hongming漫筆

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1996.04.28
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カテゴリ: 近代文学




 中島敦の小説の多くに共通するのは「孤独」である。他人に理解されない孤独、自らが招いた結果としての孤独が描かれている。
 匈奴に降り、家族を殺されたことを知って漢を捨てようとしながらも捨てきれない李陵。自分でもどうすればよいのかわからず悶々としている。
 真理を求める悟浄は一人物思いにふけり、「寂しい。何かひどく寂しい」と孤独を感じる。悟浄が三蔵につきしたがっているのは真理を得るためではなく、孤独をいやすためではないのか。
 また、「悟浄出世」で悟浄は考える。「険しい途を選んで苦しみ抜いた揚句に、さて結局救われないとなったら取り返しのつかない損だ、という気持が知らず知らずの間に、自分の不決断に作用していたのだ。骨折り損を避けるために、骨はさして折れない代わりに決定的な損亡へしか導かない途に留まろうというのが、不精で愚かで卑しい俺の気持ちだったのだ」
 「山月記」の李徴は言う。「才能の不足を暴露するかもしれないとの卑怯な危惧と、刻苦を厭う怠惰とが己の凡てだったのだ」
 全く、今の自分の心の中にあるものを的確に言い表している。





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Last updated  2005.04.01 20:16:08
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