Flatのガンプラ製作日記

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2025.09.02
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カテゴリ: 本の感想
書籍の感想です。
今回は「ラブカは静かに弓を持つ」です。


ラブカは静かに弓を持つ [ 安壇 美緒 ]

本屋大賞2位を獲得した作品なのでご存知の方も
多いかも。
本屋大賞2位といえば「お探し物は図書室まで」
ですね。大好きな作品で、人からおすすめの本は?
と聞かれたら、これを答えています。

お探し物は図書室まで (ポプラ文庫 日本文学 461) [ 青山 美智子 ]


さて、ラブカは静かに弓を持つですが、著作権を
扱ったお話です。
著作権のある楽曲を扱う場合、使用料を払わない
といけないというやつですね。
この小説では、現実世界でも話題になった音楽教室
での演奏に著作権料の支払いを求めたことで、その
差し止めを求めて音楽教室側が提訴したところから
始まります。
主人公の樹は著作権協会の社員で、上司から音楽
教室への潜入調査を命じられます。

使用が常態化していることを掴むことが目的で
裁判を有利に進める証拠集めです。

樹はできればその仕事はやりたくありませんでした。
それはスパイまがいな行為が嫌なのでなく、
あるトラウマになる事件があり、そのせいで

それ以来、チェロを弾いたこともないし、できる
限り目にも入れないようにしてきました。

社命としてイヤイヤレッスンを始めたのですが、
講師の浅葉の指導、弓使いなどにより、次第に
チェロを楽しいと思うようになります。

それは、その事件以来、不眠に悩まされていた
樹の精神安定剤になるくらい。
しかし、彼はスパイなのです。
毎日、レッスンの内容を録音し、証拠集めをします。
経歴も市役所職員と嘘をつきます。
しかし、嘘であるレッスンの時こそ喜びを感じ、
生きているという充実感を覚えるのです。

やがて、潜入調査の期間が終わりを迎えます。
裁判に向け、樹は音楽教室を退会しないと
いけません。しかし、ただ、退会するだけで
良いのか?仲良くなった仲間や師匠の浅葉の
ことを考えた樹は・・・

この物語は著作権の話ではあります。
しかし、それを軸にした樹の再生物語でもあります。
樹は過去の事件をきっかけを人との接し方が
分からなくなってしまったのだと思います。
音楽との接し方も。
浅葉との出会いが樹の殻を破ったのかなと思います。

とても素敵なお話でした。





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Last updated  2025.09.02 09:28:05
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