■. 8.セイウチの笑顔 THE SMILE OF THE WALRUS
アラスカに棲むセイウチの生態をクストー・チームが観察する。 ……というお話し。 母親を殺されたセイウチの赤ちゃんを保護し育てる様子を追った一編。“忘れられた人魚”のマナティと違うのは、現実的な結末が用意されている点。「そうだろうなぁ」と納得してしまった。まだ生後数日の赤ちゃんに泳ぎを教えたからと言って、野生に返せるほど優しくはないだろう。 セイウチ猟を生業とする原住民たちとクストーの短い対話も面白かった。TV向けのパフォーマンスだと分かっていても、住民の話しに頷くクストーの姿に一条の真実が見えた。おそらく、ここが本作品の白眉だ。