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2004.01.23
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人形佐七捕物帳(著者:横溝正史|出版社:光文社文庫)

 「羽子板娘」「嘆《なげ》きの遊女」「笑い茸《だけ》」「呪いの畳針」「螢《ほたる》屋敷」「舟幽霊」「双葉将棋」「風流六歌仙」「万引き娘」「春宵とんとんとん」の十編。
 正月から冬まで、季節の順に配列されている。
 滑稽味のこめられているものもあるが、いずれも横溝正史らしい、陰影の深い話である。
 そのため、子分の豆六の初登場の話が、当たり前のような顔をして豆六の登場している話の後になっていて、ちぐはぐ。
 初期に書かれたものらしい「羽子板娘」には「文化十二年」とあり、「嘆きの遊女」には、お粂のせりふに「二十二になる去年まで」とあり、そのお粂は寛政五年生まれ、とある。何年のことか、佐七がいくつの時のことか、ということを明らかにして現実味を持たせようという意識があったのだろうが、いくつも書いているうちにいちいちそんなことを気にしていられなくなったらしく、何年のことなどと断っていないものがほとんど。
 佐七はお粂より一つ年下、ということだから、寛政四年(一七九二)の生まれ。
 明治維新は七十六歳で迎えたわけで、半七よりだいぶ年上だ。
 「人形佐七」の中に、人のうわさ話の中に半七の名が出てくるのを読んだ記憶があり、横溝正史が「半七捕物帳」が好きだったことは知っていたが、解説を読むまで、女房のお粂の名が半七の妹と同じ名だとは気づかなかった。
 作家の真鍋元之による解説は良くできていて、作者の略歴、人形佐七執筆のきっかけなどが要領よく紹介されている。先に解説で、二話まで読んだら、三話、四話をとばして五話を読めば、豆六について違和感を持たずにすむとうことを知り、それに従って読んだ。

 小説とは別に、この文庫、表紙のイラストが金森達。昔、SFのイラストでこの人の絵を随分見たんだよなあ。懐かしかった。





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Last updated  2005.04.01 21:17:48
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