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2008.10.23
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カテゴリ: 環境問題
地球温暖化の原因は二酸化炭素か

地球温暖化を巡る論争の論点の第2は、地球は確かに温暖化しているとして、その原因は本当に二酸化炭素なのか、という点です。
それについて検討する前に、まずはどういうメカニズムで二酸化炭素が温暖化をもたらすのかについて、簡単に説明しましょう。

地球の「暖かさ」の源泉は、言うまでもなく太陽にあります。太陽の光に地球が暖められているから、生物が生きられる気温が維持されているのです。ただし、もしも地球にまったく大気がなかったら、太陽の光が降り注いでも、地表からの熱の放射によって宇宙に出ていってしまう熱が多いため、実際より遙かに寒い星になっていたはずです。それが暖かさを維持できるのは、地表からの熱の放射を大気がくい止めてしまうからです。この、熱の放射を大気がくい止める効果を「温室効果」と呼びます。
ただし、大気の全ての組成に温室効果があるわけではありません。熱(赤外線)の波長を吸収する気体成分だけが、温室効果を持つのです。大気の3/4を占める窒素と、我々生物の呼吸の源である酸素には、温室効果はありません。温室効果を持つのは、問題の二酸化酸素の他に水(水蒸気)、メタンなどがあります。
もしも地域の温室効果が全くなかったら、地球の平均気温は計算上マイナス18度になってしまうと推定されています。そんな気温では、人類はとても生きては行けません。しかし、実際の地球の平均気温は15度です。温室効果こそが、地球生命の源と言っても良いのです。

ただし、過ぎたるは及ばざるがごとし。温室効果が行きすぎれば、温度が上がりすぎて生物の生存に支障を来します。その究極の姿は地球のとなりの惑星、金星に見ることが出来ます。かつては金星にも海があったと言われています。しかし金星は、太陽までの距離が地球の2/3ほどしかなかったため、太陽は次第に明るさを増すと、高温のため海が蒸発を始めたのです。海水中にとけ込んでいだ大量の二酸化炭素、更には水(水蒸気)そのものも大気中にばらまかれました。その温室効果によって気温が上り、なおいっそう海水の蒸発が加速し、それが更なる温室効果を・・・・・・という、温暖化の循環サイクル(フィードバック効果)によって温暖化が加速していったと推定されています。
やがて、高熱のため水蒸気(H2O)は水素と酸素に分解され、水素は軽いため宇宙空間に四散し、酸素は地表を酸化させ、二酸化炭素の大気だけが残ったのです。その結果、現在の金星は気圧90気圧、平均気温400度以上という、灼熱・高圧の世界となっています。

地球の場合、両極には氷があります。いうまでもなく氷は白く、それだけ太陽の光を反射します。この、光の反射率をアルベドと言います。白い氷はアルベドが高い、黒い地面はアルベドが低い、というわけです。高温化によって氷が溶けると、そこは海上であれば青い海、陸上なら黒い大地になります。いずれにしても、太陽の光をあまり反射せず、吸収しやすくなります。アルベドが下がるわけです。そうすると、なおいっそう温暖化を促進しやすくなると考えられています。これもまた、温室効果のフィードバックの一種ということになります。



さて、前回の日記で、地球の気温が近年上昇していることは間違いないと書きました。問題はその原因です。地球温暖化論によれば、その原因は二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの増大であり、反温暖化論によれば、何か別の要因だということになります。
さて、どちらが事実でしょうか。
最初からいきなり結論を書いてしまうと、このような自然現象は、おそらく単一の原因ということはあり得ません。様々な原因が絡み合って、複合的な要因によって気温が上昇していることは間違いありません。

二酸化炭素が温暖化の主因と考える温暖化論者でも、人為的な二酸化炭素放出量の増大が、温暖化の「唯一の」原因である、などとは主張していません。過去200万年の間に氷期と間氷期が何度も訪れたことからも分かるように、人為的な影響が一切なくとも、地球の気候は様々に変化してきたし、これからもするでしょう。それは明らかなのですが、問題は、現在(この50年ほどの間)に急激に進行している温暖化の「主な原因は何か」ということです。
上記のとおり、地球規模の温暖化という自然現象は極めて複雑な要素が絡み合っていて、原因は単純ではありません。地球上には膨大な量の二酸化酸素が存在します。

ただ、二酸化炭素の濃度上昇と気温の上昇には相関関係があることは明らかです。反温暖化論は、この相関関係を、温暖化論とは逆、つまり二酸化炭素が増えたから気温が上昇したのではなく、気温が上がったから二酸化炭素が増えたと主張しています。二酸化炭素の増加は温暖化の原因ではなく結果である、というわけです。その根拠とされるのはこの表です。

http://env01.cool.ne.jp/index02.htmより引用
引用元  http://env01.cool.ne.jp/global_warming/report/kondoh02_3.htm

確かに、この表からは気温が先に変動して、少し後から二酸化炭素の濃度が変動しているように見えます。
しかし、よく見ると、この表は決して二酸化酸素の濃度の変化を正確に示してはいないのです。実際の二酸化炭素濃度の推移はこちらにあります。
http://www.data.kishou.go.jp/obs-env/ghghp/21co2.htmlより引用
引用元  http://www.data.kishou.go.jp/obs-env/ghghp/21co2.html

全然違うのが分かるでしょう。

長期的変動を抜く!地球温暖化は、数十年から百年という単位の長期的な変動ですから、二酸化炭素濃度の変動の中でも長期的な変動こそが重要なのに、それを抜いてしまったら意味ある結果が出るはずはありません。
最近は、そのような批判を意識してか、以下のようなグラフも見かけるようになりました。

http://env01.cool.ne.jp/index02.htmより引用
引用元  http://env01.cool.ne.jp/global_warming/report/kondoh02_3.htm

長期的な変動も反映された上で、とにかく二酸化炭素濃度の変動と気温の変動を比較グラフにしたものです。
しかし、この表も結局は同じことなのです。縦軸をよく見てみましょう。左側の縦軸は二酸化炭素濃度の増減です。0は一番下にあり、折れ線は一度も0を下回ったことがない。つまり、季節的変化を別にして、二酸化炭素濃度の測定が始まって以来、濃度が減少したことは一度もないのです。

ということは、「気温は下がっているのに二酸化炭素濃度は上がっている」という年がそんなに稀ではないわけです。「気温が上がっているから二酸化炭素濃度が上昇している」のだとすると、気温が下がっているのに二酸化炭素濃度が増えるという事態は説明が付きません。

これは、つまりこういうことだと思われます。基本的なベースとして、二酸化炭素の増大が気温上昇の要因となっています。ただし、その影響は長期的であり、変動のしかたも単純ではありません。気温は変動しながら長い目で見れば上昇しているので、一時的には気温が低下することもあります。その一方、金星の説明で触れたように、フィードバック効果、つまり二酸化炭素の増加が温暖化を招き、その温暖化が更に二酸化炭素の増大を招くという相乗効果もあるのです。先に気温が変動して、後から二酸化炭素濃度の増加具合が変動するのは、このフィードバック効果によるものではないかと推測できます。

余談ですが、最初の表は非常に多くの反温暖化論の本やホームページに引用されています。たいていの場合は、「二酸化炭素の濃度変化から季節変化と長期的変化を抜いたもの」という、正しい注釈を入れています。ところが、私の手元にある「『地球温暖化論』に騙されるな!」(丸山茂徳著・講談社)は、そういった注釈抜きに、「ハワイで観測された平均気温の変化と二酸化炭素濃度のデータです」と書いています(59ページ)。これはあまり誠実な記述とは言えない気がします。

さて、大気中の二酸化炭素濃度の増加が人為的な起源によるものであることを示唆する根拠はもう一つあります。
二酸化炭素(CO2)とは、文字通り酸素原子2個と炭素原子1個から出来ている分子です。炭素原子(C)は、細かく分けると3種類に区別できます。C12とC13、それにC14です。割合で言えば、C12が圧倒的多数で、C13とC14はごくわずかです。C12とC13は安定的な元素ですが、C14は放射性同位元素と呼ばれ、時間が経つと崩壊して、窒素(N)原子に変わってしまいます。半分の量が窒素原子に変わってしまう変化のスピード(半減期)は約5750年です。ではどうしてC14は時間とともに消滅しないのかというと、大気圏の上層で、宇宙線の影響によって常にほぼ一定の量が新たに生まれているからです。従って空気を吸って生きている我々地球上の生物はみんな、体内に大気中とほぼ同じ割合でC14を含んでいます。しかし、死んで呼吸をやめた瞬間から生物の体内からC14が少しずつ消滅していきます。だから、生物の化石が発見されたとき、体内のC14の減り方の程度を測定することで、その生物がいつ生きていたかを突き止めることが出来るわけです。
ただし、半減5750年ということは、11500年で1/4,23000年で1/8と減っていくわけで、5万年も経つとほとんど測定不能なほど減ってしまいます。石油や石炭などの化石燃料は、何千万年、何億年も前の生物の遺体に起源がありますから、C14はまったく含んでいません。従って、石油や石炭を燃やすと、C14を含まない二酸化炭素が増えていくことになります。
そして、事実大気中のC14の濃度は、どんどん減っているのです。これは、二酸化炭素の濃度上昇が化石燃料の燃焼によるものであることを強く示唆しています。

もっとも、海水中には大気の何千倍という量の二酸化炭素が蓄積されていますが、海水中の二酸化炭素も、C14を大気中ほど多くは含んでいないことがあり得ます。C14は大気圏上層で生まれるのに、何千年も滞留する深海の水は、大気圏と接触することがないからです。従って、反温暖化論によれば、大気中のC14が減っているのは海から二酸化炭素が放出されているからだということになります。
ところが、ここにもう一つの炭素原子C13があります。C13は大気中より海水中の二酸化炭素に、より多く含まれています。従って、もし海水から大量の二酸化炭素が放出されれば、大気中の二酸化炭素にC13を含むものの割合が増加するはずです。しかし実際にはC13の割合も、C14と同様に減少しているのです。ということは、大気中の二酸化炭素増加の最大の要因が海からの放出ではないことが示唆されています。
もちろん、このことによって、絶対確実にそうだと断定できるわけではありませんが、二酸化炭素の増大の原因が人間活動にある可能性は極めて濃厚、ということは言えます。

(以下次回に続く)





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最終更新日  2008.10.25 00:04:12
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