hongming漫筆

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2000.11.28
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 江戸から明治にかけてのやくぜにまつわるあれこれ。特に、博打のルールなどは詳しく紹介している。「天釆」というばくちばどは、「明治二十二年頃、東京日本橋区蛎殻町米穀取引所の客引高橋某が」始めたものだ、など、来歴にも詳しい。
 著者自身も、地方の親分に世話になる旅を経験しており、やくざの世界に身を置いたことがあるのかと思ったが、やくざにたいする共感などは全くない。
 巻末の「裏返しやくざ列伝」は、講談などで知られる有名なやくざが、どれもみなろくでなしであったという罵倒ばかりである。
 「まえがき」には、やくざを持ち上げる人を、「労働組合にも加わらない非民主的な他力主義の人たちがおおいようである。」とこきおろし、「江戸時代は末期になるほど、領主も領民も貧乏になった。その原因は封建軍国主義的政策にあった。」(p78)、「非は幕府の軍国主義にあったのである。しかしそれは、封建軍国主義の特長ではなく、君主制の特長であり」(p118)などと、左翼的な見地からの批判が散見されるのだが、このほんのどこを見ても、著者の紹介がない。
 著者は、「いったい、どういう人なんだろう。
 再認識したのは、やくざは貨幣経済が発達したところでないと生息できないこと。
 はじめて知ったのは、浪曲などでやくざがもてはやされたのは、寄席というのがやくざとつながりの深いものであったから、やくざの親分を礼賛する話が生まれたためということ。
 股旅物はフィクションであり、現実とはかけはなれたものだろうとは思っていたが、浅草のてきやの親分は、はっきり、「大衆小説のマタタビ物は、私たちの生活にふれたものではありません。実はバカバカしいもので」と語っている。





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Last updated  2005.04.01 20:57:47
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