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2024年03月06日
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テーマ: 雑感(117)
カテゴリ: TVを見て

ショットなシーンは昨日のことのように思い出す。
 2つ違いの妹とは仲が良く、学校の行き帰りを一緒に帰った。ある日、妹が悪戯で急に走って藪の中に隠れた。私は「Aちゃん何処に隠れたん!」と何度も叫ぶが出てこない。私は次第に腹が立ってきた。「もう一回呼ぶよ!出て来んじゃったら石を投げるからね」
 でも妹は姿を現さなかった。私は、脅すつもりで小石を投げた。すると妹の泣く声が聞こえて来た。私は慌てて声の方に走って行った。藪をかき分けると妹が膝に顔を埋めて泣いてた。私を見て顔を上げると、額から血を流していた。後のことは覚えていないが、非常に驚いたことを覚えている。
トロッコも覚えている。
 炭鉱の町だったので、ぼた山と言って、採炭や亜炭の採掘で出て来る捨て石が長年積み上げて出来た山のようなものが、幾つもあった。そして、ぼた山の間をぬうように線路が敷かれ、トロッコが線路に置いてあった。トロッコで遊ぶのが炭鉱の子供達には楽しみだった。私はトロッコに妹を乗せ、思いっ切り押して飛び乗ると、少し勾配が有るところはかなりのスピードが出る。その日も妹とトロッコに乗り、いつもの様に飛ばした。しかし、私は程なく蒼くなった。前方からもトロッコが来た。作業をする人達だった。向こうでも慌ててブレーキを引いたらしい、金属を削るような音がした。私は目をつぶって妹と抱き合った。暫くして目を開けると、男の人が立っていた。「坊主、大丈夫だったか」心配そうに私達の顔を見た。
「もう、乗っちゃーいけんぞ!」そう言って妹を抱き上げた。
楽しいけど、昔の子供の遊びには少しばかり危険もあった。





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Last updated  2024年03月06日 16時21分37秒
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