Fastest Lap

Fastest Lap

November 11, 2009
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カテゴリ: Super GT
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ARTA NSXのルーフに刻まれた本田宗一郎氏直筆書体の「ありがとう」の文字。
やはりこういうところがARTA。生粋のレーシングスピリットを持つティームです。
多くの関係者に愛され大切にされたNSX。
13年間ごくろうさま。そして本当にありがとう。
Our dreams come true~ホンダの夢よ、NSXを愛した人たちよ永遠なれ・・・
またいつの日かその夢の再来が我々にときめきと悦びをもたらさんことを願って。


第2回 テンプチャーレンジが作り出した誤算

トヨタもホンダも予選の段階で、ライヴァルのNISMOに対して巧妙な罠を仕掛けています。
NISMOはトヨタ陣営からかなり用意周到な罠というより包囲網を仕掛けられました。

トヨタとホンダが仕掛けた巧妙な罠は“11月のもてぎ”戦でなければ実現しないシナリオでした。
そう。例年どうり9月開催のもてぎでは実現しないシナリオがそこにありました。
もともとヴィークルダイナミクス面での完成度に??がいくつもつくニッサン勢はクルっと曲がって立ち上がる・・・を繰り返すもてぎを苦手としています。
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昨年、救済+2のGT-Rが完勝したせいでもてぎに対する苦手意識が消えてしまっていたことも今回の罠を仕掛けるには効果的であったかもしれません。昨年のもてぎでの完勝がニッサン勢から「最終戦もてぎ」の重要性や特殊性を見失わせたのかもしれません。
11月のもてぎは残暑厳しい9月のもてぎとは比較にならないほど寒く、エンジンのオーヴァー・クール対策を始めタイアのテンプチャーレンジの見極めだけでなく、タイアをしっかり使うためのジオメトリなど、やらなければならないことがたくさんあります。
スタッフは暖機に特に注意を払うはずですし、ドライヴァーは冷えすぎて内圧が上がらないタイアの温めに四苦八苦することも想定の範囲です。
さらに厄介なのが、もてぎのコースレイアウト。もてぎもエアロダイナミクスは重要ですが特に無視できないのは足や制動力などのクルマとしての基本性能の高さです。短い直線と直線の間にコーナーがある単純なレイアウトながら、アップダウンのアンジュレーションがあり、路面もうねっていたりするため小さなダメージが蓄積していく厄介なコースです。
タイアにとってもきついコースのひとつ。しかも11月の寒いもてぎ。テンプチャーレンジを外しやすくなることは容易に想像がつくのですが、どのティームも思っていた以上に低い路面温度に翻弄されGT-R勢の勢いは序盤のみ。中盤から後半にかけては自らタイアを壊し後退するかペースがあがらずにポジションキープがやっとという印象。

これには250kmレースというレース・マイレージの罠もあったでしょう。例年のもてぎラウンドは300kmで争われ、今年はそれが50km短縮され250kmになったために、タイア性能の余力をグリップ方向に振ってしまった陣営やティームはそれだけで厳しくなるのは必至です。本来なら唐突な気温変化に対応するために作動温度領域性能対策を実施すべき。
こう書くと一元的にしか考えられないエンジニアはすぐに新規タイア開発に直結させてしまうのですが、それでは競争力を生み出すアイディアなど生まれません。エンジンや補器類などが発する高温放熱などをホイルーハウス内に逃がすことなどでタイアの作動温度マネジメントを考えていかなければならないほどタイアの開発競争は進んでいます。
クーリングだけでなく季節によってはタイア作動温度コントロール性能にも着手すべき時期に差しかかっています。

予算削減という錦の御旗のもと、開発力という牙を抜かれた日本を代表するホンダやトヨタがF1においてパッとした戦跡を残せないまま撤退するという不名誉な足跡を残しました。



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さて、テンプチャーレンジ関連とは少々離れますが最終戦もてぎの予選はノックダウン方式。Q3に進んでいるティームは決勝でも同じタイアを履くことが義務付けられています。
すなわちチャンピオンを争う3ティームは絶対に予選と同じタイアを履くはずです。これは最初から解っていることで、逆に言えばQ3に進めなかった段階でチャンピオン争いの権利を失うといっても過言ではないのでファースト・スティントを担うドライヴァーは前半で権利を失ってしまうような走りをするドライヴァー・チョイスはありえません。

NISMOはファースト・スティントを本山で走ってギリギリまで引っ張り、ブノワに渡すべきでした。
そういう考えはハナからなかったのならお話になりませんが、僕は予選の不振がNISMOを悪い方向へと導いてしまったのだと思いたいですね。こんな素人臭いレース・マネジメントしかできないティームがチャンピオンマシンを作っているとは思いたくありません。


ハッキリ言って幼稚。F1でも時として???と思うような作戦や展開を見せるティームがありますがNISMOも同じ。何故この程度のドライヴァーに大事なマシンとタイトル争いを預けているのかが解りません。


~続く~

P.S.

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Last updated  November 12, 2009 02:03:33 AM
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