October 21, 2004
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カテゴリ: その他
今年は台風上陸も多いが、毎日のように全国で熊のニュースが報道されている。


羆嵐
新潮文庫
吉村 昭 (著)

私はかつて1980年代の後半から90年代の前半にかけて
夏休みは北海道へソロツーリングに出かけるのが常であった。
1年の中で最大の楽しみだった。

初めて北海道ツーリングに行ったのはシングルエンジンの

走っていてあまりにその自由さがうらやましくその後
ホンダのXR250に乗り換えた。

オフ車を得た私は自由になった魚の如く
北海道の道なき道を走りまくった。

道東林道や北海道内の長い林道には道路標識もなく
分岐路ではカンと5万分の1の地図が頼りになる。
見晴らしのいい場所では休憩もするがエンジンを
止めてしまう事にはためらいがあった。

風にのって動物園にいる獣の臭い
野獣の臭いを嗅いだ時はあわててその場を
走り去った事もある。


恐らく北海道に向かうフェリーの中で
熊の話題となり、知り合ったライダーの方が
教えてくれたはずだ。

読んでしまった事を後悔するとはまさにこの事で
それ以降、熊、特に北海道に生息する羆の恐ろしさを


この本の内容は、日本獣害史上最大の惨事を描いたもので、
大正4年12月9日に苫前の三毛別川沿いの奥地(六線沢)で
実際に起こった事件である。

冬眠の時期を逸した羆が、わずか2日間に6人の男女を殺害し、
その猛威の前で、なす術のない人間たちと、
ただ一人沈着に羆と対決する老練な羆専門のまたぎの姿を浮彫りにする。

活字を追っていくうちに家の背後に羆が潜んでいるような
獣のあの強烈な臭いが漂ってくるような恐怖で、
当時の警察や軍隊までもが出動してもただその恐怖の前に
銃を乱射してかえって手追いの熊にしてしまいあわてふためく
逃げる様子など最後まで一気に読んでしまうこと必至である。

吉村昭のドキュメンタリー長編の中で最高の出来だと思う。
実際に現在では苫前町にこの事件を再現した資料館もあるそうだ。
吉村昭の著書では他にも熊撃ちというタイトルの文庫本も読んだ。
こちらは戻り足をはじめ熊の頭脳明晰さとまたぎすらもやられて
しまう恐怖が短編集で収録されている。

最後にこの本は北海道のオフロードをソロツーリングする方には
お奨めできない。
きっと私のように読んでしまった事を後悔するから。








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Last updated  October 21, 2004 11:55:49 AM


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