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『最強のふたり』を観ました。フランスで作られ、ヨーロッパ中で記録的なヒットをしたコメディー映画です。顔以外全身不随で車椅子生活をしている大富豪とスラム出身の不良黒人青年の介護者の実話を基にした友情物語です。事故で全身不随となったフィリップは新しい介護者を探していた。そこに失業保険目当てで働く気も無い黒人青年ドリスがやってくる。自分に全く同情しないドリスの態度に好感を覚えたフィリップは彼を介護者として採用する。知的で紳士のフィリップと乱暴者でがさつな、でも頭のいいドリスの最強コンビが誕生した。こんな映画初めて!のおもしろさでした。介護を題材にしているのに全然湿っぽくならないし、軽いシモネタもあって、綺麗事の話にならない物語でした。(フィリップの場合シモネタと言うよりクビネタ)最初から最後までノンストップで駆け抜けるようなストーリー展開。根っから明るいドリスのキャラもあってずっとクスクス笑い続けるようなコメディーでもあり、深刻な問題をスカッとサラッと乗り越えていく感動作でもあります。ハリウッド映画のようなわざとらしさ、仰々しさも無く自然な流れで話が展開していきます。映画が終わった後に実在の二人の映像が流れるのも感慨ひとしおでした。
2012年11月06日
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先週までシネマ5で上映されていたけど観そこなった『灼熱の魂』レンタルして観てみました。私が映画館以外で映画を観る事はあまりないのですが、観た人観た人がみんなしばらく席を立てないくらい衝撃を受けた、とか鳥肌が立って放心状態に陥った、とかおっしゃるものだから、どうしても観たくなったのです。民族紛争・宗教戦争の内戦が続く中東のある国(どうやらレバノンらしい)が舞台。異教徒を愛した女性ナワルは数奇な人生の果てに今はカナダで双子の姉弟と平和に暮らしている。だが運命がナワルを追いかけてきて、非情な真実を知ったナワルは絶命してしまう。双子は母の奇妙な遺言を元に中東へ旅立ち、そこで母のたどってきた過酷な人生、そして自分たちについてのあり得ない秘密を知ることとなる。ある事実を知った登場人物が「ヒィィィィィィ!!」という悲鳴をあげるのですが、私も一緒に「ヒィィィィィィ!!」と叫んでしまうような内容でした。現代のギリシャ悲劇とも言える物語でした。ただギリシャ悲劇とは違って、最後に大きな救いがあったと感じました。残酷で悲惨な運命をたどった主人公の崇高な心、あまりに強い意志に感じ入りました。紛争の続く中東。夢も希望も無い、ただ敵に対する報復だけを目的とする人生。理屈では否定できますが、実際に愛する人を奪われたらどうなるでしょうか?戦後の平和な日本で生きている私たちには想像もできない人生がそこにはあるのでしょう。復讐心を捨てたら生きていけないほどの過酷な世界なのかもしれません。その中でもナワルと子供達の運命はあまりにも恐ろし過ぎます。でもすべてを受け入れ命を捨てて憎しみや恨みを愛に昇華したナワルがまた凄過ぎます。この映画は最終的に一人の強く崇高な女性を讃える神話となりました。(でも私自身内容を消化するのにしばらく時間がかかりそうです。(^^; )
2012年11月06日
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シネマ5で『聴こえてる、ふりをしただけ』を観た。監督は大分出身の看護士さんの今泉かおりさん。学生時代からシネマ5に通い詰め、看護士を辞めて上京して映画の勉強をして認められ、また看護士に復職して出産の産休を利用してこの映画を作ったそうだ。かなりおもしろい経歴だ。そしてこの映画はベルリン国際映画祭で「こども審査員特別賞」を受賞した。思っていたよりおもしろくて深い内容だった。登場人物はほとんどが小学生の女の子。監督自身の体験をベースにしているので、女の子達の行動・内面が凄くリアルだった。子ども特有の優しさ、そして残酷さ、どうしようもない感情のやり場・・・もうみんな可愛くてたまらない。サチは突然母親を失い、それを受け入れられないでいる。心の弱い父親は妻を失った痛みに耐えきれず精神のバランスを崩していく。そんな時、お化けを信じる軽い知的障害のノゾミが転校してくる。サチはノゾミに優しく接しながらもどうしようもないいらだちも募らせていく。ノゾミが原因で仲の良かった美由紀ともギクシャクしてくる。自分より劣っていると思っていたノゾミにある真実を知らされたサチは感情を爆発させる。最初の脚本では夢に母親が登場して救われる話にしていたそうですが、では母親が夢に現われなかったら救われないのか?と自問自答して何度も脚本を書き直したらしいです。傷ついた子供がいかにそれを乗り越えて強く優しくなっていくか、そのテーマに真摯に向き合った佳作でした。ただ監督の死生観がちょっと自分とは違っていて、その先にまた壁があると思うので監督がその壁に向き合った時にまた新しい作品を産みだしてくれるのを期待します。
2012年11月06日
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『ダークナイト ライジング』観てきました。前作がアレでしょ。そして今回のキャッチフレーズが「伝説が、壮絶に、終わる」もの凄く期待して観に行きました。・・・・・・・・壮絶に終わりました。バットマン・シリーズは敵も味方も普通の人間で、誰ひとり特殊能力を持っていません。それゆえこれほどのリアリティがあり迫力のある物語が作れたのだと思います。残酷なシチュエーションもけっこうあるので、そういうのが嫌だという人にはおすすめできませんが、見応えのある映画でした。最後の方でグッとくるセリフがあります。
2012年11月06日
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TOHOシネマズで『アメージング・スパイダーマン』を観ました。3Dで観たのですが、今までの3Dとは格の違う立体感!特にクライマックスで、ビルからビルへジャンプするスパイダーマンの飛び出す感覚と言ったらオオッ!!という感じでした。(音が出ないように拍手してました)戦闘シーンでも物が飛んで来た時にはマジによけました。(^^;今までの3Dだと画面の暗さばかりが気になっていたのですが、これは凄かったです。3D技術もどんどん進化していってるようですね。物語はまぁスパイダーマンでした。(^^;新シリーズも楽しく始まりました。
2012年11月06日
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レイトショーで『ヘルタースケルター』観てきました。原作の漫画は、評判が高かったので10年くらい前に買って読みました。最後に主人公リリコが海賊になったこと以外は詳細覚えていません。(^^;この題材は蜷川実花にうってつけですね。色彩過剰でポップな映像満載です。私もリリコのグラビア撮りたい!!! (^◇^カラフルなドアが並んだマンションのワンショットが強烈でした。ポップってのは現実にあるものじゃダメなんだ。沢尻エリカがAV並の体当たり演技をしていたのにはちょっと驚きました。
2012年11月06日
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『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』(若松孝二監督)を観てきました。最初から最後までピーンと糸が張ったような緊張感。冗談のまったく通じないシリアスな世界。あいかわらずの若松節を堪能しました。三島の目指したもの。それは戦後のアメリカの支配からの脱却だったのでしょうね。現在もそれは続いていますが、天皇制のある限り日本は生きています。いつかはたどりつけるんじゃないかと私はけっこう楽観視しています。あの時代、人が何を思い、どう行動したか、左の人も右の人もみんな真剣だった時代。今の自分とはまったく違う世界を楽しみました。
2012年07月07日
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T・Joyで『テルマエ・ロマエ』観ました。笑った笑った。おもしろかったです。顔の濃い人ばかり出てました。(^▽^
2012年07月07日
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今日は午前10時の映画祭で『禁じられた遊び』を観てきました。あまりにも有名なあの曲。映画はずいぶん変わったお話で、おもしろかったです。戦時下、人の死が日常的な生活。両親を瞬時に失った少女は、助けてくれた少年と一緒にお墓を作る遊びに熱中する。戦争に対する深く静かな怒りが伝わってくる映画でした。少女ポーレット役の女の子がしんけん可愛かったです。
2012年07月07日
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片山瞳という名の女優がいる。存在自体が魔性の女だ。私は数年前の実体験で、彼女が魔性の女だということを知っている。そしてこの映画はリアル魔性の女が究極の魔性の女を演じている。片山瞳に引き寄せられた男たちが、ドミノ倒し的に次々破滅していく。あげくの果てには実は人間じゃないだと?ふざけ過ぎだ。でも非常に濃密な映画空間を楽しめた。監督は『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』『キャタピラー』の若松孝二。どの映画もくどくて熱くて濃密で深い。これから先も若松孝二の撮る映画と片山瞳の出る映画からは目が離せそうもない。
2012年07月07日
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ウォルト・ディズニー生誕110周年記念作品のディズニー映画。なんでもアメリカでは記録的な大赤字を出してしまったらしいです。原作はSFの古典バロウズの「火星のプリンセス」。この原作は後に『スターウォーズ』や『アバター』に影響を与えたと言われるほどのSFの世界では名作中の名作なのですが、映画では逆に『スターウォーズ』や『アバター』の真似のように見えてしまっているのが非常に惜しいです。映画の製作順が逆だったら良かったのでしょうけどね。でも私としては心躍るSF大活劇を存分に楽しみました。確かに『スターウォーズ』や『アバター』を観てしまった今では、古臭く感じますが、他と比較せずに何も考えずに観れば、そうとう楽しい映画でした。
2012年07月07日
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ハワイでの多国籍軍事演習中に謎のエイリアンとその母船に遭遇したアメリカ海軍や日本の海上自衛隊がエイリアンと激しい戦闘をするというお話。ユニバーサル映画100周年記念作品のSFアクション大作という触れ込みの作品。中身空っぽの派手派手戦争映画。でもこういうのもスカッとしておもしろかったです。嬉しいのは自衛官役の浅野忠信が主役級の役柄だったこと。敵を倒す奇策を米軍に授けたりの大活躍でした。商売の為とは言え、ハリウッドがここまで日本を持ちあげてくれたんだから少なくとも日本ではヒットしてほしいなあ。敵エイリアンはよく考えるとそんなに悪い人ではなかったような気もするけど・・・(^^;
2012年04月26日
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今年のアカデミー賞受賞作『アーティスト』を観ました。今時モノクロのサイレント映画(一部トーキー)をよく作りました。サイレント映画の時代のハリウッドで、ジョージは超売れっ子の大スターだった。ジョージはチャーミングな新人女優ペピーと出会いちょっとしたアドバイスを与える。やがて時代はサイレントからトーキーへ。ペピーは大女優の階段を駆け上がり、時代に逆らったジョージは凋落する。だがペピーにとってジョージは変わらぬスターだった。いいですね~新作なのにノスタルジック。楽しく優しく甘いロマンティックストーリーです。この内容で普通のカラ―トーキー(今時トーキーとは言わないけど)の映画なら嘘っぽくなり過ぎて白けそうですが、モノクロ無声でいい感じに仕上がってます。映画にしても写真にしてもモノクロというものは、それだけでシュールリアリズムなんですよね。私たちの目は物をモノクロで見ることはできません。モノクロは時にカラー以上に豊かな色彩を感じさせることができます。この映画のような作りの映画がもっと流行ってもいいかもしれません。そしてこの映画は、サイレントの使い方が非常に上手かったです。一部サイレントで無い箇所があるのですが、それが非常に効果的。現実と架空がごちゃまぜになり不思議なおもしろさを作りだしてます。本物のサイレント映画には出来ない芸当です。そしてサイレントでしか出来ない仕掛けもあって、それもおもしろかったです。なるほど!そう来たか!!すべての場面場面にちょっとした工夫を凝らしていて、見ていて飽きない映画でした。丁寧に作られた良作です。観た人みんなが犬がいい!犬がいい!と連呼してますが・・・犬が良かったです。名演でした。
2012年04月23日
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原作はノーベル文学賞を受賞したトーマス・マンの小説。芸術色の強い、映像の美しい映画でした。ベニスの海岸に静養に訪れたドイツの老作曲家アシェンバッハ。道徳観念の高い潔癖症のアシェンバッハは海岸で美しい少年タジオに会い心を奪われる。アシェンバッハは苦悩と混乱と恍惚の果てに至福の最期を迎える。顔の美しさに男も女も無いと思うんですよね。究極の美男は究極の美女と同じ顔になると思っています。逆に肉体の美しさは男と女では全然別物ですね。ダビデとヴィーナスは両立しません。シュワルツェネッガーとマリリンモンローも両立しないし、もこみちと熊田・・・・・・もうやめときます。美とは何か?を考えさせる映画でした。アシェンバッハは何も同性愛に目覚めたわけではないのですね。人生で最高に美しい顔をしていたのがたまたま少年だっただけで、もしタジオ以上に美しい少女が現れたらそちらに心を奪われていたでしょう。自分の心に素直になったアシェンバッハは至福の死を迎えるわけですが、私にとっての至福の死とはどんな状態でしょうか?ベリーダンスの舞を見ながら死ぬ?それともローカルアイドルのライブを見ながら死ぬ?その時はきっと両手にしっかりとカメラを握りしめているでしょうね。(^^;
2012年04月19日
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40年前にユーミンがこの映画を観て衝撃を受けて作りバンバンに歌わせて永遠のスタンダードポピュラーソングになったあの歌の元となった映画。誰でも知っている割りに世界中どこでもDVD化されていないので、こんな機会でもないと観る事ができないアメリカンニューシネマの傑作。シネマ5に感謝です。名門大学のノンポリ学生サイモンは、学生運動活動家の女の子に一目ぼれ。軽い気持ちで学生運動に加わる。運動はどんどん過激化し、ついに学長室を占拠。大学に立てこもった学生たちに対する警官隊の弾圧の日が近づく。かなり凄い映画でした。密度がめちゃくちゃ高くて、エキサイティング。いくつもの要素が共存し、それぞれが絡まり見事に融合しています。まずベトナム戦争の時代のアメリカのイラついた空気感。学生たちの気楽で明るい青春。揺れ動く若者の気持ち。革命の緊張感。女の子が素直な横顔で涙ぐんでた哀しい場面。そして言うまでも無く青春恋愛映画としての要素。確かにもう一度観たくなる見応えのある映画でした。ちなみに題名の由来は「学生の抗議などイチゴが好きだと言ってるくらいの他愛もないもの」と当時紛争のあった大学の学長が言った実話に基づいています。
2012年04月18日
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『種まく旅人 ~みのりの茶~』を観ました。農業に真正面から向き合った映画で、農業の楽しさ、問題点、希望が丁寧に描かれていました。他に類を見ない映画です。塩屋俊監督は私と同郷の臼杵市出身で、映画の舞台もほとんどが臼杵。自分の生活空間をスクリーンで観るのはワクワクしました。とても美しく撮ってくれていました。主演の田中麗奈さんはとても美しく生き生きと輝いていました。舞台挨拶で間近で見れて嬉しかったです。湯布院映画祭の『がんばっていきまっしょい』で初めて見たのが15年ほど前。あの時の可愛い女の子は美しく成長しました。塩屋監督は大分を出て大分の良さに気づいたと言っていましたが、私も学生時代サイクリング部で日本中を旅した時も同じことを感じました。大分は全国レベルでもかなり豊かで美しい地です。大分県人はそのことをもっと誇りに思って自慢してもいいと思います。この映画は大分の豊かさをしっかりとアピールできていると思いました。美しい風景、大らかな人々・・・大分の宝です。観終わって帰ったら、さっきまで観ていた映画の中に自分がいて、なんだか不思議な感覚でした。(^^
2012年03月23日
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石井聰亙改め石井丘龍監督の映画。この監督の10年前の映画『五条霊戦記』はおもしろくなかった。観念に凝り固まった気色悪い映画でした。でも本作はちょっと惹かれて観てみました。のどかでけだるい大学のキャンパス。三角関係で口論してたり、パーティーの出し物のダンスを練習してたり、都市伝説について語り合ったり、いつもの学生の日常。と、突然そのうちの一人が死ぬ。そして登場人物は次々と死んでいき、最後には全人類・全生物が死に絶える。という話です。(^^;白日夢の悪夢のような話。理不尽な夢を現実に見せられている感覚。長い事こんな映画を観たかったです。映像、音楽のセンスも抜群。若者たちの会話もテンポよく今風でした。この監督、10年前より確実に若返ってるわ。50代半ばという年齢でこんな今風の若者を描けたことは驚嘆に値します。まあもともと原作が演劇だったのでその脚本をそのまま持ってきたのかもしれませんが、完璧に消化していましたね。若者たちのやりとりで普通に声を出して笑うようなシーンもたくさんありました。あ。ちょっと待って。そこで死んだら尻切れトンボ。話が終わってない。なんていうこちらの気持ちなどまったくお構いなしに死ぬ死ぬ死ぬ。みんな死んでしまう。演じている役者のほとんどが無名であったことも良かったです。不思議なもんで自分だけが死ぬなら嫌だけど、みんな死ぬならなんとなく受け入れられるような気持になってきますね。(^^; ヤバイ約20人の若者の、シュールなギャグを見ているような死にざま、堪能いたしました。(^_^;
2012年03月17日
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はやぶさ映画第2弾『はやぶさ 遥かなる帰還』を観ました。第1弾の『はやぶさ HAYABSA』がプロジェクトすべてを映画化していて、はやぶさ打ち上げまでに1時間以上かかったのに比べて本作はいきなり打ち上げから始まりました。話の中心は復路の困難です。リスクが高くても、後悔したくないのでゴーサインを出し続けるプロジェクトマネージャー、リスクが高くても、科学者の性で試さずにはおれない開発者、リスクは出来るだけ避けたいメーカー側の開発者、みんなワガママで自分勝手で最高のスタッフでした。それにしても開発者ってタフですね。絶望的な状況でも地道に気の遠くなるような作業を繰り返しいつしか道を切り開く。並の神経ではもちそうもありません。はやぶさを見失った時点で手を引こうとしたNASAとの駆け引きも面白かったです。トラブルの緊迫感に迫力があった映画でした。
2012年03月09日
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冒頭、模型飛行機を飛ばす子ども・・・あぁやったやった小学生の頃、ゴム動力の模型飛行機作って飛ばしたな~今ではすっかり見かけなくなったけど。このシリーズ2作で終わると言ってたけど3作目が出来た。でもおなじみのキャラが出てくるとホッとする。もうストーリーがどうの演出がどうの、というレベルではない。キャラが全員生きているのだ。おなじみの面々が当たり前のようにそこで日常生活を送っているのだ。純朴で可愛い六ちゃんが、大分ローカルアイドル・ウィヴィのひーちゃんに見えてしょうがなかった。こんな見方してるのは日本中で私だけだろう。職業病か・・・? (^^;泣かせどころもたっぷり。茶川と親父の和解。六ちゃんの嫁入り。淳之介の親離れ。もう映画の登場人物が自分たちと一緒に生きて成長している気がしてならない。こうなったらもう2作や3作で終わると言わずに何本でも何十本でも作ってほしい。今回もまったくレベルダウンせずに幸せな気分にしてくれました。舞台は1964年。茶川の娘は私とタメだ。(^^;
2012年03月03日
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やっと観てきました。危機一髪に次ぐ危機一髪。全編危機一髪だらけ。(^^2時間以上手に汗握りまったく飽きさせませんでした。話がちゃんと3作目からつながっているのが嬉しかったです。1作目から16年・・・そろそろ2代目イーサン・ハントが生まれるのでしょうか?トム・クルーズはまだまだ頑張れそうですが。
2012年02月05日
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今一番好きな監督・園子温の作った映画なので楽しみにしていました。相変わらずのひどい暴力シーンはありますが、今まで観た園子温監督の映画とはちょっとテイストが違いました。「がんばれ」「夢を持て」同じ言葉でも、言う人によって薄っぺらな綺麗ごとに聞こえたり、魂を揺さぶる叫びに聞こえたりするものですね。泣きました。まさか園子温監督の映画で泣くとは思ってなかったのですが、泣きました。泣き叫びながら必死に走っていく子どもたちを見て、どうにも涙がとまりませんでした。原作のマンガは、絶望のエンディングだったのですが、この映画は遥かに優れたラストでした。主演の染谷将太と二階堂ふみは、この映画でベネチア国際映画祭の新人最高賞を受賞しましたが、確かに凄い熱演でした。特に二階堂ふみ。とても中学生とは思えない素晴らしい演技を見せてくれました。将来も楽しみな女優さんです。
2012年02月02日
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園子温監督、前作『冷たい熱帯魚』の勢いそのままに飛ばしていました。過激です。3人の裏の顔を持つ女たち、そしてその先にあった猟奇的殺人事件。最初から最後まで狂いまくった物語です。極限までグロくて陰惨な話しなのに、なぜか観終わった後に突き抜けた爽やかさを感じたのは『冷たい熱帯魚』と同じでした。多分、演出が非リアリズムに徹しているからではないかと思います。グロさがあまりにもシュールすぎて、陰惨で過激な場面が不条理ギャグにまで昇華されているからでしょう。・・・・でももしかするとこの映画を観てゲラゲラ笑っていた私はこの映画の登場人物たちと同じ種類の人間なのかもしれません。(-_☆
2012年01月07日
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『ソーシャル・ネットワーク』(アメリカ映画)120分 監督 :デヴィッド・フィンチャー キャスト: マーク・ザッカーバーグ・・・・・ジェシー・アイゼンバーグ ショーン・パーカー・・・・・・・ジャスティン・ティンバーレイク エドゥアルド・サベリン・・・・・アンドリュー・ガーフィールド キェメロン・ウィンクルボス・・・アーミー・ハマー タイラー・ウィンクルボス・・・・アーミー・ハマー ディビヤ・ナレンドラ・・・・・・マックス・ミンゲラ エリカ・・・・・・・・・・・・・ルーニー・マーラ(あらすじ)ハーバード大学生マーク・ザッカーバーグはfacebookを作った。facebookは世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービスになった。マークが巨万の富と引き換えに失ったものとは。(感想など)非常におもしろい映画でした。1人のオタクの学生が世界の頂点に登りつめていく過程をスタイリッシュにそしてスピーディーに描いています。これなら多分facebookを知らない人が観てもおもしろいでしょう。映画の中でユーザー数が100万人を越えた時大騒ぎしていましたが、私がユーザーになった時は既に3億人を越えていたので、あれ?その程度で?と思ってしまいました。感覚がマヒしてますね。ただマーク・ザッカーバーグ本人は、この映画で本当の事は当時着ていた服だけだ、と映画を全否定しています。マーク・ザッカーバーグについての書籍を読んでみると、たしかに別人でした。でも逆に言うと、主人公の性格を変更して、映画をおもしろくしたデヴィッド・フィンチャー監督の手腕は見事なものです。今年になってチュニジアで革命が起きましたが、その原動力としてfacebookが大きな影響を与えました。現在、革命の火は周辺国へ飛び火して歴史が変わろうとしています。マーク・ザッカーバーグは世界をどこまでも透明化していくつもりです。facebookがこれからどこまで発展していくか、私も体験しながら楽しんでいきます。ちなみに私はfacebookで趣味でベリーダンスのサイトを作っています。よろしければ見てください。ベリーダンスのファンページ『ソーシャル・ネットワーク』公式サイト[CD]輸入盤CD スペシャルプライスソーシャルネットワーク / Social Network 輸入盤 【CD】価格:700円(税込、送料別)
2011年01月30日
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『ゲキ×シネ 蛮幽鬼』(劇団☆新感線)182分 作 :中島かずき 演出 :いのうえひでのり キャスト: 伊達土門・・・・・・上川隆也 サジと名乗る男・・・堺雅人 京兼美古都・・・・・稲森いずみ 刀衣・・・・・・・・早乙女太一 ペナン・・・・・・・高田聖子(あらすじ)伊達土門は友人に裏切られ無実の罪で異国に幽閉される。十年後、凄腕の殺し屋と知り合った土門は共に脱走し、復讐を誓い国に帰る。だが土門の前に立ちはだかったのはかつて愛した恋人だった。(感想など)途中でキャラクターの人格が変わったりしてストーリーがグチャグチャになりかけ、もしかしたら失敗作かも、と思っていたら、ラストは見事に盛り上げてくれました。おもしろかったです。 これぞゲキ×シネ!!みんな殺陣をやるけど、早乙女太一の殺陣は1人だけレベルが違っていました。すごく美しくかっこいい!! 常に笑顔の不気味な殺し屋を堺雅人が演じていましたが、仮面のように貼り付いた笑顔が凄い。この役は堺雅人にしか演じられない役でした。 稲森いずみはあらためてとても美しい人だと思いました。 主演の上川隆也は、復讐に狂う男の迫力ある演技が良かったです。 今年の「五右衛門ロック2」も楽しみです。『ゲキ×シネ 蛮幽鬼』公式サイト[DVD]【送料無料】蛮幽鬼価格:1,890円(税込、送料別)
2011年01月03日
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『キャタピラー』(邦画)84分 監督 :若松孝二 キャスト: 黒川シゲ子・・・寺島しのぶ 黒川久蔵・・・・大西信満 クマ・・・・・・篠原勝之(あらすじ)黒川久蔵は四肢と言葉を失い戦場から戻ってきた。妻シゲ子は村人に軍神としてあがめられる久蔵を必死に看病する。暴君のような久蔵だったが、やがて二人の立場は逆転する。そして戦場での記憶が久蔵を苦しめる。(感想など)この感想はネタバレがあります。内容を知りたくない人はここで読むのをやめてください。↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ 寺島しのぶがこの映画で第60回ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞を受賞しました。うれしく思います。 でもこれは観た時はなにがなにやらわからなかったです。友達にどうだったか聞かれて、「エロ・グロ・エロ・グロ・・・」としか説明できませんでした。でもまた別の友達と話したりしているうちにだんだん見えてきました。この映画はまぎれもない反戦映画です。キャタピラーになったことが無残なので反戦なのではなく、不幸な人をあがめたてまつる不条理ゆえに反戦なのではなく、戦場における人の狂気・凶気を描いた反戦映画です。人の痛みがわからない奴に人の痛みをわからせるには同じ痛みを与えるしかありません。久蔵はキャタピラーになって、絶対的に弱い存在になります。やがて妻から犯されるほどの立場になった時、初めて自分が戦場で犯した犯罪の犠牲者の痛みを理解します。久蔵がこの取り返しのつかない過ちに気づくための手段としてのキャタピラーです。ただ単に衝撃的な映像で人の目をひいてるだけではありません。そしてラストシーン。久蔵が苦しみから逃れる為に自殺をしたとは思いません。彼は自分で自分を処刑したのです。あの救いの無い結末が、実は救いだったのでしょう。[CD]キャタピラー 【CD】価格:2,100円(税込、送料別)
2010年09月14日
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『トイストーリー3』(ピクサー映画)103分 監督 :リー・アンクリッチ キャスト: ウッディ・・・・・・・・唐沢寿明 バズ・ライトイヤー・・・所ジョージ ジェシー・・・・・・・・日下由美 レックス・・・・・・・・三ツ矢雄二 バービー・・・・・・・・高橋理恵子 ケン・・・・・・・・・・東地宏樹 アンディ・・・・・・・・小野賢章 ロッツォ・・・・・・・・勝部演之(あらすじ)アンディが大人になった。おもちゃ達は自分たちがどう扱われるか期待と不安でいっぱい。ちょっとした手違いで託児施設へ送られたウッディ達を待っていたのは独裁者ロッツォだった。ウッディ達は施設を脱出し、アンディの元へ帰ろうとする。(感想など)このシリーズは子供向けのアニメながらなかなかシビアな問題提起をしています。ピクサー第1作目の『トイストーリー』。世界初の本格長編CGアニメとして輝かしく誕生しました。もしおもちゃが自分を本物だと思い込んでいたら?という発端から始まる大冒険。傑作でした。命がけの追跡劇が心に残っています。続く2作目。持ち主が大人になったら捨てられるおもちゃにとっての本当の幸せとは?これもまた傑作。夕日の空港での救出劇が美しく感動的でした。そして本作。2作目で先送りにされた問題がいよいよ現実となります。参りました。最高傑作です!手に汗握る大脱走劇がまあ見事なこと。全編通してですけど、よくもまあこれだけのたくさんのそして豊かなアイデアを投入できたものだと感心しました。まったく隙の無い作りです。前2作と大きく違う点は脇役のキャラクター達も本作ではそれぞれ重要な役どころを与えられているところでしょう。まさかバービーやエイリアンがあれほどの活躍をみせるとは・・・・最近のピクサーものは、やや作りが粗くなってきたと感じていたのですが、本作は良い意味での原点回帰。練って練って練り込んで丁寧に作りあげられた絶品でした。そして心がこもっています。作り手のおもちゃ達に対する愛を強く感じました。特にウッディに対する思いは格別です。仲間思いで責任感の強いリーダー・・・アメリカの理想像なのでしょうね。『トイストーリー』シリーズはCGアニメの金字塔として映画史にずっと残ることでしょう。『トイストーリー3』公式サイト[CD]トイ・ストーリー・フェイバリッツ(CD)価格:2,200円(税込、送料別)
2010年07月27日
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『告白』(邦画)106分 原作 :湊 かなえ 監督 :中島哲也 キャスト: 森口悠子・・・松たか子 渡辺修哉・・・西井幸人 修哉の母・・・黒田育世 下村直樹・・・藤原薫 下村優子・・・木村佳乃 北原美月・・・橋本愛 寺田良輝・・・岡田将生(あらすじ)森口悠子は教室で中学1年生の子供達に告白した。「この中に私の娘を殺した人がいます。」森口悠子は犯人を徹底的に追い詰める。その為に第2第3の殺人が起ころうと動じることなく。(感想など)凄い!としか言いようのない映画でした。予定調和もなにもない突き抜けた内容です。多分、後世に語り継がれる映画になるでしょう。今の時代にこれほど衝撃的な映画が作られたことは驚嘆に値します。恐ろしく陰惨で救いの無い話しなのに、最後はある種の爽快感まで感じさせてくれます。爽快感を感じてはいけないであろうシーンで。多分、普段は人が目をそむけている心の闇をあらわにするのでしょう。原作もパラパラッと見てみました。中島監督らしく、原作に無いエピソード・言葉を加えています。それがまた効果的。ラスト近くのCGもまた素晴らしい出来でした。この救いのまるで無い物語に主張することがあるとすれば、人の痛みのわからないヤツに、人の痛みをわからせるには、同じ痛みを味あわせるしか無い。という善も悪も超越した厳然な真理なのでしょう。それゆえ最後の言葉が生きてきます。そして映画の為に加えられた最後の言葉の後の言葉。結局、悠子のやったことは自分を崩壊させるだけの単なる復讐なのですね。すごい映画でした。『告白』公式サイト[BOOK]告白価格:1,470円(税込、送料別)[CD]『告白』 オリジナル・サウンドトラック価格:2,980円(税込、送料別)
2010年06月27日
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『ハート・ロッカー』(アメリカ映画)131分 監督 :キャスリン・ビグロー キャスト: ウィリアム・ジェームズ二等軍曹・・・ジェレミー・レナー J・T・サンポーン軍曹・・・・・・・アンソニー・マッキー オーウェン・エルドリッジ技術兵・・・ブライアン・ジェラティ(あらすじ)イラク駐留アメリカ兵のサンポーン軍曹のチームは爆発物処理班。優秀なリーダーが殉職し、新しく来たリーダー・ウィリアムは命知らずの大バカ者だった。戦争という極限状態でチームに次々と困難が襲いかかる。(感想など)史上最大のヒット作『アバター』を打ち破り、アカデミー賞作品賞・監督賞その他を受賞した作品。よく考えれば反米映画の『アバター』が作品賞を受賞できなかったのは当然の結果でした。『ハート・ロッカー』は反戦映画ではありません。だからと言って米軍賛美の映画でもありません。戦場という極限状態の中でしか生きられない一人の男の人間ドラマです。戦場でも最も致死率の高い爆発物処理班が舞台なので、最初から最後まで息詰まる緊張感が続きます。かなりリアルに戦場の様子を描いているように思われました。ウィリアムは何も考えてない根っからの大バカ者です。でもこんな極限状態であれこれ考えることにどれだけの意味があるのでしょうか?ただ自分の技術を信じ、まっすぐに任務を遂行する。死ぬことを恐れてないし、死を求めてもいない。かっこいいわけでも、魅力的なわけでもない。ただ普通とは違う、めちゃくちゃタフな男の物語はおもしろいものでした。女性であるキャスリン・ビグローの描く色気の一切ない男臭い物語。逆に今ではこんなに男臭い物語は女性にしか描けないのかもしれません。ジェームズ・キャメロンが見染めたこの才能豊かな監督の他の作品も観てみたくなりました。『ハート・ロッカー』公式サイト
2010年04月26日
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『ゲキ×シネ 蜉蝣峠(かげろうとうげ)』(劇団☆新感線)167分 作 :宮藤官九郎 演出 :いのうえひでのり キャスト: 闇太郎・・・・・古田新太 天晴・・・・・・堤真一 お泪・・・・・・高岡早紀 銀之助・・・・・勝地涼 立派の親分・・・橋本じゅん お寸・・・・・・高田聖子 サルキジ・・・・木村了 がめ吉・・・・・梶原善 流石先生・・・・粟根まこと(あらすじ)蜉蝣峠でひたすら誰かを待っている記憶を無くした男・闇太郎。元旅芸人の銀之助に誘われるままに極楽と呼ばれたろまん街へ行く。だがそこは二つのやくざの組が対立しあう地獄のような街だった。そしてその地獄は闇太郎の過去に大きな関わりがあった。(感想など)クドカン作のゲキ×シネは『メタルマクベス』に続いて2本目。でもやっぱりいまひとつな内容でした。やっぱりゲキ×シネは中島かずきが作ったものの方が良いようです。話がとてつもなく暗い上に支離滅裂。キャラクターにもあまり魅力がありません。ド派手でケレンミたっぷりなのはいいのですが、物語ももっと弾けてほしかったです。中島かずきの求める暗さとクドカンの表現したい暗さは全然違うようですね。中島かずきは人間の業のドロドロした部分に魅力を感じて悲劇を作るように思えます。クドカンはひたすら破壊を描きたいだけなのかもしれません。キャラクターに魅力が無いので、俳優の個性もあまり生きません。すごくもったいない使い方をしたのではないでしょうか。それぞれの演技は熱演で良かったのですけどね。殺陣がたくさんあったのは良かったです。古田新太と堤真一は非常に絵になる役者でした。物語さえ良ければなぁ・・・つくづく残念な作品でした。秋の『蛮幽鬼』に期待します。『ゲキ×シネ 蜉蝣峠』公式サイト
2010年03月14日
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『戦場でワルツを』(イスラエル映画アニメ)90分 監督 :アリ・フォルマン キャスト: アリ・フォルマン オーリ・シヴァン ロニー・ダヤグ シュムエル・フレンケル ロン・ベン=イシャイ(あらすじ)1982年9月16日サブラ・シャティーラの虐殺が起きる。当時イスラエルの青年兵士だった映画監督アリは現場にいたはずなのにその頃の記憶を失っていた。精神科医の友人オーリの助言に従い、アリは当時の戦友を訪ね歩き、失った記憶を求める。ロニーは死神の指先に触れ、フレンケルは銃弾の雨の中ワルツを踊り、イシャイは戦場を丸腰で闊歩する。アリが聞いたリアルでシビアな体験談。(感想など)もし『おくりびと』が出ていなければ、アカデミー賞外国語映画賞を取っていた映画。シビアな映画でした。異常空間である戦場をリアルに描くのに、アニメは良い選択だったと思います。綺麗な日本風のセルアニメでもCGアニメでもない、ポップアートのような独特の画風が良く似合っていました。登場人物は全員実在して、体験談もほとんど事実です。死ぬも地獄、生きるも地獄。奇跡的に一人だけ生き残っても、神の恵みに感謝するわけではなく、何十年も罪の意識にさいなまれ続ける、とは。それなら一たび戦場へ行った者は、運よく生きのびても残りの人生で地獄を感じ続けるしかないではないか。この映画を観て、戦争に対する認識がまた一歩前へ進んだ気がします。イスラエル人やパレスチナの人たちは今現在も、その中にいるのですね。思い出しただけで、神経がきしむような映画でした。最後に「その時」の実写映像。これはテレビでは放送できないでしょうね。『戦場でワルツを』公式サイト[DVD]戦場でワルツを 完全版 PGー12指定 【Blu-rayDisc Video】
2010年02月27日
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『アバター』(20世紀FOX映画)162分 監督 :ジェームズ・キャメロン キャスト: ジェイク・サリー・・・・・・・サム・ワーシントン ネイティリ・・・・・・・・・・ゾーイ・サルダナ マイルズ・クオリッチ大佐・・・スティーヴン・ラング グレース・オーガスティン・・・シガーニー・ウィーヴァー(あらすじ)元海兵隊員ジェイクは衛星パンドラに来る。ジェイクは地球人と原住民ナヴィ族のハイブリッドであるアバターにシンクロし、パンドラ侵略の先兵となる。ナヴィ族に溶け込んで暮らすうちに、ジェイクは人間の侵略行為に疑問を感じ始める。やがて人間とナヴィ族の激烈な戦闘が始まる。(感想など)ジェイムズ・キャメロン12年ぶりの新作。期待にたがわず物語も映像も超一流の傑作でした。ジェイムズ・キャメロンは映画作りがめちゃくちゃうまい監督だと思っていましたが彼の実力は私の想像をはるかに超えていました。12年間不倒の『タイタニック』の興行記録。それを破ったのがジェイムズ・キャメロン自身とはおみそれいたしました。この12年間に数多くの傑作映画が誕生しましたが、それでも破れなかった無敵の『タイタニック』。その『タイタニック』が1年半かかって作った記録をわずか1か月半で突破するとは・・・ただ絶賛した後でこんなことを言うのはなんですが、物語のレベルは『タイタニック』の方が上でした。『アバター』は『タイタニック』よりもやや雑で大味な展開だったと思います。キャラクターの魅力も『タイタニック』の方が上でした。私は3Dで観ました。『カールじいさんの空飛ぶ家』で3Dの効果に疑問を感じていましたが、今作では良かったです。宇宙船の中の奥行など、ほんとに自分が乗船しているような立体感を感じました。空を飛ぶシーンや戦闘シーンも臨場感あふれる映像になっていました。3Dの映像はアニメよりも実写の方が生きるのかもしれません。ただ、テレビで『アバター』が紹介された時に観た2Dの映像の色鮮やかさは私の記憶よりはるかに鮮烈でした。やはり3Dメガネをかけると色がくすむという難点は依然として残っています。3Dメガネにも方式の違いがあるそうなので他の方式では解決済みかもしれませんが、もしそうでないなら今後に残された課題でしょう。『アバター』はアメリカで2つの意味で問題とされているそうです。 1つ目は軍部批判映画であること。たしかにアメリカ(地球)正規軍が完全に悪役として描かれています。今までもインディアン侵略や十字軍の侵略でアメリカやキリスト教国家を悪役として描いた映画は数多くありますが、『アバター』はその完全形と言えるでしょう。 2つ目は反キリスト教的であること。ナヴィ族は自然の中に神を見いだす言わば汎神論の人種です。そして主人公と仲間たちはその汎神論の世界に魅力を感じ取りこまれていきます。私は八百万の神々の国に生まれたので汎神論の考え方にまったく抵抗を感じないのですが、一神教の国であるアメリカで非難が起こるのは当然です。史上最高の記録を作ったアメリカ映画のメッセージが軍部批判と汎神論であるということの意味はもしかしたらすごく大きなことではないかと思っています。『アバター』公式サイト[CD]アバター オリジナル・サウンドトラック
2010年02月03日
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『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』(邦画アニメ)135分 監督 :西崎義展 キャスト: 古代進・・・・・・山寺宏一 古代雪・・・・・・由愛典子 古代美雪・・・・・藤村歩 真田志郎・・・・・青野武 ゴルイ将軍・・・・伊武雅刀 佐渡酒造・・・・・永井一郎 アナライザー・・・緒方賢一(あらすじ)無限に広がる大宇宙。移動性ブラックホールが地球に迫る。人類の生き残りをかけた移民船団は謎の異星人の攻撃に遭い壊滅する。宇宙戦艦ヤマト艦長となった古代進は第3次移民船団を護衛する。ヤマトと人類に異星人の大艦隊が襲ってくる。(感想など)懐かしのヤマト。私は中学生の頃「宇宙戦艦ヤマト」にのめりこんでいました。でも感動して観れたのは『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』まででしたね。それ以後は、ご都合主義のでたらめな物語でガッカリでした。そういうわけで26年ぶりのヤマト新作ですが、まったく期待していませんでした。ほとんど義理で観にいったようなもの。予想通り設定はSFと呼ぶのも恥ずかしいくらいの絵空事。物語もキャラクターもでたらめ。往年の主人公も全く魅力なし。ただ映像技術の進化だけは目覚ましかったです。フルCGの戦艦の戦闘シーンは凄い。夕焼けの艦隊戦の美しさ、異空間から出現する大戦艦の幻想的な効果、サンドイッチミサイル攻撃の何とも言えない感覚、これだけは予想もしていなかった分、見事なものでした。この映像は映画館の大スクリーンで観るべきものです。今作は復活篇の第1部だそうで3部作を予定しているとのこと。物語はボロボロでしょうけど、もし続きが公開されるならまた観に行きたいと思います。ついでに年末にある実写版ヤマトも期待はしてないけど観に行きます。『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』公式サイト[CD]宇宙戦艦ヤマト復活篇オリジナルサウンドトラック
2010年01月24日
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『カールじいさんの空飛ぶ家』(ピクサー映画)103分 監督 :ピート・ドクター キャスト: カール・フレドリクセン・・・エドワード・アズナー ラッセル・・・・・・・・・・ジョーダン・ナガイ ダグ/アルファ・・・・・・・ボブ・ピーターソン チャールズ・ムンツ・・・・・クリストファー・プラマー (あらすじ)愛する妻が死にました―だから私は旅に出ますカールじいさんは空飛ぶ家で子供の頃妻と二人で描いた夢を果たそうとします。でも夢の叶う目前、とんでもない事件に巻き込まれおじいさんの大活劇が始まってしまいます。(感想など)なんだか妙な展開の物語でした。カールじいさんと奥さんとの思い出のエピソードはしみじみと感動的で良かったのですが、本筋がぎくしゃくしていました。映画の半分くらいが過ぎてもまだ物語がどういう方向に進むのか見えない。良く言えば予測不能の展開。悪く言えば行き当たりばったり。予測できない分ワクワクできるかと言えばそうでもないんですね。無理やりこしらえたような悪役が出てきて、そいつのやる事のひどさに嫌な気分になり、その末路に爽快感もありませんでした。最終的に「思い出を断ち切って、現在を生きる。」という話になるのですが、この映画の一番のキモは断ち切ってしまった「思い出」の部分なのです。変な救出劇にせずに、おばあさんとの思い出を守るために戦うという方向で話を進めた方が感動的になったような気がします。まあ思い出に捕われるのはアメリカ的ではないのでしょうが。流した涙を返してくれ!と言いたい気分です。さて、この映画はピクサー初の3D映画。3Dで観ましたが、どうなんでしょうか。最初のうちはディズニーのロゴが飛び出てスゴイとか思うのですが、いざ本編が始まると3Dか2Dかは気にならなくなります。そして、3Dメガネのせいで画面が薄暗くなるという難点と、もっとひどい点はメガネの四角いフレームが常に視界に入るので映画にのめりこめないという問題点があります。観終わった後、2Dで観た方が良かったと思いました。最近流行ってきている3D映画・・・もしかして失敗に終わる?もう少し成り行きを見守っていこうと思います。『カールじいさんの空飛ぶ家』公式サイト
2010年01月04日
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『2012』(コロンビア映画)158分 監督 :ローランド・エメリッヒ キャスト: ジョン・キューザック キウェテル・イジョフォー アマンダ・ピート オリヴァー・プラット タンディ・ニュートン(あらすじ)2012年、世界中が海に沈み地球が滅ぶ。生き残るためにチケットを持たないまま箱舟に向かう家族がいた。(感想など)ストーリーには最初から何も期待していません。ただ地球崩壊の壮大なCGが観たかっただけです。この映画はその期待通りの映画でした。主要登場人物の中でも、この人は死ぬだろうなと思う人がちゃんと死に、生き残るだろうなと思う人がちゃんと生き残るようにできています。どうにかこうにかして無理やりそういう方向に話をもっていきます。CGはやはりもの凄く、観ていてカタルシスを感じる大迫力でした。エメリッヒの得意分野です。ただ『デイ・アフター・トゥモロー』の凍ったニューヨークのようなシュールな感動を与えてくれるような映像はありませんでした。ただただ大迫力の破壊映像で日ごろのうっぷんを晴らすというだけの映画ですが、これもこれで良い映画と言ってもいいのではないかと思います。エメリッヒが次はどういう方法で世界を破壊してくれるか楽しみです。『2012』公式サイト[CD]2012 オリジナル・サウンドトラック
2009年12月12日
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『沈まぬ太陽』(角川映画)202分 原作 :山崎豊子 監督 :若松節朗 キャスト: 恩地元・・・・・渡辺謙 行天四郎・・・・三浦友和 八馬忠次・・・・西村雅彦 国見正之・・・・石坂浩二 恩地りつ子・・・鈴木京香 三井美樹・・・・松雪泰子(あらすじ)巨大航空会社に勤める恩地は労働組合の組合長として会社と対立し、報復人事で海外僻地を転々としていた。10年にも及ぶ海外勤務から帰った恩地に最悪の航空機事故の処理という仕事が与えられる。恩地は被害者側に立ち、ここでも会社と対立する。(感想など)あくまで筋を貫き通した熱く強い男の物語。実在のモデルがいるそうです。大好きな山崎豊子の原作なだけに見ごたえのある映画になっていました。強靭な精神力を持つ恩地に渡辺謙は適役でした。こんなに虐げられているのに会社を辞めない理由は、「矜持がそれを許さない」からです。自分は間違ってないという強い自負心が、負けることを受け入れないのでしょう。自分から考えると立派すぎて理解できない境地ですが、嫌なことを受け入れずに生きている人とはそういうものかもしれません。この映画は面白かったのですが、あえて難点を指摘すると恩地が立派過ぎて感情移入ができないという点でしょう。もうすぐ日本へ帰れる。家族と連絡を取り合い嬉しそうな恩地。そこにまた新しい海外僻地の辞令がくだる。呆然自失となる恩地。と、いうようなベタなシーンがあればもう少し恩地に感情移入できたのでしょうが、強い男恩地にそんなシーンはありません。どんなに虐げられてもそれを真っ向から受け入れ、誠実に仕事をこなし続ける・・・強すぎです。さすがに苦労して手に入れた国家プロジェクトを白紙にされた時には精神錯乱を起こしましたが、これもこれで極端でした。この映画で一番心を揺さぶられたのは、冒頭の航空機事故のシーンだったりします。子供や赤ん坊もいるのに墜落直前で揺れる機内。ここは泣けました。映画としてよく出来ていましたが、大長編の原作を3時間以上の大作とは言え映画で語りつくすにはまだ足りなかったように思います。いつかこの物語もテレビドラマでじっくりと描かれることを期待します。『沈まぬ太陽』公式サイト[CD]映画『沈まぬ太陽』オリジナル・サウンドトラック[BOOK]沈まぬ太陽(1(アフリカ篇上))
2009年12月06日
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『カイジ 人生逆転ゲーム』(邦画)130分 原作 :福本伸行 監督 :佐藤東弥 キャスト: 伊藤カイジ・・・藤原竜也 遠藤凛子・・・・天海祐希 利根川幸雄・・・香川照之 佐原誠・・・・・松山ケンイチ 船井譲二・・・・山本太郎(あらすじ)カイジは多額の借金を抱えた。一発逆転を狙い、ギャンブルの闇の世界へ飛び込んだカイジは命賭けの過酷なサバイバルゲームのプレイヤーになる。(感想など)とてもおもしろい漫画なので原作はすべて読んでいます。この映画は、原作のおもしろさを損なわずに、迫力ある物語を描くことに成功しています。限定ジャンケンは原作とはかなり話が違いますが、船井役の山本太郎の憎たらしさがいい感じに盛り上げてくれます。強制労働は原作とは順序が違いますが、悲壮感は原作を上回っていると言えます。強制労働を続ければ必ず体を壊す。体を壊せば借金をして薬をもらう。借金が限度額を超えれば、高層鉄骨渡りをさせられる。つまり限定ジャンケンに負けた時点で、非業の死がほぼ確定しているのです。この設定は原作よりひどい状態と言えるでしょう。そして残酷な高層鉄骨渡り。これはほとんど原作どおりに話が進みます。映像的にこの映画の一番の見せ場であると言っていいでしょう。人が次々死んでいくのを見ながら、腐った金持ちが普段の生活では味わえない「安全」という至福の果実を味わっている、というくだりがありますが、それはこの映画を観ている私たちにも言えるかもしれません。映画を観るという行為にはある程度そういう要素も含まれていますね。人は他人が苦しむの見て喜ぶ、というテーマは漫画「カイジ」シリーズでも繰り返し主張されますが、まあそれも人間の一面としてはあるでしょう。もちろんその正反対の一面もありますが。最後のEカード対決では、香川照之との息詰まる対戦。こういう一対一での対峙というシチュエーションは香川照之の独壇場とも言えるでしょう。表情が深くシリアスで引き込まれます。人間の情けなさ・みじめさを演じたら天下一品の香川照之ですが、今回は狡猾さを見事に演じていました。この漫画の映画化は想像以上に完成度が高くて、満足しました。『カイジ 人生逆転ゲーム』公式サイト[CD]カイジ 人生逆転ゲーム オリジナル・サウンドトラック[BOOK]カイジ(1)
2009年11月19日
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『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』(邦画アニメ)108分 総監督 :庵野秀明 監督 :摩砂雪/鶴巻和哉 キャスト: 碇シンジ・・・・・・・・・・・・・緒方恵美 綾波レイ・・・・・・・・・・・・・林原めぐみ 式波・アスカ・ラングレー・・・・・宮村優子 葛城ミサト・・・・・・・・・・・・三石琴乃 真希波・マリ・イラストリアス・・・坂本真綾 加持リョウジ・・・・・・・・・・・山寺宏一(あらすじ)第三新東京市に次々に襲い来る使徒と戦い続ける碇シンジと綾波レイ。新しいパイロットとして式波・アスカ・ラングレーと真希波・マリ・イラストリアスが参戦する。極限状況の中、ついにサードインパクトの危機が訪れる。(感想など)14年前は熱中していたエヴァンゲリオン。テレビ版は全部ビデオで借りて観たし、最後の映画版は2回観に行きました。でも私が歳をとったせいか、この新劇場版はそれほど引き込まれません。歳だけでなく、この2作目の内容も原因であるように思います。まず新キャラのマリですが、なぜこんな無意味なキャラが登場したのかはなはだ疑問に思います。好戦的で自信家の女の子・・・アスカ一人で十分でしょう。なぜこんなかぶったキャラを出す必要があったのか?使徒との戦いはそれなりに見せますが、やはり昔ほどのインパクトはありません。またか・・・・という印象を受けました。そして、これはあちこちでよく言われていることですが、最悪なのは音楽。いくらなんでも「今日の日はさようなら」「翼をください」はないでしょう。旧エヴァでは、斬新なクラシックの採用が見事に当たり成功しました。なら、新劇場版でもクラシックを使うべきです。たとえば三号機のとの戦闘シーンは「新世界」とか、最後の戦闘シーンでは、「白鳥の湖」?いっそ「ツァラストラはかく語りき」などなど。製作側が、いつも同じことをしていたのでは進歩が無いと思ったのかもしれませんが、こんな間違った進歩ならいりません。もし選曲が庵野さんなら感性が衰えているのをさらけだしてますね。映像と曲が全くマッチしていません。ちぐはぐです。旧エヴァでカヲルくんが第九をBGMに攻撃してくる名場面が忘れられません。新劇場版の世界は、旧作のパラレルワールドのようですが、旧作の何を補うためのパラレルワールドなのかまだよくわかりません。旧作が完成された作品であるなら、新劇場版を作る必要はないはずです。たとえば、『ファーストガンダム』や『もののけ姫』の新劇場版なんて考えられません。これらの作品の完成度の高さを考えるとパラレルワールド(違う結末)などありえないからです。旧作の何を補完するのか、その答えは完結編で示されるはず。もし示されなかったら、この新劇場版シリーズはファンを馬鹿にした姑息な金儲けだったという結論になりますが、最終評価は完結編を待ちましょう。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』公式サイト[CD]ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 オリジナルサウンドトラック SPECIAL EDITION
2009年10月16日
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『ゲキ×シネ 五右衛門ロック』(劇団☆新感線)189分 作 :中島かずき 演出 :いのうえひでのり キャスト: 石川五右衛門・・・・古田新太 クガイ・・・・・・・北大路欣也 真砂のお竜・・・・・松雪泰子 岩倉左門字・・・・・江口洋介 カルマ王子・・・・・森山未來 ペドロ・モッカ・・・川平慈英 インガ・・・・・・・高田聖子(あらすじ)釜ゆでにされた五右衛門は生きていた。お宝を求めて南の島へ渡った五右衛門一家。そこは冷酷なクガイという王が支配する島だった。(感想など) 一年ぶりのゲキ×シネ。一年前から楽しみにしていました。人間のダークさや滅びの美学をテーマにした最近の重い作品から、一転『髑髏城の七人』のような痛快娯楽作になっています。観客の受けはこの作品のような娯楽作の方が良かったそうですが、私としては中島かずきが好む人間の負の面にスポットを当てたダークな作品の方がおもしろく感じます。『朧の森に棲む鬼』のゲキ×シネNo.1の座は揺らぎません。でも、もちろんこんな痛快娯楽作も楽しくて好きです。五右衛門と岩倉左門字の関係は完全にルパン三世と銭形のとっつぁんですね。古田新太の豪放磊落さも良かったし、真面目一辺倒の江口洋介も好感が持てました。森山未來は『メタルマクベス』に引き続き、見事なダンス、それと立ち回りを見せてくれました。セカチューの頃からは想像もつかない今の若手の注目株です。高田聖子は今回は出番が少なかったので少し残念。松雪泰子は歌うよりももっと踊れば良かったのに。『フラガール』の時のあの見事なダンスは生かせないものだったのでしょうか。そして北大路欣也。この人の存在感は圧倒的です。あまりにも大物過ぎて古田新太もかすんでしまう。この作品の最大の残念な点は、肝心なクライマックスで五右衛門がまったく活躍しなかったこと。あそこは『髑髏城の七人』のようにもっと大立ち回りを入れるべきでした。時間の都合もあったのでしょうが。結局、最終的な主役は北大路欣也演じるクガイになってしまいました。ドラマも悲劇もクガイ一人が背負って、五右衛門その他大勢は周りで騒いでいただけ。最後にアクションの見せ場が無かったのは残念です。おかげでちょっと不完全燃焼の思いが残りました。まあ何はともあれ、今年も存分に楽しませてくれた劇団☆新感線。来年の『蜉蝣峠』、そして多分さ来年上映されるであろう『蛮幽鬼』も今から楽しみです。『ゲキ×シネ 五右衛門ロック』公式サイト[BOOK]五右衛門ロック
2009年10月13日
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『20世紀少年 ぼくらの旗』(日テレ映画)155分 原作 :浦沢直樹 監督 :堤幸彦 キャスト: ケンヂ・・・・唐沢寿明 カンナ・・・・平愛梨 オッチョ・・・豊川悦司 ユキジ・・・・常盤貴子 ヨシツネ・・・香川照之 フクベエ・・・佐々木蔵之介(あらすじ)ともだちの支配にカンナはクーデターを企てる。ケンヂが復活して、ともだちと決着をつける。(感想など)相変わらずバラエティーの1コーナーっぽいちゃちな映像でした。続きものなので観ましたが、期待の小ささを裏切らないレベルの映画でした。俳優の演技はそれぞれ良かったと思うけど、話の展開に無理がありすぎます。原作もちょっと無理めの展開だったので、原作通りと言えばその通りですが。ちゃんと映画として観れたのは1作目だけですね。原作でははっきりとは明かされなかったともだちの正体がはっきり明かされます。そこは良かったかな。まあ原作を読んで、彼だろうと思った通りの彼でした。最後にケンヂに泣きながら飛びつくカンナにはちょっとウルウルッときてしまいました。このまま原因を明かさずに終わるかと思ったら、エンディングの後に解明編があって、まあ良かったです。『20世紀少年 ぼくらの旗』公式サイト[CD]映画「20世紀少年」トリビュート・アルバム~ファイナル
2009年09月15日
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『劔岳 点の記』(東映映画)139分 監督 :木村大作 撮影 :木村大作 原作 :新田次郎 キャスト: 柴崎芳太郎・・・浅野忠信 宇治長次郎・・・香川照之 生田信・・・・・松田龍平 柴崎葉津よ・・・宮崎あおい 小鳥烏水・・・・仲村トオル 行者・・・・・・夏八木勲(あらすじ)日本地図最後の空白地帯、前人未到の劔岳の測量に命をかけた男たちの物語。(感想など)「木村さん!あんたの絵は綺麗だよ。でも綺麗過ぎるんだよ!!・・・・・綺麗に撮って何が悪いんだ!そうでしょう?映画の撮影はとことん綺麗に撮らなきゃダメなんだ。」10年以上前、湯布院映画祭で会った木村カメラマンはそう熱く語っていました。あの熱くておもしろいオヤジが映画を撮る。これはもう観に行くしかありません。日本を代表する映画カメラマン木村大作氏が70歳を越えて初めてメガホンを取りました。この映画はさすがに風景が綺麗です。山麓の紅葉のシーンが出た時には、劇場中から「ホー」と感嘆の溜息がもれました。大スクリーンで観る臨場感あふれるこの美しさの極地。さすが名カメラマンの手腕です。映画の内容はただただ本物の迫力に圧倒されっぱなしでした。複雑な人間ドラマがあるわけでなし、ドラマチックに人が死んだり大きなアクションがあるわけでもない。でも、現地で順撮りしていったというこのリアリティ、大自然の迫力。これぞまさしく、映画館で観るべき映画です。ストイックに命がけで大自然に挑む男たちの姿。崖から落ちても、雪崩で埋まっても、嵐で遭難しても、ひるまずに戦い続けるその姿は本当に感動的でした。そんな中、出番は少ないものの鮮烈な印象を残しているのが、宮崎あおいです。真っ白で冷たくつらいこの映画の中で、そこだけ赤く温かく心休まる思いがしました。素晴らしい存在感でした。測量を成し遂げながら報われなかった彼らでしたが、最後にずっとライバルだった山岳会の人たちと心が通い合うシーンはすがすがしく、さわやかで感動的でした。この映画はストーリーを追う映画ではありません。厳しさ・美しさ・人間の尊厳を体験する映画です。『劔岳 点の記』公式サイト[DVD]劔岳 点の記 メモリアル・エディション(DVD) [BOOK]劒岳〈点の記〉新版
2009年09月10日
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『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(ワーナーブラザーズ映画)154分 原作 :J・K・ローリング 監督 :デヴィッド・イェーツ キャスト: ハリー・ポッター・・・・・・・・・ダニエル・ラドクリフ アルバス・ダンブルドア・・・・・・マイケル・ガンボン ハーマイオニー・グレンジャー・・・エマ・ワトソン(あらすじ)ヴェルデモートの魔手は人間界にも伸びてきた。そしてハリーのライバル・ドラコは恐ろしい重大な使命を帯びる。ダンブルドアとハリーはヴェルデモートを退治するために危険な旅に出る。帰ってきた二人を過酷な運命が待ち構えていた。(感想など)今までのシリーズの中で一番おもしろくありませんでした。前回からシリアスさが増したのですが、今回はほとんど息も抜けないくらいずっとシリアスです。話の展開上しかたがないのでしょうが、まるで違う映画のように息苦しい話でした。それに凄い!!とうなるようなCGも見せ場も無かったし。こんなもの子供が観て喜ぶのでしょうかね?最後にまさかのあの先生がとんでもないことをするのですが、まだあの先生が裏切っているとは思えない自分がいます。何か裏の裏があるのでは?(最終巻を読んでいる人には間抜けな疑問でしょうが。)前回からの新キャラ・ルーナだけが相変わらずおもしろくて、彼女が出てきた時だけホッとします。これからますますシリアスな展開になりそうで、もうあまり気が進まないのですが、ここまできたらやっぱり最後まで観続けます。だんだんこの映画を観ることが苦行になってきました。(^^;『ハリー・ポッターと謎のプリンス』公式サイト[BOOK]ハリー・ポッターと謎のプリンス[CD]映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』オリジナル・サウンドトラック
2009年09月03日
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『トランスフォーマー リベンジ』(パラマウント&ドリームワークス映画)150分 監督 :マイケル・ベイ 製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ キャスト : サム・・・・・シャイア・ラブーフ ミカエラ・・・ミーガン・フォックス(あらすじ)前作から2年後、オートボット軍団は人間の軍隊NESTと一緒に、ディセプションの残党狩りにあけくれていた。サムは大学へ進学し、ミカエラとは遠距離恋愛になる。ディセプションはメガトロンを復活させ、機会生命体の命の鍵を握るサムを追う。サムを巻き込んだオートボットとディセプションの壮絶な死闘が始まる。(感想など) 設定やストーリーはほんとに幼稚です。子供のときに見ていた40年前のテレビアニメレベルです。ただCGがやはり凄い。前作でもかなり驚きましたが、今作はそれ以上と言えるでしょう。特に冒頭の巨大な車輪のディセプションが街を破壊しながら走る映像は、いつか見た悪夢のシーンそのままです。観ていてトリップする映像です。クライマックスでは超巨大ディセプションなども出てすばらしい迫力です。でもこの映画のほんとの見せ場は実はCGではなかったのです。「僕は行く。君は残れ!」と言えば普通は「待ってる。戻ってきて。」という流れになるはずです。ところがこの映画では「いや。私も行く。」「そうか。わかった!」・・・・・・アレ?いや~この不自然な展開は必然だったのですね。それからのクライマックスは、凄いCGも人類の危機もどーでもよくなってしまうのです。見つめる先はただただ・・・ミーガン・フォックス。さすが昨年アメリカで「世界一セクシーな女優」に選ばれただけあります。1作目でもかなり・・・だったのですが、この映画では正に視線独占。続編もありそうな結末でした。3作目が楽しみです。『トランスフォーマー リベンジ』公式サイト[CD]オリジナル・サウンドトラック トランスフォーマー リベンジ
2009年07月27日
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『スラムドッグ$ミリオネア』(イギリス/アメリカ映画)120分 監督 :ダニー・ボイル キャスト: ジャマール・マリク・・・デヴ・パテル サリーム・マリク・・・・マドゥル・ミッタル ラティカ・・・・・・・・フリーダ・ピント(あらすじ)インドでクイズ・ミリオネアに出演したジャマールは1日目にあと1問を残して全問正解する。貧困層出身のジャマールは詐欺の疑いをかけられ、警察に拷問される。頑固なジャマールに根を上げた警察は彼の話を聞く。ジャマールが警察に話したのは、彼の数奇な人生だった。2日目。ジャマールは最後の問題に挑む。消息不明の恋人がこの番組を観てくれていることを信じて。(感想など)最初に問いかけがあります。なぜジャマールは全問正解したか?A.天才だった。B.詐欺だった。C.運命だった。映画の最後にその答えが明らかになります。真相はまったくありえない偶然なのですが、そんなこと関係ありません。答えを知っていた理由を説明することによって明かされるジャマールの過酷な人生、インド貧困層の惨状、宗教問題、犯罪組織の暗部、そして絶対屈しない心を持つジャマールの強さ、それこそがこの映画のテーマだからです。この映画は今年のアカデミー賞作品賞受賞作です。確かに斬新でおもしろい映画でした。私はすごい傑作だとまでは思いませんでしたが、今までに無かった感覚を楽しみました。本当か嘘か知りませんが、貧困層の子供の受ける仕打ちは目を覆うほど堪え難いものです。でも宗教上の理由か何かわかりませんが、子供達は自分の人生を特に嘆くことなく淡々と受け止めています。日本人には無い感覚なのでおもしろかったです。悪魔の心と天使の心が共存するジャマールの兄サリームのキャラクターが秀逸でした。『スラムドッグ$ミリオネア』公式サイト[CD]スラムドッグ$ミリオネア
2009年06月06日
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『ヤッターマン』(日テレ映画)111分 監督 :三池崇史 キャスト: ヤッターマン1号・・・櫻井翔 ヤッターマン2号・・・福田沙紀 ドロンジョ・・・・・・深田恭子 ボヤッキー・・・・・・生瀬勝久 トンズラー・・・・・・ケンドーコバヤシ 海江田翔子・・・・・・岡本杏理 海江田博士・・・・・・阿部サダヲ(あらすじ)ヤッターマンがいるかぎりこの世に悪は栄えない!!(感想など)いや~~~~おもしろかった!もの凄いチープな感じだけど、それなりに見せるCG。それに出演者がアニメそのまま。ジャニーズ櫻井も福田沙紀もそのまんま1号、2号でした。ボヤッキーとトンズラーもアニメから飛び出してきたようなハマリ役。フカキョンはドロンジョにしては可愛らし過ぎるけど、それはそれで嬉しい。展開もアニメそのままの流れに少々エロを加味していてそれも面白かったです。大活躍だったのが海江田翔子役の岡本杏理。脇役の美少女なのに1人で汚れ役を背負っていました。ある意味ドロンボー以上の汚れ役。萌えました。三池崇史監督の趣味なのでしょうね・・・・・・・いい!思っていた以上に楽しい作品に仕上がっていて大満足の仕上がりでした。『ヤッターマン』公式サイト[CD]映画 ヤッターマン オリジナル・サウンドトラック
2009年04月21日
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『チェンジリング』(ユニバーサル映画)142分 監督 :クリント・イーストウッド キャスト: クリスティン・コリンズ・・・・・アンジェリーナ・ジョリー グスタヴ・ブリーグレブ牧師・・・ジョン・マルコヴィッチ J・J・ジョーンズ警部・・・・・ジェフリー・ドノヴァン ジェームズ警察本部長・・・・・・コルム・フィオール(あらすじ)クリスティンの子供が誘拐された。見つけたと警察が連れてきた子供は別人だった。子供が違うと必死に訴えたクリスティンは精神病院に入れられてしまう。クリスティンは警察の闇に決然と立ち向かう。(感想など)正直それほど興味をかきたてられる題材ではないので本来観るはずのない映画なのですが観ました。理由はただ1つ。監督がクリント・イーストウッドだからです。まあ時には『マディソン郡の橋』みたいな駄作も作りますが、イーストウッドの映画のほとんどは傑作です。今回も期待して観ました。傑作でした。90年前にロサンゼルスで起きた実話だそうです。もちろん誘拐犯は警察ではないのですが、捜査の誤りを認めようとせずに、ありえない嘘をごり押しする警察の腐敗ぶりはかなり凄かったです。意志の強い女性はアンジーに向いていますね。全編暗い調子で物語りは進むのですが、ずっとひきつけられていました。一応、事件は解決したのにその後もずっと映画は続きます。確かにクリスティンと犯人の直接接触や腐敗警官や犯人の末路など見応えはあるのですが、どうしても必要なものとも思えません。しかし終盤、そのエピソードの理由がわかります。ラストに大きな転機がありました。これこそがこの作品のメインテーマなのでしょう。暗い物語の中で光り輝くクリスティンの強さ、そして最後に示された一筋の希望、そして誇り。ただ悲惨なだけの物語だったと思う人も多いそうですが、私はハッピーエンドだと思いました。さすがイーストウッド印。ずっしりと重い手ごたえを感じさせてくれる見事な映画でした。『チェンジリング』公式サイト[CD]チェンジリング/Clint Eastwood
2009年03月25日
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『少年メリケンサック』(東映映画)125分 監督 :宮藤官九郎 キャスト: 栗田かんな・・・宮崎あおい アキオ・・・・・佐藤浩市 時田社長・・・・ユースケ・サンタマリア ハルオ・・・・・木村祐一 ジミー・・・・・田口トモロヲ マサル・・・・・勝地涼(あらすじ)レコード会社で働くかんなはネットで強烈なバンドを発掘した。過激なパンクロックのバンド少年メリケンサック。すぐに全国に知らしめ、メンバーを探す。だがネットの映像は25年前のもので、メンバーはみんなオッサンになっていた。予定を入れてしまったライブツアーを中止にするわけにもいかず、正体を秘密にしてデビューさせる。(感想など)クドカン1作目の『真夜中の弥次さん喜多さん』が凄くおもしろかったので期待したのですが、がっかりです。観ていて、この映画のどこを楽しめばいいか全くわかりませんでした。普通、主人公がバカな映画は「バカだけど○○○」ってのがあると思うのですけど、この映画にはそれがありません。ただただバカなだけ。多分クドカンはただただバカなだけの人が好きなのでしょうね。で、多分世間の大多数の人はそうじゃないと思います。これはセンスの違いですね。この映画を楽しめる少数派の人もいるでしょうが、私には無理でした。『弥次さん喜多さん』もバカだけど、シュールな設定に救われて凄く面白かったですね。あれがセンス・オブ・ワンダーのない時代劇コメディーだったらやっぱり面白くなかったのかもしれません。宮崎あおいも佐藤浩市も凄くいい演技はしているのですが、話がこれではね。残念です。『少年メリケンサック』公式サイト[CD]少年メリケンサック オリジナル・サウンドトラック
2009年03月21日
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『007 慰めの報酬』(イギリス・アメリカ映画)106分 監督 :マーク・フォースター キャスト: ジェームズ・ボンド・・・ダニエル・クレイグ カミーユ・・・・・・・・オルガ・キュリレンコ ドミニク・グリーン・・・マチュー・アマルリック M・・・・・・・・・・・ジュディ・デンチ ミスター・ホワイト・・・イェスパー・クリステンセン(あらすじ)前作で恋人を失ったジェームズ・ボンドは彼女を操っていたミスター・ホワイトを捕らえるが逃げられてしまう。裏には巨大な悪の組織が絡んでいた。組織の幹部ドミニク・グリーンは南米のある国の天然資源を我が物にしようと企てていた。ボンドはグリーンの陰謀を阻止せんと対決する。(感想など)前作の『007 カジノロワイヤル』は傑作でした。監督が変わっての続編である本作はそこそこでした。最初からスピード感あふれるアクションがめじろおしなのですが、いまひとつのめり込めない。アクションに迫力はあるけど、意外性が無いのです。多分こうなるだろうと思った通りにそうなる。これでは楽しさ半減ですね。前作では苦痛にまみれ、死を目前にしたボンドが、それでもジョークを飛ばすというボンドらしい粋さがあったのですが、そんな気のきいたシーンもありません。まあ全体的にそんなに悪くは無い。観ている間は楽しめる。といった感じの映画でした。ボンド・ガールは映画ポスターではメチャクチャかっこよかったのですが、本編ではいまひとつ。家族の仇を討つという設定より、恋人の仇を討つとした方がもっと非現実的で渋かったのに。いっそ、彼女で一本映画を作れるくらいの活躍をしてほしかったのですが、控えめでした。まあ、やり過ぎたらボンドの映画ではなくなってしまいますけどね。『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』のミシェル・ヨーくらいの活躍は期待していたのですが・・・それにしても、Mあちこち登場し過ぎ。一国の諜報部のトップがあんなに軽々しく現場に出まくるのはどうなんでしょうか。まあ確かにデンチMが見れるのは嬉しいですが。今作でいよいよクレイグボンド・シリーズの構成のようなものが見えてきました。ソ連も崩壊し、テロリストも生々しすぎる今、ボンドの敵は誰がなる?ここで昔から日本が得意とする設定がもちだされました。巨大な悪の秘密結社です。もしクレイグボンド・シリーズが長く続くなら、話のパターンはこうなるでしょう。悪の秘密結社(ショッカー(仮))から怪人が派遣され悪さをする。ボンドが怪人と戦いショッカー(仮)の陰謀を打ち砕き、怪人を倒す。そうです。完全に仮面ライダーシリーズのパターンです。ミスター・ホワイトはタイガーマスクで言えばミスターXみたいな存在でしょうか。でも多分、このシリーズはそんなに長くは続かないのではないかと思います。次あたりでショッカー(仮)の本質に迫り、次の次あたりでショッカー(仮)を壊滅させて、恋人の仇を討ち、めでたしめでたし。というような流れになるのではないでしょうか。せっかくリアルで渋いボンドが生まれたのですから、これからもハードボイルドなボンドを期待します。『007 慰めの報酬』公式サイト[CD]007 慰めの報酬 オリジナル・サウンドトラック
2009年03月17日
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『チェ 28歳の革命』(スペイン・フランス・アメリカ映画)132分『チェ 39歳別れの手紙』(スペイン・フランス・アメリカ映画)133分 監督 :スティーヴン・ソダーバーグ キャスト: エルネスト・チェ・ゲバラ・・・ベニチオ・デル・トロ フィデル・カストロ・・・・・・デミアン・ビチル ラウル・カストロ・・・・・・・ロドリゴ・サントロ アレイダ・マルチ・・・・・・・カタリーナ・サンディノ・モレノ カミロ・シエンフエゴス・・・・サンティアゴ・カブレラ タニア・・・・・・・・・・・・フランカ・ポテンテ(あらすじ)『チェ 28歳の革命』圧制に苦しむ民衆を救おうと、アルゼンチン出身の革命家ゲバラはカストロのグループと合流し、キューバで革命を起こす。2年間に及ぶ革命は成功し、カストロ政権が誕生する。『チェ 39歳別れの手紙』キューバ高官の地位を捨て、ゲバラはボリビアの革命軍に合流する。民衆の支持を得られず革命は失敗し、ゲバラは処刑される。(感想など) すごい人だ。それが一番の感想です。もはや映画がどうこうではないです。ただただゲバラは凄い人だと思いました。ゲバラ自身は異国の裕福な家庭に生まれ、圧制とは無縁です。なのによその国の苦しみを見過ごすことが出来ずに、命がけの戦いに参加します。それだけでも凄いことなのですが、ゲバラが普通の人と決定的に違うのは、苦難の成果を自らの意思で捨て、再び苦難の道を選ぶことです。キューバにいれば、莫大な富と名声を手に入れ、多分今でも生きているでしょう。普通、どこかで革命を起こして成功すれば、後はずっと政権の運営に携わるはずです。どこの世界に、誰もがうらやむ豊かな生活を捨て、飢えと苦痛ばかりの過酷な毎日を選ぶでしょうか?そんな人がいるわけないですよね。元々自分と全く関係の無いよその国の民衆の為に戦った。自分の利益は何も求めなかった。だから利益を手にしてもあっさりそれを捨てて、また別の国の民衆の為に戦った。究極の利他的人間であると言うしかありません。もしボリビアで革命が成功していても、多分また別の国で革命を起こしたでしょう。遅かれ早かれいずれ殺されるのは必然。しかしゲバラは自分が殺されるとは思っていなかったのでしょう。勝利を得ることを信じ続けていたのでしょう。それは愚かさでも狂気でもなく、ゲバラの強さなのでしょう。信じられないほどの強固な意思。ジョン・レノンが「ゲバラは世界で一番かっこいい男だ」と言ったのもうなずけます。『チェ 28歳の革命/チェ 39歳別れの手紙』公式サイト[DVD]チェ ダブルパック(DVD)[BOOK]チェ・ゲバラ伝新装版
2009年03月12日
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『禅 ZEN』(角川映画)127分 監督 :高橋伴明 キャスト: 道元・・・・・・・中村勘太郎 おりん・・・・・・内田有紀 寂円・源公暁・・・テイ龍進 懐奘・・・・・・・村上淳 松蔵・・・・・・・哀川翔 北条時頼・・・・・藤原竜也(あらすじ)若き道元は仏法の正師を求め、宋へと渡る。天童山の如浄禅師の弟子となり修行を続けた道元は、ある日悟りを得る。ありがたい経典も貴い仏像も何も持たずに、ただ己のみを成果として日本へ帰った道元は自分の得た教えを広める。他の宗派から迫害を受け、寺を移しながら遂に越前に大仏寺(現・永平寺)を建立する。子を失った遊女おりんも道元を慕い、門下生となる。己の非道の報いの為苦しむ時の権力者・北条時頼も救い、仏法を追求し続けた道元は54歳で入滅する。(感想など)おもしろかったです。有名な僧が主人公の映画は他にもありますが、私はこの『禅』が初めてです。映画なので、教えの説明ではなく、道元の波乱に満ちた生涯を描いています。歌舞伎役者・中村勘太郎が高貴な道元を見事に演じます。さすがです。久しぶりに見た内田有紀は若い頃より今のほうがもっと美しくなっていました。いろいろ苦労したようですしね。この映画を観ていると、胸のもやもやがすっと晴れ、心が静かにおだやかになっていきました。角川さんもバカみたいな派手な映画だけじゃなくて、なかなかいいものを作りますね。見直しました。『禅 ZEN』公式サイト[CD]禅 只管打坐
2009年02月24日
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『12人の怒れる男』(ロシア映画)160分 監督 :ニキータ・ミハルコフ キャスト: 無罪代表・・・・・・セルゲイ・マコヴェツキー 有罪代表・・・・・・セルゲイ・ガルマッシュ 実は主人公・・・・・ニキータ・ミハルコフ(あらすじ)養父の殺人容疑の事件の陪審員による審議が始まる。全員一致で有罪かと思われたが、1人の男が無罪を主張する。陪審員それぞれが己の信じることを語り、長い激論となる。(感想など)1957年にアメリカで作られた不朽の名作のリメイク。予習としてオリジナルを観てみました。緊迫した雰囲気で真相が明らかになっていく話がおもしろく、人種差別や偏見などの問題も垣間見え、見事な映画でした。ただ真相が明らかになる痛快感・盛り上がりは三谷幸喜脚本の邦画『12人の優しい日本人』の方が上を行っています。そして今作。オリジナルと全く同じで全然違う。ちょっと予想外の映画でした。アメリカが舞台のオリジナルをロシアを舞台にしたらどんな映画になるか?という試みかと思っていたのですが、違いました。陪審員それぞれの個性がオリジナルよりはるかに濃密に描かれています。たった96分だったオリジナルに対して今作は160分の長編映画です。オリジナルでは陪審員のバックボーンに何も触れていないのですが、今作では一人一人が思いいれたっぷりに自分の過去を語ります。そこから浮かび上がってくるのは、ロシアの悲惨な現状とチェチェン戦争の悲劇。そうです。この映画は法廷ものでは決してありません。多分、ニキータ・ミハルコフ監督はロシアの現状を世界に訴えたかったのでしょう。でもそんな映画を作っても誰も観てくれない。そこで、うまい手を思いついた。不朽の名作『十二人の怒れる男』の名を借りればみんな観てくれる。この私の想像はそれほど外れていないと思います。オリジナルでは決定的と言っていい逆転の論拠も今作ではついでのように軽く語られるだけですし。この映画は、事件と推理はオリジナルと全く同じですが、内容は全然違います。そしてオリジナルに無い大どんでん返しのラストシーン。ここで監督はひどいことをします。今までの人物の掘り下げはなんだったんだ。(^^;もちろんこのラストシーンもロシアの悲惨な現状を訴えるために必要なものですが、監督は演じていてさぞ気持ちが良かったでしょうね。この映画は名作には成り得ませんが、監督の訴えたかったことは確かに伝わりました。『12人の怒れる男』公式サイト[DVD]12人の怒れる男(DVD)
2009年02月21日
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