全30件 (30件中 1-30件目)
1
![]()
携帯が壊れて4日目。自身は困ったなぁと思わないけれど、全ての連絡先を携帯にしていたもので連絡を取りたい側が困るようだ。それにしても、改めて電車に乗って周囲を見ると、皆携帯(恐らくスマホ)を見ている。人を見ずに携帯を見ている。そんなにじろじろ他人を見ろと云っているわけでもないけれど、携帯に人生支配されてるなぁと感じる。さて、こちらはダークファンタジーを紹介します。神の左手The Left Hand of the Godポール・ホフマン金原瑞人中世ヨーロッパを思わせるどこかの国に、サンクチュアリという修道院があり、メシアと呼ばれる修道僧達が少年達と共に暮らしている。しかしその響き(サンクチュアリ=聖域、メシア=救世主)とは裏腹に、修道士達は少年達を厳しい戒律で縛り付けて10年留め置き、アンタゴニスト(異端者)との戦いに備えて厳しい訓練を施していた。少年達のうち、わずかに生きて出られた者の他は皆死んでいる。 私たちが言葉に対して抱くイメージを上手く裏切った物語世界やキャラクター設定に、冒頭からぞくぞくさせられる。さて、これほど真逆のイメージが成り立つ世界となると、善悪の境目はゆらゆら揺れる。その揺れる世界に、まだ自我を確立していない少年達が放り込まれるのだから、危なっかしいことこの上ないビルドゥングスロマンになることは間違いない。 厳しい環境を生き抜いてきた者のうち、戦の司と呼ばれるメシアにひときわ苛まれる少年がいた。その少年ケイルが修道院内で殺人を犯したことから、物語は大きく動き始める。 三部作第一作目のタイトルは、原題そのままの「神の左手」。ユダヤ教の教えで、神の右手は善を指し、左手は悪を指し、破壊を担当する。ケイルは一見農夫のように見えるが、修道院で仕込まれたために驚異的な殺人能力を持っている。しかしそもそも彼が殺人を為した理由は、女人禁制の修道院で、少女が殺されようとしていたのを止めたからだった。善意から生じた悪の行為。ここにも歪みが生じる。さて、ケイルは善人なのか、悪人なのか。彼の行為は善なのか、悪なのか。 ケイルは、後にダースベイダーとなったアナキン・スカイウォーカーによく似ている。家族との縁が薄く、並外れた力を持っているが故に善悪両方から引っ張られ、善を為そうとする思い故にダークサイドに堕ちてゆく。ケイルはいくつもの殺人を犯すが、それは常に誰か、或いは自分を助けるだめであった。降伏を願う騎士を残虐に殺す貌と、弱き者をいたわる貌を持つ彼は、相手次第で、環境次第で、まだどちらにも転がれる未知なる存在だ。 この世界の絶対的な存在が登場しないので、何(誰)が規範となるのかがはっきりしていない。ケイルは修道院を脱走してメシア達が堕落の都と呼ぶ街の総督の元に身を寄せるが、彼だとて善意で彼等を引き取ったわけではない。登場する人物一人ひとりに善と悪の面があり、その渦中に、精神的には未熟だが、こと殺人能力に対してははからずも卓越した技術を持つケイルが放り込まれる。戦い、恋愛、友情、当たり前ではない世界で、当たり前の事を貫こうとする時、彼がどう変わってゆくのか。彼の思惑も、彼を利用とする者達の思惑も、まだ分からぬままである。疾走感あふれる筆致で、ラストまで一直線に持っていかれた作品だ。もう一人のアナキンがダークサイドに堕ちるのか、それとも本来のサンクチュアリに落ち着くことができるのか。その時、善は、世界は。読んだ後から気になって仕方がない。 【後払いOK】【2500円以上送料無料】神の左手/ポール・ホフマン/金原瑞人オンライン書店boox
November 30, 2014
コメント(0)
![]()
2015年1月に映画が公開される大島さんの作品チョコリエッタ を紹介します。チョコリエッタ 大島真寿美高校二年生の宮永知世子には、もう一つの名前がある。チョコリエッタ。両親が好きだったフェリーニのミューズ、ジュリエッタ=マシーナにちなんでつけられた名だ。だが今では誰もその名前で彼女を呼ばない。一緒に育った雑種犬ジュリエッタが死に、知世子、そして家族にもそれぞれ変化が訪れようとしていた。『香港の甘い豆腐』『水の繭』のように、本作もまず「後追い自殺しそうな勢いで嘆き悲しんだ」愛犬ジュリエッタの死という喪失から始まる。ヒロインの年齢は『香港…』と同じ十七才。大人に向かおうとしている部分と、子供でいたい部分とが、引っ張り合いっこをしている、中間の時代。しかし喪失から抜け出られないのは、何も十七才だけじゃない。母の死から未だに立ち直れない父。知世子が出会う高校の先輩・正岡正宗も「永久浪人を目指す」と宣言するが、どこにも属せない自分をもてあます内心のイライラを見抜かれる。唯一向かうべき未来を持っていた叔母・霧湖は、知世子にこう言わずにはいられない。「人が変わるっていうのは、悪い意味だけじゃない。成長したってだけで変化はともなうものでしょ。そういう時はしがみついているべきじゃない。変わればいいのよ。どんどん変わっていけばいいのよ。」喪失を実感する前に、「わけのわからない影にすっぽり覆われてしまった」知世子。家の事を霧湖に任せて、外に出てばかりいる父。傷に触れまいとする互いの配慮が、かえって傷を修復せずに、長引かせてしまう。そんな閉塞した空間に突破口を開けるのは、外部からやってきた人間にしかできない。正宗に対しては祖父が、知世子に対しては正宗がいた。言い方は乱暴だけど、味のあるキャラクター、正宗と知世子の、恋愛の一歩手前のような関係が、さっぱりしていていい。全てが新しく始まる春という季節に、足踏みしていた彼等が、季節が進むにつれて、少しずつ再生へと向かってゆく姿を描いた佳品。【楽天ブックスならいつでも送料無料】チョコリエッタ [ 大島真寿美 ]楽天ブックス
November 29, 2014
コメント(0)
![]()
携帯が壊れてしまって携帯不在2日目。携帯画面を見ていないと落ち着かないというほど依存はしていなかったが、家に帰るコールができなくなるのが困ります。さてこちらは究極の困ったチャンが登場するファンタジーです。でも美麗なんですよね~。闇の公子 新装版Night's Masterタニス・リー今の地球とは異なる「平らかで混沌の海に浮かぶ」ひらたい地球が舞台のシリーズ第一弾。 絶大な魔力と美貌を誇る闇の公子アズュラーンは意地が悪い。美しいのに意地が悪い。いや、美しいから意地が悪いのか。赤ん坊を抱えて今にも死にそうになっている女性が、辛かった自分の生涯を嘆き、これから来る自分の死と子供の将来を嘆き悲しんでいたら、「そんなひどい生涯なんか捨てられて良かったじゃないか。また、この子が死んだとしても、自分が味わったような苦しみを味わわないで済むんだからいいじゃないか」と言う。本人が言うならわかるけど、それを他人のあなたが言う?と言いたくなる台詞のオンパレード。これだけで俺様っぷりはわかろうというものだ。ところが、彼に恨みつらみを言い残して死んだ母親の腕に抱かれた赤ん坊が美系だったものだから、彼は紫の上を育てる光源氏よろしく、彼を寵愛する。 作品中この二人のラブシーンが最も美しくてエロティックで困った。電車の中で読もうものなら顔から火が出そうだ。浅羽さんの訳もいいが、原作もおそらく美麗な形容詞を並べているのだろう。 アズュラーンは自分の美も勿論愛しているが、美しいものが大好きで手に入れようとする。そして手に入らないとなれば、或いは自分の手を離れて行こうとすれば、憎さ百倍でリベンジする。「人間より力を持っている妖魔王のくせに、同じレベルで怒ってどうする。器が小さい!」と言いたくなるが、残酷なことをしていても美しいから困ってしまう。 さて、そんな風に人間をいいように弄ぶアズュラーンが、ラストエピソードでは、自分がもたらしたわけではない災厄に苦しむ人間の窮状に対して、敵の艦隊に一隻で突っ込む宇宙戦艦ヤマトみたいな行動をするので驚く。翻って創造主である神様は「人類は我らの過失であった。神々にも一つは過失が許されている。だが彼らを救って第二の過失を犯す積もりはない。」ときわめて薄情である。「勝手に過失にするな!ついでに勝手な事言うな!」と言いたくなる。 タニス・リーは「これでもか!」と残酷で美しい気まぐれな魔物を飾り立てる。彼の住む妖魔の世界、彼に魅了される人間、彼を魅了する人間も、時に残酷で、時に哀しく美しい。世の中は無垢な存在だけではきっと味気ない。強烈な毒と、浅ましさと、妬みと、それらと優しさと愛がこねくりまわされて、今の地球があるのだろう。 闇の公子 新装版ぐるぐる王国 楽天市場店
November 28, 2014
コメント(0)
![]()
皆さん、タイトルに引かないで下さいね。狂える者の書 (パラディスの秘録)The Book of the Mad タニス・リー小説家志望の方によくするアドバイスの一つとして「早い段階で読者の定点を作ってあげること」というのがある。1.メインの登場人物とどうでもいいスタンスのそれとを分けて書くこと。2.物語の時代、舞台をはっきりさせること。3.そしてもう一つ、物語のスタンダードをはっきりさせること。つまり、何をすることが普通で、何をすることが普通でないのか。 大体この3つが序盤ではっきりすれば、読者は安心して定点に立ち、そこから物語世界に入ることが出来る。逆にこの3つがなかなか分からない場合―特にその著者の作品が初見の場合―は、読者の我慢が切れて読んでもらえないこともある。 タニス・リーの本作品がこの3つの原則のうち2つを外しているのは、勿論確信犯である。パラディ、パラディス、パラダイス。全て楽園の意味を持つその場所は、狂気と正気の狭間にいる人達がいる。だから楽園という意味は逆説なのか、と問われればそうとは言えない。なぜならば、街の人々が全て狂気であれば、誰もがそれを苦痛とは思わないからである。ここでのスタンダードは「正気」ではなく「狂気」だからだ。苦痛と感じるのは、狂える楽園で正気を保っている者だけだ。パラダイスに住むフェリオンとスマラの兄妹のように。だが、そんな兄妹への同情は、第一章のラストで気持ち良く裏切られる。 パラディの女画家レオカディアもまた、正気を保っているがために、楽園を楽園と感じられない者の一人だ。彼女の世界は兄妹の住むそれと違っていて、全てが狂気に満ちているわけではない。だが、ある出来事がきっかけで、「多数の狂気Vs少数の正気」という兄妹と同じシチュエーションに置かれる。名家出身である彼女が、同性の恋人を殺した容疑に問われ、精神病院に送りこまれてしまったからである。さて、彼女は緩やかに狂気に向かうのか。それとも正気を保つ戦いを続けるのか。 パラディスの裕福な家庭に生まれた十五歳の少女・イルドの物語は一番分かりやすい。三つの楽園の中で最も現代社会に近いスタンダードを持つ社会に生き、年齢も若いので複雑さを持たない。ただ一つ、夢の中で悩まされた性衝動を抑えられなかった事が、彼女を本来接するはずではなかった狂気の世界に放り込む。ところが先の二者と異なるのは、狂気でいた方がイルドにとっては幸せだということだ。 こうして読者のスタンダードをぐしゃぐしゃに掻きまわしたタニス・リーは、ちらちらと共通の小道具を見せて、これらの三つの世界の時間軸や、三者の関係性を探ろうとする読者を迷路に導く。さあ、こうなると大変だ。作中に登場するペンギン・ジン(歌まである!)を飲む度に酔いが回っていくように、読む度にさっきまで信じていたことが「本当にそれは私が思っていた通りなのだろうか?」という疑いに覆われて、いつまでも思いきれない。「読み終わった」という満足感はなく、どこかふらふらと千鳥足で「これで良かったのだろうか」とまたこの本に戻って来たくなる。悪酔いをしない自信がある読み手に是非お勧めしたい。 創元推理文庫 Fリ2-6 パラディスの秘録【お買い物マラソン限定100円クーポン配布中】【1000円以上送料無料】【後払いOK】狂える者の書/タニス・リー/市田泉オンライン書店 BOOKFAN
November 27, 2014
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。昨日も今日も雨で寒いこと。夜までずっと雨が続いて寒かったですね。さて、この季節とびきり寒い北欧発のミステリを紹介します。北京から来た男(上下) [ ヘニング・マンケル The Man From Beijing/Kinesin2006年1月、ひとけのない村をうろついていた狼が人間の死体を食べるという恐ろしい場面からこの物語は始まる。その人間を殺したのはもちろん狼ではなく、死んだ人間も一人ではない。過疎で老年人口が高いその村では、じつに19人が殺されていた。そして1人の少年を除いた全ての人がめった斬りにされていた。生存者はいたが何も見ておらず聞いていない。殺された人達はなぜ、誰に殺されたのか?そして少年だけは、なぜ情けをかけた殺され方をしていたのか? 捜査する側の人間としてまず登場してくるのが現役の女性刑事とその仲間達だが、その役割は女性裁判官ビルギッタに取って替わる。母親が事件のあった村の出身であったことからこの事件に惹きつけられた彼女は、関心を持って近づいてくるジャーナリストと共に事件の真相を探る。 この2006年のプロットと並行するように、ある中国人から始まる一族の歴史が描かれる。そして読者は一足先に、この一族の一人がビルギッタが手に入れた日記に登場するある人物と同一人物だと気づく。それによって上巻を読み終わる頃には、読者は事件の動機については、ある程度察することができる。さてあとは登場人物や捜査陣が、いつどうやって真相に辿りつくかを待つだけかと思いきや、上巻ラストになってあっと驚く人物が逮捕される。 引きとしてはいい終わり方をした上巻だが、下巻は主に中国という国が主役となる。上巻で登場した一族の姉弟の対立を通じて、共産主義を貫く立場とより資本主義に傾く二つの中国があぶり出される。かつて日清戦争の頃に欧米列強に搾取されていた側だった国が、今は発展途上国と経済大国の二つの貌を巧みに使い分けて、搾取する側に変貌する。ここで描かれている中国は、今私たちが見ている中国とほぼ同じであり、書かれている内容にいちいち頷く所もある。おそらくここに書かれていることのうち、いくつかは将来本当に起こるかもしれない。 ヴァランダーシリーズでも、マンケルは単純に事件や犯人だけを追わず、その背景にある国を主役としてきた。しかし今回は著者が共産主義に共鳴していたこともあって、後半にその思い入れが多分に書かれてしまい、ミステリの部分が疎かになってしまった印象を持った。なぜ百年以上も経ってあの計画が実行に移されたのか?なぜあの男はあんな末路を迎えたのか?事件は結局どういう収まりを見せたのか?等々である。過疎村斬殺事件の真相を決定的に知る場面がないまま終わる(読者は知っているが)エンディングは、物足りなかった。また、女性裁判官と女性刑事の間も分かりあうということをしないまま終わってしまった事も残念だった。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】北京から来た男(上) [ ヘニング・マンケル ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】北京から来た男(下) [ ヘニング・マンケル ]楽天ブックス
November 26, 2014
コメント(0)
![]()
みなさんこんばんは。年賀状の印刷は済みましたか?私は昨日終わりました。やっぱり段々年末になってきますね。ところで今朝のマッサンでエリーが歌っていたのは前の朝ドラ『花子とアン』でスコット先生が歌っていたあの歌ですね。狙ってやったのかな?今日はコンゲームの映画を紹介します。マッチスティック・メンMATCHSTICK MEN 出演ニコラス・ケイジ ブルース・マッギル サム・ロックウェル アリソン・ローマン監督リドリー・スコット音楽ハンス・ジマー詐欺師のロイは、極度の潔癖症で、オフィスの電話を毎朝消毒せずにはいられず、下着や靴下を小さくたたんできちんと積み上げないと気が済まない。ツナ缶ばかり食べている彼は、食器が汚れるからと缶から直接食べていた。そんな彼も、詐欺を実行している時だけは潔癖症を忘れ芸術的な手腕を発揮するのだった。そんなロイは精神科医の勧めで別れた妻に電話をかけることに。するとロイの前に14歳の少女アンジェラが現われる。彼女は離婚した妻との間に生まれたロイの実の娘だった。突然娘と暮らすハメになり困惑するロイだったが、さらに驚いたことにアンジェラは詐欺師の弟子にしてくれと言い出すのだった。これはコン・ゲームだ。詐欺師がカモを見つけてお宝ないしはお金を頂く。そう、確かにその通りのコン・ゲームだ。しかし本当は誰が誰を騙しているのか、ラストまで見抜けなかった。詐欺師が娘の情にほだされて「仕事を辞めようか?」と迷い出すあたりから「おや、もしかして…」と思ったのだが、そのラストとは全然違っていた。すっかり騙された!リドリ―・スコットといえばカーチェイス、派手なアクションというイメージだったのに、それらがなくても、こんなテンポのいい映画を撮るなんて。そう、コン・ゲームだから誰かが騙される。その苦味は残る。それでも後味がいい。嘘の中に真実があったからだろうか。アンジェラが最後にロイにかけた声のように。アリソン・ローマン(今回の殊勲賞!)がオーディションに現れた時、14歳の少女にしか見えなかったらしい。だが実際は彼女は22歳。そういえば童顔にも見えるけど後半登場する彼女は確かに年相応。監督のリドリ―・スコットは私生活ではすごい潔癖症だそうだ。今回の主役のキャラはここからか?まるで『名探偵モンク』を見ているようだった。ただ唯一文句を言うとすれば邦題かな。何のことかわからないのでは。映画「マッチスティック・メン」この作品情報を楽天エンタメナビで見るぐるぐる王国 楽天市場店マッチスティック・メン 特別版(DVD)
November 25, 2014
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。連休もあっという間にあと1日ですね。人生にはいろんな日があります。いい日も、わるい日も。家族も同じ。いい時も、わるい時も。そんな日常を描いたイギリス映画を紹介します。『人生は、時々晴れ』 マイク・リー / アミューズピクチャーズAll or Nothing 出演ティモシー・スポール レスリー・マンヴィル監督&脚本マイク・リー 2002年カンヌ国際映画祭正式出品作品2003年ロンドン批評家協会賞主演女優賞作品賞「人生晴れたり曇ったり」といった時代は、遠い過去。今では、「時々でも、晴れてくれれば、もうけもの」そんな思いで毎日暮らすサウスロンドンの低所得者向け集合住宅に住む3組の家族が描かれる。タクシー運転手フィルと内縁の妻ペニー、老人ホームで働いているレイチェル、無職の息子ローリー。フィルの同僚ロンとアルコール依存症の妻キャロル、無職の娘サマンサ。そしてランドリー業を営むモーリンと娘のドナ。3組の家族の間では、「FXXK」「FXXKING」「FXXK OFF」という言葉が頻繁に登場する。あんまり多いので、途中で何回言ってるのか数えるのをやめてしまった。聞いていてあまり気持ちのいいものではないし、とてもじゃないが、暖かい家族物語が始まるようには見えず、初っ端から気分が滅入る。この映画のチラシの写真は、会話も続かず、視線も交わらないフィル達家族の関係を、的確に現している。食事どき、皆見ている方向がばらばらだ。フィルとレイチェルは皿の上の食べ物を、ローリーはテレビ画面を、ペニーはローリーを。フィルはそんな食事の席で、花束を持った老人を墓地まで乗せた話をする。妻の墓参りに来た(と思われる)老人の行動に、 何か感じるものがあったのだ。 でも、誰も話に興味を持ったそぶりを見せない。 フィルは尚も話を続けるが、ペニーは、 フィルがたいした距離ではないのに、この老人に 規定の最低料金を払わせた、と咎める。話の重点は そこではなかったので、フィルは話を戻そうとするが、 ペニーは聞かない。結局彼は、押し黙る。 レイチェルは、自分から話し始めるタイプでは なく、ローリーは自分勝手に喋るか、TVに夢中。 会話が続くはずがない。 彼等は、もう、たとえ相手が家族でも、 必要以上に自分以外の人に 関わる事を厭うようになったのか。 いや、そうではない。 家族の事を、ちゃんと見ていた。 行方不明だったフィルが、ローリーの運ばれた病院にやって来た時、 ペニーはまず、批難の言葉を浴びせるが、 自分の事しか気にしていなかったようなローリーは、まず「大丈夫か?」と父親を気づかう。 ずっと黙ってきたレイチェルは、階段に座りこみ、ペニーのフィルへの態度を、最小限の言葉で抗議する。 「ないがしろにしてたわ。」 そして会話を続けようと努力してきたフィルも、「もう、愛してないんだろう?」とペニーに感情をぶつける。 家族一人一人が、遂に顔を上げ、相手に向かって 話し始める。派手なBGMはなくても、確かに、 ここは映画のクライマックス。 暮らし向きが、急に楽になる。息子の 病気が奇跡的に治る。そんなドラマティックエンディングの代わりに監督が用意したのは、何の変哲もない場面。 フィルが再び、家族達に乗せた客の話をする。 でも彼等は、前とはどこか違う。 何が、どこが、違うのか。 そうっと、そうっと、見てごらん。【中古】DVD▼人生は、時々晴れ▽レンタル落ちバンプ
November 24, 2014
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。校内暴力でいっとき日本が荒れた時代がありましたが、アメリカもひどいようです。こちらはメイス・ウィンドウことサミュエル・L・ジャクソンが熱血刑事に扮した作品です。青春熱血ドラマだと思ったのに…。187出演サミュエル・L・ジャクソン ジョン・ハード監督ケビン・レイノルズ ユニークな授業で生徒を引きつける科学教師のトレヴァーは、落ちこぼれの生徒を落第させたことから逆恨みされ、教科書に「187」と落書きされる。「187」とは刑法の条項ナンバーで「殺人」を示す隠語だ。トレヴァーはこれを殺人予告と受け止めるが、主任教師はとり合わない。だが悪い予感は的中し、彼は学校の廊下でメッタ刺しにされてしまう。命を取り留めた彼は、15ヶ月後、臨時雇いの代用教員として、ロサンゼルスの荒廃した学校に復帰。癒えない心の傷と忌まわしい記憶におびえながら、トレヴァーの新しい教員生活が始まった……。 高校生が普通に(いや、勿論禁止されてるけど生徒が)銃を持ってる時点で、日本もいろいろ言われてるけれどアメリカの教師は命がけだという事がわかる。サミュエル・L・ジャクソンといえばSWのメイス・ウィンドウを演じた剣客なのに、オーラを全く消している。紙くずを後ろから投げつけられた時に怯えたのは、以前の学校で後ろから千枚通しで襲われたからだ。だがその事を知らない生徒は、臆病な先生が来たと思って馬鹿にする。 トレヴァーは一生懸命優秀な生徒を導こうとしたり、生徒の自宅を訪れて様子を見にいったり、臨採の教師の枠を越えて熱血先生をしているが、全く生徒が受け付けない。教科書は外に捨てる。女性教師に嫌がらせをする。教室に置いてあったペットを串刺しにする(可哀想に!)。勉強以前の問題で、人格教育までこの年になった子供に教師がしなきゃいけないのか、と思うと暗くなる。というか、学校何のために来てるんだろう生徒。そんなに気に入らなきゃ来なければいいのに。どうせ勉強してないんだから卒業できないかもしれないし、どうしたいと思ってるのか。意図的になのか、不良生徒の心情が全く見えてない。単にフラストレーションを気に入らない教師にぶつけてるだけなのか。ならいなくなればまた誰かにぶつけるだけになるので、辞めさせるところまで本当に望んでいるのか。途中までトレヴァーを慕っていた女生徒も突然やる気を失くして、それでラストにいきなり総代としてトレヴァーへの感謝の念を告げるので、彼女の心情の変化が全くわからない。この映画、心理描写は結構穴だらけだと思う。【楽天ブックスならいつでも送料無料】187(ワンエイトセブン)【Blu-ray】 [ サミュエル・L.ジャクソン ]楽天ブックス
November 23, 2014
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。3連休は結構暖かいみたいですね。今日も暖かかったです。俳優さんの結婚話が続きますねぇ。さて、ヴァランダーシリーズの作者、ヘニング・マンケルの単発ものを紹介します。タンゴステップ(上下)Danslararens Aterkomstヘニング・マンケル 夜な夜な人形を相手にタンゴを踊る元警官モリーンが、タンゴのステップを踏まされて殺された。誰が、なぜそんな殺し方を?モリーンにかつて新米のころ指導を受けたステファン刑事は自らの病との恐怖と闘いながら、彼の死の真相を追い求める。だがそれはモリーンを、そして自分自身を知ることにもなるのだった。 同じ著者だからか、それとも著者の好みがそうなのか、ステファンには、マンケルの人気シリーズの主人公で、スウェーデンきってのあぶない刑事ヴァランダーとの共通点が沢山ある。 1.不法侵入はお手の物 勝手に人の家に入ってクローゼットをあさる。この時当事者は特に容疑者でも何でもないんだから、犯罪でしょうこれは。今回は相対する刑事が好意的だったから良かったものの、本来なら不法に得た情報や物に、証拠としての能力はないはず。2.自分がこうと思いこむと猪突猛進「捜査に首を突っ込むな」と地域警官に言われても幾度も現場に立ち戻って来る。いや、そうしないと話が進まないんですけどね。3.恋人がいながらも近くに美女がいるとフラフラ恋人から何度も「いつ帰ってくるの?」と電話がかかってくるのにつれない返事しかできず、現れた美女に部屋に誘われるといけない妄想を抱く。マンケル作品の男性はみんな女性の気持ちがわからんのか。4.病気を抱えていても、つい捜査の方に関心がいってしまう病気が怖いということもあるのでしょうが、気にしてる割にはなかなか治療に気持ちが向かない。5.背後から襲われて危険な目に間違ってもゴルゴ13みたいに後ろに目があるというタイプではない。何度後ろから殴られてるんでしょうか、この人。37歳だよね、もう少し反射神経よくないか? ヴァランダーのような連作長編であれば、その中で少しずつ主人公のバックグラウンドを明かすという方法も取れる。しかし本作でステファンに大きなトラウマを投げ込んでいるので、あまり彼のシリーズを引っ張る気はないのかもしれない。 全てが終わった後で、ステファンがある人物に会いに行く。犯人や動機のどんでん返しをするなどということはなく、ある人物を通じて「悪意は個人のものにあらず」と、マンケルが言わせたことが、本当のテーマだったのかもしれない。「邪悪な考えを持つ人間たち、人間蔑視、人種差別は今日も厳然として存在します。でも、その思想はいまでは別の名前、別の手段をもっているのよ。今日では戦場で軍隊が戦うような戦争は存在しない。憎悪の対象になる人間たちに対する襲撃はほかの形で表される。下のほうから、ということもできますね。いまこの国、ヨーロッパ全体は内側から爆発しようとしている。弱者を侮り、移民を襲い、人種差別をすることで。それはあらゆるところに見られる。そうじゃありませんか?そしてその動きに対して、わたしたちは断固として対抗する決定的手段を持っていないのです」 悪は思いもよらないような姿形で影に潜み、表に出る隙を窺っている。それらと必死に闘う者達の一人が、言動は危なっかしいが、正義感だけは誉められる(倫理観は…不法侵入があるからダメでしょうな)ステファンやヴァランダーなのだろう。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】タンゴステップ(上) [ ヘニング・マンケル ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】タンゴステップ(下) [ ヘニング・マンケル ]楽天ブックス
November 22, 2014
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。マイク・ニコルズ監督が亡くなりました。最も有名な作品は「卒業」でしょうか。こちらは代表作というわけではないのですが、昔試写会で見たことがある彼の作品を紹介します。映画「パーフェクト・カップル」この作品情報を楽天エンタメナビで見る【中古】 パーフェクト・カップル /ジョン・トラヴォルタ,マイク・ニコルズ(製作、監督),エレイン・メイ(脚本),エマ・トンプソン,キャシー・ベイツ 【中古】afbブックオフオンライン楽天市場店『パーフェクト・カップル』 マイク・ ニコルズ / ジェネオン エンタテインメントPrimary Colors脚本エレイン・メイ音楽ライ・クーダー出演ジョン・トラボルタ エマ・トンプソン ビリー・ボブ・ソーントン エイドリアン・レスター ミケルティ・ウィリアムソン キャシー・ベイツ モーラ・ティアニー ダイアン・ラッド ロブ・ライナージャック・スタントンは、こと人たらしの才能にかけては誰も右に出るものはいないアメリカ南部の州知事。妻はエリート弁護士のスーザン。二人はまさにパーフェクト・カップル。そんな二人が大統領選挙目指して走り始めた。しかしジャックの人たらしの才能が女性に対して発揮されるともう大変。大統領選中にも、彼の過去の不倫や逮捕歴などが明らかにされる。参謀・夫妻はこの戦いをどう乗り切るのか…。ジャックに魅せられて選挙活動のスタッフに加わった黒人男性ヘンリー・バートンの目から大統領選の顛末が綴られる。原題Primary Colorsとは、大統領予備選(Primary Election)のこと。クリントンとヒラリーの大統領夫妻番記者だった人が匿名で綴った小説の映画化、とくれば誰がモデルかは明らか。また主演の二人ともよく似せている事。トラボルタのしゃべり方などそっくり。だがしかし、これはどれくらい似ているかが問題となる映画ではない。最初はこの映画、ふりかかる困難を夫婦愛と友人たちの協力で乗り切る映画なのかと思った。でもそうではなかった。また、人好きのする普通の人物なのに、なぜか回りがその人を持ち上げて大将にしてしまう(ピーターセラーズ主演の「チャンス」みたいなもの)という風にも描いていない。単なるコメディ一辺倒かと思えば、途中でシリアスに転じ、中途半端な印象を抱いた。途中から登場する「掃除屋」を演じるキャシーベイツが場をさらってしまった感がある。「ミザリー」の時とちがって脇役の一人だが、脇にまわりながらも場面に出てくるとなぜか彼女に目がいってしまう。監督が彼女にこの映画の良心、ひいてはアメリカの良心を担わせたのもこの演技ゆえか。
November 21, 2014
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。解禁したボージョレヌーボーを楽しんでいる方もいらっしゃるのでしょうか。映画雑誌を見ていたら、『幸福の黄色いハンカチ』とスターウォーズ第四作って同時代だったんですね。さて、今回は北欧の刑事シリーズ第八弾、現在の所の最新作を紹介します。ファイアーウォール(上下)Brandvaggヘニング・マンケル本作は第5作『目くらましの道』でヴァカンス前の刑事達を悩ませた若き犯人の葬儀に、母親から乞われてヴァランダーが参列する場面から始まる。彼は葬儀に向かいながら、7年間に身辺で亡くなった3人に思いを馳せる。その中には前作『背後の足音』で亡くなった同僚スヴェードベリも含まれる。もう一人の部下マーティンソンと違い、地味だが着実な結果をもたらす部下を「知っているつもりで知らなかった」と回想するヴァランダー。今回はこの言葉がキイワードとなる。 葬儀から戻ったヴァランダーを待っていたのは、ティーンの少女2人が金目当てでタクシー運転手を襲った事件だった。反省の色も見せず同伴してきた母親を殴った少女を思わずヴァランダーは殴ってしまうが、偶然その場面をマスコミに撮られて警察内でも困った立ち場に追い込まれる。プライヴェートでは遠恋の相手バリバと破局したヴァランダーは、序盤、深い喪失感を身にまとって現れる。 喪失感の次に彼を襲ったのは焦燥感である。長年の友人は仕事を辞めて新天地へ旅立つ決意をしているが、生涯警察官であることを決めた彼には他に選択肢はない。しかしIT社会の到来によって、もはや犯罪の現場はスウェーデンに留まらず、彼の理解を越えた判断が迫られる。若い頃は周囲がどう思おうと体一つで事件に飛びこんでいく無茶をしていたヴァランダーだが、その手法が通じなくなった時、自らの刑事としてのアイデンティティも揺らぐ。更に少女を殴った事が暴行事件として取り上げられ、同僚達の何気ない行動や視線が何らかの意味を持つのではないかと疑心暗鬼に駆られる。彼にとっては苦悩そのものであろうが、長いスパンでこういった変化を見られることは、シリーズの中で主人公がきちんと作品の中で年を取っているのだな、と実感できる良さである。 そうはいっても許可を得ずに犯罪歴があるハッカー少年を捜査に駆りだすなど型破りな面は相変わらずで、事件解決に向かう鍵はヴァランダーの直感が見つけている。作者自身もヴァランダーに全く別人になって欲しくはないのだ。だからラストに、絶たれたと思われた絆を繋げるエピソードを挿入したのだろう。 さて、喪失、焦燥と重苦しいテーマが続く中で、唯一息をつけたのは、ヴァランダーの恋人募集の広告原稿である。出す前に下書きを含めて3回書いているが、「家庭的でオペラを好む女性求む。警察官97」(自分でも嘘っぽいとコメント)「気の向いた時にいっしょにいられる人を求む。容姿端麗でセクシーな女性(厚かましい!)。年老いた犬」と下書きして、本文原稿は「結婚は望まないが愛のあるつきあいを望む。ラブラド―ル」になっている。見事に3つとも女性に求める条件が異なっており、自分のニックネームが「警察官」から「ラブラド―ル」へと軟化している辺りが、恋愛には相変わらず弱気な彼らしさが出ていて面白い。その顛末も含めて、未読の方には是非楽しんで頂きたい。【楽天ブックスならいつでも送料無料】ファイアーウォール(上) [ ヘニング・マンケル ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】ファイアーウォール(下) [ ヘニング・マンケル ]楽天ブックス
November 20, 2014
コメント(0)
![]()
みなさん、こんにちは。健さんみたいに美しく(外見のみのことではなく)年を取りたい!なんて思っている方はいらっしゃいますでしょうか。海外でも美しく生きたいと思う方はいらっしゃるようで。映画クレアモントホテルを見ました。クレアモントホテルMRS PALFREY AT THE CLAREMONT 出演ジョーン・プロウライトロンドンの街角にある長期滞在型のホテル「クレアモント」では、人生の終着点に近づいた人たちが暮らしていた。それぞれに孤独ながらも遊び心を忘れない滞在客たちの一人、パルフリー夫人は、ある日、小説家志望の青年ルードに孫のふりをしてほしいと頼む。パルフリー夫人は天涯孤独ではない。ロンドンで公文書館に務めているディヴィッドという孫息子がいるし、その母親であるエリザベス―娘―も健在だ。それなのになぜ、さびれたようなホテルに一人で滞在したがるのか。彼女が薬を飲むシーンがあったので、「実は不治の病で家族に迷惑をかけたくないからとか?」と深読みしたが、全く的外れだった。「これまでの人生、私はずっと誰かの娘で、誰かの妻で、誰かの母親だった。だから残りの人生は、私として生きたい」彼女は干渉する娘からも離れて自分自身の人生を謳歌したかっただけなのだ。彼女は家族よりも他人との方がうまくいく。孫息子はつっけんどんで、娘は頭ごなしに叱りつける。パルフリー夫人と偶然知り合ったル―ドも同じだ。ちゃんとした仕事について欲しいと願っている息子に厳しい母親とは折り合いが悪い。ただ、他人だから厳しい事を云わない、踏み込まないということもあるんだろうけれど。必ずしも家族が最良の理解者とは限らず、見知らぬ他人がそうであることもある。それもこれも、自分の人生を諦めないで生きてきたからこそ。自分の最後を自分で決められたらそれはとても幸せだ。地味な服装に一つだけ派手な色―ピンクや赤―を混ぜて華やかさを出す。また、大柄の派手なスカーフを首に巻く。ジョーン・プロウライト演じるパルフリー夫人の衣装が毎回おしゃれで見とれた。原作はイギリスの女性作家エリザベス・テイラーのベストセラー小説で、1971年のブッカー賞候補となった。原作に魅せられたルース・サックスが25年前に執筆していたものを、本作のために現代を舞台に書き直した。ルパート・フレンドはこれがデビュー作。パルフリー夫人に一目ぼれしてフリーメイソンの集会に誘うなど、ちょっと変わったところのあるオズボーン氏を演じたロバート・ラングの最後の作品となった。彼は映画完成の二週間前に亡くなった。映画は彼の思い出に捧げられている。ジョーン・プロウライトとフレンド以外は映画では見た事がない顔ばかり。手堅く舞台俳優を使ったのか。ホテルはロンドンのランカスターゲートにあるThe Averard Hotelが使用された。クレアモントホテル 字幕のみ【洋画 中古 DVD】メール便可 レンタル落ち楽天で購入
November 19, 2014
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。今総理の会見を見ています。野党は争点を消費税にしたいだろうけど、今回の選挙で買ったら自民党は消費税だけでなく集団的自衛権や秘密法などその他の事についても信任されたと主張しそうで、暴走が恐ろしい。賃金が上がると云っているけれど、どうせ一部の大企業だけでしょう。大企業がその恩恵を中小企業に向けていた時代はもう終わっているし、工場については海外流出してしまっている。ところで高倉健さんが亡くなりましたね。不器用な男が様になっていました。さて、不器用、頑固といえばこちらの映画のお父さんも負けていません。映画戦火の馬を見ました。戦火の馬War Horse出演デビッド・シューリス トム・ヒドルストン ピーター・ミュラン ベネディクト・カンバーバッチ エミリー・ワトソン監督 スティーヴン・スピルバーグ音楽ジョン・ウィリアムス農村に住む少年アルバートの愛馬であるジョーイが軍馬として騎馬隊に売られ、フランスの戦地に送られてしまう。敵味方の区別を知らないジョーイの目に、戦争は愚かさで悲惨なものとして映るだけだった。一方そのころ、アルバートは徴兵年齢に満たないにもかかわらず、ジョーイと会いたいがため激戦下のフランスへ旅立つ。 飲んだくれの小作人が後先考えず地主への腹いせで買ったのがそもそもの始まりだった。しかしジョ―イは幸運だった。生まれた時から彼を見守ってきた少年アルバート(アルビ―)がいたからだ。兄弟に肥えた土地を譲り痩せた土地で暮らす父と、「小作料もないのに馬なんか買って!」と叱るけれど、父がしゅんとすると「あなたを憎んだとしても愛が消えることはないわI might hate you more, but I'll never love you less. 」と熱い台詞で支える肝っ玉お母さんのもとで育った彼は、とても素直で真面目な性格だ。だが戦争という世界を巻きこむ波が、ジョ―イとアルバートを引き離す。ラッシ―ならばどんな遠い所にやられても飼い主の元に戻れたかもしれない。しかしジョ―イは馬で、戦争は馬を必要としていた。 アルバートに「必ず君の元に返す」と約束した英国将校、彼の死後はドイツ軍から逃亡した兄弟、両親を亡くし祖父と暮らす優しい少女、そして再びドイツ軍、そしてドイツ兵と鉄条網を外して賭けでジョ―イを手に入れたイギリス兵士。目まぐるしく飼い主を変えながら、ジョ―イは兵士達と共に戦火を駈ける。 最も無垢なる存在として浮かぶのは幼子であるが、動物はさらに無力だ。しかしジョ―イは優しい目で人間達の愚行を見つめ、頼れる友人として共にある。「僕達はラッキーだ 出会ったときからずっとWe'll be alright Joey. We're the lucky ones, you and me. Lucky since the day I met you. 」これほどの絆で結ばれた少年と馬が再会するまでの波乱万丈を、主に馬に視点を当てて描く。第1次大戦中、英国では100万頭の馬が軍に徴用され、6万頭しか生き残れなかったそうだ。これだけ有為転変を繰り返しながら再会するなど殆ど不可能に近い。人でさえ会えないのだ。映画のような事は起こらない。だからこそ私達はジョ―イとアルバートの邂逅を喜べるのだ。こうでなくてはならない、という理想的な姿として。1982年にマイケル・モーパーゴが発表し、舞台版は第65回トニー賞で5部門に輝いたイギリスの小説を巨匠スティーヴン・スピルバーグが映画化。戦火の馬【Blu-ray】 [ エミリー・ワトソン ]楽天で購入
November 18, 2014
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。あっという間に週末が終わってしまいました。さて、北欧ミステリも第七弾の紹介になります。やりたい放題やってきたはみだし刑事にも危険信号が…。背後の足音(上下)Steget Efterヘニング・マンケル イースタ警察署に、夏至前夜に友人と出かけて以来行方不明の娘を捜してくれという母親の訴えが出されたが、刑事達は季節がら、失踪者が若者とあって本気で探さない。ヴァランダーは捜査会議を開くことにしたが、3人の部下のうち地味だが確実に結果を出す几帳面なスウェードベリが欠席する。不審に思ってアパートを訪ねたヴァランダーは、彼が頭を撃ち抜かれて殺されていたのを目撃する。そして犯人を探す過程で、ヴァランダーは彼のことを何も知らなかったことに気づく。 八作目『ファイアーウォール』から先に読んだが、この作品との共通点はまさにここだ。ヴァランダーが身近な人のことを知っているようで知らない事が次作では更に鮮明になり、彼に手痛いしっぺ返しを食らわせる。その兆しは本作にも現れており、しっかりとした伏線になっている。強力なリーダーシップも規律を無視した単独行動も、結果を出せている間はいい。更に、絶対の信頼関係で結ばれた仲間がいれば言うことはない。しかしひとたび失敗すれば、その責任は全て自分に降りかかるし、信頼を裏切ることになる。更に今回ヴァランダーは、医師から糖尿病の疑いありと宣告されているにも関わらず無茶をして倒れてしまう。仲間の信頼、健康、体力、知力。シリーズ序盤では、ヴァランダーの心が揺れ動くのは事件に対してのみだった。しかし回が進むにつれて、盤石であるはずだった彼自身や周辺が揺らいでいく。 そんな中でもヴァランダーはスウェーデンという国をしっかり見据えている。犯人単独、事件単独といった捉え方をせず、起こった事件はスウェーデンという国が抱える病巣が表に出てきたものだと考える。今回の犯人像もかなり特異であるが「誰でも良かった」「死刑になりたかった」という理由で無差別殺人を起こした若者の事件を体験している日本ならば、よそごととはとても思えないのではないか。心の闇は、北欧にも東洋にもある。 スウェーデンを覆う闇、病巣をたった一人がどうこうできるわけではない。しかしどうこうしてしまおうと徒手空拳で立ち向かう男がいるとすれば、やはり彼なのではないか。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】背後の足音(上) [ ヘニング・マンケル ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】背後の足音(下) [ ヘニング・マンケル ]楽天ブックス
November 17, 2014
コメント(0)
![]()
韓国のKBSで2002年に放送され、一大ブームとなった人気TVドラマ。日本でも2003年4月よりNHK・BS2で吹き替え版による放送が開始されたお化けドラマを紹介します。テレビドラマ「冬のソナタ」この作品情報を楽天エンタメナビで見る『冬のソナタ DVD-BOX vol.1』 ユン・ソクホ / NHKソフトウェア出演チェ・ジウ ペ・ヨンジュン パク・ソルミ パク・ヨンハ今まで民放などで韓国ドラマが放送されたが、全国ネットでの放送は初めて。今までとは違う客層がどう反応するか危ぶまれたものの、回を追う毎に反響が大きくなり、遂には特集番組まで放送され、ペ・ヨンジュン、パク・ヨンハの来日時は日本一中のレディが大騒ぎ。おっちょこちょいだけど明るい高校生、ユジン。彼女はとっつきにくい転校生のチュンサンが気になる。だがチュンサンはユジンの幼馴染みのサンヒョクが気になる様子。反発しあう二人だが、次第にユジンとチュンサンは惹かれあうように。ユジンを好きなサンヒョクと、チュンサンを好きなクラスメイトのチェリンは複雑。ところが大晦日の夜、ユジンと会う約束をしていたチュンサンは事故で死んでしまう。10年後、サンヒョクとの結婚を決めたユジンの前に、チュンサンそっくりな男性・ミニョンが現れる。最初の2話だけ高校生篇なのに、役者は同じで、「高校生にしては老けている!」と、早々と突っ込みが入れられた。恋人そっくりの男性が現れる→その男性がチェリンの恋人として現れる。まあ、ここまではいいさ。チェリンはチュンサンが好きだったのだから、似ている人を恋人にするのはあり得る。けれど、ユジンの勤める建築会社と共同で、リゾートスキー場の建設をする会社重役として、ミニョンが再び現れるなんて、うわー、偶然すぎ!こんなのあり?だが、まだまだ偶然は続く。ミニョンがユジンを好きになってしまう。なんと都合の良い展開!まるで昔の大映ドラマ。このような「お約束」の展開は、この後何度も現れる。どこにいるのか言わないのに、ミニョンはユジンのいる所に車でかけつけるし。ユジンもミニョンも、チェリンのいかにも見え見えの嘘に引っかかるし。サンヒョクはまずい所に現れて、2人の仲を誤解するし。演技も「これ、オーバーアクト!こんな演出、今のドラマではやらないよぉ。」と突っ込みたくなる所多数。けれど、中野良子似のチェ・ジウ演じるユジンや、部屋の中でもマフラーをするペ・ヨンジュン演じるミニョンの、好きな人を見つめる何ともいえない表情は、もう切なくて、切なくて。「東京ラブストーリー」の「ラブストーリーは突然に」よろしく流れてくる「マイメモリー」他の歌も、歌詞はわからないのだけれど、おおいに気持ちを盛り上げてくれる。ライバル役とはいえ、チェリンやサンヒョクの呟きもやっぱり聞き逃せない。ユジンに、「君の涙も笑顔ももう見せないで。」と言うサンヒョク。「私を好きだった貴方に戻って。」と言うチェリン。残された者も、やはりそれぞれ恋をしていたのだ、と思い知らされる。韓国のネチズンに鍛えられ、おかげで一体どうなっちゃうの?と気になって仕方がない二転、三転する物語の展開になった。湖や海、スキー場の、物言わぬとも語る美しい映像。控えめなラブシーンだから余計にドキドキ。そう、このドラマの売れ線ポイントは、しばらく眠っていた日本人の「切なさ」という鉱脈を掘り当ててしまった事。【2500円以上送料無料】冬のソナタ 韓国KBSノーカット完全版 DVD-BOX/ペ・ヨンジュン/チェ・ジウオンライン書店boox
November 16, 2014
コメント(0)
![]()
日本サッカー勝ちましたね。さて、こちらは北欧のミステリシリーズ第六弾です。五人目の女(上下)Den femte kvinnanヘニング・マンケル北欧ミステリ『特捜部Q』シリーズもそうだったが、本シリーズも回が進むと主人公登場までの前振りが長くなる。物語は、アルジェリアの原理主義者4人がフランス国籍の4人の尼僧を攻撃する場面から始まる。その時彼女達と一緒にたまたま宿泊していた5番目のスウェーデンの女性が巻き込まれて殺される。これだけでも充分ショッキングな出来事だが、本来死ぬはずではなかった女性が“五番目の女”として亡くなった事がある人物の行動を促す。そしてここからメイン・プロットへと繋がってゆくのだ。 第五作『目くらましの道』でまさかの犯人像に衝撃を受けたヴァランダーをはじめとする刑事達が、ヴァカンスから戻ってきた所から物語は始まる。第一作で既婚女性に迫り、第二作でとらばーゆの書類をチラ見していたスウェーデン版あぶない刑事も、少し安定感が出てきた。変わりゆくスウェーデンや犯罪の多様化に心を痛めるナイーヴさは変わらないが、新任の署長ともうまく連携を取り後輩を指導する。最初の頃の彼はとても想像できない。やはりプライヴェートの充実が功を奏したのだろうか。今回は2つの失踪事件を早い時期から関係があるものと睨んでおり「おっ、これは案外早く犯人と遭遇するのか?」と期待する。 先に挙げたように、犯人は早い段階で明らかにされている。しかしその詳細については上巻が終わっても示されず、従って動機も不明。犯人の行動をリアルタイムで追う事しかアドバンテージのない読者とヴァランダーの距離は、それほど離れていないのだ。 自警団を登場させ、この事件の真相と深く関わりのあるテーマを扱っている点も見逃せない。そのテーマとは「正義とは何か」「人が人を裁くことは許されるのか」である。警察とは別に自分達が悪と感じた人達に暴力を振う自警団をヴァランダーは認めない。自警団の判断が正しいとは限らず、かえって間違っている場合が多いからである。法制度に基づき罪人を取り締まる警察が存在するのに、正義の基準がばらばらな個人がそれぞれの善とする所を主張し、行動に移したら秩序は乱れ、国は混乱する。このテーマは読み返してみると、原理主義者が自分の主張のみで罪なき尼僧を殺した事件にも通じる。 そして意外な事実を知る度にヴァランダー自身の正義感も揺れる。自分は今、悪人を追っているのか、それとも罪を犯した善人を追っているのか、と。 「福祉国家が犯罪のカモフラージュとなっている」とヴァランダーに指摘されるスウェーデン。悩める国の象徴でもあるヴァランダーが、変わりゆく国に対してどこまで自分の正義を貫けるのか、楽しみである。【楽天ブックスならいつでも送料無料】五番目の女(上) [ ヘニング・マンケル ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】五番目の女(下) [ ヘニング・マンケル ]楽天ブックス moomin x Bob Foundation山加商店 Yamaka ムーミン ボブファンデーション マグ Mug ミイ...価格:2,376円(税込、送料別)
November 15, 2014
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。錦織選手凄いですね~。それにしても師走に選挙とは忙しい。さて、こちらはそんな忙しさとは対極にあるカフェの物語です。ヴァン・ゴッホ・カフェThe Van Goth Cafe シンシア・ライラント表紙の絵の上半分に原文が、下半分にはコップやポットが置かれています。 見ようによっては、壁に英文が書かれているみたい。そういえば、最近見かけるカフェショップでも、テーブルや壁に、英文が書かれています。 「何が起こっても不思議ではない」「魔法」これらの言葉が物語の中で繰り返し語られます。まるで呪文を かけてゆくように。そのうち、段々不思議な事に、いつしか「このカフェでは何でもありだ。」という暗示にかかって しまうのです。 各話は常に、次の話に繋がる終わり方をしています。1話の最後の文章は、「オポッサムがそうでした…」となっていて、2話目はオポッサムの話から始まる、という風に。 そういえば、夜になると、母はいつも、自作の物語を語ってくれました。そして決まって、いつもいい所で、物語を区切り、こう言いました。 「さあ、今日は、ここまで。明日の夜になったら、話してあげる。その時まで、あの子に何が起こったか、いろいろ考えておいて。よかったら、明日の晩に、お母さんに聞かせてくれるかな?」 私は、わくわくしながら、うんうんと頷きました。そして電気を消してからも、 「どうなったろう、あの子たち、大丈夫かな?」と気になってなかなか寝つけなかったものです。 きっとこの本を読んだ子供達も、一つ話を読んでもらう度に、 「オポッサムがどんな風になるのだろう。クララとお父さんのマークは、どうするのだろう。」と1日中、その事ばかり気になって、明日が来るのをわくわくしながら待っているだろう。 「いまになにか起こる、きっと起こると思いながらどきどきしていた」クララの ように。そして、いつか、眼を輝かせて物語の冒険に聞き入った子供達は、心の中で、こう思っているかもしれません。 「大きくなったら、私のヴァン・ゴッホ・カフェを探しに行こう。」 一つ一つのエピソードの、どれもが心暖まる話でしたが、老スターの訪ねて くる話が、特に良かったです。あなたも、それぞれのお気に入りを、どうぞ探してみてください。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】ヴァン・ゴッホ・カフェ [ シンシア・ライラント ]楽天ブックス
November 14, 2014
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。随分夜寒くなってきましたね。今朝起きた時に霧が深くてびっくりしました。みなさんの所ではいかがですか?さて今日はミステリからちょっと離れてイギリスのYA小説を紹介します。アネイリンの歌Shining Companyロ-ズマリ・サトクリフ 紀元600年。ケルト民族のブリトン人やピクト人は、北欧の ゲルマン民族アングル人やサクソン人に、ブリテン島支配を広げられていった。 ブリテン島北部にあるブリトン人の王国ゴドディンのマナゾグ王は、 彼の氏族の首都ダン・エイディン(エディンバラ)に300人の騎士を召集。 侵略してきたサクソン人に対する戦争を開始した。 サトクリフ作品では、歴史上の事件や戦いの中で、主人公の少年が 成長を遂げる。 本書の主人公は、王子ゴルシンの従者として戦いに赴いた少年プロスパー。 だとすれば、当然彼に焦点を当てたドラマ展開が予想されるが、前半の 焦点は同胞隊(原題=Shining Company)に当てられて いるようだ。同胞隊とは、詩人アネイリンが歌った「ゴドディン」 に登場する騎士達の事だ。 プロスパーは、詩人が見ていなかった部分での騎士達を見ていた 傍観者的な存在として、作者に必要とされただけではないのか。 そう考えてしまうほどに、彼の存在感が希薄に感じられる。 プロスパー個人の悩みや楽しみが、全く描かれていない 訳ではないが、それよりも、隊を率いる王の庶子に傾倒し、 ある時は、ライバル関係にある親衛隊と競いあい、 またある時は、他国の王に披露するため勇気試しに挑む少年達の方が、 段違いに強い印象を残すからだ。まるで、両親や身近な大人達と離れ、 夏期講習にやって来た学生か、映映画「白い嵐」に登場する少年達 のようで、とても身近な存在に思える。 おそらくそれは、オリジナルの詩「ゴドディン」に、 肉付けをしたサトクリフの文章力に負う所が大きいのだろう。 ところが、後半を読んで、サトクリフが少年達の大判振るまいをした理由が わかった。 彼等は、戦闘に参加し、皆姿を消してしまうのだ。詩に謳われた カナンただ一人を残して。0.3%の生存率の戦い。どれほど壮絶な戦い だったことか。 サトクリフの描いた生前の彼等の姿が思い出され、戦争の酷さと 理不尽さに対する怒りが、俄然強くなる。恐らく、生き残った一人、 カナンと従者プロスパー、詩人アネイリンらの思いも同じだっただろう。 だが、苦しみはこれだけで終わらない。 サトクリフは、この戦闘の結果が、ある個人の思惑に左右されたものだった という更に苛酷な事実を突きつける。とことんまで暗闇に落ちた彼等が、 自分一人で、心に吹き荒れる嵐と戦わなければならない状況に置かれた時、 やっと本来の『主人公の成長』というテーマに辿り着く。 随分と凝った作り方をしている。 現在のエディンバラには、かつての王国を偲ばせる遺跡がない。 もちろん、300人の彼等の墓碑も見当たらない。 けれど彼等は、きっと忘れられる事はない。 彼等の事は、言葉によって、これからも語り伝えられていくだろう。 何百年も前のアネイリンの詩がサトクリフに届き、彼女が新たな 物語を紡ぎ出し、21世紀に生きる私達に届いたように。【楽天ブックスならいつでも送料無料】アネイリンの歌 [ ロ-ズマリ・サトクリフ ]楽天ブックス
November 13, 2014
コメント(0)
![]()
年末に解散なんてあわただしいですね。イチローも松坂も戦力外通告かぁ。田中将大くんもがんばってほしいものです。さて、こちらは北欧ミステリシリーズの五作目です。目くらましの道(上下)Villosparヘニング・マンケル もうすぐヴァカンスとあって警官達が休みを取り始めていた頃「畑に少女がいる」という通報を受けて向かったヴァランダーの目の前で、その少女は焼身自殺を図る。その衝撃も冷めやらないままに、元法務大臣や画商が斧で殺害されたあと頭皮の一部がはがされた状態で発見される。 第二作『リガの犬たち』では発見者の視点、第三作『白い雌ライオン』では、殺人の端緒となるはるか昔の出来事から始まったが、本作では更に前段が長い。ドミニカで母親の死と引き換えに生まれてきた娘ドロレスの誕生を喜ぶ父親のシーンで始まる。その後殺人者の視点が入り、次にヴァランダーがドロレスの自殺を目撃する冒頭に挙げた場面に戻る。娘の誕生と死を知っているのは読者だけである。そこで読者は、祝福されて生まれた娘がなぜ自殺を選んだかという謎を探るヴァランダー(祝福されたことはヴァランダーは知らない)と共に、彼女の空白を埋める旅に出ることになる。 第一作で頼れる師匠を失ったヴァランダーも今では部下を指揮する立場にあり、中でもかつて失った師の姿を見るような優秀な刑事フ―グルンドに目をかけている。シリーズも版を重ねるとエピソードも増え、第一作では競馬狂でどうしようもない刑事だった男が署長代理として対応に苦慮したり、外見がぱっとしない部下が実はしっかり者であったことがわかったりとそれぞれのキャラクターに深みが出ている。 「殺人は同じ人間によっておこなわれた 捜査はいっしょにするほうがいい。そうしないと、目くらましの道にそれる危険がある。」作中何度も繰り返される“目くらましの道”というフレーズがタイトルである。スウェーデンという国、警察機構、従来の枠で捉えられない犯罪など、自分が最初に刑事となった頃とは状況が著しく違っていることを述べる場面が何度も登場する。前作では刑事の一人がコンピュータ犯罪の研修を受けにいく場面も登場しており、変わりゆく時代に順応しきれないヴァランダーの嘆きと、それでも犯罪を防ぎたいという彼の正義感がせめぎ合っている様子が描かれており、CWAゴールドダガー受賞作も納得である。また、犯罪の変遷については現代の日本においても共通しており、普遍的なテーマと言えよう。 シリアスな画面が続く中で、唯一コメディ色が出ているのが、第二作で知り合ったGFとの関係に悩むヴァランダーの姿である。とはいっても『笑う男』で思いは通じており、今年の夏は彼女とヴァカンスを過ごすことになっているなど関係は順調だったが、そこにこの事件である。指揮を取る彼はなかなか彼女に「休暇を取りやめにしたい」とは言い出せない。事件に関しては強気で無茶を平気でやるのに、こと彼女との関係については不器用で、しまいには彼女からの電話を避けるようになるヴァランダー。さて、彼が無事休暇を取ることが出来たかどうかは、是非本書を読んで確かめられたい。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】【夏文庫14】【今年はポイント&海外旅行Wチャンス!】目くらましの道(上) [ ヘニング・マンケル ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】【夏文庫14】【今年はポイント&海外旅行Wチャンス!】目くらましの道(下) [ ヘニング・マンケル ]楽天ブックス
November 12, 2014
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。酉の市が始まりましたね。花園神社で餅を買って来た方から頂きました。皆さんは熊手を買いに行きますか?東野圭吾さんの小説が原作の映画夜明けの街でを見ました。夜明けの街で出演岸谷 五朗 中村 雅俊 石黒 賢 東 幹久 田中 健 黄川田 将也 深田 恭子 木村 多江 萬田 久子監督若松 節朗大手建設会社の課長・渡部は理想的な家庭生活を送っていたが、ある日、会社に派遣社員として入ってきた仲西秋葉と一夜を共にしてしまう。自分の中にまだときめく感情が残っていたことに驚きを感じた渡部は秋葉との逢瀬を重ねるが、あるとき彼女から自分は殺人犯という衝撃の告白をされ……。「不倫なんて馬鹿な奴のすることだと思っていた」が確か原作の第一行で、そのまま映画のモノローグに使われていた。でも陥ってみたらどんどんハマってしまって遂には妻子を捨ててもいいとまで思いつめるようになる…不倫をコメディタッチで描いた作品とみた。「秋葉の家で起きた殺人の犯人は誰なのか?」というミステリー要素はあるが、映画では誰が犯人なのか?というヒントすら与えられず、時効の日が秋葉にとって一つの区切りとなるというだけで、はっきりいって犯人はどうでもいいや、と思っているような印象を受けた。渡部の家庭を慮って「年末は海外旅行に行く」「バレンタインは友達とスキ―」なんて嘘をつく秋葉にほだされてとうとう外泊するようになった夫に「いい加減にせーよ」と言いたくなったが、にっこり笑っている妻が最後においしいところを持っていた。木村多江という薄倖そうな印象を持つ女優を妻にキャスティングしたのは、観客が「きっと若い愛人に夫が走ってしまうだろう」と予測するよううまくリードする意図があったからだろう。木村多江で怖いなぁと思った映画に『東京島』があった。あの時も大人しそうな顔をして、どんどんふてぶてしくなっていく彼女に女性の強さを見たが、今回も妻の強さを見た。散々ロマンティックを楽しんだ夫がこれから味わう日常という名の地獄…怖いなぁ。累計120万部を突破した東野圭吾のベストセラー小説を原作に、『沈まぬ太陽』の若松節朗監督が映画化。【中古】DVD▼夜明けの街で▽レンタル落ち中古DVDと雑貨のキング屋
November 11, 2014
コメント(0)
![]()
錦織選手も頑張ってますね。スケートも始まったし、スポーツ界は話題がいっぱいです。さて、ミステリー第四弾を紹介します。笑う男Mannen Som Logヘニング・マンケル 前作『白い雌ライオン』で正当防衛とはいえ人を撃ってしまったヴァランダー刑事は刑事を辞めようとまで思いつめる。プらイヴェートにおいても、売れない絵を描く父や娘との仲はしっくりいかず、『リガの犬たち』で出会った女性に手紙を書いては破っている。まるで、着ては貰えぬセーターを寒さ堪えて編むような。きっと編み終わるとまたほどくんでしょう。 さて、長期休暇を取ってイースタを離れている(さては編み物と格闘中?)ヴァランダーは弁護士をしている友人ステンから「事故死とされた父親の死にどうも怪しいところがある」と相談されるが「力になれない」とすげなく追い返す。ところがイースタに戻った彼を待ち受けていたのはステンの殺害が報じられた記事だった。 事を聞いて退職なんて出来るはずもなく、復帰宣言した熱血刑事は自らこの事件を担当したいと申し出る。だが、その矢先ステンの秘書だった女性の家に地雷がしかけられ、ヴァランダー自身にも危険が迫る。前にも書いたが、なぜこのシリーズの犯人側は揃いも揃って「うさんくさい事があるんだから、絶対手出しするな!」とわざわざ疑わしい事を仕出かすのだろうか。こんな事さえなければヴァランダーの刑事魂に火がつくことも事件として取り上げることもなかったというのに。うかつすぎる。 今まで読んできたこのシリーズでは、どうもミステリよりアクションの要素が強い。クライマックスでは、ダイハードのマクレーン刑事よろしく『フィンランディア』をかけたくなることうけあい。 今回もヴァランダーと同僚達はあれこれと推理を働かせるものの、振り返ってみれば彼を容疑者と見做す確たる証拠はないのだ。それにも関わらず、何度も訪ねていくわ、民間人を潜入させるわ、危ない取引をやるわ、挙句の果てには不法侵入するわ、結構無茶ぶり。犯人だったから良かったようなものの、冤罪だったらどうするつもりだったんだ。クライマックスで「全部の容疑に関して認める」とあっさり犯人が告白するのも興ざめ。火サスの崖の上に追い詰められた犯人ならいざ知らず、いい大人が得意満面でとうとうと語ってくれるもんか。まるでアニメだ。そんなにあっさり認めるならば、ヴァランダーがどこかで編み物やってても良かったじゃないか! ところで、事件解決のリミットはちょうどクリスマス前。ヴァランダーがどんなクリスマスプレゼントを貰ったか気になる人は、ぜひ本書を。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】【夏文庫14】【今年はポイント&海外旅行Wチャンス!】笑う男 [ ヘニング・マンケル ]楽天ブックス
November 10, 2014
コメント(0)
![]()
みなさん、こんにちは。羽生君のまさかの衝突事故びっくりしましたね~。よく2位に入ったものだ。さて、今日も北欧ミステリシリーズを紹介します。白い雌ライオンDen vita lejoninnanヘニング・マンケル 実在したボーア人の秘密結社『兄弟の絆』をモデルに、南アフリカに誕生したある組織の結成メンバーの決意表明からこの物語は始まる。「ボーア人は決して降伏しない。」「誰に」降伏しないのかはしばらく置いといて、次に登場するのは道に迷ってしまったスウェーデンの女性不動産業者ルイーズだ。道に迷ってしまった彼女は突然銃口を向けられる。 それから3日後、父親が結婚するという知らせと空き巣に入られた事に怒りまくっているヴァランダー警部がルイーズの夫から失踪の知らせを聞く。さてここでヴァランダーに先んじてルイーズの運命を知っている読者は「さあ、いつ真相に辿りつくのだろう?」とちょっとした優越感を感じながら待。ところが彼女自身にちょっとした秘密があったり普段の彼女からは想像できないものが見つかったりと、なかなか「彼女自身は単なるとばっちり」という答えに辿りつけずうねうねしている。更に彼女が探していた家に近い所で爆発が起こり、黒人の指と南アフリカ製の銃が見つかる。おや、どうやら冒頭の決意表明と何だか関係がありそうだ。 というわけで、先のレビュアーが述べているように、「殺人事件の捜査」という本来のミステリ要素は途中からすっかり影が薄くなり、南アフリカで進行しつつある陰謀へとテーマがシフトする。X-DAYを目指して陰謀を進める側、察知して阻止する側の攻防は映画『ジャッカルの日』を彷彿とさせる。但し異なるのは、南アフリカ出身の殺し屋を追っていた関係で計画を察知して知らせることはするものの、ヴァランダー自身はその阻止に現地まで出向くことはない点である。 本書が刊行されたのは南アフリカで1993年でアパルトヘイトが撤廃され、全人種が参加する初の自由選挙がおこなわれていた頃だ。その事もあって、ヴァランダーが出逢った殺し屋に代弁させる南アフリカへの想いが熱い。ヴァランダー自身も多分に影響されたのか、刑事としてあるまじき振る舞いに及ぶ。これまでいくつもの北欧ミステリを読んできたものの、ここまでする刑事はいなかった。もちろん彼自身の正義感に裏打ちされたものであることは良くわかるのだが、今まででいちばんあぶない刑事である。 家族まで巻き込まれたこの事件を乗り越えて、彼がこの後あぶ刑事卒業となるのか、大いに興味がある。【楽天ブックスならいつでも送料無料】白い雌ライオン [ ヘニング・マンケル ]楽天ブックス
November 9, 2014
コメント(0)
![]()
みなさん、こんにちは。先週のハイキングの筋肉痛もようやく取れました。今日から北欧の刑事が主人公のミステリシリーズを紹介します。リガの犬たちHundarna i Rigaヘニング・マンケル第三作目『白い雌ライオン』に続いて読了。三作目で「電話をしたが留守だった!あぁぁ俺ってバカ!」とヴァランダーが悩みまくる相手が登場するはずなので、楽しみに読んだ。 始まり方は『白い~』よりもくどくなく、奇妙な死体を発見した2人組の描写から始まっている。高級なスーツを身につけた男二人の死体が抱き合うように横たわっていた。そして服を脱がせると心臓を撃たれ、拷問の形跡もあった。それにしても、これがなくては物語が始まらないとはいえ、なぜわざわざ「これは他殺です。それも絶対曰くがあります!」と宣言しているような死体の状態にしておくのか。「仲間割れか何かのはずみで殺されてしまった男」のように装った方が、カモフラージュできるはずなのに。中途半端にうかつな犯人という設定は、この手の作品に欠かせませんな。 怪しさ全開の死体がスウェーデンの海岸に打ち上げられたことで、我らが主人公・ヴァランダーが事件に関わってゆくことになるが、いま一つ乗り気ではないようだ。職場の机にあるとらばーゆの書類をちらちら見ているし、第一作で言いよった女性にもまだ未練がある。このやる気なさげなヴァランダーの刑事魂に火をつけたのは、ラトヴィアからやってきたヘビースモーカーの犯罪捜査官リエパ中佐。彼が帰国後殺されたと聞いてヴァランダーがラトヴィアに呼ばれる。 さあ、ここでようやく推理が始まるかと思いきや、秘密の暗号を受け取ってどこかへ赴いたり、警察の前でリエパ中佐の妻(これが冒頭の電話の相手ですな)と芝居をうったり、刑事というよりまるでスパイのようなヴァランダー。『白い~』で殺し屋の熱弁に心打たれて逸脱行動に出ていた彼だが、あの時の行動はたまたまではありませんね。惚れっぽい彼は、どうやらとっても影響を受けやすい性格のようです。ソ連の影におびえながらも自由を渇望するラトヴィアの人々に助けられるうちに、どんどん刑事の枠を越えていく。車泥棒はするわ、思いあまって事もあろうに警察署であんな行動に出るわ…いやぁ、“あんな行動“の中身はとても書けません。将来刑事を目指す人は、絶対マネをしないよーに! ミステリの要素はあるものの、第三作と今作においては、アクションの要素が強い。本シリーズを読むのはまだ2作目だが、隠れテーマは動物かもしれない。第三作の『雌ライオン』は南アフリカ共和国の比喩であり、今作の『犬』もまた秘密警察がいた時代を彷彿とさせる男達が暗躍するラトヴィアの一面を象徴しているからである。 惚れっぽくて熱血のあぶない刑事、寒い北欧あたりにいてもらった方が、ちょうど良いのかもしれませんね。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】【夏文庫14】【今年はポイント&海外旅行Wチャンス!】リガの犬たち [ ヘニング・マンケル ]楽天ブックス
November 8, 2014
コメント(0)
![]()
一時期に比べるとなんという円安なんでしょう。皆さんは得していますか?今週は1日少なかったので一週間が早かったです。さて今回は昔放送された韓国ドラマを紹介します。『太陽に向かって DVD-BOX 1』 ムン・ジョンス / ポニーキャニオンInto The Sun出演クォン・サンウ チョン・ソンファン ミョン・セビンキム・ジョンファ チェ・ラン イム・ジホ チョン・ミョンファン パク・イナン イ・ユジン チョン・ミョンファン オ・ウジュン海軍軍人カン・ソンミンは、妹スジンが入院した病院で、女医ヘリンと出会う。彼女に一目ぼれしたソクミンは、「3か月で結婚!」と猛アタックを開始。だが彼女には哀しい過去があった。医大生のスジンは合コンで、ヤンエグを騙ったソクミンの部下ジェヒョンとつき合う。ヘリンを好きなエリート医師スンハ、スンハを好きな看護士ジナを巻き込んだ恋の行方は?2003年放送。全20話。クォン・サンウ初主演の韓国ドラマ。人を疑う事を知らず、人のために泣き、怒る。通り越せばバカにも見えるほど真っすぐな男、ソクミンは、まさに、クォン・サンウのはまり役だ。そんな彼が、事故で死んで以来頑なに心を閉ざしたヘリンの心を、少しずつ解かしてゆく。思惑絡みで近づいていくスンハのアプローチとは対照的に、彼の行動にはごまかしや嘘がない。まさに、「いつも太陽に向かっている花=ひまわり」のような彼の姿に、段々笑いを取り戻してゆくヘリン。ジェヒョンの母と隊長という熟年カップルの恋愛も密かに進行。『美しき日々』でヒロイン、ヨンスの親友ナレを演じていたイ・ユジンがヘリンの婚約者の妹ボナ役で出演。『パリの恋人』でパク・シニャンにまとわりついた議員の娘ユナを演じたオ・ウジュンが、自分の恋のために二人のキューピッドとなる看護士ジナとして登場。『冬のソナタ』他のソクホ作品の常連であるチョン・ミョンファンが軍の司令官として登場。身分の違う結婚に文句を言う部下達を一喝するカッコいいシーンがある。ある時は頼れるマネージャー(『オールイン』)、ある時は子煩悩な母親(『怪傑春香』)、ある時は検屍官(『裸足の青春』)や医師(『ドクターズ』)と様々な役どころを演じたチェ・ランが子持ちの店主役に。若い息子夫婦の「ハニー」「ダーリン」攻撃に堪えかねて、再婚相手にこわごわ「ハニー」と呼びかけるシーンは爆笑もの。ヘリンのキャラクターが頑な過ぎると感じるし、彼女に限らず登場人物がうじうじ悩む場面が多いのも気になる。また敵役のお約束とはいえ、スンハの行為は医師としてどうかと思われ、嫌悪感を感じる。ヘリンとソンミンの恋愛が、過去の因縁でうじうじと停滞する中で、ソンミンの妹スジンとジェヒョンとの恋愛の方がよっぽどすっきりしている。後者の恋愛のイメージの方が、むしろひまわりにふさわしく、肩の力を抜いて見られる。【中古】 太陽に向かって DVD−BOX I/クォン・サンウ 【中古】afb価格:1,210円(税込、送料別) (2023/9/29時点) 楽天で購入
November 7, 2014
コメント(0)
![]()
11月になってとたんに寒くなりました。暗くなるのも早くなり、いよいよ冬が近づいています。そういえばもうクリスマスイルミネーションが駅前にある所も見かけました。ちょっと早くない?さて、今回はヒュー・ジャックマンの人気シリーズを紹介します。ウルヴァリン:X-MEN ZEROX-MEN ORIGINS: WOLVERINE 出演ヒュー・ジャックマン リーヴ・シュライバー ライアン・レイノルズ ドミニク・モナハン パトリック・スチュアート全世界でヒットした、『X-MEN』シリーズでもひとつ頭を抜けたウルヴァリン。さてそんな彼の始まりの物話とは…。冒頭。熱にうなされている弟を見守る兄。そう見えたが、医師が入ってきて話し始めると、その医師の息子ローガンがひ弱な子の方で、見守っているのはドアをガンガン叩いている乱暴な男の子ヴィクターだと分かる。ところが、更に彼等の因縁は巡る。酔っ払って押し入ってきた男が医師を殺したことに怒ったローガンの手から爪が伸び、男を殺してしまう。死ぬ間際に男が言う。「お前の父親は私だ…」のっけから父殺しという重い罪を背負ってしまったローガンは、ヴィクターと共に追われる。ヴィクターもまた特殊能力の持ち主で「絶対離れるな」と誓った二人は、不思議な所にある所まで行くと年を取らず、死ぬこともない。うーん一体彼等の父親は何者?南北戦争、第一次大戦、第二次大戦(硫黄島っぽいな)、ベトナム戦争。一体どれだけ生きてるんだよ、と言いたくなるくらい、二人の超人兄弟は戦場ばかりを渡り歩く。そんな二人に目を付けたのがストライカー(本編での敵役ですね)。特殊能力を持つ兵士達を集めていた彼のもとで、あまりにも残虐行為に走るヴィクターに怒ったローガンは、兄とも仲間とも別れを告げる。貴種流離譚というわけではないけれど、兄とは違って平凡に生きようと思うのに、その能力を持つがために狙われる宿命を負ったウルヴァリンの試練が描かれる。アクションも派手で、元同僚であるゼロとのヘリコプターと車のシーンは見ごたえあり。それにしてもあんな高い所から飛び降りても死なないんだ。本編では記憶を失っていた彼だが、その経緯も今回明かされる。ミュータント達も多数登場し、中でも印象に残ったのはガンビット。ストライカー達から逃げてきたと知って事情を聞きに来たウルヴァリンを敵と思って攻撃するが、一見軽そうに見えて危機に陥ったウルヴァリンを助けにわざわざ島に戻ってきたり、降りるなり剣を刺すシーンなんかルパンVs石川五右衛門なのかと思うくらいカッコいい。それにしても、無理に本編につなげようとしているのか、プロフェッサーの登場がいかにも唐突。戦いが終わった頃を見すましたかのように現れ、ヘリで彼等を連れて行ってしまう。特殊能力持ってたのに何だよ。ここでウルヴァリンも回収しておけば話が早かったのに。ウルヴァリン:X-MEN ZERO(Blu-ray)ぐるぐる王国 楽天市場店
November 6, 2014
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。月曜日のハイキングの余波で筋肉痛です。さて、今回紹介するのは大島さんの最新作です。あなたの本当の人生は大島 真寿美 ジュニア小説の大家として一世を風靡した森和木ホリ―とその秘書を務める宇城圭子の所へ、ホリ―を長年担当してきた編集者・鏡味が新人作家の國崎真実を連れて来る。真実を気にいったホリ―は彼女を大ベストセラー小説『錦船』シリーズに出てくる両性具有の黒猫〈チャーチル〉と呼ぶことを決め、内弟子として住まわせる。 大島さんの初期作品は、少年少女が主人公で彼等の三人称単独視点で綴られていたが、成人男女が主人公になってゆく小説に移行するにつれて複数視点が使われるようになった。本作品もその一つで、書くことに囚われた3人の女性の複数視点で書かれている。 何事もなく流れていた日常が訪問者によって変わってゆくというモチーフは既存作品でもよく見られる。本作では、ホリ―のファンではあってもその私生活や過去について全く知らなかった真実が訪問者のポジションで、ホリ―やその周辺の人達との関わりを読者に説明する役割を果たす。説明が足りなかった部分は、先に挙げた2人の語り手によって補われる。訪問者パターンとしては1.訪問者が影響を受ける2.訪問者は変わらず、訪問を受けた人達が影響を受ける3.訪問者を含めて登場人物の人達全てが影響を受けるの3つに大別されるが、本作は3のパターン。 初期作品では主人公が少年少女だったため一方的に影響を受けるパターンが多かったが、今回は互いに影響を与えあう。その中でも強烈な印象を残すのは森和木ホリ―である。「あなたの本当の人生はここにはないわ」という言葉を放ち、元夫や宇城圭子の人生をいとも簡単に変えてしまった彼女は、一見さも自分の事がよくわかっているようだ。しかし、そんな彼女も現在になっても「いったい森和木ホリ―とはなんだったのだろう」と考えこんでしまう。完成された大人など誰一人いない。人は一生迷いながらも、どこかで自分でその答えを見つける。真実がコロッケを見つけたように「べつにうまくなろうと思ってわけじゃなかったのにみるみるうまくなってしまう」‘自分だけの何か’を見つけて、本当の人生を切り拓いていくのだ。「ゼラニウムの庭」を書いた時、大島さんはこう言っていた。「最近、自分にとって書くとはどういうことなのかが大きなテーマになっていたので、小説を通して一度よく考えてみたかったんでしょうね。これは、次の小説のテーマにもなる予定です」この‘次の小説’が書である。3者3様に‘書く時の気持ち‘―いや、取り憑かれているといってもいいのだから、‘書かざるを得ない気持ち‘と言った方が良いだろうか―を独白で綴っている。特に書くことを仕事に選んでいる人ではなくても、文章を書くことが大好きな人なら、どこか頷ける箇所、共感できる箇所が見つかると思うので探してみて欲しい。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】あなたの本当の人生は [ 大島真寿美 ]楽天ブックス
November 5, 2014
コメント(0)
![]()
みなさん、こんにちは。株価が上がりましたね。とはいっても実質のない好景気のような気が。同じ騙しでも、私たちを快く騙してくれるマジシャンなら歓迎。本編はそんなマジシャンを主人公に据えた映画です。プレステージThe Prestige監督&脚本クリストファー・ノーラン出演ヒュー・ジャックマン クリスチャン・ベール マイケル・ケイン アンディ・サーキス スカーレット・ヨハンソン パイパー・ペラーボ「全てのマジックには3つの要素がある。最初の要素は確認。マジシャンは観客に普通の状態―何も種がないことを見せる。次の要素は展開。普通であったものが突然何かに変わってしまったことを示す。だが消えただけではだめだ。戻ってこなければ。君は秘密を探り当てようとするだろう。だが見つからない。君は本当は秘密なんか探していない。騙されたいだけなんだ。Every magic trick consists of three parts, or acts. The first part is called the pledge, the magician shows you something ordinary. The second act is called the turn, the magician takes the ordinary something and makes it into something extraordinary. But you wouldn't clap yet, because making something disappear isn't enough. You have to bring it BACK. Now you're looking for the secret. But you won't find it because of course, you're not really looking. You don't really want to work it out. You want to be fooled. 」マジシャンのアンジャーとボーデンの師匠であるカッタ―がマジックについてかたる言葉。これが後になって効いてくる。若い頃からお互いを尊敬する良きライバル同士だったアンジャーとボーデン。しかしある日の公演中、アンジャーの妻ジュリアが水中脱出に失敗し溺死。その原因がボーデンにあったことから、しだいにアンジャーは彼への復しゅうへととりつかれてしまう。彼等は相手よりも凄いネタを!と考えに考えたあげく「人間瞬間移動」という奇しくも同じネタで好評を博す。しかし相手への闘争心と復讐に燃える彼等に振り回された女性達は、次第に離れていく。欺いているのは手品だけではない。彼等は自分自身をも偽る。そして最後に全ての謎が明らかになった時に、これまでの謎はこういうことだったのか!と思わず膝を打つ。どうしてボーデンがジュリアの手をどう縛ったか覚えてないのか。いつもボーデンにつき従っていた男は誰だったのか。なぜ銃が置かれていたのか。ただアンジャーのトリックについてはマジックではなくSFに踏みこんでいたようだ。ヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベールがいい。若い頃はお互いに競い合っていた仲間だったのに、アンジャーの妻の死を契機に憎み合い、騙し合うあまり、自分自身をも亡くしていく。彼等のストッパーとして登場するのが二人の師匠のカッタ―。時系列を入れ替えながら二人の因縁を縒りあげていく監督のストーリー構成も巧み。プレステージ【Blu-ray】 [ ヒュー・ジャックマン ]
November 4, 2014
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。連休最後の日をいかがお過ごしですか?私はハイキングに行ってきました。スポーツ繋がりでこんなミステリを紹介します。テニスコートの殺人The Problem of the Wire Cageジョン・ディクスン・カーいやぁ、ジョン・ディクスン・カ―作品でこんなに笑ったのは初めてです。でも、人が死んだのに笑ってしまうというのは不謹慎ですね。そこは勘弁。 テニスコートの中央付近で仰向けに倒れた絞殺死体が見つかった。足跡は被害者のものと、被害者が死んで驚いて駆け付けた婚約者ブレンダのものしかない。彼女は殺してないというが、実はその直前、ブレンダは弁護士で実は相思相愛のヒューとキスしていた!そして偶然にも被害者を含めた4人は殺人についての話をしていてブレンダは「完璧な方法を知っている」と口にしていた! よくもまあ「さあ、怪しんで下さい!」と言わんばかりの怪しい要素が分かりやすく登場することよ。更に「殺してない」というのは彼女自身の告白しかないし、ご丁寧にスカーフが首に巻いてあるわ、彼女の爪は被害者の襟にあるわ、被害者が亡くなって彼女一人が莫大な遺産を手にすることになるわと、やっぱり「疑って下さい!」と言わんばかりの物証が次から次へと出てくる。そこへ彼に恋したヒューが職業倫理を振り捨てて(いや、怖いなぁ、コイゴコロっていうのは)あれこれと細工したりと余計なことをするものだから「彼女を庇ってるんだ」と痛くもない腹を探られてしまうことに。ここでねぇ、ヒューが「ああ、果たして彼女が犯人なのだろうか?」と苛まれながら犯人探しをやるのならば、もう少しサスペンス色が出せたのに勿体ない。やれやれ、振り回される警察は大変だ。更に、名探偵ギデオン・フェル博士という引き立て役が側にいるのだから、プレッシャーも相当だろう。 さて「彼女が殺していないというのだから殺していないんだ!」という前提の元でブレンダとヒューは犯人探しを始めて「そもそも24フィートも離れた所の人間を絞殺することが出来るのか?」とあれこれ考えた挙句、思いついた殺害方法が可能かどうかの実験を弁護士事務所の助手に命じる。一番笑ったのは、実験の様子を一生懸命助手が語っているのに、ヒューが途中からひーひー笑い始めてしまう本筋とはあまり関わらないこの場面だ。確かに真面目に考えるとありそうにない方法で笑ってしまうのはわかるが、実験に駆りだされた人は怪我してるんだからその態度はないだろう、弁護士くん。おとーさんがたしなめるのもわかるよ。しかし最後にフェル博士が解き明かした殺害方法に比べると、このとんでもない方法の方がまだ可能に思えてくるから困ったものだ。これはもしかしてバカミスなのか?ジョン・ディクスン・カーで?フェル博士で? 余談だが、カバーの裏に書いてある「では殺人者は、走り幅跳びの世界記録並みに跳躍したのだろうか?」という問いかけも面白かった。そんなものに殺人者が挑戦してどうするのだまったく。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】テニスコートの殺人 [ ジョン・ディクソン・カー ]楽天ブックス
November 3, 2014
コメント(0)
![]()
みなさん、こんにちは。いい天気だったのにくもってきちゃいましたね。でもやっぱり文化の日。晴れるかな。今日は英国ミステリを紹介します。貧乏お嬢さま、古書店へ行く 英国王妃の事件ファイル2A Royal Painリース・ボウエン 皇位継承34番目の公爵令嬢ジョージアナは、厄介な縁談を持ち込んでくるスコットランドの義兄夫婦の元を飛び出して、ロンドンでメイド業を営んでいる。そんな彼女を呼びだしたイギリス王妃は、人妻と熱愛中の皇太子とドイツの王女を結婚させようと企み、彼女をもてなすよう命じる。第三者を家に招き入れたら、メイド業をしていることもメイドを雇わず暮らしている秘密がばれてしまう!さぁどうするジョージアナ! 「早くロストバージンしちゃいなさい!」と会う度に彼女をけしかける困った所はあるものの、いざという時は臨時メイドもしてくれる顔が広い学友のベリンダ。隣の主婦とセットで料理人と執事をやってくれる祖父。互いに何度も言い合いそうなハリー・サッグ警部補など、脇キャラが揃ってきて、ストーリーがうまく回り出した感があるシリーズ第二作。まだ二作目までしか翻訳されていないが、公爵令嬢が時の王妃から毎回難題を吹っ掛けられつつ、殺人事件に遭遇するパターンが今後も続くのだろう。 表紙絵が内容と合っていない点が惜しい。第一作こそ「メイドになる」だったが、今回はドイツ王女のローマの休日ならぬロンドンの休日に振り回されるシーンが多く、メイド業に専念できていない。ところでおもてなし費用は王室から一切出ていないのに大丈夫なのかジョージ―。また、彼女がメイド姿で古書店を探っているようなシーンもない。メイド探偵というなら『女王陛下のメイド探偵ジェイン』(C.C. ベニスン)の方がよほどらしいので、そろそろ表紙絵はメイド姿と離れた方がいい。修道院にいたにしては世俗の事に詳しすぎる王女と無口なメイドは、とてもわかりやすく怪しさを振りまいてくれる訪問者。コ―ジ―ミステリーならこれくらい分かり易くてもいいのか。さてドイツではヒトラーが台頭し、夫を影で操る王妃様にちょっと鈍いジョージアナが振り回されている平和な時代が続いて欲しいがそれは難しいだろう。『英国王のスピーチ』の時代が近づいてきて、今回ちょっと正体がわかりかける台詞があるダ―シ―が活躍しそうな予感。貧乏お嬢さま、古書店へ行くぐるぐる王国DS 楽天市場店
November 2, 2014
コメント(0)
![]()
みなさん、こんにちは。11月になりましたね。こちらでは雨が降っています。みなさんの所はいかがでしょうか。今日はアメリカ映画をフランスがリメイクした作品を紹介します。真夜中のピアニストDE BATTRE MON COEUR S'EST ARRETE/THE BEAT THAT MY HEART 出演ロマン・デュリス オーレ・アッティカ監督&脚本ジャック・オディアール父と同じく不動産の裏ブローカーをしているトムには、亡き母のようなピアニストになりたいという願望があった。ある日母のマネージャーだった男性と偶然出会ってオーディションの誘いを受けた時、ピアノへの想いが再燃する。ピアノのレッスンをしてくれるのは中国から来たばかりの若い娘で言葉が通じない。それほど引きしまったガタイではないのにやたらヌードになりたがる(というと語弊があるか)ハーヴェイ・カイテル。彼とよくコンビを組んでいたのがイタリア出身のスコセッシ監督だった。その二人のコンビ作『マッド・フィンガーズ』をリメイクしたのが本作。不動産の仕事を父から、ピアノの才能を母から受け継いだトムは、扱う不動産に不法滞在している住民を叩き出したり、なかなか出ていかない住民に嫌がらせをするチンピラの貌と、久しぶりに会ったピアノの恩師に「才能があったのに」と言われて嬉しそうな笑顔を見せる普通の若者の貌を持っている。相反する要素を持つ男性を演じたのは、ロマン・デュリス。カイテルとは正反対のイケ面だ。マスクが甘いが、脇も甘い。同僚の妻に言い寄ってみたり、父を痛い目に合わせたロシアン・マフィアに悪態をついて事態をもっと悪くしたりと、生き方もいきあたりばったりで危なっかしい。だが「芸術が金になるのか?」と言われながらピアノに打ち込む時だけは、彼は揺るがない。目を閉じて恍惚とした表情を浮かべる。定まらない人生を歩んでいた彼が、唯一確かなものとしてピアノにすがったように見える。それなのに最もその才能を発揮して欲しい時に、ピアノは彼を拒絶する。この後唐突に3年後の彼の姿が映し出される。スーツを着て愛する女性といる彼は、かつてのチンピラの片鱗はない。ところが、ある人物に出会った時に彼は豹変する。もしやこのまま闇の世界に戻るのか?と思わせ冷やっとするが、そこで彼を救ったのもまたピアノだった。彼の望む未来ではなかったけれど、ピアノが傍にある限り、彼は自分の中の確かさを手放さずにいられるのだろう。映画「真夜中のピアニスト」この作品情報を楽天エンタメナビで見る【2500円以上送料無料】真夜中のピアニスト DTSスペシャル・エディション/ロマン・デュリスオンライン書店boox
November 1, 2014
コメント(0)
全30件 (30件中 1-30件目)
1