hongming漫筆

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1998.12.02
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カテゴリ: 日本の古典




 古典を読む上で、気づいたこと、疑問に思ったことなどについて述べたものが中心だが、今昔物語については、著者がどのように考えてきたかを論文を時代順に並べ、昔の考えを改めていった過程もみせる。
 ただし、今昔の書誌学的な考察については、知識のない当方としては、読んでいても全くわからない。印象に残ったのは、今昔は、未完成のまま世に出たらしい、ということだけ。
 そのほかの考察も、文法の細かい考証などはわからないところもあるのだが、文法だけが判断の基準なのではなく、「作品の理解には国語学的知識のみでは不十分であり、ひろく万葉人の生活と心情を知って初めて理解が可能になるであろう」(p13)という態度をとり、そうしてこそ理解できるという実例を見せている。
 また、常に理詰めというわけでもなく、「この第二の解釈をとりたいと思うのである。なぜなら――この方がおもしろいからである」(p77)という文もあり、何と柔軟な頭脳だ、と驚かされた。
 以下、印象に残ったこと。
 師にあたる人の説に異議を唱えたところでは、そのことについて気兼ねしている。(p35)
 ヤマタノオロチと糸針説話に関連があるのでは、と考えている。(p106)  ただし、糸針説話に登場するのが、「決して歓迎されるはずのない虫類がその対象になったことはいえるようである。」(p110)というのは、中国で広く伝わっている懸空寺型の民間故事に、人参や何首烏が登場するのとは合わない。
 p215の山中の髑髏の話は『日本霊異記』にもあるが、あえてそれには触れていないのはなぜか。





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Last updated  2005.04.01 20:37:27
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