おっとっとこんな時間ですね。明日は決勝ですので早く休まねば・・・。
October 14, 2007
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#38がポールを奪うも、#8にとってはタイトルを獲りやすい状況になりました。 #38がポール・トゥ・フィニッシュを決めたところで#8が3位以上を獲得すれば搭載せねばならないウェイトから見ても最終戦で逆転するのは極めて難しい状態ですからほぼ決められそうです。 無論油断はできませんが、今日スーパー・ラップ直前にパラついた雨が明日の決勝で降ってくれると非常にありがたいですね。#38は雨が降ったらトラクションかからずによれよれになる可能性が大きくなりますからNSX勢が一気に引っくり返す好機となるでしょう。 今回は直前分析は控えます。 SUGOのように表彰台をNSXが占めるチャンスがやってきたので僕の検証は意図的に封印し、レース後に気が向いたら書くことにします。 SCもそれなりに良くはなってきていますが投入できるタイム・アップ用のタマはそれほど多くはなさそうです。90kg積んだ#18との差が1秒も開いてませんので、今季のSCの出来はその程度ということです。 この現実を考え決勝ディスタンスで追加されるタイアへの負担を熟慮すれば、未だにNSX勢が有利であることは明らかなので今回の予選の結果には心配してません。ただし、NSX同士での接触は勘弁していただきたいですね。 予選の順位でフィニッシュすればNISMO勢のチャンピオン権利は失せますから、このままNSXは2-3-4-5-6フィニッシュを確実に決めてこのオートポリスで決着をつけたいです。「速いからといって強いとは限らない・・・」 モーター・スポーツでは良く使われる言い回しですが、速さを持たないマシンやティームばかりにタイトルが行ってる現状に最も問題があります。 コンペティションとしての面白みを根幹から危うくしている最大の要素です。「速いだけでタイトルは獲れない」 これは事実です。しかし、速さを持たないティームがそつなくまとめてタイトルを取れるようなレギュレーションやルールがまかり通っていること自体に日本モーター・スポーツ界の凋落が見え隠れしていることも事実です。 圧倒的に速くて上手いドライヴァーがタイトルをとることはそのシリーズの今後の健全な存続を見据える上では最も重要な要素です。だからこそ、今季は#8が獲らなければなりません。シリーズ通してここまでの戦いを見せることが出来たドライヴァーやティームがチャンピオンシップ争いに負けてはいけません。 それを引っくり返す面白さがないワケではありませんが今回のオートポリスを見ても解るようにほとんどのファンの方々が大輔君やラルフのウェイトをモノともしない流れるような驚愕の走りに物凄い期待をよせています。チャンピオンになることを願っています。 観客の方々は上手く言葉に言い表せなくても大輔君やラルフがなぜ上手いのかを知ろうとする好奇心に満ち溢れています。 機は熟しました。限りなくフォーミュラに近づいたマシンをフォーミュラ的ではない新次元の走りでウェイトを積んでるとは思えない走りを魅せられる君たちだからこそ開ける扉があります。大輔君、ラルフ、明日決めましょう。 それにしてもティーム国光の人気も凄いです。どこのサーキットでも人気高いですが今回は特に強いような印象を受けました。昨年の細川君の熱い走りのせいなのでしょうか? それに比べ気になることもありました。NISMOは今季不振のためか、それともかなり頑固でマニアックな方で埋め尽くされているのか#23のスーパーラップ落ちに対して怒号(?)や罵声が飛び出す始末。ドライヴァーへの非難も耳にしました。それも1人や2人ではありません。何十人単位で見かけました。 それがトヨタ・ファンやホンダ・ファンから聞こえてきたブーイングならそれほど気に留めることでもないのですが、NISMOのキャップを被り、NISMOのTシャツを着て、その全てに本山君とリチャードのサインやミハエルや松田君のサインで固めた、僕なら絶句してしまう熱烈なお約束ファンあるいは追っかけの方々から吐露された言葉です。こんな不甲斐ないシーズンでは無理もありませんが、その不満を施設の器物などに当り散らすのはいけませんね。そんなことをしてるとますますNISMOやニッサンの評判落とします。 もっとも、NISMOのドライヴァーも先行車を押し出してコースアウトさせてしまうようなところがありますので似たようなものかもしれませんが。 衆人環視の中での傍若無人な振る舞いはご遠慮いただきたいものです。
October 14, 2007
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今日のオートポリスはかなり暑い一日でした。 路面温度も徐々に上がり午後の走行では30℃に迫るほどに上がった時間帯もありました。路面温度があまり高くはならなかった1回目は#12や#38が1位2位を獲得しましたが、午後になって27℃にせまると案の定、ターンインや立ち上がりでタイアのグリップに大きく頼るZやSCはかなりメロメロ状態。 ここでの完敗がチャンピオンシップに直結する#23と#38は気を吐いて見せたものの5番手6番手どまり。しかも、何とか1勝はしたい#12も意地を見せたため4番手に割って入ってきました。 一方、トヨタが一縷の望みを懸けるもう1台、#1が全くの不発。 正確には不発というよりこれが今季のSCの限界でしょう。ほとんどトラクションがかかってません。明日はもう少しタイムを刻んでくるでしょうけどせいぜいコンマ5からコンマ7ぐらいでしょう。トラクションを良く出来ても1秒縮めるのはかなり難しいと思います。 なんとしても#8の前でレースをフィニッシュしたい#23は万が一このまま順位でグリッドが決まるようなことがあればニッサン陣営は間違いなくオーダーを発令するでしょう。NISMOのトップにおられる方がハッキリとおっしゃってるぐらいですから。 さて、それよりももっと意外だったのは#17。 昨夜あんなにまで書いてしまった僕をまるであざ笑うかのようなトップ・タイムです。(笑) でもね・・・この結果を目の当たりにした後でも昨夜書いたことに変わりはないです。 100Rから30Rにかけてと80Rから50Rまでにかけての区間の出来がいまひとつ。 この区間最も素晴らしい仕上がりを見せているのは#100と#8。 同様に#18はウェイトを背負ってからの走りが弱い。道上君や小暮君はウェイトがかさんでくると大輔やラルフのようなキレが見られなくなるし、二人の好みに微妙な差があって落とし所を探りながらセットしてるように見えます。一見合理的にも見えますが二人ともベスト・セットではないからどちらにも一発のタイムが期待できません。やっぱり、ウェイトを積んだときにダントツに上手い二人が乗っている#8は強いですね。 明日はもてぎの時とは違いスーパー・ラップでグリッド決めますから#8は間違いなく4位以内を獲るはずです。 #17がかなり頑張らないと1位と2位のグリッドは#100に引っくり返されて決勝で逃げ切られてしまう可能性があります。 今日のドミニクの最後のアタックにはまだ余力がありましたが#17は結構マージン削って攻めていたように見えました。 ZやSCに関してはやっぱりというかもう開発を止めた?と思える部分があります。ただし、タイトルを諦めているわけではないでしょう。 トヨタ、ニッサンは「何をやってもダメなので現状のマシンで出来る限りのことをする」という執念で動いているのだと思いますが、今季に限っていえばコンペティティヴな力はすでに残されていません。「速いNSXが潰れたらタナボタ」の図式は相変わらず健在です。そのタナボタを確実に得るための努力しかトヨタ、ニッサンには出来ません。 レギュレーションで叩き続けられた結果、力をつけ技を磨き、今季に限って言えばヴィークル・ダイナミクスもエアロダイナミクスもNSXだけが偶然突出した。 1つのマシンを叩くためのルールが、1つの力だけを結果的に磨いてしまうこの現実をJAFやGTアソシエーションには厳しく受け止めていただきたいと思います。 フォーミュラと異なるものにフォーミュラの心臓を・・・。これとてGT終末へのカウントダウンとならなければいいですが。
October 13, 2007
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有明から新門司までフェリーで移動し、昨日九州上陸です。フェリーでは35時間ぐらいかかりましたが概ねオン・スケジュールというところです。 新門司から一部九州自動車道を使い耶馬渓を経由して湯布院、九重方面で僕が使う常宿にチェック・インしましたが相変わらずエッジ不機嫌で受信状況はかなり微妙。 LS600も今回の九州上陸が初の長距離です。 最初はエンジンがかからずにスルスルと巨体をスタートさせるハイブリッド特有のスタートにいささか戸惑いがあったものの今は完全に慣れました。とは言え、いつエンジンがかかったのか解らないぐらい静かなのは驚異的です。 このハイブリッドの技術力はどこにも真似はできないでしょうね。恐ろしいものです。高速巡航もエンジン、トランスミッション、ドライヴ・トレーンともに慣らしが終了したこともあって極めてスムース。 ほんの僅か、例えば5分の1から4分の1程度スロットルを踏み増した(フル・スロットルではない)だけで物凄いトルクで加速を開始します。 ここまで調教されていると内燃機関だけのクルマはもはや骨董品なのか?と思ってしまいます。とにかく、調律に破綻が見られないところが良くも悪くもトヨタなのかな、と思います。 メルセデスが後ろに張り付いてきたりしましたがセーヴ、セーヴということでとにかく無視。熱くならないようにスロットルを踏み込みたい気持ちを抑えるのがやっとなほどスタビリティが高く、高速巡航のアライメントも申し分なしです。高速巡航時のステアリングのきり始めの遊びプラス・アルファの切り角での反応速度と安定感がこれほどまでに上手くバランスされ調律されている日本車に乗ったことはありません。 やや大袈裟に操舵角を与えたときもリアの追従性に遅れるようなダルさはありませんし、逆に大きくロールを誘発した挙句アンダーから急遽オーヴァー気味にリアが不安定になるようなことも一切ありません。徹頭徹尾安定しています。 さらに言えば、高速巡航時のフロント回頭のレスポンスとそれに見合うリアの追従性とスタビリティは悪評されるほど悪くはありません。 個体ごとの微妙な誤差があるのかも知れませんが今まで乗った中では特に違和感や問題点は見当たりませんでした。LS600に関しては今後も追跡試乗記を時折書き込んでいこうと思ってます。 一方で、今回は思っていた通り愛機のD200が間に合いませんでしたので楽しみの一つになっている写真が撮れません。無念です。 その分、NSX戴冠へ向けて全力で頭を使いたいと思います。 それにしてもLS600でホンダ関係というのもかなり微妙ですよね。何か新たにもう1台考えないとまずいよな~。 しかし、今回のオートポリス納得いきませんね・・。 なんですか#24の2ランク救済。もてぎであれだけ走ってるのに救済いりますか? #25と#39は仕方ないとしても#12と#24の救済は不要な救済です。そのくらいならNSXでありながら結果が出ない#17を1ランク救済すべきです。もっとも、#17は1ランク救済されても勝てるかどうか微妙ですが・・・。 つまるところ、NSXが特別速いのではなく、NSXが壊れなければNSXを扱うことにかけては物凄く上手い大輔君やラルフ、道上君や小暮君によってもたらされている速さということです。 今回は細川君の活躍に期待したいですね。昨年もう一歩及ばなかったこともありますからここでリヴェンジかましましよう。 明日の練習走行で力関係が解ります。
October 12, 2007
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スーパーGTも残すところあと2戦。 イカサマと思われてもしかたのない微妙な裁定を避けるためにもNSX勢としては富士ではなくオートポリスでチャンピオンを決めたいところですが、今季スーパーGTが開幕してからハッキリと確信した傾向があります。シーズン序盤にそれは顕著なものとして現れていましたが、まだ序盤なので多くのスーパーGTファンを失望させることもないと考えて今まで見送ってきました。 今回もそのことに触れるつもりはありません。シリーズが終わってからも書くつもりはありません。そこには重大なヒントどころか新しいレギュレーションに移行するまでの間の重要な要素がたくさん詰まってますので。 マシンに必要とされる傾向。ドライヴァーに要求されるスキルがそこには明確な回答として横たわっています。 ポイントはスーパーGTとフォーミュラ・ニッポンの最大公約数と最小公倍数から見出せるもの・・・といったところでしょうか。 難しいことはさておき、オートポリスで決めにくる#8を止められるマシンがあるかどうかですが、正直難しいですね。決してトヨタ、ニッサンに可能性がないワケではありませんが極めて難しいレースになります。 アンジュレーションがあり旋回しながらアクセレーションしたりブレーキングするオートポリスはいわばSUGOにさらにタイアとブレーキに厳しい要素を付け加えたようなものです。 今季のSUGOはどうだったでしょう?ご存知の通りNSX1-2-3でした。 #1がペナルティによって脱落しての1-2-3ですからその分を加味しても上位陣をNSXが占めるのは必至です。 レース前にトヨタ・ファンの方、ニッサン・ファンの方を落胆させてはいけませんので根拠は控えますが根拠もあります。ま、リクエストがあれば書きます。 僕の予想ではオートポリスで#8のチャンピオンが決まるかどうかは微妙なところだと思いますが番狂わせがなければ勝つのはNSXです。その車番予想に関してはまた後ほど。
October 4, 2007
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もてぎでのZです。 もっともパフォーマンスが安定していたのは#24 です。チャンピオン争いはともかくとして、5位だとウェイト加算が無いのでパフォーマンス的な面ではZ勢の中では最も注意すべき存在になってきました。タイアの使い方も上手い。続いての要注意Zは#3。ウェイトも少ないしセバスチャン、柳田ともにいつハマってもおかしくない存在なだけに侮れない。続いてウェイトはそれなりに積み込んでいるもののレース・ディスタンスで帳尻を合わせてくる#22と#23もそれぞれ侮れない存在。空回りを繰り返す#12。今季の19ptはもう絶望的。焦る気持ちや逸る気持ちが裏目に出て沈んでいます。
September 19, 2007
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遅ればせながら道上君、小暮君もてぎ300kmレース制覇おめでとうございます。小暮君はフォーミュラ・ニッポンSUGOでも勝ったのでスーパーGTとフォーミュラ・ニッポンで連勝ですね。(もてぎのシャンパン・ファイトで採用されたシャンパーニュは『ポメリー』でした) さてオートポリスです。ウェイト・エフェクトもタイア・エフェクトも共に大きい鈴鹿並みのテクニカル・コースです。上りながら曲がり下りながら減速するようなレイアウトのため高いヴィークル・ダイナミクスが要求されます。 このコースは回頭性とトラクションが重要なのでタイト・コーナーの立ち上がりで常にフラフラしているZは今季微妙でしょう。もてぎでもピッチングが少なかった#24は良いと思います。もてぎの5位によって積み込む分はありませんからタイア・エフェクトによるパフォーマンスの落ち幅を抑えるセッティングや乗り方ができれば奮闘するかもしれません。 しかし、NISMO勢がウェイトで苦しんだことを踏まえて言うなら簡単ではないでしょう。 #8はもてぎで押し出された一件で一転して不利な状況になってしまいました。車載カメラの映像などを見てみると#23のZは確信犯的に当てたとも思える部分が見え隠れしているだけにドライヴ・スルーでは甘いのでは?とも思いますがこれに関してはこれ以上触れません。 100kgまで到達した#18はリストリクター1サイズ・ダウン、50kgウェイトで戦えるのでオートポリスならポディウムを争える位置を走れる可能性は極めて高いですが重要なポイントが一つあります。 #8の大輔君やラルフはウェイトを積んで重いときの走らせ方が非常に上手いドライヴァーです。道上君やトヨタの脇坂君なども同様ですが、それでは小暮君やアンドレはどうかといえばちょっとばかり疑問符がつきます。フォーミュラにも乗っているパイロットとスーパーGTに特化されたパイロットの最大の違いはウェイトに対する強さです。このことに絞って考えれば本山君も立川君も脇坂君や今季の大輔君には及ばないでしょう。この4人の最大の違いはここにあると言っても良いぐらいです。 これを裏付けるのはもてぎ300kmの時の#1のアタッカー。普通ならここはアンドレがスーパー・ラップを走りますがこの日ノックダウン式の予選を走ったのは脇坂君。ノックダウン式でタイアをコントロールしながらアタックしなければならないから脇坂君が走ったとも考えられますが、これは鈴鹿1000kmの勝利で積み込んだ50kgというウェイトを背負っていたためウェイトによる落ち幅が少なく安定感の高い脇坂君に走らせた、というのが僕の見方です。 これは小暮君も同様で、重くない状態ではフォーミュラのようにNSXを走らせ物凄いラップをたたき出すのですが重い状態(鈴鹿Pokka1000kmが良い例)でのタイムは至極普通のタイムに終わります。 ま、これはウェイトを背負っていますから当然のことですが、問題点は他の部分にあります。ウェイトを抱えての無理は違う部分、すなわち目に見えない部分にダメージを蓄積しますので、ウェイトを考慮し決して無理をしないクレバーな走りで上位に喰らいつき、ウェイトがない時の走りとは一線を画すスキルが要求されます。 この一線をきちっと引けるか引けないかで今年のNSX(NSXだけでなく、SCもZも同様)は大きく戦闘力が変わりますし、このスキルの高さが今季のNSX勢のランキングを左右しています。このスキルの序列がNSX勢のランキング順を見事に表現しているといえます。 NSXの場合すべて後半に勝機が訪れますから、後半勝負に照準を合わせてオートポリスは戦う必要があります。 #18がオートポリスで決めるならアタッカーは小暮君ではなく道上君。スタートは小暮君。後半は道上君でしょう。#8は今まで通りアタッカーは大輔君。スタート・ドライヴァーにラルフ、後半は大輔君のままで十分です。 ウェイトとリストリクター径の絡みがもたらす落ち幅をどうやってアジャストしライヴァルを喰うかを考えることはスーパーGTの醍醐味の一つ。 またオートポリスで15kgで走る#32と30kgで走る#100がどこまで上位争いに絡んでくるかで#8と#18の争いも流動的になります。 さて、ここからは今までのデータを下に僕自身が弾き出したオートポリスの展望です。エアロ・ダイナミクスはもちろんですが、それよりもヴィークル・ダイナミクスが重視され高いレヴェルが要求されるオートポリスの上位争いはNSX勢同士の戦いになると思います。 その理由に関しては自粛させていただきます。 SCとZに関しては旋回性能のアジャストが上手くまとめられればZのほうがSCよりは有利だと思いますがトヨタも黙って指をくわえてはいないでしょうからどうなるか蓋を開けてみなければ解りません。
September 18, 2007
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今季はトヨタには助けられました。 開発そのものに迷いがあったり、ドライヴァーそのものの好みなどの影響もあり新型エアロの採用不採用がティームごとに分かれ、さらにタイア・メーカーごとのマッチングも影響し思うように開発が進まず迷走することになりました。 例えば「SHOGUN」はもてぎ戦で#6、#35、#38には装着されていたものの、トヨタ勢のポイント・リーダーである#1には採用されていませんでした。 これらの空力系アイテムの装着に関する開発側のコメントとしてはもっともらしいこと言ってますが今シーズンは実際にラップ・タイムを効果的に削れるアイテムを投入できていません。 #38の立川君や#1の脇坂君だからこそそんな状態でも1勝は挙げることが出来た、と判断するべきです。 ニッサンはもっと酷い。ライヴァルの脱落によって富士では1-2を決めることが出来ましたがこれもラッキー・ストライク以外の何物でもありません。 残念ながら第3戦の富士から最終戦の富士までのスパンで一番伸び幅が安定していないのはニスモでしょう。決して伸びていないわけではありませんが、伸びしろがコースによって様々で不安定であることは否めません。場合によっては改良がマイナス効果をもたらしているのではないか?と思うことがあるほどです。 とりも直さずこれはメカニカル・グリップの低下によってタイアを十分に使えず偏磨耗が起きることによるマイナスの連鎖がマシンに現出するのではないかと思います。ひどいときにはグレイニングの一歩手前までいきそうにも見えます。 僕が今季の07型Zがオートポリスでは使い物にならないのでは?と思う最大の理由はここにあります。 しかし、ブログには専門的な検証内容は掲載しないと決めたのでこのくらいにします。 次回~その2~ではNSXの凄さと脆さについて少しばかり書こうと思います。
September 15, 2007
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#32はオープニング・ラップでのスピンさえなければ最低でも2位は獲得できました。無念です。このスピンで#32はポディウムを逃しましたが終盤に魅せた#24とのドッグ・ファイトは見ごたえがありました。ロイックと荒の手を変え品を変えの攻防はとてもクリーンで接触してしまった#8VS#23とは違い見ごたえがありました。 実は#24はZ勢の中で最もピッチングが抑えられていてスーパー・ラップはともかく、決勝では後半伸びてくるかも・・・と予測していました。案の定でした。 ビクトリー・コーナーなどの出来もZ勢の中で#24は別格で#22よりも良かったぐらいです。 その熱いバトルを物語るスナップがこちら・・・ #32の右リアのホイール・フェンダー後方に黒々と残されたブラック・マーク見えますでしょうか? 伊藤君や荒君は当てても押し出さないように一線を守ります。ところが、通常は当てずにクリーンに走っているものの当ててしまった場合は弾き出してしまうドライヴァーが多いのも事実です。 この差はとても大きいです。 P.S.明日からベルギーの予定でしたが違う仕事が入ったためキャンセルになりました。また仕事漬けの日々が待ってそうです。それにしても富士のこの濃霧・・・F1で大丈夫なんでしょうかね?F1で練習走行キャンセルになったらシャレになりませんよ・・・。
September 13, 2007
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開幕戦の鈴鹿、驚愕のスーパー・ラップでポールを獲得し逃げに逃げた#8のARTA NSXと#18のTAKATA童夢NSX。 2位を走っていたTAKATAがエンジン・トラブルでリタイアし、トップを明け渡すことなくブッチぎりで1位を快走していたARTAはファイナル・ラップに力尽き#38がタナボタの勝利を得ました。 脇坂君の言葉を借りれば、今回の#38立川君のトラブルはこのときの収支決算と言えるでしょう。タナボタで得た勝利はどこかで返納する・・・。それがスーパーGTの因果律ともいえます。 そしてこの開幕戦鈴鹿で同様に#8と#18のストップによって2位を得た#23もその収支決算をもてぎで払うことになりました。 ランキングで2位につけていた#23はどうしても#8の前でチェッカーを受けてポイントを詰める必要がありましたが名手本山君ともあろうドライヴァーが完全に前に出た伊藤君の右リア・フェンダーを押し出してスピン。そのまま2台ともグラベルへとコース・アウトしました。 ここで#23は運よく#8の直前に停止していたため#8は牽引フックに牽引用ハーネスを装着できずに#23よりも後にコースに復帰することになります。本来なら、コース・アウト直前にリードを保っていたのは#8なので#8からコースに戻すべきですがいたし方ありません。 それでも本山君にはちょっと失望しましたね。本山君のクリーンさは高く評価していたのですが彼をもってしてもパフォーマンスが低下しているZでは成すすべなく無理をした結果伊藤君を押し出す形になりました。 日本のレース界を背負って立つドライヴァーの世代交代の瞬間でした。上手さは健在でも技の切れに関する明暗がクッキリ分かれた形になりました。上手さも技の切れもある日本人ドライヴァーの筆頭は大輔君でしょう。 徹頭徹尾クリーンなオーヴァー・テイクに徹して1車身完全に抜き去った大輔君は理屈抜きで見事でした。 リストリクター1ランク・ダウン&50kgのウェイト搭載という#8に完全にパッシングされた段階で本山君が一旦クールに引いて仕切りなおす余裕さえあれば今季のチャンピオン争いから脱落するような結果は招かなかったと思います。 「たとえ100kgの#8でも一度オーヴァー・テイクされたら抜き返せない」 Zの競争力の低さからくるその焦燥が生み出したアクシデントが結果として今季のタイトル争いから脱落する結果を招きました。 無論全く可能性がないわけではありませんがウェイト・エフェクト、タイア・エフェクトの厳しいオートポリスでZが勝つためには絶対にドライ路面で路面温度が上がり過ぎないというタイトな条件が必要になります。 最終戦の富士は今回脱落した#38とウェイトが落ちる#1が死に物狂いで獲りに来るのは火を見るよりも明らかなので自力優勝の可能性は95%~99%の確立で消えました。 それは残り僅かで姿を消した#38も同様です。自力優勝が潰えたという部分では#38と#1の方が深刻でしょう。 トヨタ勢は最もポイントを獲得している#1で44ptでランキング7位。続いて#38の42ptで8位。そして今回3位ポディウムに立った#6が34ptで9位と振るいません。ハッキリいって残り2戦重大なアクシデントや如何様でもないかぎり逆転はありえません。何しろビハインドがそれぞれ25pt、27pt、35ptですから#8、#18が2戦ともノーポイントになり、なおかつ残り2戦のいずれかでポール・トゥ・フィニッシュ&ファステストというフルマークを決め、もう1戦は入賞して必ずポイントを獲得しなければなりません。 ハッキリいって現実味ありません。それができるぐらいなら、今までこんなに停滞していないでしょう。細かい検証をブログで掲載するつもりはありませんが現実的にトヨタ、ニッサンは厳しくなりました。一方、ARTAのノーポイントで完全な自力タイトルは無理でも結果如何では逆転優勝の芽が出てきたのが3ティーム。 まずはこの優勝で一気にポイントを伸ばした#18。そしてオートポリスをフルマークすれば69ptまで伸ばせる#100と昨年有終の美を飾った最終戦富士でフルマークすれば70ptまで伸ばせる#32です。 さてランキング3位と4位につけている#22と#23はどうでしょう。客観的に極めて冷静に分析してもオートポリスでのフルマーク(ポール・トゥ・フィニッシュ&ファステスト)は難しいでしょう。仮に出来ても最終戦はドン詰まりです。 今回2位の#22はトップ10を狙うのが精一杯。#23は毎回足が決まらずタイムが伸び悩んでいます。そんな状態で高低差があり上りながら減速、下りながら加速と旋回を繰り返すタイア・ライフに厳しいこのコースでトップ・チェッカーは極めて難しい気がします。特にトルク・フルなFRは。 #22や#23から比べれば#32と#100の2台の方がオートポリスと富士で勝てる可能性は極めて高いですが、やはり出てくるのは#8と#18でしょう。結局のところ現在のスーパーGTはF1と同様総合力の高さも求められています。今季の求心力はホンダ・レーシングにあるでしょう。 詳しい検証はまた別の機会に。
September 11, 2007
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ノックダウン方式の予選が#38のドライヴァー立川君の渾身のアタック・タイムを希薄なものにしてしまいましたね。確かにワン・ミスを帳消しに出来るノックダウン式は従来のスーパー・ラップ方式よりも見ごたえはあるように見えますが、集中力を高めた渾身の文字通りのスーパー・ラップを一過的なクリア・タイムにしてしまう盲点も存在します。 もし今まで通り、もてぎの予選がスーパー・ラップ方式ならポールは間違いなく#38に獲られていたでしょう。後半セクションでSCもZもNSXの速さに及びませんでしたが前半のストップ&ゴー・セクションではトルクを活かし明らかにNSX勢をリードしていました。 しかし、一方では5番グリッドを手に入れられるタイムをレコードした#100が1回目のセッションで沈んでしまうという明暗がクッキリ分かれたかたちとなりました。 このセッション形式がNSXに有利に働いたとはお世辞にも言えませんが、もてぎのNSX不敗神話を継承できる可能性を残す予選結果となったことは純粋に喜びたいと思います。 僕の読みが外れなければ明日の決勝SC勢とZ勢は苦しくなります。 クルッと回ってガツンと立ち上がっていく大排気量のSCやZはヨーやピッチングの影響を受けやすい上にストップ&ゴーのコースではその負担は倍増します。レース・ディスタンスともなればそのダメージはボディ・ブロウのように効いてくるはず。トヨタ、ニッサン勢にとっては暑くなりすぎないことを祈るばかりでしょうね。 路面温度が暑くなりすぎなければトヨタ、ニッサンにも勝機はありますがその勝機を手繰り寄せられるかどうかは解りません。それがレースというものですからね。 それにしても小暮君の攻めっぷりは見直しました。デグラデーション的にセッション3はかなり厳しくセッション1の時のようなタイムは難しいのでは?と思っていましたがどうしてどうして、コンマ5秒落ちまで刻んでくるあたりはさすが。 このタイムを出したらセッション3のタイア・コンディションではSCやZでは詰め寄れないでしょう。 これによって小暮君自身今季4度目、#18としては今季5度目となるポール獲得。今後おそらくGT史上塗り替えることが極めて難しい記録を打ち立てることになりました。 おめでとう。明日はスッキリ、ポール・トゥ・フィニッシュを決めてくださいね。予選順位1位~6位 コメントいただいている皆様、コメント返信できず申し訳ありません。もてぎ戦が終わったらコメントさせていただきますのでしばらくお待ちください。
September 9, 2007
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台風一過のパドックはモーター・ホームも亀のようにぴっちり締め切って通過を待ちました。 おかげさまで一般のお客様はこのとおりおりません。 そんななか行われた占有走行ではSCやZが奮起し、3メーカーが入り乱れる乱戦が展開されましたが僕の見方は少々違います。 台風でラバーが洗い流され、ラバー・グリップが低下し全体的にトラクションが低下していました。そんな中、トルクに優れるSCとZが低めの路面温度の恩恵もあって立ち上がりのドッカン加速を活かしそこそこ良いタイムを出した、というのが僕の見方です。 明日は暑くなりそうなのでタイアとブレーキに厳しくなりますから今日の序列のままで収まることはまずないでしょう。 温度が高くなればZはタイアに厳しくなりますし、タイアがタレてスピン・オフすることが怖いSCもコンマ数秒スロットル・オープンに注意を要します。今季はステップド・ボトムなのでその瞬間は昨年よりも唐突に訪れるはずです。タイト・ターンと加速が連続するステージならなおさらです。 今日の結果はあくまでも台風一過後の参考タイムでしかないというのが僕の見方です。本当の序列は明日暑い時間帯になってから解ります。 本日のトップ3 でも明日、暑くなってからはこの2台が出てくると思います。 #32と#100が鍵を握っているのは間違いありません。もてぎでの3メーカーの出来やいかに?
September 8, 2007
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僕は100戦目ではなく99戦目でタイトルを決めたいと言いつづけてきました。 #8がタイトルを獲得する可能性は極めて高くなってきましたが、もてぎは世界でも屈指のハード・ワーク・コースです。これはマシンにとってもドライヴァーにとってもですが。 クルマの基本性能、とりわけブレーキ性能が極限まで要求されるもてぎはかつて6年間NSX以外勝ったことがありません。トヨタ勢、ニッサン勢が勝てないのはこの基本性能に拠る部分が大きいのは確かで、ここでNSXの基本性能の高さがアドヴァンテージとなっています。 今回は難しいことをゴチャゴチャ書くことは避けます。僕が歯に衣着せぬ内容の記事を書いていることにも一長一短ありますからこれからは専門的な内容を書くことは控えようと思います。 「読みたい」と思っている方もかなり多いかとは思いますが、良く思ってない方や毎日のように偵察するだけ偵察してまるで自身の検証のごとく流用されている方などもいるようなので超専門的な内容や検証記事はこれから控えます。 ともかく明日からはあと2戦でタイトルを決めるための大事な1戦。 ウェイトを下ろすための消極的な戦術ではなく常に100kg以上積んでリストリクターの口径をワンランク下げて獲るだけポイントを獲り、もてぎとオートポリスの2戦で最低10ポイント、出来れば18ポイントぐらい獲得したいところ。そうなれば最終戦(100戦目)を待たずにタイトルが決められそうです。 ところで台風はどうなってるんだろ?
September 6, 2007
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久しぶりの更新です。 引越しの方がまだまとまりませんが週末はスーパーGT第7戦。引越しの整理は一旦お休みしてこの第7戦に集中したいと思います。 今季のスーパーGTもいよいよ大詰め。 ただし、微妙なのが台風9号。とは言え中止にならなければNSX勢にとっては恵みの雨になる可能性大です。 SUGOや鈴鹿1000kmでも解るように路面が濡れればマシンの方は純粋なパワー勝負ではなく300kmという距離を見越したコーナリングのパフォーマンスを含めたバランス勝負。ドライヴァーは一発の速さではなくクレバーに攻める走りが要求されます。ましてもてぎはストップ&ゴーのコースでタイア・エフェクトが高いのも特徴ですからオール・ウェットか、ドライのちウェットかウェットのちドライかで戦略面も分かれます。 ブレーキング勝負の面ではでウェイトの重さが関わりますので#8は厳しいかもしれませんが決勝ディスタンスは楽しみです。ウェイトを抱えたときのウェット路面攻略でのブレーキングの上手さは伊藤君やラルフは定評ありますし、ドミニクやロイック、道上君や小暮君、そして細川君も決して不得意ではありませんから非常に楽しみです。(1000kmを落としたので本命は#32かな。対抗は#100と#18。) ただし、ウェットなら#8も最終的にはトップ10圏内に入ってくる可能性はあります。今季2度目のNSXの1-2-3が見られそうなだけに期待してしまいます。入念な戦術を組み上げて気持ちよくスパッと決めてしまいたいものです。P.S.TBS、KUNOICHIの真帆ちゃん残念。三浦さんも残念。鍛え上げられた身体能力や美しさはスゴイ。スゴすぎます。これからも頑張って下さいね。楽しませていただきました。ありがとう。
September 5, 2007
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僕が8月5日のブログに掲載した「生ぬるいでしょ、その裁定」の記事をご記憶でしょうか? その中で僕はこういった一文を掲載しました。「スーパーGTでピットを常に締め切って来場者に見せようとしないNISMOやワークス系トヨタもしかりです。ニッサンやトヨタもサテライトはそれなりにファン・サーヴィスしてます。 ニッサンやトヨタはファン専用イヴェントでファン・サーヴィスをして満足しています。小さくまとまって自己満足する器の小さい点が見え隠れしてます。 本当はレースに脚を運んで見に来ていただけるファンにサーヴィスすべきです。メーカー系のイヴェントでファン・サーヴィスしてるからサーキットではしないのでしょうか?勘違いも甚だしいです。 僕が常の言ってる「何様なの?」はそういう意味です。見てもらってナンボの仕事をしてるのにシャットアウトですからね。そういう余裕の無いティームが流れを呼び戻せるわけありませんよ。 観客やスポンサーがいるからこそ自分たちが競争力のあるティームを維持し続けられるという初心に戻らなければ駄目です。」 上記に抜粋した内容を載せましたがPokka1000kmではちょっとした改革が実施されました。鈴鹿のPokka1000kmではGTAプロモーション部会の通達により、ついたてによるエンジンルームの目隠し禁止、シャッターを閉鎖して作業を隠すことを禁止しました。 なんでも坂東正明GTA委員長が「見に来たお客さんに失礼だ」と指示したそうですが、これは当たり前です。今まで言われなかったことのほうがおかしい。どんな業界もそうですが、そこにドップリと浸かってしまっている方々は元来内包している問題点に気づかないことが多いです。 こんな当たり前のことが当たり前に出来ないから日本のレースはどんなにヒットしてもいずれ衰退していくんですよ。特にNISMOは旧態依然とした体質改善をしないかぎり、国際レースの場に復帰して勝利や成功を収めることは難しいでしょう。間違いなく結果は残せません。 F1でのトヨタ、ホンダの低迷もこれらと無縁ではないと僕は思ってます。 F1はレース中はスポーツ・マネジメントやテクニカル・マネジメントが重要ですが走っていない時間はファン・サーヴィスやスポンサーに対するビジネスとしての側面やマネジメントが重視されます。 ここがきちんとできなければ結果も残せません。それは当たり前のことです。活動資金が潤沢であれば勝てるマシンを作れる可能性が高まりますが、なければ必然的に競争力の低いマシンしか作れません。 ファン・サーヴィスがしっかり出来ないティームに有力スポンサーがつくわけなどなく、これは基本的なビジネスやマーケットを管理するマネジメント・ケースでそれが総合力とよばれる力の本質です。 レースをするティームとして必須となるマネジメント能力がNISMOやトヨタは極めて低く、これらが今季の低迷の一部にあることは事実です。 本当のプロ集団を自負するならレース管理だけでなくマネーやマーケットなどのマネジメントやファン・サーヴィスとは何ぞや?という部分を真剣に考えるべきです。 それが出来ない一部分の馬鹿者が大木を揺るがし、腐敗させ、やがては朽ち果てさせてしまうことを忘れてはなりません。 今回のGTAプロモーション部会の判断を僕は支持します。
August 24, 2007
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100kg積んで160Lapまで、レースのほとんどを掌握しトップを守り続けた走りはとにかく立派。守ったというよりは攻めて攻めて自分自身で切り開いたにわかには信じがたいポジションでした。 100kgのウェイト積んだ状態でウェイトの軽い相手や救済された相手を向こうに回して値千金の2位を獲得したのですから1位ではなくても立派なものです。無論、みんな勝ちたかったというのが本音ですが、スーパーGTはそこまで甘い世界ではありません。上出来です。 #8(ARTA NSX)のどの時間帯の走りを見ていても#1が簡単にレースをひっくり返せるとは観衆の誰もが思ってませんでした。#1(宝山TOMS SC430)の僅かな間隙を突いた奇襲作戦の前に1位こそ逃しましたが、このウェイトで2位を得て獲得したポイントは有効ポイント制を考えても大きなメリットがあります。 TOMSの博打は当たりましたが博打を打たねば#8とのポジションをひっくり返せないほどライヴァルを苦しめたのですから殊勲です。前評判を大きくくつがえすレース展開はまさに爽快でした。 一時はNSXの1-2-3-4-5まで取れそうな勢いでしたが、それはそれでNSX勢にとっては厳しい展開でもあります。結果的にはトヨタ、ホンダ、ニッサンが表彰台の痛みわけ。ただし、NISMO#23のポディウムはまたしてもタナボタ。堅実なペース運びがものをいったともいえますが、EPSONがリタイアしなければ3位というリザルトは不可能で他力本願な作戦しかチョイスできなかったこともまた厳しい現実です。 寿一とアンドレの勝利には純粋におめでとうと言いたいですね。まさにアンドレにはうってつけのステージでした。ただし、雨が上がっていなければラルフはレイン・マスターの座を決して譲ることは無かったでしょう。 大輔とラルフもおめでとう。これで確実にチャンピオンシップのイニシアティヴは握りました。もてぎでどうするか?戦略的自由度もかなりあります。僕が予告した通り最終戦を待たずにオートポリスで決められる公算も高くなりました。もう一度ポディウムに上がって自力で決めましょう。 まずはもてぎまでしばしの休息です。お疲れ様でした。 僕も明日からリフレッシュするため三重、和歌山のサーフ・ポイントまわってみます。三重や和歌山の皆さん、カーボン製のサーフ・ボードを持ってる見慣れないサーフ・ライダーを見かけたら気軽に声をかけてください。(笑) スーパーGTファン、NSX-GTファンなら間違いなく話が弾むと思いますので・・・・ コメントいただいてる皆さん申し訳ありませんがAIR EDGEではダウンロードが重くて自身のページを開くのも一苦労です。明日以降ブロードバンドが使える状況になると思いますので明日以降に返事させていただきます。 同様の理由から皆様のブログも回れません。ごめんなさい。
August 20, 2007
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ブノワ・・・いい加減にしてください。フォーミュラ・ニッポンのときもそうでしたがプロ意識著しく低い。 昔のドライヴァーはクラッシュに関して「大御所」でさえも攻めた結果だから仕方ないなどとのたまいますがそれは違います。それでは現在の世論の声が届かない安倍政権と同じようなものです。 だからレース界は金食い虫と叩かれ、スポンサー不足に悩まされ続けるんですよ。そのあおりを食らうのはクラッシュを厭わず多少のリスクは覚悟の上で1位を争うトップ・ティームではなく下位の弱小ティームです。勝てる可能性も乏しいのに簡単にクラッシュされたらたまらん、と。 そういう理由でスポンサーが下りることは今でも日本では珍しくありません。 観客に楽しんでもらうことと、ドライヴァーの欲求優先で一つでも前へという猪突猛進とは根本的に違います。スポンサーの方々も「よりによってスーパー・ラップで?」と思って当然です。 ただ、そういった風がブノワ自身にまで吹いてこないのは「元祖日本一速い男」が率いるティームだからです。星野氏の後光がなければ彼はただの無法者です。完全に叩かれるでしょう。 よりによって決勝の行方を占う大切なスーパー・ラップのデグナーで消える・・・。 自分自身が乗っているマシンの限界は掌握してるはずでしょ?プロなんだから。そういうふうに進歩が無いからキャリアが停滞するんですよ。 無茶なドライヴィングにもマシンがついてきてくれる時はズ抜けて速いけど、マシンの方がついてきてくれないときはタイア・バリア行き。いっつもそう。そういえばアンドレも同じ傾向・・。マシンが良ければと嘆くのは良いけど、与えられたマシンで最善の結果を引き出すこともプロとして必要な能力ですよ。 でなければスポンサーはついてきてくれません。 F1で走ってるドライヴァーにもこういった傾向のドライヴァー多いです。ただし、こういった傾向のドライヴァーはずっとチャンピオン候補と言われてるか、1回だけチャンピオンに輝いた一発屋程度で終わってます。 今で言えばキミ・ライコネンやジェンソン・バトンがそう。もの凄く上手いけど、マシンが伴わないときのパフォーマンス・リカバリー(僕はそう呼んでます)が低い。 練習走行で限界を探るためのチャレンジィングをミスってやっちゃいました・・・というのとは明らかに異質なものです。スーパー・ラップはウルトラCを魅せる場面ではなく決勝に向けての堅実なポジションを獲得するためのティームにとっての分岐点です。 それをドライヴァーの軽率な判断ミスで一瞬でフイにしてしまうなど言語道断です。君のその甘い考えではこれ以上の進歩はありませんよ。 このアクシデントで次に続く#32のアタッカー、ロイックはウォームアップ・ランのあと一旦ピットへの帰還を余儀なくされました。 タイア・ウォーマーが使えないスーパーGTはテンプチャー・レンジのコントロールがかなり難しく、特に一回温めたタイアが冷えて硬化してしまった場合の熱入れは正直難しいです。F1などでもユーズド・タイアが長持ちはするけど一発の速さが期待できないのはこの熱入れに由来します。 とはいえ、こういった逆境でも#8の伊藤大輔ならきっちり仕事をしてなんのことはなくポールを獲ってきたでしょう。これが伊藤君とロイックとの差であり、ブノワとの大きな違いです。ドライヴァーとしてのパフォーマンスの差というよりはメンタリティやマナーの問題、さらにはパフォーマンス・リカバリー能力の差と言い換えることができるでしょう。 それに比べ昨夜も触れましたが敵ながら#3の二人のドライヴァーは良い仕事しました。スーパー・ラップをまとめた柳田君は今、ワークスの#22や#23のドライヴァーよりも乗れてます。この2台(#22#23)はティームもドライヴァーも頭でっかちになって何をやればいいのか皆目解ってないでしょうね。デグナーの入り口は???というようなスロットル・ワークだし、S字はリズムが大事なのに最初から最後まで三味線弾いてるような感じ・・・。 NISMOはやはりお家芸のターボ・エンジンとの決別でリズムを崩してます。大排気量NAと中間排気量ターボ・エンジンの質量差は補機類を含めればかなり変わりますのでジオメトリーが変わるのは当然のことながら、マスを熟慮した低重心化まで考えれば大幅な設計変更を強いられます。 そこまで考えていたとしても僕の目には「ちょっと甘いんじゃないの?」という点が数多く散見されます。 これはホンダが安易にというか苦し紛れにターボ・エンジンを投入してバランスを崩してしまったシーズンに似ています。NISMOはコンペティティヴなマシンの原点に回帰するならもう一度自分たちの得意である分野と不得意分野をしっかり見極めて両足を着けた開発をやっていかないと駄目です。 少なくとも今の状況は最悪です。本山君やリチャードをもってしてもこの有様なのですから失敗を認めてやり直すべきです。それをしなければNISMOのエンジニアも利権にまみれて失敗を認めない官僚や政治家たちと同じです。 僕は基本的に間違いや失敗を認めない方々は嫌いです。なぜなら絶対に進歩がないからです。言い訳したり、これはあくまでも自分自身の見解だからと言い張る方はそこから進歩することはありません。僕はそういった方々と共に仕事をしようとは思いません。 話が反れましたが明日の決勝は今日のスーパー・ラップの結果で正直読めなくなりましたが1000kmというレース・ディスタンスを考えたとき、時間帯ごとに変わる気温と路面温度への対応能力という部分でタイアのデグラデーション能力に優れたNSXが一歩有利という感じでしょう。 NISMOは信頼性が高いと言われますがそれはターボ・エンジンのパッケージングを採用していた昨年までの話で、この距離を走るとなると4輪の分担荷重の面で路面温度ごとの磨耗管理が厳密にシミュレーションできているかどうか微妙です。 これに関してはSCも同じです。今シーズンの開幕戦直後、僕が指摘した前後オーヴァー・ハングをダウン・フォース獲得のためにいじってしまった両車(SCとZ)はこの4輪の分担荷重が静止状態でも大きく変わってしまい、さらに前後のダウン・フォース量が変化したことによって、それこそあらゆるコーナーごとに荷重が変わり昨年までのデータがほとんど役に立たない状況になっていると思います。さらに言えば、開幕戦のときとは違い両者共に新しい空力アイテムを投入してますからダウン・フォースの総量やバランスも変化していて開幕戦のデータは使えません。 シミュレーションで得られたデータだけです。これだけで事足りるほど現在のスーパーGTは甘くないです。 トヨタ勢、ニッサン勢大不振の最大の理由はこれです。 それに比べ、NSXは前後のオーヴァー・ハングはいじれなかったのでスキッド・ブロックへの対応化へ逸早く移行できキープ・コンセプトのまま刷り合わせ出来たことが今季の成功の要因です。 にもかかわらずまたミドシップ車に最初からウェイト・ハンデが復活するとか・・・。やはりトヨタ、ニッサンのためのシリーズなんですね。スーパーGTは。 おっと、こんなに長い記事を書いてしまったのでこんな時間だ。明日に備えてもう寝ます。それではみなさんお休みなさい。
August 19, 2007
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もっとも暑い時間帯に行われた第2回目の占有走行で32号車のEPSON NSXが唯一55秒台をマークしました。気温は38℃。 路面温度のほうはポイントによっては60℃に迫るほどまでに上がった中でこのタイムは見事です。 鈴鹿と言えばスーパーGT開幕戦で8号車の伊藤大輔が1分49秒842というとてつもないコース・レコードを樹立したのは記憶に新しいところです。しかし、それは初春の気温15℃前後、路面温度が25℃前後の世界でのお話で、今回はその倍以上に相当する気温、路面温度です。 ここまで路面温度が上がった状況で50秒を切るのはかなり厳しいでしょう。その大輔君、今日はらしくない無理をして1回目の占有走行でクラッシュし2回目の走行を棒に振りました。しかし、メカニックたちの頑張りは凄かった。彼らが一番まとまっているような気がします。 メカニックが頑張って仕上げたクルマを重い状態でも優勝に導くドライヴァー。そのドライヴァーがほんの些細なミスをしたときに全力でリカバリーする姿には心を打たれます。 おそらくそんな空気はホンダの本拠地であることも手伝って観衆も巻き込みホンダ陣営に良いムードを作りました。そんな流れの中で32号車の55秒台ですから一気にホンダ・カラー一色といっても良いぐらいでした。 55秒台に入ってきたのはこの1台だけなのでアクシデントやトラブルさえなければ明日のスーパー・ラップもロイックが仕留めてくれるはずです。 タイム・リザルトだけ見た方は38号車のZENT CERUMO SC430も55秒台を出してトップ・タイムでは?と思うかも知れませんが、これは日没が始まり気温が34℃前後まで落ちて、路面温度も40℃以下に落ち着いてからのナイト・セッションでマークされたタイムですから32号車と同列では比べられません。 事実セッション2での38号車のトップ・タイムは57秒台の中盤です。 今季のPokka1000kmは僕の読みでは本命32号車です。壊れなければ・・・の但し書きがつきますが。(苦笑) でも、AUTO SPORT誌などの予想を見るとほとんどがSCやZを挙げてますが希望的観測の感が拭えないと思います。 NSXにトラブルが発生してストップしない限り今季ZとSCに勝ち目はほとんどありません。どのコースにも難しいコーナーやつなぎの部分があります。そういうポイントのセッティングや走りの難しさは実際に走ったことがある方、さらに言えば極限まで攻め込んだ経験があるかたにしか解りえませんが、そういうポイントで定点観測をしているとクリアの姿勢やスロットルの開度、ブレーキング開始ポイントとリリース・ポイントが全部見えます。無論みんなまちまちです。 しかし、その中で最も理想的な状態に近いクリアを見せているのはいつもNSXです。今季のSCはリアのトラクションが厳しそうに見えますし、Zはフラフラしていて話になりません。ストレート・スピードが上がったおかげでタイムの落ち幅を抑えることができたという一番かっこ悪いパターンですね。 ジオメトリーは今更見直したところで鈴鹿を含めて4戦ですからもう間に合わないでしょう。そんな中、一発の気合で56秒台に入れてきた3号車と12号車は見所あります。ただし、12号車は救済ありますからある意味当然でプラス、マイナスは相殺といったところですが、3号車は間違いなくドライヴァーの技量です。3号車と同じ10kgしか積んでいない22号車も56秒台後半であることを踏まえれば大健闘でしょうね。 明日のスーパー・ラップはロイックが魅せてくれそうです。気負いすぎてコース・アウトしないことだけ祈りたいところです。P.S.100号車も余力残してるような気がします。僕の中では本命#32EPSON NSX、対抗#18TAKATA DOME NSX、ダークホース#100RAYBRIG NSXという形でNSXの1-2-3を再度期待したいところです。もう完全に僕の希望的観測です。はい。コメントいただいてる皆さんお返事書けなくてすみません。必ず返信させていただきますが明日、早いので今日はもう寝ます。ごめんなさい。
August 18, 2007
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ロイックとファビオの集中力が切れることなく完走できればこの32号車結構侮れないような気がします。もてぎテストで32号車は9月のもてぎラウンドのためのデータ取りは僅かで、ほとんどが鈴鹿1000kmのためのテストに費やしていたと思います。 ダンロップ・タイアのために優しいウェイトのバランス、搭載位置を十分に吟味したのではないでしょうか?彼らは間違いなくPokka1000km狙ってます。無論18号車も同様でしょう。100号車はもてぎを3年連続で狙っていると思いますので、得意なコースで勝負するはず。ですからPokka1000kmはウェイトを下ろせて、ポイントも獲得できるリザルトを狙ってくると思います。ただし、思ったよりもラップ・タイムが良ければ思い切ってPokka1000km狙ってくる可能性もないわけではありません。SCやZはタイアにはきついはずです。タイアに優しいNSXがどの程度のアドヴァンテージがあるか、明日ハッキリします。タイア・エフェクトもウェイト・エフェクトも高く、ごまかしの効かないコースですからここの戦いで今季後半戦のマシン状態も丸裸にできます。僕の前でそのポテンシャルを見せてください。SCやZが今どのくらいの位置にいるのか解ります。そして、もてぎのテストからSCやZがどの程度進化したか明日すべてがハッキリします。その伸びシロを分析すればもてぎでどのくらい進化してオートポリスでどのくらいまで伸ばせるかもおおよそではありますが推定できます。コーナリング性能でNSXに勝てない2車が詰められるポイントは決して多くはありません。開発はその部分に絞ってくるはずです。すでにある程度予想はしています。その事実関係を明日確認します。こんな時間ですね。明日(いや今日ですね)に備えてもう寝ます。
August 17, 2007
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今日はもてぎテストで走っていたNISMOのテスト車輌です。ときどき、それこそ抜き打ちのように登場してきたのでブレたりして使い物にならないものもありますが掲載します。鈴鹿1000km用に補助灯があります。それ以外は詳しく見てません。もてぎテストではタイムで上位に絡んできましたがどうでしょうかね?僕はちょっと疑問視してます。レース・ディスタンスでは硬いコンパウンドじゃないともたないでしょ。柔らかいの使ったら磨耗酷そうだし・・。そうなるとあのタイムはトヨタ勢、ホンダ勢になめられないためのハッタリ的要素が強いかも。SUGOでもそうだし、もてぎでもそうですが重要なポイント(コーナー)で見てると一番スロットル踏めてません。ただし、ストレートのピックアップが良いからなんとかタイムが出ている感じだけど、決勝は周回遅れのGT300をかわしながらだからきついと思うな。タイアのテンプチャー・レンジとか相性が合ってないのではなく、とにかくZの場合は根本的な部分が弱い。まずはサスのジオメトリーを抜本的に見直さないとどうにもならんでしょ。僕の気のせいかもしれませんが、NISMOは今季の開発というより、来季に向けた開発に割り切っているように見えますね。ホイールに測定器をつけてタイア荷重やスリップをセンシングしてたようです。トラクションをなんとかするためにやっとメカニカル・グリップの底上げに着手したようですが、今これをやっているようでは今季はどうにもなりません。来季に向けてだと思います。 明日というより今日もサーフィンで早いですからもう寝ます。
August 12, 2007
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スーパーGT第5戦で投入されたレクサスSCのリア・フェンダー周りのニュー・エアロはまるでDTMマシンのようでした。07モデルを投入しているワークス系の4ティームだけでしたが、これはどのくらいの効果があるんでしょうか?ハコのタービュランス制御に本格的に乗り出してきたと思われますが、脚がキッチリ使えてこそのタービュランス制御だと思うのですがメカニカル・グリップとダウン・フォースのバランスどうなんでしょうか?気になります。SCはスロットル・オンでズリズリ状態のコーナーがありますので十分にトラクションがかかってないように見受けられます。この新アイテムが本当に機能すればポッカ1000kmは最も勝利に近い存在であるとは思いますが、ダウン・フォースを増やすだけではスライドは止められないのが実情です。上の写真2枚に写った25号車と39号車の形状が従来の06改モデルです。一方下の3枚の写真が07モデルでドアより後方のフェンダー処理とエキゾースト位置の違いに注目して下さい。38、35、6号車ともにフェンダーが張り出しサイドに切りかきが出来てエキゾースト位置が下げられています。更にこの部分の前面投影部には正方形に近い四角のインテイクが確認できますのでブレーキ冷却用のエア・インテイクでしょう。1号車の写真がありませんが1号車も同様でした。この処理はホイール・ハウス後方の処理とワン・セットだと思っていたのですがどうやらそうではないらしい(?)のです。このエアロ・アイテムはTRDがSHOGUNと名づけたそうなのですが、もてぎのテストではちょっと微妙な状態になってました。これから下の3枚はSUGOの直後のもてぎ合同テストの写真です。これをご覧いただければ解ると思いますがホイール・ハウス後方がえぐられ何枚ものフィンが生えています。兜のようにも見えますのでそれでSHOGUNなんでしょうか?上の38号車の写真はリア・フェンダー周りの造形がハッキリ識別できると思います。ところが1号車だけは違いました。下の写真がそうです。リア・フェンダー前方の処理はSUGOと同様ですがフェンダー後方の処理はSHOGUNではないのです。これがあくまでもTRDのデータ取りに由来するオペレーション上の相違なのか、ドライヴァーの好みによる相違なのかはまだなんともいえません。 いずれにせよ、マシンの信頼性とドライヴァーの実力、更にティームのオペレーションが噛み合えば1号車、35号車、38号車はPokka1000kmのウィナーの本命でしょう。6号車はもてぎでは十分にチェックしませんでしたので写真がありません。ガレージも締め切りでしたし・・・。強いて言えば35号車はダンロップ・タイアの出来に左右される可能性があります。38号車も立川君は問題ないとしても虎がどうでしょうかね?1000kmの長丁場で集中力途切れなければ良いですが。38号車が戦線を離脱するときほとんどは彼がドライヴィングしているときの判断ミスやドライヴィング・ミスに由来していますから。そういった意味ではアンドレがぶつけたり白線をまたいだりしてペナルティを受けなければ1号車が本命になるかな。場合によってはポッカ1000km、SCの1-2-3もありえます。そうなったらNSX勢にとってはまずいので100号車と17号車にがんばってもらわないと。Zはどうでしょうかね・・・・。冷静に、そして客観的にみても勝てる要素を見つけ出すのが難しいと思います。強いて挙げれば壊れなければサテライトの3号車や12号車に勝負権はありそうですがZの信頼性の神話もSUGOで崩壊してます。実は第2戦の岡山でも23号車は止まってるんですよね。NSXのトラブルがあまりにも多く目立ってるために影が薄いだけで。もてぎの合同テスト2日目も23号車が止まってセッション中断になってます。富士500kmでは1-2でしたが1000kmディスタンスでは解りません。ただし、1000kmというディスタンスは流れとかリズムも重要になってくるのでウェイトが軽いからとか重いからということで決まってしまうとは限りません。このあたりの不確定要素を各陣営がどれだけ取り込んでいけるかがキー・ポイントでしょう。あとは何回ピットにはいるか?このピット戦略も重要ですがこれに関してはまた後ほど。
August 10, 2007
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